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2025年2月23日〜

926名無しさん:2025/03/28(金) 15:21:20
しかし、ウクライナでも時代とともに独自の民族理念が浸透し、2014年の政変以降はそれがさらに強まっている。
ウクライナ領クリミアを一方的に併合し、東ウクライナ・ドンバス地方に戦乱をもたらした張本人のプーチン氏が、ロシア人とウクライナ人は同一民族というようなことを述べれば、多くのウクライナ国民が不快に感じるのは必至と思われる。
そもそも、プーチン氏はなぜこのタイミングで、確実に物議をかもすであろう論文を発表したのだろうか。筆者は現地の論調をざっと眺めてみたが、あまり納得の行くような解説には出会えなかった。
ロシアの専門家による分析の中で、筆者がある程度合点が行ったのは、確かにプーチンは今回ロシア人とウクライナ人の民族的一体性を強調してみせたが、だからと言ってそれを根拠にプーチン政権がウクライナに対し、新たに侵略的な政策を発動することは考えにくいという指摘であった。
今年に入ってから、ロシアが対ウクライナ国境に兵力を集結させるなどして、ドンバス情勢が緊迫化した経緯があった。
しかし、強硬姿勢が思うような効果を挙げなかったため、プーチン政権としては対ウクライナおよびドンバス政策を仕切り直そうとしており、その一環として「論文」という形でロシアの立場を改めて明確化しておくことにした。プーチン氏の思惑はそんなところではないだろうか。
筆者がリサーチした限り、今回のプーチン論文をウクライナ国民がどのように受け止めているかを調べた世論調査の類は、まだ発表されていないようである。
したがって、ウクライナ国民の反応については推測するしかないが、筆者が見るところ、プーチン論文がウクライナ国民の意識を大きく変えることはないのではなかろうか。ウクライナの人々は、プーチン体制のロシアに対する態度を、すでに固めているからである。
ウクライナ国民の多数派は、2014年にプーチン政権が行ったクリミア併合・ドンバス介入という仕打ちを許していない。今さら、プーチン氏がロシア人とウクライナ人の民族的一体性をアピールしたところで、「なるほど、ではロシアをパートナーに選ぼう」ということにはならない。
もちろん、プーチン論文はロシア国民の琴線には触れるところがあり、プーチン政権が対ウクライナ政策を国内向けに正当化するという意味はあるだろう。
また、ウクライナにも少数派ながら、親ロシア的な価値観の人々も一定数おり、そういう人たちは「プーチンさん、よくぞ言ってくれた」と感謝するかもしれない。
ちなみに、プーチン論文へのコメントを求められたゼレンスキー・ウクライナ大統領は、ロシアの我が国に対する態度は真に兄弟的なものとは言えず、むしろ「カインとアベルの関係を思わせる」と指摘した。
カインとアベルは、旧約聖書に登場するアダムとイヴの息子たちのことであり、兄がカイン、弟がアベルである。旧約聖書によれば、カインがアベルを殺してしまい、これが人類初の殺人で、さらにそのことについてカインが白を切ろうとしたことが、人類初の嘘であったとされている。


服部倫卓
ttps://globe.asahi.com/article/14405289


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