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バトルロワイアルぺティー
258
:
リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>
:2004/05/28(金) 19:38 ID:2KqO5TgA
以前の行動
>>250
>>253
新島敏紀(男子十四番)は、C=7を歩いていた。やっぱいないな。都合よくマシンガンを持ってる、出来ればゲームに乗ってない奴。付け入る隙がありそうな奴。
……いないよな。そう簡単にいるわけが……
そんなことを考えながら、敏紀は当てもなく、徘徊していた。
「とーしー!」
聞き慣れた声が響いて、敏紀は振り向いた。五十メートルほど先の道で、そいつは叫んだ。「久しぶり!」
バカ、黙れ。人がきたらどうするんだよ。
敏紀は辺りを見回した。誰もいない。……と思うけど、油断はできない。
そいつは敏紀のいる場所に向かって走り出した。誰だかはわかっていた。殆ど毎日、一緒にいた奴。
永良博巳(男子十二番)は、敏紀のすぐ近くにきて、敏紀の肩に手を置いた。
胸を押さえて何回か短く息をついた後、すぐに話しかけてきた。「今まで何してたの?」
やや沈黙した。しばらくして、声を出した。
「……別に何もしてないよ。怖かったから、逃げてただけ」
「本当? じゃあ一緒に行動しようよ」
あまりにも普通にそう言ってのける博巳に、敏紀は驚いた。こいつは、自分のことを全く疑っていないらしい。
敏紀は博巳を見た。大きい二重の目が敏紀を不思議そうに見た。「どうしたんだよ?」
「……いや、何でもない。ホッとして……」
嘘だった。ここで仲間になったフリをするのも、いいかもしれない。敏紀はちらっとそう思った。
「おれ、梁島と勇人と一緒にいるんだ」博巳は明るい声音で言った。
意外だった。勇人はわかる。でも、梁島? 全く喋ったことなんかないのに、何でだ?
「何で組むことになったの?」敏紀の問いに、博巳は目を丸くして、それから笑んだ。「たまたま会ったんだけどさ、いい奴だよ、梁島は。信用できると思う」
「そっか……」
悪くないかもしれない。一気に三人……狩れるんだ。敏紀は少しだけ笑みを漏らした。
「わかった。俺も仲間に入れてくれよ」
「だから最初からそう言ってるじゃん。梁島はおれが説得する! まかせとけよ!」博巳は無邪気な笑顔を見せた。
つい昨日までは、敏紀は、少々癖があるが普通の男子だったし、博巳は同じバスケ部の仲のいい友達だった。だが、こうなったら、もう敵だと思っていた。
あまりに静かに、自分でさえも気づかないほどに、ゆっくりと、敏紀は我を忘れてしまっていた。
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