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アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.15

1名無し三等陸士@F世界:2016/10/03(月) 01:41:59 ID:9R7ffzTs0
アメリカ軍のスレッドです。議論・SS投下・雑談 ご自由に。

アメリカンジャスティスVS剣と魔法

・sage推奨。 …必要ないけど。
・書きこむ前にリロードを。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。
・SS投下中の発言は控えめ。
・支援は15レスに1回くらい。
・嵐は徹底放置。
・以上を守らないものは…テロリスト認定されます。 嘘です。

43名無し三等陸士@F世界:2016/10/08(土) 17:49:34 ID:9R7ffzTs0
投下乙です
このクリスマスプレゼント(爆弾)には、さぞ上品な言葉がかかれていたことでしょう
レシプロ爆撃機の集大成と言っても良いB-36がついに実戦投入
これから毎日首都を焼こうぜ?無警告で
必死にかき集めたケルフェラクとベテランも天空のB-36には届かず
帰ってきた首都防空団はお通夜状態に

意地でも近づこうと独自に軽量化したりする人たちが出てくるかな
あとは使う用事がなくなった対艦爆裂光弾をポン付け
かつてB-29初実戦の際には1機も落とせないことにいらついていたオールフェスは
同じことを言う元気が残ってるのか
ベトナム戦争ではB-52が「死の鳥」と呼ばれ恐れられましたが
こちらではB-36がそう呼ばれそうですね

レシプロ爆撃機家族の写真貼っておきますね
ttps://www.dc3dakotahunter.com/wp-content/uploads/2016/01/C-47-B-17-B-29-B-36.jpg

B-36の完成が早まればエンジンが同じB-50のデビューも案外近かったりして
あとAM-1・・・出番が無いわ

アメリカの戦死者数は南北戦争で50万人第二次世界大戦で30〜40万人でしたっけ?
イギリス連合(50万)とフランス(10万)がいない分被害が増えたと考えたらまだ低い水準なのかもしれない
地味な新兵器としては時期的にバタフライボムやAN-M41などのクラスター爆弾が実戦投入されてもおかしくないという

44名無し三等陸士@F世界:2016/10/08(土) 18:58:36 ID:hpjVZgcY0
え、ヨークタウン様は10年近く連載されてたんですか!新参者ですみません
質・量的にも書籍化されて可笑しくないと思います。学研歴史群像大賞が残ってれば、良かったのにな

45名無し三等陸士@F世界:2016/10/08(土) 19:34:27 ID:xcPdu0fk0
乙でした
ついにB-36による帝国本土爆撃開始ですか
これからB-36による爆撃が激しくなるのでしょうが、当のシホールアンルはこの難敵にどう挑むのだろう
高高度迎撃専用のケルフェラクを開発するのか、マジックランスを改造してAAMやSAMもどきを作るのか
あるいは艦砲の技術を応用して久我山の15センチ高射砲みたいなものを作るのか
でもそんな力が今のシホールアンル帝国に果たして残っているのだろうか

…シホールアンル版震天制空隊(もしくはゾンダーコマンド・エルベ)結成待ったなし?

>>44
連載開始が2006年11月5日だからあと四週間で連載10週年になる
これを超える長編は今後現れるのだろうか…

46名無し三等陸士@F世界:2016/10/08(土) 19:45:52 ID:ppPQaMN.0
乙です ついにBー36が首都爆撃にきたか 超超高度の要塞に帝国は魔道ミサイルでも開発して迎撃するしかないな
十年続いた連載ですか 本当に長い間お疲れ様です。 果たしてこの戦争はどんな結末迎えるのか いまから楽しみです。

47名無し三等陸士@F世界:2016/10/09(日) 00:18:04 ID:ZszJvMjg0
B-36登場で胸熱

もう十年か
本当に感慨深い
同人でもいいので書籍化せんじゃろか

48名無し三等陸士@F世界:2016/10/09(日) 00:33:41 ID:SzZSyKsg0
10年前といえばまだ幼稚園に入園する前だよ。。。

49名無し三等陸士@F世界:2016/10/09(日) 10:52:29 ID:3DhhF3Wk0
小林源文の作風で漫画化しても面白いかもねえ
余裕で50巻とか超えてしまいそうだけど

50名無し三等陸士@F世界:2016/10/09(日) 12:41:11 ID:iGUq2.lEO
俺は竿尾悟先生の画風が丁度いいかなーと思うな。この作品、おっぱい美人もわりと多いしw

51名無し三等陸士@F世界:2016/10/09(日) 13:05:16 ID:w2nCsok60
投下お疲れ様です。
ついに、史実戦後型爆撃機が登場しましたね。
地球世界では出番がなかった(無くてよかった?)、B-36ですが異世界
では史実日本の仮想の超重爆撃機並の活躍を期待できそうです。
成層圏の下層を亜音速で飛ぶ機体に正確に打ち込める高射砲弾という
のは、この時代の技術ですとあまり現実的では無いので(魔法でどうにか
するのかもしれんが)シホールアンル側としては如何にして損害を
減らしつつ、戦力を温存していくのかという積極的防御の体制を整え
られるかどうかに掛かりそうです。
それこそ戦力の維持のために総統大本営や、松代大本営のような
強固な地下要塞に首都機能の一部を移管させるくらいしか手はない
かも?

B-36も採用こそされませんでしたが、YB-60のように全発動機をジェット化
した次世代型機体も存在しましたのでシホールアンルが足掻けば足掻く
程これらの機体も登場するかもしれませんね・・・。

52名無し三等陸士@F世界:2016/10/09(日) 13:24:56 ID:w2nCsok60
WikipediaのB-36の項目の写真。

ttps://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5c/B-36aarrivalcarswell1948.jpg
ttps://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b2/7th_Bombardment_Wing_-_B-36_Peacemaker.jpg

B-36の詳細図

ttp://www.sas1946.com/main/index.php?topic=18413.0
コクピット内部の画像もあります。

B-36用トラック(キャタピラ)式降着装置
ttps://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/57/B-36_tracked_gear_edit.jpg

B-36内装
ttp://www.zianet.com/tmorris/B-36FIIaft.gif
B-36の駐機状態
ttps://s-media-cache-ak0.pinimg.com/originals/e7/0b/fc/e70bfcda5970ed6c311112c5233eb49b.jpg

53名無し三等陸士@F世界:2016/10/09(日) 13:52:26 ID:Pbx6.li60
おっぱい美人…
敵側しか思いつかねぇ!(リリスティとヴィリィ

54名無し三等陸士@F世界:2016/10/09(日) 14:25:42 ID:3DhhF3Wk0
おいおいリンゲちゃんを忘れておるぞいwww

55名無し三等陸士@F世界:2016/10/09(日) 15:42:21 ID:grkVvGho0
乙です。
これだけ読み応えのある架空戦記はなかなかないので、
何処かの出版社が目をつけないかな〜みたいなw
(WW2時代の米軍主役ものなんて珍しいし)

56名無し三等陸士@F世界:2016/10/09(日) 20:53:23 ID:sz5aylzw0
更新、お疲れ様でした。
シホールアンルの打つ手ってもう自爆テロぐらいしか残っていないな
そんなことをするぐらいなら、軍事クーデターで講和(リリスティあたりを頭に
祭り上げ)のほうがましの様な

57ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/10/09(日) 23:57:02 ID:MFm28Pfg0
皆様レスありがとうございます。

>>40氏 平和を作る者、という名前を爆撃機につける辺りがなんとも…と思ったのでw

>シホールアンルには頑張ってほしい
シホールアンル側もあがくとは思いますが、もはや時間の問題でしょうなぁ……
手付かずだった奥地の工場じゃ資源地帯も、B-36によって虱潰し叩かれるでしょうから、1年も持てば上等かもしれません

>技術者大泣き
ブラック&ブラックになっちゃいますなw

>>41氏 実を言いますと……間間の休止期間や1年以上のサボリ期間が無ければ、早くても2年前には終わってた筈なんですが
いやぁ……モチベ崩壊に陥ると本当にアカンですな

>>42氏 B-47ストラトジェットもカッコイイですよね。爆弾搭載量はB-36には及びませんが、それでもB-29並みに搭載できるのが
なかなかと言ったところでしょうか。
今後は発足する戦略航空軍団(SAC)に配備され、レーフェイル大陸の空軍基地に展開して現地民から人気を集めそうです。
なお、レーフェイル大陸では、終戦間際のどさくせで、マオンドの馬鹿どもがやらかしたせいで地味に厄介なことが起きているので、
ひょっとしたら……B-47の初実戦は定期的に湧く凶悪な害獣退治とかになりそうです

その時のルメイのセリフはこうなりそう

「我が国は、高い税金をかけて凄く速いモンスターハンターを作ったのだな(自虐」

>>43氏 爆弾には例によって「fuck you!」とか「Merry Christmas!」等、罵声やらお祝いの言葉やら、色々と書かれていましたねw

>意地でも近づこうと独自に軽量化したりする人たちが出てくるかな
今現在、シホールアンル側で開発中の新型飛空艇がありますが、それが完成してもB-36には……と言った感じです
でも、技術者が気合を入れれば、もしかしたら……

あと、シホールアンル側には、「死の怪鳥」と早くも呼ばれつつありますね

>写真
相変わらず、B-29からB-36への差がひどいw
何があったしと言いたくなりますね

>>44氏 ありがとうございます。本当はサボっていなければもっと早く終わっていましたね。
あと、このSSが書籍化するのは無さそうですね。
第一、自分の文体は上手くないですからなぁ。自分よりうまい方なんて幾らでもいますぞ。

>>45氏 シホールアンル側の技術では、1機も落とせそうにないでしょうなぁ
何しろ、高度差が2000メートル近くも付けられてしまっては、かの誘導爆裂光弾でも届きそうにないですし

>これを超える長編は今後現れるのだろうか…
さぁ、そこの所は何とも…
でも、あっさり抜かされそうだとは思いますよ
1週間に2回投稿&それを3年続ければすぐですね

>>46氏 遂にB-36が来ちゃいましたね……
現状、打つ手がないシホールアンル側は絶望に染まっております

>果たしてこの戦争はどんな結末迎えるのか いまから楽しみです。
皆様に納得できる結末を掛けるか、かなり不安ですが……自分なりに頑張ってみます

58ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/10/10(月) 00:03:05 ID:MFm28Pfg0
>>47氏 
B-36「今後とも世話になるんでヨロシクゥ!」
シホット「」

もうこんな感じになっちゃいましたね。
まぁ、調子に乗ったお返しですから仕方ない(鬼
>もう十年か、本当に感慨深い
同人でもいいので書籍化せんじゃろか

いやぁ、書籍化は難しいでしょうなぁ。自分もやるつもりは無いですし
自分としては、ガチで頭空っぽに近い状態してマイルドに楽しめる風に!という感じでやってましたので。
とはいえ、長い間、自作SSを読んで下さり、本当に感謝しております。

>>48氏 自分はそん時、まだ20代前半でしたが、今は30代になってちょい年寄りになったなー、と思ってたりしますねw

>>49氏 そうなったらもう、嬉しさの余り気絶しそうですねw
でも、必要以上に長く書きまくったので途中で飽きられそうです

>>50氏 自分もそう思いますね
竿尾悟先生も上手いですからなぁ。かわいい子も書きつつ、渋い兵隊や兵器描写もしっかりできる人は本当に凄いです

>>51氏 この世界では仕事がありますから、B-36も大いに暴れてくれるでしょう。

>新型高射砲の開発
うーむ、魔法でやろうにも、超高度迎撃を行うには難しそうです
よほど努力しない限り、永遠に開発できないかもしれないですね。

>総統大本営や、松代大本営のような強固な地下要塞に首都機能の一部を移管させるくらいしか手はないかも?

そうなったら、アメリカ軍は容赦なくクラウドメーカーを叩き込みそうですね

それから、資料写真UPありがとうございます。
自分も世界の傑作機を見ましたが、いやぁ……ほんと、B-36も、アメリカの技術力の結晶ですよね。

>>53氏 自分が巨乳好きなので、登場する名有りの女の子は大体胸が大きかったりします。
味方陣営で言えば、エリラとフェイレがいい物をお持ちでしたね。
あと敵陣営で言えばそのお二方で、残った女性兵士も大体……という感じで設定しています
でかいのはいいぞ!
あでも、でかすぎるのアウトですね(ヲィ

なお、そういった女性兵士たちが活躍するより、軍艦の活躍度合いの方が圧倒的なSSなので、影が大分薄い模様。

>>54氏 F8Fに襲われないうちに早く逃げましょうぞ!

