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人類観察都市 東京二十三区

793フォニイ ◆6bb6LonGS2:2022/06/19(日) 22:25:07 ID:CLc/zK7M0
「前から思ってたんだけどよぉ。んな形の入れ物に沢山入る訳ねえだろ」


『ジャック・ザ・リッパー』こと『鎌鼬』が突っ込んだのは、ランドセルについてである。
『久世しずか』が食糧を詰め込もうとしたランドセル。
小学生が持つ鞄の象徴ではあるものの、これを普通の鞄代わりにしようというのは相当不釣り合いであった。
しずかが困っていると、鎌鼬は勝手に家の中を探しまくった。


しずかの住む家は、聖杯戦争の舞台より前に暮らしていた彼女の自宅と同じ、全体的に一般家庭からすると物が放置され。
衣服もクローゼットにしまわれていない。
でも、生活感ある要所要所が片付いているのは、時折帰って来る母親が最低限の家事をするからだ。
母親は滅多に帰って来ない。
だけど、しずかが生活できる為の最低限のこと――食糧の提供などしてくれる。

実は先程まで、母親が帰って来ていた。
ゴールデンウイーク中だから、仕事が休みなのかと思えば、ゴールデンウイークだからこそ自宅には戻らず仕事で帰らない事を伝えにきたのだ。
ある男と旅行を楽しむ為、とはしずかに説明せずに。
学校が休みなので、多めに食糧を用意してくれた。
あとは、面倒くさそうに家事を済ませて、そそくさと家から退出する。


そして、二人が考えたのは(厳密には鎌鼬が考え、しずかは賛同しただけ)『他の主従を探しに行く』だった。
拠点であり一安心できる自宅に固執せず。
というか、じっとしてサーヴァントが向こうからやって来るのを待つより。探した方が早いだろう、という奴。

殺人事件を起こしておいて、注目されているだろと他の誰かがいれば突っ込む場面だが。
残念ながら突っ込む者は誰もいなかった。
第一、鎌鼬本人が何度も事件を起こしても、他サーヴァントが現れなかった事から、自分は注目されてないと勘違いしたのである。

これも様々な要因――派手に暴れる他主従の存在で、鎌鼬の脅威が二の次にされたのが一番だろう。
ある意味、彼らは幸運かもしれない。


鎌鼬が、母親が使っていたらしい手提げバッグを見つけて、そこに母親が用意したおにぎりとかパンを詰め込みまくる。
ボーっと光景を眺めるしずかだったが、突然、外が明るくなる。
何やら騒がしい声が無数と、騒音が聞こえると――彼らの家に火種となる火炎物が投げ込まれたのだ。


サーヴァントの襲撃ではない。
無法の荒くれもの共――『殺島飛露鬼』が率いる集団、所謂『新生・聖華団』の仕業だった。


これは『聖華団』の常套手段。
近隣住宅に火災を引き起こし、そこへ警察の眼を逸らし、主要の暴走行為を行うというもの……
決して、しずか達を狙った犯行ではないのだが。
それを知らぬ者からすれば、自分達を狙ったものと警戒するのだ。


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