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【場】砂浜
1
:
ZAKI
:2015/01/01(木) 00:41:57
倉庫街の西、H湖の入口にほど近い砂浜地帯。
以前殺人事件が起きた『いわくつきの場所』だが、今は落ち着きを取り戻している。
シーズン中には海の家が栄え、沖では沈没船が静かに時を過ごす。
治安は悪くもなく、ランニングにやってくる一般人も多く見られるが、
『歩くスイカ』や『突然変異クラゲ』、『人を操る影』など不思議な情報も多く、
『黄金町のミステリースポット』と化しているきらいもある。
―┘ ┌┘
―┐ H湖 ┌┘ ┌┐ 住 宅 街
│ ┌┘ .┌ ..│... ‖
┐ │ ┌ ┌┘ ‖←メインストリート
│ │ ┌ │ ‖
┐ │ ┌ ┌.. 黄金原駅
│ └─┘┌― ┏ ━■■━ ━ ━
━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛ ‖←ネオンストリート
│ └―┐黄金港.. 繁 華 街
└┐ ┌――┘ 倉庫街
─────┘ └◎―――――――――――
10
:
門倉『ソウル・ダンジョン』
:2015/01/01(木) 03:04:16
>>9
「『刺青』、ああ、君もあそこで『彫って』もらったんだね。
それで、『目覚めた』、と。まるで俺と一緒だ」
『門倉』はうんうんと頷く。ちなみに『門倉』は20歳前後の男。
栗色のソフトモヒカンでスカーフ、ワインレッドのジャケットを羽織っている。
「じゃあ俺たちには深い『共通点』があるというわけだ。
それはとても『ハッピー』な事だね。
俺の名前は『門倉 良次(かどくら りょうじ)』、よろしく」
『門倉』は友好的に右手を差し出す。握手を求めているようだ。
「ところで、君は『人魚』って呼ばれたいの?
そんなような事を言ってたけど……」
11
:
貞菜 綾女『ルーン・レイク』
:2015/01/01(木) 21:50:44
>>10
「ご丁寧にどーもん。私は貞菜 綾女(さだな あやめ)
気軽にあーやんとかさーたんとか呼んでもいいよん? ふふふ」
と、冗談っぽい笑みを浮かばせながら握手に応じる。ブンブンと擬音
をつけそうな勢いで門倉の手を上下に動かしての激しいハンドシェイクだ。
>「ところで、君は『人魚』って呼ばれたいの?
そんなような事を言ってたけど……」
「え、そー言う事を初対面で聞いちゃう〜? 聞いちゃうタイプ??
結構積極的ね、門倉君ってば」
そう、微妙にオーバーリアクションを披露しつつも・・・。
「――『憧れ』 だからかな」
そう、少し表情を改めて厳かな雰囲気を覗かせて呟く。
「…長々話すと面倒だから簡潔に言えば人魚って、綺麗じゃん?
私はまぁ…あんま清潔な人生ってのに縁がないのよね。
だから『人魚』になりたいってわけ。
刺青の兄さんが言うには、お金さえあれば成れるって言うらしいからねー」
だから、絶賛金儲けの思案中なのだ。と付け加えてニヒッと
ピンクのパンクな女は告げた。
12
:
門倉『ソウル・ダンジョン』
:2015/01/01(木) 22:08:50
>>11
素直に握手に応じる『貞菜』に笑顔を向ける『門倉』。
どうやらこの『貞菜』という女性、かなりフレンドリーな性格なようだ。
「『憧れ』。―――いいね、そういうの」
正直、『人魚』がそこまで綺麗かは分からないが、『理想』があるのは素晴らしい事だ。
そしてその『変身願望』。彼女のパンキッシュな格好はその理想の代替なのだろう。
格好に似合わずロマンチスト。『部屋』は意外とメルヘン系かもしれない。
「『魚になれる』っていうのが君の能力なのかな?
その能力を突き詰めていけばいずれ『人魚』になれる、というわけか」
あの『刺青屋』では確か『発掘』などという
『才能』の限界を伸ばすようなサービスもやっているときいた。
その為の資金が必要という事なのだろう。
「『お金』ね。少しぐらい工面してあげたいけど、
きっとそういうイージーな『お金』じゃあ駄目なんだろうな。
まあ、とりあえずココで会ったのも何かの縁。
そろそろ『日の出』だから、一緒に見ていこうよ」
13
:
貞菜 綾女『ルーン・レイク』
:2015/01/01(木) 22:32:46
>>12
「あぁ、絶対に人魚になって見せる」
「『お金』は、そんないい〜よ、初対面の男に貢がれても
私ってばちょっとしか相手出来ないよ〜ん? なーんて」
笑いつつ、門倉の隣に立ちつつ海辺を見る。
「そうだね、そろそろ『日の出』だ
黄金町の『今年』が、始まるね★」
幾多もの人間 スタンド それに付属する色々因果
全部のその流れを泳ぎ切る事が出来た時。私はなれると思う
「良い一年になると良いね ニヒヒ☆」
14
:
門倉『ソウル・ダンジョン』
:2015/01/01(木) 22:43:43
>>13
「そうだね、良い一年に」
そして、『門倉』は『貞菜』と共に、
黄金町の輝かしい『日の出』を観覧する。
パァ ァ ァ ァ ァ ア ―z______
,,, ゙゙;;;;; ,;;;;;゙゙ ,,.;;;;゙゙
;;;;;; ゙゙゙、-'''"´ ̄ ̄`"''''-、゙゙゙ ,,.;;;;;;゙゙゙ ,;;;゙゙
゙゙゙゙;;;;;,, / \ ,,;;;;;゙゙゙゙ ,;;;;;゙゙
;;;;;,, ゙゙゙/ ○ ○ ヾ゙゙ ,,;;;;;;゙゙゙
゙゙゙;;;;;;;;,,i \__/ i,,,,,;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙
゙゙゙| \/ |゙゙゙゙゙
从从 ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄丶 ̄~\ ̄从从从从从从从
/ // / | i, 丶 \ \
/ / /__| i, 丶 \
/ _/ ∧_∧ 丶 \
まばゆい陽光の元、『貞菜』は決意を固め、『門倉』の一年も今、始動する。
………
………
………
………
ところで……この場所についてずっと気になっていた事がある。
他の場所と違い、この場所はどうも、『カッコがついていない』ような気がするのだ。
これ以上はもっと上の次元の話で、『門倉』には認識出来ない話ではあるが……。
これが元で今日の活動が『初夢』にならない事を祈りながら、『門倉』はその場を後にした。
15
:
錏葉九郎『ザ・シグマ』
:2015/01/08(木) 23:22:17
プゥ〜
煙がたなびく。
プハー
焚き火の横でタバコを吹かす筋肉が、砂浜で静かに海を眺めている。夜に。
16
:
錏葉九郎『ザ・シグマ』
:2015/01/12(月) 23:39:54
誰もいなくなった。
17
:
薬師丸 幸『レディ・リン』
:2015/01/13(火) 01:09:11
海に何か思い入れがあるでもない。
夏は、稼がせてもらった。
依頼、売り子、肝試し。
(うん、悪くなかった。今年もまたやろう。)
砂浜を歩く。
特に目的はない。
(……冬の海は寒いなあ。)
単なる散歩だ。その白い髪と赤い目は、否応なしに目立つが。
18
:
薬師丸 幸『レディ・リン』
:2015/01/14(水) 00:17:49
>>17
しばらく歩いて、帰った。
19
:
鶴山マズル『マイクロブラインド・ハーヴェストメン』
:2015/01/25(日) 00:29:57
特にすべきことは見当たらない。
何となく冬の海を見に来ることだってあるだろう。
「………」
無愛想な長身の男がパイプを片手に海を眺めている。
ロングのトレンチコートにシルクハットの黒ずくめ。
一昔前の漫画に出てくる悪役みたいだ。
20
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/01/25(日) 02:08:45
>>19
「……」
「……寒ぅ……」
仕事帰りのご当地アイドルである。
海に来たいこともある。
理由はいろいろあるが……
「……ん……」
(なんだあれ……厨二っぽ……シルクハットておま……)
興味のある物を見つけた。
少し遠巻きに目線を向ける。
21
:
鶴山マズル『マイクロブラインド・ハーヴェストメン』
:2015/01/25(日) 02:27:33
>>20
冬にしては珍しいほど海は静かだ。
それでもやはり風は冷たく、辺りに人気(ひとけ)は無い。
「…………」 チラ
男は恋姫を一瞥するが、特に興味は示さない。
会釈もせずにパイプをふかし続ける。
22
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/01/25(日) 08:51:27
>>21
恋姫は青い眼鏡を掛けており、その下の瞳は桜色。
そして肌は、病的に白い。
「……」
(黒づくめの男……えひ。……つーかほんと黒! だな……まじ厨二っぽい……)
(……ブーメランだ。えひ。)
それ以外のところ……つまり長い髪とか、コートとかは全部黒だ。
つまり、人の事は言えない。
「…………」
(……スルーかよ……えひ。)
会釈の無いのには……べつに怒りとかはない。
(……どうするかな……まじでちょうやばい奴かもだしな……)
だが、迂闊に近づける空気でも、なさそうだ。
やや遠巻きに観察しつつ、出方を伺う……
23
:
鶴山マズル『マイクロブラインド・ハーヴェストメン』
:2015/01/25(日) 17:59:18
>>22
言葉はない。
目つきは決して良くないが、睨んでいるフウでもない。
ただ目の端に捉えているだけ、という感じだ。
「フン………」
男がつまらなそうに息を漏らすと、
パイプから立ちのぼる紫煙が恋姫の顔へと降りかかってきた。
24
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/01/25(日) 19:08:20
>>23
「…………」
「!?……げほっ……うわ、うわっ……!」
イラッ…
「…………」
ザッザ
顔の前で手を動かしつつ、少し離れる。
「『わざと』……か? おまえ……信じらんねえ……」
イライライライライライライライライライラ
「……こんなんだから嫌煙厨が増えるんだろうな……イライラする……」
怒気を込めた顔と、声だ。
25
:
鶴山マズル『マイクロブラインド・ハーヴェストメン』
:2015/01/26(月) 12:59:19
>>24
「……」 「…………」
「失礼………」
別に『わざと』ではないんだけど、
弁解するために口を開くのは面倒だな、という感じ。
妙な間を挟み、ぶっきらぼうに一言詫びた後、
流れる煙の動線を外すように後退する……
ススス
それは奇妙な事に『スライド式』だった。
直立不動のまま、足を一切動かさない、
あたかも空港の『オートウォーク』のような移動。(スC)
それにつられるように、煙がチャンバーから逃げ出す光景。
26
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/01/26(月) 23:33:12
>>25
「……えひ。」
「分かりゃいいんだ分かりゃ……」
「……」
ススス
「……は?」
(あ、明らかにおかしいだろ物理的に考えて……!)