>>55氏 そう言っていただけると嬉しいです。
とはいえ、自分のSSだと、お呼びはかからんでしょうなぁ。
それよりも、自分以上に良い作品を作られている方はいっぱいおられると思います。

7月辺りから、自分は学園大戦ヴァルキリーズという作品を読み始めて以来、一気に引き込まれてしまいましたが、
特に陸戦描写や残酷描写の表現では凄いなぁと思う反面、色々参考になると思いました。
あのような迫力満点の小説ですら、同人でやられているという実情ですからなぁ。
個人的には、あの作品を書かれている方も、商業でもやっていけると思っていたりします。
なんでお声がかけられていないのがちょい不思議ですね。

あ、学園大戦ヴァルキリーズはいいですぞ!ミリタリー好きなら見て損はないでしょう。

>>56氏 一応、正規軍は少なからず残っていますし、航空戦力も幾ばくかは残っていますので、頑張れば一年ほどは
粘れそうです。
その後は粘れない可能性が高いですが。

>軍事クーデター
うーむ、クーデターが起るかは微妙な所です。
今のところ、軍部は全体的に皇帝を支持していますので。

そう……今のところは、ですね

59名無し三等陸士@F世界:2016/10/10(月) 13:17:25 ID:Pbx6.li60
中盤の(今となっては初期?)のヒロイン枠であるフェイレちゃんも大きかったのか・・・
勝手なイメージでスレンダーな体型で美しい形と思い込んでました。
マオンド戦終盤で登場した宗教団体から脱走した子も大きいという描写ありましたね。
あとは直近でも登場した元暗殺者のウィーニちゃんも大きそう。
機動科努めだからその大きいのが邪魔になってないといいですが…、あと大包囲戦で生き残ってるのか心配です。

まぁここの皆さんはお胸より戦艦の巨砲とか戦車とか爆撃機の飛行機雲のほうが興味あるからね。
仕方ないね。
次はP-80ちゃんの出番だね。

60名無し三等陸士@F世界:2016/10/10(月) 18:14:50 ID:sz5aylzw0
ヒロインはレディレックスやレディサラじゃないのか

61名無し三等陸士@F世界:2016/10/10(月) 22:49:36 ID:9R7ffzTs0
アメリカのヒロインといえば
ttps://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/8b/Franklin-Roosevelt-1884.jpg
この方でしょ

>今現在、シホールアンル側で開発中の新型飛空艇
新型機まだ残ってたんですかやったー!

ただ末期という状況とシホールアンル側の航空技術開発ラインの少なさを考えると
Do335とか震電みたいな珍機体が出る可能性がなさそうなのは残念
ここのアメリカには逆レンドリースの木製の奇跡ことモスキートが存在しませんが
もしあったらシホールアンル側に渡って木製航空機もありやん!
という展開があったかもしれないのに
ファンタジー世界ということもあり木工職人も多そうなイメージだったので

62名無し三等陸士@F世界:2016/10/11(火) 00:48:29 ID:WQ84r1xE0
>>61
多分B-36が太平洋戦争末期に登場してたら紫電など新開発してても太刀打ち出来なかっただろうね。
シホールアンルなんて魔導発動機の発展型の魔導ジェットとか開発してない時点で
空戦は詰んでると思う・・・。
というかB-36だけでも無傷で空爆して無傷で帰投出来るようになってしまったからな・・
その上戦闘用にシューティングスター・・・
リリ姉さん。。レンスの元へ行くのはまったなしになりそうw

63名無し三等陸士@F世界:2016/10/11(火) 11:04:03 ID:as0IaEYQ0
ここから米国戦闘機は海軍も陸軍もジェットの波ですからねぇ
海軍でもすでに試験飛行等は始めてるFH-1。
すでに設計は始まってるP-84。
この世界では後退翼のデータが手に入るからどうなるかは解らない傑作戦闘機F-86。
現実世界でも1945年あたりからは各国もジェット化へ移行してますが、こっちの魔法世界だとジェットの概念すら…
空飛ぶといえばワイバーンか魔道発動機なので対抗しようにも厳しそうですね…

64名無し三等陸士@F世界:2016/10/11(火) 11:05:11 ID:as0IaEYQ0
後退翼のデータが手に入るか解らないでしたすみません!
ちょっとB-36でリリスティ姉さんに告白してくる

65 ◆3KN/U8aBAs:2016/10/11(火) 18:40:12 ID:fPydlAPs0
投稿お疲れ様です。
B-36はジェット化で一気に陳腐化した機体の一つですけどこの世界ではジェットに相当するものがないから相当現役で頑張れるかな?

というかむしろ ナチスの技術なし&ジェット相当の魔導兵器がない だとこの世界の航空機はレシプロがかなり長い間使われるかも
下手すればB-52がTu-95のような外見の超巨大レシプロ機になる可能性もありますよね。(Tu-95はターボプロップだけど)

66名無し三等陸士@F世界:2016/10/11(火) 22:58:07 ID:1PziFbNs0
ヨークタウン様、投下乙であります。

ケルフェラクでは歯牙にもかけられませんでしたねえ…新形ケルフェラクなら何とかなるかも知れませんが発動機に足を引っ張られ続けているのが歯痒いところでしょうなあ。
調子が良くても1、2回攻撃できればいい方でしょうし、大半は20mm機関砲の濃密な弾幕の餌食になるのがオチでしょう。
シホールアンルにはジェット戦闘機に比類する飛空艇が無いでしょうからB-36は当分の間活躍できそうですね。

それでは久しぶりに小ネタを投下してみます。いつもの事ですがヨークタウン様の設定とは多少異なっていることをお許しください。

終戦から数週間後、GHQの命令により各地にある飛行場に全ての飛空艇が集められた。稼働機や部品取りのために放置されていた機体、生産中の物まで全てだ。
評価試験のためにアメリカに接収される4機のケルフェラク―戦闘型、攻撃型、ケルフェラク改、竜母での運用を可能にした艦載型(注1)、ドシュダム1機、噴進式魔導機関を搭載した試験機を除いて我が国の飛空艇はすべて廃棄処分されることになった。
他の地域では焼却されるか重機によってスクラップにされていると同僚から聞いていた私はアメリカの手にかかって焼かれるくらいなら我々の手で処分したいと申し出て了承された。
上空ではアメリカ軍機が絶えず旋回し、周りには武装した連合軍の兵士たちが銃口を我々に向けていた。変な事など出来るはずがない。
我々は機体に取り付き、機種下面にある魔導石冷却器(注2)の安全装置を解除した。やがて機首から燻り始め、独特の金切り音を上げながら極彩色の炎に包まれていった。
主翼が溶け、魔導金属の塊と化した胴体が崩れ落ちるまでにさほど時間はかからなかった。私の周りからはすすり泣く声や嗚咽が聞こえてきた。
その光景を目に焼き付けながら我々は強く誓ったのだ。この空に、祖国の空に我々が手掛けた飛空艇を再び進空させると。必ず。どんなに時間がかかってでも。
命が尽きても炎の中から蘇るケルフェラクのように。

〜ヒストリーチャンネル「復活のケルフェラク」より 戦闘飛空艇ケルフェラク主任設計者カイベル・ハドの日誌より〜

この日を境にシホールアンル共和国は全ての航空機の開発及び製造を禁止された。
彼の言葉通り、70年後の1555年(2015年)2月2日、アルジア・マユ空港にてケルフェラクの名を冠した小型旅客機が初飛行に成功することになる…

注1.シホールアンル帝国における正式名称は試製ケルフェラク艦載型。連合国側のコードネームはシーフェラク。
注2.頑丈なことで知られたケルフェラクの唯一の急所。ここを損傷すると魔導機関が暴走して炎上するため、連合軍パイロットの間では「ケルフェラクの喉笛」と呼ばれていた。

投下終了です。

67名無し三等陸士@F世界:2016/10/11(火) 23:07:01 ID:w2nCsok60
>ジェットエンジン
英国から、ホイットルの遠心式圧縮式ジェットエンジンの技術資料
みたいなものって入ってこなかったのかしら?
軸流式圧縮式はドイツからの技術流入なので、史実と違うこの世界の
米国だと遠心圧縮式の研究開発が進みそうな気がしますです。

1930年代という時期は航空力学の黎明〜発展期でもあるので、ジェット
エンジンの研究が成されていないとは考えにくいですし、レシプロエンジン
との折衷案であったモータージェットの研究開発は枢軸・連合国共に行って
いました。
ガスタービン型のジェットエンジン(ターボジェットエンジン)の概念その物
はもっとずっと昔には出来ていましたので、原爆開発が遅れているこの米国
ならやりそうではあります。
幸いドイツ人(外交官付きの)も何人かこちらに居てますしね。

68陸士長:2016/10/13(木) 16:39:35 ID:om1TLDqA0

何時もはROMってましたがお久しぶりです陸士長です

後一年はシホールアンルは粘れるそうですが、そうなった場合行き着く先は1945年5月のドイツ本土ですね
都市は尽く灰燼となり国土の殆どは連合軍の軍靴とキャタピラとタイヤで蹂躙され、帝国臣民は絶望を通り越した抜け殻の様な顔をしてそう

ドリフターズのノブがいい事言ってました

 尊厳が無くとも飯が食えれば人は生きられる
 飯が無くとも尊厳があれば人は耐えられる
 だが両方無くなると もはやどうでもよくなる
 何にでも頼る

両方奪ってズタボロにした後で、アメリカがこう言えばいいんですよ(ゲス顔

「悪いのは全部貴方達に戦争を強いた皇帝と軍部デース、皆さんは被害者デース、USA印の自由と民主主義アゲマース!」

ありゃ、我が国とドイツで連中がやらかしたような手法っすね
モルダー、あなた疲れてるのよ



という訳で久しぶりに外伝っぽいのをやろうと思います。ご笑覧あればと願います



※これは本編の設定をお借りしたファンフィクションです

69陸士長:2016/10/13(木) 16:40:43 ID:om1TLDqA0



『貧血戦線』


北大陸戦役において最大規模の攻囲戦である南部戦線は、シホールアンル軍がその本土における貴重な防衛力を大幅に失落させる最大級の戦略ミスと言われる。
だが、ここで述べるのは歴史的に類を見ない連合軍の電撃侵攻でもなく、南部の死守に固執して150万人という大軍団を敵中に置くという致命的失敗を犯した防衛側でもない。


帝国本土の南部という大きな包囲地帯に取り残された150万人と、それがどう維持されたかという観点だ。
これは需品科の将校として、非常に興味をそそられるものでもあるのだ。


私の先輩であり上司である方が補給こそが軍隊の心臓だと指摘したことがある。
心臓が身体の各部に血を送ってこそ、人間は五体満足に身体を動かすことが出来るのだ。
他がどれだけ傷一つなくても、心臓が動かなくなれば例外なく人は死ぬ。
どんな兵科も補給が無ければ戦えない。弾もパンも水も燃料も補給があればこそ入手できる。
どれか一つが絶えただけでも、兵士は、軍隊はあっさりその動きを止めてしまうのだ。

戦後入手された軍団の資料によれば、当時南部戦線には駐留軍が三ヶ月は満足に戦えるだけの備蓄が備えられていた。
これは敵軍の侵攻を受けた場合真っ先に敵軍が入り込むであろう南部を絶対死守する為、優先的に備蓄が整えられたからだ。
それだけの量の膨大な武器弾薬、食料や備品が各地の集積所や倉庫に蓄えられていたのは事実である。

しかし、それらが無事に保管、保存が行われていればである。
加えて、それらが十分な補給路を形成し、潤沢に輸送され各部隊に送られれば、の話である。
兵站計画は大概、予想外の出来事で破綻する場合が多い(これは補給が贅沢に行われてる、と言われがちな我が軍でも度々起こる事だ

それが、敵軍側による明確的、かつ計画的な悪意に満ちたものであれば尚更なのだ。

攻囲戦前に行われた帝国軍の反撃は熾烈を極め、まともに攻撃を受けた軍は大きな損害を受けていた。
南部戦線が孤立していたとはいえ、そこに居るのは150万人の精兵と新型の兵器群である。
まともに攻勢を仕掛ければ最終的な勝利は間違いないにしても、多大な損害を受ける事は間違いないのだ。
ましてや、相手は崖の隅に追い込まれ殺気立った獣である。下手に戦えば手傷を負うのは目に見えていた。

