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アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.15

110ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/11/15(火) 23:59:46 ID:MFm28Pfg0
「またか……不調ばかり起こすものだな」

闘技場の隅に置かれた観測室で、施設長のナリョキル・ロスヴナは渋い表情を浮かべながらそう吐き捨てた。

「ですが、成績は3番が一番良いですね。確認殺害戦果72は特筆すべきかと」
「奴は前回の“調節”でも正気に戻りよった……志願してこの任務に就いたというのに、何とも不器用な奴だ」
「それでも、前回は38人で、今回は72人です。調節の甲斐はあったかと」

副施設長は、ロスヴナに意見する。

「その点は認める。だが……私はまた“不調”を出している事が気に入らんのだ。あれではただの不良品にしかならん」

ロスヴナは、堀の深い痩せ顔に苛立ちを滲ませた。

「まぁ……今回の調節はもう終わりだ。ちょうど、殺しつくしておるし……あとは闘技場の掃除を行い、連中を部屋に戻すとしよう」
「了解いたしました。それでは施設長……帝都のウリスト卿にはどのように報告いたしましょうか?」
「ふむ……調節自体は上手く行ってはいる」

ロスヴナは、施設の守備兵に連れていかれる黒い戦闘服の5人……今は返り血で赤黒く染まった志願兵達の1人に注視しながら、ウリスト卿に送る言葉を考える。
志願した魔導兵5人のうち、2人は女性兵だ。
その中の、長い赤髪の女性兵はこの5人の中で一番の戦果を出していた。
そして、功労者である彼女は、顔を真っ青に染め、口元を抑えながら、守備兵と共に闘技場を後にした。

「こう送ろう。第4回目の調節は無事成功。魔導兵に少しばかりの不安を残るも、目的はおおむね達成。戦力化は予定通り行える見込み……とな」
「了解いたしました」

副施設長は、ロスヴナの言葉をメモに書き記すと、隣に待機していた魔導士に通信を送るように命じた。


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