思わず二度見……いや、三度見してしまう恋姫。
顔と足元で視線が行き来する。
「……」
「何だそれ……?」
思わず疑問がそのまま口から出る。
(何のつもりだよ……ふざけた絵面しやがって……ネタかまじか……)
27
:
鶴山マズル『マイクロブラインド・ハーヴェストメン』
:2015/01/26(月) 23:47:48
>>26
「…………」
「……何だろうな」 プカー
恋姫の疑問に応えたようでいて、かといって独り言のように。
虚ろげな三白眼は声の主を捉えるのやめ、飽きずに煙を眺め続けている。
と、先程の妙な『スライド』でクルリと恋姫の方に向き直り――
「………『ここ』…禁煙だったのか?」
「…灰皿は置いてあるんだがな……」
スススス
物理的におかしなモーションのまま近づいていく。
恐らくは恋姫の後方にある『灰皿』を目指しているのだろう。
28
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/01/27(火) 00:06:44
>>27
「……足にホバーでも仕込んでんのかな……? それか東洋の神秘とかそういう……?」
「……」
イラッ…
少しだけ振り向き、灰皿を確認。
すぐに振り向く。
「……別にぃ……吸うのはおまえの勝手だしぃ……」
「…………僕がイライラしてるのは……『僕の顔に煙がかかった』からだ……」
(……まあ近づいたの僕だし、あんま言うとDQNっぽいな……)
「……でも……」
「……賠償しろとか土下座しろとか言ってるんじゃなくて、僕がイライラしてるだけだから……」
……『足元』に視線を向ける。
ある『可能性』が、恋姫の中に浮かびつつある。
29
:
鶴山マズル『マイクロブラインド・ハーヴェストメン』
:2015/01/27(火) 00:20:19
>>28
「フム……失礼したな」
ど っ ち も
「頼まれたトコロで『賠償も土下座も』しないが……」
新手のホバーかも知れないと踏んだが、
ホバーが砂浜でスムーズに動くのはどことなく違和感がないでもない。
「イライラしてる時は……人に近づかないコトだな」
「…特に……僕みたいな無愛想なヤツには…な」
パイプの中身を灰皿に捨てながらボソボソと喋る。
30
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/01/27(火) 00:36:15
>>29
「……」
「……おう……」
(……今回は僕から吹っかけたようなもんだしな……)
これは相手の言い分が正しい、と思う恋姫であった。
謝罪もされたのだし。
「……でさ……」
再び足元に視線。
「…………仕組みは……? どっかのエージェントで、秘密の技術があるとか……?」
顔に視線を戻す。
31
:
鶴山マズル『マイクロブラインド・ハーヴェストメン』
:2015/01/27(火) 00:48:51
>>30
「……仕組み………『コレ』か…?」
ススス
スライドしながら、困ったような顔(といっても殆ど変わらない)を見せる。
名も知らぬ手合いに『スタンド使い』であることを易々と告白するものではない。
別にこれといった害もないし、人と比べて警戒心が強いというわけでもないが――
「仕組み……仕組みか………」
「…………」
「気合……だな…」 ドーン
少しからかうことにしたのであった。
そ知らぬ顔でウソを吐きながら、自販機の前に移動する。
32
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/01/27(火) 00:58:15
>>31
ススス
「……」
「は?」
流石に信じていない顔だ。
(……スタンド能力かと、思ったけど……『ビジョン』が見当たらないしな……無いスタンドか……)
(それか……)
(……まじで気合い……? いやいやありえん……常識的に……)
(……スタンドって常識的か?)
「……」
「…………気合いって……どんな気合いなんだよ。どっかの仙人様に習ったとか……?」
不信半分、疑い半分といったところだろうか。そんな声色だ。
「紹介して欲しいもんだわな……えひひ。」
33
:
鶴山マズル『マイクロブラインド・ハーヴェストメン』
:2015/01/27(火) 01:14:53
>>32
ガチャコン
「まァ……『こういうコト』なんだがな」
自販機から缶コーヒーを取り出しながら、
左腕を捲くって日に灼けていない生白い肌に彫られた『刺青』を見せる。
湿地の石をひっくり返した時のように『無数の昆虫』が這っている、そういう図柄だ。
その刺青に重なるように、半透明のナナフシめいた『スタンドの腕』が重なり合っているのが見えるだろう。
「君が既に聞いた事があるかどうかは
知らないし…全然興味もないが……」
「弁天橋の下に…仙人みたいな刺青師がいて……
その人の『作品』だよ………それだけだ……」
34
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/01/27(火) 02:13:44
>>33
「うわっ……」
虫は……特別苦手ではないが、好きではない。
(……きも……厨ニ病……グロ好きみたいな……? もしくは虫キングとかか……?)
正直不気味だ。恋姫は眉を顰める。
そして腕……
「……気合い……まあそれも気合いみたいなもんか……えひ。」
「精神の力……だから。」
スタンドの、腕。
「……」
「……そういうのもあんのか。えひ……痛そう……」
流れを読むなら――『刺青でスタンドを発現』した、だろうか。
そして、この『移動』はそのスタンドのたまものということ。
タネは分からないし、教えてくれるはずもなかろう――と恋姫は思う。
「……まあ……詮索は、あんましない……うん。けど……」
『オォォォォ……』
恋姫の背後に現れる――『ペスト医師』の如き黒衣のビジョン。
「……まあ、おあいこってことでひとつ……」
「僕の仙人様は……洒落た感じだった。えひひ……えひ。」
……笑み。
ビジョンは、すぐに消えた。
35
:
鶴山マズル『マイクロブラインド・ハーヴェストメン』
:2015/01/27(火) 22:12:02
>>34
「フン……『やはり』というカンジだが…」
「…そのスタンドを…精神の象徴と呼ぶには…
なかなかオゾマシイ……見た目だな…」
ズ ズ ズ ・ ・ ..‥
男の、顎の下辺りから引き剥がされるように発現するその全貌。
上半身は衰えた老人のような痩身、下半身は蜘蛛のような八本足。
異形めいたヴィジョンのせいか、本体である男の身体と癒着しているかのようにも見える。
「…まァ……人のコトは言えないが…」
『ブルー・サンシャイン』の、毒気のあるヴィジョンに含み笑いながら付け足した。
36
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/01/27(火) 22:33:55
>>35
「えひ……変な奴は大体……『そうだ』ってな……」
「僕の経験上だけどな……」
そして、発現される『半人半虫』めいたスタンド――
ズ ズ ズ ・ ・ ..‥
「うわっ……」
「……虫仙人か……」
(……終盤ダンジョンのクソうざい敵って感じ……)
愉快な見た目ではない。少なくとも恋姫のセンスでは。
「……」
「……ホバーか、気功術のがロマンあったなぁ……えひ。」
恋姫はビジョンから視線を外す。
興味の対象から外れたのだ。
37
:
鶴山マズル『マイクロブラインド・ハーヴェストメン』
:2015/01/27(火) 23:47:03
>>36
「虫仙人……悪くない響きだな…」
ヴィジョンは解除。小さく頷きつつ缶コーヒーをすする。
呼称は思いがけず気に入ったようだ。
「………『飼い主に似る』というヤツか」
「『ロマン』は人それぞれだからな……
僕からして見れば…ひねくれてるのはお互い様という気もするが……」
先程見たヴィジョンと、少女の雰囲気を重ね合わせる。
カラスが嫌いとかではないし、どちらかといえば動物の中では好きな方だが、
そういう『スタンド』使いというのは大概ひねくれているものだったりする。
38
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/01/28(水) 00:01:58
>>37
(……虫好き……しかも刺青にするレベルの……なら、スタンドも虫になるし虫仙人も褒め言葉……)
自分のスタンドを思い浮かべる。
(……カラスマン? 嫌だな……)
「……」
「…………まあ、お互い……普通じゃあないんだろうな。えひ。」
スタンド使いは『おかしい』。
「普通じゃないからこんなもん持ってるんだろうし……」
それが正であれ負であれ、おかしい奴しかいない。
……恋姫は、そう考えている。
「……」
「……そういえば、さっき何してたんだ……? 物思い……?」
39
:
鶴山マズル『マイクロブラインド・ハーヴェストメン』
:2015/01/28(水) 00:18:15
>>38
「お互い……似てないコトもない…か」
異形という意味で少なからず親近感を覚えないでもない。
「さっき……?」
「…別に…何もしてないが……
そうだな……物思いかもしれない……」
実際何もしていない。
砂浜でタバコ吸ってただけである。
「たまには遠くに行ってみたいというかな……
……こう見えて…海洋ロマンとか冒険譚みたいな物語は好きでね……」
「君……旅とかは好きか…?