ならば、充分に弱らせてから叩くことになるのは定石である。
幸い、南部の敵航空戦力は限定的なものであり、連合軍側は数も多く唯一の懸念であった悪天候もその時期を過ぎていた。

連合軍は、南部戦線に存在する150万の軍隊という巨体の身体の心臓を弱らせ、血管を切断する事から始めた。
集積所や倉庫、それがあると思しき街や施設は残らず爆撃機隊の標的となった。
不自然に人や車両が多数出入りしてる森なども、怪しいと判断されれば爆撃機が飛んできた。

巨人の心臓が吐き出す血を止め、全体を弱体化させる為だ。

主要な街道や鉄道網は尽く戦闘爆撃機隊が小型爆弾の雨とロケット、機銃射撃で列車や補給段列ごと粉砕した。
大まか破壊した後は、それこそ数台の馬車に対してすら機銃射撃を行っていた位である。
そのさまは『南部で動くもの全てにコルセアは弾か爆弾を撃ち込んだ』と言われていたぐらいだ。
そのうち、夜間に輸送するようにシホールアンル軍は切り替えた。昼の輸送はただ損害を増やすだけだからだ。
エアカバーの無い南部戦線では、路上で動くものは等しく標的に過ぎないのだ。

しかし、それにすら連合軍は対応してみせた。
夜間輸送に関しては、暗視が効くヴァンパイアのパイロットが乗った夜間戦闘機が先導した夜間飛行部隊が担当した。
彼らにとってはこそこそ移動するシホールアンルの補給部隊は筒抜けであり、彼らが照明弾を正確無比な位置に落とし、後続の部隊が地上を爆撃した。
シホールアンルの補給部隊は、この夜襲部隊を文字通り『吸血鬼』と呼んで恐れ何よりも憎んだという。

こうして、陸軍は砲爆撃を繰り返しながらゆっくりと前進。
後方は連合軍の空軍が常に空爆を繰り返し、その血潮が無駄に吹き出すように仕向けられた。
150万人のシホールアンル軍には、前線も後方もなかった。彼らが居た全土、南部全てが戦場なのだから。
心臓を打ちのめされ、身体のあちこちから血が吹き出していく巨人がどうなったか。
それは戦史が示している事である。

そして、その地には帝国の国民200万人がいた事も付け加えておく。
ある意味、彼らの存在こそがこの南部戦役においての一番の悲劇と言えるのだから。



投下終了

70名無し三等陸士@F世界:2016/10/13(木) 17:19:03 ID:6bQNA7r20
>ヨークタウンさま 投下乙でした!

>>67

我々の世界では1929年にイギリス空軍のガスタービン研究チームに所属していた
ホイットルがジェットエンジンの理論を発表していて、これは日本でも読まれていた。

なおガスタービンエンジンの理論は19世紀初頭、イギリスのバーバーによるもの。

>軸流式
イギリスのガスタービン研究チームは軸流式で進めていた。
これは後にロールスロイス・エイヴォンを生み出す。

ホイットルは「よりシンプルな遠心式にしよう」と主張してチームを追い出され、
苦心と貧窮の中で自分のチームを作りパワー・ジェットW.1を製作する。

ホイットルとグリフィスがそれぞれ苦闘している間にドイツのオハインがもっとシンプルなエンジン
(圧縮機とタービンはリベット板金組み立て、完全手動制御)を作り、
これによってHe178が飛んだのが1939年8月末のこと。
ドイツ人は秘密裏に実施したつもりだったようだが、1939年9月5日の日付でHe178の写真がイギリス公文書館に収蔵されている。

ちょっと遡って1939年6月、スイスのヌーシャテル発電所で世界最初の実用ガスタービンエンジンが稼動を開始した。
これも軸流式。ちゃんと自動制御。

これには世界各国から見学者が訪れ、日本からも少なくとも2名の見学者が訪れている。
日本海軍からの見学者は後に「橘花」のエンジンを作り、また日本ガスタービン学界の初代会長となる。
(ただしこの人は、ヨークタウン氏の作中では元の世界に居ると思う)

1940年、アメリカのゼネラルエレクトリック社はヌーシャテル発電タービンの見学結果も活かして
工場動力用ガスタービンの試作に成功。
翌年から量産開始され、これが「歴史上初めて量産されたガスタービンエンジン」となった。
もちろん空は飛ばないが、制御は自動化されていた。

1941年5月15日、イギリスではホイットルが作ったエンジンがグロスターE28/39を初飛行させた。
アメリカ人も見学しているし、ホイットルのスポンサーのひとつはアメリカのゼネラルエレクトリック社だったりもする。

ドイツからジェットエンジン研究資料がアメリカに来ているかどうかを気にする必要は無いと思う。

71名無し三等陸士@F世界:2016/10/13(木) 22:24:00 ID:9R7ffzTs0
陸士長氏もお久しぶりですね
外伝投下乙
>>66も乙

シホールアンルにIF戦後があったとするなら一番やばそうなのは海軍ですよね
陸軍は飛行機の発展の可能性に賭けられるかもしれないけど
竜母なんてワイバーン運用前提で作ってるからジェット艦載機なんて現れた日にはもう
F8Fに対してP-80は好きな場所から攻撃できた。F8Fは攻撃を避けることは出来たが攻撃位置にはつけなかった
なんて評価も聞きますし、速度って大事

>>67
アメリカ初の軸流式エンジンアリソンJ35がGEのTG-180として1943年に開発スタート
1945年2月には試作機らしきものの写真が残ってるから案外戦後のジェット・エンジン史って変わらないかも
なんだかんだGEってタービンや過給器で似たような構造の経験積んでるのよね

72名無し三等陸士@F世界:2016/10/13(木) 23:19:22 ID:w2nCsok60
>>70>>71
成る程、ご教授ありがとうございます。
まあFR-1ファイアボールみたいなハイブリッド機も史実には出ていますし
この世界の米国でもジェット機は早々に実用化されそうで安心しました。
私的にはF-84A E/G サンダージェットやF-86セイバーが好きなので、あれら
名機が出てこない米国軍機は少しさみしい物を感じますので。

73名無し三等陸士@F世界:2016/10/14(金) 02:09:38 ID:09HlkyNU0
ついに出てきた米帝版富嶽
米帝でも5000馬力は無理だったようだ・・・。

74ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/10/14(金) 16:32:30 ID:MFm28Pfg0
>>59氏 フェイレは結構大きい方ですよ。服着てても大きさが案外ありますので
あとウィーニもいいものをお持ちですね(ヲィ

>>60氏 主役が海軍艦艇ですからな。なお、レディ・サラは生まれ変わってめっさ強くなった模様

>>61氏 一応、残ってはいますが……まぁ、活躍できるかどうかは今後の展開次第ですかな。

>>62氏 史実だと、普通に太刀打ちできんでしょうなぁ。
シホールアンル側はB-36に関しては本当、一方的に爆撃され放題になっていますね。
そして、近いうちにはP-80も出てきますから……哀れ、シホールアンル

>>63-64氏 ジェット時代の到達で、航空機もガラッと変わり始めますからね。
アメリカがこの戦争に勝利したら、戦後はあちこちから様々な目線で見られることは間違いなしです。

>後退翼データ
この世界では、色々と試験を重ねたら最適なデータが出て、それが史実同様の後退翼データだった、という風に
しようかなと考えてます。
アメリカも他国と、同様に実験は繰り返す国ですからね。

>B-36でリリスティに
おやめ下され!彼女のSAN値はとっくに0ですぞ!

>>◆3KN/U8aBAs氏 
1年後ぐらいにB-47が出そうですが、B-36ほどの爆弾搭載量は無いので、史実よりは長く活動できるかと思います。

ただ、B-52が出ると、やはりお払い箱になりそうですねぇ。
長くても、1960年代後半まででしょうかな、在籍できるのは。

>レシプロB-52
なるほど、それはそれで面白そうですな。
どちらかというと、ターボプロップ式になりそうですが、それはそれで良しですね。

でも……ジェット型のB-52が好きなんです(ヲィ

75ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/10/14(金) 16:33:44 ID:MFm28Pfg0
>>66氏 そうですなぁ。B-36の防御兵装も割と鬼畜ですからね。
コンバットボックス組んだ編隊にケルフェラクが突っ込んだら損耗率が酷くなりますな。
恐らく、B-36は終戦までシホールアンル本土を好き放題に荒らしまくるでしょう。

それから、小話投下お疲れ様です。
ケルフェラクの荘厳な最期……いい物を見させてもらいました。

ケルフェラクが炎上するシーンでは、石原裕次郎の歌、黎明を思い出してしまいましたね。

>>67氏 戦前は英国からジェットエンジンの技術資料が入っていたという話は以前に聞いていましたが、
なるほど、そういう詳細だったのか……(無知マン
このSSが1940年代でスッパリ終わる事しか考えてなかったので、そこら辺はおもっきしスルーしてましたね

>ガスタービン型のジェットエンジン(ターボジェットエンジン)の概念その物
はもっとずっと昔には出来ていましたので、原爆開発が遅れているこの米国
ならやりそうではあります。

このアメリカなら間違いなくやるでしょうね。
そして、片手間に核開発をも……

>>陸士長氏 おお、こちらこそお久しぶりです。お元気そうで何よりです。

>ゲスイ一言
この世界のアメリカも、ランフックのみじゃなく、首都ウェルバンルでも無警告戦略爆撃かまして町を焼き討ちにしてますからね。
普通にこんなゲスイ事も公言しそうで怖い。

それから、今回も外伝投下お疲れ様です。
制空権があるならなんでもできる!それを体現したSSですな。

いくら優秀な兵器を有し、物資の備蓄があるとはいえ、それを支えるシステムとモノが無ければ意味は無く、攻勢側の思うままに
任せるしかない……

恐らく、南部領のシホールアンル軍民はこれとほぼ同じ状況に陥るでしょうね。
そして、何人のシホールアンル兵と一般市民が生き残るかは、神のみぞ知る、ですね。
連合軍も“降伏の意思を見せない敵には”容赦ないですし。

>>70氏 ありがとうございます。
それにしても、勉強になりますな。

となると、この世界のアメリカも、史実並みか、やや遅い程度で航空技術は進歩しそうですね。


>>71氏 

竜母をジェット艦載機運用に変えようとすると、大分設計をやり直さないといけないですね。
というか、もうワイバーン運用を諦めて、普通に空母を作った方がいいでしょうな。

作れる環境ができればの話ですが。

>>72氏 自分も同じです。特にF-86は昔、特撮映画にハマっていた時によく見た事もあって好きな機体です。

>>73氏 ここぞとばかりに出てきてしまいました。
そのアメリカも、今のエンジンが限界ですね。
とはいえ、邪魔になりそうな相手は、今のところいないも同然なので、あちこちに出向いて爆弾の雨を振らせていくでしょう。

76名無し三等陸士@F世界:2016/10/14(金) 17:21:26 ID:46oelmQo0
ジェットになるかターボプロップになるかは解らないですが、遅れようとも史実B-52に該当する爆撃機は出てきそうですね。
問題とすれば敵にジェット戦闘機に該当する物がない場合は、B-58やXB-70、SR-71等の超音速軍用機が出てこない事かな…。

上のほうにも書かれてるからいらっしゃいましたが、もしかしたらB-47と史実B-52の間ぐらいにTu-95みたいなターボプロップ二重反転プロペラ爆撃機みたいな変態爆撃機作りそう。

77名無し三等陸士@F世界:2016/10/14(金) 19:10:31 ID:RGKjgIqo0
>>74
> >後退翼データ
> この世界では、色々と試験を重ねたら最適なデータが出て、それが史実同様の後退翼データだった、という風に
> しようかなと考えてます。
> アメリカも他国と、同様に実験は繰り返す国ですからね。
何年か前に書きましたが、史実でもアメリカ人は実験を繰り返して1945年春に後退翼とデルタ翼の効果を発見しています。

史実での経緯はこんな感じです。

ドイツのブーゼマンが「超音速限定の」後退翼効果を発表したのが1935年、この論文はアメリカでも読まれたが、
当時「超音速」とえば火砲技術者とロケット技術者のみが関心を持つものだった。

