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【場】砂浜

1ZAKI:2015/01/01(木) 00:41:57

倉庫街の西、H湖の入口にほど近い砂浜地帯。
以前殺人事件が起きた『いわくつきの場所』だが、今は落ち着きを取り戻している。
シーズン中には海の家が栄え、沖では沈没船が静かに時を過ごす。
治安は悪くもなく、ランニングにやってくる一般人も多く見られるが、
『歩くスイカ』や『突然変異クラゲ』、『人を操る影』など不思議な情報も多く、
『黄金町のミステリースポット』と化しているきらいもある。


―┘          ┌┘
―┐ H湖     ┌┘   ┌┐   住  宅  街   
  │      ┌┘   .┌ ..│...      ‖
   ┐     │    ┌ ┌┘       ‖←メインストリート
   │    │   ┌  │         ‖
    ┐   │  ┌  ┌..       黄金原駅
     │  └─┘┌―      ┏ ━■■━ ━ ━
  ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛    ‖←ネオンストリート
       │      └―┐黄金港.. 繁 華 街  
       └┐   ┌――┘       倉庫街
 ─────┘   └◎―――――――――――

631イザベル『アーキペラゴ』:2015/12/31(木) 02:02:15
>>630

     「バッキャロー! アタシだって嬉しいに決まってんだろッ!」

   「いーやっ! むしろアタシの方が倍は嬉しいねッ!」

         ぎゅぅぅぅぅぅ……!

喜びに比例するように、思いっきり、力いっぱい抱きしめる。
ああ、ぶ厚い上着が邪魔くさいぐらいだ。今日が冬で無かったのなら!
                      アミーガ
そんなことを思いながら、かわいい『友人』を抱きしめる。
かわいいかわいい、アタシの妹分。

          愛おしいアタシの友達よ
          「『El amor, los amigas』ッ!」

               ポンポン

                   スッ

      「こっちこそ、っつーかアタシの方がわりィな! 痛かったか?」

名残惜しそうに、背中を軽く二度叩いてから抱擁を解く。
そして少しも悪びれずに満面の笑みを浮かべながら、手を差し伸べた。
転ばせてしまったし、強く抱きしめた。痛がってたら申し訳なくも思うが、それ以上に、今とても嬉しいのだ。

         「なァ、日の出がみてェのなら、良い場所知ってんだ。案内してやるよ」

だから、ちょっと悪戯っぽく笑いながら、イザベルはそう提案するのだ。

632葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/31(木) 02:28:32
>>631

               ポンポン

「えへ……」

       (なんて言ってるのかは、分からない。
         けど、きっと、嬉しい事なんだって、わかる。)

             (だって、こんなに。
               ……イザベル、さん。)

保護者でも、先生でもない。
穂風の、大切な、ともだちだから。

     ・・・・

       ・・・・


「い、いえ、痛くなかったです。
 それより、私、ほんとにっ、嬉しくて……」

     「あ……よいしょっ――」

          スック

           「っと……え。
             いい場所……ですか?」

手を引かれて、立ち上がって。
イザベルの提案に、笑顔で。

「じゃ……じゃあ、そのっ、お願いします。」
          
         コク   コク

   二回ほどうなずいて――着いて行ってみることに、した。

633イザベル『アーキペラゴ』:2015/12/31(木) 02:47:50
>>632

    「任せとけよ。海辺はアタシの庭みたいなもんだ」

ニカっと笑って、先を歩く。
数年の付き合いだが、海は毎日のように来ている。
日の出も、何度か見に来ている。そもそも、今日だって日の出を見に来たのだ。
だからそーいう知識なら備えてあって、それがなんとも誇らしい。

      ザッ
           ザッ

     「そーいえばよォー」

首を後ろに向けて、歩きながら問いかける。

          ザッ
               ザッ

       「お前さんの『後継人』だっけか。
        それってどんな奴なんだ?」

                 ザッ
                       ザッ

    「人一人の面倒見ようってんだから、大した奴なんだろーけどよ」

気になっていた、穂風の保護者のこと。
男なのか、女なのか、年老いているのか、若いのか。
そういえば、そのことについて何も聞かなかったな、と思っていたのだ。

         「そいつとはうまくやれてんのか?」

634葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/31(木) 03:02:11
>>633
 
       ガチャ

停めていたロードバイクを動かす。
一年の最後の夜、すっかり真っ暗な海を背景にして。

「はいっ。」

      (……かっこいい、なあ。)

    ト ト
            コロコロ
      ト ト

イザベルに、着いて行く。

          「……はい?」

    「あっ、ブリスさん、ですか。
      ブリスさんは、学校の先生、で。」

  ト
    ト  


「お料理が、とっても上手で。
 このスクールバッグも、プレゼントして、くれて。」

視線が少しだけ、下を向いて。
すぐにまた、上へ。

        「いつか、絶対。
          恩返し、しなきゃ、って……!」


      「……そう、思うんです。」


  トト    トト  

あまり深い情報は、穂風の口からは出なかった。
けれど、穂風は、一度決めたことは、破りたくない。恩返し、必ず――だ。

「……だから。上手く、やれてます。
 ……あ、イザベルさん。先生で、思い出したんです、けど。」

        「カガっていう先生に、私のこと、その、言ってくれたんですよね。」

次に口に出たのは、教師の名前。
実際には教師ではなく、スクールカウンセラーだけれど。

635イザベル『アーキペラゴ』:2015/12/31(木) 03:17:51
>>634

      ザッ
           ザッ

    「ほー、ブリス。
     ブリスなァ……聞いたことがあるよーな、無いよーな」

イザベルは大学部の生徒だ。
自然と知っているのは大学部の教授になるし、恐らくは知らないだろう。

      「ま、そーだな。受けた義理は返さねェと」

         ザッ
             ザッ

    「手ェ貸せることあったら、言えよ?
     そりゃお前が自分でどーにかしなきゃいけねェことだけどさ。
     人付き合いの人脈ってのも本人の力のうちだからよ。手伝いぐらいはさせろよな」

笑いながら、手をひらひら振って。
ぐだぐだ言ってるが、結局のところは。
この少女の力になってやりたいと、そう思っているだけの話。

           ザッ
               ザッ
 
        「あン?」

     「あー、あー、加賀な、加賀」

         「確かに話したな。あいつ、お前の噂聞いて気になってたみてェだったからよ。
          まァ名前と、転入したがってて目途が立ったらしいって話しただけだ。
          だから別に大したことじゃねェんだよ、ホントに」

逆を言えば、イザベルがやったことと言えば、やれたことと言えばその程度。
大見栄切っておいて、恥ずかしいぐらいだ。本当に、大したことはやってない。

      「ん、つーかアイツと話したのか?
       あいつ別に常勤講師ってわけじゃねェのに。つーか厳密には教師でもねェはずだが」

636葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/31(木) 03:46:21
>>635

「あ……ええと。
 ほんとの名前は、ブリジットさん、って。」

           「あの。小学校の、先生なんです。」

  トト ト     コロコロ

ブリジット。
女性的な名前だ――西洋圏の。

「ありがとう……ございます。
 もし、何かあったら、イザベルさんにきっと、相談します。」

      コク

穂風は、イザベルのことを信頼している。

      トトト    コロコロ

「あの。電話した時に、加賀、先生が出てくれて。
 ……それで、です。あの人にも、今度、お礼しなくちゃ。」

            「しなくていい、って。
             言われたんです、けど。」

それでも、お礼を言いたい気持ちはあるから、言うのだ。
穂風は歩いていく。

「……イザベル、さんは。
 あの、初日の出って、見たこと、あるんですか?」

        「すごく、おめでたい、って……聞きました、けど。」       

まだ、空の色は黒だった。
時間はまだまだある――穂風は、イザベルと話したい。

637イザベル『アーキペラゴ』:2015/12/31(木) 04:16:50
>>636

   「あー、小学校か。ならアタシはわかんねェなァ」

     「ま、そのうち顔拝んどくかね。
      お前の後見人なんだし、いっぺんどんな奴なのか話してみてェ」

        ザッ
             ザッ

    「ふゥん、あのセンセがなァー」

            ザッ
                 ザッ

      「ケケケ、大分ねじ曲がった性根してそーなセンセだからな。
       悪い奴じゃなさそーだけどよ。まァ存分にお礼してやれ。嫌がるぐらいに」

そう言って、意地悪く笑う。
多分あの飄々としたスクールカウンセラーは、真っ直ぐな奴と相性が悪いタイプだから。
この少女と話をすれば、なにかしら愉快なことになりそうだ、なんて思いつつ。