……いや…そんなコトはないか……」
少女はどう見てもインドア派だった。
なお、盛大なブーメランでもある。
40
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/01/28(水) 00:28:41
>>39
「……かもな、『かも』……」
さほど親近感はない。
だが、『同族』――という意識はほんの少し生まれる。
(こいつは……マイナス側……僕も同じ……あのクソ警官とか、オタサーの姫とか……クソ店員とかもこっち……)
(……レオとかは違う……あいつらは、プラス側……)
嬉しいとかそういうのはない。
カラスも蜘蛛も、暗闇の生き物。それだけだ。
「……遠くか……」
「まあお察しの通り、あんま考えた事ないな……うちでゲームしてんのが楽しいし……」
(……全国ツアーとか……無い無い……身の丈に合わない。)
見た目通りの回答だ。
「……そのナリで? えひ。」
そして、そちらの……見た目通りでない嗜好に、やや笑う。
「……えひ……南米で、虫とりに行くとか……?」
41
:
鶴山マズル『マイクロブラインド・ハーヴェストメン』
:2015/01/28(水) 00:48:38
>>40
そ れ
「鋭いな……手っ取り早いのは『昆虫採集』だよ……
だが……『虫取り』は仕事でもあるからな……」
「ちなみに害虫専門だ……
シロアリからスズメバチまで……」
おもむろに名刺を取り出す。
書いてあるのは『害虫研究家』というひどく曖昧な肩書き。
「冬場は儲からないから……
……駆除の依頼でもあったら電話してくれ…」
缶コーヒーを飲み終え、くずかごに放り投げる。
「ごく単純に…普段は篭りっきりだから……
……遠出したいってだけの話だよ…」
「……初対面の人間に言うようなコトじゃあないが…」
自嘲気味に笑う。
42
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/01/28(水) 01:09:03
>>41
「まじかよ……虫のプロか……えひ、いいな……趣味が仕事って憧れるよ……」
名刺を受け取る。
「まあ……贔屓にするわ……」
「シロアリとかは、ないと思うけどな……多分な……」
そして、しまい込んだ。
恋姫は名刺など持ち歩いていない。
「……僕、恋姫……稗田 恋姫(ひえだ れんひめ)……」
「まあ、名前くらいは名刺のお返しったことでひとつ……」
小さく頷く。
「……で、僕もまあ、国内なら……トカイの方のデカいゲーセンとかいきたいな……」
「……普段篭ってるから……」
あくまでインドア派の笑みだ。
自嘲の意図は、鶴山よりは薄い。
「……でもって……」
「…………そろそろ、帰ろうと思うんだけど……」
別に報告することでもないのだが、なんとなく……だ。
43
:
鶴山マズル『マイクロブラインド・ハーヴェストメン』
:2015/01/28(水) 01:38:51
>>42
「害虫対策は早めにしておくものだ……
名前は……電話が来たときのために覚えておく…」
終始ローテンションで無表情で無愛想ではあるが、
割と本当に儲かっていないらしく、荒ぶる営業のポーズ。
「まァ……ゲームとかは詳しくないが……
…普段行かないトコロに足を伸ばしてみるだけでも……な」
「おっと……僕もそろそろ失礼する……」
引き止める理由もないし、自分も帰ろうと思っていたところだ。
喫煙具を懐にしまい入れる。
「じゃあ…また…」
スススス
「それと……冬はキャンペーン価格だ……」
ススス――――ッ
営業もしつこかった。
ともあれスライド移動しながら帰宅するのである。帰る足は早い。(スB)
44
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/01/28(水) 02:20:24
>>43
「えひ……まあ、考えとく……」
(ちょっ……なんだそのポーズ……笑える……やめろや真顔で……)
「えひひ……」
「……まあ、あんまり時間とかもないし……な。いろいろな……」
何かしら思うところはあるのか、数度ほど頷く。
そして。
スススス
「……お、おう……」
ススス――――ッ
「…………ま、またな……えひ。」
「……」
(……なんだあの速さ……)
やや呆然とするところもあるが、とりあえず帰った。
45
:
日向ナツ『ニンジャマン』
:2015/01/30(金) 00:02:11
「………」
防波堤の突端に立ち、
小型の双眼鏡で沖を見つめている幼女。
吹きすさぶ海風にも微動だにしない『爆発ツインテ』。
46
:
ようこそ、名無しの世界へ…
:2015/01/30(金) 00:06:37
>>45
… !☆
ソロ〜リ ソロ〜リ
パッ!
突如 日向 ナツの小型の双眼鏡を遮る影が出現する!
ナツの視界は真っ暗に なった!
「二ヒヒ☆ さてさ〜て★ 私が誰かわかるかニャー☆?」
そんな声が頭上が降ってくる。どう考えても隠す気がない
47
:
日向ナツ『ニンジャマン』
:2015/01/30(金) 00:14:47
>>46
「……」
ギュインッ
双眼鏡の位置はそのままに、
ツインテの先で背後の相手を撫ぜるように、首を大きくそらせて声の主を見上げる。
「『しのび』の、うしろにたつのは、きけんだよ〜」
「『せんせー』」
48
:
貞菜 綾女『ルーン・レイク』
:2015/01/30(金) 00:23:12
>>47
覆いかぶさるようにして日向の視界を覆っていた綾女。
「くすぐったいw くすぐぐったいww めんごめんごw」
そう、首部分をナツの柔らかい毛筋で撫でられ破顔して真剣でない毛色で
軽い謝罪を告げる。
「うむ、くノ一ナツよ。わが気配を悟るとは天晴でおじゃる!」
日向が本物の忍者たる事を受け止めてないのか、はたまた理解した上で
軽い態度を崩さず対等に付き合おうとする姿勢を突き抜けてるのか定かでないものの。
ふざけた態度を崩さずナツの頭に手を当てて撫でる。
(ナッちゃんの髪は柔らかくて梳きがいがあるわー」
そう、心中の声ただ漏れでナツに笑みを向けて尋ねる。
「そんでー。ナっちゃんはこんな一人砂浜でロンリー気分で何を見てたのー?」
まぁ、半分ぐらいは予想出来てるけどねん☆ と考えつつ。ナツの行動を
教師として母性を交えて見守りたいと思い聞くのだ。
49
:
日向ナツ『ニンジャマン』
:2015/01/30(金) 00:34:34
>>48
「にひぃ」
頭をなでられ、こちらもくすぐったそうに首をすくめる。
『ノッてくれる大人』は、子供にとって大切にしたい、しなければいけない人だ。
この『先生』には、信頼がある―――とくに『ノッてくれる』ことに関しては。
「『あれ』っ!」
沖を指差しながら、双眼鏡を綾女の顔の高さに差し出す。
50
:
貞菜 綾女『ルーン・レイク』
:2015/01/30(金) 00:40:06
>>49
沖を指差しながら、双眼鏡が差し出される。
無論! 覗き込むさー☆ 『生徒』の献身に 『先生』が応えなくてどうすんのよ?
「よーし、どれどれ〜? …ぅうんっΣ!☆?」
…可笑しいな? 何だか沖に見えるのって海賊船だが幽霊船だか。
…んぅ?
「あれって…本物のバイキング…?」
・・・す げぇ〜〜〜〜Σ!!!? 幽霊船って実在したんだ!!??
「うわっ!!? ナっちゃんマジぃ!? あれ船じゃん! めっちゃ船じゃない!?」
もし私の見間違いでなければ『幽霊船』が見える。どう考えても幽霊船だ。
・・・そうと く れ ば ぁ☆
「―行くかいっ!☆?」
バサァ!!
『投網』を颯爽と発現して、親指を立ててナツに告げる。
カジキマグロか、まぁサメにでも自分が変身すればあそこまですとっ飛びだぜぃ!!
51
:
日向ナツ『ニンジャマン』
:2015/01/30(金) 00:54:05
>>50
言葉数が少ないのは、心臓が高鳴っているから。
『船』――しかも『海賊船を思わせる中世風の。
何故かははっきりしない…でも、どうしようもなく『ワクワク』が押し寄せて止まらない。
「……うんっ!」
ビシッ
大きく頷き、綾女に応えるようにサムズアップ。
言葉にする前に、自分の『ワクワク』をしっかり受け止めてくれた『先生』に、精一杯の感謝をこめて。
「いやっほぉぉぉう!!!」
綾女が準備を整えたら、『網』につかまり、一緒に『幽霊船』へと向かいたい。
52
:
貞菜 綾女『ルーン・レイク』
:2015/01/30(金) 01:07:51
>>51
―しっかり掴まってるんだよ―――!!