1943年、別の理由で後退翼を採用したMe163のデータを整理していたドイツのベーツが「後退翼は亜音速でも効果がある」ことに気づく。

これらとは別に1945年、超大型爆弾「グランドバスタ-」の安定翼について工夫と実験を繰り返していたアメリカのジョーンズが
後退翼とデルタ翼の効果を見出している。


といったところで、ヨークタウン氏の作中アメリカにはベーツは居ないでしょうがブーゼマン論文はあるでしょうし、
ジョーンズがグランドバスターの改良をしているだろうと思います。

78名無し三等陸士@F世界:2016/10/14(金) 20:17:17 ID:1PziFbNs0
ヨークタウン様、>>71様、コメありがとうございます。

今回の小ネタは以前から考えていたものです。
史実の日本のように終戦後には大半の飛空艇が処分されたのではないかと想像していたもので。
自ら手掛けた飛空艇を自らの手で葬り去ることの辛さは物づくりに携わっておられる方は共感していただけるものと思います。
当初は軍用のジェット練習機として生まれ変わるプロットを考えていましたが、戦う翼ではなく人々を乗せて運ぶ平和の翼とした方が良いと判断してこのような小話になりました。
実はこの小話には裏設定がありまして、接収されたケルフェラクはジャルビ少佐の乗機です。
これらの機体は評価試験が終わった後に廃却される予定だったのですが、アメリカや連合国のパイロットなど関係者の尽力により保存されることが決定。
ジャルビ機は飛行可能な状態でプレーンズ・オブ・フェイムが所有しており、その他の飛空艇はスミソニアン博物館で展示されているという設定です。

シホールアンルは空母そのものの開発を断念しているとのことですが、艦載型ケルフェラクの計画はあったと思います。
ただ、空母での運用を考慮すると重量が増加して肝心の速度や機動性は通常型に比べて大きく劣るのではないでしょうか。
そうなれば、P-80どころかF8FやF6Fにも歯が立たないのは目に見えていますね。>>71氏が仰る通り速度は大事です。

79名無し三等陸士@F世界:2016/10/15(土) 17:05:16 ID:iCYImvGg0
原爆はいつ使うんだろう?
アインシュタイン等がいるってことは原爆製造担当の研究者全員F世界転移してるって考えてもおかしくはないからな

80名無し三等陸士@F世界:2016/10/15(土) 17:42:33 ID:RevGeKwI0
史実の原爆研究メンツは魔導通信傍受機開発に駆り出されたので、
原爆はこの世界では研究してませぬ。
出てきても戦後。

まだ南大陸が主戦場だったころにそういった話があったはず

81名無し三等陸士@F世界:2016/10/16(日) 09:29:14 ID:grkVvGho0
魔導通信傍受技術と生体反応の感知する魔法を妨害する技術(潜水艦の生存性向上)
が主な成果だったけど、
目立った脅威である防御結界(陸上艦や空中艦隊の出現が1年早かったら大変な事になってただろうし、
対ワイバーン空中戦で米軍機が苦戦する一因にもなってる)
への対策はあんまり進んでない感じ

82名無し三等陸士@F世界:2016/10/16(日) 12:33:37 ID:w2nCsok60
原爆開発に時間を掛けられる余裕があるならば、爆縮型一本に絞って
開発が進むのかもしれない。
ガンバレル型は致命的な欠陥があるのとエネルギー変換効率が甚だ悪い
のと原料にウラン235しか使えない(プルトニウムで作ると安全性を確保
出来なくなる)事など欠点の方が多いから多分造られない可能性がある
ですね。
シホールアンルさえ打倒すれば「当面の間は」大国間の全面戦争のリスク
が低下するでしょうし、そうなれば原爆開発自体が続けられるにしても
より洗練された形(予算面でも人員でも)で成されそうです。
原爆開発はそれこそ防御結界に覆われた要塞や多数の塹壕とトーチカ群
などに対する一手段としても期待されるかも。
米国人の原爆開発・配備初期の核兵器のイメージって超強力な爆弾として
の物が多かったですからね(科学者を除く)。

83名無し三等陸士@F世界:2016/10/19(水) 13:29:12 ID:iGUq2.lEO
それにしても、この世界のプリンス・オブ・ウェールズは史実と比べるとエライ活躍してるな
もしかしたら、記念館にされる可能性もあるかな?

84名無し三等陸士@F世界:2016/10/19(水) 22:10:27 ID:9R7ffzTs0
母国を失った人向けにイギリス艦隊のどれかは記念館として保存されそう
巻き込まれた民間船とかも同じように

民間船でちょっと気になるのはフランスの豪華客船ノルマンディー号
史実ではアメリカが兵員輸送船に使おうとしたら火災起こして消火の不手際で転覆したけど
この世界では活躍しないかな?兵員輸送船足りなそうな気もするし
全長だけならミッドウェイ級よりも長いからカレアントのお姫様も気に入ること間違い無い

物語には出てないけど客船アメリカ号、クイーン・メリーと大西洋の貴婦人たちの影の活躍を想像すると楽しい

85名無し三等陸士@F世界:2016/10/20(木) 19:47:07 ID:PUo/vBSM0
ヨークタウン様
続きをおねがいします。
続き読みたい病と診断されました・・・・・orz

86ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/10/20(木) 20:08:26 ID:MFm28Pfg0
すいません、今立て込んでるので、投稿は来襲辺りに変更いたします。
その時に返信も行います。

>>85氏 ちょ、早くないすかw
まだ2週間程度ですがな

87名無し三等陸士@F世界:2016/10/25(火) 22:01:46 ID:.aA.hlvE0
>>86
ヨークタウン氏に恋焦がれる読者が多いってことなんですよ(ぇ

88名無し三等陸士@F世界:2016/11/01(火) 15:47:01 ID:om1TLDqA0
>>81
と言うか、陸上戦艦が本土防衛用に全く運用されてないのが驚き
もうリソースを空中艦隊に注ぎこんでのでそっちはスルーされたのかもしれないが

障壁に関しては同意見
中和出来る装置なり装備してればワイバーンは瞬殺出来るんだしね……
空中艦隊も障壁を破りやすく出来れば脅威度は大きく下がるし

89名無し三等陸士@F世界:2016/11/01(火) 22:42:21 ID:ySMZ.4YU0
あの防護障壁は戦後の宇宙開発で大活躍しそう
デブリや宇宙放射線を遮断とか夢が広がるw
大気圏突入時の熱対策にも使えるな

90名無し三等陸士@F世界:2016/11/03(木) 01:26:37 ID:RevGeKwI0
陸上戦艦って、陸上戦艦用魔法石精錬工場が吹っ飛ばされて追加生産できなくなってたよーな?

91名無し三等陸士@F世界:2016/11/05(土) 19:43:15 ID:xcPdu0fk0
今日で序章が投下された2006年11月5日からちょうど10年……
ヨークタウン氏、星がはためく時連載10周年おめでとうございます!

92名無し三等陸士@F世界:2016/11/05(土) 20:16:08 ID:09HlkyNU0
陸上戦艦ドンナー

93ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/05(土) 21:19:33 ID:MFm28Pfg0
皆様、まだ投稿できる状態になくて本当にすいません。
一応、制作自体は進めていますので、来週辺りには行けそうです。

それから…まさかの十周年を迎えてしまい、自分自身色々と思う所はありますが、
拙作を応援して下さり、心から感謝しております。

それでは、制作に戻らねば・・・

レス返しは後日に行いますので、どうかよろしくお願いします。

94名無し三等陸士@F世界:2016/11/06(日) 22:13:43 ID:ZszJvMjg0
sugeeeeee 10周年か

作者の意欲と読者の付いていく意思に敬意を表す

95名無し三等陸士@F世界:2016/11/12(土) 15:12:01 ID:IWCgL9Eo0
つい最近この作品を知ってここまで辿り着いたのだけど、これ10年目を迎えてたのか…
とんでもない作品だ…

96外パラサイト:2016/11/13(日) 17:17:10 ID:rCwlm5AM0
やってしまった…

ttp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59931545

97名無し三等陸士@F世界:2016/11/15(火) 00:10:52 ID:k/Uy0QsY0
>>96
ぜんぜん有りやと思う
戦中タブロイドやぞ

98ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:49:32 ID:MFm28Pfg0
皆様レスありがとうございます。

>>76氏 爆撃機開発に関しては、B-47辺りまではほぼ史実通りで、それ以降が若干遅れるといった感じになりそうです。

>Tu-95みたいなターボプロップ二重反転プロペラ爆撃機
これもまた面白そうではありますが、うーむ……
いっそ、B-50辺りに色々と妄想を詰め込んで(ヤメイ

>>77氏 ありがとうございます。
とても勉強になりました。まぁ、自分も色々と知らないことが多いので、こういうご助言は本当に感謝しております。

って、こんなこと言いまくってたらまた韓国の方々に「作者は池沼だ!」「無能無知乙wwww」とか言われまくっちゃいますね……
頭空っぽにして読むSSですので許して!(大馬鹿

>>78氏 おお、そうでしたか。
ケルフェラクはシホールアンルにとってある意味至宝とも言える物ですから、スミソニアンに展示されたジャルビ少佐のケルフェラクは
いつまでもその雄姿を観客達に見せ付けているのでしょうな。

>艦載機型ケルフェラク
ほぼそうなるかと思います。とはいえ、母艦を作る能力はシホールアンルにもあるでしょうから、戦争がシホールアンル有利な状態で
長引いていれば、シホールアンル海軍の正規空母が誕生していた可能性も十分にありますね。

なお、その頃には米空母群もジェット艦載機ですので、後は……

>>79氏 >>80氏も言われておりますが、原爆開発はこの世界ではやってないですね。
その分の予算や資材は全て、別の兵器開発や軍艦の建造費などに回されています。

ちなみに、原爆開発に要した20億ドルを艦艇建造に回すと、エセックス級空母20隻にアイオワ級4隻が新たに建造可能になるようです。
いやぁ……アメリカって本当にアカンですな

99ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:50:22 ID:MFm28Pfg0
>>81氏 その防御結界対策ですが、ミスリアル側がアメリカ側に要請があり、米軍上層部がミスリアル側と共同である実験を行う予定です。

>>82氏 なるほど、そういう経緯があったとは……

>史実より洗練された原爆開発
仰る通り、史実と比べると、調べた前情報も多い(放射能汚染の危険性認識など)ので、事故も少なくて済みそうです。
この世界では、44年辺りからある科学者が核開発の際の放射線障害の有無等について調査結果を報告しており、その代表例として
前世界でも有名だったマリー・キュリー博士の死因やウラン鉱山等で見られつつあった健康障害の事例なども挙げられており、
史実ではでかい爆弾程度の認識しかなかった原爆の恐ろしさが、この世界では史実よりも早く知れ渡る事になります。

>>83-84氏 史実と比べれば大活躍間違いなしですね。あと、イラストリアスの陰に隠れたハーミズさんもお忘れずに……
ハーミズも海戦で竜母撃沈に貢献したり、常に戦闘機戦力を派遣したりとこれまた史実以上に奮戦してますからなぁ。

>記念館
プリスン・オブ・ウェールズ辺りは記念館になりそうです。もしかしたら、ニューヨーク辺りで係留されるかもしれないですね。
恐らくは、世界的にも唯一の4連装砲搭載戦艦ですから、案外人気が出そうですね。

あと外国の民間船ですかー……
考えてなかったです(アラスカ送り
まーでも、アメリカが転移する前はフランスはまだ健在でしたし、米国に避難した連合国民間船は非常に少なさそうです。

>>85氏 今日続き投下しますので、しばしお待ちをー

>>87氏 期待を裏切らぬようにせねば

>>88-89氏 >>90氏の言われる通り、陸上装甲艦専用の魔法石製造工場が43年に300機のB-24に爆撃されたため、3隻が完成しただけに
留まっています。
その3隻も北大陸戦初期に米軍の水上打撃部隊と撃ち合って全滅していますので、シホールアンルが有する陸上装甲艦は0です。

魔法障壁に関しては、ミスリアル側が手助けしてくれるようです。

>>92氏 陸上装甲艦は米巡洋艦部隊の餌食となってしまいますた

>>94氏 ありがとうございます!今後ともよろしくお願いいたします。

>>95氏 ありがとうございます。一応、ツイッターの方でもたまに宣伝してたりしますが、ツイッターの方で見られたのでしょうか?
あるいはSSまとめサイトの方でしょうかな。
最終回までまだ投稿は続きますので、もうしばらくお付き合いください。

