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東方魔弾撃

1終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/03/02(火) 23:24:53 ID:7QMizcUo
俺がグダグダ書く小説です。
諸事情により、過去より未来を大切にするみんなの板から移転してきました。
呼んでくれたら俺が喜びます。
なお、ここには俺以外書き込みをしないでください。
指摘、感想等はお喋り広場に書き込んでください。

152終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/10/05(火) 21:34:55 ID:v4S0Z.t2
ガスマスクを着けている兵士はハンクだけだったはず、
なら、ガスマスクを着けていない兵士を始末すればおのずとハンクだけが残る。
俺は手近な兵士の後ろに回りこみ、大鎌を引き抜き首を切り落とす。
ボトッという頭が落ちた音の後にドサッという体が倒れた音がする。
周りの兵士たちはその音が聞こえのだろうか銃を乱射し始めた。
大鎌をすぐにしまって流れ弾に当たらないように次の兵士の後ろに回りこむ。
刹那、俺と敵を突風が襲った。
その突風で大鎌は取り出せなかったので腰からデザートイーグルを抜き後頭部に一撃。
すぐにデザートイーグルをしまったので大丈夫だとは思うが、見られてしまっただろうか?
「2体やられたか・・・・。どんな手を使ったかは知らないけど早く出てきて死んでいってくれよ、
こちらとしては時間が惜しいんでね。」
よし、向こうには見えてない。
「まぁ、奥の手はある。」
すると、三度空間がわれ変な長方形の機械が落ちてきた。
ガルータスはその機械をいじりだす。
その機械からパラボラアンテナみたいなものがたくさん出てきていて、頂上には青いランプが点灯している。
やるなら今か。
俺は、ガルータスに向かって走り出す。
「これまでだ、闇影 将!」
すると青のランプが赤に変わった。
その瞬間、体に異変が起こった。
体が重い。
すると、体から光が弾けて2枚のスペルカードが地面に落ちた。
嘘だろ・・・・スペルが解除されてるだと!?
「さぁ、これでチェックメイトだ。」
後ろを向くと敵が、銃を構えていた。
周りには隠れられるような場所は無い。
この状況はまさに、絶体絶命だ。

153終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/10/07(木) 23:13:37 ID:v4S0Z.t2
〜愛里〜
私は大急ぎで人里までバイクを飛ばし、人里の中を走り抜ける。
「ちょ、待って下さいよ。」
「そんな暇ないわ。あの敵相当強そうだったし、ハンクが居るのよ!勝ち目なんて・・・・。」
私達は尚も人里を全力疾走で駆け抜ける。
「見えた!」
私は門の裏に飛び込み狙撃銃を構える。
「ヤバイわね・・・。うどんげ、あの銃構えてる黒い兵士の洗脳解除できる?」
「銃構えてる黒い兵士ですか?・・・・やってみます。」
「待って、先に将を救出するわ。うどんげ、私が銃1発撃ったらこれをこのピンを抜いて投げて。」
そういってうどんげにスラッシュバン(閃光弾)を渡す。
「え?あ、はい分かりました。」
私は狙撃銃を構え一番右の敵兵の頭に照準を合わせ、トリガーを引く。
すかさず、うどんげがフラッシュバンを投げる。
右の敵兵は頭部を打ちぬかれてその場に倒れ、残りの敵兵はスラッシュバンで目がやられたらしく、
あたりに乱射している。
その隙に将はこっちに走って来て、門の裏に飛び込んだ。
「助かった。」
「何がどうなったの?」
「あの機械でスペルが強制解除されたんだ。」
将の指差したのは妙な機械だった。
「アレを破壊しない事にはスペルが使えない。」
「厄介ね・・・C4は無いの?」
「残念ながら持ち合わせていない。グレネードが4個あるだけだ。」
「うどんげ、スペル無しで洗脳解除ってできるの?」
「ええ、一応スペル無しでできますよ。でも高度な洗脳だとスペルで気絶させた方がやりやすかったりしますけどね。」
「ならお願いするわ。」
「愛里。とりあえず、あの機械の破壊が優先だ。」
「分かったわ。」

154終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/10/09(土) 23:52:47 ID:v4S0Z.t2
〜将〜
愛里に助けられ
門の裏に逃げ込んだ俺は愛里達と状況確認したあと、2人に指示をして突撃の用意をする。
3.2.1.でうどんげが門から飛び出す。
「見せてあげる私の狂気を!」
そして、すぐに門の裏に戻る。
「これで、相手は私達が見えないはずよ!」
それを合図に俺は門を飛び出し再度ガルータスに向かって走り出す。
それと同時に愛里が門に隠れながら敵兵に向かって狙撃する。
敵兵は何の抵抗も無く頭部を打ちぬかれ敵兵が1人倒れる。
それを合図にしたのかは分からないがハンクがこっちに向かって走ってきた。
その手にはナイフを持っていて真っ直ぐ俺に向かって来ている。
俺は右手のP90をしまって、ナイフを引き抜く。
俺とハンクが格闘できる範囲まで接近した時、右に跳びハンクを回避する。
だが、ハンクは俺を見向きもしないで走っていく。
その方向には愛里が居た。
音を頼りに走っているのか。
俺は、足止めのためにハンクの足に向けてP90を撃つ。
俺の狙い通りにハンクの足を銃弾が貫き、転倒する。
それを確認すると、ナイフを口にくわえ、スペルを使えないようにしている機械に向かってグレネードを投げる。
そのグレネードは機械の上部で爆発して、パラボラアンテナやランプを吹き飛ばすが機械自体は壊れていない。
「この機械になんてことをするんだ!」
ガルータスがそんな事を言っている間にも左手のP90で機械の1箇所を撃ちまくるが傷は付くものの致命的なダメージにはならない。
「無駄だよ。この機械はそんじょそこらの機械とは訳が違う。」
俺は尚もP90を1箇所を集中的に打ち続ける。
すると、機械の弾が当たって居る部分から徐々に煙が出始め、小さな爆発が起こった。
もしかすると・・・。
「[破砲 バスターレイル]」
スペルが発動し銃口からビームが放たれる。
そのビームはいつものバスターレイルよりは弱いものの紛れもないバスターレイルだった。
そのビームが機械のど真ん中を貫く。
機械で発光している様々なランプが消え、バスターレイルが貫いた穴からはバチバチと電気がショートしていた。
「まさか・・・機械が・・・キサマァァァァ!」
その咆哮は怒りと憎しみの篭ったものだった。

155終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/10/12(火) 22:29:33 ID:v4S0Z.t2
「いけぇ!ゾンビ共ぉ!」
そこは自分で突っ込んで来いよ!と心の中で突っ込みつつゾンビに構える。
地面からわらわらとゾンビが這い上がってくる。
残っている敵兵は最初何もせずその場に立ち尽くしていたが今は銃声のする方に無駄弾をばらまいている。
しかし、それはただのゾンビじゃなかった。
それは、背中にC4爆弾、頭にクレイモア地雷がセットされている爆弾ゾンビだった。
全くどうやって設置したんだか・・・。
とりあえず遠方の背を向けている爆弾ゾンビの頭を打ち抜く。
ずると、倒れながらクレイモア地雷が爆発し、次にC4が爆発した。
その爆発による爆風で周りの数体倒れるもクレイモア地雷、C4共に爆発はしなかった。
爆弾ゾンビの性能は分かった。
改めて爆弾ゾンビの進行先を見てみると・・・・人里の入り口、愛里とうどんげが隠れている所だった。
そして、ハンクは頭を抱え、うめき声を上げながら暴れていた。
「ふはははは、いくら姿を見えなくしたからといってこれならどうだ?」
「[地雷 トリックボム]」
とにかく、進入されてはマズイので入り口を塞ぐ形で半円形に地雷を設置する。
入り口は愛里達に任せ、俺は元凶のガルータスをしとめに走る。
俺はナイフを持ち直しガルータスの背後に回り一閃。
「まだ・・・わたし・・・には・・・。」ゾンビの元凶ガルータスは死んだ。
これで、終わったかと思った時、ゾンビ共が叫びだした。
俺は大急ぎで人里の入り口まで戻る。
「将、いったい何したの!?」
「敵の頭ガルータスを殺しただけだ。」
「じゃぁ・・・。」
「ああ、もうゾンビは増えないだろう。」
「やったわね!でも、アレは一体・・・。」
「大方リーダーを失って、暴走しているんだろう。」
「あの、将。」
「うどんげ、どうした?」
「黒い兵士の洗脳が・・・。」
その時、爆発音が辺りに響いた。
誰かが、ゾンビを殺したのだ。
爆発音がした方を向くと誰かが走っている。
だが、ゾンビがジャマでよく見えない。
そいつは敵兵の背後に回りこんで・・・真後ろまで首を捻った。
あの技・・・処刑を使うのは奴しか居ない・・・。
倒れた敵兵の後ろのに立っていたのは、紛れもないハンクだった。

156終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/10/14(木) 23:29:29 ID:v4S0Z.t2
「うどんげ、俺達を相手から見えるように戻すんだ、急げ!」
「え?でも・・・。」
「いいから!急げ!愛里、後方支援は任せたぞ!」
「分かったわ。」
「後方支援ね?まかせて!」
俺は門を飛び出し、敵を倒しながら突き進む。
そのまま、ハンクの横を通過する。
その時俺は何かを感じた。
それと同時にハンクも動き始めた。
俺とハンクは爆発に巻き込まれないように距離を取りながらゾンビの頭を打ち抜いていく。
俺とハンクの間を縫うように愛里の銃弾が通過し、奥のゾンビが爆発する。
そこは俺達の独壇場だった。
全てのゾンビを倒し終わり、俺とハンクは向かい合う。
そして、お互い銃を突きつける。
しばしの静寂が辺りを包む。
「変わらないな、将。」
「お前もな、ハンク。」
お互い銃を下ろし握手を交わす。
「とりあえず、人里に戻るぞ。」
「ああ、分かった。」
そして、俺とハンクは人里に戻っていく。

157終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/10/17(日) 21:21:47 ID:v4S0Z.t2
「久しぶりね、また会えるなんて夢にも思わなかったわ。」
「俺もだ。お前らとまた会えるとはな。」
俺はふと、うどんげを見ると何が起こったかわからないらしくポカーンとしている。
とりあえず、うどんげを呼ぶ。
「うどんげ、こっち来い。」
「・・・・ふぇ?・・・あ、はい。」
「ところで幻想郷とは一体・・・。」
「記憶があるのか?」
「ああ、洗脳されていた時の記憶はある。」
「そうか、とにかく永遠亭に行こう。話しはそれからだ。」
「わかった。」
その後俺達4人は戦場になった場所の後始末をしてから永遠亭へと向かった。
永遠亭に着くと俺の部屋でこの世界のこと、敵の事、俺達の事を全て話した。
「なるほど・・・・。そんなことが・・・。」
「ああ、とにかくだ。これでまた3人で戦えるな。」
「そうね、あんたがどうなるかは分からないけどね。」
「俺の体・・・。本当に同なんだろうな。」
「後で永琳にでも頼んで調べてもらった方がいいかもな。」
「ああ、そうするよ。」
その後、検査の為ハンクを永琳に任せ、その間俺と愛里はうどんげと縁側でお茶を飲んでいた。

158終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/10/20(水) 23:15:27 ID:v4S0Z.t2
「熱い茶が旨いぜ・・・。」
「そうね。そんな季節でもないのに不思議ね。」
「あ、おかわりどうぞ。」
「すまない、うどんげ。」
今はこうして3人でのほほんとしている。
「のほほんとしている所悪いんだけど、彼の検査が終わったわ。来てちょうだい。」
「分かった。」
「了解よ。」
俺たちは、永琳の部屋まで行き言われた椅子に座った。
隣にはハンクも居る。
「で、俺はどういう状態なんだ?」
一番最初に口を開いたのはハンク。
自分の体の事だ、仕方ないだろう。
「はっきり言うわ。今のあなたは泥人形よ。」
「泥人形!?一体どういう事なんだ?」
「まず、あなたの体のことよ。今、あなたの体は、泥で出来ているわ。
 それの証拠に、あなたの体には、内臓はおろか、血液すらないわ。」
「でも、採血の時には・・・。」
「確かにその時は血液だったわ。あの後、泥水に変化したわ。」
「なんて事だ・・・。」
「あと、いつ体が崩れるかは私にも分からないわ。あと数時間後に崩れ始めるか分からないし
 1ヶ月もその体が持つかもしれない、私は専門外だから何とも言えないわ。」
「そうか・・・。」
「ハンク、そう気を落とすな。」
「そうよ、あんたらしくないわよ。」
「・・・そうだな。まだ、すぐに崩れ始めると決まったわけではないんだ。
 それだけで十分な収穫だ。」
それから、愛里は帰り、ハンクはこの永遠亭で生活する事になった。
ハンクは体が泥人形なせいか、食事が不要らしい。
俺たちが食事をしている間は武器の掃除をしている。
それは、3年前に見られなくなった懐かしい光景だった。
ハンクはいつ体が崩れ始めるのかは分からない。
だが、それまでは・・・・俺たちの仲間だ。

