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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1
608
:
『小角 宝梦は火種となる』
:2015/11/09(月) 23:55:07
>>603
(高遠)
間違いない・・・・
『ヨハネスブルグ』の代表である『9人』。
その筆頭とも言うべき紹介をされていた男だ。
その眼差しは鋭くも理知的で、
『ミミズク』を思わせる独特の雰囲気を秘めている。
「小角 宝梦と『イル・ソン・パティ』を許容し得るか。
『ダイヤモンド・ナイン』の調和を崩さぬ利用が可能か?
それを確かめに来た」
小角を一歩で守れる範囲で舞いながら、
高遠はフロイスの返答を受け取る。
淀みはまるでない。優等生のような答えだ。
愛川には、紫がつくようだ。
ひとまず、様子を見ていいだろう。
>>604
(紫)
ド ド ド ド ド ド ド
傷付いた愛川に気付き、『安楽椅子』に『ソーンダイク博士』を『降臨』『憑依』させる。
「ほう。興味深い『ジニ』だな」
興味を示すフライスを他所に、
『名探偵』の医学知識をもって、治療に当たる。
一目で見て取れる『重症』だ。
出血は激しく、肋骨は折れ、片肺が傷ついている。
傷が大きくなれば、血が肺に流れ込み、呼吸困難に至る。
死に直結する原因が複数並び、とても応急処置では対処できない。
ひとまず包帯で止血し、綺堂を確保、安静にして救急車を待つ。
それ以上のことは出来そうにない・・・・『緑色の実験箱』にも限界はある。
だが、それ以上に問題なのは、紫の手だ。
動くのは右手だけ。怪我の痛みはまだ我慢できるが、
片手では包帯作りすら、ままならない。
「おまえたちが何処までルンクスに近づいたか、それは判らない。
『質問』の方法も、私が想定していたものではない・・・・
故に、今の言葉に対してのみの返答になるが」
「『全ての道がローマに通ずる』として、
そう書かれた案内板に、意味はあるか?
──人間の時間は有限だ。
ましておまえたちに、悠長な時間は残されていないはず。
『いつか見つけられる』・・・・それがおまえの『名探偵』の定義か?」
皮肉を言う口ぶりではない。
率直に尋ねている声だ・・・・だが、それより優先すべき事柄が、紫にはある。
>>606
(エイノー)
不使用の『カートリッジ』を解除し、機能を回復。
スマートフォンで『119』に連絡する。
大まかな状況を伝えると、電話を切った。
じき、救急車が到着するはずだ。
「元身内?
・・・・ああ、バジか。
元気にやっているなら、何よりだ」
紳士的なエイノーの態度に、フライスは軽く会釈し、応じる。
「初めまして
私はフライス。『ダイヤモンド・ナイン』の一人だ」
「小角 宝梦と『イル・ソン・パティ』を許容し得るか。
『ダイヤモンド・ナイン』の調和を崩さぬ利用が可能か?
それを確かめに来た」
>>607
(小角)
「『質問』ではないな・・・・『テーマ』だったか?
『イル・ソン・パティ』では、まず『テーマ』を決める。
『テーマ』に沿った質問しか許されず、
『テーマ』の変更には、より大きな枠を用意する必要がある」
フライスの口から出た言葉に、小角は目を丸くする。
この男・・・・『イル・ソン・パティ』の細部までも熟知している。
まるで参加したことがあるかのように・・・・いや、
参加者ですら、ここまでの詳細を知っているだろうか?
「察するに、今のテーマは『自分の推理について』というところか。
思いがけない『テーマ』で驚いたが、
それはつまり、『最終テーマ』ということか。
あえてそれを選んだ意味・・・・それを聞きたかった」
>【病院に近いルンクスの拠点は、病院周辺西側の地上の建物から入ることが出来る。】
ルルル・・・・
──『NO』。
>>605
(青田)
「よ、よろしくです」
アーントが恥じらうように顔を伏せる。
青田はスマートフォンを回収した。
ロックはかかっていない。発信履歴を調べるのは簡単そうだ。
アーントを警戒しながら、エレベーターに向かうと、
「あ……お先に、どうぞ。
・ ・
私は、先に向かいますから」
よくわからない台詞で見送られた。
エレベーターに乗る気はないようだ・・・・
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