>>外伝氏 ありがとうございます!いや〜、これぞ戦中のプロパガンダという感じですね。
>>97氏も言われているとおり、史実でも敵国の軍人はどんどこ罵倒されてますし。
ルーデルなんかも「ソ連人民最大の敵」とか言われてますから、こういったのもアリでしょうな。

100ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:51:54 ID:MFm28Pfg0
それでは、SSを投下いたします。

101ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:53:06 ID:MFm28Pfg0
第282話 鍵のカケラ

1485年(1945年)12月30日 午後11時 シホールアンル帝国首都ウェルバンル

ウェルバンルは26日から天候が崩れ、今では雪が降っていた。
夜も深くなり、帝都は真冬の冷気に覆われてより寂しい雰囲気を醸し出している。
特に、12月初旬からは、米軍の2回にわたる首都襲撃の影響で首都の人口が加速度的に減り、12月30日までには70万人が
帝都より脱出したと言われていた。
このため、ただでさえ人通りの少なかった夜間の大通りは、完全に人の姿はおろか、明かりの付いた家もかなり少なくなっている。
区画によっては全く明かりの灯っていない場所もあるため、ゴーストタウンと化していた。

その人の少なくなった首都を抜け、1ゼルド北に離れた森林の中に、古めかしい小屋があった。
その小屋の側に、今しがた、1台の馬車が横付けし、そこから慌ただしく1人の男が降りてドアの前に立った。
暗闇で分かり難いが、一目見れば明らかに高級とわかる毛皮に身を包み、帽子を目深く被った男は、小屋のドアを2度ノックした。
軋み音と共に、ドアがわずかに開かれる。
掌ほどの広さに開かれたドアの間から、口ひげを生やした痩身の男が姿を現す。

「こちらへ」

男が小声で言うと、ドアを更に大きく開く。
毛皮を着た男は、頷きながら中に入っていった。
痩身の男は、馬車の御者と目を合わせ、こくりと頷いてからドアを閉める。
御者はドアが閉められたのを確認するや、小屋の側から離れてどこかに走り去ってしまった。

小屋は、中に地下へ繋がる隠し階段があった。
毛皮の男は、痩身の男と共に階段を下りていくと、地下室に到達し、痩身の男が目の前のドアを重々しそうに開いた。

「ウリスト侯爵。お待ちしておりました」

中には、眼鏡を付けた中年の男がおり、彼は席から立ち上がると、毛皮の男に対して、恭しく頭を下げながら挨拶を送る。

「ホーウィロ導師、久しいな」

102ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:53:40 ID:MFm28Pfg0
コホヴモ・ウリスト侯爵は、渋面を浮かべたまま、挨拶を送ったオルヴォコ・ホーウィロ導師に言葉を返す。
彼は、身に纏っていた毛皮を、室内で待機していたホーウィロ導師の従者に預ける。
従者は毛皮コートを部屋の隅にあったハンガーにかけた後、香茶を淹れて2人に振舞った。

「ありがとう」
「その様子では……10貴族会議は、貴方にとってよろしくない物になられたようですな」
「よろしくないも何も……大多数が腑抜けになっておる」

ウリスト侯爵は不快感を露わにしながら、ホーウィロ導師に言う。
ウリスト侯爵は、シホールアンル10貴族と呼ばれる帝国内有数の大貴族の1つである、ウリスト家の当主である。
今日の夕方から、帝都では10貴族会議と呼ばれる、帝国内の有力貴族当主や随員を集めた会議が開かれた。
シホールアンル帝国には、皇帝であるオールフェス・リリスレイが当主を務めるリリスレイ家を始めとして、エルファルフ、モルクンレル、
ハーヴィンエル、トレンツォス、ウリスト、バイケラ、ピルッスグ、ロイスコ、カリペリウ家がある。
この10の貴族は、過去に大臣や、皇帝を輩出した名門中の名門であり、ウリスト家は建国当初よりシホールアンルの国政に携わってきた伝統ある貴族だ。
500年前にはウリスト家出身の皇帝が即位し、凡庸ながらも堅実な政治で国内を安定させた実績を持つ。
そのウリスト家当主である彼は、他の10貴族の当主達と共に今日の会談に臨んだ。
ウリストは、皇帝陛下であるオールフェスと共に、主戦派として国体の維持や、徹底抗戦を声高に唱えた。
ウリストとオールフェスの意見には、カリペリウ家やロイスコ家の当主が賛同したが、残った6貴族のうち、3貴族の当主たちは、逆に停戦すべしと
明確に言い放った。
その急先鋒はバイケラ家当主である、ヴリヒルド・バイケラ侯爵であった。
バイケラ侯爵は、シホールアンル本土中部に領地をもつ大貴族だが、その領都であるランフック市は、今年8月30日に行われた、アメリカ軍の
無差別戦略爆撃によってかなりの被害を出しており、12月初旬に出された最終報告では、空襲時に死亡、並びに、空襲に関連する死者は11月末時点で
7万2千人、負傷者18万人、罹災者数83万人となっている。
死者、負傷者、罹災者を含めた被害者数は100万人以上にも及び、市街地の損害も甚大となり、バイケラ家の財政も大打撃を受けた。
無差別戦略爆撃の恐ろしさを間近に体験したバイケラ侯爵は、

「もはや、敵の爆撃による被害は、帝国南部、中部領のみならず、首都にまで及んでおります。これまで分かっただけでも、敵の戦略爆撃の
犠牲になった帝国臣民の数は、実に15万人にも及び、負傷者、罹災者を含めた被害人員は700万に上る勢いです!陛下……陸海軍の主力が
壊滅したうえに、対抗不可能な爆撃機が現れた以上……我が国の敗北は必至かと思われます。かくなる上は……連合軍に対して、和議を請うしか
道は無いと、私は確信致します!」

と、皇帝であるオールフェスに向けてそう力説した。

103ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:54:22 ID:MFm28Pfg0
バイケラ侯爵に続き、トレンツォス家やハーヴィンエル家の当主も同様の意見を述べた。
モルクンレル家の当主であるモヴェスト・モルクンレル侯爵(リリスティの父である)と、エルファル家当主ルナリア・エルファルフ女爵は、
明言こそしなかったものの、言下には、やはり終戦を匂わす様な意見を述べた。
ピルッスグ家当主、メリヴェ・ピルッスグ女爵は中立的な意見を述べるだけで、停戦か、または継戦に賛同する否かすらも判断せず、
ただ静観しているだけであった。
3時間にも及ぶ会議の結果、オールフェス自身が皇帝の権限を利用し、徹底抗戦を押し通す形で決まってしまったが、講和派や、講和派寄り
とされる貴族は依然多いままである。
ウリストはこの状況が全く気に入らなかった。

「帝国本土は広い。陸軍は確かに痛手を被ったが……敵の進撃を遅らせることぐらいはできるであろうが。その間に戦力を立て直し、
進撃する連合軍を皆殺しにすればよい事だ!」
「閣下の仰るとおりであります」

早口でそうまくしたてるウリストに、ホーウィロは相槌を打つ。

「ですが、先の決戦では痛手を被りすぎたのもまた事実のようです。噂では……陸軍の主力部隊が丸ごと包囲殲滅されるか、南部領に
閉じ込められてしまった……と」
「やられて当然だ!あんな、すぐに撃破されてしまうようなヤワな兵器しか持たん現状ではな!」
「そのための……ですな」

ホーウィロは満面の笑みを浮かべる。

「うむ。貴公を読んだのはそのためだ」

ウリストは真顔でホーウィロの目を見つめる。

「いつまでに投入できそうか?」
「3月下旬には何とか間に合いますな。今のままでも、戦場に立たすことはできますが」
「兵器としてはまだ使い物にならんのだろう?」
「ええ。幾分、調整中ですので」
「それだけではない」

ウリストが首を横に振りながら付け加える。

104ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:54:54 ID:MFm28Pfg0
「移転地にある施設の建築がまだ途中だ。私としては、今の場所から早く移動させたい」
「閣下……本当にあの場から移動されるのですか?あそこは天然の要塞であり、守備も万全です。閣下が秘密裏に備えさせた沿岸要塞も
機能しておりますぞ」
「……先日の首都襲撃さえなければ、わしも君と同じ気持ちでいられたのだがな」

ホーウィロは、ウリストが見せた表情に対し、幾分驚いてしまった。
ウリストは常に自信に満ち溢れた熱血漢でもあり、弱味らしい物を見せた事も無ければ、弱音を吐いたことも無かった。
その彼が弱音を吐こうとしている。

(閣下も、この戦争で大分参られてしまったか?)

ホーウィロは心中で疑問を抱く。

「施設は首都よりも北に遠く離れた僻地にあるから、敵の目も向いてはいないとは思う。だが……東の海を隔てれば、そこにはアリューシャン列島が
ある。わしらがミスを犯せば、敵はこちらにも監視の目を向けるかもしれんぞ」
「ご心境、お察しいたします。しかしながら……」

ホーウィロはウリストを見据えながら自らの心境を打ち明けた。

「施設の備えは万全であり、守備兵力も揃っております。それに加えて、施設は“口の中”にあるため、どのような攻撃も受け付けませぬ。連絡に
使う魔法通信も、細心の注意を払い、昨年より配布の始まった軍の暗号を基にして行い続けています。皇帝陛下すら知らない程にまで施された隠蔽……
敵が見破る事は不可能でありますぞ」
「余計な心配はせんでほしい、と言っておるのだな?」

ウリストはホーウィロに尋ねたが、彼は無言のまま頷いた。

「貴公の言う通りだ。だが……移転の準備は続ける。これも、カケラを大々的に運用可能にするための布石だ。山の顎の中であれば、
例のコンカラーとやらが来ても歌を歌いながらやり過ごす事ができよう」
「閣下の意思は固いようで……とはいえ、これも計画の内ですからな」
「鍵計画の遺産はしっかりと引き継いだ。ただの戦術兵器にしかならぬのが問題ではあるが……むしろ、前よりも前線向きになった分、
使いやすいと言えるだろう」
「そういえば、今日は施設で調整が行われております。今頃は、調整も終盤にさしかかっておるでしょう」

105ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:55:26 ID:MFm28Pfg0
ウリストはそれ聞くなり、小さな笑みを浮かべる。

「材料をよく調達できたな」
「今は戦時です。材料なぞいくらでもあります。それに……閣下のご尽力の賜物でもあります」
「苦労したぞ。だが、これも一重に、偉大なる帝国の為だ」

ウリストの笑みは、自然に怪しげなものに変わっていく。

「1人で1個大隊……それを量産すれば……必ず、帝国は勝てる。そう、この大戦争に勝てるのだ」
「いずれは、南大陸をも飲み込む事ができますかな」
「無論だ!」

ウリストは即答する。

「何が戦略爆撃だ。何が機械化師団だ……そんな烏合の衆が作ったガラクタは、我が偉大なる帝国の魔法技術が作り上げた最強の魔導兵によって、
全て無に帰してくれるわ。そして、いずれは、アメリカ本土をも……」
「アメリカ本土は流石に、無理があるのではないですかな?」
「……やはりそう思うかね」

ウリストは途端に、乾いた笑いを浮かべた。

「調整が済んだ魔導兵といえど、海を渡る事は不可能だな。それを行うには、やはり海軍力が必要になる……か」
「その前に、まずは連合軍の地上戦力を一掃する事です。海軍の再建等は、その後の話です」
「ふむ。それもそうだな」

ウリストは自信ありげにそう答えた。

(うむ。やはりこのお方はこうでなければ……)

ホーウィロはそう思い、帝国の前途は明るいと確信した。
だが、彼は再び、意外な物を目の当たりにする。

106ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:56:02 ID:MFm28Pfg0
「……と、なれば、どれほど幸せであろうか」
「……閣下?」
「導師……現実を嫌というほど見せつけられると、自信という物は大きく揺らいでしまう物だ。先ほどの話も……今の帝国の状況では……」

ウリストは、両手で自らの顔を覆う。

「ただの妄想にすぎんものだ」
「か……閣下……」
「せめて……せめて、講和にさえ持ち込めば」
「閣下は……弱気になられたのですか?」

ホーウィロは、ウリストに恐る恐る尋ねた。

「貴公がそう思うのなら、そうなっているのだろう」

ウリストは答える。そして、勢いよく椅子から立ち上がった。

「だが、この偉大なる帝国に対する気持ちは、何ら変わらぬ!導師、何としてでも、鍵のカケラ計画は完遂させるのだ。敗北が必至であろうが
もはや構わぬ……最後まであがき、シホールアンル帝国の底力を世界に示してやろうぞ!」
(そして、いずれは皇帝の座を……)

