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( ´_ゝ`)/こちら流石探偵事務所\(´<_` )

1 ◆KDJGUfbY2o:2023/04/22(土) 22:26:58 ID:V1JPaZRY0
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 |  流石だよな、俺ら  |
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    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
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前スレ:( ´_ゝ`)/こちら流石探偵事務所\(´<_` )
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745 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:05:48 ID:SK.3M4GI0

( ´_ゝ`)「めっちゃ趣ある」

(´<_` )「円谷さん、例の資料はどちらに?」

(’T’)「一番奥の棚です、ご案内します」

( ´_ゝ`)「うへ、何か結構物騒なもんも多いな」

(’T’)「化生どもとの戦いの歴史もありますから」

( ´_ゝ`)「まあそうだよな……ん?」

(´<_` )「どうした?」

( ´_ゝ`)「これは……トンファー? 胸当てと靴も……」

(’T’)「かつての神職が使用していた神具の一つですね。先の大戦の頃まで使われていたようです」

( ´_ゝ`)「……ちょっと身に着けてみても?」

(´<_` )「む」

(’T’)「えっ? ああはい、構いませんが」

( ´_ゝ`)「それじゃあ失礼して」

746 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:06:30 ID:SK.3M4GI0
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     | l         |               ノー‐=ャ、,
     | l         |              。仁       ヽ,
     | l         |       _.ィ `'ー<,'¨   ヽ,      ' ,
     | l         |__,.。 -‐ ''¨>' `'・ャ,   `丶,   ' ,      ' ,
     | l     .ィ仁  ̄   `丶,       `>    ヽ, ヘ     i,                  .>'´
     | l    .イ   <>   __ `'・、   .ィ´       ハ ヘ    i,              .。 ・''’
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     | l  / i `y'‐=ュ。_リ_                リ´   .>'_,.。 ・''’
     | l  ,' リ  i    ノ `丶,     .ィ        .イー=''¨  ̄
     | l  V  /   , '    ヽ,r"`'・´ュ_     .ィ´
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     | l  i  ゝ。,   ',      ',  l!      i'
     | l  i    i ゝ。,ヽ,     >ャ, i     リ
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747 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:07:05 ID:SK.3M4GI0

( ´_ゝ`)「おお……滅茶苦茶しっくりくる」

(´<_` )「なんと、サイズぴったりだな」

( ´_ゝ`)「ン……何だ、これは……魔力?」

(’T’)「これは……驚きましたね。あなたは神具に認められたようだ」

( ´_ゝ`)「え、何。これ、意思とかある感じ?」

(’T’)「いえ、そういうわけでは。単に使用条件に合致したということです」

(´<_` )「珍しいことなんですか?」

(’T’)「そうですね。一定水準の体力と魔力、これはいい。強い邪気を持たない、これもいい。
     ……問題は、現在登録されているのは増田の血族なんです」

(;´_ゝ`)「……えっ?」

(´<_`;)「何ですって?」

(’T’)「あなた方も私と同じく増田の遠縁、ということかと。こんな偶然があるのか……」

(;´_ゝ`)「嘘ぉ……そんなことある?」

748 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:07:44 ID:SK.3M4GI0

(´<_`;)「た、確かに父者も前町長もハゲ散らかしてるが……」

(;´_ゝ`)「いや確かにそこは被ってるけども。え、だとしたらハゲの遺伝子強すぎんか……?」

(;’T’)「そ、そう言われると最近私も頭頂部が……父もハゲていますし」

(´<_`;)「ど、どう足掻いてもハゲる……?」

(;´_ゝ`)「嫌すぎる事実。母者の血頑張ってくれ……!」

(;’T’)「何だか親近感が湧いてきましたよ」

(´<_`;)「確かに。こんなことで親近感湧くのも複雑ですけどね」

(;´_ゝ`)「ま、まあ一応遠い親戚ってことだしな、うん。ハゲは関係ないはず、うん」

(’T’)「……あ、よく考えたら前町長は入り婿ですね」

( ´_ゝ`)「あっ」

(´<_` )「そういえば……じゃあ、ハゲは関係なさそうですね」

(’T’)「ふぅ……焦りましたよ」

( ´_ゝ`)「まったくだ。弟者が変なこと言うから」

(´<_` )「いや、うん……何かすまん」

749 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:08:19 ID:SK.3M4GI0

(’T’)「そうだ。そちらの神具、よろしければお持ちください」

( ´_ゝ`)「えっ、いいのか? そんなにあっさり」

(’T’)「神職の人数がいない都合、当面埃を被っていそうですからね。
     何かしら恩を返したいとも思っていましたし」

(´<_` )「使っていないとはいえ、こんな歴史のありそうなものを頂くのは」

(’T’)「そこは、一応貸し出しということで。遠縁の流石家に貸し出したと記録を着けておきます」

( ´_ゝ`)「正直こっちとしては助かるが、本当に良いんだな? 壊れるかもよ?」

(’T’)「それならそれで仕方ありません、道具というのはそういうものですし。
     今後トンファーの使い手が神職になる、というのも中々なさそうですから」

( ´_ゝ`)「それはそうか、あっちには刀とか槍とかもあるし」

(´<_` )「ちなみに円谷さんは何を使われるんですか?」

(’T’)「私は弓ですね。刀も護身程度には扱えますが」

( ´_ゝ`)「……んじゃ、遠慮なく借りてくぞ」

(’T’)「ええ、そうしてください」

750 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:09:02 ID:SK.3M4GI0

( ´_ゝ`)「で、本題だけど」

(’T’)「ああそうでした。ご案内します」

(´<_` )(誂えたようなパワーアップイベントだったな……都合はいいが、うーむ)

( ´_ゝ`)(何を考えてるかはわかるが考えすぎだろ。マジで運命操られてるってんならどうにもならんし)

(’T’)「こちらの一角が古文書の類です」

( ´_ゝ`)「ありがとう。ちなみにこれ、普通に読めるもん?」

(’T’)「なかなか難儀ですね。漢文のものは特課の方で解読済ですが、
     カナ書きと思われるものは地域特有らしい癖が強くて解読が進んでいません」

(´<_` )「解読済の部分で竜宮会、あるいは浮き鮫の根城に関するような情報は」

(’T’)「沖合の岩礁、とだけ。ただ、沖合にそれらしい岩礁はないんですよ」

(´<_` )「ふむ。解読済のデータ、どこかで見れたりしますか?」

(’T’)「一部秘伝のものを除き、社務所の方にある端末で閲覧可能です」

( ´_ゝ`)「なるほど。未解読のもの、地元の人に相談したりは?」

(’T’)「え? いえ、流石にモノがモノなのでしていませんが」

751 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:09:42 ID:SK.3M4GI0

( ´_ゝ`)「よし、なら可能性はあるな。弟者、解読済の方は任せていいか?」

(´<_` )「うむ」

(’T’)「待ってください、誰か連れてくるつもりですか? それはちょっと……」

( ´_ゝ`)「なに、下手な人間なら連れてこないさ。例えば現町長なら構わないだろ?」

(’T’)「それは、まあ」

( ´_ゝ`)「それに、読めるとしたらそう下手な人間じゃないだろうな。
      町の歴史に深く関わる部分だ、それなりの重要人物だろうよ」

(’T’)「な、なるほど……言われてみれば道理ですね」

( ´_ゝ`)「というわけで俺はちょっと出てくる」

(´<_` )「おう、行ってこい」



 ―――。

752 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:10:16 ID:SK.3M4GI0
【民宿 ヨルイカ】
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                  ┏━┓│
                   ┃ヨル┃ |..┌┬┐┌┬┐┌┬┐┌┬┐┌┬┐┌┬┐┌┬┐
                   ┃イカ┣┥└┴┘└┴┘└┴┘└┴┘└┴┘└┴┘└┴┘
                  ┗━┛│
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         .            │    │  │  │ ┃    ┃┗━┛    ┃┣━━┫┃
                        ├──┼─┼─┤ ┃    ┃          ┃┣━━┫┃
                        ─┴─┴─┴─┴─ ━━╋━━┓    ┃│ ̄ ̄|.| ┃

753 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:10:53 ID:SK.3M4GI0

( ´_ゝ`)「というわけなんだが」

(´・_ゝ・`)「ふむふむ、話はわかったよ」

( ´_ゝ`)「で、誰か心当たりある?」

(´・_ゝ・`)「小川さんかなあ」

( ´_ゝ`)「小川って言うと……え、あの駄菓子屋の?」

(´・_ゝ・`)「駄菓子屋の」

( ´_ゝ`)「マジか」

(´・_ゝ・`)「ああ見えて町のご意見番だからね、みんな頭が上がらない」

( ´_ゝ`)「ああ……あの立地だし、ここで育った人はみんな世話になってる感じか。……ん、なんか前にも言った気がする」

(´・_ゝ・`)「それだけじゃないんだけどね。町長も渋ってたけど小川さんに言われて引き受けたし」

( ´_ゝ`)「なるほどな。……あれ、でもそれ解読と関係ある?」

(´・_ゝ・`)「旦那さんが教師だったんだよ。町の古文書に造詣が深かったらしくて雨霧教授とも交流があった」

( ´_ゝ`)「あー……そういうことか。それなら確かに可能性はありそう」

754 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:11:26 ID:SK.3M4GI0
【小川駄菓子店】
                     |                      |
               ┌──┴──‐┬──────┐:::........|
               | . 文具・菓子 . .|             |    |
               |             |             |    |
               | 小川駄菓子店|             |    |
               |_______|________|__|_____
                _。r≦                 .。s≦ ト 、
        _。r≦                     .。s≦     |   `ト、
      r≦――――――――――――≦――――‐‐ |___`ト、
      `trtri-----!--!ュ------ュ-----┘::r--ュi_i_i_i_i_i_i_||‐┬――! i 〕iト、__
        |}}}}|     .|冊|.||_i_i_i_i_i_i|        |  |i_i_i_i_i_i_i_|| .|: : : : :.| | `ー――
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                   ||_i_i_i_i_i_i|         .|i_i_i_i_i_i_i_|| .|: : : : :.| | |
              i箱箱!菓_i|        ィ----ュ_i_i_|| .|: : : : :.| | |
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         _r-f‐-i|箱箱|菓_i|       i!三i.l|㍊|樫|. i .|: : : : :.| | |
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755 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:11:59 ID:SK.3M4GI0

