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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第102話☆
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魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所の5スレ目です。
『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
『注意情報・臨時』(暫定)
書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。
前スレ
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第101話☆
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1259008244/
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>イクスピアリ氏
GJです。
っていうか何で劇場版しか見てない人が美沙斗さん知ってるんだwwwwwwww
フェイトも雷刃も可愛いなあちくしょう
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なんでライちゃんはこんなに可愛いんですか?
GJ!
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投下します。
バカSSです。4レス分です
タイトルは「節分AFTER」
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1
イノーメスカノンの銃口を見つめながら、スバルは首を傾げていた。
一体、何でこんなことになってしまったんだろうか。
「えっと、ディエチ?」
「うふふふふふ、聞こえないよ、スバル」
「思いっきり聞こえてますよ!?」
シュコンシュコン、とイノーメスカノンのゲージが上がる音。
「えっと……ディエチ? もしかして最大出力?」
「ううん。出力120%」
「限界突破!?」
このまま振動破砕でカノンを壊してディエチを突破しようか、とスバルは考える。
しかし、そんなことをすれば後で弁償しなければならない。ディエチでなくカノンを。
タダでさえ今月は予定が立て込んでいて予算が緊急なのだ。余分なお金はない。
食事代、食事代、さらに食事代。
食べてばかりである。
あまりに情けないので、自分の今月の予定を頭の中で検索するスバル。
食事食事食事仕事食事食事おやつ食事おやつ食事仕事ティアナ食事食事おやつティアナ食事食事仕事食事
あまりのことに愕然とするスバル。
(えーとっ……食べ物以外食べ物以外)
カレーライス
(ああ、カレーは飲み物……って、違う! アタシはどっかの、医者に命危ないって言われてダイエットしたら仕事干された大食い芸人か! い
や、芸人じゃないし!)
芸人は否定しても大食いは否定しないのがスバルのジャスティス。そしてサンクチュアリ&レゾンデートル。
「六課のストマック・インフィニティ」もしくは「六課のデッドリースポーン」と呼ばれていたのは伊達ではない。
しかしとりあえず今はピンチ。さすがに正面から放たれたイノーメスカノンの弾は食べられない。
いや、もしかすると質量弾ならパクパクと……という一縷の望みはあるが、今ディエチがチャージしているのはエネルギー弾である。
「お願い、落ち着こうよ、ディエチ」
「……誰のせいだと思ってるのかな?」
「えー、チンク?」
シュコンシュコン
「ノーヴェだっ!」
シュコンシュコンシュコン
「ウェンディ!」
シュコンシュコンシュコンシュコン
「ごめんなさい、私が悪うございました」
ゲージの上がる音が止まる。
「スバル。本当にそう思ってる?」
「うん。うん。勿論」
「本当に?」
「うん。うん」
ディエチのカノンが元に戻される。
スバルは汗を拭った。
「ふぅ……」
そして後悔とともに思い返す。今朝方からの無茶騒ぎを……
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2
スバルは考えていた。
なのはさんと義母さんの故郷にある謎の風習、節分。
ヴィータさんに聞いたところによると、煎った豆(とても堅い)をぶつけ合う(とても痛い)アグレッシブかつエクストリームなシステムらしい。
さすがはなのはさんを産んだ地球である。一筋縄ではいかないバイオレンスな風習である。きっとなのはさんは節分世界チャンピオンに違いな
い。
他にも地球には、
家屋敷に見立てたものを十数人で持ち上げて、互いにぶつけ合って壊す。時々、人間が潰される。
お菓子を奪いに見知らぬ家庭に訪問し、イタズラの限りを尽くす。時々、不法侵入現行犯で射殺される。
煙突から他人の屋敷に侵入し、年端もいかぬ子供の枕元に忍び寄る。時々、煙突に引っかかって薫製になる。
学校の生徒を無人島に放置して最後の一人になるまで殺し合わせる。時々、複数人生き残って脱出する。
年の初めに、死亡率数パーセントの食物を一家の最年長に食べさせる。時々、喉に詰まったそれを掃除機で吸い出す。
王様と同じ名字の人が皆殺しにされる。時々、というか殆ど全部日本語がおかしい。
冬の終わりには、思い人にチョコを送って、恋のライバルのお腹をかっさばく「聖NICEBOATデイ」というのがある。時々、放送禁止になる。
フェイトさんが紅白に出た。司会者が同じ業界にいたことは黒歴史なので内緒。
などの風習があるらしい。
地球って恐ろしい。
そりゃあ、なのはさんのような規格外逸品が産まれるのもうなずける。
なにしろなのはさんは生身であれだ。自分のような戦闘機人ですらない。本当に恐ろしい話である。
そしてそれに単身で対抗しうるフェイトさんもやっぱり恐ろしい。八神部隊長も恐ろしい。
地球関係者はみんな恐ろしいのである。
そんな関係者に囲まれていた自分頑張れ、超頑張れ。
とにかく、節分という模擬戦をやってみたくなった。
まずは豆を準備。
適量がわからないので、とりあえずバスタブ五杯ほどの豆を用意する。
あと、海苔巻きを百本以上注文。なんでも、節分終了後には海苔巻き(地球では恵方巻きと呼ばれている)を歳の数だけ食べるという風習もある
らしい。
地球人、結構大食いである。
「というわけで」
スバルが招集をかけて居間に集まるナカジマ姉妹総集合の図。
今やナカジマ姉妹は総勢六人。長姉ギンガを筆頭に、チンク、ディエチ、スバル、ノーヴェ、ウェンディの六人である。
近所でも有名な美少女六姉妹であり、この六人に対抗できる者はいない。
因みに、バスト(胸囲)総計勝負なら八神家一同とタメを張るので注意が必要である。人数の少なさをカバーして余りあるシグナムとシャマル恐
るべし。
そして、ヴィータとチンクにそれぞれ戦力外通告が出されたことは双方の名誉のために内緒である。
「今から皆さんには節分をしてもらいます」
「接吻ッスか!?」
「ウェンディ、飢えてる? ウチの司令に紹介しようか?」
「飢えてないッス」
「もう一度言います。節分です」
「むう、節分か」
「知っているのか? チンク姉」
「当たり前だノーヴェ、姉の知識を侮るな」
節分とは、と講釈を始めるチンク。
「端的に言えば、微分の逆操作で……」
「それは積分」
「そうとも言うな」
「ああ、あれか」
何かを思い出すウェンディ。
「ほら、まえになのはさんが持ってきた地球のビデオで、眼鏡かけて変身する……」
「(ウルトラ)セブンだ」
「そっスか」
「因みに眼鏡で変身すると言えば、メガ姉は元気かなぁ」
「この前、差し入れを送ったついでに聞いてみたら、元気だってさ」
「ディエチ、いつの間にそんなモノを」
「何送ったんスか?」
「納豆」
それはスレ的に危険である。
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3
その後、すったもんだのあげく、なんとか全員がルールを理解した。
「つまり、デバイスや固有武装の代わりに豆を使うと言うことだな」
多分理解したと思う。スバルは姉妹を信じることにした。
なに、いざというときは振動破砕である。
「じゃあ、鬼はジャンケンで決めよう」
「別にいいんじゃねえか?」
「は?」
「このメンバーで五対一だぞ。鬼役は瞬殺だろうが」
確かに、ノーヴェの言うとおりである。この中のどの五人でも、攻撃を一方的に受けて無事でいられる人間など……
「ザフィーラさんくらいね」
「ギンガの言うとおりだな」
「うん」
「賛成ッス」
「姉もそう思う」
「しかし、ザフィーラは陛下のお気に入りだ。下手なことをすれば陛下どころか、オットーとディードも黙ってないぞ。おそらくはセインも」
聖王教会組は日頃の洗脳……もとい、教化が功を奏しているのか、ヴィヴィオへの忠誠心が半端無い。
「いや、それ以前に、ヴィヴィオ泣かせたらなのはさんが黙ってませんよ」
立派な死亡フラグ、いや、オーバーキルフラグである。
「じゃあチームに分かれるか。豆投げ役と鬼役で半分に」
「良い考えッスね」
「でも、鬼役はただ逃げるだけ?」
「反撃有りにしましょう。豆を投げ合うの」
「豆合戦か」
「大丈夫かなぁ」
盛り上がる一同。ディエチ一人が心配そうに首を傾げている。
「行くぞ、豆合戦」
既にそれは節分ではない。別の何かもっとおぞましいモノだ。
スバルは周囲を見回す。
射撃特化はディエチ。そしてボードを使うウェンディ。しかし、ディエチはどちらかというと砲撃で、ウェンディはボード頼りである。
豆投げ特化戦闘機人などここにはいない。いや、多分全次元世界を全て探してもいない。さすがにスカリエッティもそこまで酔狂ではない。多分。
だが、そのスバルの読みは速攻で外れることになる。
ランブルデトネイター・イン・豆
「なんで豆にチャージできるのぉおおおっ!!!」
「いいから逃げろぉっ!」
複数の豆が投擲される。
散らばり飛ぶ豆。
その一つ一つにチャージされた爆発エネルギー。
無敵である。
「くらえっ! ランブルビーンズ!!」
「技の名前まで付いてる!?」
「ウェンディ、反撃して!」
「え。どうしてアタシが!」
「あたしとノーヴェがシールド張るから!」
「いや、待て、スバル!」
「なに?」
「とりあえず距離を取ろう。チンク姉はあたしらのスピードにはついて来れないはず。ランブルデトネイターだってそんなに射程距離はない」
「よしっ」
一旦振り向いてチンクとの距離を確認するスバルだが……
「ギン姉がチンク抱っこしてるぅう!!!」
因みにノーヴェ、スバル、ギンガのスピードはさほど変わらない。
そしてチンクは、ギンガに抱えられた状態で嬉しそうに豆チャージしている。
「豆が光ってるょお!」
「ああああ、チンク姉の豆が光って唸る!」
「あたしらを倒せと輝き叫んでるッスよぉ!!」
「と、とにかく、撃て! 撃て! ウェンディ!」
「えええええっ!!!」
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4
「に゛ゃああああ!」
「ギャーっス!!」
吹っ飛ぶ二人。
一瞬で遅れたために何とか爆風圏内から外れていたスバルは呆然とする。
「よし、よくやった、ディエチ!」
勝利を単純に喜ぶチンク。
しかし、そこへ向けられるカノン。
「チンク姉も同罪」
「なにっ?」
またもや吹っ飛ぶ、別の二人。
「あ……」
そして一人残されるスバル。
「えっと、ディエチ?」
「なにかな、スバル」
「怒ってる?」
「ん?」
「怒ってるの?」
「アタシが? スバルに? チンク姉に? ギンガ姉に? ノーヴェに? ウェンディに?」
「みんなに」
「なんで? 食べ物で遊んでいるから? 折角片づいていた部屋をボロボロにしたから?」
「えーと」
突きつけられたカノンの銃口を見つめるしかないスバルだった。
(冒頭に戻る)
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以上、お粗末様でした。
……はやて電車エロ。
続きは書いてるんですよ。
一応。
マダ未完成だけど。
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>>242
Q,劇場版しか知らないのに何故美沙斗さんを知ってるか?