ウリストは僅かな間、自らが抱く野望の成就に思いを馳せた。

107ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:57:09 ID:MFm28Pfg0
怒号と悲鳴があがり、直後に床に液体が飛び散る音が響く。
目の前を全身傷だらけになり、慢心創痍となった男がこちらを睨みつけている。
連合軍の捕虜であるその兵士は、右腕と左足が無くなっているにもかかわらず、闘志だけはなんら衰えていない。

私は……それを壊してしまうのが好きだ。

剣を振りかぶり、そして、力いっぱい振り下ろす。
男の胸に剣の先が深々と突き刺さり、そこから赤黒い血が迸る。
それが全身に振りかかった時……私は体の奥から熱い物を感じた。

「ああ……いい……」

体にかかった血を両手でふき取り、それを顔に塗りたくる。
そして、体中に血を塗っていく。
程よく鍛えられ、引き締まったお腹と、施設の男達が羨ましげに見る突き出た双丘にも。

「もっと……もっと…」

たまらない。
獲物をもっと狩りたくてしょうがない。
周囲からは、悲鳴と共に人が次々と殺されていく。
仲間達が私と同じように“調節”を行っているのだ。

「もっと……えぇ、もっとぉ」

不意に、後ろから殺気を感じ取る。
瞬時に向きを変え、私は右の掌を、後ろから迫ってきた材料に向け

「もっとぉ!!」

それを材料……捕虜の男の腹に向けて赤黒い光を放った。
光は男の腹を貫き、反対側に飛び出る。
隙を衝いたはずの敵は、血を吐きながら両膝を付いたが……直後、体を貫いた光が男の体を取り巻いたと思いきや、縦横に動き回り、
一瞬にして無数の肉片に変えてしまった。

108ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:58:23 ID:MFm28Pfg0
大量の血しぶきと共に、肉片や臓物の欠片が周囲に撒き散らされた。

愉しい……

闘技場に放置された男女300人の捕虜……施設の者が言っていた“材料”達は、私を含む5人の特殊魔導兵によって一方的に虐殺されている。
誰もが、この凄惨な光景に顔を顰め、中には目を背ける物すらいる。
でも、私は楽しい。
そう、実に楽しい。

「ああ……いい……ふ、ふふ」

逃げようとする若い捕虜を、ゆっくりと歩きながら追い詰めていく。
捕虜は、武器を持っていた。

「ねぇ。何してるのー?」

私は笑いながら聞いた。
捕虜は、手に持っている拳銃を向けたまま腰を抜かし、片手で必死に這いずり回っている。

「使わないの?」

捕虜は罵声を放ちながら拳銃を撃ってきた。
それをわかっていた私は、瞬時に術式を暗唱し、防御結界で銃弾を弾き飛ばす。

「ふ……ふふ」

捕虜は目を丸くし、そして、叫びながら拳銃を撃ちまくった。
でも、銃弾は残らず結界に弾かれ、捕虜の拳銃は弾切れとなった。

「終わりィ……?なら……」

私は捕虜の間合いを詰めると、相手の首を掴む。

109ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:59:09 ID:MFm28Pfg0
「今度はこっちの番……ね?」

囁くようにして相手に言ってから、私は首をへし折った。

「ふふふふ……はは」

首をへし折り、そして、引き千切り、体を切り刻んで血を噴出させる。

「ははははは!楽しくてたまらない!こんなちっぽけな弾じゃ結界を弾くなんて無理!せいぜい、大砲でも持ってくる事ねぇ!」

言いようのない高揚感に身を任せ、私は高々と笑う。
頭を何度も上下させ、長い赤髪を振り乱す。

「ハハハハハハ!あああああああ!たまらないいいいいいいィィィィィ!」

笑う…笑う…そう、殺人を楽しめる事に笑い、それを与えてくれたヤツラに笑い…




そんな取り返しのつかないことをした自分を……



「う…んぐ……ぶっ」

唐突に、彼女は嘔吐した。

110ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:59:46 ID:MFm28Pfg0
「またか……不調ばかり起こすものだな」

闘技場の隅に置かれた観測室で、施設長のナリョキル・ロスヴナは渋い表情を浮かべながらそう吐き捨てた。

「ですが、成績は3番が一番良いですね。確認殺害戦果72は特筆すべきかと」
「奴は前回の“調節”でも正気に戻りよった……志願してこの任務に就いたというのに、何とも不器用な奴だ」
「それでも、前回は38人で、今回は72人です。調節の甲斐はあったかと」

副施設長は、ロスヴナに意見する。

「その点は認める。だが……私はまた“不調”を出している事が気に入らんのだ。あれではただの不良品にしかならん」

ロスヴナは、堀の深い痩せ顔に苛立ちを滲ませた。

「まぁ……今回の調節はもう終わりだ。ちょうど、殺しつくしておるし……あとは闘技場の掃除を行い、連中を部屋に戻すとしよう」
「了解いたしました。それでは施設長……帝都のウリスト卿にはどのように報告いたしましょうか?」
「ふむ……調節自体は上手く行ってはいる」

ロスヴナは、施設の守備兵に連れていかれる黒い戦闘服の5人……今は返り血で赤黒く染まった志願兵達の1人に注視しながら、ウリスト卿に送る言葉を考える。
志願した魔導兵5人のうち、2人は女性兵だ。
その中の、長い赤髪の女性兵はこの5人の中で一番の戦果を出していた。
そして、功労者である彼女は、顔を真っ青に染め、口元を抑えながら、守備兵と共に闘技場を後にした。

「こう送ろう。第4回目の調節は無事成功。魔導兵に少しばかりの不安を残るも、目的はおおむね達成。戦力化は予定通り行える見込み……とな」
「了解いたしました」

副施設長は、ロスヴナの言葉をメモに書き記すと、隣に待機していた魔導士に通信を送るように命じた。

111ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/16(水) 00:00:43 ID:MFm28Pfg0
また私は……ろくに抵抗のできない人々を殺してしまった。
なぜ、こんな地獄の苦しみを味わうのか。



帝国のため?
最初はそうだった。



自分のため?
最初はそうだった。




空襲で死んだ家族のため?
それもそうだった。


ランフックで家族を失った復讐がしたかった。
だからあたしは、自らの体を掛けてもいいと、あの男の誘いに乗った。

「その結果が、この地獄……復讐を願う人間としては、妥当な姿……という訳か」

でも、受け入れるしかない。
本当はいやだ。
だが……それでも、あたしは前に進むしかない。



ああ……なんて事だろうか。



血と臓物から発せられるむせ返るような死臭に、私はもう慣れてしまった。
そして、それだけ……ヒトという生き物から離れてしまった。
今度の調節では、何を得て、何が失われるのか?




あの急な吐き気が無くなれば……わたしは人間では無くなるだろうか?

112ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/16(水) 00:04:20 ID:MFm28Pfg0
1485年(1945年)12月30日 午後8時 カリフォルニア州サンディエゴ

アメリカ太平洋艦隊司令長官を務めるチェスター・ニミッツ元帥は、年末が迫るこの日も、太平洋艦隊司令部において、
幕僚と共に定例会議を開いていた。

「長官。第3艦隊としては、来年の1月上旬頃に、再びシホールアンル帝国東海岸沖に展開し、残存する沿岸部の工場地帯、または軍事施設等を叩くようです」
「第3艦隊は先のウェルバンル空襲の損失は既に補充済みであり、次の作戦においても、十二分にその力を発揮できることでしょう」

太平洋艦隊参謀長を務めるフォレスト・シャーマン中将と、航空参謀のウィンクス・レメロイ大佐がニミッツに説明する。

「第5艦隊はどうかね?」

ニミッツは、最も気がかりであった、第5艦隊の状況について問うた。
それにシャーマン中将が答える。

「第5艦隊は既に戦力の再編を終え、今は艦載機の補充を行っておる最中ですが、これは1月初旬までには完了する見込みです。ただ、西海岸沖も
天候不良が続いており、機動部隊が行動に移れるのは、早くても来年の1月下旬からになるようです」
「ふむ。幾ら世界最強の艦隊とは言え、自然の前には無力……あとは、お天気頼みをするしかないという訳か」

ニミッツは腕組みしながら、そう独語する。
第2次レビリンイクル沖海戦に大勝し、後のシェルフィクル工場地帯潰滅も成功させた第5艦隊は、リーシウィルムに帰還後は戦力の再編に当たり、
現在では正規空母8隻、軽空母7隻、航空兵力1300機を有している。
正規空母8隻のうち、2隻は大損害を免れた大型装甲空母リプライザルとサラトガⅡであり、残る6隻はエセックス級正規空母だ。
軽空母7隻はインディペンデンス級であり、こちらは第2次レビリンイクル沖海戦前と同様、全艦が健在である。
第5艦隊はこれらの母艦戦力を基に、4つの機動部隊を編成し、損傷した空母が修理を終えて戻るまでは、第58任務部隊はこの4つの空母群を率いて戦う事になる。
第58任務部隊は、1つのタスクフォースとしては依然巨大な戦力を誇る物の、最盛期と比べると幾分、見劣りを感じてしまう。
とはいえ、先の決戦で敵主力をほぼ全滅させた今となっては、TF58を遮る物は天候以外にないと言っても過言ではなかった。
その第58任務部隊は、第3艦隊が有する第38任務部隊と同様、今後しばらくは天候不順のため出撃できず、行動を再開するのは来年の1月下旬からとなる。
太平洋艦隊司令部としては、北大陸西海岸沖の第5艦隊と、東海岸沖の第3艦隊を連動させて、シホールアンル側にさらなる圧力を掛けようと考えている。
だが、それが実行に移されるのは、まだしばらく先になりそうであった。

113ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/16(水) 00:05:31 ID:MFm28Pfg0
「陸軍は今のところ、前線での動きを止めておりますが、早くても1月3日までには行動を再開すると思われます」
「地上部隊は冬季装備が行き渡っているからな。戦力の再編と補充が済めば、すぐに行動ができる点に関しては、陸軍が羨ましく感じるな」
「長官、機動部隊はすぐに動けませんが……その代わり、潜水艦部隊は既に、次の行動に移りつつあります」

作戦参謀を務めるヤン・ウィルキンソン中佐が、壁に掛けられた地図の一点を指示棒でなぞる。

「シホールアンル帝国西端から西に900マイル離れた場所にあるルィキント列島、ノア・エルカ列島からは、同地で生産される魔法石を始めとした
各種資源や軍需物資が帝国本土に向けて運ばれています。ロックウッド提督指揮下の潜水艦部隊の一部は、既に出撃を終えており、1月の初旬には、
アイレックス級潜水艦2隻を含む18隻が、ルィキント、ノア・エルカ列島の航路に布陣し、敵輸送艦の捜索、並びに、攻撃を行い、この海上交通路の
遮断を狙います」

現在、太平洋艦隊は西海岸沖に28隻、東海岸沖に26隻の潜水艦を投入している。
第2次レビリンイクル沖海戦時には、西海岸沖に68隻の潜水艦を投入していたが、大半の艦は第2次レビリンイクル沖海戦時に救出したパイロットを
リーシウィルムに送り届けるか、整備や補給のため散開線から離れている。
ちなみに、第2次レビリンイクル沖海戦では、潜水艦部隊は89名のパイロットを救出しており、この働きは艦隊司令官であるフレッチャーやニミッツのみ
ならず、キング提督をも大いに喜ばせていた。
地味ながらも、大任を果たした潜水艦部隊の新たな任務は、ウィルキンソン中佐が述べた通り、今まで手付かずとなっていたルィキント列島、ノア・エルカ列島
の海上交通網の遮断となる。
その手始めとして送られたのが、アイレックス級潜水艦2隻、バラオ級潜水艦16隻の計18隻だ。
派遣される潜水艦の数はローテーションを行いつつ、今後は漸増される見込みであり、計画では32隻の潜水艦が、先述の海上交通路に展開する予定だ。
また、状況次第では、第5艦隊所属の第58任務部隊がルィキント列島、ノア・エルカ列島の根拠地に空母艦載機でもって攻撃を仕掛け、同地の在泊艦船の
殲滅を実行する事も検討されている。