88 @-@)「いらっしゃい」

(´・_ゝ・`)「こんにちは」

88 @-@)「おや、珍しいね。どうしたんだい?」

( ´_ゝ`)「ども」

88 @-@)「ん、あんたは……あー、前に来た観光の人だね」

( ´_ゝ`)「まさしく。流石は客商売、よく覚えてるな」

88 @-@)「今日はまた観光かい? 町を気に入ってくれたなら嬉しいね」

( ´_ゝ`)「町は気に入ってるけど残念ながら今日は仕事」

(´・_ゝ・`)「古文書が解読できなくて困ってるらしいんですよ」

88 @-@)「古文書? っていうとあれかい、千手仮名」

( ´_ゝ`)「千手仮名。そういうのがあるのか?」

(´・_ゝ・`)「いや、僕に聞かれても知らないけど」

88 @-@)「懐かしいねぇ、旦那が生きてた頃はよく読んだもんさ」

( ´_ゝ`)(そんなん読んでるって、この人も魔術師だったりしないだろうな?)

756 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:12:33 ID:SK.3M4GI0

88 @-@)「明日で良ければ構わないよ、お休みだからね。解読したい古文書はどれだい?」

( ´_ゝ`)「あー、それなんだけど。神社の蔵の中」

88 @-@)「神社? あー、そういうことかい。みんないなくなっちまって、読める人がいないんだね」

( ´_ゝ`)「そういうこと」

88 @-@)「寂しいことだよ、みんな年寄りを置いていなくなってく。美里ちゃんも最近見ないし」

( ´_ゝ`)「いや、あの人は神奈川で元気にやってるけど」

88 @-@)「あら、そうなのかい?」

( ´_ゝ`)「元気が有り余って大暴れしてるくらい」

(´・_ゝ・`)「うわぁ……」

88 @-@)「そうかい、ならよかった。たまには顔を出すように言っといてくれるかい?」

( ´_ゝ`)「ほいほい、言っとく」

(´・_ゝ・`)「僕は正直会いたくないなぁ……」

( ´_ゝ`)「その気持ちはわかる」

757 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:13:07 ID:SK.3M4GI0
【千手神社】
::: i ;川: :.|:, :,':,;':,;',.:' :. ,: ';:';, ,: ,ゝ` ,         '; :. '` :, :' 、ゞ´ ,ソ:,:' ;. ;,: ゝ|゙.:.|:,、: :|、:j i; : : :::: :
: ::i ;!州: :!:;,:ゝ、;.:' :. :,ィ:';: :, :,.イ            ` ,:、` :, :',.:`:Y´:,:':,: :,く:, :,: ゙:, | ` ::| ::| !: :: : :::
:. :|. :!ノ :!:.:!::..,ゞ:, 、 :. :,:' ;. ;,: ゝ              ,.:'` :, :'´ ,‘ ,,;::!:.,ゞ;,: ,ぐ ゞ|:, 川;.::| ! 川 : ::
 :|..:川人:!;,;':,:'`:,: ,: : .,ゝ; :': ゞ` .、           シ` :, :',.:` :. ノ:;,;':,:'`:,: ,:, :,':,;;:';i ,:,:,ゝ| |: : ::: ::
. ::i从::川::|: .| !:.,:!:, :,.ィ:, ): :,ゞ`::.、,,、       ,,- 、ソ` :, :' ´ ,ソ!;,;':,:'`:,: ,: : .,ゝ; :' :,、 ハ:|,,-,、 : :
.!;:川:《:!::!゙|ゞ;::!:.,ゞ;,: ,ぐ:.、ー――――――――`;シ` :, :'―:,` :,そ― ;`り‘ ,,:,:':,: :,く:, :,: ゙:く≦ソ : :
: 《:川: ! | |::;|:;':,:ゝ:,.、:、 |::弍ニニニニニニニニニぞ; :' ` ,: : :, 、ニ!:, ,.:` :´ ,ソ',.:' :. ,: ';:';, キゞ : i !
: ::|リ:! |.:i:.|;;:':Y´:,:':,: :,く:, :,: ゙:,`ー―― ┐┬――弍ミ:x.、 ;, : ' ` :,シ`:, :i :.そ:, 、;,;':,:'`:,: , : :|`´ 川 .!
.: :|ソ::!゙川 !:,';;':ゞイ:i:!` 、:,: ,:ゞ-`     .! |    ーイ:.,':`;, :' , '`ゞ,.:` :´ ,ソ:, :,':,;':,;',.:' :. : :! / :!:! !:
.: :|ソ::!゙川 !: |:|ゞぐ`;|:,、:゙|:,ゝ | ̄ ̄ ̄i .! ̄ ̄ ̄戈ゞ;'`:,:: , ̄: ., ::‘,,! ,:, ,,!:,';;':ゞイ:i:!`ー升≧=≦
: ::|リ:! |.:i:.|`:!:!:,:':,ゞ,;'; ,:ゞ;,:':,ゝ  . ̄ ̄ ̄! | ̄ ̄ ̄ ̄ ` 、:;. ` :, :':. ̄,;:`|: ,|,.:` :´ ,ソ::,'`ヾ、,..イ : :`ヾ
: 《:川: ! | |,;'|:|;:'´`ヾ! :!`| |`         ! |        ´ゞ:., :, ::|戈;: |`゙|戈‘.:|:.::i !戈:!:;\ : ::!: :
.!;:川:《:! i∧.|:|``  ! :! .! !          |::::トァ      ´`ン`::,|:.,!; :'_|:| |`:、シ!: :|:i:|: : :|川戈マ
. ::i从::川: ∧.!    .| :| .| | .       マ二/:::! i        `シ"|: |` |!|:| ri===ァ!: :|:i:|: i :|!:|.!: :.`\
 :|..:川人:!: :'i     .!∧.! !        .|:..:|!:: |::|        ,n.::;__j:::|戈!|:|:r.!: :i´ :!: :|:i:| i; ;|: !j: :l: : : ヾ
:. :|. :!ノ :!: i : ::,     ! .|| |       .|.:.:|!:: |::|   ,,≦圭ハ|.:!.」_;L;|≧!|.|: :|:.::| :|: :j: :! !:,:| !: ::! : : :
: ::i ;!州゙人: ∧   | __|| |      _.|:.:.|!:: |::ト=イ,,゙ ´゙゚゙゚´ ̄:|.:::|`  .!|:|: :|:.::| :|:..:|:!j l: :j ::| ノ!: : : :
::: i ;川,': :∧ : :,二二||二二二 .,ィ:.:.::|:.:.|!:: |.:|´         ├┤ヾ,,'!|.|: :|:.::|: :.|.: 川: : /,./ :./ : : :
: 人: ;,: !:. :. ∧ ∧  || ___ l: : :.::.|:.:.|!:: |;;|:.、        ├┤ミ,.」|:|: :|::..| ,.;|:/:./:.:/ ./ ,ノ : : : :
/: : :\:∨: : :∧ ∧ ̄ |_|_,オ≧=- .|:.:.|!:: |.: /        ´ヾ``!ー=!: :!: :| `7::/ :,:'.::/ / ,.イ : :
: :: :: :.∧:∨: : :.:\::\  <≧≡彡':|:.:.|! / .:/           `ヾ、≧::! .:|:,/≦イ_,ノ´ ,./ ! : :
: : : : : :∧::\: : : :.:\::\  `ヾ 三>、゙|/ .:/                弌x、:`゙゚´>=< : . ,.イ: : :| : : :
ノ:. :./`ヾ: : :\、: : :.\::≧= 、 ミ圭彡/_.:/               `ヾ`ヾ从三乂≧=ヾ、ノ :,,:
,.イ´    `ヾ:_:_!`ー≦:∧ ̄`___ _,,´ .イ                  \!艾≧三≧≦彡イ :|:
., ,.ィ ,       _ ,,―< .ノ!-仝=イ                     又彡イ≦三≧≡!人
i/,.'´, < ̄ ̄>< >'::´ ̄|:..:|ノ                            `ヾソ戈三≦≧三

758 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:13:40 ID:SK.3M4GI0

     (´<_` )
     /   \
ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ   ヽ
 ヽ  FMV   ヽとニ__)
  ヽ_____ヽ/



(´<_` )「なるほどな」

( ´_ゝ`)「何がなるほどなんだ?」

(´<_` )「む、兄者。どうだった?」

( ´_ゝ`)b「ばっちり。駄菓子屋の婆さんが明日読んでくれるってさ」

(´<_` )「駄菓子屋……?」

( ´_ゝ`)「言いたいことはわかる」

(´<_` )「いやうん、一目置かれてるような話はちょっと聞いた気がするが、そうか」

( ´_ゝ`)「で、そっちは?」

(´<_` )「思ったより難航してる。現代語訳こそされてるが全く整理されてなくてな」

( ´_ゝ`)「じゃあ手分けして見るか」

(´<_` )「ん、ちょいめんどいがディスプレイ2つあるから一応可能か」

759 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:14:14 ID:SK.3M4GI0
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760 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:14:48 ID:SK.3M4GI0