A,ニコニコ動画にてトラの美由希ルートと忍ルート、リリカルおもちゃ箱のリリカルなのは(つまりなのちゃんとクロノくんのお話)Play動画がうpされてて視聴したから
因みにローウェルちゃんのも見てます
ローウェルちゃん……(;´д⊂)
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>>250
おい馬鹿やめろ!言うな、死にたいのかッ!
説明はいいんだ、しなくても!
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>>249
GJです。
て、スバルはティアナも食べるんですか(カニバリズム的な意味で)!
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さて、今回の恵方巻はトーマか…いただくとしよう
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>>249
GJ
よくもまぁ、こんだけネタを練りこんだもんだ
ザフィーラが尊重されるててよかった…
というか野狗氏のザフィーラは扱いが雑じゃなくて好きだ
ていうか野狗氏の話が好きだ
ていうか野狗氏が好きだ
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野狗氏GJ!
ああもう、ディエチ可愛いなあもう。
ほんと可愛い。
GJっした。
おっと>>254よ、野狗氏は渡さないぜ?
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こんばんは、映画は全てDVD待ち――よってコミックの四期くらいだぜ、メルツェェェル!
俺、FORCEが進んだら、トーマ×スバルとか書くんだ・・・
アセンブリ楽しいよ四脚速いよ、とかコジマ汚染的に誰にも分からないこと言いつつ。
・・・「Fall」聞いてたらナンバーズとゼスト関連でひたすらどす黒い話ががが。
そういうわけでSSを投下します。
注意事項
・ダーク、シリアス
・キャラの黒化あり。ていうかオヤジキャラ無双
・特定のナンバーズを嫁と思ってる人はダメージ注意
・残虐表現が淡々とてんこ盛り
スルーしたい方、NGは「槍騎士“悲愴”」です。
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槍騎士“悲愴”
前編
新暦75年、夏。
先進都市クラナガン……ミッドチルダ地上本部と呼ばれる、天を突く塔の最上階にて。
音はない。静寂さ、と言えばいいのか。そこにあったのは一人の男の亡骸と、一体の機人の残骸だった。
胸を貫かれ肺腑と血の池で溺れ死んだ、あるいは友だったのかもしれない男の死体――人間としての原形を留めている。
もう一つ、残骸と称すべき存在は酷い有様だった。
「……これは」
一足遅く辿り着いた女、シグナムという剣士が目にしたのは、バラバラに打ち砕かれた機械と肉片だ。
元々は人の形であったことさえも信じられないような、暴虐の嵐が吹き荒れた後。
それを為したであろう一人の槍騎士は、シグナムの目線を受けながら静かに哀哭していた。
「遅かったな……」
「……中将は?」
「死んだ。殺した機人は俺が壊した」
瞑目。シグナムという武人は瞳を開けると、ただ低い声で告げた。
選択を……せめて誇りだけは守れる死と、責務を背負う生き方を。
疲れ切った虚空を泳ぐ目が、どちらを選択するかなどわかりきっていたのに。
その筈だった。
◇
思えば堕ち続ける人生だった。
物心ついた頃には天涯孤独、家名だけの家、友に裏切られ、大勢の部下を巻き添えに死んだ。
この手から零れ落ちたモノはあまりに多く、願いどおりに為せたことなどない。
“正義”を謳う世界の片隅で、届くはずもない夢を追い求めた果ては、死と呪詛に満ち牢獄じみた境界線。
こう思った。
踏み止まる理由など何処にもない。
不完全な肉体と目的を見失った魂に、何が残っているというのだ。
こうも思う。
踏み越えれば楽になれるはずだ。
背負うべき責務と罪を捨て、冥府の腹の奥底へ二度と振り返ることなく歩き出せばいいのだと。
「俺は……」
「旦那ァ!」
「……」
-
ゼスト・グランガイツが選択しようとした。
その不吉な響きに、彼を慕う融合騎は声をあげ、烈火の将は眼を細めた。
残されるものたちへすべてを丸投げする道を、彼が選ぼうとした刹那。
――キリキリキリ
……壊れた歯車の音が聞こえた。
まだ赦せないことがあるのだと、真っ黒な虚無が唸っている。
もう、己の心には何も残っていないと思ったのに。
――キリキリキリキリキリ
正義を信じて走った記憶は穢れた。
少なくとも、あの狂科学者の存在自体が、正義の否定。
絶対の秩序を求めた騎士の理想は、もうどこにもなかった。
築き上げた友情と信頼は信ずるに足らなかった。
一番信じていた者は真相を語らず去り、確かな信頼は戦闘機人によって蹂躙された。
裏切られた。
それを否定するだけの事実はなく、虚ろに壊れた真実のみが“笑う”。
そう、笑うということ。
笑い合えるということ。
幸せを信じるということ。
絆がそこにあるということ。
――思えば俺は何時笑っただろうか?
