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暗躍する者

85PON:2009/12/21(月) 02:25:43 ID:YaZea2aI
ベッドの向こうで、モゾモゾと動く音が聞こえる。
『イタタタ・・・何なのよもぉ、いきなり亜衣のこと落っことすなんてぇ・・・』
無事だったのか、亜衣は頭に手を当てながら起き上がってきた。そして、胸が揺れるのも気にせず、ベッドの上にもう一度戻ろうとする。
『お前・・・亜衣じゃないな?』
達也は、亜衣のことを心配するどころか、強くそう言い放った。

『へっ?・・・何言ってるのよ、お兄ちゃん?』
『お前は誰だ!?どうせ、亜衣の顔をしたマスクと身体を使って亜衣に成りすましているんだろう!』
キツネにでもつままれたように、キョトンとする亜衣に向かって、達也はそう抗議する。
『・・・・・キャハハッ!どうしちゃったの、お兄ちゃん?私、どこをどう見ても妹の河原亜衣じゃん♪こんなに、ストッキングの似合う脚線美を持った女の子、亜衣の他になんてそう簡単にいないよぉ〜』
亜衣は、達也に向けて自分の顔と身体を触って見せ、何を言っているのかと尋ねてくる。
『・・・どんなにしらばっくれようと、もう芝居には騙されないぞ。全て、思い出したんだからな。亜衣の同級生に変装してさんざん迫ってきたことも、催眠術を掛けられたことも・・・』
達也は、頭に掛けられた靄を自力で晴らしていた。
それも、亜衣の挑発的な行為が、美里が自分に迫ってきた時との共通点が多くあったことが引き金となっていたのだが、思い出した今となってはそんなことなどどうでも良かった。
ただ、目の前でインナーとストッキング姿の亜衣が偽者で、これまで自分を誘惑した深浦亜樹・佐伯麻衣・水沼唯らも、この亜衣と同一人物による変装だということが判ったのだから。

『ふぅーん。そっかぁ・・・こんなに尽くしてくれた可愛い妹に向かって、そんな冷たいことを言うんだ?クククッ、ククククククク・・・・・』
達也の指摘を受けた亜衣は、可愛らしいその顔に不敵な笑みを讃えて笑うだけで、それ以上は何も言わずにいた。
それが、この部屋に何とも不気味な空気を漂わせるのだった。


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