       「おー、もちろんあるぜ」「二ホンに来てからだけどな」

初日の出。
海外ではあまり馴染みの無い文化だが、日本ではむしろ当然のように信仰されているもの。
日本に来たばかりのころ、人に連れられて眠気眼で見に行ったものだ。

         「まァあれだ。二ホン人は『初物』ってのが好きみたいだからよ。
          『初日の出』ってのもその一環なんだろーさ」

     「『一番最初の日の出を見て、今年も一年頑張るぞ』ってなもんなんじゃねェかな」

           ザッ
                   ザッ

            「あと、単純にキレーだし」 

           ―――――ザッ

……足を止める。

          「おう、ついたぜ。ここだ」

着いたのは、海に対して突き出した、岬未満のコンクリート。
少し奥まった場所にあり、周囲に岩も多いため、昼間であっても人は少なさそうな場所。
イザベルにとっての、『とっておき』だ。

     「こっからならどこ向いても海だからよ。日の出もいいのが見れると思うぜ?」

        「日の出までまだ時間はあるけどな」

638葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/31(木) 04:49:28
>>637

「私、も……ブリスさんに。
 お友達……イザベルさんのこと、紹介したい、です。」

       ト  ト

「加賀、先生は……
 不思議な人、だった……気がします。」

      コクリ

         「お礼、した方が良いですよね、やっぱり。」

穂風は頷いて、笑みを浮かべる。
べつに嫌がらせなんかじゃあ、ない。再確認した、だけ。

「がんばる……なるほど。
 私、来年もたくさん、あの、頑張りたいですし――」

     「それに、綺麗なのも……
       見てみたいから。楽しみです。」

            ニコー

        ・・・・

           ・・・・  

                 ザ    

足を、止める。ロードバイクの車輪が止まる。

「ここ、ですか――」

      キョロ   キョロ

「こんなところ……はじめて、来ました。
  ……ほんとだ、どっちを見ても、海しか……」 

           ガチャ

ロードバイクを停めて。

             ストン

「……お天気で、よかった。
 イザベルさん……もうすぐ、新年ですね。」

その場に、座り込む。
星が綺麗だ。けれど穂風は太陽を見たい。

                 ――空は晴れていた。

639イザベル『アーキペラゴ』:2015/12/31(木) 05:33:22
>>638

    「いいとこだろ?」

     「とっておきだ。人には内緒だぜ」

人差し指を口元に当てて、秘密のジェスチャー。
ほんとは人に話したって構わない。公共の場所だ。誰も知らない訳じゃない。
でも、二人にとっては秘密にしたい。
ここはイザベルにとって、そういう場所だから。

      「だな。新年早々曇り空、なんてことになんなくてよかった」

   「あとちょっとで2016年。……家族で迎えることもありゃ、一人で迎えることもあったが」
 
                         アミーガ
        「今年はお前と二人だな、『お友達』」

2015年の最後と、2016年の最初。
イザベルと穂風と、二人で終わって、二人で始まる。この二人の世界では。
空には雲一つない。雨なんか、降りそうにもない。

           「ああ、そうだ……」

      「ホフリ、寒くねェか? 一応ココアとか持って来てんだ、アタシ」

                         「ブランケットもあるぞ」

               ゴソゴソ

肩にかけていたショルダーバッグを漁れば、中から出てくるのは魔法瓶。
準備は色々としてあったのだ。もちろん、一人分の準備ではあるが。

640葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/31(木) 21:25:05
>>639

  「……はいっ!」

     「私達の、秘密に……!」

      
      ニコ

穂風は深く、笑みを深く浮かべた。

「私……よかった、です。
 だって。始めてみる初日の出、だから――」

           「……えへ。」

たった一日何かが違えば、今日はなかった。
星空も。寒い海風も。そして、隣にいる、得難い『友達』も――

「あ……ええと。
 寒い、です、けれど……お茶は、持って来たんです。」

      ゴソ

スクールバッグから、小さなボトル。
温かいお茶――もう、ずいぶんぬるくはなっていた。

「……あの。それに。
  イザベルさんだって、寒いんじゃ……」

       ビュ オオオ  

冷たい冬風。

       「・・・・」

           「あの、すみません……
             ブランケット、貸してもらっても……」

       モゴ

もごもごと、恐縮そうに穂風は言った。

641イザベル『アーキペラゴ』:2015/12/31(木) 22:09:08
>>640

    「おう。まァ正直アタシもけっこー寒い」「にへへ」

ダウンジャケットを着て、下にはタイツも着て、大分暖かくはしているが。
それでも、寒いものは寒い。
吐く息は白いし、鼻は赤いし。

        ヒョイ

            ファサッ

      「――だからま、ちと狭いのは我慢しろよな?」

だから、すぐ隣に座りこんで、肩を寄せて、ブランケットで二人を包む。
少し狭いが、でも、その分暖かい。

        「へへっ、こうすりゃひとつで足りっからよ」

          「ほらよ、ココアも飲め飲め。アタシ一人じゃ余っちまう」

                 コポポポポ……

魔法瓶のフタを取って、そこにココアを注ぐ。
湯気が立つぐらい暖かいそれを、隣の穂風に差し出して。

      「折角入学も決まって、新しい一年が始まるんだし。
       年が明けたら、どんなことがしてみたい?
       お前ならなんだってできるさ。言ってみろよ」

642葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/31(木) 23:08:36
>>641

        ヒョイ
            ファサッ

「わっ……」

「え、へへ。そう、ですね。」

            キュ

穂風はイザベルに身を寄せて、微笑む。
籠の中じゃなくても、安心できる止まり木は、きっとある。

         ス

「ありがとうございます――」

         コク   コク

温かいココアを、喉に通して。

            「ぷ、は……
             美味しいです。」

       ・・・・

     ・・・・

「来年、は……いくらでも、したいこと、あって。」

             ス

穂風は少しだけうつむく。
頭の中には、いくらでも、思いつくことがある。

「色んな、行事、とか。したことないから。
 あと、友達、もっといっぱい欲しいし……
 おしゃれも、ちゃんと、自分でいっぱい。
 部活、も、入ってみたいんです。学校で……
 将来のこと……『夢』も。見つけられたら、なあ……」

             「……他にも、いろいろ。
              いっぱい、いっぱい、いっっぱい!」

     バ!

穂風は、空を仰ぐ。
世界は広いから。一つに絞るなんて無理なんだって穂風は思った。

          楽しいことは。
           なんでも。なんでも。


「……あの、イザベルさんは。
  イザベルさんは、その。何がしてみたいですか?」

思いついたように、穂風はイザベルに問い返す。
その顔は、瞳は、きらきらと未来を見つめていた――

643イザベル『アーキペラゴ』:2015/12/31(木) 23:24:48
>>642

     「おう……おう、おう!」

    「そうだな。いくらでも、なんでも、いっぱいだな!」

彼女の物語は、まだまだ始まったばかりだから。
彼女にとっては全てが新鮮で、全てが未体験で、全てが『やってみたいこと』だから。

      「ん、アタシか?」

翻って、自分はどうだろうか。
イザベル・ドレーク・ノルダーノは……もう、『道筋』を決めた人間だ。
だから、まぁ、決まっていると言えば決まっている。

   「アタシは……たくさん本読んで、たくさん講義受けて」

       「たくさん海行って、めざせ『海洋学者』、ってなもんだけどよ」

遠くの星を見つめながら、つらつらと『今年と同じ来年』の姿を描く。
……そして。

     「さしあたって……そうさなァ」

視線を横に向ける。
そして、笑いかける。

         ニカッ

      「日の出見終わったら、どうだ。一緒に初詣行かねェか?」

   「いつもは行かねェんだが、たまにはなっ!」

644葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/31(木) 23:58:14
>>643

「はいっ……楽しそうな事、全部っ!」

       ニコ 

そして穂風はイザベルの答えを待つ。
夢を持つひとが、友達が、何をしたいと思うのか――

 「……海洋学者。」

         「やっぱり。
          えへ。夢、ですもんね……!」

夢。大きなもの。
穂風にはまだないもの。
それは凄く眩しい物に思える。

          ・・・・そして。


「……初詣っ!!」

    パァァ ・ ・ ・!

     「わっ、私も! 私も行きたいって――
       イザベルさんと行きたいって、思ってたんですっ!」

穂風は笑顔で、そう返した。

「きっと起きてますから!
 だからきっと、いえ、絶対、いっしょに……!」

          ――それは。

             ――今年最後の、穂風の、大きな笑顔!

645イザベル『アーキペラゴ』:2016/01/01(金) 01:17:04
>>644

     「おう、アタシの夢は、もう決まってっからな」

自分の道はもう決めたから。
後は、道を進むだけ。
途中で行き止まりもあるかもしれないが、それを最初から心配するなんて馬鹿馬鹿しい。

ともあれ。
『そんなこと』よりも――――今は!