心の底から笑ったのは……もう思い出すことも難しい昔、信じられる正義と仲間たちが存在した過去。
ルーテシア・アルピーノという部下の忘れ形見を預り、父娘のように振舞ったことも幾度かある。
しかし偽りの笑みしか浮かべたことがないし、心の底には沈殿した憎悪と怒りと疑念が渦巻いていた。
そう、それは初めこそ特定された目標へのものだったが、何もかも無意味となった今では……。
-
――キリキリキリキリキリキリキリ
『――私はせめて、妹たちには幸せになってほしい』
『私やドクターを恨むなとは言わない。……それでも、お前の幸せを見つけてくれないか?』
ああ、知っている。銀髪を伸ばした、ちっぽけな少女の姿の言葉を。
確かにこのゼスト・グランガイツが隻眼にした少女であり、引き換えとして彼のすべてを奪い取った者。
ナンバーズ。戦闘機人でありそのすべてが母体となりえ、未来を紡ぎうる可能性の存在。
人造魔導師。蘇生と改造により兵器化された人体、性欲も食欲も存在しない可能性無き存在。
未来を紡ぎたいという欲望さえ奪われ、ただ執念で動き続けるだけ……幸せなど、最初からあるはずも無い。
そう認識してしまった瞬間、停滞し諦観し壊死を起こしていた感情が、真っ黒な虫食い穴に呑まれて消えた。
「――――カッ」
虚ろだった視線に戻ったのは力(パワー)であり、正も負も超越した煉獄の炎。
おそらく男の運命を【死】と信じていたシグナムは、その変化に剣の柄を握りしめたし、
長い間ゼストを支え続けた融合騎アギトは、健気に近づこうとし、異形の気配を纏った彼に瞠目した。
「だ、旦那……?」
黙れ。うるさい。ノイズが止まらない。
理性と執念が抑えていたはずの、男の焦げ付きが音を立てて広がる。
――キリキリキリキリキリキリキリキリキリ
『チンク姉、とな。あの子たちは私をそう呼んでくれた』
『……たとえ縛られた運命でも構わない、あの子たちが幸せなら――』
何もかも消え去ったあとの虚無さえも、平穏と錯覚したあの頃。
まだ憎悪も憤怒も燃え盛らず、“それしかない”と気づいてしまう前。
不意に思い出されたのは、確かな羨望を覚えた笑顔だった。
ひねり潰したいほどに。
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さらに。
再生されるのは、かけがえのない日々。
『隊長ぉ、見てくださいよ! うちの娘たち、もう本当に可愛いんですよ〜!』
クイントも、
『……父親がいないのは辛いってわかってます。それでも……この子を産みたいんです』
メガーヌも、
『ゼスト。俺はきっと、この世界に平和をもたらして見せる……よろしく頼む』
レジアスも、
それぞれが大切だった仲間たちの言葉で、もう二度と戻ることの無い日々の―――。
ああ、ゼスト・グランガイツが愚かで無力だったからこそ、失われ喪わせた、人生と命。
そして。
ゼストは……希望と呼ばれた『ストライカー』はこう言ったのだ。
『――――俺が、皆を守ってみせる』
誰一人、守れやしなかったのに。
耳鳴りのような歯車の音は、もう聞こえない。
それは音もなく崩れ落ち、砂のように散らばって、もう二度と戻らない。
数え切れない未来を奪うのだと、言われるまでもなく理解していた。
これはワガママだ。誰もが望まぬ破滅の終わり。
ああ、それでも……俺はそうするべきなんだ。
◇
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静かに瞼を広げると、こちらを警戒する騎士シグナムと、旅を共にしたアギトがいる。
二人はゼスト・グランガイツという騎士の変化を感じ取り、鋭くこちらを見た。
ゼストは、己の魔導端末【デバイス】から情報をコピーし終えると、データの入ったメモリスティックを床に落とした。
からん、と乾いた音を立てて転がったメモリスティックに目を奪われることなく、シグナムが告げた。
「騎士ゼスト……貴殿は投降する気は――」
あるいは死を以て誇りを守る終わり。
先程までの男ならば、おそらく飲んだはずのそれ。
厳かとさえ言える声を遮ったのは、爛々と燃え盛る炎を宿した瞳……!
アギトは恐怖しながら叫んだ。
「旦那? いやだよ旦那、どうしちまったんだよ!?」
ゼストはすでに、決意も覚悟も狂気も固めていた。
だから答えは決まっていて、
「……長い夢だったよ。どうして気づけなかったのだろうな、復讐など、殺すしか無いと言うことに」
正確に言うならば復讐ですらない。
咎あるもの咎なきものも、平等に殺すのだから。
そう思考し笑う……そう、これはただの報復。
己の人生を狂わせたすべてを侵し尽くす儀式だ。
「っ! まさか――」
歪極まる表情に怖気を覚え、繰り出されたシグナムの剣閃は宙を切る。ゼストが一瞬早く、跳んでいたのだ。
後方、ナンバーズの肉片とレジアスの死骸を飛び越え、渾身の一撃が対物理シールドを兼ねた窓ガラスを叩き割る。
先の襲撃で機能を停止した地上本部の警戒網は男を捉えられず、止む無くシグナムも飛行術式を展開。
追撃すべく飛び立つ寸前、悲痛な声を耳にした。
「旦那ぁぁぁ!!」
ユニゾンデバイス。おそらくは古代ベルカ式。
ここで放置するわけにもいかず、彼女は思いとどまった。
都市上空で水蒸気を棚引かせ消えゆく影――最強の騎士。
ここで融合騎の保護を優先したことを、シグナムは後に悔やみ続けた。
-
◇
負けた。
戦うために造り出された、自分たち戦闘機人――ドクターの技術の結晶が。
戦闘機人の8番目、特殊術式による支援担当、オットーは敵の守護騎士に確保された己を恥じつつ、
リンクシステムによって12番ディード――オットーにとっては双子の姉妹に等しい存在――が無事であると確認し、安堵した。
完膚なきまでに負けてしまった。データリンクが正しければ、展開していたナンバーズのほとんどが劣勢ないし敗北していた。
……僕らの負け、か。ゆりかごと陛下が無事なら大丈夫だろうけど……そう上手くいくわけないし、ね。
戦うために造り出された命でありながら、オットーには――いや、多くのナンバーズには執着というものがなかった。
そのことを考えれば、あっさりした彼女らの反応はごくごく自然なものだが、どうやら守護騎士にとってはそうでないらしい。
困惑している。あの精強な兵たちが見せる困惑顔に、内心、可笑しな気分になりつつオットーは姉妹との顔合わせを夢見た。
尤も、これだけのテロを起こした自分たちがどうなるかなど、まったくわからなかったが。
そう思いながら、ボーイッシュな少女は空を見上げて――。
「……? アレは……」
空にちかりと閃光が見えた次の刹那、突如として減速することもなく“落下”した影。
爆圧と衝撃波が巻き起こり、拘束されたオットーはなす術なく弾き飛ばされた。
砂の味がする。オットーが目を剥いて落下してきたそれに目線を向けると、機動六課のメンバーが臨戦体制に入っていた。
「なんだ、貴様は!」
「ザフィーラ、この人は……間違いないわ、あの騎士よ!」
オットーも良く見知ったその男は、場違いなほどに穏やかな笑みを浮かべている。
少なくともオットーが知る限り、精々が作り笑顔くらいの、《喜》の感情を忘れてしまったような男だというのに。
何故――笑っているのか? オットーは恐怖を感じながら、それでも正気を保つために声を上げた。
「……騎士、ゼスト? まさか、助けに?」
無言だ。ゼスト・グランガイツは捩れた黒い刃、すなわち槍と剣の中間的運用が出来るポールウェポンを構えた。
立ち上るものは闘志ではあるまい。むしろもっと冷たく澄んだ意志であり、オットーには理解できない何か。
それが何なのか、その場で理解しえたのは守護騎士たるシャマルとザフィーラのみだった。
「……騎士ゼスト、何のつもりだ?」
「この子たちは時空管理局が拘束しています、貴方も投降を……」
理解してなお、彼らはゼスト・グランガイツという誇り高い騎士を信じた。
あるいは言葉さえあれば、彼自身が秩序を守る立場に戻るのではないか、と。
そう信じる声をかけられて、男が発したのは異様なほど平坦な声。
「――退け」
-
そう発したときには、既に長身の槍使いは飛んでいた。
慣性重力を支配し、ただの踏み込みを異常な加速に変えたのだ。
ザフィーラは咄嗟にシャマルを押し倒すことで、殺害半径から逃れていたものの、浅くない傷を負った。
血が、舞う。そしておそらく最後まで、オットーは自分の身に起きたことを理解できなかった。
ぞぷり。
紅い尾を引いて、首が宙を舞った。
力を失ってどうっ、と倒れ込んだオットーの身体と、地面をごろごろと転がる生首。
まるでモノを値踏みするようなゼストの目は、それが生命活動を停止していることを確認し、
「あっけないものだ」
生命を奪ったことをなんとも思わぬ、冷え冷えとした声である。
こんなにも……こんなにも惨めに殺される程度の存在に、俺と部下たちは――。
「くだらん」
制御しようなどとは間違っても思わない、男の“焦げ付き”。
これはゼスト・グランガイツの選択、絶望も希望も捨てた果ての選択なのだから。
「……ぐ、う。貴様ァァァ!」
「なんて、ことを……あなたは……」
ザフィーラとシャマルが呻く惨状さえも、無意味――ゼストには奴らの【死】さえあればいい。
もう、彼の男に声は聞こえていない。それは既にヒトであることをやめたのだから。
だから、無言。次なる獲物を求めて、猟犬のように飛び立った。
「待てぇ!」
咆哮する守護獣への一瞥が、すべてを物語っていた。
◇
ティアナ・ランスターが行動不能にした三体の機人。
彼女が相棒のナカジマ陸士とともに去った後、その三体は独自判断で動いていた陸士部隊に預けられていた。
ノーヴェ、ウェンディ、ディード。直接戦闘タイプの戦闘機人であり、後期ロットのナンバーズだ。