159終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/10/21(木) 21:35:30 ID:v4S0Z.t2
とある朝、俺は永琳の部屋に来ていた。
「永琳、スピアが必要なんだが・・・。」
「分かったわ、ちょっと待っててちょうだい。」
そう言って永琳は机を離れ、部屋の置くの方に入っていく。
少しして、スピアの入った、鉄の箱を持ってきた。
「これね?」
「ああ、助かった。」
「それよりこれは一体何なのかしら?」
「これは・・・核だ。」
「核ですって!?」
「ああ、正式には大型バズーカ、「アトミック・バズーカ」で発射する戦術核弾頭だ。」
「あなたがあれほど危険だと言っていた核を、どうしてあなたが・・・・。」
「多分、敵も核弾頭ぐらいはとっくに用意しているだろう。だからだ。」
「だからだって・・・、まあいいわ。あなたに任せるわ。」
「すまない。」
「で、そのアトミック・バズーカっていうのはあるのかしら?」
「ああ、にとりに作成を頼んでおいたんだ。目をキラキラさせながら引き受けてくれたぞ。」
「あの河童らしいわね。」
「さっき、完成したと連絡が入ったから、これから色々と試験運用をしてくる。」
「試験運用って、まさかこれを撃つの?」
「まさか。撃ちはしないさ、せいぜい、これが入るかの確認と機動性の確認程度だ。」
「そう・・・。」
「じゃあ、行ってくる。」
「ええ・・・わかったわ。」
俺はズピアを抱えて永遠亭を出てにとりのラボに向かう。
「来たね。完成してるよ。」
そういうと、にとりは俺をとある格納庫のハッチの前につれて来た。
「開けるよ。」
にとりがハッチの横のボタンを押すとそのハッチが左右に開いてゆく。
そこには、ガンダム試作2号機「サイサリス」が鎮座していた。

160終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/10/23(土) 22:07:50 ID:v4S0Z.t2
だが、そのサイサリスは・・・・小さかった。
それもそのはず俺の体に合わせた強化アーマーを前提に作ってもらったからだ。
「あ、スピア受け取るよ。」
「ああ、これだ。」
俺は持って来ていた、スピアを渡す。
にとりはスピアを機体の横の金庫にスピアをしまい、機体の横に立つ。
「とにかく、装着してみて。説明は後からするからさ。」
「ああ、分かった。」
にとりは機体から離れ壁のボタンを押すと、天井からアームが下りてきて、機体前面の外され
腕部と頭部が切り離される。
「さぁ、入って。あ、腕の部分は自分で引き寄せてね。」
「分かった。」
俺は、脚部に足を入れ切り離された腕部を掴んで引き寄せ、腕を通すと連結部から音がして腕部が連結された。
「頭動かさないでね。」
そういってにとりはもう一度ボタンを押すと頭部が下りてきて頭に被さり前面装甲がはめられる。
ガチンという連結音と共に期待が完全連結されると、真っ暗だった頭部の中は正面のモニターが点等し、機体が起動し始める。
そしてモニタから外の映像が見えるようになると、バッシャーという排気音が聞こえてくる。
この機体・・・スピーカも搭載されているのか。
「どう?私の声聞こえる?」
「ああ、聞こえるぞ」
「よし、まずは順調だね。」
普通にしゃべっただけだが、外に声が届いている・・・。マイクも付いているのか。
「まず、頭部の中の機器の説明からするよ。」
そうして、長い内部機器の説明のあと移動訓練を経てようやく機動性の試験ができるようになった。
「よし、大体分かったぞ。」
「なら、本番の試験だね。」
「ああ、そうなるな。」
「とりあえず、最初に居た格納庫に戻って。カタパルトまで移動させるから。」
「分かった。」
俺は格納庫に戻ると先ほどにはなかった物があった。
「格納庫の中に機体ハンガーがあるから、その真下に移動して。」
俺は指示どうり、ハンガーの下まで移動すると、上にあったアームが下りてきて、肩が固定されてハンガーに吊り下げられる。
そのままハンガーは移動して、ラボの一角でとまり、その両サイドの床から壁がせり上がってくる。
正面の壁と床が開き長いカタパルトが姿を現した。

161終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/10/27(水) 22:28:09 ID:v4S0Z.t2
ハンガーのアームが下りて固定が解除される。
そのアームが上がりながらハンガーが少し後退する。
すると足元から足を固定する為の装置がせり上がって来たので、
その上に足を置くと自動で足が固定される。
<上のランプが青になったら発進してOKだよ。>
<了解。>
俺はブースターを展開して待機する。
音と共にランプが点灯する。
赤・・赤・・赤・・青だ。
<ナイト1、サイサリス出撃する!>
そういうと同時にブースターを最大出力で噴かす。
体にGがかかる。
その感覚はまるで戦闘機に乗っているかのようだ。
そして、俺は空へ上がった。

〜〜愛里〜〜
「ふぅ、終わりっと。」
「いつも、悪いな。これが、報酬だ。」
「しっかり受け取ったわ。」
「また頼むよ。」
そう言ってその男達は人里の中へ消えていった。
私は、さっきまで永遠亭へ治療に行く一行の護衛を請け負っていた。
その報酬が・・・・。
「今日はりんごか・・・後で慧音の所に行って食べようかしら。」
そういいながら、私も人里に入っていく。
やはり、いつもどうり人里は賑わっているわね。
ん?あの後ろ姿・・・・。
「慧音。」
「ん?ああ、愛里か。どうしたんだ?」
「依頼が終わったから報酬のこのりんごを一緒に食べようと思ってるのよ。」
「そうか、私も家庭訪問が終わって一息入れようと思っていた所なんだ。」
「ジャストタイミングってわけね。」
そういいながら私達は慧音の家に向かっていると、なにやら周りの様子がおかしい。
「おい、あれは何だ!?」
「悪魔だ!伝説の悪魔だ!」
など、空を見て叫んでいる。
「おい、愛里!あれを見ろ!」
慧音が指差したその先には・・・。
「なによ、あれ・・・。」
そこには光の尾を引く、白い物体が空を飛んでいた。

162終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/10/30(土) 21:16:34 ID:v4S0Z.t2
私はM21のスコープでその飛行物体を見るとそれはにとりが作っていた
GP-02サイサリスだった。
私はM21を下ろしてそのことを慧音に告げる。
「慧音、アレは悪魔なんかじゃないわ。」
「どういうことだ?」
「あれは、にとりが作っていた新型の発明よ。少なくとも敵ではないわ。」
「なんだ、そうだったのか。」
「伝説の悪魔・・・何処かの文献で読んだことがあるわ。」
「うお!?阿求、居たのか。」
「いきなり出てきたわね。」
このいきなり現れた少女は和服の少女稗田阿求(ひえだ の あきゅう)。
幻想郷縁起とかいう本を編集している。
「読んだってどういう事なの?」
「どこかの文献というか書物を読んでいる時に読んだ記憶があります。
 たしか・・・「その白き悪魔は心正しき者が生み出せばその土地を守る堅牢な盾となり
 心悪しき者が生み出せばその土地を焼き払う厄災になるであろう」と書いてあったはずです。」
「ふむ、ではあれは・・・。」
「アレはにとりが将専用に開発していた物だから心正しき者でしょ?」
「将のものか、なら安心だな。」
「そうね。さぁ、早くりんご食べましょう。」
「そうだな、阿求もどうだ?」
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
こうして、3人でりんごを食べる為慧音の家に向かって歩き出す。
将、あなたがあの機体を動かすなら核も持っているはず。
なら、その力でこの幻想郷を守ってちょうだいね。
そう心で呟きながら、慧音の家に行くのだった。

163終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/11/06(土) 21:36:58 ID:zC1G659A
〜〜将〜〜
俺がGP-02を装備して幻想郷上空を飛行していると、通信が入ってきた。
相手は・・・にとりか。
<こちらにとり聞こえる?>
<ああ、聞こえるぞ。どうした?>
<そのまま、魔法の森まで行ってもらえないかな?知り合いからの連絡で白狼天狗が魔法の森に
 使いに行ったきり帰ってこないんだって。>
<天狗・・・文か。>
<よく分かったね。まぁ、頼むよ。>
<しかたない、引き受けよう。>
あとで新聞に変な事書かれたらたまったもんじゃないからな。
<ありがとう。頼んだよ。>
そこで通信は切られた。
魔法の森か・・・・。
しまった、特徴聞くの忘れた・・・。
まぁ、魔法の森に居る奴なんてそう居ないから多分分かるだろう。
そんな事を考えながら魔法の森に着いた。
とにかく魔法の森に入らないことにはなにも始らない。
俺は歩いて魔法の森に入っていく。
さすがに歩行速度は遅いらしい。
日が暮れそうなのでブースターを少し噴かしてホバー移動する。
捜索を始めて30分・・・・。
さすがにこんなに簡単には見つからないか・・・ん?
一瞬、金属がぶつかり合う音が聞こえたが・・・・・。
集音装置の感度を上げてみる。
すると・・・確かにガキィン、ガキィンと金属がぶつかり合う音が聞こえてくる。
もしやと思い俺はブースターの出力を全開にして急いで向かう。
音か近くなって来るにつれて金属音は大きくなっていく。
すると、目の前に巨大な大木が現れたので右に回避すると、
その裏側には大きな剣と盾を持った傷だらけの少女が片膝を付いていた。
その周りにはナイフや剣を持った無数の妖怪が少女を取り囲むように立っていた。
俺はブースターを止め、足でブレーキをかけて止まる。
「ん?おい、なんだあいつは!?」
どうやら俺に気づいたようだ。
「その少女を放してもらおうか?」
「ああ?お前こいつの仲間か?」
「そんな奴は・・・知りません。」
「んなことはどうでもいい、見られたからには生きては返さねぇぜ!」
1体の妖怪が剣を振りかぶって襲ってくる。
しかし、所詮は生身の妖怪、盾を振りかぶって殴りつけると、あっさりと吹き飛び巨大な大木に背中を
打ちつけ倒れてしまった。
「もう1度言う、その少女を放してもらおうか?」
「ひ、ひるむな!全員で行けばお前なんて簡単だぞ!」
その足はガクガクと震えている。
「足が震えているぞ。」
「うるせぇ!お前ら行くぞ!」
「やめろ・・・そいつは無関係だ・・・。」
少女の話もきかず妖怪は全員武器を構え俺に向かって走ってきた。

164終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/11/14(日) 23:01:52 ID:zC1G659A
武器を構えたところでこの装甲を壊す事は出来ないはずだ、ただ始末すればいいだけだ。
俺は腰からビームサーベルを引き抜くと、先ほどと同じ要領で正面の妖怪を弾き飛ばして
その隣の妖怪を武器ごと斬り伏せる。
さすがにミノフスキー粒子はなかったので荷電粒子を放出して発生した磁界フィールドが
なんちゃらかんちゃらしてビームの周囲の高熱の空間が目標を破壊するというものになった。
要するにターゲットを焼き切るのだ。
そういうことで、その妖怪は武器ごと真っ二つになった。
体の各所でガキィンと音がする。
「武器が・・・効かない・・・・!?」
「おい、1人やられたぞ!」
「お前らひるむなぁ!」
ガンガンと何度も叩いてもその装甲はびくともしない。
さすがはにとりだ、いい仕事をする。
俺は腕を上半身をひねって周りに居た妖怪を振り払い、妖怪達の正面を向くと、
頭部バルカン砲が炎を噴いて鉛球を撃ち出してゆく。
撃ち出された鉛球は妖怪達の体を蜂の巣に変えてゆく。
鉛球の発射が止まれば立っている妖怪は居ない。
だが・・・正面に居たリーダー格の妖怪だけまだ息があるようだ。
「ひぃ・・・命だけは・・・。」
俺はどんな奴が相手でも一切容赦しない。
ビームサーベルを逆手に持ち替え相手に言い放つ。
「さらばだ。」
そしてその妖怪の心臓を突き刺す。
「ひどい・・・。」
その呟き声後ろから聞こえた。
振り向くと先ほどの少女が立ってあたりを見回していた。
俺はビームサーベルをしまって、少女に近づいていく。
「怪我はないか?」
「ええ、怪我はありません。でも、なぜ私を?」
「通りかかったけだ。それより、白狼天狗を知らないか?魔法の森に使いに行ったらしいのだが・・・。」
「それ、私の事です。」
早速ご本人登場か・・・案外あっさり見つかったな。
「聞き込みの手間が省けた。にとり経由の文からの依頼でお前を探しに来た。」
「そうですか。わざわざありがとうございます。では、私はこのまま帰らせてもらいます。」
「俺が護衛しよう。」
「いえ、後は1人で帰れますので。」
「そうか。こちらから連絡を入れておこう。」
「分かりました。ではこれで。」
そう言って白狼天狗は走り去って行った。
<こちらナイト1、にとり応答願う。>
<はいはい、どうかしたの?>
<ターゲットを発見した。先ほど帰っていくのを確認した。>
<あ、分かったよ。じゃあ、そろそろ帰ってきて。>
<分かった。>
そうして俺はにとりのラボへ帰っていった。
その後、試験も終わり、にとりにあった事を報告して永遠亭に帰っていった。
そのころ白狼天狗はこっぴどく叱られた上、いろいろされたらしい。