サーファーのように。網を引っ張る大型の魚、そして凄く楽しそうな
笑顔と共に海平原を走る少女。
あの『幽霊船』には何が待ち受けてるのだろう?
胸を弾ませるような大冒険か? それともおどろおどろしい恐怖の空間なのか?
いや、それ等を全て含めた『何か』かもしれない・・・それでも
( ―心配ないさ☆!
私と私の生徒『ナっちゃん』が一緒ならね!)
魚と少女は海を駆ける。
―To be continued…
⇒砂浜より フェニックスへ↓
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1422111762/
53
:
東雲 忍『ザイオン・トレイン』
:2015/02/16(月) 22:29:59
夕暮れの浜辺。くせ毛をバンダナで縛った少年が、海を見ている。
「・・・・・」
やがて小さく息を吐くと、おもむろに学生服を脱ぎ始めた。ちなみに季節は当然冬である。
54
:
馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』
:2015/02/16(月) 23:31:48
>>53
「ん、う?」「寒中、水泳?」
おもむろに学生服を脱ぎだす現場を偶然目撃し、ふらふらと近寄って来た。
が、声をかけるでもなくその行動をぼーっと見ている。
55
:
東雲 忍『ザイオン・トレイン』
:2015/02/16(月) 23:38:42
>>54
「・・・・・」
『コクリ』
寄ってきた少年の方を見て、頷く。どうやら呟きが聞こえたようだ。
学ランもワイシャツもカバンの上に放り、前もって用意していたらしく水着一丁になると、ゆっくりと準備運動をする。
まずはこの状態で寒さに慣れるつもりのようだ。
ふと、気付いたかのように馬肥の方を向いた。
「・・・やるか?」
56
:
馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』
:2015/02/16(月) 23:47:08
>>55
「えっ」「……」
咄嗟にフルフルと首を振り、否定の意を示す。
「海水は、その、沁みちゃう、から。
よく、寒中、水泳、なんて、出来る、ね?」
不思議がるような、憧れのような、微妙な視線を向ける。
57
:
東雲 忍『ザイオン・トレイン』
:2015/02/16(月) 23:56:59
>>56
「そうか」
「・・・・・沁みる?傷でもあるのか?」
馬肥に訊ねつつも、ジャブジャブと海水へと足先を浸していく。
あっという間に少年の腰から下が、海面の下に沈んだ。
深く、絞り出すように息を吐く。当然ながら、寒いようだ。
「確かに寒い・・だが心身ともに鍛えられる」「それに・・・いざ海に落ちた時に寒さで動けなくなっては・・・・・死ぬ他ないからな」
潮水を手にすくい、体にかける。そして、とうとう、首から下を海水に晒した。
「・・・ふうぅ〜〜〜」
58
:
馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』
:2015/02/17(火) 00:11:42
>>57
「傷、というか、そういう、体質、なんです」
海に入っていく姿を見て、入ってもいないのに体を震わせている。
そして恐る恐るといった様子で海に近づき、波打ち際で海水に触れ、冷たさに手を引っ込める。
「冷たっ!」「あ、えと、海に落ちたら、って、船にでも、乗る、予定が?」
59
:
東雲 忍『ザイオン・トレイン』
:2015/02/17(火) 00:26:59
>>58
「・・・・・体質?」
「では・・・泳げないのか。事情は分からんが・・・生まれつきならば可哀想だな」
予想外の発言に目を向け、そして海水を冷たいと言う馬肥に頷く。
「恐らく10℃前後といったところだ」
「ああ・・・時々、父親の手伝いでな。『漁師』なんだ」
そうして平泳ぎで、ゆるやかに回遊を始める。
やはり静止しているよりは寒さが薄らぐのか、少しだけ楽しそうだ。
60
:
馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』
:2015/02/17(火) 00:44:55
>>59
「いえ、皮膚が、弱くて、塩水が、沁みる、だけで、泳ぐこと、自体は、嫌いでは、無いです」
「成長、したら、多分、大丈夫に、なると、思いますし」
波打ち際からは少し離れて泳ぎを眺めている。
「ああ、漁師。それなら、大事、ですね。僕の家、みたいに、農家では、縁のない、話、です」
61
:
東雲 忍『ザイオン・トレイン』
:2015/02/17(火) 01:02:24
>>60
「なるほど・・・塩素は平気なのか。それならプールには入れるな」
「早く良くなることを祈ろう」
泳ぎながら、会話を続ける。その動きは手慣れたものらしい。
泳法をクロールに変え速度を増し、円を描くように水を裂く。
やがて一通り泳いで満足したらしく、波打ち際に近寄り浅瀬を踏みしめ、上がってきた。
やはりそうなるとまた寒さを感じるらしく、早々にカバンからタオルを取り出し、体を拭く。
「・・・なんだ、おまえも同じか」「オカとはいえ、第一次産業を支えとることには変わりねぇ」
農家の息子と言う馬肥に微妙なシンパシーを感じているらしく、初めて海の少年は笑顔を見せる。
「そういや名前、訊いとらんかったな」
「オレは東雲 忍(しののめ しのぶ)。高校一年生だ」
62
:
馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』
:2015/02/17(火) 01:47:28
>>61
「ええ、良くなって、欲しい、です」
漁師の息子らしい手慣れた泳ぎを座り込んで眺めていたが、
上がってきたのに合わせて砂を払いながら立ち上がった。
「そういえば、そう、ですね」
「あ、僕は馬肥 隼(うまこやし はやぶさ)、です。高校三年、ですね」
つられたように顔に笑みを浮かべながら返答する。
63
:
東雲 忍『ザイオン・トレイン』
:2015/02/17(火) 22:34:36
>>62
なんとなく馬肥の柔らかい雰囲気と敬語に、近い年齢を考えていたのか、
高校三年生と名乗られ、東雲は頭をガシガシと掻いた。
「あー・・・ほんなら先輩じゃったか」
「一年坊が生意気な口効いて、すまんかったの・・・です」
再び学生服を着込み、佇まいを直す。そして改めて、しっかりと馬肥に向けて頭を下げた。
64
:
馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』
:2015/02/17(火) 23:55:52
>>63
「ん、気に、してない、よ。背も、あんまり、高く、ないし」
「というか、その、えと」
頭を下げられたことにどう対応したらいいか分からず困惑している。
どうやらこういったノリにはあまりついていけないようだ。
「あの、頭を、あげて、欲しい、です」
65
:
東雲 忍『ザイオン・トレイン』
:2015/02/18(水) 00:11:59
>>64
「っす」「・・・・・馬肥先輩の寛大な心遣いに、感謝します」
どことなく体育会系なノリに押される馬肥に、構わず東雲はもう一度頭を軽く下げた。
「自分、この町に引っ越してきてから日が浅いもので・・・」
「少し気を抜くと、口調が汚くなってしまうんです」「次から気をつけます」
66
:
馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』
:2015/02/18(水) 00:27:03
>>65
「そう、なの?ここは、いい町……、うん、いい町、だよ」
「なんだか、最近、色々、不穏な、感じ、だけど、ね」
何か思い返すようにしてから、軽く目を逸らし、少し濁すように言葉を漏らす。
「普通に、話してくれて、いいん、だけど」
「そうしたい、なら、無理にとは、言わない、けどさ」
67
:
東雲 忍『ザイオン・トレイン』
:2015/02/18(水) 00:46:31
>>66
「・・・いい街・・・ですか」「まあ・・・住めば都ですかね」
馬肥の言葉に、眼を逸らしながら歯切れ悪く頷く。
東雲は、まだあまりこの街に馴染めていないのかもしれない。
「・・・・・・・・『不穏』な感じっすか?」「族やヤンキーが、イキがってるとか」
「まぁそれくらいなら大した問題じゃあねえっすが・・・」
背の低い馬肥とは対照的に、東雲の体は大きい。その物言いも、あながち虚勢だけではなさそうだ。
「いや、親父からも目上のモンには礼儀を払えとキツく教えられてるんで」
「馬肥先輩には悪いっすが、そこはキッチリとケジメをつけさせて頂きます」
相手を案じる陸の少年の言葉にも、頑なに海の少年は首を振った。そして手首の時計を見て、カバンを背負う。
「そんじゃあ、オレはこれにて失礼します」「『網』仕掛ける親父の手伝いっす」
68
:
馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』
:2015/02/18(水) 01:09:53
>>67
「銃の、乱射が、あったとか、どこかの、屋敷が、爆破された、らしい、とか……」
どんどん語尾が弱弱しく小さくなっていく。
さっき自分で言った「いい町」という言葉に自信がなくなっているのだろうか。
「あ、えと、まぁ、それなら、しょうがない、かな。礼儀も、大切、だし」
そしてこれ幸いと露骨に話題を変えていく。
「『定置網漁』、ってやつ、かな?頑張って、ね」
鞄を背負う少年を見ると、その場で軽く手を振って見送る。
69
:
東雲 忍『ザイオン・トレイン』
:2015/02/18(水) 01:19:08
>>68
「・・・・・とんでもなく頭オカしい連中がいるんですね、ここには」
馬肥の言葉に、あからさまに不快そうな表情をする。
もちろんその対象は馬肥ではなく、そのテロまがいの行動をした人間たちに対してだろう。
「まぁ・・・だいたい同じっすね。『刺網』っつって、魚が網に頭を突っ込ませるようにするんです」
「よかったら今度、休みの日の昼前に『湖畔』に来てください。採れたての魚、ご馳走するんで」
「ウス。先輩も、実家のお仕事、頑張ってください」
最後にもう一度、頭をさげ、東雲は砂浜を後にした。
70
:
ココロ『RLP』
:2015/02/23(月) 23:56:23
「…………」
二月下旬。気温は低い。
今日の天気は、晴れ。
……砂浜に立って、海を眺めている少女が一人。
(私、何してるのかしら……)
ハーフアップにした髪と、緑の瞳。
容姿は端麗。スタイルも良い。背は高い。胸もある方だ。
容姿だけなら、十分『勝ち組』と言えるだろう。
……が、何がそんなに気に入らないのか、その表情はネガティブそのものだった。
「……ッ……」
身震いしたのは、寒さのせいだけではない。
おもむろにポケットを探り、音楽プレーヤーを取り出す……
『カツン』
「あっ……」
……落ちた。
『カツ』『コロ…』
『ポチャン』
海に。
「……うッ……ううう……」
71
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2015/02/26(木) 01:24:33
>>70
『 ポ チ ャ ン ・ ・ ・ ・ ・ 』
無常にも海に落ちていく音楽プレーヤー。
だが着水の瞬間、水のはねる音が不自然に『間延び』する。
「せ… セーフ……?」
間に合ったかどうか、という旨の問いだ。
もしも自分の能力――『静止』が、音楽プレーヤーが海に沈む前に発動できていたのなら
ココロの足元では、まるで器機が水面に触れる寸前の瞬間を切り取った静止画のように、
プレーヤーも、水面の細波も、ぴたりと空間に固定され、止まっている。
だが、間に合っていないかもしれない。何しろ咄嗟のことだった。
既に海に落ちた後だった場合、いかに『静止』しても、器機の故障は免れない。
高天原は、ココロの背後から声をかけたため、足元の様子を見られないのだ。
「あのー… え、えっと、覚えてる? ほら前にZUTAYAで……
…ってか今はそれどーでもいーッスね…。な、なんかあったんスか…?」
青みがかった癖毛の、ココロよりも少しだけ背の低い、撫で肩の男。
気を使うような声音で様子を伺う。
(背後から見た図では、まるでココロが音楽プレーヤーを海に捨てたかのように見えたためだ。)
「もったいないッスよ、高そうなやつなのに……」
ココロの隣に立ち、もし間に合ったのなら、『ウィーピング・ウィロウ』で手を伸ばしてプレーヤーを拾う。
72
:
ココロ『RLP』
:2015/02/26(木) 01:51:21
>>71
「…………えっ……!?」
「え」 「な、なん……」
「……!? …………!!?」
(と、とまっ、なんで? 誰?)