拘束されていた三人が目を覚まし、最初にしたことはデータリンクによる姉妹の無事の確認だった。
陸士部隊が装甲車で防衛しているその場所は、ガジェットドローンの活動が停止した今では最も安全な場所。
ノーヴェはチンクの無事を、ウェンディはセインの、ディードはオットーのそれを真っ先に確認した。
ノーヴェ――安堵。
ウェンディ――溜息。
いずれも姉たちが生存していることを確認し、
「良かった……」
「たっく、心配させる人ッス」
-
安心感を共有しようと、ディードにも声をかけた。
あのすこぶる優秀な機動六課の連中なら、こちらが負けても生かして捕らえているだろうと思って。
けれど、ディードの表情は凍りついたように動かず、ぽつりと言葉が漏れた。
「……オットーからの、リンクが、ない……」
「き、気絶してるんだろ、きっと!」
「気絶した位じゃデータ共有は途切れないッスよ?」
陸士たちが見張る中、不安げに少女たちは空を見上げ――まるでそうすればオットーが無事だと確認できるように――、
あるいは本当の意味で彼女の安否を知る人物を発見した。首都防空隊が壊滅した今、空を飛ぶ者を遮るものはいない。
だからそれは、間違いなく騎士ゼストだった。その飛行に気づいた陸士部隊が応戦する構えを見せ、誘導射撃を数十発放つが。
空気が軋むほどの轟音が響き、ただの一閃ですべての攻撃が無効化されていた。
ゼストが応戦として放つ攻撃魔法は、陸士たちが乗っていた装甲車に突き刺さり――爆裂。
ごぅ、と爆風がナンバーズの三人にぶつかる。堪らず目を閉じると、何かが着地する音が聞こえた。
三人とも、“ソレ”の放つ気配に逃げ出したいくらい怯えている。なのに、手足は拘束具で満足に動くことも叶わなかった。
“ソレ”を視認しようと、ウェンディは瞼を開いた。このまま暗闇に閉じこもるよりは、ずっとマシだと信じたかったから。
「……貴方ッスか、ゼストのおっちゃん」
なるほど、目を開けてみればそこにいたのは騎士ゼストで、ドクターの言うことを聞かざるを得ない人物だった。
大方、自分たちの救出を頼まれでもしたのか。そう思って親しげに接しようとした瞬間、刃が煌いた。
痛覚カットの鈍い音をノイズのように聞き、「あれ?」と間抜けに唸ってみると……。
両足が綺麗に腿の部分で切断され、凄まじい量の血が溢れていた。
茫然自失のウェンディに代わり、ノーヴェが凄まじい形相で怒鳴る。
「テメエ! 何しやがるッッ!!」
「見て分からんか?」
さらに刃が閃く。ウェンディの腹に切っ先が突き刺さり、ずるずると血の線を描き地面を引き摺られた。
激痛――痛覚カットも間に合わない速度のダメージに、陽気な機人の甲高い絶叫が響く。
まるで虫けらだな、と冷えた脳髄が囁く……刃を返し、その臓腑を掻き乱した。
致命的ダメージ。ショックで痙攣する身体。
「おい、ウェンディ、ウェンディ! しっかりしろよ!」
「…………ぁ……ぃたぃ」
ノーヴェが泣きそうな声でウェンディの名を叫ぶも、その頃には少女の瞳は虚ろに宙を見ていた。
槍を引き抜く。それを血に塗れた黒槍で為した“騎士だった男”は、笑いもせずにそれを眺める。
何もかも無意味だと確認するための儀式――心を飲み尽くした、真っ黒な虚空へ捧ぐ。
これだけの惨禍を為してなお、報復(ヴェンデッタ)を求める心の渇きは満たされぬ。
いや、むしろ―――。
-
「まさか……オットー」
そう呟いたのは、最後発の戦闘機人だったか。
流麗なロングヘアの少女が、怒りとも悲しみともつかない激情を宿してこちらを見る。
オットー。先ほど首を刎ねた機人の名前が、そうだったろうか。
ゼストは初めて知った。
命を刈り取った先に感じる、虚無の途方もない許容を。
ああ、だから――その少女に告げていた。
「俺が殺したよ、戦闘機人ども。足掻け、貴様らが俺にした行為の報いだ」
希望を目の前で摘み取られ、奪われ続けた男の言葉は――あるいは嘆くかのようで。
「ッァァア!」
戦闘機人ナンバーズ12番ディードが殺意を剥き出しに、拘束錠を破壊し飛び掛ったのと、
絶対零度の殺人機械と化したゼスト・グランガイツが、闇色の刃を振るったのは同時だった。
剣槍の一撃よりも早く機能したIS《ツインブレイズ》……紅い高エネルギー体の刃が顕現し、ゼストの槍を真っ向から受けとめる。
バチバチと飛び散るスパークと、二刀流の機人のパワー。
なるほど、如何にもゼストは不利のように見えた。
だがそれだけだ。
「その程度か」
後退に見せかけたタメにより、恐ろしい加速をゼストの両足が生み出した。
衝撃――弾き飛ばされ、空中へ投げ出された双剣士の肉体に向け、突き刺し・穿ち・切断せしめる連撃が見舞われた。
次の刹那に散らばっていたのは、ディードの四肢だったもの。
そして悲鳴を上げることもなく、首の付け根から切断された頭部が地面へ落下。
赤い体液が生温いスコールとなってノーヴェの髪を汚し、そのおぞましさに彼女は絶叫する。
「う、ぅあああああああああああああ!」
姉妹の血に塗れた少女を見据える、純粋な暗黒が渦巻く瞳。
先ほどまで安堵を浮かべていた機人の、悲嘆と呼ぶべき激情。
それを眼にして感じたのは、あるいは虚無へ加速するための悟り。
ノーヴェという少女の姿をしたそれに、止めを刺すべく歩み寄る。
後悔はない。歩みを止めるつもりはない。
いまさら、この魂には何も残されていないのだ。
故に出来ることなど決まっている。
二度と、奪わせないために――――
「死ね」
――――殺すしかないのだから。
-
あとがきでござーい。
執筆中のテンションが
「革命なんてな、所詮殺すしかないんだ」
「アイムスィンカートゥ・トゥ・トゥ〜」
で妙に高かったのは、とてもフロム脳ですね。
台詞回しがリンクス臭かったらそういうことです、たぶん。
AC4サントラがBGMの時点で察してくださると・・・。
さて、Vividがキャッキャウフフでナンバーズナカジマ組がかわいいとか。
そう聞いて、こういうSTSの歪さの犠牲者「ゼスト」でひたすら救いのない道を描きたくなったわけです。
「報復」ならば「因縁」なんて必要ないですしね。
道を踏み外した男の行き着く果てまで、お付き合い下さい。
-
まさかこんなところでACネタに遭遇するとは思わなかったぞw
投下乙
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……次はゆりかごか…………それとも洞窟か。
洞窟ならウーノ、セイン、トーレ、セッテ。あとチンク。
ゆりかごならディエチ、クアットロ。いゃああああ(涙)
しかし、SSとして面白いだけに複雑だーね。GJ!
……つか、もしかしてギンガピンチ?
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むしろ読んでる間こっちの脳内に『Fall』がエンドレスで流れてました。
・・・自分も自分で書いてるSSの某リリなのキャラに『Thinker』歌わせてた記憶が。
とにかくGJ!
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そういえばThinkerのアレンジ(?)曲にPrayerってのがあったな
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これは、匹敵するか……!?
なんというか、原作では潔く戦士(騎士?)として散ったゼストもこうなる可能
性があったんだなぁと。復讐に走る彼の行く末もまた、復讐の標的に立つのか
と思うと何とも言えない……。
願わくば、彼の復讐が早く終わることを。GJでした。
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GJ!!です。
管理局、スカリエッティサイドの戦力が潰し合いをして戦力が低下している中、
無傷のSランカーが大暴れって地獄じゃないかw洞窟でも、ゆりかごでも彼を止められる力を持つなのはとフェイトは消耗してるから、
どうにもならないってのが怖すぎる。
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>>249
久しぶりに来たら・・・・
野狗氏来たぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
野狗氏のディエチ来たぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
ディエチ可愛いよディエチィィィィィ!!!
・・・・でも個人的にはジュニアも出してほしかったです。
野狗氏のオリキャラであるジュニアとディエチの恋人の様な親子の様な関係が好きだったので・・・
まぁ とにかくJGでしたぁぁぁぁぁぁ!!!!
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シロクジラ氏、GJ。
正直ノーヴェ大好きなんで彼女が死ぬのはショックだぁ……。
ですが話としてはかなり面白い。
しかし……気持いぐらいにゼスト無双。
次に彼の狂刃にかかるのは誰なのか、期待と不安の両方持ちつつ次回待ってます。
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こういう殺伐とした作品の次はトーマが書くナカジマ家日記を期待するとしよう
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よろしい
ならば投稿だ
・雷刃シリーズ番外編
・ネタが多少あります(だいたいの人が全部分かるかと)
・エロは多分ない
・合い言葉はなのフェイライー!