165終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/11/20(土) 22:40:45 ID:zC1G659A
とある日の夜、夕食を終え俺は居間で愛里とハンクの定期検査が終わるのを待っていた。
しばらくすると永琳とハンクが戻ってきて検査の結果が聞かされた。
特に気になる点は無かったのでさらっと聞き流しておく。
「はぁい、ごきげんよう。」
「あら紫、珍しいわね。」
「今日は、そこの3人に話があってきたの。」
「俺達に?何だ?」
俺達に話しなんてめずらしいな。いつもは俺一人に無理やり頼みを押し付けて帰っていくのに・・・。
「そう焦らないで。まず、あなた達の所属していた軍の名前はなにかしら?」
「ガルドミラ軍よ。でもそれがどうしたの?」
「そのガルドミラ軍の第一陸戦大隊01中隊が今危険な状態よ。いうなれば、背水の陣ね。」
俺はその言葉に声を荒げる。
だが、先日まで所属していたような部隊だ、仕方ない。
「なんだと!」
「そこで質問よ。今から準備して助けに行くか、明日の朝に行くか、行かないか。三択よ。」
俺は愛里とハンクに目配せをする。
2人とも頷いてくれたので俺が代表して紫に言う。
「今すぐに決まっている。」
「善は急げ、用意をしてちょうだい。」
俺は紫に戦闘機で出撃する旨を伝えスキマで格納庫に飛ばしてもらう。
愛里はハンクと一緒ににとりのラボで武器の補充を起こってから向こうに行くらしい。
俺は急いでパイロットスーツに着替えきっちり整備されたX-02 Wyvern(ワイバーン)に乗り込む。
<こちらナイト1にとり聞こえるか?>
<聞こえるよ。カタパルトが完成したからそっちに誘導するよ。誘導灯にそっていどうして。>
<了解した。>
すると床のランプが点灯してゆき道案内するかのように線を描いていった。
線に沿って前進すると正面に緑で○がてんとうしている。
そのまま前進すると、○が×に変った。
どうやら停止を意味意味しているらしいので俺は機体を停止させる。
ガコンという音と共に機体が上昇していく。
そして目の前に広がった光景は夜の幻想郷と空にパックリと口を開いている巨大なスキマだった。
すると、誰かが誘導灯を振って前進の指示をしているので機体を前進させると停止の指示がされたので機体を停止させる。
<カタパルト接続完了、発進いいよ。>
<ナイト1発進する。>
そして俺は、空へ上がった。

166終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/11/28(日) 00:23:22 ID:zC1G659A
カタパルトから発進した俺は空で旋回してからスキマに入ることにした。
毎回使っている滑走路のから大型空母の甲板程度の大きさの蒸気式カタパルトが大地から競りあがっている。
今頃愛里とハンクは装備を整えて大気しているだろう。
あいつらを空から支援するためにも俺が頑張らないとな。
俺は無線を切っていることを確認して愛機に語りかける。
「久々の戦闘だ下の奴を守るためにも頑張ろうぜ。」
俺の愛機はまるで返事をするかのように一瞬速度が上がった。
そして、スキマに突入した。
そして目にした光景は・・・燃え盛る大地と赤く染まった夜空だった。
俺は友軍信号を出してから無線の周波数をあわせ友軍に連絡を入れる。
<こちらADF-01パイロットゴーストだ。ホークアイ応答願う。>
<こちらホークアイ、まさか・・・本当にゴーストなのか?>
久々に聞いた、この渋い声。指揮官のホークアイは未だに健在か。
<ああ、正真正銘本物だ。>
<奴らの言っていた事は本当だったか・・・。>
<ゆっくり話している余裕は無いんだろ?必要なものを全部送ってくれ。>
<分かった。ところで奴らの話しからしてヴァルキリーも居ると聞いたが?>
<データを受信した。今頃あいつは下で敵さんの頭に風穴開けてるところだろうよ。>
<そうか。レーダを見てもらったら分かるだろうが、敵の数が多い。作戦内容はいたってシンプルだ。
「敵を全滅しろ」だ、そうだ。>
<へいへい、了解したよ。>
<なお、今回はナイト隊全機とスカイハンター隊が任務にあたっている。ゴースト・・・頼んだぞ。>
<・・・了解!>
俺はレーダーを見ながら友軍が交戦している空域へ向かう。
途中、地上からSAM(地対空ミサイル)にロックされたが、この機体の操縦桿のサイドスティックを引き上昇し反転、
そのまま敵のSAMの発射機をロックしてAAM(空対空ミサイル)を撃ち友軍の元へ急いだ。
正面にゆっくりと友軍が戦っている空域が見えてきた。
無数の戦闘機が飛び交いかなりの混戦状態のようだ。
黒い戦闘機群とあれは・・・F-15とF-22の混在部隊だろうと思しき敵部隊が交戦中か。
俺は無線で友軍戦闘機部隊と通信をする。
<こちら、ゴースト。全友軍機、聞こえるか?>

167終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/12/04(土) 22:57:48 ID:tnUqxAwM
<重役出勤だぜ!>
<とうとうこちらまで増援に来ていただけましたか。>
<遅いやないか、はよう敵さんの追い返すの手伝ってくれや。>
<・・・・・来たか。>
旧ナイト隊の仲間達からあいつ等らしい返事が帰ってくる。
その返事を聞いているとナイト隊時代を思い出す。
こいつらとまたこちら側で戦う事になるとはな。
<あなたがゴーストですね?私はナイト1のアンバーです。よろしくお願いします。>
<あんたが今の隊長か。よろしく頼む。さて、そろそろ敵さんの始末を始めるか。>
俺はスロットルを押し込み加速しながら先頭空域の中に飛び込んでいく。
すると俺の真正面を飛んでいる敵機体が居たのでミサイルを発射する。
ミサイルに気づいた敵機体は右に旋回したので敵の進路を予測してもう一発ミサイルを発射する。
一発目のミサイルは避け切れたのもの二発目は避け切れなかったらしく、
ミサイルは至近距離で爆発、その破片が敵機体のエンジンをずたずたに引き裂いて行く。
その様子を尻目に、俺は次の敵をを探す。
<チッ、後ろに引っ付いている奴がしつこい!誰か支援頼む。>
俺は反転してガウスの機体を探す。
ガウスのXR-45はすぐに見つかった。
その後ろには1機のF/A-18が追いかけるように飛んでいる。
俺は、その斜め上から飛び込んで機関砲を放つ。
その弾は敵機のコックピットのキャノピーの中を真っ赤に染め、
操縦者を失ったF/A-18はそのまま真っ直ぐ飛んでいった。
<ホークアイから各機、西からA-10が接近中だ。そっちを優先的に攻撃してくれ。>
<こちらゴースト俺が向かおう。>
俺はレーダーを切り替えながら機体の向きを変え西へ向かう。
確かに西から接近してくる機体がレーダーに表示されている。
地上は市街地、どうやら中心で篭城している地上部隊を始末するつもりらしい。
レーダーを見ながら進んでいるとゆっくりと敵のA-10が見えてきた。
ひし形の4機編成か。
まず、一番右側を飛行するA-10に向けてミサイルを二発放ち、戦略レーザーの砲口を開く。
敵機は慌てて散開するも、一番右の機体は爆発したミサイル破片が左側のエンジンをもぎ取って行き
もう一発は機首をずたずたにしていた。
よく見るとパイロットは脱出したらしく、パラシュートが開いている。
次は、散開した奴らの掃除だ。
レーダーを見て一番近い機体を選びその方向に旋回する。

168終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/12/11(土) 22:36:24 ID:tnUqxAwM
俺は旋回しながら戦略レーザーの砲口から真っ赤なレーザーを放つ。
そのレーザーは全てを破壊するが如く、レーザーを横切ったA-10が爆散していく。
敵は対地性能では無類の強さを誇るが、対空性能はこちらのほうが遥かに上、相手が悪かったようだな。
そしてスロットルをMAXに叩き込んで一気に加速、ミサイルを使い素早く1機撃墜して、最後のA-10をしとめにかかる。
しかし、最後の1機はいつの間にか俺の後ろについていた。
いつのまに取り着かれたのだろうか、スロットルは今MAXではないがA-10でこの機体の後ろを取るなんて、
俺が不注意だったか敵の動きがいいのかのどっちかだ。
だが、このままではまずいので機首を上げながらスロットルを押し込み、加速しながら上昇。
そして、スロットルを一気に引きこみエアブレーキをかける。
機体は機体後部を上向きにスライドさせつつも機首から仰向けに倒れこみ、締めに向かって落ちていく。
その状態のままスロットルを再びMAXに叩き込んで、ヘッド・トゥ・ヘッドで決着をつけよう。
敵のA-10はこっちに向けて真っ直ぐ上昇してきている途中。
俺のADF-01と敵のA-10の距離が徐々に狭まってくる。
敵が射程内に入った。
機関砲を一気に掃射し、機体を傾ける。
先ほどまで俺がとんでいた所をA-10のガトリングの弾が通過する。
そのA-10はコックピットが赤く染まり、エンジンから火を噴きながら上昇していった。
片方のエンジンから火を噴きながらも飛行するタフさには恐ろしいものを覚える。
<ゴーストからホークアイ、敵A-10の排除を完了した。>
<こちらホークアイ、レーダーのからの消失を確認した、すぐに元の空域に戻ってくれ。>
<了解。>
元の空域に向けて進路をとり、レーダーを確認する。
俺が向かう前より敵の数は確実に減っている、向こうに戻ったら最後の仕上げにかかるか。

169終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/12/19(日) 21:23:12 ID:tnUqxAwM
ゆっくりと敵と味方が入り乱れる空域がみえてきた。
ジジジジという目障りなノイズがコックピット中に響き渡る。
どうやらロックされたらしい。
機体の機首を上げそのまま1回転して右に旋回する。
すると、正面を敵機が通過したので、旋回しながら相手を追いかけミサイルを放ち敵を振り切る続きに戻る。
先ほどロックミサイルを放った敵機が旋回して振り切ろうとするもミサイルはしつこく後をつけていく。
どうやらここは友軍が地上から電子支援をしてくれているらしく、ミサイルも電子支援のおかげで
相手をしつこく追いかけるようになっている。
程なくして、後方で爆発音。
レーダーから敵機をあらわす赤い点が一つ消えた。
それは先ほどの敵機が撃墜された証拠だ。
俺は1時的にスロットルをMAXに叩き込んで、一気に加速してそのまま左に旋回する。
すると、コックピット内に響くノイズが消えた。
敵が追尾するのを諦めたらしい。
レーダーを確認すると、俺の機体の後方にあった敵のマークが別方向に移動していく。
どうやらこいつが俺を追っかけていたらしい。
スロットルを引きエアブレーキをかけて急旋回、反撃に向かう。
それから1時間ぐらいたった。
空域の敵戦闘機を全て撃墜をし、空中で再編成を行っている。
地上も空からの攻撃がなくなった分有利になり快進撃の末、敵をほぼ一掃し終える事に成功していた。
<全機に告ぐ、地上の敵勢勢力をほぼ一掃する事が出来た。後は地上の部隊に任せていいだろう。>
その通信を確認した俺は再編成している空域を離脱し、帰還ルートに入る。
<ゴースト、どこに行くつもりだ?>
<撤収に決まってる。>
<撤収だと・・・・何だアレは!?>
空に巨大なスキマがバックリと口を開く。
<じゃぁな、戦えて楽しかったぜ。>
俺はスキマの中に突入し、幻想郷に戻ってくきた。

170終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/12/24(金) 22:19:53 ID:tnUqxAwM
〜〜クリスマス特別編 前編〜〜