あの時のココロも、たいがい挙動不審だったが……
「……ひっ……ひぃ、や、やっ……やだ、やだ……」
今日は、そんなココロにしても『異常』だった。
怯え切った表情で振り向く。
「…………あ、あな、た……は。」
高天原の顔を見て、ようやく、ほんの少し落ち着いたようだった。
信頼までは出来ない。
が……『敵』では、ない。
(……本当、に?)
(だったらなんで……それに、止まったのは、この人の……す、スタンド、能力……)
(わ……)
「あ、あ……」
(私を…………『殺しに来たんじゃあないの』……?)
「あ……や、や……っ……」
ペタ…
プレーヤーを拾うために伸ばした腕に、尻餅をつく。
「ひぃ、ひぃ……」
……ともかく、拾うこと自体は、間に合った。
が、ココロはそれを見ていない。
おそらく、声も、まともに聞いていないのだろう。
73
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2015/02/26(木) 02:05:53
>>72
(あれ、やっぱり覚えてない……?) ズーン
ココロの反応を見て、少し落ち込む。
とはいえ、それも仕方がないことだ。
モデルのような美しい外見と、極度のネガティヴという強烈なキャラで、こちらからの印象は強いが…
相手からしてみれば、ナンパしてきたヤローのうちの一人、という認識だろう。
…と、少なくとも高天原は考えている。
(『見ず知らずのスタンド使い』がいきなり話しかけてきたら俺もビビるわ)
「あー、えっと……」
異常に怯えるココロに、無条件で罪悪感を感じる。
その原因が、急にスタンドを出して近付いてきた自分だと考えるからだ。
「あっ、あの… 俺、秋映の高天原 咲哉っつって…
前にちょっとナンパしただけなんスけど… ココロちゃ… や、水溜さん? だよね?」
「まだ寒いのに、こんな海辺で何してたのかなって気になって…」
「あー… もしかして、迷惑だった?」
話しかけながら、スタンドを解除。
音楽プレーヤーをイジって、故障がないことを確認する。
「はい、これ。捨てるなんてとんでもないッスよ。不法投棄! な、なんつって、ハハ、ハ、……」
少し冗談めかすも、怯えさせないように必死のため、どこか挙動不審だ。
音楽プレーヤーを手渡そうと近付く。
74
:
ココロ『RLP』
:2015/02/26(木) 02:28:27
>>73
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
ガタガタガタガタガタ
目に見えて分かる程怯えている。
その視線の先に高天原はいない。
「はぁーっ……はぁーっ…………ゲホッ、げほ……」
(高天原さんなのは知ってる、貴方がきっと、い、いい人なのも、知ってる、知ってる……知ってるけど、わ、私は……)
「……ひぃぃっ……!?」
差し出された『音楽プレーヤー』にすら身を竦める、が。
「……え、あ…………」
「…………」
(これ、私の、今……止まって、だから、そ、それ、って……)
「……そ、その……あ、え、ええと、その……」
「拾って、く……くれた……ん、ですか……? す、スタンド、で……」
震える手で、受け取った。
目尻にはじわりと涙。
(それなのに私、こ、殺しに来たとか、思って……?)
(……勝手に決めつけて……ひ、被害妄想、で、私……)
「あ、あ……ぅ……」
別種の震えが混ざり、またプレーヤーを取り落とす。
「…………ごめんなさい、ごめんなさい…………」
「た、高天原さんのこと、わ、私、酷い事……ごめん、なさい……迷惑なんかじゃ、ない、ないです……ごめんなさい……」
75
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2015/02/26(木) 02:46:02
>>74
「そ、そう… 俺のコレ、えーと、『ウィーピング・ウィロウ』ね。
短い間だけ、ちょっとしたものの時間を止められるんだ。
便利だけど、パワーとか人間レベルだし、危なくはないぜ!」
危害を加えないアピールに専心する。
「そんな、謝んなくてもいいって…! って、あぁ、また…」
(な、なんだ…? やけに怯えてる…
前にあった時よりも、ちょっと酷いぞ…)
再び『ウィーピング・ウィロウ』を呼び出し、音楽プレーヤーを『静止』&キャッチ。
器用なのだ(精密動作性:B)。
「ど、どうしたの…? なんか嫌なことでもあったとか…」
「あっいや、ごめん、ちょっとデリカシーねぇな。
言いたくない事ならいいんだけど… 冬の海に一人って…」
ココロにかける言葉も、いつも以上に選んでいる。
相手が相手というのもあるが、もともとが気ぃ遣いの性質のためだ。
76
:
ココロ『RLP』
:2015/02/26(木) 03:07:42
>>75
「はあ、はあ……」
「ぅぐ……はぁ……」
「……」
「……ごめん、なさい、私……私、気を遣わせて……」
「ごめんなさい……」
アピールは成功、らしい。
多少だが、怯えが抜けて来たようにも見えた。
「……ふぅ……ふぅ……」
それでも、その指先はがたがたと震えていた。
あの時のエアピアノのような動きとは違い、もっと乱雑な震えだった。
「……わ、私……あ……ぁ……」
「…………」
「高天原、さん……う……私……」
何か、言いかけて、やめた。
「……違う、の、私……」
「……私なんか……」
「私なんか……が……う、あ……ごめんなさい……」
要するに――『言いたくない』『言えない』事なのだろう。
ガクガクガクガクガクガク
僅かに震えが増したようにも、見えた。顔色も良くない。
「ごめんなさい……!」
彼氏にフられたとか、そういう類の怯えでは、ないように思えた。
77
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2015/02/26(木) 03:20:31
>>76
「いっ、いいよ! 無理に言わなくても…」
(嫌な事か…!? 無理に聞こうとして、思い出させちまったかな…)
女子の感情の起伏には、多少なりとも耐性がある。
浮気をされた女友達の愚痴や、月のもの前の子の不機嫌に、ひたすら付き合わされてきた。
反論も否定もせず、ただ黙って同意し続け、夜を明かした経験も数え切れない。
ついたあだ名は『ミスター・いいひと止まり』!
