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バトルロワイアルぺティー

237リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/05/16(日) 00:43 ID:2KqO5TgA
>>219

 笹川加奈(女子十四番)は、言った。「先輩、いい加減に戻ってください。ドライブしてる暇なんてないんです!」
「冷たいなー。昔はもっと素直で、可愛かったのに」
「そんなこと、今はどうでもいいでしょ」

加奈は思った。今から丘に行っても、もういなくなってるかもしれない。

「先輩、洞窟に行ってください。和輝はもうそっちに着いてるかも……」
北川哲弥は無言だった。
「行ってくれないなら降ろしてください!」

「お前さ、千嶋のこと、好きなの?」
はあ? 何よ、急に。

「まあ、先輩よりは優しいですよ」
北川はくっと笑った。「俺だって優しいじゃん」
「優しい人は、無理やりドライブに連れてったりしないもんなんです!」
「へー」

北川はブレーキをかけた。
「はい。着いたよ」


へっ?

加奈は窓の外を見た。ただの雑木林が広がっているだけだった。

「どこですか? ここ」
「前に、洞窟があった場所」

意味がよくわからなかった。

「この公園、よくプログラムに使われてんだ。つーか、ここだけの話、この公園はプログラム用に建てられたんだよ」
「へー……」

そう言われてみれば、何か変な建物が多いし、公園の中なのに、なぜか人が住んでたっぽい家があるし。

「建物は全部レプリカ。よく出来てるだろ?」北川は嬉しそうに言った。
「そんなこと、どうでもいいから。洞窟なんかどこにもないじゃん! どういうことなんですか?」
「あー、九年前にはあったんだけどねー」
「へ?」
加奈は、デイバックから地図を取り出した。洞窟など、どこにも描かれていなかった。

「何で……」
「古い地図が混じってたのかもねー。たまにあるんだよね、そういう凡ミス」


北川は、また車を走らせた。

「カズキに謝っといて」
何となく、加奈は気まずくなった。

でも、どうしよう。とりあえず、丘に戻れば、まだ、和輝はいるかも。

「先輩、H=8にもどっ……」
「今戻ってるよ」北川は遮って言った。

はー。よかった。加奈はホッとした。
和輝、死んでないよね? とにかく、早く行かなきゃ。

「先輩、急いでください!」加奈は大きな声で言った。



加奈はどうにか、H=8に戻ってきた。北川と別れて、丘の頂上まできた。

「……いない」
加奈は辺りを見回した。「いない!」

でも、いないってことは、ここで殺されたわけじゃないんだよね?
加奈は少し安心したが、すぐに不安になった。
どうしよう。どこで待ち合わせればいいんだろ。


「加奈ちゃん?」


唐突に声が聞こえた。一瞬和輝かと思ったが、そんなわけないと打ち消した。
何しろ、女の声だった。

加奈はばっと振り向いて、驚いた。

「こんなとこで、何してるの?」

内博美(女子七番)は、形のいい切れ長の目で、加奈を見つめた。
【残り25人】


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