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バトルロワイアルぺティー
244
:
リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>
:2004/05/21(金) 22:51 ID:2KqO5TgA
以前の行動
>>237
笹川加奈(女子十四番)は、内博美(女子七番)と一緒に、公園の隅っこに座って話した。主に、今まで何をしていたか、とか、こんなゲームに参加することになって、とっても怖い、とか、その類の話をした。
博美は言った。「友達がどんどん死んでいって……何でこんな最低なゲームをやらせるのかな……」
伏し目がちの長い睫毛のラインから、高く筋の通った鼻のライン。彫りの深い横顔を、加奈はなぞるように見つめた。
いささか場違いなのだが、美人だなあと思って、多少羨ましくなった。
「そうだね。あかりも、明日香も、楓も。薫……も。皆、死んじゃったよね。うちらの中で残ってるのは、私と博美ちゃんだけか」
博美は表情を曇らせた。「みんな……死んだなんて信じられない」涙ぐんでいた。
加奈は、何となく顔をあげた。ぼんやりとした視界の中で、遠くの公園の、階段が見えた。今日、上ったところ。和輝と代々木君が戦ってたところ。
――そこに今、人がいる。
加奈はハッとした。やばい、いくら何でもボーっとしすぎだ。
「博美ちゃん、武器は何?」
「え? えーっと……よくわかんないけど、銃」
チラッと見た。博美ちゃんは撃てないだろう。
「貸して!」と言うと、その銃を装備した。
「誰だろ。逃げた方がいいかな」加奈は呟いた。
「でも、向こうだって人を探してるかもしれないし、それに、みんな怖いだけだよ」博美は指を組んで、言った。
……そうかも。加奈は目を細めた。暗くて、全然見えなかった。
「博美ちゃん、逃げよう」そう言って、加奈は博美の手を掴んだ。
「でも、寂しがってたら……」
「いいから逃げるの!」
加奈は博美の手を引っ張った。
「待てよ、そこにいるのは誰だ?」男子生徒が叫んだ。自分達に懐中電灯を当ててきた。
博美は言った。「加奈ちゃん、もしかして向こうだって仲間を探してるのかもしれないし、理由もなく逃げるって言うのは……」
加奈は男子生徒を見た。
もし、和輝だったら――でも、それはない。声が違った。
他の人……治巳くん辺りなら信用できるかもしれないけど……
「笹川さんと内さんじゃん!」誰かは叫んだ。
「柴崎だよ。俺、人を殺す気なんてないよ!」
「柴崎君?」加奈は驚いて、柴崎憐一(男子五番)だと思われる人物を見た。
そいつは階段を下りてきた。
暗闇でも見えるほどの距離に近づいてきた。ユーモアのあるタレ目が、加奈を見た。
「久しぶり」
「はあ……」
加奈は思った。どうなんだろ? 柴崎君ってイマイチ信用できないような……
だって、女とっかえひっかえしすぎだし、軽そうだし。
「俺、仲間を探してたんだけどさー、二人は一緒に行動してんの?」
「うん。まあ」
「じゃあ俺もいれてよ」憐一は笑顔で言った。
どうしよう。加奈が迷っていると、横から博美が言った。「いいよ。みんなで集まれば怖くないものね!」
げっ。博美ちゃんは、疑うことを知らないんだ。加奈は頭をかかえた。
「あー、でも笹川さんはいいの?」憐一が自分を見た。
こうなったら、仕方ないか。
「……いいよ」
「ホントに? 無理してない?」
加奈は思った。どうなのかな? 和輝とか治巳くんの友達だし、悪い人じゃないと思う。でも、やっぱ、女好きだし。誠実な人がいいよね。うーーーーーーーーーん……
隣で博美が言った。「加奈ちゃん、信じるものは救われるんだよ」
何かそれ、意味が違うような気が。
「疑うことより信じる方が難しいけど、信じれば信じてもらえる。心から悪い人なんていないんだよ!」
博美の目を見た。キラキラしていた。一点の曇りもない目。
私は……なんて汚れてるんだ! 眩しすぎて、気まずくなった。
加奈は言った。「わかった。とりあえず、移動しよ?」
「うん」憐一は加奈を見て、笑んだ。
……まあ、確かにモテるのもわかるけど、でもやっぱりたらしは嫌だよね。女の敵。私はやっぱ誠実な人がいいな。加奈は思った。
三人はとりあえず移動することにした。すぐ隣のエリアには和輝達がいたのだが、悲しいことに、全く違う方向へ移動することになった。
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