どうだ… ダサいだろう…
(それに比べりゃ…)
「返事、しなくて大丈夫だから。深呼吸できる? 少し力抜こ。
ゆーーーーっくり息吸って、ちょっと止めて、ゆーーーっくり吐くんだ」
「遠くの方見て。別な事考えようぜ。関係ないこと」
「落ち着いたら、ちょっと座れる場所行こう。
海に近いと、また音楽プレーヤー落としたり、体冷やしちまうかもだしな」
怒濤のお節介ラッシュ。
人によってはウザったいかもしれないが、高天原なりの気遣いだ。
ココロが落ち着いたら、近くのベンチか、海の家などがないか軽く見まわして探す。
78
:
ココロ『RLP』
:2015/02/26(木) 05:41:47
>>77
「…………ごめん、なさい……」
「すぅーーーー」
「……」
(私……)
「はぁーーーー」
「……」
「すぅーーーーーー」
揺れる瞳孔が、少しずつ一つに集束していく。
スカートの裾を握り締める。
「…………はぁーーーーーーーーッ……」
視線は海の向こうに。
好きで錯乱してるわけではない。
それでも。
「すぅー……」「はー……」
「すぅ」「はー」
「……」
「…………ぇほッ……」
別のことを考えるというのは、中々上手くいかなかった。
ブルッ…
「……すー……はー……」
「……」
「………………」
それでも、先ほどよりは落ち着いたようだった。
「……ごめん、なさい……」
「……ありがとう……き、気を遣わせて、しまって……」
近くにはベンチが二つほどある。
海の家もあるが、ここからは少し遠いようだ。
79
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2015/02/26(木) 18:10:26
>>78
海の家は遠いようだ…
ベンチを探し、そちらにココロを導く。
「紅茶飲める? ストレートッスけど」
コポポポ・・・
学生鞄から、勉強時用に入れてある水筒を取り出して、蓋に注ぐ。
少し温いが、気温が低いため、湯気と香りが立つ。
「気にせんでいーって。こう見えて慣れてんだぜー」
どこか得意げに告げ、自分はベンチに腰掛ける。
「……、…」
(な、何か話題… 嫌なことを思い出さないような…
それでいて無難で、かつ脈絡のある… うぉおおお頑張れ俺の脳細胞!)
「あっ、音楽! 普段どーゆーの聞くの?
やっぱクラシックとか? 上品っぽいイメージあるぜ〜」
「俺、和ロック。あとゲームのサントラとか」
自身も音楽プレーヤーを取り出す。
少し古い型で、ところどころ塗装が擦り切れている…。
いつも首から提げている、菱の模様の入ったヘッドホンは伊達ではない。
80
:
ココロ『RLP』
:2015/02/26(木) 19:39:00
>>79
コポポポ・・・
「……紅茶は、好きだわ。……ありがとう。」
「……」
蓋を受け取り――
ギシ…
所々錆びたベンチに腰掛けた。
少し震える手で、紅茶を口に運ぶ。
ごく
「……」
「…………はー……っ……」
白い息をゆっくり吐き出しつつ、顔を上げた。
不安の色が、また、先ほどよりは和らいでいるように見えた。
「……いえ、ごめんなさい……」
(……本当に、気を遣わせているんだわ……この人は、優しい人……私は、何なの?)
(この人に、こんな……優しくしてもらう価値なんて……)
「……えっ? あ……音楽……?」
玩具のような指輪を嵌めた、細く長い指が、首から提げたヘッドホンに触れる。
歯車があしらわれた、スチームパンク的デザインのヘッドホン。
「……え、ええ、クラシックも。ピアノの音……聞いていたら、落ち着くから……好きだわ。」
「じょ、上品だなんて……」
口元に僅かに笑み。
この話題は、正解だったらしい。
「あ……ロック、は、あまり詳しくなくて……ご、ごめんなさい。」
「……」
俯く。
81
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2015/02/26(木) 20:05:08
>>80
「あーなんか、紅茶っぽいイメージあるかも。
上品っつーか高級っつーか、茶葉とか自分で選んでそう。
……なんか申し訳ないッス、安物のティーパックとかで……」
紅茶やコーヒーが好きな人は、茶葉や豆にこだわりがありそうだ…という偏見だ。
例えるなら、ラーメンを食べたい相手にインスタントの即席麺を無理矢理食べさせたような…
そんな漠然とした申し訳なさ。
(……お、)
「へ、へー! ピアノ! 水溜さんも弾いたりするの?」
「ヘッドホン、オシャレさんだ。俺も負けてねーけど!」
(よ、よし! なんか分からんが良い雰囲気だぜ)
心の中でガッツポーズしつつ、話題の継続を試みる。が、
> 「あ……ロック、は、あまり詳しくなくて……ご、ごめんなさい。」
「あっ、いや、そんな…!
責めるつもりとかはなくって…」 オロオロ…
と思った矢先、ココロを俯かせせしまった… ウカツ!!
「あ、そ、そうだ!」
ガバッ
おもむろに立ち上がり、ヘッドフォンを外して―――
唐突に、ココロの耳にかけようとする!
やや興奮気味だ!
「ちょっとね、聞いてほしい曲があるッス!
俺も最近見つけたんだけど、あ、ロックなんだけど、
結構とっつきやすいというかロック苦手な人にも……って、」
・ ・ ・ ・ ・ ・ 。
「ご、ゴメン… ちょっとテンションあがりすぎた…
フツー他人のヘッドフォンとかヤだよな…
(特に、この子ちょっと清潔好きっぽそうなイメージだし)」
だが、すぐに我に返る。
オススメの曲を聞かせようとして、焦り過ぎたらしい。
高天原も、音楽音楽した話題は好きなようだ。
82
:
ココロ『RLP』
:2015/02/26(木) 22:14:32
>>81
「い、いえ……私も、茶葉とか全然……ごめんなさい、詳しくないことばかりで……」
「だ、だから……そ、そんな、気にすることじゃ……無い……あっ……ご、ごめんなさい、なんだか、上から目線で……わ、私なんか、何も知らないのに……」
「……で、でも、そうなの。
……ぴ、ピアノ、は。ずっと、習ってるのよ。」
「昔から……だから、ちょ、ちょっとは弾けるわ。」
ピアノは、ココロが自信を持てる数少ないものだ。
長年の鍛錬と、幾たびか浴びた、心からの賞賛。
それを生み出した指は、紛れもなくココロにとっては宝だ。
「あ、ありがとう……こ……このヘッドホンは、お気に入りだから……」
「……」
「あっ、ご、ご……ごめん、なさい……責められたとかは、お、思ってなくて……」
(……また、気を遣わせてしまったわ。私って本当に駄目ね……)
と、再び俯いたところで――
「ひっ……!?」
ガタン!
高天原の動きに、ベンチから転げ落ちそうなほど怯え上がる。
「や、やっ……」
「……」「……あ」
「…………」
「……ご、ごめんなさい、ごめんなさい……わ、私……」
が、すぐに、高天原の意図に気づいたらしく、我に返る。
それは――『手を出される』という被害妄想だった。
手を伸ばしてくると、危害を加えられる、という。
「……」
「すーー……はーー……」
「……ごめんなさい……おかしいわ、私……」
「あ、貴方は、きっと悪い人じゃないって……お、思う、のに……それでも、こ、怖かったの……ごめんなさい……」
「……きょ、曲……おすすめの曲、聞くわ……わ、私も、ヘッドホン、あるから……」
自分のヘッドホンのコードの先を、震えつつも手にする。
83
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2015/02/26(木) 23:01:54
>>82
> 「ひっ……!?」
> ガタン!
「だ、大丈夫!? ゴメン、そんなヒかれるとは…」
(いっ いけねェ… ちょっと気を抜くと、うっかりビビらせちまうぜ…
せっかくちょっと打ち解けたかと思ったが、もっと慎重にならないと)
立つのに手を差し伸べようとして… たった今の失敗を思い出し、思いとどまる。
ココロが自分から立ち上がるのを待つ。
「や、俺こそ… ゴメン、大丈夫? 無理にとはいわないんだけど…」
と言いつつ、ヘッドホンのコードを受け取る。
「でもホントに、これ良い曲なんだよ。
嫌なことがあった時とか、元気出すために聞くんだ」
「水溜さんに合うかなーって思ってさ」
自分の音楽プレーヤーに、ココロのヘッドホンコードを差し込む。
84
:
<ガオンッ>
:<ガオンッ>
<ガオンッ>
85
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2015/02/26(木) 23:53:51
カチ
ピピ!
ジーーー……
『
言葉は上手く伝わらないし
恋はいつも争いになるし
誰も私の名前なんて知らないし
晴れてほしいのに雨が降る
時間の無駄にはもうウンザリ
でも何も楽しいことなんてないし
名案を思いつくこともない
立ち上がろうとしても転んでしまう
だけど
私は生きている 生きているんだ
良いことと悪いことの真ん中で
幸せを掴むために
不幸にも抗って、眠るように死ぬの
それが私の生きる人生!
』
―――――――――――――――――――――――
ココロ『RLP』 ⇒ I'm Alive!/Becca
ttps://www.youtube.com/watch?v=WP4GaB9hgZs
英歌詞参照
ttp://www.uta-net.com/song/94450/
86
:
ココロ『RLP』
:2015/02/27(金) 00:23:25
>>83-85
「ごめんなさい」
「ごめんなさい…………」
(私のせいで、この人はきっと傷ついたわ……私、どこまで人に迷惑を掛けて生きてるの?)
(私なんて……)
端子が受け取られる。感情は底に限りなく落ちていく。
高天原の言葉も、また、ほとんど耳に入っていない様子だった。
カチ
ピピ!