      「……ホントか?」

自分と一緒に初詣に行きたいと言ってくれる、友達だ。

        「……うへへ」「んじゃ、約束だからな」

    「日の出見て、そっから初詣だ!」

             ニッ

幸せそうに笑いながら、穂風の顔を横から見上げる。
本当に――――本当に、素敵な一年だったと。素敵なことがあった一年だったと、そう思う。

そして――――――

           「……ん」「そろそろ、かな」

ポケットから出した携帯で時間を見る。
揺れる秒針。カウントダウン。

     「3」

        「2」

           「1―――――」


      「―――――ハッピーニューイヤー、ホフリ!」


――――そして、2015年は後ろに過ぎ去ってしまって。
そして、小躍りしながら2016年がやってきて。
今年最初の言葉と、笑顔を、隣の友達に贈る。

646葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/01/01(金) 01:34:16
>>645

 「さんっ」

    「にぃ――」

        「……いちっ!」

        
             「ハッピー……ニューイヤー! イザベルさんっ!!」

一年最初の笑顔も、イザベルに。
去年は一昨年よりずっと。今年は去年より、もっと!

    「……えへ、へ、へ。」

「これで、ええと2016年、なんですね。
 あとは……お日様が昇るの、待つ、だけ……」

              ト

肩をイザベルにぶつける。
穂風は、眠たげに目をこすって、空を見て――

             「……お日様、まだ、かな。
               えへへ、楽しみで、眠れないくらい。」

太陽はまだまだ上ってきそうにないけれど。
穂風は少しだけ、眠くなってきた。けれど、起きていたいから。

「……イザベルさん、初もうでって、あの、神社でするん、ですよね。」

他愛のない話を、イザベルに振る。

647イザベル『アーキペラゴ』:2016/01/01(金) 01:49:26
>>646

    「ああ、2016年だ! またこっから、365日が始まってくんだなァ!」

何が楽しいのか、何が嬉しいのか。
なんだかよくわからないけど楽しくて、なんだかよくわからないけど嬉しくて。
どうしようもなく、笑ってしまう。

     「日の出は……まだまだ先だなァ」

イザベルは、夜更かしに慣れているから平気だけど。
穂風はそうでもなさそうで、少し、いやかなり眠そうだ。
少しだけ心配になって、ブランケットを二人の身体に寄せながら。

    「おう、寺でもやってるらしいけど、黄金町なら神社だな。
     アタシも真面目に行った事はねーからよく知らねェんだけどよ」

   「カミサマにお願い事するんだとよ。今のうちに考えとくか?
    こればっかりは、なんでもかんでもってわけにはいかねェしな」

648葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/01/01(金) 02:03:40
>>647

「そう、ですね……
 365日、何回もお日様が、、出て、沈んで……」

         「まだまだ、ですか……
           ……え、えへ、眠くないですから。」

    ふ わ 

小さくあくびをして、慌てて穂風は笑う。
夜更かしは、嫌いじゃないけど、安心してしまったか。

               ・・・・そして。

「かみさま、に。」

「かみさま……は。
 お願いごと、ちゃんと叶えて、くれるかな……」

               キュ

少しだけ、不安になった。
サンタクロースは、あんまりわかってくれなかったから。

         「お願いごと……
          どう、しよう、ううん。」

    「……ちょっと、考えてみます。」

             ウーン

頭を悩ませていれば、眠くもならない、かも――

649イザベル『アーキペラゴ』:2016/01/01(金) 02:18:25
>>648

    「……眠いならちょっと寝ても平気だぞ?
     日の出前には起こしてやるし、最悪目覚まし時計も持って来てあっからよ」

準備は万全。
他にも灯りや本も持ってきていて、ほんとは一人で本を読んで日の出までの時間をつぶすつもりだったのだ。
だから、もしも寝てしまっても平気だ。
――――もちろん、穂風は起きていたいと思うだろうし、イザベルも起きていて欲しいと思うけど。

ともあれ。

      「どーだろなー」

        「まースパッと叶えてくれるもんじゃねェ気はすっけどなァ」

なんとなく、人から聞く限りでは。
みんな、初詣に何を願ったかと聞けば、『これを頑張りたい』だの、『この目標を達成したい』だの。
どちらかといえば、自分への抱負のような印象を受けた。

   「なにをしたいか――――なんだろな、多分」

          「この一年、なにがしたいのか」

     「そいつをカミサマに伝えて、頑張りますから見守っててくださいねって、そういうもんなんじゃねェかな」


             「……まっ、アタシは二ホン人じゃねェしよくわかんねェけどな!」

無責任に笑いながら、悩む穂風を見る。
何を願うにせよ、彼女はきっと大丈夫だろうから。
強く生きていけると思うから、そこは何も心配していないのだ。

650葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/01/01(金) 02:31:41
>>649

「ね、ねません……眠くないですから!」

     ブン   ブン

        「お日様が出るまで……
          ……おしゃべり、してましょう。」

小さく頭を振って、冷たい風を浴びる。
穂風は、今起きていることに意味があると思うから。

              ・・・・それに、横にイザベルがいるから。

「……あ、叶えるんじゃ、ないん、ですね。
 えへ、勘違い……してました。私も、よくわからなくて。」

           「……うーん。」

穂風は、少しだけ、考えて。
それから――

「……じゃあ、ええとっ。
 『今年も、一年間、楽しいことがたくさんありますように』……」

         「……『去年よりもっと』!
             こんな感じ、でしょうか。」

欲張りでも、かみさまはきっと怒らないだろう――穂風はそう、思った。

      「イザベルさんは!
        イザベルさんは何、お願いしますか?」

              「……えへ、私、聞き返してばっかり……」

イザベルには夢がある。
だから、お願い事がなんでも、真っ直ぐ進めるんだろう。

                  ・・・・まぶしい、なあ。

651イザベル『アーキペラゴ』:2016/01/01(金) 03:01:23
>>650

      「そうか?」

   「へへ、んじゃ寝るなよな」

上機嫌に、重ねて上機嫌。
だって嬉しい話じゃないか。
お互いに、もっとおしゃべりしていたいと思ってる。

    「今年一年」「去年よりもっと」

      「楽しい事がありますように、か」

それで、彼女の『願い事』。

     「――――欲張りだなァ、ホフリはよッ!」

それはとっても欲張りな願い事で、しかしだからこそ素晴らしい。

       「ああ、ああ、そンならカミサマもノリ気になってくれるさ!」

    「なァに、こういうのはちっとばっか欲張りなぐらいがちょうどいいわな!」

カラカラと笑いながら、その願いを肯定する。
その願い事は、きっと叶うはずだ。
そうじゃなかったら、カミサマを呪ってもいいぐらいだ。

         「で、アタシか!」

     「ま、こーいうのは順番だわな」

さてこちらはどうだろう。
初詣もあんまり行かない、と先ほど言ったが。
そのぐらいだから、お願い事もあんまり考えてはいない。

      「アタシは…………」

少しだけ、考える。
そして、すぐに妙案を思いついた、という顔をして。

   「――――じゃ、『ホフリがもっともっと楽しい一年を過ごせますように』、だなッ!」

うん、それが、一番心からお願いできる事。

    「アタシにはもう『守護天使』様がついてっから、今更カミサマに助けてもらうこともねェし」

         「アタシの分はお前にやるよ」

652葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/01/01(金) 03:20:50
>>651

「寝ませんってばっ!」

        「……えへへ。」

寝るなんて、帰ってからすればいい。
楽しい事は、出来るうちに、いっぱい。

「だってっ! 
 もっといっぱい、楽しい事、増えて欲しいですし……」

       「欲張りくらい、しなきゃ。
         ちゃんと、かみさまに分かるように言わなきゃ。」

     ニコ

穂風は笑みを浮かべて、そう返した。
言いすぎなくらい言った方が、そういうのはいいもんだ。

         ・・・・そして。

(イザベルさんのお願い事……
 なん、だろう……やっぱり、海のこと、とか――)

        「……」

           「……えっ。」

思いがけず上がった、自分の名前。
穂風は目を丸くして、イザベルの方に、視線を向けて。

「……あ、あぅ……」

「ず、ずるい。イザベルさん、ずるい……!」

           ニコ

穂風は嬉しい。
そして。いつか感じたような、居心地の悪さはない。

       「……え、えへへ。
         ずるい、です、よ……」

             ・・・・きっと一方的な気持ちじゃ、ないから。

    ・・・・
 
        ・・・・

時間は少しずつ、過ぎていく。
穂風はややまどろんだ様子で、イザベルにもたれかかる。

                   「……寝てません、からね……」

653イザベル『アーキペラゴ』:2016/01/01(金) 03:38:33
>>652

        ニィッ

底意地の悪い、『してやった』という笑み。

   「ケケケ、アタシはホフリより少しばかしお姉さんだからなァ!」

     「その分ちょっとだけズルいんだよ、ざまーみろっ!」

ブランケットの中で、お互いに口だけの悪態をついて笑い合う。
まるで、本当に二人きりの世界になったかのように錯覚してしまう。
自分がいて、相手がいて。
見上げれば夜空があって、見渡せば水平線があって。
座っていれば冷たい風が吹いてきて、体を寄せ合えば暖かい。
それだけの、小さくて幸せな世界。