・ライ=雷刃たん
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ある日の高町家
管理局の仕事もなく日曜日であるため学校も休みな日
テレビを見ているなのはとフェイトとライ
「あっ、また再放送してる」
操作していたリモコンを離すなのは
画面にばお隣のトロン゙とタイトルが映し出されている
「スタジアムズブリだっけ?」
「うん。最初の作品がこれ……ってライちゃんどうしたの?」
なのはがライが画面に釘付けになってるのに気づく
フェイトが近づくと何やらブツブツ言ってるのに気づき耳を近づける
「……の……は……」
密着しフェイトはライの独り言をはっきりと聞いた
「お隣のなのは……」
フェイトとライの脳裏に浮かぶ
二等身のなのはがなのーと言いながらちょこちょこ走るのを
なのはがどんぐりの詰まった袋をこけてバラまいてしまうのを
昼寝している大人のなのはの上に寝そべる金髪の少女に鼻をつんつんつつかれるのを
「「ぶふっ!」」
「ふ、フェイトちゃん!ライちゃん!?だ、誰か!誰か来てぇーーー!」
鼻血を垂らしふにゃっ、と顔がとろけてるフェイトとライ
慌てるなのは
いつも通りの日常であった
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以上
うん
凄くヤバいことした気がしなくもない……
当初はフェイトとライがもっとお隣のなのはを語りなのは様降臨予定だったけど浮かばず断念……
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GJ!
二頭身なのはで鼻血を吹いたのは俺だけではあるまい
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俺は大阪が考えた、ちよちゃんの国みたいな想像したw
SDなのははカワイイ
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修羅と化したゼスト、無双すぎる
ナンバーズだけでなく六課のメンバーにも犠牲者が出てきそう
最終的にはチンクとの因縁の対決になるかも?
妹達が殺されたと知ったチンクも修羅になりそう
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目覚めた頃はゼストに色々と世話を焼いてたんだっけ?
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いや、とりあえずウィキで確認してみたら、
チンクの生まれが60
ゼスト隊全滅が67だから、チンクが生まれた(目覚めた?)時はゼストに会ってないはず。
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レリックウェポンとして目覚めたゼストを、じゃないのか?
生まれたばかりだ云々とゼストに子供扱いされるチンク姉を想像して萌えた
犯罪ってレベルじゃねーぞw
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ゼストがレリックウェポンとして目覚めた頃かと
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すまん。お詫びに……チンクSSでも書くか、いずれ。
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殺した相手の世話をする。
時々思うが、リリなのってこういう皮肉めいたシチュエーションが多いよな。
闇の書絡みで同じ傷を持つ知人を逮捕する。
身内を殺した女を家族にする。
復讐を題材に何か思いつきそうだけど、書く時間がなぁ。
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闇の書事件の被害者が八神家に復讐する話が読みたい
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>闇の書関連
リンディが陰湿な復讐をしてもおかしくないわけだしな
闇の書被害者遺族会とかあるんだろうか
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元が優しい話なだけに、暗い話を考えだすとキリ無いな。
個人的に一番不穏な空気を感じるのは時空管理局なんだが。
一部の人間にしか使えない魔法以外の兵器を禁止にしようとしてるってだけでも十分怪しい。
それと気になってるのは、管理局が質量兵器を禁止する前は質量兵器が普通に使われてたらしいけど、どうやってそれらを禁止させたんだろうか。
しかも「一度作ってしまえばスイッチ一つで使えて、子供でも簡単に都市や世界を滅ぼせる」くらいの水準の兵器もあったらしいし。
使用者が一度手にした力を簡単に手放すとは考えにくいし、いくら魔法が優れてたとしても力で押さえ込むのは無理じゃないか?
勝手なイメージだけど、洒落にならないような暗部を抱えてるとしか思えないぜ。
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民族浄化みたいな事やってたりしてな
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まぁ3脳が裏で糸引いてた組織だし
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素手の時代だ……じゃなくて、機械に管理させている保安体制だと、魔法使いの侵入工作に対抗できなかったのかもしれん。
現代社会とかその延長線上の世界で、その身一つで町を破壊できる魔法使いはまさにテロリストとしては最適。
というのはエルナサーガ2とかでやってたが。
あと一撃で世界を壊せるような兵器ってのは、存外と使い道はないもんだ。
最終兵器はすべてを終わらせるだけに、そうそう使用できない。
いや、次元世界だと、別のところにいけばいいだけか……?
まあどっちにしても兵器の破壊力だけでは全てを語れるもんじゃない。
強力な魔法とかロストロギアがあって、それに対抗するためにはやっぱり魔法の力が必要――となると、魔法使いの地位は必然と上がる。
ベルカ時代ならまだしも、ミッドでは魔法は科学の一分野になったみたいだし。
クリーンなエネルギーとして定着していって、今の状況になったのかもしれない。
まあここらは素人がどんだけ論理を積み重ねてもなかなか説得力なんかでんわな。
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>>288
復讐のクロノですね、わかります
少しはそういう気持ちがあることもBOAで明らかになったしな……
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黒いクロノ……詞ツツリ氏のクロはや、とかか
もう随分投下されてない、寂しいのう
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>>290
魔法以外のすべての兵器、じゃない。
禁止されたのは「質量兵器」
そして、銃器等の「実弾兵器」は、「禁止」じゃなくて「規制」
民間の所持は認められないみたいだから、局員は申請出せば使えるんだと思う。ルネみたいに。
まあ、魔法とどっちが頼りになるか、は状況次第だけど。
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地雷みたいに規制されようが、このクレイモアは埋まってません地雷じゃないよ(キリッ)
みたいな方法ですり抜けて使ってるんだろーさ と思ってる
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トーマ「復讐したいやつがいる…」
-
まあ、こっちの世界でも50口径以上のライフルは「人は撃ってはいけません。これは物を壊すための銃です」
ってことでわざわざ「対物狙撃銃」って名前なんだけど、罰則無いから戦場でも使われてるしね
「敵の持ってる武器を狙ったんだけど、狙いが外れて、結果ヘッドショットになっちゃいました」でOKらしい
-
銃火器がアウトなら太刀を使えばいい。
シグナム姐さんだってレヴァンテイン使ってるからいいだろ。
勿論古美術品鑑定書付きでw
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>>293
機械に管理させている保安体制だからと言って魔法を探知できないってことはないんじゃないか?
魔法事態を知らないってのなら、その通りだけど。管理局も機械で魔力反応を探知してる。
犯罪者が潜入の為に自己リミッターをかけると分からなくなるが。
なんか、どっかで見たけど魔導と魔法ってちょいとちがうみたいなのね。びっくりした。
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>>301
あのレスは>>290へのもので、質量兵器が幅利かせる世界でも魔法は脅威だよ的なこと書いたので。
まあ須磨から読み返すとあまり筋の通った意見ではない感じもあるけど、魔法を発達させた文明でないと魔力探知の機械とかは発明されないと思う。
卵が先か鶏が先か。
魔導と魔法の違いは、確か映画のパンフか何かだっけ?
そういうの聞いたが、詳細は知らないなあ。
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議論?中みたいだが投稿しちゃう
注意
・なのポ捏造アフター
・(無駄に)初の前後編
前編は無駄にシリアスだが後編はネタ多数
・エロなし
・クロノとリインフォースが悪者みたいになってしまった……
・デバイスは普通に日本語(英語無理……orz)
・雷刃=ライ
詳しくは以前の話参照
・合い言葉はなの(ry
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終わりは唐突に訪れる
いつも通り学校から帰ってきたなのはとフェイトはライと過ごしていた
公園でたい焼きを買い三人ははむはむと食べている
「はむはむ」
ライが食べるたい焼きを見てなのはは僅かに顔が引きつっていた
「チーズ味って美味しいのかなぁ……」
「…………」
ついっと顔を逸らしたフェイト
どうやら経験者らしい
「はむはむ……っん!ごちそうさま!」
たい焼きを食べ終えたライがなのはに抱きつこうとして――
「うわっ!?」
漆黒のバインドと緑色のバインドに捕らわれた
「ライちゃん!?」
「ライ!?」
なのはとフェイトが近づこうとした瞬間上空から舞い降り割りこみ二人を弾く
割り込んだ人物の背後では見慣れた緑の服を着た女性が更にバインドを重ねている
「すまぬな、高町なのは。フェイト・テスタロッサ」
「リインフォースさん……」
長い銀髪を風に揺らし阻むように立ちふさがるリインフォースをなのはは睨みつける
「ライちゃんを離してください」
「ライ?あれは力のマテリアル。封印ないし消滅させねば闇の書の闇は再び蘇る……私はそれを見逃すなどできない」
「……ライちゃんはもう力のマテリアルなんかじゃありません!」
レイジングハートを起動させようとしたなのは
「そこまでだ、なのは」
その首元に杖を突きつける黒衣の少年
「クロノくん……」
「君も管理局員になるなら聞き分けるんだ。フェイトもだ。保護観察期間中に問題を起こせばどうなるか分かるだろう」
「はやてちゃんの立場を悪くしないためにも……必要なの」
緑の服を着た女性、シャマルが悲痛な表情で言い切る
「っ……」
ポケットに入れていた手を握りしめるフェイト
「……もういいよ。もういいんだ」
バインドに縛られたライがなのはを見る
「僕はお姉さま達に迷惑はかけたくない……だから止めてお姉さま」
「ライちゃん……」
泣きそうなライだが無理やり笑顔を作りなのはに向ける
「では行くか。すぐにでも封印しないとまたいつ復活するか分からないからな」
そう告げてクロノとリインフォース、シャマルがライを連れて転移していく
転移の魔法陣が煌めくなかライはなのはとフェイトのいるほうへと振り返り一言、だけど想いを込めて風に乗せる
――ありがとう、お姉さま……姉さん
目を見開きフェイトが駆ける
ライに触れる瞬間煌めく光が消えクロノ達は姿を消す
「っっっ!うぁぁぁぁ!!」
フェイトの慟哭が空へと響き渡る
その後ろでなのはは手にした待機形態のレイジングハートを見つめている
「レイジングハート……」
《マスター……私はついていきます。あなたがあなたらしくある様に貫いて行けばいい》
「うん……ありがとレイジングハート」
そう
不屈の心は既に覚悟を決めていた
「フェイトちゃん」
いつだってどんな時だって彼女は……
「なのは……?」
「ライちゃんを助けに行こう」
全力全開で奇跡を呼び寄せるのだから
-
以上前編でした
後編随時製作中
とりあえず星光たんがキャラブレイク確定とだけは逝っておく
もしかしたら今日中に後編投稿できるかもしれない……
-
ゲームをやっていないのに星光たんに心奪われつつある。
罪な作者だぜ……GJ
-
>>306
え?