( ´_ゝ`)「……ふー、結構しんどいな」

(´<_` )「俺のPC接続できりゃもうちょい楽なんだが、特課のサーバーに不正アクセスするわけにもな」

( ´_ゝ`)「いくら弟者の腕を信頼しててもそれは止める」

(´<_` )「しっかし、日も落ちてきたしそろそろ一息入れるか」

( ´_ゝ`)「メシ行かないか? どうせ本命の解読は明日だし」

(´<_` )「ん、わかった。丁度腹も減ってきたからな」

( ´_ゝ`)ノ「そうと決まれば早速!」



 ―――。

761 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:15:21 ID:SK.3M4GI0
【居酒屋 陸船亭】
_,,,,,,,.........7 ,'   ,ム===== =ー-   ...,,,_,.イ ,. '゙ _,.<;;;;>''"   ,,.:≦彡'''"´‐''"::;;≦;;;;;
_,,,,,,........7 ,'   /===''''====ー-  ,ッ'" ,. '゙_,.<;;;>''"   ,,.:≦㌢'"‐''",..≦、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
‐===''7.,'   ,ム========ェ..,,.イ , '´,.<;;>'"1ヽ ,,.:≦=''"‐''",,,;;≦イ: : : :};;;ァ=ミ:::;;;;;
,,..ニ¨~~7.,'  ,/ェニ゙===゙ニェァ'",. '゙ ,.<;>'" _,ィ| l :;l''"r::、"::≦;;;,.='''、='ゞ.;,,ノY゙: : : :Y:::;;
-= =''7.,'  /'""¨¨ ̄ ̄¨¨/,.イ, '゙,.<>'" ,,.:≦ゞ'゙1.!.:;|'"1 :|:;;r'"゙Y,´: : ヾ::::;;;;;;;;{l: : : : :リ;;;;;
,三二゙7,'  ,ム-====--:'゙.イ,. ,'゙.<''''" _,,.:≦'''"_,,,;;≦;! !..:|ハ;| .:!::{!:.:.:.}{! : : : }}::::;;;;;;;弋; : ;ンィ≦
≡='7.゙ /;;;;;;;;;三三;;;㌢"ィ"<''"-rァ'升''::f '"´!|::;Y;'´ ゙! !..:l: :}!..:|::;ゞ:,;从;.: : :,リ;;_;:ニ=-;;三r'´: : :
三≡7. /≡;;;;;;;;;;;;;イ,.:'",;:''"_,;;'_''1.:f;;;;;;;;!.:.:lll.:.:.:.l.! .:{l : : | l .:| ノ| .:!::;;,r;;=ュ、¨ア´~:゙ヾ:::;;ヾy゙: : : : :
川川ー''川川川川川 :|゙ l l l l l''"|..:|r'".:l_,,,..!.;;;;;;!| ::弋ン! !..:|~,ォ..:|Y;': : : : Y,゙: : : : : :Y::;;;;;!l.: : : : :
川川川 川川川川川 :|! l l l l l,,,..!..:!::-‐|:/:'''" !|:Y~YY:| l ::|,'.:| .:|:l:l.: : : : :l.l.: : : : : : !::;;;;代 : : : :
川川川 川川川川川 :|! l l l l lテ|.::レ"~;|:ゝ''゙ー;''!|:{!:.:.}:{!:! !:::|!i:.! .:!从: : : :.从: : : : : :从;;;;;;;ゞ、: :_:
川川川 川川川川川 :|! l l l l l..:::!.:,ゝ-く:ゝ-ゝX!|λソノ、| l ::|ゞ1..:!;;刄.:,,ン;;;夂,,_少;;;;;;;;;;;;;`"'';;;
∧川川 川川川川川 :|!:r==ャ;;;;;/  ,;;}:===!|:=::=! !..:lニ!..:|ニニ/;~; ̄~ヾ.二二三三;;;;;;;;;;
\\川 川川川キニ7;F丑三::;;;rシ  ,;;イ|:>:-く,,;;l.!(,,,;;;;|lr| l ::|;/1 :|レ=、'fT~i ̄!:;;;i;;;;;ア゙ ̄ヾヽ;;;;,r=
\\,夂,,丈丈丈弋'ゞL_」;_三ヒシ=-=::;j'''!ー゙=く,,_l.!く.,,,_|lk! !..:|{;;;| .:!{:.:.:};l..i...l.....l.;;;;!;;;f.!: : : : ゙! !;i゙: :
、 \夂ミヘ、゙ヽ、゙丶、`丶、`丶 、゙  ', .,`゙ ' ‐- ..,,_''  ''Ll__j`"ー'' ー''代i T:::T;;リ;;;;l.!: : : : リ;,!;l : :
:::\ \,夂ミ::.、 ゙ヽ、.`ヽ、. `丶、 `丶 、' ",'' ‐- ..,_ `゙ ' ‐- ...,,,_¨""''''゙''ー‐''゙::'''''夊,,_,..夕从: :
;;:::::::\, \,夂ミ≧、. ゙ヽ、 `ヽ、. `丶、 `丶 、"' - ., "'' ‐ ..,,_   `"' ‐- ...,,_  ¨"'''' ー-'' `"
::;;;;;;::::::::\, \,゙'ミ≧:.、 ゙ヽ、 `丶、  `丶、. `丶 .、 `"' - ., `"' ‐ ..,_    `゙ ' ‐- ...,,_
:::::::;;;;;;;:::::::::\, >.,,ミ≧::... ゙ヽ、  `丶、  `丶、.  `丶 .、  `"' ‐ .,  `"' ‐ ..,_      ¨

762 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:17:11 ID:SK.3M4GI0

//・し・//「ん? おーあんたら!」

( ´_ゝ`)ノ「ども」

(´<_` )「こんばんは」

//・し・//「よく来た! まあ座んな」

(oしo)「こちらのお席にどうぞ」

( ´_ゝ`)「よっこらせ」

(´<_` )「年寄り臭いぞ」

(oしo)「お飲み物どうされますか?」

( ´_ゝ`)「日本酒お勧めは?」

(oしo)「廣喜の純米吟醸 秋酒なんて如何でしょうか?」

(´<_` )「季節限定ですか、いいですね」

( ´_ゝ`)「んじゃそれグラスでー」

(oしo)「かしこまりましたー!」

763 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:17:46 ID:SK.3M4GI0

( '>')ノ「よう布川!」

(´・_ゝ・`)「こんばんは」

//・し・//「おっ、うるさいのが来たな」

( ´_ゝ`)ノシ

(´・_ゝ・`)「あっ、もう来てた」

( ´_ゝ`)「先来ちゃった」

(´<_` )「あれ? 約束してたのか?」

( ´_ゝ`)「いやしてないけど」

(´・_ゝ・`)「まあここで会うだろうなって」

( '>')ノ「おっ、また会ったな!」

( ´_ゝ`)ノ「おひさ」

(´<_` )「ご無沙汰してます、町長」

(oしo)「お待たせしました、廣喜 純米吟醸 秋酒です」

764 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:18:27 ID:SK.3M4GI0

      ┌‐┐
      ├‐┤
      | ...|
       i   .i
      ,'  ..',
      ,'    ',
     ,'     ',
     ,'      ',
   .,'‐-------‐',
   i         .i
    |       廣|
    |  l=l'ヽ./`喜|
    | .//|| <’ )......|
    | .)( =  /  . |
    | ( )  (  l,  . |
    | |__| / ..ヽ  |
    |.............................|
    |‐-=======-‐|
   ゞ========='"

※リ゚▽゚ リ<l「過去一再現度低くてごめんやで」

765 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:19:02 ID:SK.3M4GI0

( ´_ゝ`)「お、可愛らしいラベルだな。ウサギが餅つきしとる」

(´<_` )「ほんとだ、秋っぽい」

( '>')「おっ、廣喜か。たけし、こっちにもくれ」

(´・_ゝ・`)「あ、じゃあ僕も」

(oしo)「かしこまりましたー!」

( ´_ゝ`)「せっかくだしちょっと待つか」

(´<_` )「そうだな」

( '>')「ん? 何だ、別に遠慮しなくていいぞ?」

( ´_ゝ`)「遠慮というか、せっかくだから乾杯したいじゃん?」

(´<_` )「すぐ来ると思いますし」

(oしo)「グラス追加でお持ちしましたー、こっちも注いできますね」

( '>')「ああ」

(´・_ゝ・`)「ありがとうたけし君」

766 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:19:39 ID:SK.3M4GI0

         ,ニニ-一===/   /  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄          ̄ー
     〟'"~´          ./    /ーー ー ー、ーーー… ____
   /                /    /        `ヽ        ` `  ヽ
  i(             /    /          )|           \
  | ` .、             i    ノ        シ´.|               ゝ
  |    ` ー- ニ 二 、_.i_  ノ _ , ニ ニ - ‐ ´  ..|                 \
  |             !  !             |                  \
  |             i  .i              |                    \
  |             i  i                 |
  | ;、,  ,_〟" `ヽ     i  i   .〟 、         |
  | i "~´      ヾ、 ⌒ i ⌒'"     ` :、   |
  | l ` 、.         ゜ ○゚ ( ノ    .⌒   ` ´"i |
  | |   ` ー.       ゚ O   O。 、,  ,_〟.l |
  | i            。〇    ∩      "~´   | |
  | ;          .  ( )゜   ∪.             i |
  | :                (⌒ヽ           ; |
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  |            (    ノ              |
  |             (0 ノ            |
  |              ル                |
  |                                |
  |                                |
  |  〟' "                      、   |
  |∠                          ヽi |
  八                              八
   ` 、                        , シ´
     ` ー-ニ二、_____ , ニニ-一 ' ´