……でも、その世界は。
その世界も本物だけど、もっと大きな世界があって。
殻が破れる時は、すぐに来る。

       「ったく、おまえも強情っぱりだなァ―――――っと」


    「おい、見ろホフリ。そろそろだぞ」


          ユサ
            ユサ

象徴するように、夜の帳が消えて行く。
じきに、夜明けがくるのだ。
日が昇る。その前に、隣で眠たげにしている少女を起こさなければ。
肩を揺さぶって、水平線を指さした。

654葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/01/01(金) 03:55:00
>>653

「そんなの……そんなの、イザベルさんってば……」

          モゴ

              モゴ

ブランケットの中で、悪態に、もごもごと返していたが――

「ん……そろそろ、ですか……」

      グイ


身を起こす。
目は、すぐに見開かれた――水平線。

         「わ、あ……」

                「夜、が。」

明けていく――

穂風には、自分の目から流れる涙の理由が分からない。
水平線からその端を覗かせる太陽は、穂風の何かを溶かしたのかもしれない。

「……イザベルさん。
 すごいですね、初日の出。」

             言葉は少なかった。
              それ以上の物はなかった。

     ・・・・

         ・・・・

太陽が昇ってくる。
穂風は、その様子をじっと見ていた。

655イザベル『アーキペラゴ』:2016/01/01(金) 04:05:27
>>654

   「―――――ああ、綺麗だなァ」

陽が、昇る。
水平線の向こうから、ひょっこりと顔を出して。
暗闇に包まれた世界を塗り替えるように、白と青で世界を染めて行く。
こうして――――新しい一年が始まるのだ。
大仰な言い方をすれば、新しい世界が。
冷え切った大気も、少しずつ暖められていくのだろう。それが、陽が昇るということだから。

      「…………………………」

釣られてか、気を遣ってか、それともイザベルもなにか感じるものがあったのか。
黙りこくって、太陽がその姿を現すのをじっと見つめる。
水平線からやってきた太陽は、徐々に水平線から離れて行くのだ。
そうして輝きで海を照らしながら――――陽は、昇った。

        「……………………」

              ホゥ…

ひとつ、息を吐いてから。

         「………………行くか?」

首を向け、問いかける。

656葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/01/01(金) 04:22:37
>>655

明るくなり始めた空の下、穂風はイザベルに向き直る。

「……はい。
 …………はいっ、行きましょう。」

     グシ

目元を手で拭う。
そして、もそもそとブランケットから抜け出して。

         「ええと、神社、ですよね?
          今からで、もう、その、開いてるんですか?」

初詣は、はじめてのこと。
作法も何も分からないけど、面白そうだからやってみたい。

                   「えへ、初めてのこと、ばっかり……」

657イザベル『アーキペラゴ』:2016/01/01(金) 04:35:43
>>656

     「んー、多分開いてるんじゃねェかな」

  「こーいうのって日付変わってすぐでも色々やってるらしーし」

     「つーか基本的に開いてることにはいつでも開いてるはずだ」

出店とかがあるかどうかは、まぁともかくとして。
神社自体は24時間いつでもだれでもウェルカム……なはず。

         ゴソ
            ゴソ

そんなことを言いながら、ブランケットを畳み、魔法瓶も鞄にしまい込んで。

    「まっ、初めてなんて一回こっきりだからよ」

        「楽しんで行こうぜ、ホフリっ!」

笑いかけて、手を差し伸べる。
一緒に行こう。二人で、一緒にだ。
たくさんの人がいる、大きな世界へ。

658葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/01/01(金) 04:54:10
>>657

「そういうもの、なんですか。
  ……えへ、行ってみたら、分かりますよね。」

神社について、多くのことは知らない。
けれどきっと、楽しいはずだ。

だって。     

      「……はいっ、イザベルさん!
        私、いっぱい、楽しいこと――!」

   パシ


イザベルの手を取る。
だって、この人と一緒なら、きっと――

            「イザベルさんっ、行きましょう!」

                           →『初詣』へ。

659稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/12(火) 01:21:29

「…………」

     ザ ァーン

緩やかに波が打ち付ける。恋姫は座っている。

海岸。何となく、物思いに耽りたい時、ここに来る。
シチュエーション先行。漫画の読みすぎ、かもしれない。

   カサ

     「うおっ……」

       岩陰のフナムシに、目を留める。
       集団から、偶然はぐれたのか?

              (……探偵、上手い事やってるかな。)   

                     ・・・・思い返すのは、『妹』のこと。

660稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/14(木) 02:25:58
>>659(撤退)

「…………」

     スッ

空もそろそろ、暗い。
今日のところは家に変えることにしよう。

          ザッ

               ザッ

661朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/10(火) 22:58:20
砂浜をジーっと見つめながらため息を付いた。
「あつい……」
どこか不満気に朱鷺宮はつぶやく。

「春はあったかいが相場なのに…
 あついってのは……なぁー」
と言ってまたしてもため息を付いたのであった。

662山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/05/11(水) 02:04:24
>>661
「暑いなら脱ぐ、これ、人類の知恵」

スマホを片手に持った男が話しかけてきたぞ、よりにもよって俺だ。

「冗談だ、ジョークだよ、夏の暑さは人を開放的にするだろ? そんな感じだよ、春? ちいさな問題だ」

663朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/11(水) 15:24:05
>>662
「え、いや流石に脱ぐのは……」
と思って自分がブレザーを着てたのを思い出す。
「まぁ上だけならいいかもしれないですけど…」
と言いつつ、ブレザー部分をぱたぱたを動かして風を作る。

「そういえばもうすぐ夏なんですねー…
 その前にちょっとジメッとした季節が…って」
思わずみぞおちあたりを隠しながら振り返る。

「いきなりどちら様です?!」

664山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/05/12(木) 02:57:18
>>663
「俺は山手次郎、はい名刺」

朱鷺宮の手に名刺を握らせる、そこには『山手芸能プロダクション、代表・山手次郎』と書いてある。
メールアドレスや電話番号、LINEIDも書いてあるぞ。

「砂浜に女の子が一人で立っていたら声をかけるのが正常な男というもんだよ、そう思うだろ?
あっ、そのおなか隠すポーズカワイイね」

665朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/12(木) 19:09:56
>>664
「あ、これはどうも…
 芸能プロダクション…?」
頭を軽く下げながら名刺を受け取る…
が、そこに書かれていた【芸能プロダクション】の文字に目を見張る

「え、えーっと…そういうものなんですか?
 あんまり男性との関わりが深くないもんで…
 そこんとこはよくわからないんですが…」
と、一応表向きには平静を装っているようだが…


「えー…っと…そんな可愛く見えますかね…?」
お腹を隠すのは、初めて見る相手に対する
彼女の反射行動のようなものである…

そして…彼女は内心では
(…んー……芸能プロダクションの代表の人が急に話しかけてきて
 そして、ポーズ可愛いね…で…これって…)
だんだんと考えが固まっていく…

(まさか…スカウトぉ!?)
あっという間にそんな考えに至ってしまったのであった…

666<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

667山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/05/13(金) 01:32:12
>>665
「唐突ですまないが…君は今、夢中になれる何かを持っているかい?
勉強も、スポーツもそこそこできて不自由は無い、恋愛もピンとこない、
なんとなく過ごす毎日は楽しいけど、どこか満たされないものを感じる…違うかな?」

男はテンプレみたいな言葉を並べ始める。

「俺なら、君に新しい世界を見せてあげられる…どうかな、アイドルとか、興味ない?」

予想通り、スカウトだったようだ、男は真摯な表情で朱鷺宮を見つめる。

668朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/13(金) 16:16:36
>>667
「……本当に唐突ですねー…」
彼が問いかける言葉に何か妙な感覚を覚えながらも、ひとまず話を聞いていく。

(夢中になれる何かかぁ…
 今夢中なことといえば…
 次にどこから鳩尾に向けて何かが飛んで来るかってことなんだけど…)
考えているうちにふぅ、と溜息がこぼれる。

「アイドル?……まぁ、興味あるかといえばありますけどねー…
 私は、良くアイドル系の曲をダウンロードして聴いてたりしますけど…
 ん…えっと…むぅ…」
少し落ち着きなく彼の言葉に応える。
多少の予想はしていたとはいえ、突然こう言われると流石に少々動揺する。

(ミスコンとかに出場したことはあるけど…
 本当のアイドルとなると、緊張…するな)

669山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/05/15(日) 04:23:19
>>668
「多くの女の子は、自分の持つ可能性を知らない、もしくは、信じていない。
どうせ私には、そんなことできっこない、私に興味を持つ人なんて、いるわけがない、そう思っている。
それは大きな間違いだ、自分の可能性を信じ、未来へ手を伸ばす少女を、魅力的だと思わない人間なんて、いるわけがない」