-
雷刃たんのことか、雷刃たんのことかーっ!?
-
GJ
なのははどうするんだろ?
アースラに急降下爆撃(爆発する砲撃で)するのかね?
-
>イクスピアリ氏
GJ。後編楽しみに待ってますぜ。
チーズ味のたい焼きか……食ってみたいな。
という訳で投下したいんですが大丈夫ですかのう。
-
よっしゃ10分経ったね、投下するよ!
・A's終了1年後くらい
・エイミィ(他人の)子育て編
・非エロ
それじゃま、れっつごーです。
-
「へ? あたしが?」
「ええ……突然のことで大変恐縮なのですが、お願いできますでしょうか?」
始まりは突然だった。
たまたま、折々の事情が重なってエイミィが一人で家にいた。
しかもそれだけでない、全員が明日の昼まで帰ってこないのだ。
家族暮らしに訪れた突然の自由に、エイミィは自炊してみたり、仕事をしてみたり、暇を潰してみたり、
はたまたクロノの部屋を漁って秘密を暴露してみたり──後に、やらなきゃ良かったかもしれないと後悔したが──、
自由気ままに過ごしていたが、昼を回った頃、お隣さんが突然訪ねてきたのだ。
母親の腕には、まだ離乳食が始まったばかりに小さい、乳飲み子の赤ん坊。父親もいて、一緒に頭を下げている。
かくかくしかじか、要するに赤子を預かって欲しいようだった。期限は、明日の昼まで。
「それは、まあ、別にいいですけど……具体的には何をすれば?」
エイミィは当然の質問をする。生まれてこの方、トイレにも行けない小さな子供の世話なぞはしたことがないのだ。
取り敢えず、おしめを替えて、ミルクを上げて──いや待て、生まれてこの方母乳なんて出たことないぞ。
「ミルクはこちらにあります。分量と時間のメモがありますので、これを使って下さい。
それと、おむつに、おしゃぶりと、ガラガラも。この子、殆ど夜泣きはしないので、その辺りは大丈夫だと思うのですが……」
マニュアルがあるのなら、ありがたい。エイミィは困惑しつつも承諾すると、両親揃って頭を下げた。
恐縮と感謝が混じった、今時腰の低い人達だった。
「お礼は、帰って来た時にすぐしますので、それでは……」
踵を返そうとした父親に、母親がその袖を引っ張った。
彼が振り向くと、ピシャリと言う。
「やだ、あなた。この子の名前をまだ教えていないじゃありませんか」
そして夫婦は再び深々と頭を下げ、エイミィに顔を向けた。
「それで、名前は──」
エイミィが聞くと、二人は声を揃えて答えた。
自分の命名に自身を持っている、そんな声だった。
「愛子、です。私と主人の、愛の結晶」
微笑んだ母親の顔は、聖母と見まごうかのような安らかさを持っていた。
***
「とは言え、安請け合いしちゃったかなあ」
ソファーに座り、今一度赤子を抱き上げる。
きょとんとした目で見上げてくる、小さな女の子。くりくりと真ん丸なのが、またいじらしい。
一緒になって見つめ合うと、にっこり笑った。
「きゃは、ああ、あー」
可愛い。それが第一印象。
首は据わっているようだが、まだまだ自分で立ち歩くこともできない、本当に小さな存在。
頬を擦り寄せると、ぷにぷにとした水分たっぷりの肌が柔らかに撫でていく。
高い高いをしてやると、愛子は自分の世界が広がったようで、きゃっきゃと喜んだ。
人見知りをしないタイプらしい。新しい場所も、積極的に受け入れている。
学校に入ったら、すぐに皆と仲良くなって、探検隊のリーダーなんかをやるような子。
-
「あはは、あたしに似てるかもね。よしよし」
ふさふさサラサラの髪を撫でてやると、スッと指が抜けていった。
こんなに滑らかなのは、有り得ないと言ってもいいくらいだ。
その時、お昼のチャイムが鳴った。以前恭也に聞いた時は、確か……「椰子の実」という曲名だったか。
すると、愛子は窓に向かって手を伸ばし、じたばたし始めた。
「あ、あぅ、ああー!」
何かを求めるように、ベランダへ出ていこうとする愛子。
エイミィはその意図を理解した。
「あ、あのチャイムが聞きたいの?」
「あ!」
元気のいい返事。言葉がもう分かるのだろうか。
そういえば、何ヶ月なんだろう? 赤子の身長から判断できるような環境にいないから、さっぱりだ。
愛子をベランダに連れていき、しっかりと抱えて鍵を開けてやる。
外に広がった世界から、チャイムの音が高らかに鳴り響いていた。
彼女は気持ちよさそうに耳を傾けている。エイミィもしばし、ひと時の安らぎに身を委ねた。
「お昼の鐘、終っちゃったね」
ぷにぷに。頬を突ついてやると、愛子はすぅすぅ寝息を立てていた。
お昼寝の時間に入ってしまい、ちょっぴりエイミィは残念に思う。
が、腹がクゥと鳴って、我ながら誰しもに起きる生理現象で赤面した。
「さて、ご飯作らなくっちゃね!」
自分を鼓舞しつつも、愛子を起こさないように、自分のベッドに取り敢えず寝かせると、エイミィは昼食の準備に取り掛かった。
「……うん、こんなもんか」
始終、愛子のことを考えながら作っていたら、少しチャーハンを焦がしてしまった。
でも、感じ感じ。
ネギに魚肉ソーセージ、そして半分ばかり残っていたカニカマという質素なお昼だったが、ひとまず腹は膨れた。
粉末のわかめスープを啜ってソファーでくつろいでいると、眠気が襲ってきた。
「ふぁぁ……愛子もちょうど寝てるし、あたしもお昼寝しよっかな」
子育てと聞くと、びっくりするくらい艱難辛苦が待ち受けているのかと思いきや、意外にそうでもなかった。
一安心したエイミィはベッドに戻ると、愛子の身体を抱いて横になった。
赤子特有の高い体温が、寒空の下ではかなり優秀な湯たんぽ代りになってくれる。
安心が身体を巻いて、あっという間に眠くなったエイミィは、そのまま目を閉じた。
──この後待ち構えている、数々の苦労を夢に見ることもなく。
「おぎゃあ、あっ、ああーっ、あーん!!」
眠っていた頭が叩き起された。
深いところから急激に引き上げられた痛みに顔をしかめつつ、ベッドの横を見る。
愛子が泣きじゃくりながら、両手をじたばたさせていた。何事が起きたのかと、一瞬フリーズする。
だが、時計を見てすぐに分かった。もう昼の時間を大分過ぎているのだ。
西に低くなりかけた太陽が、橙色に染まりつつある。
-
エイミィは急いで夫妻の残していった粉ミルクを取り出して哺乳瓶に入れると、ポットからお湯を注いだ。
「あちっ!」
普段自分たちがお茶を飲むような温度だったが、手に跳ねるとこれが中々熱い。
こんなもの、愛子に飲ませる訳にはいかない。
水を張った鍋に漬けて、適温になるまで冷ます。泣き声が大きくなった赤ん坊の元に駆けつけて、胸に抱いてやる。
「ごめんねぇ、すぐご飯だからね」
ようやく温くなったミルクを軽く振って、僅かに残っていた粉までしっかり溶かす。
哺乳瓶の先を差し出してやると、愛子は無我夢中で飲み始めた。
「あー、ほらほら、もっとゆっくり飲まないとダメだよ」
瓶の傾きを微調整して、一度に飲ませすぎないようにする。
握力はあるのか、掴んだ瓶を離すことはない。んく、んくと美味しそうに飲む姿は、エイミィの心を温かくさせた。
誰かの為に料理を作って喜ばれた時の顔だ。人知れず、顔をにやけさせる。
「可愛いね、愛子は。ウチのクロノ君が小さかった時もそうだったのかな」
弟分であり、頼りになるアースラの仲間は、今はいない。
幼少時のことまでは良く分からないけれど、誰だって生まれた時は立つこともできないのだ。
その頃のクロノは、今と違って弄り甲斐はないけど、きっと可愛かったのだろう。
ほんの少しだけ、リンディの気持ちが分かった気がした。
ミルクを飲み終った愛子は、お代わりを欲しそうにあぅあぅ言ったが、もうおしまい。
「お腹壊すよ? だぁめ」
代りに、ティッシュで口元を拭ってやり、頬擦りする。
愛子の興味はものの見事にそっちに逸れていって、ぷにぷにの頬を擦り返してきた。
「おっ、やるのか? やっちゃいますか?」
そのままほっぺたをつついたり、逆につつかれたりしながら、昼下がりののんびりしたひと時は過ぎていった。
今更のように眠気がぶり返してきたが、もうどうしようもない。
泣き止んだ愛子と一緒に幼児番組を観ているうち、いつしか陽が落ちて一番星が見え始めた。
夕焼け小焼けで日が暮れて……
チャイムの音色が、また聞こえてきた。
もっと季節が巡れば、太陽が出ている間に流れてくるメロディであることだろう。
昼の時と同じように、外に出て音を聞きたがる愛子。
身体が冷えないようにタオルで包んでやり、ベランダに出る。
冷たくも柔らかい風が頬を撫でて、遠くへ吹き抜けていった。
夕闇からぼんやりと浮かび上がる夜景が目に飛び込んできて、エイミィは軽く口笛を吹く。
愛子も喜んでいるようで、始終キャッキャとはしゃいでいる。
よほど好きなのだろう、チャイムが鳴り終った後も、愛子はうっとりと余韻に浸っているようだった。
-
「さ、戻ろう。寒くなってきちゃったし」