767 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:20:13 ID:SK.3M4GI0

( ´_ゝ`)「んじゃ、乾杯!」



( ´_ゝ`)( '>')「「乾杯!」」(´・_ゝ・`)(´<_` )



( '>')「っくー、うめえな」

( ´_ゝ`)「おお、まろやかなのにすっきり」

(´<_` )「ふわっと香って、しっかり旨味を感じて、スッキリ抜けてく」

(´・_ゝ・`)「バランスのいい秋酒だね。食中酒に丁度いいんだ」

( '>')「布川、千手盛りくれ!」

//・し・//「4人前でいいのか?」

(´・_ゝ・`)「いいよね?」

( ´_ゝ`)「もち」

(´<_` )「お願いします」

768 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:20:46 ID:SK.3M4GI0

( '>')「話は大方聞いてるが、どんな感じだ?」

( ´_ゝ`)「小川さんに協力して貰えることになって明日解読作業」

(´<_` )「解読済の方も整理されてなくてなかなかしんどいですね」

( '>')「なるほどなー。あんま力になれそうもないが、何かあれば言ってくれよ」

//・し・//「ん? 何だ、小川の婆さんってことは古文書解読か何かか?」

( ´_ゝ`)「そ。ちょっとわけあって神社の蔵書を見せて貰ってる」

//・し・//「ほーう、そりゃまた。まああんたらには次期町長を救って貰った義理もあるしな」

(´・_ゝ・`)「ええと、まだ次期町長とかではないんですけど?」

( '>')「ああん? 何眠たいこと言ってやがる、お前が次期町長だ」

//・し・//「そうだな、大方の連中はもう認めてる。お前が次期町長だってな」

(´・_ゝ・`)「えぇ……そんなことあります?」

( '>')「ったく、そういうとこさえ直ればなあ」

(´・_ゝ・`)「だから僕は漁師を辞めたんですってば」

( '>')「漁協の方は間違っても任せらんねーのは確かだな! ははは!」

769 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:21:36 ID:SK.3M4GI0

(´<_` )「そういえば布川さんっておいくつなんですか?」

//・し・//「ん、俺か? 66だ」

( ´_ゝ`)「え、じゃあ婆さん呼ばわりしてた小川さんって何歳?」

//・し・//「確か90近いな。89だったか?」

(´・_ゝ・`)「あってます」

(´<_` )「えっ、てっきり80くらいかと思ってました」

( '>')「30年前からずーっとあんな感じだ。100超えてもあのままなんじゃないか?」

(´・_ゝ・`)「やっぱり仕事続けてるのが若さの秘訣なんですかね」

//・し・//「それはあるな。俺も引退したら一気に老け込みそうだ」

( '>')「だな。まあ俺は役職は下に譲っても隠居するつもりはないが」

//・し・//「ふっ、そうなったら嬉々として漁に出てそうだな。船上でポックリ逝って迷惑かけるんじゃないぞ?」

( '>')「お前こそ厨房でぶっ倒れてたけしに迷惑掛けんなよ?」

( ´_ゝ`)「二人とも歳とっても意気軒昂ですげーな、俺らも頑張らないとと思えてくる」

(´・_ゝ・`)「ふふ。上の人が良い背中見せてくれると気合入るよね」

770 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:22:12 ID:SK.3M4GI0

//・し・//「待たせたな、千手盛りだ」

( ´_ゝ`)「おお、これが……! 放射状に盛り付けられた純白のイカの身が花弁のようだ」

(´<_` )「イカ、めっちゃ透き通ってますね」

//・し・//「鮮度がいいからな。早いとこ食いな」

( ´_ゝ`)「んじゃ失礼して……おっほ! うま! しっかり冷やされてて、良い食感だ」

(´<_` )「見た目通り透き通るような旨味、それに地元の刺身醤油とわさびが相まって」

( ´_ゝ`)「醤油の甘みとわさびの爽やかさが引き立てるなあ。こりゃうめーわ、一番人気も納得」

(´<_` )「あー、わかっちゃいたけど酒にもあう。うめー」

( ´_ゝ`)「てかこの酒食中酒として優秀だな、全然邪魔しない。廣喜だっけ?」

(oしo)「廣喜の純米吟醸 秋酒です!」

( '>')「はは、いつも食ってるがいつもうまい! これが千手烏賊の自慢の味よ!」

(´・_ゝ・`)「布川さん流石ですよね。跡を継ぐたけし君も大変だ」

(oしo)「頑張ります!」

( '>')「そうだ頑張れ! 布川なんぞさっさと追い越しちまえ!」

(oしo)「はいっ!」

//・し・//「ふっ、期待してるぜたけし!」

771 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:22:52 ID:SK.3M4GI0

( ´_ゝ`)(……やっぱ見捨てらんねーよな、この町。俺らも頑張らんと)

(´<_` )(縦しんば見捨てたところで被害はどこまで及ぶやら。保身に走ってる場合じゃない)












  Case12「海色の声」
  Day1B/Day2「老兵の背中」

                          To be continued...

772 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:23:24 ID:SK.3M4GI0
Case12-Tips1 先生のお力

( ・3・)「――報告は以上です」

( `ゝ´)「なるほど。探偵は岩手へ、魔女は飼鱈場沖でダンスパーティ、と」

( ・3・)「岩手には連絡済です。飼鱈場の方はどうしますか?」

( `ゝ´)「放っておくほかないだろう、下手に手出しもできん」

( ・3・)「そっすね」

( `ゝ´)「……しっかし、万が一奴らの危惧通りならば。岩手の体制じゃちと不安だな」

( ・3・)「神霊降臨しかねないっすからね……」

( `ゝ´)「最初から巫女を始末しておけばこんな懸念もなかったんだが、まあ言っても仕方ない」

( ・3・)「……」

( `ゝ´)「最悪の場合は先生に動いて貰うしかない、か。ままならんねえ」

( ・3・)「あまり永田町から離れて貰いたくないんすけどね」

( `ゝ´)「その通り。日本の中枢を守れているのは先生のお力あってこそだ、何とも情けない話だがね」

( ・3・)「ですね……」

773 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:23:58 ID:SK.3M4GI0
Case12-Tips2 迷い

( ・∀・)「――と、凡田が言うにはそんな状況らしい」

( ´ー`)「全く、次から次へと」

(=゚ω゚)ノ「うーん、今回は流石に何もできませんかね」

( ・∀・)「ああ。歯がゆいけどね」

( ´ー`)「で、マスターはどうする気なんです?」

( ・∀・)「ちょっと迷ってるような感じだったが、どうかな」

(=゚ω゚)ノ「迷う?」

( ・∀・)「電話越しだから自信ないけど、色々と思う所があるみたいだ」

( ´ー`)「……マスターの助けがないなら、今度こそ死ぬぞあいつら」

(=゚ω゚)ノ「ですよねぇ……」

( ・∀・)「うーん、岩手に行くようなことは言ってたから迷ってるポイントは別なのかも。ちょっとわからないな」

774 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:24:42 ID:SK.3M4GI0
Case12-Tips3 竹葉不明門

从'ー'从「マスター。結局、竹葉不明門って何者なんですかね?」

(´・ω・`)「あいつか……さてな。僕も一度会ったことがあるだけだし」

从'ー'从「それは聞きましたけど。どういう出会いだったんですか?」

(´-ω-`)「……あれは本当に最初の頃だな。僕とフサさんが伊藤さんや荒巻さんに片手で転がされてた頃だ」

从'ー'从(その光景めっちゃ見てみたい)

(´・ω・`)「当時、女子中学生のメンバーがいたんだ。名前は節子。
      なかなか不憫な境遇の子で、伊藤さんが実の妹のように可愛がっていた」

从;'ー'从(私たち基準で不憫な境遇って結構ヤバくない……? そりゃ長岡くんみたいな例外もいるけど)

(´・ω・`)「ある時、その子が殺された」

从'ー'从「あー」

(´・ω・`)「犯人は教授の下っ端のイカレロリコン野郎。聞くところによると処刑人ヘリカルに惨たらしく殺されたらしい」

从'ー'从「展開早いですね」

(´・ω・`)「伊藤さんはそれじゃおさまらなくて、教授のところにカチコミに行ったんだ」

从;'ー'从「実質自殺じゃないですか!」

(´・ω・`)「僕らも伊藤さんを止めようと追いかけたんだが、時既に遅しで」

从;'ー'从「えぇー……よく全滅しませんでしたね」

775 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:25:20 ID:SK.3M4GI0

(´・ω・`)「正直、荒巻さんは全滅も覚悟してたと思う。
      若かった僕やフサさんはそこまでの考えは正直なかった」

从'ー'从(いや、フサさんはあったと思いますよ? フサさんだし)

(´・ω・`)「僕らが一条邸に乗り込むと、最初に目に入ったのは門の中の庭でぼろ雑巾みたいになった伊藤さんだ。
      一瞬どころか数十秒、脳が理解できなかったな。伊藤さんがそんなに簡単にやられるなんて思ってなかったから」