「この交通路の遮断が成されれば、シホールアンル側の窮状がより深刻な物になる事は、ほぼ確実かと思われます」

ウィルキンソン中佐がそう言うと、ニミッツも顔を頷かせた。

「魔法石は、魔道銃を扱う敵にとっては必需品だ。ただでさえ、帝国本土はB-29の戦略爆撃によって国力を削がれつつある。つい先日、新型機である
B-36も登場してからは、シホールアンル本土は、国土のほぼ全てを、B-36の作戦行動半径内に収められている。そこから辛うじて逃れられていた
ルィキント、ノア・エルカからの資源輸入も断たれれば……敵地上部隊はまともに戦う事すら難しくなるだろう」

114ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/16(水) 00:06:20 ID:MFm28Pfg0
「ただでさえ、制空権を失われているというのに、そこに魔法石の供給不足か……敵とはいえ、いささか同情してしまいますな」

シャーマン参謀長が哀し気な口調で言う。

「仕方ありません。ありとあらゆる手段を用いて敵を弱体化するのも、戦争のやり方の1つです。シホールアンル軍には、たっぷりと弱って頂きます」
「作戦参謀の言う通りだ。シホールアンル海軍主力が壊滅したとはいえ、太平洋艦隊にもまだまだやるべき仕事はあるという事だ。これまで通り、堅実にこなしていこう」


同日、午後9時。太平洋艦隊情報部

太平洋艦隊情報副参謀兼、戦闘情報班指揮官を務めるジョセフ・ロシュフォート大佐は、司令部地下にある情報部のデスクで、ミスリアル側から派遣された
ダークエルフの士官と共に幾つかの本を見ながら会話を交わしていた。
室内には幾つもの無線機が設置されており、そこに係の兵や、同盟国から派遣された特殊補助員である魔導士官が詰めて情報の分析に当たっている。

「大佐。やはり、この本からも符号しそうな言葉は見つかりませんな」

ミスリアル海軍の魔導士官であるヴェンス・レンティオ少佐は、最後のページを捲りながらロシュフォート大佐に言う。

「うーむ……フェミス・レイヴァーン族は諜報においては右に出る物がないと言われていたようだが、その氏族出身の君ですらヒントを見つけるに至らずか」
「そもそも、敵の暗号が思った以上に難解なのも、我々手古摺る原因となっています。ただ単に書物に出てくる内容を当てはめたのかと思いきや、そうでもない。
では、敵の魔法用語やそれに付随する物から付けたと思いきや、それも違う……」
「カイトロスク会戦では、我々連合軍が勝利したとはいえ、奇襲を許してしまったのは顕然たる事実だ。それを今後も起こさぬためには、敵の暗号を
解かねばならんのだが……そう簡単に行かんものだ」
「大佐。ここらで小休止と行きませんか?かれこれ5時間はこうして暗号解読のヒントを探しております。本国で鍛えた私でも、流石に応えてきましたね」
「おお、もう夜の9時なのか。思えば、夕食もまだ食べてないな」

ロシュフォートは、今更ながら感じ始めた空腹感に苦笑を浮かべる。

「何か食べる前に、コーヒーでも淹れましょうか?」
「そうだな。では、いつもの奴を頼む」
「了解です」

115ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/16(水) 00:07:05 ID:MFm28Pfg0
レンティオ少佐は微笑みながら席を立ち、コーヒーを淹れに行った。

「それにしても、ここに着任当初はやたらに頭が固くて融通の利かん印象が強かったが……どうしてどうして、奴さんはあっという間にここの環境に
順応してしまった。本当、世の中は面白い物だ」

ロシュフォートは、レンティオ少佐がこの太平洋艦隊司令部に着任した当初を思い出しながら、半ば微笑ましい気持ちになった。

ミスリアル王国はアメリカ合衆国と同盟を結んでから早3年以上が経つが、エルフ族国家であるミスリアル国内には、未だに人間蔑視の風潮を残す
氏族が少なくないと言われている。
レンティオ少佐の属しているフェミス・レイヴァーン族は、その傾向が最も強いとされており、米軍内でも同氏族出身の者には最大限の注意を払うように
と通達が出ているほどだ。
レンティオ少佐も、渡米前まではそういった派閥で幅を利かせていた人物として知られていたため、太平洋艦隊司令部では何らかの軋轢が生まれる事を恐れていた。
だが、レンティオ少佐は司令部に着任するや、当初の予想を大幅に裏切る形で任務に励んだ。
着任当初こそは、その口ぶりからしてガチガチのエルフ至上主義者と思われた物の、人間蔑視を公言することも無く、それどころか、分らぬところは
素直に言い伝え、ロシュフォートらと相談して問題の解決を試みるなど、実際は聞き分けが良く、性格も良い好青年というのが、皆がレンティオ少佐に
対して抱いた印象である。
そんな彼が一番気に入っているのが、コーヒーである。
最初は差し出されたコーヒーを見るなり、

「何か仕込んだのですか?」

と、あからさまに怪しんでいたが、一口飲むと、彼はその味が気に入ってしまった。
それ以来、レンティオはコーヒーの虜となっており、今では、休日にサンディエゴ市内でコーヒー豆を探す彼の姿がたびたび見られる程になっている。
やや間を置いてから、レンティオが両手にコーヒーの入ったカップを持って戻ってきた。

「大佐。コーヒーが入りました。どうぞ」

レンティオはロシュフォートにカップを差し出し、ロシュフォートはそれを受け取る。

「ありがとう」

116ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/16(水) 00:07:42 ID:MFm28Pfg0
レンティオは席に座り、淹れたコーヒーを一口すする。

「はぁ……このほろ苦い味わいがなんとも言えませんな。特に、仕事の合間に飲むコーヒーは格別です」
「少佐もすっかり、アメリカ文化に染まってしまったな」
「ええ。最初の頃が恥ずかしく思えます。エルフも人間も、しがらみを捨てて吹っ切れた方が、色々と得になる物が多いという事を学びましたよ」
「そりゃそうだ……そうやって学び続けていく事で、初めて理解できる事も多い。人生は死ぬまで勉強の連続だよ」

ロシュフォートはそう言ってから、コーヒーを啜った。

「失礼します!」

小休止を取る横から、警備兵の張りの良い声が飛び込んできた。
声のした方向を見ると、入口に警備兵が立ち、その横に1人の青年がこちらを向く形で立っていた。

「バルランド王国よりカーリアン魔導士がご到着されました。どうぞ、こちらへ」
「おお、来たか!」

ロシュフォートは顔に喜色を滲ませながら、席を立った。
室内に入室してきた青年は、そこで立ち止まってから室内の一同に向けて着任の挨拶を行った。

「申告します。バルランド王国海軍魔導技術部より参りました。ヴェルプ・カーリアン少佐であります。本日をもって、アメリカ太平洋艦隊司令部へ
出向した事を、ここにお伝えします。以後、よろしくお願いします」
「ご苦労」

ロシュフォートは幾分固い口調で返した後、破顔してからカーリアン少佐に握手を求めた。

「ロシュフォート大佐。しばらくですな」
「君も元気そうで何よりだ」

2人は互いに握手を交わした。

「クレーゲル魔導士もそうだったが、君もやはり軍に入る事になったのかね」

117ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/16(水) 00:08:19 ID:MFm28Pfg0
「はい。階級が付いていた方が何分やり易いであろうと言われ、及ばずながら、海軍少佐の位を承った次第です」

ヴェルプとロシュフォートは、魔法通信傍受機を合衆国海軍艦艇に配備する際、専用の通信員の事で協議するため幾度か顔を合わせており、互いに
見知った間柄となっていた。

「紹介しよう。こちらはミスリアル軍から派遣されたヴェンス・レンティオ少佐だ」
「レンティオです。よろしく」
「カーリアンです。私の事はヴェルプと呼んで貰っても構いませんよ」
「君がバルランド王国で暗号魔法の提案をしたという魔導士か……かなり若いな」
「よく言われますよ」

ヴェルプは苦笑しながらレンティオに返す。
彼は、他のメンバーと一通り自己紹介を終えた後、ロシュフォートに頭を下げた。

「大佐。この度は予定の時間に遅れてしまい、申し訳ありませんでした」
「飛行機のトラブルで遅れたんだろう。それは仕方ない事だ。むしろ、私としては、まだ離陸しないうちにエンジントラブルが発生した事が、不幸中の
幸いだと思っている」

ロシュフォートはヴェルプの肩を叩く。

「この状況を打破するきっかけとなる重要人物が、飛行機ごと海にドボンとなっては非常にまずいからな」
「まだ私がきっかけになるとは限りませんよ」

ヴェルプは頭を掻きながら、苦笑いを浮かべる。

「ですが、出来る限りの事はやります」
「いい返事だ。君の机はここだ」

ロシュフォートは、開いていた机を掌で叩いた。

「ありがとうございます。では、早速ですが、本題に入ってもよろしいでしょうか?」

118ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/16(水) 00:08:50 ID:MFm28Pfg0
「今から晩飯にしようかと思ったが……君の話を聞いてからにしよう」

ロシュフォートはレンティオと共にヴェルプの近くに椅子を移動する。
腰を下ろした2人に、ヴェルプは説明を始めた。

「私がバルランド本国で魔法通信の暗号化という提案を持ち出したのは、バルランド軍増援部隊の派遣が2カ月後に迫った1477年の事でした。
当時、若輩ながらもバルランド王国魔導院において新たな魔法の開発に携わっていた私は、近い将来、魔法通信を傍受する魔法が出てきた時に備え、
魔法の暗号化を提案し、実用化に向けた準備も行っておりました。当時、私の直属の上司であったイボルィス・ヴェイロイ魔導士は実質的に暗号化の
責任者として私を含めた魔導院の魔導士と共に、精力的に術式の開発に励みました。ですが、軍の上層部からは魔法の暗号化は手間がかかる上に、
現状では実用的ではないと判断され、暗号魔法の開発は3ヵ月で中断してしまいました」
「そういう経緯があったのか……初耳だな」
「何分、かなり昔の話でしたので、本国の魔導士も殆どが暗号魔法を開発していたことを忘れていました。ですが、シホールアンル側が暗号魔法を用いて、
前線部隊へ攻勢計画の通達を行った事が明らかになると、本国の上層部も事態の重大さを認識するようになりました」
「ふむ……確かに、事は極めて重大ではある。だが、君の口ぶりからすると、バルランドは何かしら、慌てているようにも思えるが」
「は……実は、先の話は続きがあるのです」

ヴェルプは、真剣な眼差しで2人に説明を続ける。

「私の上司であったヴェイロイ魔導士は、その2ヵ月後に軍部隊と共に北大陸へ派兵されましたが、結果はシホールアンル軍に敗北し、ヴェイロイ魔導士は
戦闘中に負傷し、殿部隊と共に最後の戦闘を行った末に行方不明となりました。軍上層部では戦死したものと見なされており、私達も酷く悲しみました」
「だが……シホールアンルは君の恩師が死ぬ前に、聞きたいことは全て聞き出した。という事かな」
「まだそう判断する事はできません。あれから7年以上も経っています。ただ、まさか……と、思う事はあります」
「敵が魔法通信の暗号化を実用した結果は、そのヴェイロイ魔導士から情報を聞き出し、そこから本格的に術式の開発を行った……と言う事だな」

ヴェンティオが言うと、ヴェルプはやや顔を俯かせた。

「本国では……そう認識する者も少なくありません。自分達の技術がきっかけで、あの大苦戦を生み出してしまったのではないか……と」
「だが、ちょっと待ってほしい」

暗澹たる表情を浮かべるヴェルプに対し、ロシュフォートが右手を上げながら言う。

119ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/16(水) 00:09:37 ID:MFm28Pfg0
「情報を聞き出して、暗号魔法の実用化に至るまで7年。新技術の実用化には手間がかかるとはいえ、7年は幾分長いな。もしかしたら、
今使われている暗号通信は、連中が独自に開発した技術かもしれんぞ」
「確かに、大佐の言われる通りかもしれません……ですが、いずれにせよ、私は暗号魔法の基礎を作った魔導士の1人です。暗号魔法を作成するには、
必ず越えなければならない難関があり、その特徴は暗号文の文面に出る事もあります」
「難関だと?それに特徴とは一体……?」
「まず、暗号には平文とは異なった文字の羅列を組み込み、それを引き当てて解読していきますが、魔法通信には異なった魔法波というのも組み込み、
同時に発信しています。これは送り先の味方魔導士に暗号の“答え”を同時に送り込んでおり、受信した魔導士は暗号文と、その答えを同時に頭の中で
照らし合わせて、その内容を口頭で伝えるようになっていました。そして、文面にも一定の間隔を開けたり、または古代語に因んだ文字を不定期に組み込むなど、
敵が傍受した際に解読を困難にさせる工夫を凝らしています」