ジーーー……
「……」
その耳に、音楽が飛び込んでくる。
明るい音楽。
ココロには、英詞は分からない。
それでも、この歌が――自分の心に響くのは、分かる。
(……きっと。)
高天原が言ったこと――ほとんど耳に入っていなかった言葉が、音に乗せられて、分かった。
(…………きっと、これは、励ます歌なんだわ。)
聞いたから、全ての悩みが吹き飛ぶとか、明るくなれるとか、そんなことは無いけれど。
「すー……」「はー……」
それでも、荒れ狂うような自己嫌悪は、少しだけ晴れたような、そんな気は、した。
ゆっくりと立ち上がり、崩れていた体勢を直す。
「…………」
「……あり、がとう……いい曲だわ。本当に。」
ぽつりと呟くように、言う。
87
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2015/02/27(金) 00:35:34
>>86
「ホント? おお… よかった」
(元気出たっぽいぜ…)
おススメの曲を褒められたこともあり、高天原自身も少し持ち直す。
アーティストと曲の情報を伝える。
「よかったら、また聞いてみて欲しいッス。元気ないときとか…
そんでもしまた会ったら、今度は水溜さんのおススメの曲、教えてよ」
「いやぁ〜。まさか、ホントに叶うとは思わなかったぜ…
あっ、水溜さん覚えてないかもしれないけど…
前に会ったときに、『次会ったらデートしよう』って約束してたんだぜー」
軽薄そうに、けらけらと笑う。
「ダメ元だったんだけどさァー。叶っちまった」
「ラッキィー」
…どうやら、高天原の脳内ではこれも『デート』にカウントされているらしい。
曲の終わりまで待って、ヘッドホンのコードを外し、ベンチから立ち上がる。
88
:
ココロ『RLP』
:2015/02/27(金) 01:01:33
>>87
ヘッドホンを降ろし、肩に提げる。
表情には強張った物こそあれ、落ち着きが戻っていた。
「……ありがとう。本当に……何から、何まで……」
「……ごめんなさい。」
謝罪も、なかば譫言のような物ではなく、明確に高天原に向けられたものだった。
「えて、きっと、また……ええ、聞いてみるわ。」
「私も、今度までに……考えて、おくから、きっと……」
「……」
「デート……? こ、これが……」
「……ふふ。」
思わず、少し、笑いが零れた。
人の軽薄さを有難く思うのは、これが初めてかもしれなかった。
「……ありがとう。」
ほんの少しだけ俯いて、そう呟いた。
89
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2015/02/27(金) 01:24:01
>>88
「……あっ、おう。うん」
(ヤベー。改めて、超美人)
強張りの取れた笑顔に、少しの間、思わず見惚れる。
年上の矜持とか、頼れるお兄さんっぽく振舞おうとしていたこともすっかり忘れて。
「じゃ、じゃあ… そういうことで」
「約束だぜ、約束。約束があれば、次も会えるからなー。
…いや、会って嬉しいのは俺の方なんだけど、とにかく」
研究室や連絡先を書いた名刺は…
前にも渡していたはずだ。
にかっ、と明朗に笑い、別れを告げる。
90
:
ココロ『RLP』
:2015/02/27(金) 01:42:58
>>89
「ええ、きっと……」
信頼できる人間が、この世界にどれだけいるだろう。
少なくとも、高天原は、その中の一人に入れてもいいようだと思った。
「……」
「……あっ……」
ふと、気づいた。
水筒の蓋を持ったままだった。
「あっ……い、行っちゃったみたいだわ……」
(私ったら、な、なんで、こんな……泥棒じゃない、ほとんど……)
(……)
僅かに残った紅茶にうつるココロの顔には、少しだけ笑みがあった。
(…………また、会わなきゃ……)
『死神』の凶行がココロに残した爪痕は、深い。
それでも、少しずつ、癒されていく。今日のような日があるならば。
91
:
ウィル『ヴェノム&ファイア』
:2015/02/28(土) 23:20:45
「夜の海には どうにもミステリアスな美しさがあるね」
煌々と輝く月が反射する、黒い水面を眺めながらウィルが呟いた。
一夜にして伸びた髪はポニーテール状に束ね、成長した胸はベストを押し上げ、白いシャツがその下に覗いている。
その言葉の向けられている先は、今夜彼からここれと連れ出された、金髪碧眼の少女へと。
92
:
アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』
:2015/02/28(土) 23:28:25
>>91
「……そうだね」
応えるのは――『美少女』と言って差し支えない美貌の少女。
ワイシャツに赤のプリーツスカートという、どこか学生然とした姿だ。
目元に涙滴型の黄金の刺青を彫った眼で、海の方をただ眺めている。
「しっかし、こうしてるとあの『肝試し』を思い出すね」
あの『肝試し』もこの砂浜の近くだったのを覚えている。
尤も、大体のロケーションは殆ど砂浜とかは
関係なかったように思うが…………。
「……」
93
:
ウィル『ヴェノム&ファイア』
:2015/02/28(土) 23:35:14
>>92
「ーーー『コフィン・ネイル』」「恐ろしく邪悪なスタンドだった」
目を閉じて、あの夢の中での出来事を思い出す。
誰が感染しているのかも分からない、誰にも死の危険がひっそりと訪れる、悪夢のような一夜だった。
もし『フープル社』が夢の中に関係者を切り離していなければ、
彼女も自分も、こうしてここには立ってはいない。
それでも目が覚めて真っ先に彼女の姿を確認するまでは、安心できなかったが。
「しかし ぼくもそれなりにやるようになったとは思わないかい?」
「初めてのーーーとはいえ二回しか戦っていないけれどーーー『勝利』だ」
ウィルは目を開き、アウレアの方へと体を向け、両手を広げる。
常に控え目な彼にしては珍しい、謙遜せずに勝利を誇っている。
94
:
アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』
:2015/02/28(土) 23:41:46
>>93
「その通り。わたしってば、惚れ直しちゃったね」
真面目な声色だ。
実際、アウレアはあの局面で途中離脱だった。
クリアしたのは――仲間の協力はあったが――
そこにはウィルの力が少なからずあったはずだ。
、 、、 、
「さすが、わたしの恋人、だよ!」
そう言って、両手を広げたウィルに抱き付く。
頭のあたりに――身長が縮んでいればもっと下になるが――
いつもは感じない、柔らかい感覚を感じるが……無視する。
別に男だからウィルを好きになったわけでもない。
95
:
ウィル『ヴェノム&ファイア』
:2015/02/28(土) 23:58:57
>>94
「Thanks(ありがとう)」
「きみを含めたみんなの協力があってこそだけどね」
正直に言えば今でも、争いごとは苦手だ。
誰とでも手を取り合って、平和になれるならその方がいい。
けれど、避けられぬ戦いだと判断したなら。躊躇なく相手の行動力を奪い、再起不能にすることも厭わない。
その過程にも結果にも、一切の後悔はない。守りたいものがあるからだ。
「っと」
胸の中に飛び込んできたその対象を、笑顔で抱きしめ返す。自分の身体が変わりつつ
あるとはいえ、それでもやはり柔らかく、小さい体だ。
>「さすが、わたしの恋人、だよ!」
そんなアウレアの言葉を聞いて、ふと思い出す。
彼女が以前、とても日本的な、おくゆかしい言葉で愛を表現してくれたので、
大学の友人に、同じく日本的な表現で、愛を伝える言葉はあるだろうかと訊ねたのを。
アウレアの顎に手を当て、少し体から離して上を向かせる。
「それは少し違うね アウレア」
愛する少女の顔を見て、微笑んで。
「アウレアは、ぼくの嫁」
そして、軽く互いの唇を触れ合わせる。
96
:
アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』
:2015/03/01(日) 00:17:28
>>95
「! ……ん」
やはり慣れない――とアウレアは思う。
曲がりなりにも夜の街で仕事してきたアウレアなので、
それなりに男の機嫌をとってきた経験はある――が、
それは中身の伴ったものではなかった。だから、こういうときに戸惑ってしまう。
「……ウィル、また変な言葉覚えてきて」
一応、アウレアもその言葉の意味は分かっているつもりだ。
ある意味『日本的』な愛情表現だが……少しサブカル的にすぎる。
未来の嫁としてはウィルの交友関係が少し心配になってくるところだ。
将来、二次元に浮気されるようなことになったら……多分拗ねる。
「ウィルだって、わたしの婿だもんね。
……婿? 夫? ………まあいいか!」
照れ隠しするように、頭を押し付ける。
ともすれば、押し倒しかねないほどの強さだ。
97
:
ウィル『ヴェノム&ファイア』
:2015/03/01(日) 00:34:47
>>96
「昔は婉曲的に伝えていたのに 最近ではこうして宣言するのが『おくゆかしい』んだってね」
「何とも不思議な感覚だね・・・・・」
友人の冗談を真に受け、感慨深く頷く。
その冗談は、時としてダイバー家中に広まってしまうのだから、
アウレアはその間違った日本感を訂正するのに骨を折っていることだろう。
「おっと」
アウレアに体を押されて、思わず尻餅を付く。当然砂浜であるから、痛くはない。
だが、もし自分が男の身体であったなら、受け止め切れていたであろう。
一瞬だけ、それに思いを馳せた沈黙が訪れる。
「・・・・・・・・それでも」
「例えどんな身体になろうとも ぼくは『男』であり続けるよ」
「きみの事を愛している一人の男としてね」
「なにせ ぼくはきみの夫だから」
今度は額と額を合わせて、至近距離で囁いた。
「だから ぼくたちで倒そう」「『ルンクス』を」
98
:
アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』
:2015/03/01(日) 00:47:26
>>97
「……ッ」
ウィルを押し倒したアウレアの身体は、震えていた。
それは――もう、論理的な推測なんかではなかった。
『ヨハネスブルグ』の能力者が『相手をただ女にする』だけで済ませるはずがないとか、