从'ー'从「私から見たらマスターがぼろ雑巾になってるみたいな感じですもんね、逆によく数十秒で済みましたね」

(´・ω・`)「ああ。で、我に返った時には既に取り囲まれてて。ああこれは終わったな、と思ったもんだ」

从'ー'从「……それで、そこからどうやって助かったんですか? まさか竹葉が颯爽と助けに……?」

(´・ω・`)「いや、ちょっと違うな。奴は邸宅の中から現れた……それも、教授と並んで」

从;'ー'从「えっ? ちょ、ちょっと待ってください。じゃあ、竹葉は教授の……!?」

(´・ω・`)「言いたいことはわかるが、そうじゃない。どうも、客として訪れていたらしい」

从'ー'从「ほぇ?」

(´・ω・`)「で、教授は騒がせた詫びと言って竹葉に僕らの処遇を委ねたんだ」

从;'ー'从「か、完全に舐められている……」

(´・ω・`)「僕が"こいつ絶対ぶん殴る"と決意した瞬間だ。で、竹葉は僕の目を見てこう言った。"一つ、勝負をしようじゃないの"と」

从;'ー'从「……」

776 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:25:53 ID:SK.3M4GI0

(´・ω・`)「何故荒巻さんではなく僕だったのか、それは今でもわからない。
      だが、僕には頷くことしかできなかった」

从'ー'从「それで、どんな勝負を?」

(´・ω・`)「……話したくない」

从'ー'从「えっ?」

(´-ω-`)「すまん、これだけは、殺されても話せない。フサさんや荒巻さんに聞いても無駄だぞ?」

从;'ー'从(マスターが話したくない……伊藤さん関連、かな? それ以外ないよね……マスター伊藤さん狂いだから)

(´・ω・`)「まあ、それで。勝負に勝って、放免されたわけだ。満足そうにワインを飲んでる教授をぶん殴れなかったのだけが心残りだ」

从'ー'从「はぁー……余計にわけがわからなくなりましたよ、竹葉不明門」

(´・ω・`)「その時わかったのは、霊能力探偵を自称していること。教授が客人として招くだけの実力を持っていること。
      ……そして、紛れもなく人間であること」

从'ー'从「……人間なんです?」

(´・ω・`)「荒巻さんを欺くだけの高度な擬態でなければ、ね」

从'ー'从「ほぇー……結局何者なんですかね?」

(´・ω・`)「わからん。少なくとも、霊能力探偵なんていうおちゃらけた存在ではないだろう」

777 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:26:39 ID:SK.3M4GI0
今回はここまで

778 ◆KDJGUfbY2o:2023/09/18(月) 22:39:17 ID:SK.3M4GI0
サボってたキャラ一覧更新分

Case11初出
 ( ・丼・)
 天丼の業火(荒須 徹) 火の玉ストレート管理人、2tuber

 八‘⊿‘)
  吉野 ハル 捜朔村役場職員

 利 'ー`)
  石田 純一 捜朔村村長

 石 ^山^)
  山口 巌 漁師

 リ’-’ル
  吉野 リル 小学生

 八^⊿^)
  吉野 隼人 中学生

 八-ム-)
  吉野 ツル 山林管理者

 リ゚▽゚ リ<l
  木葉 茜 動画配信者

 ||| ‘L‘)
  長木 時雄 捜朔村役場役員

 ( ゚永゚)
  矢島 永治 捜朔村役場役員

Case12初出
 (’T’)
  円谷 達也 千手神社神主

779名無しさん:2023/09/18(月) 23:08:24 ID:S2XhyGWs0
ラジオもやって凄いな、まじ乙
千手盛り美味しそうやな…

780名無しさん:2023/09/19(火) 08:24:56 ID:0bzmYWjg0
乙です

781名無しさん:2023/09/19(火) 15:11:27 ID:fVpgWf/k0

髪の毛で盛り上がってるのがなんか笑った

782名無しさん:2023/09/20(水) 07:51:33 ID:wNfkez2M0

まぁ親族の頭見てると不安になるよな...

783 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:14:01 ID:pZsT8WA60
>>780
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで!」

>>781
<(' _'<人ノ(また髪の話してる……)

>>782
( ´_ゝ`)「おう……」

784 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:15:29 ID:pZsT8WA60
前回のあらすじ
・これは……驚きましたね。あなたは神具に認められたようだ
・ばっちり。駄菓子屋の婆さんが明日読んでくれるってさ
・ふふ。上の人が良い背中見せてくれると気合入るよね


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

785 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:16:03 ID:pZsT8WA60
Case12-Day3
         ______________
        ((__((__((__((__((__((___(__((__((__((__((__((_)
        // / / / / / / / / / / / / / / / /
      // / / / / / / / / / / / / / / / / /
     /_/ //_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_
   ∠=====@==@==@==@==@==@==@==@==@==
     |     ┌─────┐        |
     |     │| ̄ ̄|| ̄ ̄|│        |
     |     │|   .o||o.   |│        |
     |     │|__||__|│        |
     |     └─────┘        |
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     |_../⌒7⌒7⌒7⌒7⌒7⌒7 ..____|/
     |ヽ /二二二二二二二二二l/.゙,ハ__ノ乂_ゝ|
     エ | |  | |    .0||0    .| | |___匚ノ\/匚|
     |ヽ | |  | |_   _||_   _| | |ヽ,ハ__ノ乂_ゝ|
     エ | |  |..└─┘ └─┘ | |___匚ノ\/匚|
     |ヽ | | _|________..| |ヽ,ハ__ノ乂_ゝ|
     エ | | _|_______..| |___匚ノ\/匚|
     エ | |_|________..| |___匚ノ\/匚|/

786 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:16:37 ID:pZsT8WA60

88 @-@)「やあ、おはよう」

(’T’)「あ、おはようございます。……え、古文書解読できる人って小川さんですか?」

( ´_ゝ`)「小川さんが町のご意見番で古文書解読できるって、町長達の間じゃ常識みたいな感じだったけど。
      おたくらの情報収集どうなってんの??」

(;’T’)「いやぁー……これは耳が痛い」

(´<_` )「今それを責めてもしょうがないだろ」

( ´_ゝ`)「かつての神奈川県警のような惨状では責めたくもなる」

(;’T’)「甘んじて受けます」

88 @-@)「何の話だい?」

( ´_ゝ`)「ん、町の人のこともうちょっと知っとこうよって話」

(´<_` )(うん、だいたいあってる)

88 @-@)「確かに、もうちょっと皆と交流した方がいいよ。孤独は体に悪いからね」

(’T’)「は、はい。そうします……どうも引っ込み思案でいけませんね」

787 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:17:10 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「陸船亭行けば誰かしら絡んでくると思うよ。酒飲めなくても料理うまいし」

(’T’)「なるほど……」

88 @-@)「則康ちゃんはいつも入り浸ってるしね」

(´<_` )(則康……町長の下の名前か)

( ´_ゝ`)「小川さんは行かないの?」

88 @-@)「やあね、しょっちゅう行ってちゃ火の車だよ。たまには食べにいくけどね」

( ´_ゝ`)「あー、なるほど」

(´<_` )(町長はともかく、盛岡さんも意外と羽振りよさそうだもんな。
      次期町長候補なことも考えると有力者の息子とかなのか?)

88 @-@)「さて、それはそれとして。解読したいのはどれだい?」

(’T’)「ご案内します」



 ―――。

788 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:17:43 ID:pZsT8WA60

(’T’)「こちらの棚です」

88 @-@)「おやまあ……随分あるね。全部読んでちゃ時間が足らないよ」

( ´_ゝ`)「だよね。とりあえずタイトル翻訳して貰っていい? そっから的を絞る」

(´<_` )「それしかないだろうな」

88 @-@)「それなら小一時間くらい待っとくれ」

( ´_ゝ`)「了解。んじゃ俺らも昨日の続きといくか」

(´<_` )「いや、ちょっと待て」

( ´_ゝ`)「ん?」

(´<_` )「小川さん、よかったらこれをどうぞ」

( ´_ゝ`)「あ、忘れてた」

88 @-@)「ん、これはお茶かい?」

(´<_` )「頭をすっきりさせるお茶です。疲れたら飲んでください、あんまりうまくはないですが」

88 @-@)「へぇ、そりゃいいね。ありがたく頂いておくよ」

789 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:18:17 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)(効果は気休めレベルに下がったけど、割と飲めるくらいになった例の陰陽茶)

(´<_` )(青汁と同等くらいのまずさだから、ギリ人にも飲ませられる)

( ´_ゝ`)(思うようにいかなくてマスターも苦い顔してたな)

(´<_` )(だが、気休めレベルとはいえ貴重なメンタル回復アイテム)

( ´_ゝ`)(あるとないとじゃ大違い)

(´<_` )(下手に割ったりすると効果なくなるってんだから難しい)

( ´_ゝ`)(近頃の飲みやすい青汁みたいにはいかないってわけだ)

(´<_` )(解読でメンタルやられても申し訳ないし、これくらいはな……)

( ´_ゝ`)(気休めレベルじゃない方はまずすぎて気軽に勧められん)

(´<_` )(あっちはマジでヤバそうな時用だな……)

( ´_ゝ`)(まあ小川さんめっちゃメンタル強そうではあるけどね)

790 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:18:50 ID:pZsT8WA60

(’T’)「あの、一緒に見させて頂いていいですか? 少し勉強しておきたくて」

88 @-@)「もちろん構わないよ。むしろ勉強して貰わなきゃ困るね、千手様の神主さんなんだから」

(’T’)「す、すみません」

88 @-@)「まあ最初から全部はできないよね。一つづつ身に着けていきなさいな」

(’T’)「はい!」

( ´_ゝ`)(小川さんの人徳を感じる。一目置かれるだけあるな)

(´<_` )(ツルさんといい、しっかり歳を重ねたご老人はやっぱり凄いな)