みるみるうちに暗くなってきた街の景色を名残惜しそうに、二人は部屋の中へと戻った。
その後は、食事をしたり、おしめを取り替えたり──これが骨の折れることだと初めて知った──、洗い物をしたりと、
時は実に穏やかなスピードで進んでいった……直後に訪れる危機を目の当たりにするまでは。
エイミィが最後のコップを戸棚にしまい、ソファに寝かせていた愛子を振り向くと、彼女はソファの背に捕まり立ちをしていた。
いや、それだけならまだいい。好奇心が上回りして、ソファによじ登っていたのだ。
よじ登ったというのも、何か変だった。まだ『手』には力を入れられても、『腕』にまでは無理なはずなのだ。
無理な天秤を逆さにした愛子は、エイミィの方を向いた。にぱっと笑って、こちらに手を振った。
それが、いけなかた。
「あっ……愛子!!」
手を挙げたことでバランスを崩した幼子は、ふらりと傾いて、真っ逆さまにソファから落ちていった。
エイミィの時計が急に遅くなり、何もかもがゆっくりに見え、極限まで研がれた反射神経が身体を衝き動かし、
落ちていく愛子を受け止めようと、両手を懸命に伸ばした。
でも、届かない。フローリングへと叩きつけられようとしている小さい子ひとりの元へ、どうやっても辿り着けない。
遅かった。エイミィの目が思わず閉じられようとした瞬間、奇跡が起きた。
「んっ!! ……ん?」
間に合わないと感じつつ、懸命に愛子の下へ滑り込もうとしたが、衝撃音どころか床の上に赤子の感触はなかった。
目を開けて見回したが、どこにもいない。
まさか宙に浮いているのでもあるまいと、ふと上を見上げると、そこにはなんと愛子がいた。
清廉なオーラがじわりじわりと染み出して、その薄くも蒼い光は、クロノやなのは、フェイト達によく見られる光だった。
「え? この子、魔力を持ってるの?」
愛子は言葉の意味が分からないのか、それとも今の自分自身が不思議な体験に困惑しているのか、
実に自然な顔で首を傾げた。
そのまま軟着陸すると、ゆっくりと魔力光が消えていった。でも、その身体に宿る魔法の力は、未だ温かみを保ち続けている。
ぷに、とほっぺたをつついてみた。
「あぅ」
ぷにぷに。愛子は喜ぶばかりで、痛がったりしている様子は微塵もない。
特に問題はないようだ。安堵が心のうちに広がり、へなへなと崩れ落ちる。
「よ、よかったぁ……」
掴まり立ちがやっとなのにソファへよじ登れたのは、多分「登りたい」という意思が魔法として働いたためだろう。
しかし、気になるのは魔法そのものではなく、その『分布』だ。
海鳴の街は決して小規模ではないが、元々が魔力資質の持たない民族が集まっている国である。
それなのに、なのは、はやてに続いて、ついお隣さんまでもがリンカーコアを保有しているなど、常識では考えらない。
「んー、ま、いっか!」
いるものはいる。だったら、考えても仕方ない。
世の中、常識では考えられない不思議な出来事など、いくらでもあるのだ。
そう考えて、愛子の身体を抱き上げ、よしよしと揺すった。
「怖かった? 大丈夫?」
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愛子は眠そうなあくびでそれに応え、むにゃむにゃと口を動かした。
エイミィも釣られてあくびを漏らし、今まさに眠りの世界に誘われている赤子へと、微笑みかけた。
「それじゃ、お風呂に入って寝よっか」
「あぃ」
入浴というか、行水みたいなものになった。でも、たっぷりのシャワーでポカポカになった身体は、もう寒くない。
寝巻きに着替えさせ、二人で横になる。
チカ、チカ、チカ。針の刻む音が、今日だけは優しい。
『さぁ、おやすみの時間だよ──』
愛子の身体をぽんぽんと柔らかく叩きながら、子守唄を口ずさむ。
リミエッタ家に代々伝わるという、秘伝の歌だ。
たちどころに泣く子も黙り、瞬く間に楽しい夢の世界へ連れて行ってくれるという。
幼い頃のエイミィは、この歌に何度助けられただろうか。
『素敵なレディになる夢を見てほしいよ──』
うとうとと夢と現の間を行ったり来たりしていた愛子だったが、やがて目を閉じて、すぅすぅと寝息を立て始めた。
その寝顔には、安らかな顔が浮かんでいた。きっと、良い夢に巡り会えたのだろう。
「おやすみ、愛子……」
エイミィもすぐに、隣の幼子に連れるようにして寝入った。
夢の中では、ずっとクロノと遊んでいた。まるで、子供の頃に戻ったみたいに……
***
「ん……朝か」
愛子のわんわん泣く声で、エイミィは目が覚めた。
時計をひっくり返して時間を確かめる。ちょっと遅いけど、お休みの日ならそこまで気にする時間帯でもない。
「あー、どうしたの?」
必死にあやしているうちに、おしめの替えが必要なことに気付いた。
まだまだ慣れない手つきで取り替えると、続いてミルクを作って飲ませた。
ふざけて母乳を上げる真似をしたが、何も出てこないと知ると愛子にそっぽを向かれた。ちょっと悔しい。
朝のシャワーを軽く浴び、食事を作る。ベーコンエッグにトースト、サラダにコーヒーと至極オーソドックスなものだ。
食べ終り、さあこれから掃除でもするかなと思っていたところ、チャイムが鳴った。
時は午前十時半過ぎ。リンディやクロノが帰ってくるには、少し早い。
誰だろうと扉を開けると、それはお隣さん夫婦だった。
「大変遅くなりました。愛子を引き取りに来たのですが……」
「あー、はいはい。大丈夫、ずっといい子にしてくれてましたよ」
昨日のソファ事件のことは、口に出さないでおく。
もし彼女の魔力が何かしらの影響を持った日には、きっとリンディが上手く対処してくれるだろう。
奥から愛子を連れてきて、母親に渡す。すると、本当に恐悦した顔で頭を下げられた。
「この度はありがとうございました。少ないですが、御礼を」
エイミィは封筒と菓子折りを貰った。
封筒の中身は大体予想がついたので、返そうとすると、今度は父親にも頭を下げられた。
「ほんの心持ちばかりです、どうか受け取って下さい」
そう言われては、突き返す理由もない。エイミィは戸惑いつつも礼を述べると、母親の目は愛子に移った。
愛子もまた、生みの親を見返す。
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「あなた、エイミィさんを困らせたりしなかったでしょうね?」
「あぃ!」
一日ぶりに会えたのは、彼女にとっては千秋の隔たりがあるようで、喜びを満面に表している。
『ママ、パパ』としきりに口ずさみながら、その腕に抱かれている。
見ているだけで、心が和やかになりそうだ。
「ママ、ママ…?」
と、その時、愛子はエイミィと母親の姿を同時にキョロキョロと見回した。
そして、高らかに宣言する。
「ママ!」
「こ、こら、エイミィさんが困ってるでしょ」
母親は必死にたしなめているようだが、エイミィは全然困っていない。
むしろ、何か嬉しいものが心にこみ上げてきた。認められた、そんな気がした。
「別にいいですよ、あたしがママでも。ね、愛子?」
「あぅ!」
更にひとしきりのお礼を立て続けに言われ、程なくして二人は家の中に戻ったが、
エイミィはその場に佇んだまま、心頭から湧き上がってくる得も言えぬ興奮に胸を躍らせていた。
「またいつでも預けに来て下さい。私の都合さえ合えば、もう大歓迎ですから! ね、愛子」
「きゃっ、きゃっ!」
はしゃぐ愛子と別れるのは、一抹の寂しさがあった。でも、会おうと思えばいつでも会える。
なんたって、すぐお隣なのだ。
「あたしがママ、かあ」
一日ママだった。子育ての苦労を、これっぽっちしか分かっていない。
でも、子供は物凄く可愛かった。いつの日か、本当の意味で『ママ』になれる日が、凄く楽しみだ。
そして、その時、未来の旦那さんは。
「え、あ、もしかして……クロノ君?」
ぱっと目に浮かんできたのが彼だったものだから、つい顔が真っ赤になってしまった。
とはいえ、半分以上同棲しているようなものだし、裸とか何回も見た気がする。見られた気もする。むしろ見せた気もする。
驚きと羞恥が先に勝っていて勃たれなかったのは、乙女として負けた気がしたが。
グッと拳に力を込めていると、クロノとリンディが丁度帰ってきたようだ。予定より少し早い。
「おかえりなさい、クロノ君」
姉ぶって、頭を撫で撫でしてやる。
背の高くなってきたクロノにいつまで通用するか、不安になってきたが、リンディは相変わらず微笑んでいる。
「これで跡継ぎは安泰ね……」
「ん、何か言いましたか?」
「いいえぇ何でも?」
リンディの呟きは聞こえなかったが、とにかく二人とも腹ペコのはずなのだ。
我先に家に戻ったエイミィは、腕によりをかけて昼食に取り掛かった。
「さあ、ちょっとだけ待っててね。今すぐ美味しいご飯、作るから!」
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元ネタは皆さんご存知、10年くらい前の某魔法少女アニメです。
