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( ^ω^)冒険者たちのようです
328
:
名無しさん
:2024/10/10(木) 03:33:10 ID:Si4yTBmk0
* * *
それから、宿泊を促すフランクリンから成功報酬だけを受け取ると、泊めてもらう事は遠慮しておいた。
代わりに夫妻から、幾度もの感謝の言葉と、力強い握手を何度も交わし、この胸はそれだけで満足だ。
( ^ω^)「親子水入らずを、楽しんで欲しいお」
それだけ告げ、最後に泣き疲れて眠ったロベルトの寝顔を見て、安心して再び帰路へと発った。
夜分にも関わらず、街を後にするブーンの姿が見えなくなるまで手を振ってくれていた。
胸にロベルトを抱いたそんなフランクリン夫妻の姿が─────印象的であった。
そして、二日後。
────【交易都市ヴィップ 失われた楽園亭】────
(’e’)「───言葉を喋るゴブリン、ねぇ」
マスターは知っていたらしい。さすがは、様々な冒険者が集まる宿を切り盛りする店主だ。
ゴブリンの中にも様々な種類が居て、自分が相対したのは、数百匹に一匹の割合で
人間並みの知能を兼ね備えた、”ゴブリンシャーマン”というものらしい。
それならば、ロベルトを育てて仲間へ引き入れようとしていた行動にも、納得がいく。
329
:
名無しさん
:2024/10/10(木) 03:34:33 ID:Si4yTBmk0
( ^ω^)「いやぁ、もうびっくりしたお! ま、ブーンの敵じゃあなかったけどお、ね」
(’e’)「ま、所詮ゴブリンだしな」
(;^ω^)「いやいや、それが十……数匹? ものゴブリンに囲まれたブーンには、
聞くも苦労、語るも苦労のドラマがそこにはあったんだお!」
(’e’)「おーおー、そりゃすごい」
────辟易とした表情で、店主は頬杖を突きながら相槌を打った。
(’e’)「ま……俺の店の馴染みにゃあ、オーガ三匹に囲まれたとて、
涼しい顔して剣一本でブッ倒しちまう奴もいるぐらいだからなぁ」
( ^ω^)「オーガって、あの……人鬼のオーガかお? それは話盛ってないかお?」
(’e’)「こないだ俺の店に来てただろ。あのジョルジュって奴、あいつさ」
(;^ω^)「あの人……そんなに強い冒険者だったのかお?」
(’e’)「ま……勝てない相手に喧嘩を売るのが、あいつの生き方だからな」
ヴィップに戻るなり、世話になった店主に冒険談を聞かせたいがため、いの一番にカウンターへと座り込んだ。
武勇伝を盛って話すブーンに対して、マスターからは淡々とあしらわれるような返し方をされ続けている。
だが時折、少しだけマスターも嬉しそうな笑みを浮かべてくれるのが、ありがたかった。
330
:
名無しさん
:2024/10/10(木) 03:35:05 ID:Si4yTBmk0
(’e’)「ま、そんな事よりも」
( ^ω^)「?」
エールグラスを磨く手を止め、じっと顔を覗き込んできたマスター。
(’e’)「お前さん……こないだよりも、いい顔になったな」
(*^ω^)「止すお、マスター」
(’e’)「本心さ。これで一皮向けて、冒険者になったな」
そう言って、背を向けたマスターは樽からエールをグラスへと注ぐ。
注ぎ終わったあと、再びブーンの方へと振り返ると、目の前へと置いた。
(’e’)「オゴリだ。こいつは俺からの、門出の祝いさ」
( ^ω^)「! ………ありがたく、頂きますだお!」
そのやりとりを見ていた一人の酔っ払いが、ブーンの首元へと手を回して、後ろから組み付いてきた。
まだ昼間だというのに赤ら顔で、何献酒を平らげたのか、吐く息は思わず顔を背けたくなるほどだ。
爪*'ー`)「よぉぉぉぉッ! 奇跡の再会だなッ、友よぉぉぉぉッ!」
(;^ω^)「な……なッ」
(’e’)「うるせーぞ、フォックス!」
爪*'ー`)「んぅ、おカタい事言いなさんなよぉ、マスターぁあん」
331
:
名無しさん
:2024/10/10(木) 03:35:45 ID:Si4yTBmk0
(;^ω^)「……フォックス。もう楽園亭に、来てたのかお?」
(’e’)「ん?お前さん、こいつと知り合いか?」
(;^ω^)「ん、まぁ……知り合いには違いないけどお」
(’e’)「お前さんが出立してから、入れ違いでヴィップに来たんだとよ、こいつは。
店の客の迷惑も考えねぇで女は引っ掛けようとするし、酒は底なしだし、全くかなわんよ」
爪*'ー`)「んむむ………デレちゅわ〜ん!」
ζ(゚ー゚*;ζ「あの……フォックスさん……他のお客さんの迷惑になるんで……」
(’e’#)「てめぇッ! ウチの看板娘に手ぇ出しやがったら、叩き出すぞ!」
爪*'ー`)「……ちぇっ、分かったよ」
爪*'ー`)(今度あのハゲ親父に内緒でデートしようぜ、デレちゃん)
ζ(゚ー゚*;ζ「いや……あの……あはは」
(’e’#)「聞こえてんだぞ……」
苦笑いで何を逃れた店娘のデレは、客に呼ばれたのを良いきっかけに、卓へと駆けていった。
その後ろ姿に鼻の下を伸ばしていたフォックスが、またブーンのもとへと歩み寄る。
爪*'ー`)「依頼さ、達成したんだってな。おめでとさん」
( ^ω^)「大変だったけど、何とかこなせたお」
332
:
名無しさん
:2024/10/10(木) 03:36:48 ID:Si4yTBmk0
爪*'ー`)「やるねぇ、このこの……実はさ、俺も冒険者になるぜ!
