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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1

634『小角 宝梦は火種となる』:2015/11/12(木) 00:10:16
>>628(小角)
状況が状況だ。
ひとまず調査の手を止め、小角はフライスに問う。
『イル・ソン・パティ』の質問猶予は『1分』。
多少会話をしても、『テーマ』は持続できるはずだ。

エイノーを止めようとする小角だが、
悲しいかな、スタンドを止める手立てが小角にはない。
『フィストフル』の攻撃は空振りし、
愛川と紫を合流させることには成功したが、
スヴァルトとの間に緊張が高まる──

間違いない。
この状況を突破できるのは──『武力』以外の『力』だ。

スヴァルト:
「ハッハ! 『金の鶏』を逃がす馬鹿がどこにいる」

フライス:
「『待て』と言っている──スヴァルト」
「『金の鶏』は『卵』を産んでこそだ。
 解決すべきの問題は複数ある・・・・『火種』にもなる。
 抵抗があれば殺すべきだが、無駄に手札を減らすのは愚かだ」

                              「・・・・・・・・さて」

フライスの目が、小角を見つめる。
少女の瞳を覗くような、その知性を確かめるような眼差しだ。

「おまえを解放するという選択肢は『ない』。
 野に置くには危険な『ジニ』。ルンクスとの敵対。
 私自身も、その能力には興味を惹かれている」

「おまえは野に転がった『宝石』だ。
 ただし価値がありすぎる──その為、争いを呼ぶ。
 『ヤング・ダイヤモンド』の調和を乱すくらいならば、
 ここで始末すべきだ──後腐れもない」

「だが・・・・私はまだ、迷っている」

「どちらでもない解決策が存在し、
 おまえ達がそれを提案するなら、何かしらの『譲歩』は約束しよう」

交渉の余地は──『あった』。
フライスは結論をまだ決めていない。
もし決めていたならば、こうして話も出来ていないはずだ──

>>631(紫)
さらに深く破片が食い込む前に、ランプを解除する紫。
そこに『フィストフル』が突っ込み、
スヴァルトには避けられるも、愛川と紫を小角のもとに合流させた。
──これで、この『野蛮人』に余計な邪魔をされずに済む。

愛川は高遠が『踊り子』にした。
その様子から、怪我の進行は止まっているようだ。
救急車が来るまでの時間は稼げるだろう。

手の甲の『?』を確かめ、そして窓際のフライスと対峙する。
男が自分にとっての『死』そのものだとしても、
それを受容するかどうかは、話が別だ。

紫の質問は、フライスにとっても意外だったようだ。
紫の言葉に乗るように、フライスは口元を緊張させ──そして緩めた。

「・・・・・・・・・私には、ある。
 内容については言えないが、
 『イル・ソン・パティ』を必要とする『謎』を抱えている」

「他は・・・・単純な『優位』の為だろう。
 『ジニ』の戦いにおいて、情報戦は死活を分ける。
 何より、『ヨハネスブルグ』には、こういった能力が極端に少ない」


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