ヴェルプは、持ち込んだ鞄を開けると、そこから何枚もの紙を取り出した。

「これは、連合軍情報部より譲り受けた例の暗号文の写しです。ご覧のように、昔ながらの言葉等が組み込まれたり、文字の間隔があいたり、所によっては、
脈絡のない頭文字を一字だけ書いて、それを何行も書き続けているのもあります。英語で言えば、A、B、Cで始まるアルファベットが、Z、R、A、P、
O、I、Q、Gと、デタラメに並べているような物です」
「その訳のわからん文面も多いな。こいつも、暗号解読が一向に進まない原因の1つだよ」

ロシュフォートが忌々し気に言い放つ。
だが、彼は同時に意味ありげな笑みも浮かべた。

「だが、これも暗号解読を行うに当たっては、避けては通れない道だ。簡単に解ける暗号なぞ、暗号とは呼べんからな」

それにヴェルプが相槌を打とうとした時、背後にあった魔法通信傍受機が急に作動し始めた。
隣にいたバルランド軍所属の特殊補助員が慌てて魔法通信傍受機に取り付く。
やがて、傍受機からは細長い紙が吐き出された。

「大佐。シホールアンル本土から新たな魔法通信を傍受しました。暗号文です」

それを聞いたロシュフォートは、ヴェルプに顔を向ける。

「噂をすれば何とやら、だ」

120ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/16(水) 00:10:23 ID:MFm28Pfg0
ロシュフォートはバルランド軍の魔導士から紙を受け取ると、その内容を読み始めた。

「ホイロンスの悪魔は悪魔のままにありけり。さりとて、成長への過程に点、また点が在する物なり。しかして、点を穿ち抜くのは、それ次第でしかあらず。
われ、尚も悪食に身をゆだねる。贄は未だに豊富にありけり」

ロシュフォートは読み終えると、ヴェルプとレンティオの顔を交互に見やった。

「分かりやすい文面だと思うが、こういうのでも解読ができんのが現状だ」
「なるほど……確かに難解です」

ヴェルプは、表情をやや暗くする。
本国上層部からは、暗号の解読は想像以上に難しいであろうと伝えられていたが、実際に傍受した暗号魔法を見ると、その難しさが改めて分かってしまった。

「ですが……やらなければなりませんね」
「その通りだな」

ヴェルプはそれでも、この困難な任務に挑むつもりであった。
彼の固い意志を感じたレンティオはそう相槌を打ち、更に、ロシュフォートから紙を受け取って、それをヴェルプの前で伸ばした。

「それに……シホールアンルの連中もこうして、君の着任を“歓迎”しているじゃないか」
「歓迎というよりは、挑発とも受け取れるな。さあ、解読してみろという暗然たる挑発だ」

ロシュフォートが幾分おどけた口調で言うと、彼らは思わず失笑してしまった。

「ならば……やっちまうしかないな」

ロシュフォートは笑みを浮かべつつも、鋭い目付きで紙片をじっと見据えた。

「大佐、先ほども申しましたが……私も出来る限りの事をやらせていただきます。必ずや……敵の暗号を解読し、シホールアンルの度肝を抜いてやりましょう」
「無論だ。敵の企みを叩き潰し、この戦争を必ず終わらせてやる」

ヴェルプの決意を耳にしたロシュフォートは、そう返答しつつ、この暗号を必ず解読してやると、沸き起こる闘志を感じながら、ヴェルプ同様、固く決意したのであった。

121ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/16(水) 00:12:09 ID:MFm28Pfg0
SS投下終了です。
あ、言い忘れていました。
今回はグロテスクな表現が大分混じっているのでご注意ください。

一応、その後にクッションは敷いてあるので大丈夫だとは思いますが。

122名無し三等陸士@F世界:2016/11/16(水) 00:46:41 ID:.PfcUBbU0
乙です

123名無し三等陸士@F世界:2016/11/16(水) 01:54:54 ID:RevGeKwI0
乙&10周年おめでとうございます!
暗号解読…ノイマン博士の出番だ!

しかし生体兵器に捕虜虐殺…これは裁判のネタが増え(ry

124名無し三等陸士@F世界:2016/11/16(水) 02:35:08 ID:9R7ffzTs0
投下乙
そして10周年おめでとうございます
自分で書いても納得いかず途中でやめてしまう人も多い中で
この長期間投稿できることはすごいと思います
全く関係ありませんが実は星がはためくときの地図をHoi2の世界に入れようとしたことがありました
またやってみようかな

>「1人で1個大隊……それを量産すれば……必ず、帝国は勝てる。そう、この大戦争に勝てるのだ」
これは量産できないフラグ
こういった方法はオールフェスが嫌いだったような?
バレたらヤバそう

終末の○ゼッタとエルフェン○ートを混ぜたような感じの魔法強化兵
彼らは戦場で活躍することが出来るのか
はたまた歴史の影に消えていくのか

暗号通信の登場で思ったように解析が進まないアメリカ
魔法送信機があればデタラメな文を送り続けるジャミングしてとにかく妨害するなんてことも出来たろうに
米軍は無線が基本だから混戦する心配もないし

次の投下も楽しみにしています

>>123
ENIAC「もうすぐ私も正式お披露目されます」1946年2月

シホールアンルがアメリカの暗号解読するのも頭を悩ませてそうだ
まず受信するところからだけど
しかしシホールアンルがある程度力を残した状態での
アメリカとのIF戦後って面白そう

125名無し三等陸士@F世界:2016/11/16(水) 10:09:24 ID:UeCivR/w0
オールフェスだって鍵計画に大いに関与してその威力をアテにしてたんだから言わずもがなじゃないかな
首謀者が秘密にしてるのは自分の野心の為だしね

狂った足掻きを暗号解読で止めれるか止められないのか
ばれたらばれたでルメイが「こんな奴らに文明は要らねぇ石器時代に戻そう」とか言いそうで……
終戦後にどれだけダークな兵器開発の系統が陽のもとにさらされるのやら
以前飛行兵器の開発禁止の小話があったけど、魔導系列はより厳しく制限されそうで……

126名無し三等陸士@F世界:2016/11/16(水) 20:14:21 ID:grkVvGho0
最新話投下乙&祝10周年!

帝国内部も何かとキナ臭くなって来ましたね。
「鍵」の存在が米国世論を戦争継続へと導いたように、
今回の件、仮に戦力化されても
「強化兵は活躍したが、対する帝国本土への戦略爆撃の苛烈さは
それに増して凄まじく…強化兵の存在は結果的に連合国世論を逆撫でする事になった。
そして、それは戦後処理にも影響した。」
みたいになりかねない…

127名無し三等陸士@F世界:2016/11/16(水) 20:48:26 ID:xcPdu0fk0
ヨークタウン氏乙でした
戦略爆撃により痛めつけられるシホールアンル帝国で増えてゆく講話派
だがオールフェスはまだ抗戦の意志を捨ててない…そして僻地で密かに進められる非人道的な計画
しかしウリストとホーウィロ、皇帝にも秘密でこんなことを行い、あまつさえ帝位まで伺うとは
アメリカ側も同盟国と協力してあれこれと動いているようですが、展開次第では厄介なことになりそうだ

そしてマンハッタン計画が行われていないのなら、それに加わってた優秀な科学者たちは何をしているのだろう、とふと思った
有名所ではオッペンハイマー、フェルミ、ボーア、そしてフォン・ノイマン…いずれも錚々たる人物だ
総力戦下のアメリカが彼らを放っておく筈が無いのは間違いありませんから、何らかの研究に従事してはいるのでしょうけど
この世界で彼らの能力を発揮できるような研究って何があるのだろう…

とりあえず、天才であり変人であるリチャード・ファインマンはこの世界でも色々とやらかして
お偉方を困らせているような気はします
(史実でもロスアラモスで色々とやらかしてます、よくもまあ研究所から追い出されなかったものだ…)

128名無し三等陸士@F世界:2016/11/17(木) 10:44:46 ID:vGRPwVu60
作者超乙


試作魔導兵「劣勢の戦場にアテクシ登場」

T28&T29&T30「まずはオラ達と勝負だ!」

129名無し三等陸士@F世界:2016/11/17(木) 12:46:47 ID:iGUq2.lEO
B-32「制空権ないのに出て来るとか、ちと頭が足りんのと違うか?(旋回しながら砲弾、機銃弾乱射」

130名無し三等陸士@F世界:2016/11/17(木) 20:45:16 ID:CUVgi81g0
>T28&T29&T30「まずはオラ達と勝負だ!」

オラ達ワロタ

史実より伸びてるから、もう量産に入ってる時期だもんな

131名無しさん:2016/11/18(金) 10:36:22 ID:UeCivR/w0
>>129
「これで対地攻撃とかあぁ^〜いいっすねぇ^〜」
「おっそうだなっ(制空権の無い南部孤立地帯死亡フラグ」

12.7mmを阿呆みたいに積んだB-25Hとか良いですよな
これって75mm砲を積んでるマ◯キチ仕様なんですよな
白兵戦用の拳銃やライフルの弾なら弾けてもこれはどうかなー?

132名無し三等陸士@F世界:2016/11/18(金) 13:57:07 ID:enFffyUE0
乙ですー なんだか怪しげな兵器がでてきましたね、大量投入できそうにないから用途はスネークみたいな破壊工作員とか
ゴルゴのような暗殺任務ぐらしか思いつかないけど今度の展開が楽しみです。
でもあんまり泥沼戦争続くと帝国にマンハッタン計画の成果が投下されそうで危ういような気がしてきました。

133名無し三等陸士@F世界:2016/11/19(土) 09:29:36 ID:xr.c91hY0
>>128
マジノ線がないからT28は無さそうだけどね

134名無し三等陸士@F世界:2016/11/19(土) 09:40:21 ID:CUVgi81g0
>>133
T28開発スタート時には既にマジノ線なんぞ存在しない訳ですが・・・・
開発途中でコンセプト変更により駆逐(対ボス戦特化)になったしな

135名無し三等陸士@F世界:2016/11/20(日) 12:48:32 ID:KGpH0YNE0
マジか!
ずっとマジノ線突破と重戦車対策に開発されたと思ってたわ

136名無し三等陸士@F世界:2016/11/20(日) 14:50:49 ID:iGUq2.lEO
ヨークさんは今頃、サラトガ確保に躍起になってそうだなぁ

137名無し三等陸士@F世界:2016/11/20(日) 17:46:46 ID:JP1PKs4Y0
マジノ線じゃなくてジークフリート線だよと真面目に突っ込んだ方が良いのかな。

138名無し三等陸士@F世界:2016/11/20(日) 20:46:31 ID:Pbx6.li60
10大貴族の中にもまだ徹底抗戦路線な人もいるんだなぁ
我々からみたら非人道兵器(彼らからしたら人道なにそれですが…)に一抹の願いを託して、
皇位簒奪も狙うも果たしてうまくいくのか…
たいていこういう決戦兵器てうまくいかないことが多いんですよね…
終戦間近と見られてますがもうひと波乱ありそう!

139名無し三等陸士@F世界:2016/11/22(火) 00:40:10 ID:8B7uzcsA0
やー、もうドイツ末期戦記みたいな鬱展開が続くのかと思ったら
ところがどっこい作者殿 楽しませてくれる・・・

140名無し三等陸士@F世界:2016/12/02(金) 15:40:25 ID:9R7ffzTs0
>>125
鍵であるフェイレってヒーレリ人だったはずだから
兵器の必要性はわかっていても自爆攻撃とか
残虐というか生き残る可能性のない低い役に自国民であるシホールアンル人は割り当てたくないのかなあと思って
ランフック爆撃なんかはオールフェスの精神にかなり打撃を与えたわけだし
ヘタにアメリカを刺激して再び惨劇が起こるのを恐れてそう


映画のフューリー見たときにすごい印象に残ったシーンを見つけたのでちょっと貼ってみる
同じ光景がシホールアンルにも
ttps://www.youtube.com/watch?v=so5w-h7GFEc

141名無し三等陸士@F世界:2016/12/04(日) 15:54:22 ID:qIpfC8nQ0
ttp://ux.nu/pzUdz

マスク美人

142名無し三等陸士@F世界:2016/12/06(火) 15:16:23 ID:qIpfC8nQ0
ttps://is.gd/GvNTrM

ここはお前のブログじゃねーんだw


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