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辺獄バトル・ロワイヤル【第3節】

138誰が私を Who Called Me? ◆s5tC4j7VZY:2021/08/08(日) 07:41:58 ID:UH/4h6Tc0
母親ーーーーー親のうち、母である親。女親。
国語辞典ONLINE.より引用。

「……」
呆然とした顔つきでふらふらと歩いている来夢。
当てもなく歩く姿は普段の彼女を知る者が見たら驚くであろう。

「……」
(一体、ライムの身に何が起こってたの……?)
先ほどまで、自分の意識はまったくといっていいほど、失っていたような状態だった。

「……」
(おそらく、あの時に操られたんだ……)
原因として心当たりがあるのは、十字路で出会ったメガネをかけた肌が青い女性との邂逅。
なぜならそれ以降だ。意識が、チカチカとしただけでなく、自分の脳裏に『ビバ伯爵』という謎の言葉がリフレインされていたのは。
そして、来夢の読みは間違ってはいない。
そう、アナスタシアの異能「チョーサイミンジュツ」により意識が混濁していた。

(だけど、たとえ操られていたとしても……)

―――チラッ。

来夢は自分の両手と服を見る。

―――血まみれ。

「ライムが殺した……」
目を瞑っても消えない。
混濁した意識が戻った時、目の前にいた……アイドル……せつ菜という女の子のホッとした笑顔が。

さらに―――

「思い……出して……貴方の大好きなせか……いを……」
女の子の今際の言葉が脳内から離れない。

それに加え―――

「せつ菜ちゃんは、最後まで君を助けようとしていたよ」
「それと、せつ菜ちゃんはアイドルをしていたんだけど、もう二度とファンの前で歌えなくなったよ。……君のせいで」
せつ菜と同行していた少年が捨て台詞のように吐いて逃げた言葉―――
ライムが犯した罪の楔として心を貫き、未だ消えずに残る。

(ライムは……ユズやヒナちゃんにどんな顔で会えばいいの―――?)
これまで来夢は夕月、日菜子と共に世界を救うため、原種を倒していた。
夕月と比べると比較的ドライであるため、時には人の感情を利用したこともある。
だが、”人を殺した”ことはない。

だけど―――

―――殺した。

自分を助けようと奮闘し、笑みを浮かべた子の首をライムは刎ねた。
彼女の”大好き”を断ち切った―――ライムが。

「ユズ……ヒナちゃん……ライムは……」
頭痛が鳴りやまない。
来夢の心は阿修羅地獄に一人残されている―――

☆彡 ☆彡 ☆彡


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