( ´_ゝ`)「あれ? 俺らだけで社務所入っちゃって大丈夫?」

(’T’)「あー……鍵だけちゃんと掛けて頂ければ」

( ´_ゝ`)「了解」

(´<_` )「いいんですか? 見られたくないものとか」

(’T’)「秘伝の書のデータくらいですが、昨日お渡ししたゲストアカウントでは見られないので」

(´<_` )「なるほど」

( ´_ゝ`)「そういうことなら行くか」



 ―――。

791 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:19:23 ID:pZsT8WA60
【千手神社 社務所】
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二二|三三三三三三三三三三三三.:/ ̄ ̄ ̄/|  | ̄ ̄ ̄| |¨¨¨ |    |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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二二二二丁¨ |  |  |TTT:i冖i=============i´| | ̄ ̄ ̄ ̄~/ |    |: : : :|  |          |
  | |: : : : | |: : :|_|_| | | | |  |  |      |二|| :| |:::::::::::::::::::::/ /|    |: : : :|  |          |
_|二二「」 /|__/|/\ |  |_|,____     | ̄|| :| l=======/ /=|    |: : : :|  |          |
|三/ ̄/|___|/|\:.:.:.\┘  /|    |二|| :| |___/__/\|    |: : : :|  |          |
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 ̄ ̄ ̄/:|二二二]/::\|//  :|: : |    |{   {三}二つ/ _|.:.:| |   _|: : : :|  |          |__
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二二|/  二≫=-   /  |/  |: / ̄ ̄ ̄\| |.....┏━|.:.:.:.:| | / : |: : : :|  |
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                |/ .:/|/  |`¨i¨i¨¨i¨¨¨~´   ̄ ̄|.:.:.:.:.:.:.:| /|   |: : : :|__________
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792 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:19:57 ID:pZsT8WA60

        ( ´_ゝ`)
        /⌒   ヽ (´<_` )
        | |     /   \
        | ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ   ヽ
  ____|. |. ヽ  FMV   ヽとニ__)
      ⊂ u) ヽ_____ヽ/



( ´_ゝ`)「なあ」

(´<_` )「何だ?」

( ´_ゝ`)「今更だが。連中の本拠地を突き止めるまではいい。その後どうするんだ?」

(´<_` )「本当に今更だな。……実は良いプランがない」

( ´_ゝ`)「……そう来たか」

(´<_` )「どう考えても、連中は浮鮫が湧いたという推定拠点を起点に千手様支配に動く。
      そこまでは良いが、どうするのが良いのかは正直わからん」

( ´_ゝ`)「岩手の特課は御覧の体たらくだしな。中央まで危機を伝えられればワンチャンあるのか?」

(´<_` )「それは一つある、今回はある程度時間の猶予がありそうだからな」

793 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:21:37 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「あとは、雨霧さんやマスターに特攻してもらう?」

(´<_` )「いくら雨霧さんでも流石に死にそうだ。マスターもそこまでする義理があるとは思えん」

( ´_ゝ`)「俺らでスニーキングミッションは……流石に死ゾ」

(´<_` )「ありえん。俺らもそこまでする義理はない」

( ´_ゝ`)「……これ、詰んでね?」

(´<_` )「そこで相談だ兄者。特課が駄目そうなら手を引く」

( ´_ゝ`)「……」

(´<_` )「俺らは探偵だ。敵のアジトを突き止めたなら、それは探偵として十分な働きだろう」

( ´_ゝ`)「まあ、そうだな。こっちの特課はその道は素人以下のようだし」

(´<_` )「"最低限の正面戦力は揃えた"という特課の成り立ちが真であるなら、
      切った張ったを任せることは理論上可能なはず」

( ´_ゝ`)「"技術的には可能です"ってやつだなたぶん」

794 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:22:10 ID:pZsT8WA60

(´<_` )「そうなればこっちとしちゃ諦めるしかない。マジで最悪の事態なら自衛隊も出てくるだろうし」

( ´_ゝ`)「そんなことになりゃ日本中どころか世界中大パニックになりそうだ……」

(´<_` )「それも必要なことなのかもしれん。最近はそう思わなくもない」

( ´_ゝ`)「まあ、なあ……」

(´<_` )「もう一つ思うのは、何も敵のアジトに乗り込む必要はないのでは、ということだ」

( ´_ゝ`)「ふむ。あくまで千手様降臨を防げりゃいいわけだからな」

(´<_` )「そこで重要になってくるのは降臨の方法だな。その制約がわかれば可能性が出てくる」

( ´_ゝ`)「九頭竜もあんだけ手順踏んでたしな、似たような話はあるかもしれん」

(´<_` )「増田家の巫女が必要なのは確定。あとは何か神具か、この場所なのか、はたまた生贄か」

( ´_ゝ`)「場所については、あるとしてもここではないだろうな。海から微妙に遠いし」

(´<_` )「神具が必要なのであれば前町長が持ち逃げしてる可能性が高い」

( ´_ゝ`)「何かなくなってるような痕跡がなかったか後で聞いてみるか」

795 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:22:44 ID:pZsT8WA60

(´<_` )「生贄は……正直なさそうな気がするな」

( ´_ゝ`)「ああ、少なくとも九頭竜みたいなのは。あそこまでいくと善神ヅラすんの流石に無理」

(´<_` )「あとは儀式か。これについては九頭竜よろしく面倒なものであって欲しいが」

( ´_ゝ`)「だな、手順が多いほど防ぎやすくなる。朔夜参りみたいな即時発動だときつい」

(´<_` )「前者であってほしいもんだ」

( ´_ゝ`)「まあ後者は後者で新月の夜って制約はあったけどな」

(´<_` )「あの人数も重要だったんだろうな。そう考えるとそうお手軽ってこともなさそうか」

( ´_ゝ`)「うむ。あのレベルになるとそうホイホイとはできないんじゃなイカ?」

(´<_` )「急に変な語尾やめろ」

( ´_ゝ`)「わかったでゲソ!」

(´<_` )「やかましい」



 ―――。

796 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:23:17 ID:pZsT8WA60
【千手神社 蔵】
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797 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:23:50 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「小川さん、調子どう?」

88 @-@)「題名は大体翻訳できたよ」

(´<_` )「助かります」

(’T’)「いやー勉強になります」

( ´_ゝ`)「円谷さん的に気になるのとかあった?」

(’T’)「ん、そうですね……浮鮫関連ではこれですかね」

(´<_` )「ええと、"浮鮫の記録"ですか」

( ´_ゝ`)「そのものズバリだな」

(’T’)「小川さんにはこちらを解読頂いて、私は他を当たろうと思います」

(´<_` )「え、もう読めるんですか?」

(’T’)「多少は。仮名なので文字の種類自体は少ないですから。ただ、字体の癖が強い上に表音文字なので言葉の推測に時間がかかりますが」

( ´_ゝ`)「なるほど」

(´<_` )(それだとシステム翻訳は厳しいか……)

798 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:24:24 ID:pZsT8WA60

88 @-@)「それじゃあこれを翻訳してこうかね」

(’T’)「ここで長時間はなんですので、社務所の方でやりましょうか」

( ´_ゝ`)「その方がいいな、薄暗いし」

(´<_` )「空調も効いてないですからね」

( ´_ゝ`)「あ、そうだ。一つ聞きたいんだけど」

(’T’)「はい、なんでしょう?」

( ´_ゝ`)「前町長が持ち去ったっぽい神具とかってある?」

(’T’)「む、そうですね……いくつかあります」

(´<_` )「どんなものでしょうか?」

(’T’)「この場ではちょっと。後ほどご説明しますよ」

( ´_ゝ`)「わかった」



 ―――。

799 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:24:57 ID:pZsT8WA60
【千手神社 社務所】
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二二|/  二≫=-   /  |/  |: / ̄ ̄ ̄\| |.....┏━|.:.:.:.:| | / : |: : : :|  |
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800 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:25:30 ID:pZsT8WA60

        ( ´_ゝ`)
        /⌒   ヽ (´<_` )
        | |     /   \
        | ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ   ヽ
  ____|. |. ヽ  FMV   ヽとニ__)
      ⊂ u) ヽ_____ヽ/



( ´_ゝ`)「うーむ、なるほどな」

(´<_` )「一旦、ここまででわかったことを整理するか」

( ´_ゝ`)「ああ、そうしよう」

(´<_` )「まず、浮鮫や魚人……恐らくはわたつみの兵だろう。侵攻は度々あったようだな」

( ´_ゝ`)「田村麻呂云々もこりゃたぶんガチのやつだ、その頃から記録残ってるとか歴史学者垂涎だな」

(´<_` )「たまにその辺の話も出てくるもんな、凄いもんだ」

( ´_ゝ`)「侵攻は決まって時化の夜。神社の神職を中心に応戦するが、千手様が降臨したこともある」

(´<_` )「降臨の儀式について詳細はないが、どうも巫女は犠牲になっているようなニュアンスだな……」

( ´_ゝ`)「その辺りは円谷さんの言う所の秘伝の書に詳細ありそうだが、今は置いておこう」

(´<_` )「うむ」

801 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:26:04 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「円谷さんの言ってた沖合の岩礁の話もあったな。遭難した漁師が偶然、時化の夜に見たという」

