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バトルロワイアルぺティー

159リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/04/15(木) 18:37 ID:1Nf1VncU
以前の行動>>134

千嶋和輝(男子九番)は、笹川加奈(女子十四番)と共に行動していた。今はI=5にある、古ぼけた家の前に立っていた。そこは壁が落ちていて、震災後の家のようだった。

和輝はちらっと時計を見た。今の時刻は十一時二十六分。もうすぐ、二回目の放送があるはずだ。またたくさんの人が死んだのだろうか。
怖かった。自分が放送で呼ばれているのを思い浮かべ、ぞっとした。

加奈も時間が経つにつれ、無口になっていくのがわかった。怖いのは俺だけじゃないんだ。和輝は加奈を守ろうと、強く決意した。

取り敢えず、この家の中に入ってみることにした。何か掘り出し物があるかもしれない。二人はそーっと近付いた。


ドアを開けると、バキバキバキッという音がした。どうやらこの家は、相当昔に建てられたらしかった。随分昔に、住人はいなくなったのだろうか。ぱらぱらと、腐った木の欠片が降り注いだ。

「中に誰かいるかどうか確認してくるな」和輝は言った。
「うん。待ってるね」加奈は笑顔を見せた。
しかし、どことなく元気がなくなっているような気がした。和輝は心配になった。
「具合悪いの?」
「やだあ、全然悪くないよー。めっちゃ元気だから」加奈は大げさに言った。
嘘をつく時、加奈はやたらオーバーリアクションになる。わかりやすかった。
「何かあったら言えよ」
加奈は頷いた。

やっぱ、うまい言葉が思いつかねー。柴崎憐一(男子五番)が無性に羨ましくなった。俺も、あいつぐらい口から出任せ言えたらな。でも、あいつ、実は冷たいからな。前付き合ってた女なんか・・・
・・・まあ、憐一のことはおいといて。


家の中に入った。カビくさく、埃にまみれていた。物がたくさん置かれていた。
どうやら、物置になっていたらしい。

和輝は、すうっと息を吸い込んだ。

「誰かいる?」声を出してみた。

そこは、しーんと静まりかえっていて、物音一つ聞こえなかった。


加奈に中に入るよう促した。
加奈は和輝の背中に掴まり、和輝と一緒に、家の中を見渡した。「暗いね」
和輝は、懐中電灯の明かりをつけ、中を見渡した。
「誰もいない、よな」
「うん」
二人は小屋の中に入り、腰を下ろした。


加奈はため息をついていた。
「疲れた?」和輝の問いに、加奈は「ちょっとね」と答えた。

話すことが思いつかなくて、和輝は頭の中で考え込んだ。

加奈が言った。「そうだ、和輝、全然寝てないんじゃない?そっちこそ疲れてるでしょ。寝てもいいよ」
「いや、大丈夫だよ。昨日の夜寝たし」
「でも、たかだか三時間ぐらいしか・・・」
「まあ、きつくなったら言うよ。今のところは平気」
「そっか・・・」加奈は遠くを見た。「私は、もう眠いかも」

「寝てもいいよ」
「嫌だ!絶対寝ないからね!」加奈は強い口調で言った。
なぜ、そんなに拒否したのかは、和輝にはよくわからなかった。


あっ!

ふと思い出した。「笹川の武器は何?」凄く今更なことで、訊くのが情けない気がした。
加奈はためらうように、和輝を見た。
「私の武器は・・・」デイバックの中から武器(?)を出した。

直径十センチほどの袋が、加奈の両手に置かれていた。
真っ黒な外観に、青い小さな文字で「おなら袋」と、書かれていた。

「・・・何これ」
「押すとブーって鳴るの」
「そっか。それはそれは・・・」

二人の間に沈黙が流れた。


和輝は言った。「こんなモンでどうやって戦えるんだよ!おなら袋で!お・な・ら袋で!」
「きっと戦闘中にこれを鳴らせば心が和んで・・・」加奈はおなら袋をブーブー鳴らしながら言った。

やめろ。俺の中の笹川像(?)が崩れる。別にそれはそれでいいんだけど。

「いざとなったら投げつけて逃げるしかないな」
加奈はぷっと笑った。

「馬鹿にしてるよねー、これ」それから、真顔になって、言った。「北川先輩、わざとかな。私のこと、死ねばいいと思ってるのかな」
和輝は少し驚いて、それから否定した。「そんなわけないだろ。偶然だよ」
「そうだといいよね」加奈は笑った。


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