このお話しは今の将たちにとってはまだ先のお話・・・。
12月24日外の世界ではクリスマスだ。
俺は外の世界に買出しに行ってから守矢神社の宴会に参加する予定だ。
早苗曰く宴会と言う名のクリスマスパーティーという事らしい。
早苗はプレゼントは必要ないと言っているが、俺の事を気遣って言ってくれているのだろう。
それに、今日の宴会の準備で自分のプレゼントなんてすっかり忘れているだろう。
守矢神社よく世話になっている事もあるから酒の1つでも持っていかないと申し訳ないので、
その酒を買うついでに早苗と・・・フランにもプレゼントを買っていってやろう。
紫の屋敷に向かう途中で愛里と合流して2人で外の世界に向かう。
外の世界に着くとプレゼントは愛里に任せ、俺は酒を買いにリカマンに向かう。
奮発して大吟醸酒を2本、吟醸酒とワイン、シャンパンを1本ずつ買って合流場所に向かっていた。
通りを歩いていると無数のカップルが横を通り過ぎてゆく・・・リア充爆ぜろ。
「「将よ。」」
「黒騎士、どうかしたか?」
黒騎士が声をかけてきたので、頭の中で返事を返す。
「「こちらのクリスマスを見ていると、私が知っているクリスマスと違う気がするのだが、こちらのクリスマスはどういうものだ?」」
どういうものだと聞かれてもなぁ・・・。
俺は悩みながら答えを返す。
「今のクリスマスは家族で過ごすというよりは、恋人同士で過ごすという事が多くなっているかな。」
「「ふむ、私が知っているのは後者だな。」」
「その土地の文化と時代の移り変わりによって変るもんさ。」
「「そういうものか・・・。」」
その後、愛里と合流して元の世界に戻る。
クリスマスなので紫に吟醸酒を渡してから、愛里に酒を渡す代わりに
フランのプレゼントを預かり、俺は紅魔館に向かった。
紅魔館の門の前に到着したのでちらりと美鈴を見る。
相変わらず門にもたれかかって爆睡してやがる。
門に手をかけ、中に入ろうとすると。
「何かご用でしょうか?」
「ああ、こいつをフランに。」
愛里から預かっていた(と言っても出資元は俺なんだが)を渡す。
「これは?」
「フランに俺と愛里からのクリスマスプレゼントだ。後、そこで爆睡してる門番にこいつを。」
俺は外の世界にいる時に合流場所に向かってる時に買ったミニ湯たんぽを渡しながら使い方を説明する。
「ご用件は以上でしょうか?」
「ああ、それだけだ。じゃぁな。」
用件が済めばすぐに紅魔館を後にして守矢神社に急いだ。

171終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2010/12/25(土) 22:58:31 ID:tnUqxAwM
〜〜クリスマス特別編 後編〜〜

「すまん、遅れた。」
まだ夕方にもかかわらず大勢の妖怪があつまっていた。
「遅かったじゃないか、酒はしっかり飲ませてもらってるよ。」
大きな杯を手に神奈子が声をかけてきた。
その横には無残にも空になった大吟醸酒の瓶が1本転がっており、もう1本は見当たらない。
「あ、将さんいらっしゃいませ。」
奥から早苗がとっくりを乗せたお盆を持ってこちらに来ていた。
よく見ると奥で愛里が天狗共の酒を飲んでいる。
「あ、お酒ありがとうございます。助かりました。」
「いや、ここには世話になってるからな。当然だ。」
腰を下ろすと早苗が杯を渡してくれたので、受け取ると酒を注いでくれた。
「すまねぇな。」
「いえいえ。」
そういって早苗は奥の方に消えていった。
「そういや神奈子様よぉ、アレは愛里から受け取ってくれたか?」
「ああ、早苗のプレゼントだろ?早苗が寝静まってから見つからないように置いておくよ。
 そんな事より今日は宴会、飲め飲め!」
「年中宴会だろうが。まぁ、飲むか!」
そうして日は沈んでゆく。
俺は外にでた。
外は寒く空を見上げれば一面雲に覆われていた。
クリスマスか・・・こうやって過ごすのは何年ぶりだろうか?
今までクリスマスなんて基地や空母の食堂でひっそりとやってたり
戦闘があって何もせず終わった年もあったな。
それも、今となっては懐かしい思い出だな。
「どうされたんですか?」
後ろから声がした。
振り返れは早苗が立っていた。
「外に出て行く姿が見えたので来ちゃいました。」
そういいながら俺の隣まで歩いてくると同じように空を見上げた。
「雲・・・ですね。」
「そうだな。」
「こんなところで何してたんですか?」
「なに、思い出にふけっていただけさ。」
「思い出・・・ですか。」
なおも空を見上げ続けていると白い粒が降って来ていた。
「わぁ・・・雪ですよ!」
「ホワイトクリスマスってか。」
「将さん。」
「ん?」
「私は将さんのこと怖いとは思いません。たとえ、人里に住む人間から悪魔と恐れられようとも
 何かを守るために戦い続ける姿、立派だと思います。だから・・・だから、忘れないでください。
 何かを拒絶する人も居れば、それを受け止める人も居るという事を。」
「そうか、・・・ありがとよ。」
そうして夜は深けていく。
今はこうして酒を飲み騒いでいる戦士達でもこれからまた戦い続ける事になるだろう。
だが、今日は・・・今日だけは・・・・戦士達にもささやかな休息が与えられたのだろう

〜〜クリスマス特別編 END〜〜

172終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/01/01(土) 21:17:44 ID:tnUqxAwM
〜〜新年特別編〜〜

うp主「新年明けましておめでとうございます。うp主の黒騎士です。」
将「新年明けましておめでとうございます。闇影 将だ。」
愛里「新年明けましておめでとうございます。南・F・愛里よ。」
うp主「この度は東方魔弾撃をお読みいただいて誠にありがとうございます。」
将「我々一同今年もしっかりと幻想郷を守りたいと思っております。」
愛里「うp主の場合はこの小説をしっかりと更新していきたいでしょうけど。」
うp主「おい、人のセリフをとるな!」
愛里「いいじゃないのよ、減るもんじゃないし。」
うp主「俺の発言数が減るわ!」
将「えー後ろで乱闘が起きそうなのはさておき、これからも東方魔弾撃をよろしくお願いいたします。
  まだまだ、文書の能力が未熟なうp主ではありますが、生暖かい目で見守ってやってください。」
うp主「こら!聞こえてるぞ!」
愛里「思い起こせば去年2月の半ば、「過去より未来を大切にするみんなの板」でうp主の手によって将と私が誕生いたしました。」
うp主「いつの間に!?オホン、そして荒らし騒動があり、こちらの「【音楽動画ダウンロード掲示板/-PC vs PSP-】」に移転したのが
    スレ立て日の3/2でございます。」
天子「ちょーっと待ちなさい!この特別編は比那名居 天子(ひなない てんし)が乗っ取らせてもらうわ!」
将「それから9ヶ月、こうして新年を迎える事が出来ました。これも読者の皆様が居られるからでございます。」
天子「ちょっ・・・無視!?」
うp主「読者の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。」
衣玖「新年明けましておめでとうございます。永江 衣玖(ながえ いく)です。」
うp主「これは衣玖さん、あけましておめでとうございます。」
衣玖「新年早々総領娘様がご迷惑おかけいたしました。」
愛里「別に気にしてないわよ。」
天子「これは放置プレイね!ハァハァ・・・。」
うp主「勝手にハァハァしてるどこぞの天人は放置しまして、これで特別編を締めさせていただきます。」
一同『それからも東方魔弾撃よろしくお願いいたします!』


黒騎士・黒獣『私(俺)たちは!?』

〜〜正月特別編 END〜〜

173終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/01/09(日) 21:45:50 ID:tnUqxAwM
〜〜愛里〜〜
私は装備を整えてハンクと共にスキマを通って私達の世界に戻ってきた。
そこは平穏な街の裏路地ではない。
そう、戦場と化した街の裏路地、本来私達が居るべき場所だ。
紫の情報によれば、もうここは敵の包囲網のど真ん中。
紫から渡された地図を見ても1kmは移動しなければならない。
「ハンク、頼りにしてるわよ。」
「任せろ。」
そうして、私達は裏路地から大通りへ飛び出した。
しかし、予想に反して人影は見当たらない。
「どういうことだ・・・?」
尚も味方の居る場所を目指して進んでいると足音が聞こえてきた。
私達は建物の影に身を隠して、足音の正体が姿を見せるのを待つ。
ざっ・・・ざっ・・・ざっ・・・。
歩いてきたのは1人の兵士。
多分哨戒兵だろうか。
「確認するわ。」
狙撃銃のスコープで相手をじっくりと見る。
よく見ると腕にワッペンを見つけることができた。
そのワッペンは・・・・ガルドミラのワッペンではなかった。
スコープから目を離しあたりを確認する。
あいつ一人のようね・・・。
「ハンク、あいつ拘束するわよ。」
「分かった。」
私は狙撃銃を構え相手の銃に向けて発砲する。
それと同時にハンクが走り出した。
そして、相手が気づき、銃構えようとした所で私の打った弾によって銃が弾かれ、
ハンクに押し倒され拘束された。
私は近寄っていき、相手の頭に狙撃銃を突きつける。
「さぁ、色々としゃべってもらうわよ。」

174終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/01/15(土) 21:37:50 ID:tnUqxAwM
相手が震えている。
拘束されてビビッて居るのかしら?
私は銃を突きつけたまま質問をする。
「所属軍を答えなさい。」
「よ・・傭兵部隊ローンゲイルだ。」
声が震えている。
完全にビビッテているようね。
でも傭兵部隊が何でこんな所に・・・。
「どこに雇われたの?」
「ガ・・・ガルドミラ軍の要請でガルドミラの援護に来た。」
援護?そんな話しは聞いてないわね。
ハンクはどう思っているのかしら?
「ハンク、どう思う?」
「こいつは完全に震え上がっている。まともな嘘もつけまい。
 信用して大丈夫だろう。」
ハンクがそういうなら大丈夫でしょう。
銃を下ろすと、ハンクも拘束を開放した。
相手は何が起こったか分からないらしく目をパチクリさせている。
「ごめんなさいね、私達もガルドミラの援軍なのよ。」
「だが、お前達ローンゲイルが加勢しているという情報は聞かされていなかったんだ。」
相手が立ち上がりパンパンと服を叩いている。
「そういう事だったのか、俺はローンゲイルのアルバートだ。」
「私は南・F・愛里よ。大概はヴァルキリーで通っているわ。」
「俺はハンクだ。」
簡単な自己紹介が終わった所で本題に入りましょうか。
早く基地に行かないと、状況がまるで分からないわ。
「ガルドミラの基地があるのはどこかしら?」
アルバートは地図をだて私達に見えるようにして大きい青い輪の中央を指差した。
「この青線が今の最前線、この輪の中心が基地だ。そして現在地がこのあたりだ。」
指されたのはちょうど輪の中心と内側の間ぐらいの所。
「ありがとう助かったわ。私達はこれから基地に向かうわ。」
「分かった。多分敵兵は居ないと思うが気をつけてくれ。」
「あんたも、死なないように気をつけなさいね。」
そういって私達は走り出した。
基地を目指して全速力で。

175終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/01/24(月) 22:39:54 ID:9FLp3hEo
〜前線基地にて〜
ガルドミラ軍アルティア基地。
そのその外壁は頑丈な造りになっているも今はひび割れや弾痕がのこる。
その会話は中央司令室で行われていた。
「大佐!ローンゲイルの援護によりAブロックの奪還に成功しました!」
友軍からの無線を通信士が声を上げる。
「よし、そのままBブロックも奪還せよ。」
その部屋の中央に立つ一人にの男が命令を下す。
「了解!」
通信士が兵士に向かって通信を飛ばす。
「くそっこんな時にあいつ等が居てくれれば・・・。」
その時。
「お呼びかしら?」
開け放たれた扉の向こうに、金髪の女性とガスマスクをした兵士が立っていた。

〜愛里〜
私はタイミングを見計らって扉を開けた。
「お呼びかしら?」
中に居た兵士達は皆最初はキョトンとしていたが、
その表情は一変、驚きに変った。
「ヴァルキリー!?お前、生きてたのか!?」
「人を勝手に殺すんじゃないわよ、全く・・・。」
勝手に死亡扱いにされてるなんて・・・たまったものじゃないわ。
「で、後ろのお前は・・・?」
「ほう、この声・・・忘れたとは言わせんぞ、大佐殿。」
中央に立っている男・・・大佐の顔が驚きと驚愕の混じったような顔になっていく。
「嘘・・・だろ?貴様は死んだはず!」
「ならここに居る俺は何か?死体か、幽霊とでも言いたいのか?」
あんた実際死んでるでしょうがと突っ込みたいわね。
「くっ・・・。」
「早速だけど、前線に出るわ。無線とか支給してもらえないかしら?」
「分かった。」
物分りのいい大佐で助かるわ。
どこぞの石頭指令と比べれば大分マシね。
でも、これで前線に出撃できるわ。
一刻も早く前線の奴らを援護に行かないと・・・。