とは意気込んではみたものの、俺そういうのぜーんぜんわかんねぇんだわ」
( ^ω^)「ブーンもよく読んでた手引き書の内容を、曖昧に覚えている程度だお?」
爪*'ー`)「注意力とか洞察力、あとは手先の器用さには自信があるんだけどさぁ」
爪*'ー`)「どうにも、俺みたいなタイプが一人で一匹狼気取るのは、ちっとキツイんだわ」
( ^ω^)「確かに……ブーンもゴブリン相手とは言え、一人っきりは辛かったお」
爪*'ー`)「そこで、だ……パーティー組まないか? この、俺とだ」
( ^ω^)「パーティー?」
爪*'ー`)「あぁ、損はさせねぇさ。ブーン&フォックス! あいつらがあの伝説の───!」
爪*'ー`)「……なーんつって言われるようになるかも、知んねーだろ?」
フォックスからの突然の申し出、頭に手を置いて、ブーンはじっくりと考えてみた。
危険な旅は、人数が多いほうが良い。それも、信用できる人間ならなおさら有難い。
フォックスの人間性については、ここまでで数度しか会話を交わしていないが、
ある程度自分に近い感じを受け、受け入れやすい人柄だと思っていた。
依頼の報酬は減るが、背中を任せられる相棒が出来るのは、頼もしい事だった。
( ^ω^)(ずっと一人って訳にも行かないし、良い機会……かも知れないお)
爪*'ー`)「……どうだ?」
333
:
名無しさん
:2024/10/10(木) 03:37:30 ID:Si4yTBmk0
( ^ω^)「その申し出、喜んで引き受けるお」
爪*'ー`)「……よっしゃ!今日から俺とお前は仲間だ、ブーン!」
(’e’)「おいおい、こんな奴と組んじまっていいのか?」
( ^ω^)「ブーンの目に、狂いはない!……と信じたいお」
爪*'ー`)「まーまー、損はさせねぇってば。
あ、改めて自己紹介しとくぜ」
爪*'ー`)「”グレイ=フォックス”、生まれはどこだか忘れちまった。
が、当分はヴィップを根城にする。楽園亭に骨を埋める覚悟だ、よろしくな」
(’e’)「おいおい……勘弁してくれねぇかな」
( ^ω^)「”ブーン=フリオニール”、生まれはサルダの村だお。
まだまだ駆け出しだけど、こっちこそよろしくだお!」
無事依頼を達成したブーンの元へ現れた、フォックス。
偶然にも再会した二人は、旅を共にする事となった。
酒を酌み交わし始める二人の姿を見ながら、これまでよりも煩い店内になってしまった
失われた楽園亭のマスターは、頬杖をついて厄介そうにため息をついていた。
だがこの翌日、さらにこの店を騒がしくしてしまう来訪者が訪れる事を、マスターはまだ知らない。
334
:
名無しさん
:2024/10/10(木) 03:38:04 ID:Si4yTBmk0
* * *
(´・ω・`)「───見えてきたね、ヴィップが」
ξ;゚⊿゚)ξ「や、やっと……柔らかいベッドの上で寝られるんだわ……」
( ^ω^)冒険者たちのようです
第6話
「名のあるゴブリン」
─了─
335
:
名無しさん
:2024/10/10(木) 03:41:02 ID:Si4yTBmk0
>>278-334
が、ゴブリンをよく狩る人には怒られそうな第6話となります。
焼き直し作品ですので基本sage進行でかまいません。
336
:
名無しさん
:2024/10/11(金) 23:21:30 ID:58yxKtJ20
乙津
337
:
名無しさん
:2025/01/26(日) 16:15:09 ID:sTdmUGKk0
飽きるの早すぎんか…
338
:
名無しさん
:2025/02/17(月) 15:38:41 ID:GsdDy/eU0
クオリティ高いな。
カードワース題材というのもしぶい。
339
:
名無しさん
:2025/07/26(土) 17:19:17 ID:VMKGhMMQ0
何がしたかったんだこれ
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