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魔界都市新宿 ―聖杯血譚― 第3幕

361流星 影を切り裂いて ◆/sv130J1Ck:2017/03/07(火) 22:22:37 ID:Ef0xKzCs0
天子に向かってシャドームーンが猛進する。仮借無い殺意を乗せた凄絶無比の斬撃が途切れること無く天子を襲う。
十余合を打ち交わした時、傷ついた右足を狙ってシャドームーンが長剣を振るう。
緋想の剣で受けたのを狙いすまし、左の短剣を天子の口目掛けて突き込んでくる。
頑強な肉体を持つ天子といえど、口に刃を突き込まれて脳幹を貫かれれば絶命する。
仰け反って回避した天子に、シャドームーンが念動力を放とうとした時、踏み込みの勢いでアスファルトを砕き、ヴァルゼライドが二人纏めて両断する勢いで斬りつける。
シャドームーンが横に、天子が後ろに転がって回避。天子が要石を、シャドームーンが左のシャドーセイバーをヴァルゼライド目掛けて飛ばす。
長短の刀でヴァルゼライドが防いだ隙に、立て直した二人が殺到する。
龍を思わせる咆哮と共にヴァルゼライドが折れた刀を捨て、腰の刀に手をやる。今手にしている双刀では無く、新たに手にした三本目。
戦いながら再生させた三本目の刀で、バージルから習得した剣技を放つ。
シャドームーンが駆ける為に足に込めていた膨大な魔力を用いて横に飛び、天子がカナメファンネルを踏み台に上方に跳躍する。
読んでいたかの如くシャドームーンが跳躍した天子にシャドービームを放って直撃させるも、自身も光条が右の脇腹を掠めた。

地に落ちた天子目掛けて走り寄るヴァルゼライドが、突如虚空に一刀を振るうのと、立ち上がった天子が硬直したのが同時。

「アアアアアアアッッ!!」

天子が絶叫する。いきなり拘束されて、全身を魔力のスパークで灼かれているのだ。
ヴァルゼライドには看破出来ていた。ルーラーと戦った時、先んじてルーラーと交えていたアサシンの技と同類の─────操る技量も刃そのものも大幅に劣るが─────ものだと。
シャドームーンが精製した隠し札。サーチャーの使う妖糸の劣化コピー。
両手の中指から精製した、百分の一ミリの魔力糸を念動力で操り、ヴァルゼライドと天子目掛けて放ったのだ。
そもそもがオリジナルの再現など、そう簡単に出来るわけなど無い。太さも強度も�嗄性もサーチャーの妖糸には遥か及ばぬ。まして操る技など論外だ。
それでも百分の一ミリの魔力糸は不意を衝くには充分過ぎる─────筈、だったのだが。
天子には決まったものの、ヴァルゼライドは“以前にも対したことがある”かの様な手慣れた動きであっさりと防いでしまった。
魔力糸を介して天子に魔力を流し込んでダメージを与えながら、全長30cm程の魔力糸を数百条精製、念動力を用いて、ヴァルゼライド目掛けて殺到させる。
シャドームーンは知らぬ。ヴァルゼライドがこの地で戦った者の中に、サーチャー─────秋せつら─────と同じ日に生まれ、幼馴染として育ち、ただ一つの座を巡って相剋した魔人が居たことを。
シャドームーンと同じ宿命の元に産まれ、シャドームーンと同じく敗北した魔人、浪蘭幻十と対峙した経験を以って、ヴァルゼライドはシャドームーンの隠し札を破り捨てる。
ヴァルゼライドが“魔力糸の悉くを斬り払いながら猛進。瞬く間にシャドームーンに詰め寄り両手を後ろに廻す。
シャドームーンがヴァルゼライドの意図を読めず、硬直した刹那、ガンマレイを斜め後ろに発射。爆風を受けて加速する。
両腕を後ろに回したヴァルゼライドがどちらの腕で攻撃てしてくるのかシャドームーンには読めない。
常ならば無事な刀を持つ左なのだろうが、持ち替えてしまえばそれきりだ。
先手を取って斬り伏せる、という事も考えたが、ヴァルゼライドが両腕を後ろに廻した時に、意図を読めずに硬直したことで遅れを取ってしまった。
この状態で繰り出せる攻撃などそうは無く、クリストファー・ヴァルゼライドならば、全て防ぐ準備を終えているだろうと判断。
先ずは防ぐ、そして返す一撃で仕留める。シャドームーンは意識を集中し、ヴァルゼライドを注視する。


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