176終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/01/30(日) 23:13:28 ID:9FLp3hEo
〜将〜
そこは迷いの竹林の奥深く。
俺と愛里は今、1基の墓の前に立っている。
結論から言おう。
戦いには勝ったが、俺達は大切な仲間を失ってしまった。
そう、ハンクは死んだのだ。
あれは、2人と合流して永遠亭戻ってきた時のことだった。
〜回想〜
「おう、2人とも下はどうだった?」
「みんな、元気だったわよ。」
俺が永遠亭の玄関に手をかけると戸が勝手に動いて。
「あ、お帰りなさい!」
扉の先でうどんげが元気良く出迎ええてくれた。
俺達はそのまま家に上がってくつろぐ・・・はずだった。
俺が靴を脱ごうとした時、ドサッという音がした。
振り返ってみればハンクが膝を付いており、ガスマスクごしで表情は分からないが、
胸の辺りを鷲掴みしていて、苦しそうだ。
「うどんげ!永琳呼んで来い!」
「は、はい!」
ドタドダとうどんげが駆けて行く中俺はハンクの元に寄り添う。
「大丈夫か!?」
「将、なんかやばそうよ?」
ガスマスク越しで聞き取り辛いが少しづつではあるが呼吸が荒くなっている。
愛里の言う通り、相当やばそうだ。
「同状況なの?」
横から永琳の声、来てくれたか。
「さっき、入ってきたら急に・・・・・もしかしたら、アレが?」
「どういうことなの?」
「向こうで、1回なんだけど私達と大怪我した仲間が敵に囲まれたのよ。
 その時・・・大量の銃弾うけながら敵を殲滅してくれたのよ。」
「なんにせよ、2人で処置室に運んでちょうだい。出来る限りやってみるわ。」
俺と愛里でハンクを処置室に運び込んで1時間が経とうとしていた。
処置室が開き、俺達は中に通された。
そこには処置室の治療台の上で横たわるハンクの姿。
俺は永琳の方を見ると永琳は横に首を振った。
クソッ・・・永琳であっても無理だったか・・・。
「将・・・愛里・・・。」
寝かされているハンクの声。
もう限界なのか、その声はかすれて聞き取り辛い。
「ハンク、しゃべらないで!これ以上しゃべったら。」
それを遮るようにハンクが話しはじめた。
「いや・・・もう無理だ・・・。」
「そんなこと言わないで!もう少し頑張れば・・・。」
「自分の・・・体は・自分・・が良く分かって・・・居る。」
俺は愛里の肩に手を置き、首を横に振る。
「でも・・・!」
「いいんだ・・・。将・・愛里・・・お前達と戦え・・て・・・本当に・・・嬉し・・かった。
 俺は・・ここ・・・までだ。後・は・・お前・・・達・次第・・だ。」
「・・・!」
愛里は涙を流しながらハンクの横で立ち尽くしている。
「さら・・ば・・だ。」
そう告げるとハンクの体はゆっくりと茶色く変色して、砕け散った。
〜回想終了〜
そして今、ひっそりと葬儀をしているのだ。
そう、身を呈して仲間を守った1人の兵士の葬儀を。
永遠亭の面々と俺達とにとりが1人づつ墓石に手を合わせる。
全員が手を合わせおわると、1列に並んだ。
そして・・・。
「その身を呈して仲間を救った英雄に敬礼!」
そこに居る全員で墓に向かって敬礼をした。
その身は人間のものでは無かろうと、そこには1人の兵士・・いや、英雄が眠っているのだ。
だが、その英雄は生き続けていた。
そう、俺たちの心の中で・・・すっと・・・。

177終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/02/06(日) 22:14:25 ID:9FLp3hEo
あの戦闘から3週間。
イリスからの攻撃は無く平凡な日々をすごしていた。
その出来事は唐突に起こった。
それは、俺が人里に来ていたときの事だった。
「将じゃないか。」
後ろから声がかかったので振り向くと慧音が歩いてきていた。
「なんだ、慧音か。どうした?」
「なんだとは失礼だな。これから暇か?」
「ああ、やる事は済んしな。」
「なら良かった。ちょっと教師をやってみないか?」
「教師!?」
俺は思わず耳を疑った。
いままで人に物を教えた事と言えば、後輩兵士にコツを教えたぐらいで
教師なんてやった事がない。
「ああ、前に愛里にも頼んだんだが、将の方が向いてると言って断られてしまってな。」
あのヤロウ・・・面倒を押し付けやがったな。
「どうだろうか?外の世界の事を教えてやって欲しいんだが。」
こうも頼まれてはかなり断り辛い・・・。
仕方ないので引き受けよう。
「分かった・・・引き受けよう。」
「そうか!なら善は急げだ今から行くぞ!」
「今からかよ!」
まぁ、この後も用事は無いので特に問題はないが、
開発中のサイサリス用B兵装を見ておきたかったな。
そんなこんなで慧音に強制連行されて現在教室の前に居る。
「で、どんな内容を教えればいいんだ?」
「外の世界の事だ。」
「また、ざっくりとした内容だんな。」
頭の中で何を話そうか考える。
そういや、カロシーメイトをもっていたな。
俺の昼飯だが・・・まぁいいか。
「将は呼ぶまで待っていてくれ。」
そう言って慧音は教室の中に入っていってしまった。
「みんな、おはよう!」
「おはようございまーす。」
慧音の挨拶の後に元気な子供達の声。
まあ、なんとかなるか。
「今日は特別な人をお呼びしたので特別授業だ。入ってきてくれ。」
俺は引き戸を開けて入っていく。
すると教室内は一気に騒がしくなったので慧音が静める。
「先ほど初回に与った闇影 将だ。今日は慧音に代わって俺がみんなの先生だ。よろしく頼むぜ。」
「今日は将先生に外の・・・そこ、はしゃぎたいのは分かるが今はじっとしていろ。
 えー外の世界の事を話してもらえる事になった。静かに聞くように!」
そうして俺の半日先生は始った。

178終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/02/12(土) 22:17:09 ID:9FLp3hEo
半日先生か・・・全く俺は向いてないんだがなぁ・・・。
そう心の中でぼやきながら、授業を始めたのだが、
子供達は目をキラキラさせながら聞き入り、時には質問攻めにしてくれたが、
これだけ熱心なら話しがいがあると言うもの。
俺も、自然と話しに熱が入ってしまう。
そのまま、何事も無く授業が終わるかと思った。
ドゴォォォォォン!
外から爆音・・・と言うよりは何かがぶつかった音と共に揺れが寺小屋を襲う。
「何だ!?」
「俺が見てくる。慧音はここで子供達を!」
「頼んだぞ!」
返事を聞けば、俺は全速力で走り出す。
音の聞こえてきた方向からして人里の外、外周あたりか。
人里の中を全速力で駆け抜け、音のした場所へ向かう。
そこあったのは・・・・・・GP-02だった。
しかし、その肩、アトミックバズーカの本体が連結されている場所には
3連装の細長いコンテナが、連結されていた。
「どういうことだ・・・?」
「いてて・・・。」
声と共に、GP-02の頭部が外れる。
装着しているのは・・・・・にとりだ。
「こんなところで何やってるんだ?」
「あ、将。」
立ち上がって、俺を見つけたにとりは一瞬ドキッとした顔をしたように見えた。
「いや〜、ちょっと試験飛行をね。」
「試験飛行をしてて墜落か?」
「いや〜ちょっと風にあおられて・・・。」
「ほう、今日は風は吹いてないぞ?」
「うっ!・・・・はぁ、正直に話すよ。B兵装が完成したから試験飛行してたら
 バランス崩して墜落したんだよ。」
「B兵装!?完成したのか?」
うん、この背中のミサイルポッドがそうだよ。
「MLRS・・・・。」
「そう、多連装ロケットシステム。総弾数は6発。最大ロック数6。原作どおりだよ。」
にとりが誇らしげな顔をしながら、前面装甲を外してGP-02から出てくる。
すると・・・。
ドゴォォォォン!
丁度反対側から爆音。
だがさっきとは違う純粋な爆発音。
「またかよ・・・。」
「これ、使って!暴走はしないはずだから!」
「なら使わせてもらうぞ!」
俺はGP-02に乗り込み、腕通し前面装甲を付け、頭部をはめる。
機体のシステムを立上げ、システムチェック・・・・オールグリーン。
GP-02起動。
「出るぞ!」
「OK、気をつけてね。」
そして、空に飛び上がった。
目指すはここの反対側、爆発音のした所だ。

179終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/02/19(土) 23:04:14 ID:9FLp3hEo
上空から見る限り人里の中は相当混乱しているようだ。
こちらを見て、叫ぶ者。
慌てて駆け回っている者。
必死に子供をなだめる者。
まさに十人十色だ。
そろそろ、爆発現場が見えてくる頃か。
現場は煙が上がってるので場所は分かるが、現場の状態が見えない。
とりあえず、現場の少し前に降りて周囲を確認する。
煙の上がる周囲には特に何も無い。
問題は・・・。
立ち昇る黒煙、その地面はまるでクレータのように、えぐれている。
こいつの時とは違うえぐれ方・・・何かあるには違いない。
俺はビームサーベルを抜き、ゆっくりと近寄ってみる。
すると、突如黒煙の中から手が出てきた。
俺はとっさに体を捻り何とか回避したが、この太い腕に捕まっていたら
どうなっただろうか。
「ふん、それなりの戦闘能力はぁ、あるってぇことかぁ。」
煙の中から現れたのはゆうに2mを越えようかという、大きな人間。
「・・・あ、白い悪魔みっけぇ!」
こいつ俺を探していたのか・・・?それもとこのサイサリスを?
「そぉの力ぁ、俺によぉこしやがれぇぃ!」
そいつは生身のまま俺に向かって襲っいかかってきた。
走って突っ込んできているだけだが、かなり早い。
とにかく、捕まれば危険という事は間違いない。
俺はブースターを最大出力にして、空に上がる。
そのまま、体制を立て直してバルカン砲で牽制する・・・はずだった。
「あぁまいわぁ!」
そいつはジャンプした。
そう、ただジャンプしただけだ。
しかし、そいつは俺に前にいて。
「ぐふぁ!」
俺を地面に叩き落したのだ。
「伝説の白い悪魔と聞いて来て見ればぁ、とぉんだ雑魚のようだなぁ。」
あの、ジャンプ力・・・・超人かよ。
とりあえず、立ち上がり体制を立て直す。
幸い、ビームサーベルは持ったままだ、まだやり方はある。
敵さんもよく、こんな奴ばかり集められたもんだ。
そんな事を考えながらまた襲い掛かってくる敵をビームサーベルで迎え撃つ。

180終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/02/28(月) 00:01:35 ID:9FLp3hEo
相手の戦い方はシンプルで肉弾戦のみ。
しかし、その1発1発は人間のパワーを遥かに越えておりスピードこそ対応できる速さなものの、
その構え、技の出し方からプロボクサーを彷彿させる。
俺は、その攻撃をビームサーベルでなんとか逸らしているのが精一杯で、
反撃する余裕など無かった。
「ぶるぁぁぁぁぁぁ!防戦いっぽうじゃぁ、私には勝てんぞぉぉぉぉ!」
「ちぃ!」
何か忘れている気がする・・・・・。
俺は何を忘れているんだ・・・?
そうだ、頭部バルカン砲・・・アレなら目くらましぐらいには・・・!
相手のパンチをビームサーベルで弾いてバルカン砲を放つ。
しかし相手には当たらなかった。
首を曲げて避けたのだ。
こいつ超人通り越して化け物じゃねぇか・・・。
しかし、俺はその顔面に無理やり左フックを叩き込む。
よし、今度は当たった!
「ぐふぁぁぁ!いぃ〜たいじゃないの!」
相手がひるんだ隙にブースターを噴かせ空に上がる。
そして、ミサイルポッドを開け一気に発射する。
もちろん人里に被害の無いように爆風のことを計算しながらだが。
「うぁっちぃ!」
爆風で見えないが、敵はこれで多少なりともダメージを・・・。
やがて爆風が消えゆっくりと地上の様子が分かってきた。
「嘘だろ・・・。」
敵は、火傷はおろか、傷一つ無かったのだ。
「こざかしぃマネをしてるんじゃねぇぇぇ!」
敵はまた、ジャンプして墜落させようとするものの、後退して回避する。
「同じ手は2度も通用しねぇよ。」
こっちはミサイルの切れたサイサリス、相手はほとんど傷なしの無敵超人。
かなり不利な状況だが勝つしかないんだよなぁ・・・。