大げさな身振り手振りで、朱鷺宮を説得する。

「だが、君の不安はもちろんよくわかる、ひょっとしたら、自分の生活がまるっきり変わってしまうかもしれないのだからね、わかるよ。
そこでだ、そこのホテルに部屋を取ってあるんだ、そこで軽くオーディションをしないか? 
君が、君自身の可能性を見つけるためにも、これは必要なステップだと思う、オーディションを受けて、それでダメだと思うなら、そこで帰っても構わない。
でも、可能性を試さずに、否定だけするのが正しいとは、俺は思えないな、どうかな?」

670朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/15(日) 18:50:26
>>669
「んー……はぁ……それは確かに…
 あなたの言葉はたしかに素晴らしいです…」
説得の言葉は、うっかりすればのめり込みそうになるほどうまい…

「ホテル……ですか?
 いやー…何だか…」
ホテルという言葉を聞いて、彼女はとたんに嫌な予感のようなものを感じる。

「…オーディションは確かにするべきだと思うんですけど…
 このご時世ですからねー…
 男性の方と女性の私がホテルに入るってのも…
 すごくアレな空気だと思いませんか…?」
あからさまに嫌な予感を感じさせる話に思える。
ちょっとだけ不安そうな顔をして、彼の言葉を聞く。

671山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/05/17(火) 09:37:50
>>670
「心配しなくてもいい、女性のプロデュースはあらゆる面で繊細な仕事だ。
男性では絶対にケアできない問題もある、ちゃんと女性のスタッフもいる、先に部屋で待機してもらっているんだ。
ただ直接のスカウトは俺がやりたくてね、その方がフェアだと思ったし、俺の目に狂いがなかったことを今実感できている」

男は朱鷺宮の目を見つめながら、穏やかに力強く話しかける。

「アイドルとは、『踏み出した者』のことだ、誰もがただの女の子だった。
君もテレビを見て、一度や二度思ったことがあるはずだ『これなら私の方がかわいい』とね、でも、アイドルの真価はそこではない。
日常に決別し、荒野に踏み出す『勇気』 そこに我々は心打たれ、称賛するんだ。
アイドル賛歌は勇気の賛歌!アイドルの素晴らしさは勇気の素晴らしさ! いくら可愛くとも君らは勇気を知らない。
君に本当の勇気を知って欲しいのさ、このチャンスを生かしてね」

これは詐欺か? 真実か? 饒舌な言葉が朱鷺宮の心に滑り込んでいく…。

672朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/17(火) 19:23:58
>>671
「う、むぅ……」
彼の発する言葉は実にうまい。
饒舌な言い回しはまさに手馴れていると言ってもいいだろう。

「本当の勇気ですか…
 たしかにあなたの言うとおりですねー…」
と、首を傾げている。


         シュゥン!!!

…その素晴らしい言葉の数々で
心を揺らされてしまったせいでなのか

                           ボゴァッ!!

「おぐふっ!!」
突如、道の方から飛んできたボールが、彼女の鳩尾に勢い良く突き刺さる!!

「あだっ…
 ごんな……どぎ……にィ……」
うー…とうめき声を上げながらうずくまる。

「うー……は、えっと……」
冷や汗をダラダラ流しながら、改めて彼の顔を見つめる。

673山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/05/19(木) 10:51:30
>>673
「…………イイ」

「イイぞ、きみ、美しい…百万倍も美しい…」

ズギュン!

山手の顔面に、奇妙なデザインの『潜望鏡』が発現する…『スタンド』だッ!

「創作意欲が刺激されてきたァ〜ッ!」

ガチャン! ガチャン! ガチャン!

猛烈な勢いで『潜望鏡』から『DVD』が生成されていく! それが能力! これが『パンツレス・ギャング』!

「うっ…ふぅ…ありがとう、きみのおかげでスバラらしい作品ができたよ、この出会いを神に感謝したい」

出すもの出してスッキリした山手はさわやかに朱鷺宮に手を差し伸べる。

674朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/19(木) 19:17:00
>>673
「……うぇ?」
まだ痛い痛いと唸っている涙音は、目の前で
スタンドが展開されている状況をすぐさま読み取ることができていない。

「えーっと…
 なんですかそれ…?」
と、何気なく『潜望鏡』をじっと見ながら、
とりあえず差し伸べられた手を掴んで、ゆっくり起き上がる。

「そんなに喜ばれても…
 私…こう、結構不幸でして…」
困った顔をしながらお腹を撫で回した。自分の。

675山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/05/20(金) 02:36:18
>>674
「ニヒ♪ ニヒヒヒ やっぱりだ! やっぱり『スタンド使い』だな!
俺の目に狂いはない! 『スタンド使い』は最高に俺の創作意欲を刺激する!」

    ドズッ

朱鷺宮の腹部を殴る、スナップを効かせ、抉り込むように。

「ニヒヒィーッ! もっとだ! もっとくれ! 痛みに喘ぐ表情! 冷や汗! 手足の震え! 何もかも最高だよキミィ!
そうだ! 君をウチの専属女優として雇おう! 安心してくれ、キミの同僚となるヤツらもスタンド使いで…息をするように狂ってるヤツらばかりだ!
いいアイデアだ! そうしよう! それがいい!」

狂ったように、いや、狂った笑いを撒き散らしながら、嬉しそうに朱鷺宮の腹部を殴打し続ける。

676朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/20(金) 20:07:18
>>675
「何言って…」

 ドズッ
「ごふっ」

     ドゴッ
      「じょっ」

           ボゴッ
            「ま゛っ」
                  ボフッ
                      「っで……」
何度も何度もみぞおちにパンチが打ち込まれる。

「だ」

      「が」

             「ら゛」

痛くて痛くてたまらないのだが、
段々と自身の沸点も高まっていく

「待てって言ってんだろがこらぁ!!!」

ドォン!

とっさに涙音は、スタンドを発動させて
パンチを打ち込みに行く。
スピードは速いが、大怪我しない程度のパワーなのはちょっとした優しさである。

677山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/05/22(日) 02:57:43
>>676
「ホゲェーーッ!?」

バゴォン!

怒りの鉄拳はきれいに山手の頬に突き刺さり、弾き飛ばした。

「うぐおおおお…イテ…いてえええ…や…やばいぜ、夢中になって忘れていたが、こいつはスタンド使いなんだった…!
に…逃げなければ…俺の能力の『解除方法』を知られてしまう前に早く…うぐぐ」

『パンツレス・ギャング』の創作物は、本体の気絶により全て消去されてしまう。これは絶対に知られてはいけない弱点なのだ。

「お…お助けェーッ!!」

砂に足を取られながら、ヨロヨロと走り出す。

678朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/22(日) 11:16:48
>>677
「ちっくしょう…うぐぐ…
 今度は…あんたにも…
 鳩尾に喰らわせてやる…!」
かなりキレ気味な表情で、お腹を抑えている。
何度もやられたせいで流石に堪えているらしい。

「こ、こら…まてこらぁっ…!」
涙音もヨタヨタと後を追いかけていくが、
やっぱりダメージが大きいらしく、動きがのろのろしている

679山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/05/23(月) 23:58:55
>>678
「フ…ふふ…こっちにおいでぇ〜 あはは…ウフフ…」

初夏の砂浜で追いかけ合う男女、これはほぼ性行為とみて間違いないだろう。

朱鷺宮の拳は鼻骨を破壊しており、夥しい出血が呼吸を妨げている…。

「うふふ…あはは…ゲフッ ゴホッゴホッ」

鼻呼吸ができない状態で砂浜を走るとどうなるか、みなさんもぜひやってみるといい。

「ゼー…ゼー…あぐッ」

ズシャア…

ついには力尽き、砂浜倒れ伏す山手。

「うう…ダメだ…殺される…シア、助けてくれ…」

680朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/24(火) 00:04:53
>>679
「うぐぐ…
 はぁ……や、やっと追いついた……」
最終的に追いついたのは涙音であった。
鳩尾に喰らいなれていた涙音の勝利である!

「……やっばい…」
改めて近寄ってみて、
思いのほか強烈なものを打ち込んでしまったのだと驚いた。

「ふぅ…ふぅ…
 このままというのもあれですから…」
そう言って彼女は自分のスタンドをぐっと近づけてみせる。

「ええ…その………
 先ほど…『作品』とか言ってらしたみたいですが…
 その『作品』とやらを…綺麗サッパリにしてもらえないでしょうかね。」
そう言ってからふぅ、と溜息をつく。


「病院を呼びますから…
 その間にでも……」
そう言って軽く自分のスマホを見せる。
…相手の能力は分からないが…
涙音は、もしかしたら形あるものかもしれないと考えているようだ。

681山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/05/24(火) 10:01:15
>>680
「うぐぐ…ゲホッ 鼻血が…気道に…息が…ゴボッ…吸い出し…はや…」

喉に流れ込んだ血液は気道を塞ぎ、窒息させようとしている! 大変だ!
一刻も早く吸い出さないと山手が死んでしまう! この人殺しめ!
ここには道具も何もない、口で吸いださなければいけないのだ! 君の倫理観が今一人の人間を死に追いやっているんだぞ!

682朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/24(火) 14:26:36
>>681
「うぐぐぐ……し、仕方ありません…
 し、死なせるわけには行きませんし…」
何かの熱い声を聴いたような気がした涙音は、
顔をゆっくりと近づけさせて

「いいですかー…
 動かないでくださいよー」
そう、ゆっくりと唇と重ねたのであった

「さぁ、吸い出せ!『フォートレス・アンダー・シージ』!」


――――――ズゾゾゾゾゾォ____
                        Ζ______!!!!

……『スタンド』の口で。
別に嫌だったとかいうことでは恐らく決してないのだ。
スタンドのパワーで吸いだしたほうが効果があるだろうと踏んだからだ。

多分 きっと おそらく

683山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/05/24(火) 22:13:34
>>682
「プギィーーーーッ!?」

肺から酸素を根こそぎ吸い取られ、半狂乱になって手足を振り回す。

………
……


30秒ほどするとすっかり大人しくなった。
とても静かだ、脈一つない。

684朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/24(火) 22:23:14
>>683
「……うぐぐ……やりすぎた…
 えーっとこういう時には」
そうして今度は

彼に対してスタンドを使って心臓マッサージと人工呼吸を(スタンドで)行うことにした。

「マジでシャレにならないです…
 どうにかしてくださいよ!」
もちろん手加減した威力でやっているため
うまく行けば復活させられるはずである。

685山手次郎&『  』:2016/05/25(水) 00:44:46
>>684
「本当に殺す気なんですか…」

朱鷺宮は背後から声をかけられた。
振り返って見ると、白いワンピースを着た少女がいぶかしげな顔で一連の騒動を見ていた。
ほっそりとした手足は、未成熟な性を意識させる。体中至る所に痛々しい火傷の痕があるが、少女はその醜い傷痕を隠そうともしない。

「この度は山手がたいへんご迷惑をおかけしました。
この男は頭のおかしい変質者で、獲物を求めて日夜さまよっているのです」

少女はさも当然とでも言うように、山手の顔の上に跨ると、静かに腰を下ろした。
酸素マスクのように、少女の股間は山手の顔面にピッタリとフィットする。

スー…フォー…スー…フォー…

山手は息を吹き返したようだ…青白かった肌に、赤みが差していく。

「申し訳ありませんが、私たちはしばらくここから動くことができません、席を外してはいただけないでしょうか」

686朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/26(木) 00:58:53
>>685
「うぇっ?…あの、どなたで………」
といったところで少女の姿を見る。

「えー……っと…
 もしかして……全部見てました?」
どの辺りからだ?と思いながらも少女を視線で追って…

「!?」
とてつもなく変質じみた行動に思わず両目を抑えた。
スタンドを出しっぱなしなのでよく見えている。

「あ、あわわ…
 へ、へい…
 その…ぶ、無事なようで何よりです……」
涙音は仕方なく視線をそむける。
席を外すとは言うものの…
あの変た……もとい、次郎氏のことは若干気にかかるのだ。

687山手次郎&『  』:2016/05/26(木) 02:14:38
>>686
「私はシアといいます、はい、一部始終見ていました。
見ているだけのはずだったのですが、思いのほか重症だったので、こうして」

少女はそのままの姿勢で、腰を捻ったり、体重をかけたりしている。
そのまま5分ほど経つと、山手はムックリと起き上がった。

「ええと…ああ…その…」

山手は視線を泳がせ、現状を把握しようとしているようだった。
眉間に皺を寄せ、こめかみを押さえ、言葉を探している…。

「俺と一緒に、アイドルやろうぜ!」

押し切ることにした。

688朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/26(木) 18:20:42
>>687
「へ、へー…
 モロのやつを食らわせちゃったんですけど…
 その人大丈夫ですか…?その…頭とか」
いろいろな意味を含んだ心配を彼女へ問いかける。
そして、しばらくして

「おや……
 起きたんでしょうか……?」
…ようやく事を終えたようなので
振り向いて様子を確認する。

「えーっと、何ですか?」
と、しばらく相手の様子を見ていた。

アイドルやろうぜ!

と聴いて…

「前言撤回です。
 もう2,3発必要かもしれないですね♪」
にこやかな顔でスタンドを見せびらかしている。

689山手次郎&『シア』:2016/05/27(金) 02:20:13
>>688
「OK、OKわかった、嘘ついてた、さっきまでの紳士っぽいキャラはアレ嘘、
そんでアイドルってのも嘘、俺ってAV監督なんだよね、キミ見てたらなんか反応してきたんで声かけたの。
それを踏まえた上で、AV女優、やってみない? 気持ちよくってチヤホヤされてお金までもらえる、うまいことすればマジアイドルデビューできちゃうかも!?」

スタンドにビビってるようじゃあこの黄金町で生きていけないよね。

690朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/05/27(金) 20:43:57
>>689
「はぁー……そうなんですか」
ため息が付きない。
AVの勧誘だったというのだ。
なんとも言えない。

「えー、残念ながら私は14なので
 完全に犯罪です。
 ついでに言えば私は、アイドルには興味があっても
 そういうAVとかには興味がありません…」
呆れ顔で答える。
まさかそれも承知の上だったりするんだろうかとか考える。

「AVからアイドルデビューって…
 流石にそういうルートを進むのは遠慮したいですねー。マジで。」

691山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/05/28(土) 03:08:39
>>690
「ハァ〜〜〜〜」

盛大にため息をついた。

「スタンド使いともあろうものが犯罪だの法律だの…みみっちい生き方してんじゃねーっつーの、
14歳? 一番いい時期じゃねえの、言っとくけどキミの可愛さピークよ今、後は下がるだけよ?
世間を知って賢くなって、一人で生きていける力を手に入れた頃、キミは最高の輝きを失っていたことに気付くわけだ。
今さらだけどさぁ、なんやかんやで話は聞いてくれるじゃん、まぁAVはやりすぎにしても、イメージビデオとか撮って損はないと思うな」

山手次郎はタフである。

そういえば、いつの間にか少女はどこかへ行ってしまった。
NPCは出しゃばらない方がいいのだ。

692朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/06/04(土) 14:22:24
>>691
「えー…………
 でも流石にそういう経験は…
 っていうかもう復活してるんですねあなた」
興味深そうな顔で彼の姿を見る。
さっきまで息も絶え絶えだったような覚えがある。

「んなこといったって…
 どうせなら普通のアイドルやら女優やらの道に行きたいですよ。
 AVだとか……というのはちょっと…」
そう言ってから顔を上げる。

「イメージビデオっていうのは…
 やっぱりあれなんですか?
 裸だの何だのと…」

693山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/06/06(月) 04:35:48
>>692
「優秀な助手だからな、俺のことは俺以上によく知っている」

昏倒した男性には美少女のぱんつが最も薬効が高いとされている。
疲労時や精神衰弱時にも覿面に効果を表す。マジで。

「えー、なんで、なんでさ、なんでよ、どっちも等しく男に夢を与える仕事だろ。
まぁ抵抗あるのはわかるけどさぁ…百聞は一見に如かず、ちょっと見てもらおっかな」

ズギュン! 

山手の頭部に『パンツレス・ギャング』が発現し、小さなカードのようなものを吐き出した。
スマホにそれを挿入し、動画を再生する。

「俺の『パンツレス・ギャング』は妄想を形にする。
イメージが精密であるほど、その映像はリアリティを増す、ぶっちゃけ顔だけでもできるんだが…、
そうして作った作品は、どれもイマイチ完成度が低い、見て、触れて、話して、イメージを固めると、クオリティは高まる。
ホラ、見てみろ」

山手が差し出したスマホの画面には、黄色いビキニに身を包んだ朱鷺宮が映っていた。
もちろん、こんな動画を撮った覚えなどない、が、画面の中の自分は、疑いようもなく自分だった。
朱鷺宮は夏の太陽の下で奔放に跳びはねる、ビーチボールを追いかけ、波に身体を委ね、砂にまみれてまぶしい笑顔をふりまいている。
水着は相応に露出は多いが、性的な要素はなぜか乏しい。その理由は、きっと朱鷺宮にはわからないだろう。

「どうだ、超健全だろ、これがイメージビデオってやつだ、あとはBGMつけて台詞もチョイ入れて、アングルも工夫すれば、
動画サイトでアッという間に人気者になるぜ、もうちょっと胸盛った方がよかった?」

694防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/06/06(月) 16:44:50
>>693
「……そうなんですか。」
去っていった助手の人の背中を追って、
軽く溜息をつく。よくもまぁ……などと思った。

「いかがわしい系は流石に無理なんです…が」
と、彼の頭のスタンドから吐き出されたカードを目で追って…
スマホに映しだされた映像を確認する。

「えーっと、あなたの能力はそれということは…
 映像が作れたのも…私をボコボコ殴ったりしたせいってわけですかね。」
そう思うと、今写っている画像に少し嫌な気分を感じるのであるが…

