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アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.15
620
:
ヨークタウン
◆oyRBg3Pm7w
:2022/11/18(金) 21:10:03 ID:rwYjnxGc0
「敵側の航空戦力は、総数で2000機前後との情報を聞いております。連合軍航空部隊の総数に比べれば余りにも少なすぎる。正面切って決戦を挑めば、自殺するのに等しい。それが嫌なら、こうする……敵ながら、いい戦い方ですな」
そこで、初めてモーデルが口を開いた。
「勝つ事はできんが、逆に負ける事もない。敵の総大将は狡猾だ」
彼はしたり顔でスプルーアンスを見つめた。
「それに加え、敵は未だに、航空部隊の再建を目指して、こちらの手の届かない後方地域でワイバーンや航空機の訓練に励んでいるそうですな。確実な劣勢下に置かれても、やるべき事はしっかりやれておるようです」
「陸軍航空隊にはB-36が配備され、シホールアンル本土の大半が爆撃範囲に入ったと聞く。そのB-36で後方の訓練拠点は叩けぬものかね?」
スプルーアンスはモーデルを見つめ返しながら、ロコソフスキーに問いかけた。
「無論、陸軍航空隊は2月の初めに、敵本土北西部にあるワイバーン養成所を叩きましたが。しかしながら、高高度での爆撃のため、戦果は今一つだったとの事です。その上、敵のワイバーン養成所は1箇所のみではなく、未だに未確認の養成所が複数あり、それが大陸中に分散しております。現在は各所に偵察用のB-36を飛ばして所在の確認に努めているところですが、範囲が広く、また天候に優れない事もあって、如何ともし難い状況にあると……」
「ふむ。では、敵航空戦力の策源地を数ヶ月以内に全滅させることは困難、であると」
「こういった敵には、何がしかの餌が必要になりますな」
モーデルがモノクルを取って、ハンカチで拭きながら言う。
「ただし、どのような餌がいいのか……そこの所は小官もまだわかりかねますが」
「いずれにせよ、判断を誤れば戦争の更なる長期化を招きかねない。その発端となりかねないのが、第1軍集団の行動だ」
クラークはそう言いつつ、ロコソフスキーに視線を向ける。
「無論、第2軍集団は可能な限り行動する。だが、現状の作戦では、既に前線へ移動しつつある敵増援の牽制や、我が戦線への敵戦力誘引はやり辛い。そこで……」
クラークの声音が変わった。
ここからが本題といった口調である。
「ここは……太平洋艦隊にひとつ、お願いを申し上げたい」
クラークはニミッツに体を向けた。
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