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暗躍する者

100PON:2009/12/31(木) 03:08:36 ID:p4ecPUzA
押し倒された達也は、そこからなかなか動くことができないでいた。
しばらくは、亜衣に変装したレオンに跨られていたために動けなかったのだが、レオンが離れてからも動くのには難儀していた。
それは、煙を吸ってからというもの、身体がやけに重く感じられていたからだ。しかし、それでも何とかして身体を起こすまでには至っていた。

『どこだ・・・?そこに居るのか?』
煙は徐々に晴れてきている、だが達也はまだ目がハッキリと開けられない。スプレーを正面からもろに浴びてしまったため、涙がなかなか止まらないのだ。
そのため、気配を感じる以外に、怪盗の存在を知ることはできなかった。とはいえ、レオンが気配を消すことくらいはお手の物だ。それでも、レオンがこの部屋にいることを知ることができたのは、自分が動いていないのにベッドが小さく弾んでいたのを感じたからだ。
そうして感覚を澄ましている間も、何かがスルスルと擦れるような音が、さっきから耳に届いている。
『ふぅーん、あんなにスプレーを吸い込んだのに、まだ動けるんだ?琴海なんて、沙希お姉ちゃんに変装した怪盗に気付かないで、それを浴びせられた時は動くことすらできなかったけどな♪』
衣擦れの音と重なって、女性の声も聞こえてきた。
名前をわざわざ名乗ってみせる所がレオンらしいが、確かに耳慣れたその声はメイドの西浦琴海であるのに違いは無かった。そして、琴海とターゲットにした時の状況・・・すなわち、琴海の家に潜入した時には姉の西浦沙希に化けていたことまで説明している。
それほどまで、達也の周りの女性は自分のコレクションに加えてあるのだということを誇示したいのだろう。

やがて、目がしみるのも治まり始め、ようやく達也の視界が戻ってきた。
涙でまだぼやけているが、ベッドの上には自分以外にもう一人誰かがいる。そのシルエットからして、裸の女性であることは間違いなかった。
『あっ、見えるようになったの?もうちょっとで、脱ぎ終えることができたのに・・・』
目の周りを拭うと、そこでは今まさに怪盗レオンが亜衣スーツを脱ぎ去ろうという所だった。
首から胸、股間に渡って一直線に裂け目が走っている。そこから抜け出ているのは、鮮血に染まった身体ではなく、きめ細かな肌をした若い女性のグラマラスなボディであった。裂け目から現れている腕や乳房は、既に亜衣の物では無くなっている。
『どうせなら、亜衣が脱皮するところ見てていいよ♪ククククッ・・・』
レオンは、新たに抜け出た女性の手を使い、亜衣の脚線美に隠れた自分の脚をストッキングを脱ぐような手付きで抜き取った。
綺麗な生足が現れる代わりに、亜衣の脚は中身を失っていく。これまでのようにストッキングを穿いていないということは、当然股間を覆う物も何も無かった。
亜衣のものとは色も形も異なる女性器を刻み込んだ股間が、達也にも見えるように晒されている。
『これで、あとは顔だけだよ。こんなペラペラなスキンスーツ一着で、河原亜衣にも深浦美里にも変装できちゃうんだから、怪盗レオンのフィメールスーツの仕組みって不思議だよね〜?それで、この亜衣の顔を脱いだら、今度はこんな綺麗な顔に化けちまうんだからな。ククククク・・・』
レオンは、亜衣の声を使いながら最後まで残っていたフェイスマスクをメリメリと捲り上げた。
途中でくぐもった亜衣の声も、亜衣の全てが一枚の抜け殻に成り果てた時には、すっかりその顔に似合う女性の声のものに変わっていた。


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