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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第102話☆

312声をきかせて 1/6:2010/02/12(金) 22:49:42 ID:kH6.9ejY
「へ? あたしが?」
「ええ……突然のことで大変恐縮なのですが、お願いできますでしょうか?」

始まりは突然だった。
たまたま、折々の事情が重なってエイミィが一人で家にいた。
しかもそれだけでない、全員が明日の昼まで帰ってこないのだ。
家族暮らしに訪れた突然の自由に、エイミィは自炊してみたり、仕事をしてみたり、暇を潰してみたり、
はたまたクロノの部屋を漁って秘密を暴露してみたり──後に、やらなきゃ良かったかもしれないと後悔したが──、
自由気ままに過ごしていたが、昼を回った頃、お隣さんが突然訪ねてきたのだ。
母親の腕には、まだ離乳食が始まったばかりに小さい、乳飲み子の赤ん坊。父親もいて、一緒に頭を下げている。
かくかくしかじか、要するに赤子を預かって欲しいようだった。期限は、明日の昼まで。
「それは、まあ、別にいいですけど……具体的には何をすれば?」
エイミィは当然の質問をする。生まれてこの方、トイレにも行けない小さな子供の世話なぞはしたことがないのだ。
取り敢えず、おしめを替えて、ミルクを上げて──いや待て、生まれてこの方母乳なんて出たことないぞ。
「ミルクはこちらにあります。分量と時間のメモがありますので、これを使って下さい。
それと、おむつに、おしゃぶりと、ガラガラも。この子、殆ど夜泣きはしないので、その辺りは大丈夫だと思うのですが……」
マニュアルがあるのなら、ありがたい。エイミィは困惑しつつも承諾すると、両親揃って頭を下げた。
恐縮と感謝が混じった、今時腰の低い人達だった。
「お礼は、帰って来た時にすぐしますので、それでは……」
踵を返そうとした父親に、母親がその袖を引っ張った。
彼が振り向くと、ピシャリと言う。
「やだ、あなた。この子の名前をまだ教えていないじゃありませんか」
そして夫婦は再び深々と頭を下げ、エイミィに顔を向けた。
「それで、名前は──」
エイミィが聞くと、二人は声を揃えて答えた。
自分の命名に自身を持っている、そんな声だった。
「愛子、です。私と主人の、愛の結晶」
微笑んだ母親の顔は、聖母と見まごうかのような安らかさを持っていた。

***

「とは言え、安請け合いしちゃったかなあ」
ソファーに座り、今一度赤子を抱き上げる。
きょとんとした目で見上げてくる、小さな女の子。くりくりと真ん丸なのが、またいじらしい。
一緒になって見つめ合うと、にっこり笑った。
「きゃは、ああ、あー」
可愛い。それが第一印象。
首は据わっているようだが、まだまだ自分で立ち歩くこともできない、本当に小さな存在。
頬を擦り寄せると、ぷにぷにとした水分たっぷりの肌が柔らかに撫でていく。
高い高いをしてやると、愛子は自分の世界が広がったようで、きゃっきゃと喜んだ。
人見知りをしないタイプらしい。新しい場所も、積極的に受け入れている。
学校に入ったら、すぐに皆と仲良くなって、探検隊のリーダーなんかをやるような子。




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