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繰り返される悪夢【長編】

100よこせう:2004/05/28(金) 23:07 ID:cBsowRUI
★100突破を記念して番外編★

No:00 〜ある日の放課後〜

終礼の号令がかかった。担任の中下のたるい、「さようならー」という声が聞こえて来る。
何人かはそれに対して「さようならー」と答えるが、殆ど誰も返事はしなかった。
ガララッ、と扉を開け、先陣を突っ走っていったのは、風祭達樹(男子)。
真っ先に薄汚れた半壊状態の扉を脚で思い切り開ける。ごきっ、という鈍い音がして、
扉がレールから外れた。達樹はそれを見て、掌で顔を抑える。
「あらあらあら」とスローモーな声がし、教卓の近くから小柄な中下がぬっと現れた。
「達樹は教頭先生の所へ行って謝ってくる事。それで、これを1人で直す事。工具は技術室にあるからね」
達樹の顔がみるみる蒼ざめていった。中下の顔が逆に喜びに満ちていった。
訳は、いつも達樹は授業中も寝ているか漫画を読んでいるか、だけなので、内申を下げたい中下の思惑通り。
「ちぇっ」っと舌打ちをするとおとなしく技術室へ直行した。
その様子を一通り観覧していた女子(例えば高橋優希とか、川守田瀬菜とか)もけたけた笑っていた。
同じく事を見ていた神谷塁(男子)は、一通り見終わり、笑うだけ笑った。特に所属していないので部活には行かない。
現在の時刻は4時。今帰っても特にする事は無い。暇人として校内を廻る事にした。

―――体育館―――
ダンダン、と床を大きく揺らす地響き。眼の前には茶色のボールを華麗にドリブルする三杉龍一(男子)と立花雄吾(男子)。
こちらにコロコロとボールが転がってきた。新入生らしきチビッコがこちらに手を振っている。
それを山なりに返した。新入生が丁寧にお辞儀をした。こちらも軽く会釈した。
よく見れば金城真人(男子)が座って部員が動き回る姿をじっくり見据えている。得体の知れない奴だ。
広い体育館故様々な部が共同で使っている。バレー部には杉浦千夏(女子)。
奥の畳が敷き詰めている場所では、空手部、柔道部、そして剣道部。その剣道部の中に木内政文(男子)が汗を流す姿。

―――グラウンド―――
ただっ広いグラウンド。一周300mという大型なトラック。相沢彰久(男子)がサッカーボールを、
追い掛けている。野球部では旭叉羅(男子)が眠そうにボールを打ち返している。
ここからじゃ良く見えないが、今の世代、殆ど見かけない不良がここから見える。
木下聖夜(男子)を筆頭に、川澄潤(男子)、霧雨時耶(男子)、長谷辰文(男子)、吹岡祥子(女子)。
県内トップクラスの実力を持つこの5人には、あまり関わらない様にしている。

時計を見た。もう6時半。部活が終わり、帰宅する生徒が見える。
そろそろ帰るか。ふと見ると、校門から出てくる風祭達樹。壊した扉をようやく直し終わった
達樹がこちらに手を振っている。どうせ帰り道は一緒なので一緒に帰る事にした。
烏が空に向かい鳴き叫ぶ声が聞こえる―――――


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