(´<_` )「……見えるもんか? 人工の明かりもない時化の夜に」

( ´_ゝ`)「作り話の可能性はもちろんあるが、例えば満月なら見えた可能性もあるだろう」

(´<_` )「満月、か。月が妖魔を活性化させるという話は枚挙に暇がない、関係があるかもしれん」

( ´_ゝ`)「俺もそう思う。ただ、そんな状況でよく無事だったなとも」

(´<_` )「確かに……そうなるとやっぱ作り話の可能性が高いか?」

( ´_ゝ`)「これについてはもうちょっと掘ってみないと何ともだな。その一度だけってことは流石にないだろう」

(´<_` )「うーん……時化の夜に海に出るなんてなさそうだからレアな気はする」

( ´_ゝ`)「これだけ襲撃されてりゃ討伐に出る、ってこともたぶんあったと思う。いや、ないとは思えん」

(´<_` )「そうか、言われてみればそうだな。ならまだ見れてない部分に期待か」

( ´_ゝ`)「うむ」

802 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:26:37 ID:pZsT8WA60

(´<_` )「俺が気になったのは擬態を見抜いたエピソードだな。そのスキルは是非欲しい」

( ´_ゝ`)「そこも秘伝の書にありそうだな、そういった術なら言えば教えて貰えそう」

(´<_` )「しかし、そんな術がありながら前町長に乗っ取られてしまったのはどういうことだ?」

( ´_ゝ`)「……失伝、ってわけでもなかろうしな。すり抜ける方法でも見つけられたか……?」

(´<_` )「そもそも成り替わりってのが解せない。先代巫女どんだけ節穴だったんだ」

( ´_ゝ`)「ああうん、気づかずそのまま子作りしちゃってるわけだしね……」

(´<_` )「いやまあ、そうとも限らんか。正直時系列とかよくわかってないし」

( ´_ゝ`)「ふむ……その辺雨霧さんは増田さんから聞いてそうかな」

(´<_` )「だろうな。まあ今度雨霧さんに聞いてみるか」

( ´_ゝ`)「……無事だったらね。未だに連絡ないし」

(´<_` )「それも大問題なんだがな……」

803 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:27:11 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「魔術系でいえば、陰陽師が神職やったりもしてるみたいじゃん。陰陽道系の術もあるかも」

(´<_` )「……習っとけと?」

( ´_ゝ`)「何の下敷きもないものよりは覚えやすかろう」

(´<_` )「まあ、そうだな。どうも適正あるっぽいのはわかってるし」

( ´_ゝ`)「弟者が陰陽師のジョブレベルを上げといてくれると俺としても安心」

(´<_` )「戦闘時に足手纏いにならないとこまで行きたいって想いは正直ある」

( ´_ゝ`)「弟者が自衛完璧なら選択肢広がるし、こないだみたいに分断された時にも多少は不安が減る」

(´<_` )「あの時はマジで心細かったからな……」

( ´_ゝ`)「俺も」

(´<_` )「いや兄者はそんなことないだろ」

( ´_ゝ`)「弟者に島の位置調べて貰おうとしていなかった時の絶望感よ。ハロルドさん達の憐れむような視線」

(´<_` )「あー……」

804 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:27:45 ID:pZsT8WA60

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805 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:28:19 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「……ふう、結局わからんか」

(´<_` )「確かに討伐に出ることはしているが、詳しい条件の記載はなし」

( ´_ゝ`)「微妙に使えねーな。やっぱ核心は千手仮名で書いてんのか?」

(´<_` )「そういうことなんだろうな。……どちらかというとポイントは、"見つからなかった"記録もあるということか」

( ´_ゝ`)「ああ。地殻変動で消えた、とかではないのがわかるからな」

(´<_` )「思い当たることとしては、やはり満月」

( ´_ゝ`)「うむ。時化、かつ満月。これが条件である可能性が高い」

(´<_` )「問題はもう一つあるな、正確な位置が全くわからん」

( ´_ゝ`)「そうだな、その辺も千手仮名の方に書いてるといいんだが……」

(´<_` )「……そういえば、明日は満月だったような」

( ´_ゝ`)「え、マジ? ……もし時化てたら仮説の検証ができそうだな」

(´<_` )「確かに検証は必要だが、不安すぎるな……」

806 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:28:53 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「あと一つ思ったんだが、岩礁ってちょっと違和感ないか?」

(´<_` )「……そう言われると。連中は海の化け物だからな、何故岩礁を拠点にするのか」

( ´_ゝ`)「更に言うと、島でもない岩礁じゃ全然面積なさそうだし、何の意味があるのかって」

(´<_` )「ふむ。漁師の目に入ったのが島の一部である岩礁、ってこともありそうだが」

( ´_ゝ`)「仮にそうだった場合、また話が変わってくる」

(´<_` )「む?」

( ´_ゝ`)「島を出したり消したり、そんなこと可能だと思うか?」

(´<_` )「……なるほど? 襲撃が時化の日だけだとすると、見た目をごまかしているだけではない。
      その時しか攻められないということは、出したり消したりしていることになる、と」

( ´_ゝ`)「岩礁程度であれば、目的は不明だが不可能ではなさそうな気がする。
      だが、島レベルでやるのは流石に不可能だろう」

(´<_` )「また、何某かの神仏の権能かもしれんぞ」

( ´_ゝ`)「無論その可能性も否定はできん。が、だとするなら余計に思い起こされるものがないか?」

(´<_` )「……異界、か?」

807 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:29:27 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「そうだ。そう考えた方が自然な気がしないか?」

(´<_` )「むぅ……確かに、膨大な質量が出たり消えたりすると考えるよりもよっぽどありえそうではある。
      普通に考えたら津波が起きるぞ、それを更に何某かの権能で抑えるというのはいかにもスマートではない」

( ´_ゝ`)「或いは、到達するまでに空間を隔てている、という可能性も考えられる」

(´<_` )「……空間転移? それなら矛盾はないが、そうなると」

( ´_ゝ`)「そもそも空間転移って魔術で可能なんだっけ? その難易度は? ってとこからだな」

(´<_` )「ハロルドさんあたりに聞いてみるか」

( ´_ゝ`)「おう。個人的な予想は魔術としてはヤベー級、権能としては普通にありえる、ってライン」

(´<_` )「大体そんな感じだろうな。別府が使ってる疑惑あるし」

( ´_ゝ`)「そうでもなきゃ時速百キロ以上で空でも飛んできたって話になるからな……いや、そっちの方が現実味あるか?」

(´<_` )「ヘリでもあれば可能な分そっちの方が現実味はある」

( ´_ゝ`)「まあそうか」

808 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:30:00 ID:pZsT8WA60

(’T’)「やあ、そちらの調子はどうですか?」

( ´_ゝ`)「まあまあってとこ」

(´<_` )「あれ、小川さんはご一緒では?」

(’T’)「お疲れのようだったので休んで頂いてます」

( ´_ゝ`)「なるほど」

(´<_` )「何かわかりました?」

(’T’)「私の方は、千手様降臨の儀式について少し」

( ´_ゝ`)「ありゃ? それはてっきり秘伝の書とやらに載ってるもんかと」

(’T’)「載ってはいましたよ。ただ、その内容は異なっていました」

(´<_` )「……まさか、フェイクですか?」

(’T’)「ですね。どうも違和感があると思っていたんですが、納得でした」

( ´_ゝ`)「むぅ……もしかして、同じタイトルの本に別の内容が書いてあったとか?」

809 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:30:33 ID:pZsT8WA60

(’T’)「えっ? 何でわかったんですか?」

( ´_ゝ`)「じゃなきゃフェイクになんないだろ。わざわざ翻訳本両方検めるなんて学者かマニアだけだ、迷彩としちゃ十分」

(´<_` )「それはつまり……連中はフェイクを信じている可能性がある?」

( ´_ゝ`)「そういうことだな。これはいいぞ、内容次第では上手く運ぶかもしれん」

(´<_` )「……ちなみに、どんな内容だったんです?」

(’T’)「いえ、これはお二人といえど明かすわけには。フェイクの方なら構いませんが」

( ´_ゝ`)「ならそれで頼む」

(’T’)「まず、巫女は海水で身を清めます。そして、本殿にて神迎えの舞いを行います」

(´<_` )「ふむ」

(’T’)「その後、御身石に向かって一拍二礼を500回繰り返します」

( ´_ゝ`)「御身石?」

(’T’)「本殿の奥に祀られているご神体です」

(´<_` )「……待ってください。祀られて、いる? いた、ではなく?」

810 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:31:07 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「……御身石とやらがガチなものだとすると、持ち出せなかったってとこか」

(’T’)「その通りです。御身石は代々に渡る複雑怪奇な結界に守られており、解除は困難を極める。
     今や増田の者ですら解除の方法は見当もつかないほどに」

(´<_` )「それはまた……」

( ´_ゝ`)「連中なら無理矢理突破する手だてくらいは持っていそうだが、御身石ごと破壊するリスクを嫌ったか」

(’T’)「そんなところでしょう。奴らは寿命が長い分、時として我々人間からは悠長に映ることもある」

(´<_` )「……それで、一拍二礼を繰り返した後は?」

(’T’)「1000匹の魚や海老を供えます」

( ´_ゝ`)「ふむ」

(’T’)「そして、全ての魔力を神具に込め、千手様を招来します」

(´<_` )「……なるほど」

( ´_ゝ`)「素人目にはそれっぽい儀式だなあという感想」

(´<_` )「どこにフェイクが差し挟まってるのかは正直よくわからなかったな……」

811 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:31:41 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「敵がそれを信じていると仮定すると、連中の行動は」

(´<_` )「満月かつ時化の夜、増田さん――いや、武田さんか。を伴って本殿を襲撃」

( ´_ゝ`)「あるいは、先に本殿を襲撃して確保する可能性もある」

(´<_` )「そっちの方が合理的だな、奇襲性もあり巫女の安全も確保できる、更には万が一の場合に出直すことも可能」

(’T’)「満月かつ時化。やはりそう思われますか?」

( ´_ゝ`)「あくまで推測だけどな」

(’T’)「私もその可能性を考えていましたが、小川さんが読み解いた部分に記載がありました」

(´<_` )「なるほど」

( ´_ゝ`)「それはでかいな。明日時化てれば検証したいところだ」

(’T’)「いや、時化の夜に海に出るのは何というか、聊か……」

( ´_ゝ`)「それは完全にその通りなんだよなぁ……」

(´<_` )「風属性得意そうな雨霧さんがいれば安心できるんだがな」

812 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:32:14 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「ま、無い物強請りしてもしゃあない。風天の札があればお守り程度にはなるだろ」