「まぁ…見る限りでは楽しそうな感じはしますね…
 ミスコンとあんまり変わらなそうですが…」
確かに、これだけを見れば健全である。
だが、本当にこれだけなのだろうかとも思える。

「あ、いえいえ…
 別にサイズがどうとかそういうわけでは…
 にしてもボール…ですか…」
鳩尾を抑えながらちょっと不安げな表情をする。

695山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/06/09(木) 11:06:59
>>694
「いや別に、素材だけでも作れるよ。
さっきも言ったように、被写体を深く知ることで表現に深みとリアリティが生まれるんだよ、
まぁそれはそれとして…」

ガッ と肩を掴む。

「さっきから妙にお腹気にしてるよね…俺の拳そんなに良かった?
それともそういうスタンドなのか? 腹パンをせずにはいられない能力?
なぁ、良かったんだろ? 痛いけどやめられないんだろ? コレが欲しいんだろ?」

肩を掴んだまま、拳を朱鷺宮の腹に当て、グリグリする。

696防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/06/09(木) 18:28:45
>>695
「はぁ…そうなんです……か?」
と、感心したあたりで急に

ガッ
と肩を掴まれる。

「い、きなりなんです……ぬ…ううう…」
お腹をグリグリされてるせいなんだろうか。
目を閉じてちょっと苦しげである。

あと彼女の鳩尾はだいぶ固く感じそうだ。

「あー、あの、あのあのあの…
 そ、そこをあんまり…狙われると私…
 いろいろと嫌な気分…が……」
体もプルプル震えているぞ!

697山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/06/13(月) 14:50:59
>>696
「ええんか? ええのんか? ホレここがエエんじゃろう、言うてみいホレホレ」

話をよく聞いていない、荒い息と濁った眼で朱鷺宮の腹部をまさぐり続けている…。
ふと、力が抜ける、拳から手のひらへ、抉るような動きから、撫でさすり、緩く圧迫するかのような動きへ変化する。

「安心せい…おっちゃんようわかっとるでな…痛かったなぁ、苦しかったなぁ、楽になってええんやで…」

もうキャラがよくわからなくなってきている。

698朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/06/13(月) 18:08:38
>>697
「う、ぐぐぐぐ…
 ふぉっ…ふひっ」
なかなかのテクニックである。
彼は随分と手馴れているような気がする!

「えー…?
 その、なんだか、
 力が抜けそう…で」
ヘナヘナとし始める。
が、

「ふぁっ!?……あ、危ない!?」
ふと意識を一気に戻し
自分のスタンドで
次郎のほっぺたに手加減した一撃(パD)を食らわせた!

699山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/06/15(水) 07:30:05
>>698
「ヘブッ!……甘い…甘いなぁ、とろけるほど甘い」

手加減した一撃では山手を止められない! 万事休すだ!

「知っているか? 人間の身体で、感覚があるところはほとんど、性感帯になり得る。
要するに脳の受け取り方ひとつだ、君は腹部に異常な執着がある…意識が強いほど、強烈な快感となるんだよ。
苦手意識だろうとな、一度ひっくり返れば…」

朱鷺宮は自分を見つめる視線を感じる…。山手のものではない。

700朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/06/15(水) 15:32:33
>>699
「うぐぐ…
 やっぱりもう一回殴ったほうが…」
手加減攻撃などでは効果がなかった!
先ほどの強烈なやつをもう一回やるべきなのかとか
焦った顔でずっと考えている。

「ふへ…?嫌…私はただその……
 ここによく……色々ぶつかって……
 ふひぁァッ!?」
撫でられたせいでより一層敏感になった

「別にそんなつもりは…!」
でも意識しているせいで敏感というのは間違いなさそうだ。
鳩尾に色々くらい続けていたせいで
そこへの意識はどうしても抜くことは不可能だ。

「…なんか、他の人…いません?」
と、山手に対して顔をピクピクさせながら答える。
どこからの視線なのか分からないが、見られている気がするのである

701山手次郎『パンツレス・ギャング』:2016/06/18(土) 02:52:59
>>700
「結構感じてるじゃあないか…いいぞ、やっぱり声をかけて良かった。
今感じているのが快感だ…深呼吸をしてみろ…自分の腹が今どうなっているのか考え…
あ? この辺は邪魔が入らんようにシアに見張らせて…………あれ? シア?」

ベギィ!

「ゲブッ!」

いつの間にそこに居たのか、割れた板切れを持った少女が、山手の背後に立っていた。
どうやら、この板で山手の頭をブン殴ったらしい。

「…………」

少女は山手の襟首を掴むと、ズルズルと引きずっていく。

702朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/06/18(土) 23:01:11
>>701
「ううう…じ、自分のお腹は…
 ちょっと今はかなり…ん?」
シアの顔がよく見える。
どうやら戻ってきたようだ…と思ったところで

ベギィ!

「…あらら…」
強烈な一発を食らって、次郎は倒れこんでしまった。
きょとんとした顔で、シアの方に顔を向けた。

「その…
 この場合はどっちがいいんでしょうか…
 ありがとうございます…か…
 いろいろすいません…か…」
はたから見ればイチャイチャしてるようにしか見えないかも…
と思って、その顔は何だかバツが悪そうだ。

703山手&シア:2016/06/22(水) 11:48:11
>>702
ボソ ボソ

小さい声で呟いている。

「…を…れ…め…」

「…の程を知…売め…」

「…身の程を…れ淫…め…」

ズル…ズル…

山手を引きずり、ホテルの方へと歩いていった…。

704朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/06/22(水) 21:51:50
>>703
「………え、えっと……」
なにか不穏な言葉を聞いたような気がしたが…

「あーその……お大事に……」
と、手を振りながらその背中を見送っていった…


「……はぁー……とりあえず…
 AVとかに出なくて済みそうで……良かった……」
何だか疲れた様子を見せながら
涙音は家に帰ることにした。

705青田『トライブ・コールド・クエスト』:2016/07/18(月) 23:23:16
夏の砂浜、意外と人のいるそこを遠巻きに見ている青年が居る。
何かを見張っているようにも見えるし、
女性を助平根性で見ているようにも見える。

706朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/07/19(火) 00:35:53
>>705
「はぁー……暑い熱い…」
近くでパラソルの下、
疲れた様子で座っている少女がいる。

「熱中症になったら大変だわ…
 うー…」
とりあえずどこかで買ってきたと思われるドリンクをごくごく飲み始めた。

「…ん?
 …誰かに見られてる用な気が……」

707青田『トライブ・コールド・クエスト』:2016/07/19(火) 22:19:36
>>706
はた、と朱鷺昴に目を止め、歩み寄っていく。
目的は単純、現時点での『敵』のちょっかいを受けているかどうかを知る為だ。
それとなく、直接的でなく振って反応を見ると共に情報を得よう。

「よう」

まず挨拶。

708朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/07/19(火) 23:38:08
>>707
「あ、こんにちはー…
 と、青田さん…でしたっけ?」
名前を聞いていた…ような気がする。
ひとまず彼女は手を振りながら言葉を返した。

「あなたも、ここで水浴びとか…しに来ましたか?
 それともあそこの」
と言って近くの海の家を指差した。

「焼きそばとかを食べに?
 あそこのは結構美味しいんですよー。
 イカが入ってて…」
…彼女の様子は一見すれば
何かの『操作』を受けているわけではなさそうだ。

709ようこそ、名無しの世界へ…:2016/07/19(火) 23:45:57
>>708
青田普、確か金言部でサバゲーをやった時にそう名乗っていた気がする。
その時と比して、目の下に隈があるなど、はっきりとやつれているが。

「ああ、青田だ。いや、ちょっとふと思い立って聞きたい事が」

まで言って、さてどのように判別するか。極力情報を与えずに引き出したい所ではある、それこそ奴を探っている事を知られないように。
故に、極力穏当に、かつ奴の能力の影響を受けているかどうかを知るには――

「…………うん、正直な所アレだ、部内の色恋沙汰ってどうなってるか知ってる?」

『恋』。奴が能力を使えばそうなる以上、それとなく影響の有無を引き出すには所謂コイバナは有効な手段である筈だ。

710青田『トライブ・コールド・クエスト』:2016/07/19(火) 23:46:32
>>709
名前欄ミス、私です

711朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/07/20(水) 00:00:43
>>709-710
「ん、聞きたいこと?
 …それよりあなた…随分とつらそうな…」
と、心配そうな顔をして応える

「…色恋沙汰?
 んー…金言部内では」
そう言って少し考える。

「別に変わりないと思いますけどねー。
 今日もいつもの通り、部員の人たちと顔を合わせましたけど…
 そういう話は全然…聞かないです…」
どうしたのだろう。といった顔で覗き込む。

712青田『トライブ・コールド・クエスト』:2016/07/20(水) 00:05:51
>>711
「誰それに恋してるー、とかそういう浮いた話はないのかな?」

穏やかな表情で知り合いと雑談を、というようにも見える。が、目が笑っていない。
何か、具体的な何らかの理由・事情があって聞いている……ようにも見えるし、夏の大学生だ、書き物の気晴らしに外出しているだけかもしれない。

713朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/07/20(水) 00:08:40
>>712
「…恋…ですか?
 うーむ…」
何かの冗談かと思ったのだが、
青田の尋常じゃない目を見て、少し必死になって考える。

「…金言を学ぶことは多いですけどねー。
 恋…ですか…
 私が知るかぎりでは、そういったことは…」
ひとまず必死で思い出してみるが、
一応金言部内での様子は問題がなかった…と思う。

(まさか…誰かを好きになったとか…?)
彼の様子を見て、涙音は
恋愛方面の悩みなのかと考えていた

714青田『トライブ・コールド・クエスト』:2016/07/20(水) 00:16:35
>>713
目元、というか表情全体が安心したように緩む。

「いや、ならいいんだ。変な事聞いてすまなかったな」

声色も先ほどより柔らかくなっている。これはもしや……?

715朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/07/20(水) 00:31:31
>>714
「はぁ、それなら良いんですけど…
 それより私はあなたのほうが…」
と、柔らかい声になった彼を見て微笑む

「…どうしました?
 その…体調は…」
心配そうな顔で彼の様子を見る。
もし長時間炎天下の浜辺に居たのなら…

716ようこそ、名無しの世界へ…:2016/07/20(水) 00:37:40
>>715
「対した事じゃないよ、ちょっと思う所があって寝不足なだけさ」

答えを濁すようにそう答える青田を見ても、意識や思考はクリアのようだし、別段体調が悪いという訳でもないようだ。

「誰かに恋したとかじゃないよ、念のため言うけど」

717朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/07/20(水) 00:43:29
>>716
「寝不足ですか…
 何だか心配ですね…
 …たまには休んだほうがいいかも…しれませんよ」
といって、近くにあったドリンクを差し出してみる。

「ん、そうなんですか?
 私はてっきり…金言部のどなたかに好意を持って…
 それで夜も眠れない…とばかり…」
軽く笑いながら頭をかく。
自分が思うより大変ではなさそう…
と、少し呑気に考えていた。

718青田『トライブ・コールド・クエスト』:2016/07/20(水) 00:57:15
>>717
「ああ、家ではちゃんと休んでるから大丈夫さ、書き物とかで長時間PCの前に陣取ったりする事が多いだけだからね。
色恋がどうのと振ってみたのも、この後の書き物や考え事からの逃避みたいなもんさ」

そういって肩をすくめる。
無論、金言部内の者が奴に囚われている可能性を考慮して出た発言だが、それを馬鹿正直に言う事もあるまい。

719朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/07/20(水) 01:03:44
>>718
「それを聞いて安心しましたよ。
 何だか、以前見た時より不健康そうに見えたので…」
と言いながら彼の顔を見守る。

「何だか忙しいみたいですねー。
 健康には気を使ったほうがいいですよ〜。
 三食ちゃんと食べてます…かね?
 ほら、バランスよく食事を…みたいな…」
忙しいのだろう。と涙音は考える。
一応問題があるわけではない…ようだが

720青田『トライブ・コールド・クエスト』:2016/07/20(水) 22:50:26
>>719
「そうかな、それじゃちょっと何か考えてみようかなぁ。一応三食取ってるんだがほらこう、レトルトみたいな楽な方に流れがちで」

……一応、弁当や未加工の食品は購入して調理や食事は出来る。体液が入れば世に出る事は出来ないからだ。
逆に、そうでなければ、安全と確信する事は出来ない。安全でなければ食べられない。
食事の内容がレトルトや火を通しただけ、炊いただけになりがちなのはまぁ実際自炊が面倒なのもある。

721朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/07/20(水) 22:57:07
>>720
「ふーむ、レトルトの中にも健康志向のやつはありますけどねー…
 とりあえず、コンビニのサラダや…
 そうですねー、豆サラダとか、野菜を加えてみるのはどうでしょう?」
彼女は何気なくアドバイスをしてみる。
食事メニューのバランスを考える時まず思いつくのがそこだ。

「自炊するのが一番ではありますが…
 まぁまずは、野菜を食べ始めるのが良いかと思いますよ。」

722ようこそ、名無しの世界へ…:2016/07/20(水) 23:26:33
>>721
「ん、ああ、炭水化物に流れがちだしな、野菜も摂るようにしてみるよ」
(緑黄色野菜かなんか買って帰るか)

しかし、やつれて映る、というのは宜しくない。敵がいつどこに居るか解らない以上、チャンスだ、と思われないだけの健康さは不可欠だろう。
あまり安眠できない以上、見た目を良さそうにする必要があるし、襲われた時に対処するように健康維持は怠ってはいけない事でもある。
一瞬のふらつきが死を呼ぶ事もある。

723青田『トライブ・コールド・クエスト』:2016/07/20(水) 23:27:00
>>722
名前欄ミス、すまない

724朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/07/20(水) 23:32:53
>>722-723
「まぁー…それが良いですよ。
 …それより何より…」
そう言って彼の目の周りを見る。

「睡眠時間が足りてないのはやはり一番大変かもしれないですね。
 たまにはゆっくりと眠る時間を取るのも…どうでしょう?」
彼女の目はどこか心配そうだ。
彼女は毎日よく眠れているかは分からないが
少なくとも健康そうな顔には見える。

725青田『トライブ・コールド・クエスト』:2016/07/20(水) 23:53:30
>>724
「どうにも目が冴えてしまってねぇ、家でも碌に安眠できやしない。ホットミルクとかで神経を落ち着かせると良いっていうし、試してみようかな」

これは嘘だ。奴――ルンクスが死ぬまでは、家とその周辺への監視は最大限維持しなければならない。
敵が何時こちらを見つけ、襲い来るとも知れない以上、睡眠は無〜極小、再発現及び設置を効率化、そうした事を突き詰める必要がある。
アンテナの一切を消失させる睡眠はとれるタイミング、取っていい時間が狭く、短すぎる。

726朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/07/21(木) 00:10:23
>>725
「不眠症でしょうかね…
 結構つらそうです…
 まぁ、ホットミルクを飲むのはいい案です。
 …昼寝をするのも良いかもしれないですね。」
あんまり寝過ぎるとかえって辛いけれど、と付け加える。

「しかし…心配事でもあるんですか?
 目が冴えるって言うと…そういうことのようなきがするのですが…」

727青田『トライブ・コールド・クエスト』:2016/07/21(木) 21:40:52
>>726
「いや……、PCや携帯スマホの画面を寝る前に見てると中々なぁ、書き物の為に必要なんだが……」

そういう場合、目の神経が昂ってしまって中々寝付けない例が多い。
心配事、というのはまさにそうではあるのだが、一々言ってどうなる物でもないだろう。

彼らが成功し、ルンクスが斃れていたとしても、ルンクスの花嫁化が完了した花嫁への影響が残るか消えるか不明瞭、
かつ異常に『ナンパが上手い』奴であったのなら、――能力の影響がなくとも復讐を考える奴は出るだろう。
無論、ルンクスが死んだとあれば一気に楽に生活できるのは確かなのだが。少なくともまともに眠るくらいは出来るようになるだろう。

しかし、ルンクスが死んだ、と白人男性のウィルに聞くまではルンクスが死んだものと見做す事も出来ない。日本に居ないものと見做す事も出来ない。
俺に刺客を送る確率が全くないとは見做す事が出来ない。

728朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/07/21(木) 21:55:52
>>727
「あー…確かに、
 PCの画面を見てると目が冴えてきますよね。
 同時に疲れ目も…」
理解したように応える。
目が冴えてしまう理由、本当のことは知らなくとも

「…其の場合は、蒸しタオルを当てて
 少し横になるのが良いでしょうね。
 多少は楽になると思います。
 あ、蒸しタオルの作り方ですけど…」
どこか心配になったのだろうか、
彼女は目を労る方法を幾つか考えてみる。
蒸しタオル、目薬、あるいはブルーベリー
色々と案を出してひとまず一息ついた

729青田『トライブ・コールド・クエスト』:2016/07/21(木) 22:13:32
>>728
「蒸しタオルか、今度ホットミルクと一緒に試してみるよ」

そう言って、さて。向こうが一息ついた所で、

「と、話し込んで悪かったな。そろそろ行くよ」

と、言って去ろうとする。

730朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2016/07/21(木) 22:25:09
>>729
「それが良いですよ。
 まぁ、たまにパソコンをとめて
 横になる…という手もありますがね」
そう言ってうなずいた。
目が冴える原因がそれならば、たしかに有効だろう。
「それ」ならば

「いえいえ、私もちょっと気になって話しかけてしまいましたし…
 話し相手くらいなら喜んで出来ますよ。
 あ、それと…」
そう言って顔を上げる。

「無茶はダメですよー」
去っていこうとする背中に元気そうな声で返した。


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