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暗躍する者
120
:
PON
:2010/02/17(水) 02:00:38 ID:dgnkmaWU
『あっ、美里さん。こんな所に居たの?』
『達也さん!』
達也が来てくれたことに、思わず顔を綻ばせる美里。
達也の服装はさっきと違い、ダボついたスウェットに上着を羽織るだけと、かなりラフな格好になっている。
『てっきり家の中に居るかと思って、捜しちゃったよ。そうしたら、ちょうどトイレに行こうとしてた亜衣に捕まりそうになってね』
『ごめんなさい、私も亜樹たちに見付かりたくなかったので・・・』
美里は、すまなそうにお辞儀をして謝った。
そよぐ風にフレアミニのスカートが靡いているが、しっかりと裾を押さえているので、バーモンブラウンのストッキングに包まれた太腿がチラつく程度だ。
『あっ、そうそう。その妹さんのことなんだけど、今、僕の部屋に居てさ・・・』
『えっ!どうして、亜樹が達也さんの部屋に!?』
達也の報告に、思わず声を上げてしまう美里。
自分の彼氏の部屋に妹が潜り込んでいると聞いては、冷静では居られないというのが正直な気持ちのはずだ。
『・・・それが、僕にも解らなくて。暫く部屋を空けていたら、いつの間にか僕のベッドで眠っていたんだよね』
『亜樹が・・・ですか?何で、そんなことを・・・』
達也に会いにいったとしても、何故達也が外していた僅かな時間に眠りに就いてしまったのかが理解できない。
とにかく、カーテンが閉まっていた理由は、亜樹のせいだったのかと美里は思った。
『そこでお願いなんだけど、彼女を起こしに来てくれないかな?今なら、亜衣たちも出て来ないだろうから』
『えぇ、そういうことでしたら・・・』
亜樹の不可解な行動理由は解消されないが、とにかく亜樹を起こしにいかねばと思い、美里は急いで玄関を上がった。そして、バーモンブラウンのストッキング脚をスリッパに入れ、達也の部屋に向かう。その後から、達也もナイロンに包まれた脚をスリッパに収め、美里のことを追うのだった。
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