181終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/03/13(日) 23:11:18 ID:9FLp3hEo
変更
将:黒騎士、黒獣のの会話時の「」を消しました。


俺は敵に捕まらないように飛行しながら対抗策を考える。
何か・・・何かないのか?
そういえば・・・あれならいけるか・・・?
「「いけるかもしれんな。」」
黒騎士か。そういやここ最近ずっと静かだがどうしたんだ?
「「それは後回しだ。今はこいつに集中しろ。」」
へいへい、わかってますよ!
「ぶるあぁぁぁぁぁぁ!」
またジャンプしてきたか・・・。
今度は空中宙返りから踵落としを叩き込んでやった。
「ぐぶぁぁぁぁ・・・。」
予想以上に綺麗に叩き込めたらしく、敵は仰向けで地面に墜落していった。
今がチャンスか。
「「そのようだな。」」
ブースターを最大出力で地面に向かって飛び、体性を戻して着地。
ブースターの影響で地面をすべりながら、装甲をパージ。
そして。
「合身黒騎士。」
そう、黒騎士のあのスペルなら倒せるかもしれない。
敵に向かって走り出す。
[暗黒一閃]
持っている剣の刃が黒紫のオーラに包まれる。
「そぉんな剣1本でこの俺を倒そうなんぞぉ、無理な話だぁぁぁ!」
「ぬぉぉぉぉ!」
その剣で敵の腹を真横に斬り裂いた。
相手の体には傷はだろうが確証は無い。
なぜなら・・・・斬った跡が黒紫のオーラに包まれていて見えないからだ。
あのオーラは剣の・・・。
「はぁぁぁっはっはっは!だから言ったのだ。そんな剣でこの俺を・・・・ぐぉぉぉぉぉ!」
敵が腹を押さえて苦しみ出した!?
「痛いぃぃぃぃ苦しいぃぃぃぃ!」
ひどく苦しんでいるようだが・・・・ん?オーラがゆっくりと敵の体を包んでいくぞ?
そのオーラはやがて敵の体を完全に被い隠し。
「ぐぉぉぉぉ!なんだこれは・・・やめろ、やめろぉぉぉぉ!」
敵の体ごと地面に吸い込まれるように消えていった。
敵が居たところはまるで最初から何も無かったようだ。
「これが・・・暗黒一閃の力。」
暗黒一閃・・・苦しみと共に全てを飲み込む闇の剣・・・今まで使わなかったがこれほどの威力とは・・・。
俺の作ったスペルだが、えげつねぇスペルだな。
合身を解き、GP-02のパーツを集めて装着ていく。
「将・・・。」
頭部を装着しようとした時に声をかけられた。
被ろうとしている頭部をおろして声のするほうを見ると。
「慧音か。」

182終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/03/20(日) 00:19:12 ID:9FLp3hEo
慧音が門の影から心配そうにこちらを見ていた。
「お前があの時の騎士だったのか。」
そうか、さっきの合身解除見られてたか。
「ああ、そうすると・・・さっきの一撃も?」
「ええ。」
「そうか・・・どうだ、俺に対する見かたが代わっただろう?・・・そう、俺は冷酷な兵士だ。」
「おい、冷酷とまでは・・・。」
「いや、慧音も俺の本性を知ればそう思うはずだ。」
「本性・・・?」
そう、俺の本性。
冷酷な兵士と・・・死神の称号を持つ兵士と呼ばれる由縁。
慧音には話しておかないといけないな。
もしかしたら・・・さっきの一撃であいつが動いたかもしれない。
「ああ、俺の持つ称号の死神・・・容赦なく全てを排除する者のみ与えられる称号。
 そう、真の殺し屋にのみ与えられる称号。」
「真の殺し屋・・?」
「ああ、邪魔する者は排除して任務を遂行する者。たとえそれが味方でも・・・無力な一般人であってもだ。」
「嘘・・・そんな・・・嘘だろ?」
「いや、嘘じゃない。俺はそうやって戦ってきた。」
そう、今までの戦い方・・・冷酷な兵士、死神、ナイト隊を外れてから付いた称号。
それが俺、本当の闇影 将。
「やっぱり・・・あなただったのね。」
空からの声・・・読みが当たったか。
「博麗 霊夢・・・。」
「闇影 将・・・あなたは幻想郷にとって危険すぎる。
 だから、私がここで排除するわ。」
ここまで予想が当たると怖いものがあるが・・・そんな事も言ってられないか。
頭部を被り、システムを再起動する。
「待ってくれ霊夢!将は・・・」
「慧音は黙ってて!彼は危険すぎる・・・あんたにも分かるでしょ!?
 彼にに集中莫大な霊力・・・幻想郷にとっては危険因子なのよ!
 もう紫が何言おう知ったこっちゃないわ!」
俺は空に上がりながらにとりの方に向かって飛ぶ。
「あ、待ちなさい!」
「おい!2人とも!」
慧音がなにか言った気がするが気にしない。
とりあえず、この機体をにとりに預けないと。
黒獣、いけるか?
「「おう、いつでもいいぜ!」」
黒獣からの頼もしい返事。
霊夢との位置を考えながらにとり人里を挟んで反対側に下りる。
「あ、お帰り!どうだった?」
何も知らないにとりが人里の影から走って近寄ってくる。
俺はすぐに機体を外して霊夢の来る方に向き直る。
空にはもう霊夢が仁王立ちしていた。
・・・白か。
「もう観念したの?」
「あれ?霊夢?」
「さあ、どうだろうな。・・・合身黒獣」
どうする?霊夢を殺すか?いや、こいつは手こずりそうだ・・・夜襲にするか。
「え?え?」
困惑するにとりは放置。
俺は霊夢をじっと霊夢を睨みつける。
緊迫した空気、困惑するにとりの声を除けばあたりはしーんと静まり返っている。
そんな空気の中先に動いたのは・・・俺だ。

183終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/03/27(日) 23:07:06 ID:9FLp3hEo
俺は地面を蹴って一気に接近する。
「早い!?」
そのまま霊夢の横を通過して回し蹴りで霊夢を地面に叩き落す・・・はずだった。
やはり、博麗の巫女そう簡単にはいかないか。
俺の回し蹴りは両腕でしっかりと防がれていたのだ。
一旦霊夢の腕を足場に距離をとって滞空する。
「それで終わりなのかしら?」
まさか?この俺が何も考えてないと?
「[咆哮 バインドボイス]」
大きく息を吸い込み吼える。
「グォォォォォォォォォォォォン!」
悪いが人里にはがまんしてもらおう。
その代わり、霊夢が耳を塞ぐ時にできた一瞬の隙を俺は見逃さなかった。
「[破撃 バスターブレス]」
「しまっ・・・。」
空中で放った為俺も後ろに吹っ飛ばされてしまったが、どうやら霊夢にも直撃したらしい。
ここは1時撤退しよう。
装備も整えたいがこの分だと永遠亭には先回りさせろうだ。
・・・・しかたない、魔法の森で撒くとするか。
そうと決まれば全速力で魔法の森にむかう。
できるだけ低空を出来るだけ早く駆け抜ける。
時間がかかると思っていたら案外早く森が見えてきた。
森に入ると速度を落して隠れられそうな場所を探す。
どこかに隠れられそうな場所はないか?
すると、目の前に巨大な大木が見えてきた。
その根元には大人が1人余裕で入るぐらいの穴が開いていた。
近くに降りて中を覗き込んでみると暗くなっていて見えにくくなっている。
ここでいいか。
合身を解いて、穴の中に入る。
黒獣との合身の影響で体が痺れて動かしづらいがマントで体を覆って人目に付かないようにする。
痺れがひどくなっていく。
起きていても何も出来ないし、一旦寝るか。
丁度眠気も襲ってきたところだ、寝よう。
そうして俺は目を閉じた。

184終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/04/03(日) 22:07:36 ID:9FLp3hEo
ん・・・ずいぶん寝てしまった。
マントから頭をだして、穴の外を見るとあたりは真っ暗。
夜になったか。
体を起こそうとしたがやめる。
さっきからガサガサと足音が聞こえるからだ。
とりあえずナイフを抜いていつでも対応できるようにしておこう。
「ん〜どこに隠れたのかしら。この辺ってことは分かってるんだけど・・・。」
あの声・・・クソッもうここまで・・・・流石博霊の巫女というだけのことはある。
どうする?気づかれてない今なら確実に仕留めることが出来るぞ。
だが、相手が目視できない以上迂闊には動けない。
もう少し待ってみよう、こっちに来た時がチャンスだ。
どんどん足音が近寄ってくる。
もう少し・・・もう少し・・・見えた!
霊夢の赤いスカートが見えた瞬間俺は穴から飛び出した。
ナイフは左手で持ち右手で相手の頭を掴んで首にザクリだ。
「しまっ・・・きゃぁ!」
霊夢が言葉を言い切る前に頭を掴んで押し倒しナイフを逆手に構える。
そして・・・。
「そこまで!」
あと、数センチで首にというタイミングで制止がかかる。
「紫・・・なぜ止める。」
「そりゃぁねぇ。博霊の巫女は幻想郷の重要なポジションですもの。
 そう簡単に殺せてあげられないのよね。」
空中のスキマに腰掛けてのんきに話して居るが霊夢の顔はむっとした顔になる。
「紫、あんたが連れてきたんでしょ!どうにかしなさいよ!
 博霊大結界に影響が出てないだけまだマシだけど、危険すぎるわよ!」
「そう言われても、イリスとか言う敵を倒せるのは彼だけだと思うわよ。」
「バカじゃないの?妖怪退治と異変の解決は私達の専売特許よ!」
「そうかもしれないわね。でも今回はそんなスケールの問題じゃないのよ。
 今回は引いてちょうだい。将もよ。」
「断る。」
「そういうと思ったわ。来てちょうだい。」
そういうと紫がスキマから降りて位置を変えてスキマを作り直す。
そこから出てきたのは愛里だった。

185終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/04/10(日) 22:35:35 ID:9FLp3hEo
紫はやっぱりといった顔でこっちを見ている。
「ちょうどさっきまで、彼女と話しをしてたのよ。」
愛里はこっちを見るや否や、やれやれといった風にため息を付いた後、
腰に手を当てこう言った。
「いったいどういう状況なのよ・・・。とりあえず、将は一旦下がりなさい。」
愛里が言うなら下がろう。
まあ、いつでも仕留めに行けるようにナイフは出したままだが。
「いたたた・・・、助かったわ、紫。」
霊夢が頭を押さえながら起き上がってくる。
どうやら、相当お怒りのご様子で、
こっちに1歩でも近寄ったら攻撃するぞと言わんばかりの雰囲気だ。
まあ、当然と言えば当然だが。
「さて、霊夢。何で将を襲ったのかしら?」
紫が霊夢に問い詰める。
俺としては排除するだけなので、意味を成さないだろう。
「あいつは危険よ!あの霊力、あのスペル・・・。早くこいつをどうにかしないと!」
「博霊大結界は問題ないし、彼は幻想郷を守ってくれてるわ。」
「紫あんた・・!」
「それに、彼は今の幻想郷に必要なの。」
「・・・分かったわ、その代わり私も好きに動かせてもらうわ。」
そう言い残して、霊夢が去っていく。
「霊夢にも困ったものね。」
紫がため息をついてスキマをつくり、手招きをする。
入れという事か。
俺達はスキマに入っていくと、そこは紫の屋敷の目の前だった。
「入ってちょうだい。話しがあるわ。」
話し・・・なんだろう。
イリス関連の話か?
屋敷に上がり、客間に通される。
「話しとって言うのは他でもないわ。イリスの事よ。これを見てちょうだい。」
差し出されたのは1束の書類だった。

