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バトルロワイアルぺティー

262リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/05/29(土) 19:38 ID:2KqO5TgA
以前の行動>>248>>249

この時の時刻は、午後九時五十二分だった。
中西諒(男子十番)は、あまりの寝苦しさに目を覚ました。

あ、っちー。暑すぎる。額に浮かんだ汗を拭った。自分の体を見ると、汗でワイシャツがじとじとに濡れていた。着替えるか。そう思って、諒は起き上がった。

やけに静かだよな。ドアを開ける瞬間、ふと思ったが、大して気にも留めずに、ドアを開けた。



 新井美保(女子二番)と仲田亘佑(男子十一番)は、二人とも倒れていた。いや、転がっていたと言った方が正しいだろう。二人とも、安らかな寝息を立てていた。

疲れたのかな――

そこまで思って、諒は初めて亘佑の寝顔を見たことに気づいた。いつもはあんなにいかつい顔してるくせに、寝顔は思ったより可愛いじゃん。

諒自身も安らかな気持ちになりつつも、声をあげた。「起きろよ!もう九時だぞ」

二人は寝ぼけ眼のまま起き上がり、焦点のあっていない目で諒を見つめた。美保が驚いたように時計を見つめた。
「あれから二時間も寝てたんだね。やっぱ疲れてたのかなー」
「まあね。おれは何もしてないけど」諒も言った。

亘佑は会話に加わらず、頭をかかえていた。



激しい頭痛がした。寝不足だからだろうか。それとも、違う理由かもしれない。
亘佑の頭の中では、美保のセリフが回っていた。

中西君を、殺して。美保はいつもと同じ口調で、そう言っていた。
亘佑は自分の手を見つめた。諒を、殺す? 諒を殺す、諒を殺す。諒を殺す……



「仲田君、どうしたの?」美保が明るい口調で言った。
「いや、何でもない」亘佑は少しだけ笑んだ。


亘佑は二人の会話を遮って、訊いた。「諒、お前、やっぱりゲームに乗るつもりないんだろ?」
これまでにないほど、真剣な表情だった。

諒は少々気まずそうに、しかしはっきりと答えた。「うん。まあ……」
「そっか……」亘佑は笑みを浮かべた。諦めのついた表情だった。

諒を殺す。それは、あの時、美保に約束してしまったことだった。
亘佑は、美保の価値観に殉ずることに、決めたのだ。



「亘佑君」美保は亘佑をしっかりと見て、言った。
「仕方ないでしょー。諦めなよ。ねっ?」

美保は得意技としか言いようのない、無邪気な笑みを浮かべた。

【残り23人】


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