某カオス女子寮ゲームの猫耳もテストは3点笑顔は以下略って言ってたし。
ヴィヴィオ凌辱長編の前に何故か、はやユノ第二段をやりたいと画策中。
ごゆるりとお待ち下さい。
では。
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乙
和んだ
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>Foolish Form氏
ナイスほのぼの〜
安泰とか言い出したリンディさんでちょびっと吹いた
何でだろう……?
とにかくGJ!
報告
雷刃シリーズ
後編8割執筆完了
もうちょっと待ってくれ
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>>307
ほんのちょこっとだけど、星光さんもシリーズ最初のほうで出てきたから
そのシーンで嵌ったのかも知れないじゃないかw
いや、ただの勘違いが濃厚だけど
そういや、星光さんも何かに使えないかなぁ、捏造で生き残らせて
管理局の白黒悪魔ズが誕生するのを見てみたい
武人気質の真面目キャラっぽいからシリアス専門かな?
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星光さんの今後の路線か。
武人気質を逆手に取って天然ボケにするか、どこかのツンデレ王子みたく主人公のピンチの度に「勘違いしないで」と呟きながら登場するか、
個人的には、星光さんは敵でも味方でもない(共闘はする)関係が理想的だが。
いっそ、超融合してなのはの大人への成長を促したり、焔の災厄みたく融合した星光から闇の欠片の力を取りだしてなのはが使用するとか。
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なのはの師匠と聞いてユーノに模擬戦を挑み、砲撃を防がれ以降、彼の防御を破るために無限書庫に入り浸る星光という電波を受信した。
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星光さんをなのはさんの使い魔にするとか
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>>323
ユーノの結界壊そうと思うとSLBみたいな結界破壊用か、同等レベルの破壊力が必要なんだったっけ
何で使用キャラにユーノいなかったんだろうなぁ…シャマルと同等レベルかそれ以上だろうに
攻撃できない、とかじゃなく、単に百合展開じゃないと百合オタにウケられないとか思われたのか?
というか無限書庫に入り浸って意味があるどころか、仕事の邪魔になったり、なのはに嫉妬されたりしそうな
うん、成長…できそうにねーな
でも星光とユーノって、父と娘みたいに見える。何となく、なのはとユーノの娘がグレたら星光みたいになるんじゃないかなー、と
それにしてもゲームのCPUのアルゴリズムが弱過ぎなのはどうにかならないもんか。難易度最高であの程度って・・・
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>>325
防御魔法がなのはのかなりの大技でないと貫通できない
逆に言えば破れるには破れる
まあ「かなり」の大技がどのレベルかは知らんが
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消滅したハズのマテ娘たちだが、何故か無限書庫に断片が存在(収集された)していて
ユーノくんが気付かずに起動、復活したマテ娘たちに襲われる(性的な意味で)とw
十月十日後、無限書庫には砕け得ぬ闇の王(赤ちゃん)を抱いたマテ娘とゲッソリとしたユーノくんが……
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Foolish Form 氏投下乙
いやぁ、良いねぇエイミィ良いねぇ
あまりメインでSS書かれる事のない子だから凄く嬉しいッス
というかエイミィ可愛いwww
GJでした
そして、もちろん他のエロいやらしいやつ
特に『鏡の中の狂宴』をお待ちしとりやすよ!?
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>>325
シャマルだってリンカーコア摘出っていう無理やりな必殺技だしな。
でも、いざ参戦するとなると攻撃手段が本当に思いつかない。
砲撃はできないみたいだから、誘導操作弾くらいだろうか。
フルドライブはサポートキャラらしく、バインド決めて画面外から仲間(なのはやフェイト)が攻撃するとか?
ちなみに俺はアルフが使用キャラにいないのが悲しい。
ユーノよりは参戦確率高いと踏んでいたのに。
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むしろマテリアル三人娘のストーリーモードが無いことに俺が泣いた
まあ、対戦で使えるだけいいんだけどね
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銀十字の書と関係がわかれば今後にもマテリアル(娘たちではないかもしれないが)は存在するんだろうな
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ユーノやアルフは、なのはやフェイトのサポートキャラで出れば良かったのに。
超必殺でなのはがSLBを撃つまでバインドでユーノが敵を拘束とか、
アルフとフェイトでの打撃コンビネーションで敵を蛸殴り後に、
フェイトのフォトンランサー・ファランクス・シフトとかw
星光さんはなのは撃墜時になのはと融合して命を救うとかだったらかっこいい気がする。
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>>325
クロノとザフィーラは良くて、ユーノが駄目なのが納得いかない。
ザフィーラはマテリアル全員に闇の書の意思と対決と、ストーリーも良かったしな。
その上、何故アルフも駄目だったんだろうな…。
マテリアルズが生き残ったら、ちゃんと成長するんだろうか。
19歳ver見てみたい。
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リインⅠがユニゾンできなくなったのは融合機能を防衛プログラムと一緒に分離してしまったから、とかいって融合機能搭載のマテリアルズみたいな?
星光&なのはは燃え展開になりそうだけど、雷刃と統べ子はギャグ展開しか浮かばないのは毒されすぎかなw
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クリスマスに投下されたケーキに犯されるSSの影響でチョコに犯されるフェイトそんを思いついたが
心の中にしまっておこう
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さぁ、時間は少ないぞ。俺は全裸になるから>>335は早く書き上げるんだ!
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>>336
だから靴下とネクタイを残さないと卑猥になると何度言えば(ry
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>>336
下着は足に引っ掛けたほうがいいと何回いえ(ry
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>>334
あ、それ俺も思った。
星光&なのはは燃え展開で、雷刃と闇統べる王はギャグ展開……フェイトとはやてが振り回されそう。
仮面ライダー電王のイマジン憑依みたいになりそう。
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男性化なのはと女性化ユーノがセックスした時に
ユーノが強固な避妊魔法をして膣内射精しておkにするんだけど
なのはの全力全開がブチ抜いて妊娠しちゃうなんて妄想が唐突に閃いてごめん。
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>>339
はやては逆ユニゾン経験もあるから、闇統メインの逆ユニゾンも可能か
闇「王がなにゆえ塵芥の力を借りねばならんのだ・・・」
は「とりあえず帽子はかぶらなかん。それだけは譲れへんよ」
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