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暗躍する者

121PON:2010/02/18(木) 01:05:56 ID:dgnkmaWU
美里と達也の二人は、亜衣たちに見付かることもなく達也の部屋に着いた。

『達也さん、失礼しますね』
達也が何も言わずに頷くのを見て、美里は扉を開けた。後から達也も続き、後ろ手で扉を閉める。
部屋の中はカーテンのせいでほの暗く、薄気味悪い感じすら漂う。そのため、美里はまず何よりカーテンを開けた。明かりが差し込み、視界が鮮明になる。
入った時からベッドの上に誰かの気配は感じていたが、改めてその姿が明らかになった。
『あ、亜樹!?』
達也の言うとおり、ベッドでは妹の亜樹が、外光の眩しさに目を覚ますことなく眠っていた。
しかし、美里が驚いたのは亜樹が眠っていることだけではない。何故か、彼女の服装はセレスト学園の制服ではなく、美里と同じオフホワイトのブラウスに、ワインレッドのフレアミニスカート、それにバーモンブラウンのストッキングを穿いているのだ。
そんな彼女が着ているブラウスの胸元のボタンは外れており、胸の谷間がわずか覗けている。
『これって、どういう・・・』
亜樹が達也に興味を抱いていることはわかっている。だからといって、どうして達也の居ない隙を見計らい、メイドたちの制服に着替えて眠っていなければならなかったのかが理解できない。
とにかく、ここで眠られたままでは達也にも迷惑が掛かると、美里は亜樹のことを起こそうとした。
だが、ここであることに気付いた。
『・・・なに?これは・・・』
美里は、胸元まで開いたブラウスから見える亜樹の首の辺りに、何かが皺になっているのを見つけた。
よく見れば、亜樹の首の皮が捲れ上がっている。
『・・・・・』
ゴクリと生唾を呑み、美里は何かに取り憑かれたかのように、その歪んだ部分に指を触れた。
それは、何かゴムのような薄っぺらいもので、ふにゅふにゅと柔らかな感触が伝ってくる。ここまでくれば、恐怖よりも好奇心の方が勝り、その正体を暴きたくなってしまう。
美里は、ゴムらしき物が作り上げる皺を摘み、ゆっくりと引っ張っていった。だが、それはすぐに剥がれることはなく、文字通りゴムが伸びるが如く亜樹の首元から浮き上がってくる。
『・・こ、これは!?』
伸びた皮膚は亜樹の首から顔に掛けて繋がっており、口や鼻・目に至るまでが造形を無くして平面になっていく。
そんな変化を見ても、美里は指を離すことは無かった。それは、美里に降りかかった過去の苦い経験が、免疫を持たせていたからだ。
『これって・・・まさか!?』
美里の中で思い出さぬようにしていた記憶が、この状況とリンクする。
そして、この亜樹は本物の亜樹では無いことを察知した瞬間、亜樹の顔を模っていたモノがズルン!と脱げ、美里の指に摘まれたままゆらゆらと揺れていた。


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