そういえばあの時の女は妙にルンクスに協力的だったとか、そういったことはまるで無関係。
言うなれば、ただの『女の勘』だ。
ルンクスの言動、そしてウィルの変化。
愛を知る『女』だからこそ、その微妙な関係性に鋭敏に反応できる。
、、 、、 、、
ウィルは――ルンクスのものになりつつある。
そんな、荒唐無稽な、通常であれば思い至ることさえ
困難であろう可能性にも行き着けるほど鋭敏に、反応できてしまう。
ウィルはここ数日アウレアの様子がおかしかったことに気付いているはずだ。
街に出歩き、そして戻って来る。そして『足りない』と呟く。およそまともな精神状態ではなかった。
それは、彼女が本能的にこの危機的状況を察知していたからだ。
ウィルがとられる。精神も肉体も作り替えられ、自分の傍から離れる。
その最悪の結末が想定できるがゆえに、必死に事態の打開に動いていたのだ。
「それ……信じて良いんだよね」
顔を上げる。
その表情は、こう訴えていた――『まだ足りない』。
『足りていない』のだ。アウレアの中のピースが。
「この先、どんなことがあっても……
わたしは『今』のウィルを信じて良いんだよね」
99
:
ウィル『ヴェノム&ファイア』
:2015/03/01(日) 01:04:35
>>98
「・・・・・・・・・・」
震える彼女を、安心させるようにぎゅっと抱く。やはり、そうだったのか。
時折、どことなく何かに追い詰められているような悲壮感を漂わせていたのは。
そんな彼女を元気付けるように、こんな所へと連れ出したり、おどけるように勝利を誇ってみて。
返ってきた言葉も笑顔も、本物であるけれど、どこかおかしかった。
『自分が理解しかけていることを、彼女もまた理解しかけている』。
そういうことだったのだ。
自分は、自分だけに対しての攻撃や被害に関して、鈍い所がある。
けれどもアウレアが狙われ、逆の立場だったなら、敵意を剥き出しにしていただろう。
いや、彼女の場合はそれどころでは済んでいないのかもしれない。
>「それ……信じて良いんだよね」
>「この先、どんなことがあっても……
> わたしは『今』のウィルを信じて良いんだよね」
アウレアの縋るような問いかけに、笑みを消し、真剣な表情になる。
が、すぐに愛する人に笑顔を向けて、頷く。
「もちろんだよアウレア」「・・・ぼくを信じてくれ」
しかし言葉とは裏腹に、『スタンド能力』という超常的な力を前にして、
人間の意思がどれほど立ち向かえるのか、不安に思っている所もある。
けれど、決して『ルンクス』のものにならないという覚悟はある。
そのために、愛川たちに依頼したのだから。
100
:
アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』
:2015/03/01(日) 22:31:17
>>99
「……ありがとう」
そう言って、アウレアはまたウィルの身体に顔をうずめる。
彼女の表情は、見えない。
「それなら…………私は、立ち上がれる」
今の、その言葉が『真実』ならば。
アウレア=グラウコーピデという人間の、『足りない』ピースは。
「全部、『足りた』から」
今この時を以て埋まったも同然なのだから。
「だからウィルも、わたしを信じて」
そして、ウィルがアウレアの秘めたる思いを察していたのであれば……
『逆もまた然りである』というのも、ある種道理ではないだろうか?
つまり、ウィルの考えていることも、
『洗脳』の可能性を考え、最悪の場合は『自死』すら厭わないという決断を、
ある程度アウレアが把握しているということだが――。
「わたしは。この先何が起ころうと、どうなろうと――『今』のウィルの言葉を信じる。
……たとえウィルと戦うことになっても、ウィルを敵に回すことになっても」
そう言って、アウレアは立ち上がる。
その目には、既に迷いなどひとかけらも存在していなかった。
今この時を以て、アウレアの『足りない』ものは全て満たされた。
「必ず、わたしが『勝つ』」
それはつまり――彼女に弱点など一つもなくなったということだ。
「……たまにはアウレアちゃんも、頼れるトコの一つくらい
見せないといけないから……ね!」
手を、差し伸べる。
101
:
ウィル『ヴェノム&ファイア』
:2015/03/01(日) 22:58:08
>>100
>「それなら…………私は、立ち上がれる」
「・・・・・」
強い意志を携えて、立ち上がるアウレアを見上げる。
やはりと言うべきか、彼女に隠し事などできそうもないらしい。特にこういう大事な事は。
アウレアは、自分が『洗脳』されることも、そして戦うことになるかもしれないことも、予想している。
しかしそれを知ってなお、彼女は立ち向かう覚悟も決めている。
─────本当に、強い女性だ。
「その通りだよ」「少なくとも今ここにいるぼくは 紛れもなく
アウレア・グラウコーピデを愛する ウィリアム・ウィンストン・ダイバーだから」
こんな彼女だからこそ。
「ぼくは常にきみのことを信じているし」「頼りにもしている」
「だからアウレアがそう言ってくれるのであれば ぼくはこの先どんなことが起きようと
またこんな場所に 2人で来られる日が来ると思っているよ」
アウレアの差し出した手を掴み、己もまた腰をあげる。
別に自分一人の力でも、この砂浜で立ち上がることなどできるだろう。
けれどこの場合は、彼女の手を借りることに意味があるのだ。
102
:
アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』
:2015/03/01(日) 23:25:05
>>101
「よっ……とと」
軽くなっているだろうとはいえ、しかしながら少女の細腕だ。
ウィルを引き上げるのにも、大分苦労する程度でしかない。
しかし、そのことに意味がある。ウィルも、アウレアも分かっている。
「『来させる』さ」
世界を動かすのは『人の意志』だ。
そしてこの世で最も強い意志とは、『愛』を置いて他にない。
アウレアは、そのことを誰よりも実感している者の一人だ。
「絶対に、わたしが、わたしとウィルが、その未来を引き寄せる。
その為の力は――――『ある』」
拳を握りしめ、呟く。
重く、そしてしっかりと。
「……うー、さぶっ!」
照れ隠しなのか、そこまで言った後に大袈裟に身震いしてみせる。
夜の海辺は寒い。そこにこんな格好なのだから、寒いのもむべなるかな、である。
103
:
ウィル『ヴェノム&ファイア』
:2015/03/01(日) 23:50:10
>>102
アウレアの言葉に、深く頷く。
相手を塗り潰し、自分のいいように変えてしまうルンクスの能力は、決して愛などではない。
そんな風に一方的に望むものは、身勝手な醜い欲望だ。
「『ルンクス』に教えてやろう」「迂闊に近寄ろうものなら『毒の炎』がおまえを焦がし」
「本当の愛とはどういうものなのか 『愛の言語』を叩きつけてやると」
自分の首に巻きつけていた、オリエンタル模様のストールを外し、
アウレアの首に巻きつける。髪を挟まないように、そっと持ち上げながら。
「春が近づいているとはいえまだ冷えるね」「それではそろそろ帰ろうか?アウレア」
ポケットから、車のキーを取り出し訊ねる。
104
:
アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』
:2015/03/01(日) 23:58:50
>>103
「そだね。身体を冷やしたらいけないし……」
そう言って、ウィルの頬に顔を近づけ、
――そして顔を離す。
「……行こっか!」
にっこりと、無邪気な笑顔を浮かべ、ウィルの手を引く。
もう迷いはない。
『ラヴ・ランゲージ』は『愛』で強くなるスタンドだ。
そしてそれを操るアウレアの心には今、
かつてないほどに『愛』が満ち足りている。
つまり――――世界最強、ということだ。
105
:
ウィル『ヴェノム&ファイア』
:2015/03/02(月) 00:23:36
>>104
「─────」
頬に触れる、柔らかい感触。少しだけ、頬が赤くなる。
有り体に言って、キスは好きだ。お互いにとって、相手が特別であることを示しているようだから。
それが、彼女が自分の意思でしてくれたのなら、言うまでもないだろう。
手を引かれて、またその無邪気な顔に惹かれる。
本当に、今ではこの国に流されたことを幸福に思える。
例えそれが『ヨハネスブルグ』と戦うことになろうとも、
アウレア・グラウコーピデと出逢うことができたというそれだけで、他の何を差し引いても余りある。
「ああ・・・ともに行こう」
アウレアの横に並び、歩き出す。
この先は、夜の海のように暗く深い道なのかもそれない。それでも、月明かりがいずれ見える事を信じて。
106
:
音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』
:2015/03/20(金) 23:01:39
あの事件から随分と時間が経過した。
『圧倒的暴力』、『骸鎧の襲撃』、『満月の落下』――――
今のままではいけない。
己の『血統』に宿る『正義』、それを貫くためには――――
「えっほ」
「えっほ」
とりあえずランニングをすることにした。
上下スパッツにTシャツ短パン、普通のランナースタイルだ。
107
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/03/20(金) 23:16:53
>>106
「オッさん何やってんの?超ウケる」
声をかけた
108
:
音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』
:2015/03/20(金) 23:21:24
>>107
「なんだ君は?
――――あぁ、あの時の!
これはどうも、お久しぶりだ」
足を止めて振り向いた。
「見ての通り、ランニングだよ。
何時、また月や何かが落ちてくるか解らないからな」
109
:
烙『クライムウェイヴ』
:2015/03/20(金) 23:21:40
>>106
走る先には敵の顔さ。
「あれっ」
何をしてるかって? 立ってるだけさ。
何をしにきたかって? 秘密。殺人鬼だからな。
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