186終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/04/18(月) 00:03:37 ID:9FLp3hEo
その書類を受け取り読んでみる。
そこには敵の所在に関わる事とこれからの敵の動向が書かれていた。
「おい、これ・・・・。」
「貸しなさいよ。」
愛里に書類をひったくられた。
横目で愛里の顔を見るが俺と同じく信じられないという表情をしている。
「これ、どうやって手に入れたの?」
「キザな占い師さんが渡してくれたのよ。闇影 将宛てにね。」
そういや最近姿を見てなかったな。
しかし、こんなものを手に入れるとは・・・あいつは一体・・・。
「将、知り合いなの?」
「ああ、たまに現れては敵の情報を教えて消えて行く変った奴だよ。」
この書類を見た限り的の本拠地は亜空間、しかもそろそろ全面戦争をかけてくるらしい。
確かに今まで奴の話は当たっていたし、正体こそ不明なもののある程度の信用は出来る。
だが、今回は規模が違いすぎる。
全面戦争?今そんなものを受ければ間違いなく幻想郷は陥落する。
それに博霊と敵対した今、迂闊な行動は避けたい。
今のところ博霊と紅魔が敵対で
永遠亭とにとり、人里にフラン、八雲が友好状態、
妖怪の山と守矢、冥界に魔法の森は中立。
この状態で戦力になるのは・・・絶望的だな。
「でも、本当に全面戦争に持ち込まれたら、私や霊夢、魔理沙でも太刀打ちできないでしょうね。」
「そうね、私と将、それに敵は殺し合いの専門。あなた達は弾幕合戦というゲーム感覚でしかないわ。」
「ああ、俺達は合法的に殺し合いをしながら生か死かの2択の世界で戦ってきた。
 書類を読む限り完全に人の見た目をしているらしいが、彼女らは人を殺すという覚悟は無いはずだ。」
「そうね。だから私はあなた達をこの世界に連れてきたわ。お願い、この世界を守ってちょうだい。
 今頼めるのはあなた達しか居ないわ。」
そう、俺達は子の世界を守るためにつれて来られた。
なら・・・守ってやろうじゃないか。
戦場の死神と呼ばれしのこ俺だな。

187終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/04/24(日) 22:07:37 ID:9FLp3hEo
その後数日間は何事も無くすごす事ができた。
しかし、人里からは少しずつ敬遠されていった。
そんなある日俺は安芸の所に寄ってみた。
店に入って、安芸を呼んでみる。
すると、ガラリと奥の戸が開いて中から安芸が出てきた。
「やぁ、人里は君の話題で持ちきりだよ。何でも君が悪魔だとか霊夢ちゃんを倒したとか色々ね。」
見られていたか?
それとも慧音が喋ったか?
慧音なら無理もない・・・か、信じられないという表情をしてたからな。
・・・いや、待て。
博霊が話した・・・・ありえる。
好き勝手に動くとか言ってたからな。
「その情報はどこで手に入れたんだ?」
「知り合いから聞いた話しだからなぁ・・・大元は霊夢ちゃんとかいう噂だよ。」
やはり、霊夢か。
まぁ、幻想郷を守るためにまずは非力な人里からというのは、妥当な判断だ。
俺は、今までの事を安芸に話した。
こいつはフライングアーマーやギャロップなどのサポート兵器の開発に協力してもらってるので、
話ておいても良いだろうという判断だ。
「それは本当か・・・って君のいう事だ本当に違いないんだろうな。」
安芸に俺が貰った書類を渡す。
「どれどれ・・・。」
安芸の顔がどんどん青ざめていく。
「ちょ、これ!」
「紛れも無い事実だ。」
「にとりに・・・。」
「とっくの昔に愛里が伝える。」
安芸はほっと胸をなでおろして書類を返してくれた。
「とにかく茶を用意するよ。上がっていってくれ。」
「すまんな、おじゃまするよ。」
安芸の家に上がってお茶を飲みながら小一時間ほど話し合いをして、帰る事にした。
とりあえず、安芸をこちら側に引きこむことには成功した。
人里がどうなるかは分からないが安芸だけは味方についてくれるだろう。
永遠亭に帰り、飯を食べ、その日は眠った。
翌日、状況を急変させる出来事があるとは知らずに。

188終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/05/02(月) 23:22:38 ID:9FLp3hEo
その日目覚めた俺はいつもどうり朝食や武器のチェックを済ませ永遠亭を出ようとした。
すると、その日は珍しく玄関でうどんげに呼び止められた。
「あの、最近人里で将のいい噂聞かないから気をつけなさいよ。」
「へいへい、行ってくる。」
「いってらっしゃい。」
外に出てフライングアーマーに飛び乗り迷いの竹林を抜ける。
しかし、その日の幻想郷はすこし違った。
いつもと比べ物にならないぐらいに眩しいのだ。
しかし、暑さは普段どおりで格別蒸し暑いわけではない。
ただ、眩しいだけなのだ。
でも、なんだこのもやもや感は・・・。
そのもやもや感を残したまま俺は紅魔館に向かった。
紅魔館の門に到着したが美鈴は案の定居眠り中だったので
フライングアーマーを隠して勝手にして中に入る事にする。
中に入ると、真っ直ぐ地下へ向かう。
地下の最も奥の部屋が目的の部屋だ。
ガチャリと扉を開けて声をかける。
「フラン〜遊びに来てやったぞ〜。」
「あ、将だ!」
フランが笑顔でパタパタとこっちに駆け寄ってくる。
今日は前に会った時より嬉しそうだ。
「ねぇ将、外のお話し聞かせて!」
「そうだな・・・なら俺のガキの頃の話をしてやろう。」
俺は子供の頃の話とガルドミラに入りたての頃の話をしてやった。
子供の頃の思い出を、両親を失った悲劇を、愛理との出会いを、包み隠さず話してやった。
フランは時に笑い、時に悲しそうな表情をしながら黙々と俺の聞いていた。
「さて、今日はこのぐらいにしておくかな。」
「え〜もっと聞きたいよ!」
「ダメだ、この続きは次に来た時のお楽しみだ。」
「約束だよ?」
そう言って、フランは小指を出してきた。
指きりか、久しくやってなかったな。
俺もその小指に自分の小指を絡ませ、指きりした。
「じゃあ、またな。」
そう言い残しフランの部屋を後にする。
紅魔館を出ようとすると咲夜に呼び止められた。
「最近のフランお嬢様は昔と比べ非常に明るくなられました。これも貴方のおかげです。」
「いや、俺は当たり前の事をしてるだけだ。気にするな。」
「これは私から気持ちばかりのお礼です。」
渡されたのは何処からか現れた小さな紙袋。
「すまんな。」
紅魔館を出る。
来た時ほどの眩しさは感じられない。
あれは何だったんだろう・・・。
すると。
「フハハハハ幻想郷の諸君よ。」
何処からとも無く聞こえる声。
この声・・・イリスか!
ふと空を見上げると黄金の鎧を纏った騎士が空に映し出されている。
あれが・・・イリス。

189黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/05/09(月) 00:02:34 ID:9FLp3hEo
その姿は俺とは真逆、奴は光で俺は闇といったところか。
「我はイリス、光の使者!」
光の使者だ?笑わせるな。
「この幻想郷にはこの世界を脅かす悪が蔓延っている!」
貴様が幻想郷を脅かす諸悪の根源だ。
「我々は、その悪を粛清するための戦士だ。人民達よ!
 妖怪や悪魔の蔓延る世界で恐怖し怯えながらの生活を続けたいか!?」
やられた、人里の攻略に出やがったか。しかも、厄介な心理戦か・・・
こんな世界だ、人間の心理をついた有効な手段ではあるな。
「我々はそれらに対抗手段がある!我々を受け入れ共に戦う者は
 赤地に黄色の十字の描かれた旗を掲げよ!」
何処からか、うおぉぉぉぉぉ、という雄たけびが聞こえてきたような気がしたが、
今の人里なら聞こえてきてもおかしくは無いか。
空に映し出されていたイリスの姿は青空に溶ける世に消えていった。
俺は紅魔館の門を出ながら誓った。
絶対にあの腐りきった光を潰すと。
フライングアーマーに乗り人里の様子を見に行った。
住人達は歓喜しお祭り騒ぎなのが空から見てもわかる。
人里が陥落した・・・か。
そのまま永遠亭に帰った俺に永琳とうどんげはイリスの話しについて聞いてきたので
今まで秘密にしていた資料を見せ3人で会議をする事にした。
「この内容・・・あの話しを聞く前だったら信じて無かったかも知れないわね。」
「ああ、今日確認した限り人里は陥落していたな。」
「そう・・・。」
これ以上被害を出さない為にも、一刻も早く仲間を集めなくてはならない。
これが幻想郷で最初で最後になるであろう戦争の始りだった。

190このResは【魅上照】によって削除されました:このResは【魅上照】によって削除されました
このResは【魅上照】によって削除されました

193黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/05/24(火) 23:35:20 ID:9FLp3hEo
翌日、俺は紫の屋敷に向かった。
ガルドミラの旗を手に入れるためだ。
昨日の話を聞いて俺は決めた。
反イリスの勢力として、幻想郷防衛勢力として、ガルドミラ兵のゴーストとしてイリスと戦うと。
そして、紫の屋敷にて寝起きの紫に頼み、ガルドミラの旗を数枚手に入れることに成功した。
これの旗を持ってにとりのラボに直行する。
「将、これは何の旗だい?」
「ガルドミラの旗ね・・・。どうやって手に入れたのよ?」
「これは俺達の所属していたガルドミラの軍旗だ。紫に頼み込んで数枚手に入れてきた。
 俺は、反イリス勢力ガルドミラを作ろうと思っている。」
「主に妖怪や鬼を仲間に引きこむのね?面白そうね。」
「私は、全然OKだよ、すぐに旗をつけるね。」
にとりは旗を持ってラボの奥に入っていくと、リフトに乗って天上まで上り旗を吊るした。
ここにガルドミラ第1拠点が誕生したのだ。
フライングアーマにガルドミラのエンブレムをペイントしてラボを後にする。
そのまま永遠亭には戻らず妖怪の山に向かった。
妖怪から信仰を集める守矢神社。
博霊よりは効果がある気がするので守矢神社にはちょくちょく通っていてるが
イリスの件でどうするかを聞きに行くためだ。
うまくいけば味方に引き入れる事ができるかもしれない。
そうなれば、妖怪の山全体を味方に引きいれられるかもしれないな。
守矢神社に着き境内を見回すが、早苗は居ない。
境内が綺麗に掃除されているから掃除が終わって神社の中に戻ってしまったのだろう。
神社の裏手に回ってみよう、誰か居れば気配でわかるだろうしな。
そう思い、神社の裏手に回ってみるも気配は感じられない。
後は・・・風神の湖か。
本殿の脇の抜け湖へと足を運ぶ。
そこで思いもよらぬ光景を見ることになった。
金色の鎧を纏った騎士と対峙する、早苗と諏訪子、神奈子の姿だった。

194黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/06/06(月) 01:25:10 ID:9FLp3hEo
あの姿・・・間違いない、あの時、空に写しだされた騎士の姿だ。
しかし、どうして今まで気づけなかった?
「来たな・・・これで役者は揃った。」
待っていたといわんばかりのセリフだな。
「将さん・・?」
早苗がこちらに気づきこっちを向くも俺の意識は湖上に浮遊するイリスに集中していて
早苗が俺に気づいたことの事など気づきもしなかった。
「もう一度問おう。八坂 神奈子よ、我らと手を組む気は無いのだな?」
「その通りさ、妖怪からの信仰を得る事を目的に移転したんだらね。
 それを取られちゃあ堪ったもんじゃないね。」
「では闇影 将よ。お前は──」
「知れたこと、お前が光なら俺は闇だ。我らガルドミラは絶対にお前を殺す。」
その余裕そうな喋り方、気にくわねぇ。
腰のデザートイーグルに手をかける。
「無駄だ、これは立体映像だ。・・・まぁいい、ぜいぜい頑張るんだな。だが、人里はもう我らの手中にある。」
畜生、人里が人じちに取られては、迂闊に手が出せないじゃねぇか。
イリスが話し終えると、立体映像は透明になるかの如く消え去った。
湖の辺に残された俺達は、数秒間は呆然と立ち尽くすしかなかった。
「あいつ、本当に何者なんだろうね。」
この沈黙を最初に破ったのは諏訪子。
「さぁねぇ。でも敵には間違いないようだけどね。」
「イリス・・・必ずこの手で仕留めて見せる。」
「皆さん、とりあえず本殿でお話しましょう。」
早苗の提案で本殿の一室で話しをする事になった。

195黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/06/12(日) 01:30:08 ID:9FLp3hEo
案内された部屋は小さな部屋で中央に机がありその周りに1人ずつぐらいのスペースしかない。
俺は机の南に座り、正面に守矢神社の二柱の1人、八坂神奈子が座る。
右に諏訪子、左に早苗が座り話しが始った。
「加奈子様、奴と手を組むとはなんだ?」
イリスの話しについてといい正す。
奴がわざわざ立体映像を使って直接コンタクトを取った理由が分からん。
話しを通すだけなら、また空に映像を映し出せば済むし、人里の住民が仲間に引きこもうと
やって来て奴らには有利になるはずだ。
だが、奴らはそうしなかった。
それなら何らかの理由があると見て間違いないだろう。
「それはだね。」
神奈子が重い口を開く。
「あいつ等は私の神の力を利用してこの山の妖怪を始末しようとしたのさ。
 もちろん断ってやったけどね。」
奴ら・・・そんな事まで考えていたのか。
だが、それが裏目に出たらしい・・・いや待て、奴はあの時役者は揃ったと言った。
もしかしてこの事も計算済みか?
在りえるかも知れん。
「どうしたんだい?」
「いや、あの時奴はこう言った。これで役者は揃った・・・と。」
「それがどうしたんだい?」
「こうは考えられないか?こうなる事は奴の計算の内だと。」
神奈子も早苗もう〜んと考え込むが諏訪子は違った。
「でも、もう断ったんだしいんじゃないかな?」
確かにそうだ。
今考えても後の祭り、考えたところで奴の戦略が完璧に分かるわけでもないし、
戦略が分かった所で予想でしかない。
それならこれからの事を考えた方が得策だろう。
「それもそうだな。諏訪子様の言うとおりだ。」
「将さん、ガルドミラって一体なんですか?」
おっと忘れる所だった。
この話しをしに来たんだった。
「俺達は、先ほど反イリス勢力ガルドミラを立ち上げた。それで仲間を集めているんだ。」
ガルドミラの旗を取り出し机の上に置く。
見る限り3人とも興味を示しているようだった。
神奈子が手に取り旗を手に取り広げる。
「これは?・・・意外と大きいんだね。早苗。」
早苗に指示をだし、2人がかりで旗を広げる。
広げられた旗は、灰地に赤で六芒星の後ろにに青い斜めのクロスが描かれていた。
「これは俺達ガルドミラの旗だ。手を組んでくれるならその証にその旗をつけて欲しい。」
神奈子は顎に手を当て悩んだ後、諏訪子の意見を聞いた。
「どう思う?」
「いいんじゃないかな?」
「という事だ。さて何処につけたものか・・・。」
「室内でも構わん。」
「分かった。つけておくよ。」
話し始めてから気にはなっていたが、無視していたこの気配。
隠れている場所の大体想像はつく。
俺は立ちあがり後ろの障子を開ける。
「文、出て来い。それとも瓦の上で蜂の巣になりたいか?」
「あやや〜、それは勘弁してもらいたいですね。」
しゅたっという効果音が欲しい程、文が華麗に屋根から姿を現した。
「」

196黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/06/26(日) 00:15:17 ID:9FLp3hEo
「話は聞かせていただきましたよ。そういうことでしたら、天魔様に掛け合ってみますよ。」
ニヤニヤと笑いながら、文が話しを持ちかけてくる。
ほう、これ乗らない手は無いだろう。
「あたしからも話してみるよ。」
神奈子からも頼んでくれると心強いな。
なら、彼女らに託してみよう。
「ぜひ頼む。」
「あやや〜私ってそんなに信用ないですかね?」
俺が無言で首を縦に振ると、皆も一緒に首を振る。
「あやや〜。」
文は困った顔で頬をポリポリとかいている。
「まあいい。ほらよ。」
文に旗を渡し立ち上がる。
「後は頼んだ。俺は他の所を見て回らないといけないからな。」
俺はそのまま守矢神社を後にする。
これなら、妖怪の山は仲間に引きこめるだろう。
後は・・・紅魔館、魔法の森、冥界ぐらいか。
博霊は・・・多分向こうだろう。
そんな事を考えながら紅魔館に向けてフライングアーマーを飛ばす。
紅魔館に着いた。
美鈴は合いも変わらず居眠り中。・・・いや、今日は狸寝入り中か。
特に呼び止められなかったので、そのまま中へ。
妖精メイドと挨拶を交わしながら地下のフランの元へ行く。
部屋の前に着いた。
軽くノックをして・・・・返事がない。
「フラン、居るか?」
声をかけても返事無し。
「フランお嬢様なら。レミリアお嬢様のに居られますよ。」
後ろを振り返るとモップやらバケツやらを持った咲夜が立っていた。
「サンキュー。」
お礼を言って部屋を離れる。
レミリアと一緒となると・・・アソコか?
頭の中に浮かぶのは広い謁見の間みたいな部屋。
・・・行ってみるか。
階段を上り例の部屋の前に着く。
案の定、中からはレミリアとフランの声。
少し立ち聞きしてみようか。
俺は扉の横にもたれかかって、耳を澄ました。

197黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/08/02(火) 00:00:03 ID:oTu.NjiU
「フラン少しの間闇影 将と会うを禁じるわ。」
レミリアの静かな声。
「どうして!?」
フランが驚き声を荒げる。
「フラン、貴方は知らないと思うけどイリスとかいう奴から宣戦布告があったわ。
 だから、貴方には地下で大人しくしててもらうわ。それが貴方のためよ。」
「なんで大人しくしてなきゃいけないの!?私だってお姉さまと一緒に戦いたい!
 それに、将が居たらあんな奴ら倒してくれるわ!だから・・・。」
「その将が危険なのよ!」
レミリアが急に声を荒げ、それに驚いたフランが押し黙る。
「彼は、外の世界の人間よ。銃という科学の武器を使い、単体の戦力は私さえも凌駕する。
 そんな彼が裏切ったらどうするの?貴方を誰が守るの?私はあなたの事が心配なのよ。」
彼女がどんな表情そしているのかは分からない。
でも、その声は震えていて、多分泣いているんだろう。
「お姉さま・・・。」
さて、そろそろ登場するか。
俺はもたれるのを止めドアの正面に立ち軽くノックする。
しかし、返事は無い。
右の扉を押して中に入ると、レミリアとフランは既にこちらを向いており
俺だとわかるないなや、それぞれ驚きと喜びの表情に変化する。
「少し話を聞かせてもらった。確かに俺を危険視するのは当然だろう。
 今もイリスやアイオーンを倒すために、俺は今も力を求め続けている。
 だが俺は仲間を裏切ったりはしない。」
歩きながら話し始め、話し終わる頃にはレミリアの正面、2mも離れていない所に立ち止まった。
レミリアはごしごしと目を擦るが少し目の周りが赤くなっている。やはりたいていたんだろうな。
「証拠仮が無いわ!」
俺はガルドミラ旗を取り出し大きく広げた。

198黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/09/11(日) 22:00:21 ID:oTu.NjiU
「俺達と手を組まないか?」
「将!」
フランが抱きついてくる。
その頭を軽くなでてやると話しを続けた。
「俺達は反イリス勢力ガルドミラを組織し今も仲間を探している。
 現在は河童に守矢が仲間になり妖怪の山の天狗にも交渉中だ。」
「なるほど、でも何故あなたが私達と手を組むの?
 あなたは何度も私と何度も戦わされ、フランの件でも話しが決裂してる。
 それれのに何故?」
レミリアが立ち上がって声を荒げた。
もっともな意見だ。
確かにあの時俺とレミリアの話しは決裂している。
それに、レミリアの事も好きでは無い。
だが、これだけは言える。
「お前だけがフランを守りたいのはお前だけだと思うなよ。」
その言葉にレミリアは背を向け沈黙した後、咲夜を読んだ。
「お呼びでしょうか?」
フランを部屋に連れて行ってちょうだい。
「え・・。」
フランが寂しそうな声を上げるがレミリアは話しを続けた。
「但し、間闇影 将と会う事は許すわ。だから、フランもう少しの間我慢しててちょうだい。」
その言葉を聞くとフランの顔は明るくなり。
「はい、お姉さま!」
元気よく返事をした。
「では、参りましょう。」
咲夜がフランの手を引いて部屋を後にする。
すると、レミリアが向き直り質問を投げかけた。
「フランに対するその思い、本当なんでしょうね?」
俺は即答する。
「もちろんだ。」
そう・・と呟くと、椅子に腰掛け話し始めた。
「なら、闇影 将。反イリス勢力ガルドミラについて聞きましょうか。」
その声からはさっきのような驚き等は感じられず、いつもの通りの威圧的な態度とカリスマだ。
どうやら本調子にもどったみたいだな。
「ああ、分かった。」

199黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/10/05(水) 21:38:53 ID:oTu.NjiU
俺はガルドミラの説明、敵の動向、現状と友軍の事、その他もろもろについて
レミリアに話した。
「なるほど、大体把握したわ。・・・・・・少し考えさせてちょうだい。」
「分かった。ならこの旗は先に渡しておく。手を組むなら中にでも飾ればいいし、
 不要なら燃やせばいい。」
「分かったわ。」
「これで話は終わりだ。では、失礼する。」
俺はレミリアに背を向け紅魔館を出た。
扉を出るとあたりは真っ赤な夕焼け。
「そりそろ、永遠亭に帰るか。」
紅魔館の門をくぐると美鈴はいつも通り門の柱にもたれかかって爆睡している。
その光景に苦笑しつつも、フライングアーマーに乗って永遠亭に帰った。
「あ、お帰りなさい。」
丁度、買い物から帰って来たワンピース姿のうどんげと鉢合わせした。
ほう、着てくれてるんだな。
「ただいま」
そう告げて、俺は部屋に戻った。
そして、夕飯。
今日は、焼き魚か。
そして、全員揃って夕飯を食べ始めた。
「全員後で集まってくれ。話しがある。・・・こら、てゐ。人の魚を取るな。」
「ヤダウサ!」
てゐから焼き魚を防衛しつつ夕飯を終えると、部屋に戻って少し荷物を整理する。
永琳の答えは想像がつくからな。
荷物を整理し終え、居間に向かうと、既に全員揃っていた。
「遅いウサ。」
「すまんな。それよりも本題だ。」
俺はガルドミラを作った事、現状、現在の友軍について話した。
として沈黙。
その沈黙を最初に破ったのは永琳だった。
「大体の事はわたったわ。それに、うどんげとてゐは知らないでしょうけど、
 昼間にそのイリスとか言う人がやって来て手を組もうとか行ってきたわ。
 もちろん断ったけど。でも、私達はガルドミラに付くつもりも無いわ。
 私達はあくまで中立なの。」
予想どうりの返事。
やはりな・・・。
「話はこれで終わりだ。集まってもらって悪かったな。」
「あ、将・・・。」
俺は居間を後にした。
部屋に戻ると荷物を纏め始める。
荷物を纏めている間、部屋には誰も来なかった。
いや、わざと部屋に来なかったのかもしれない。
俺にとってはもうどっちでも良かった。
そして、全員が寝静まった夜、俺は音を立てないように荷物をフライングアーマーに載せ始めた。
「「ここを出るのか?」」
「ああ、俺はガルドミラだ。中立じゃない。」
「「そうか。」」
荷物は積み終わった。
フライングアーマーには荷物が山盛りで重量限界ギリギリだろう。
俺は歩く・・・か。
フライングアーマーを起動して永遠亭に背を向け歩き出した。
「行くのね。」
背後から永琳の声。
気配からして全員揃っている。
「ああ、もうここに俺は居られない。」
「そう・・・引きとめはしないわ。それがあなたの決断ならね。」
「でも、ここは将の家。いつでも戻ってきていいのよ。じゃあ、その時まで・・・・行ってらっしゃい。」
「・・・・ああ、行ってくる。」
俺は歩き出した。
ガルドミラのトップとして。
一人の軍人として・・・再び。

200黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2012/01/06(金) 21:38:55 ID:oTu.NjiU
永遠亭を出てきたが行く当てなど無い。
こんな時間に起きてるのはせいぜい妖怪ぐらいだろう。
とにかく、妖怪の山方面に歩こう。
それは、迷いの竹林を抜けて少し歩いた時の事だった。
「わはー、あなたは食べてもいい人間?」
不意に背後から声がした。
振り返ると・・・黒い球体が浮かんでいた。
「あなたは食べてもいい人間?」
「食ったら腹壊すぞ。」
「そーなのかー。」
いかにも残念という声。
よっぽど腹が減っているのだろうか?
それよりこいつは何だ?
俺は黒い球体に手を突っ込んでみる。
手はすんなりと入り、簡単に出す事が出来た。
「お前は何なんだ?」
「私はルーミア。」
すると、黒い何かが消えて中から金髪の少女が出てきた。
「うどんでも食うか?」
「食べる!」
俺は近くの木の下にフライングアーマーを降ろして
荷物から持っていたどんべぇを取り出すと
手早くお湯を用意しどんべぇを作ってルーミアに渡した。
「いただきまーす。」
俺も食うかな。
隣で旨そうに食べていると自分も欲しくなってきた。
残りのお湯をカップに注いで、どんべぇを食べる。
「ごちそーさま。」
ルーミアが食べ終わる。
少し遅れて俺も食べ終わった。
「ねーねー、名前は?」
「俺は闇影 将だ。」
「ふーん、何してたの?」
「行く当ての無い引越しだな。」
「・・・・・・すーすー。」
何だ寝たのか。
どんべぇを食べてお腹が膨れたのだろうか、
ルーミアは俺の隣で寝てしまった。
仕方ない、放っておくわけにも行かないので、
その夜はそこで野営する事にした。

201黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2012/07/21(土) 17:27:52 ID:PN6LgdNk
諸事情により、ここで終了となります。
続けたい方は勝手につづけてください


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