(´<_` )「余程の大しけじゃなきゃ何とかなりそうではある」

(’T’)「え、まさか本当に偵察する気ですか?」

( ´_ゝ`)「いや、この状況で偵察しないとかありえなくね?」

(´<_` )「同感です。そもそも今この瞬間襲撃されてもおかしくない状況なんですが、駐留部隊はいないんですか?」

(;’T’)「一応、うみねこの家の跡地に詰めてはいますが……」

( ´_ゝ`)「あ、よかった。一応それくらいはしてるのね」

(´<_` )「よくねえよ。悪いことは言いません、本殿に配置し直すべきかと。
      奴らが本気で襲撃して来たとして、駐留部隊が駆け付けるまで足止めできる自信がありますか?」

(;’T’)「……仰る通りですね」

( ´_ゝ`)「こっちの特課ってその辺考える人いないの?」

(;’T’)「残念ながら、あまり……」

(´<_` )「なんという……」

813 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:32:48 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「そら守りの要の千手神社を乗っ取られもするわ」

(;’T’)「返す言葉もありません……」

(´<_` )「……まあ、オカルト面ってだけでレアな関係上。更にそういった能力があるのはSSRなのはわかる」

( ´_ゝ`)「人口少ないと更に倍率ドンってわけだな。事ここに至ってはオカルト面外から引き込むくらいのことは必要だ」

(´<_` )「それこそ町長とか盛岡さんとか片足突っ込んでんだから知恵を借りるべき」

( ´_ゝ`)「片足とか羨ましいな。最早両足長靴でも駄目でウェーダーが必要」

(´<_` )「ウエットスーツの間違いじゃないか?」

( ´_ゝ`)「そうか?」

(´<_` )「そうだ」

(;’T’)「えー……とりあえず上には上げてみます」

( ´_ゝ`)「是非そうして」

(´<_` )「出世競争に敗れた官僚とか連れてくるだけでも大分違うと思いますよ……」

814 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:33:23 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「他に有用そうな情報は?」

(’T’)「まだ詳細を聞いたわけではないので」

(´<_` )「では、小川さんの休憩終わったら詳細伺いましょうか」

( ´_ゝ`)「だな」

(´<_` )「……ってかもうこんな時間か」

( ´_ゝ`)「なんか腹減ってきたな」

(’T’)「今日はここまでにしときますか?」

(´<_` )「そうですね」

( ´_ゝ`)「小川さん呼んで飯でも行くか」



「ごめんくださーい」



(’T’)「ん?」

815 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:33:57 ID:pZsT8WA60

(´・_ゝ・`)「やあどうも」

(’T’)「あれ、盛岡さん?」

( ´_ゝ`)「む、もしかして」

(´・_ゝ・`)「差し入れ持ってきました」

(’T’)「え、本当ですか? わざわざすみません」

( ´_ゝ`)「まだ作業中かってメッセージ来たから何かと思ったけどそういう」

(´<_` )「ありがとうございます」

(´・_ゝ・`)「給湯室借りていいですか? 温めた方がおいしいと思うので」

(’T’)「あ、いえ、私やりますよ」

(´・_ゝ・`)「まあまあ、お疲れでしょうし」

(’T’)「いえいえ、そういうわけには」

( ´_ゝ`)「盛岡さん料理できないって豪語してたけど大丈夫?」

(´・_ゝ・`)「温めるだけだし」

(´<_` )「温め方にも色々ありますけど」

(´・_ゝ・`)「えっ?」

816 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:34:31 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「今の"えっ?"で到底任せられないということがわかった」

(´<_` )「円谷さん、すみませんがお願いします」

(’T’)「あっ、はい」

(´・_ゝ・`)「えぇ……」

( ´_ゝ`)「たぶん布川さんの料理っしょ? 台無しになったら最悪だし」

(´<_` )「ていうか盛岡さん、普段どういう食生活してるんです?」

(´・_ゝ・`)「基本はレトルトか貰いものだね」

( ´_ゝ`)「あー、結構色々貰えちゃう感じ?」

(´<_` )「そうか、田舎だとそれがあったな」

(´・_ゝ・`)「少しくらい自炊した方がいいかなーとは思うんだけどね」

(’T’)「あれ? 盛岡さんご結婚されてましたよね?」

(´・_ゝ・`)「ん? ああ、二人ともマイペースなので自分のことは自分でが基本なんですよ、財布も別々だし」

( ´_ゝ`)「えっ、盛岡さん結婚してたん?」

(´<_` )(意外だ……今まで全くそういう話も出なかったし)

817 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:35:05 ID:pZsT8WA60

(´・_ゝ・`)「世間一般の夫婦とはだいぶかけ離れてるとは思うけどね」

( ´_ゝ`)「盛岡さんらしいっちゃらしい」

(’T’)「色々な夫婦関係がありますよね……うちなんかは家内に任せきりで申し訳ないです」

( ´_ゝ`)「円谷さんの場合、下手に家事にかまけて労災とかなったら目も当てられないしな……」

(´<_` )「しっかり役割分担するのも一つの在り方だと思います」

(´・_ゝ・`)「結婚当初はむしろ周りがそうしろって煩くて困ったよ、子供作れは未だに言われるけど」

( ´_ゝ`)「田舎あるあるなやつ」

(´<_` )「あ、お子さんはいないんですね」

(´・_ゝ・`)「僕らに子育てとか絶対無理。じゃあ何で結婚したんだってよく言われるけど外野は黙ってろって感じ」

(’T’)「そうですね、家のことを他人にとやかく言われる筋合いはないです」

( ´_ゝ`)「人には人の事情ってもんがあるからな」

(´<_` )「とやかく言うとしたら明らかな虐待くらいか」

(´・_ゝ・`)「あー……それは流石にとやかく言うかも」

818 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:35:39 ID:pZsT8WA60

88 @-@)「おや?」

(´・_ゝ・`)「あ、小川さん」

(’T’)「呼びに行く前にいらっしゃっちゃいましたね。盛岡さんが差し入れを下さったんですが頂きますか?」

88 @-@)「あらまあ、それはどうもありがとうね」

(´・_ゝ・`)「いえいえ」

(’T’)「それじゃあ温めてくるので少しお待ちください」

(´<_` )「あ、俺も手伝います」

(’T’)「いえ、大丈夫です」

( ´_ゝ`)「本当? さっき家事は任せっきりって言ってなかったっけ?」

(’T’)「ええと……別に問題ないとは思いますが、そう仰るなら」



 ―――。

819 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:36:12 ID:pZsT8WA60
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820 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:36:46 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「うおーおにぎりにアラ汁! 最高だな」

(´<_` )「ズズ...はぁ〜……めっちゃ良い出汁出てる」

( ´_ゝ`)「どれ、おにぎりも……うん、うまい」

(´<_` )「コメうめぇー。具のおかか昆布もアラ汁とぶつからなくていい」

(’T’)「うわ、アラ汁おいしいですね」

88 @-@)「うんうん、やっぱり圭介ちゃんの料理はおいしいね」

( ´_ゝ`)「あー染みる」

(´<_` )「交互に食べると最高だな。止まらねえ」

(’T’)「ズズ...はぁー……」

( ´_ゝ`)「月並みだけど日本人でよかったって感じ」

(´<_` )「それな」

88 @-@)「だねぇ。ズズ...」

(’T’)「落ち着きますね……」

821 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:37:20 ID:pZsT8WA60

(´・_ゝ・`)「それで、調子はどんな感じ?」

( ´_ゝ`)「まあまあってとこだな」

(´<_` )「そうだ、小川さん。あの本はどういったことが書いてありました?」

88 @-@)「ん、まだ読み途中だけどね。浮鮫について色々と書かれているね」

( ´_ゝ`)「ふむ」

88 @-@)「浮鮫っていうのは空を飛ぶ鮫だと思ってたんだけどね。どうも違ったみたいだよ」

(´<_` )「え、そうなんですか?」

88 @-@)「二足歩行する鮫、ってことみたいだね。浜から上がってくる姿がまるで浮き上がったかのようだったとか」

( ´_ゝ`)「なるほど。前町長の姿から想像するに、夜中ならまさしくそんな感じになりそうだ」

(´・_ゝ・`)「……あれが大挙して上陸してくる様を想像すると恐ろしいね」

(´<_` )「確かに……それを何とかした千手様の力は凄いですね」

(’T’)「そうですね……」

822 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:37:53 ID:pZsT8WA60

( ´_ゝ`)「その、浮鮫の本拠地というか、どこから来ているのかについては?」

88 @-@)「ああ、もちろんあったよ」

(´<_` )「それは、やはり沖合の岩礁ですか?」

88 @-@)「そうだね、探しても見つからない幻の岩礁。それは満月の夜、時化とともに現れる」

(’T’)「やはり……!」

88 @-@)「そしてそれこそが、浮鮫の住まう幻の海・幻の島への玄関口」

( ´_ゝ`)「……やはり、そうなるか」

(´<_` )「異界なのか転移なのかは確定できないが、空間を隔てているのは間違いなさそうだ」

(’T’)「むぅ……」

88 @-@)「……その島の古い名前、安堵ちゃんから一度聞いた覚えがある名前だったよ」

( ´_ゝ`)「何だと……!?」

(´<_` )「安堵さんというと、雨霧さんの……?」

(’T’)「その、島というのは?」

88 @-@)「かつて語られた、その島の名は――」

823 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:38:27 ID:pZsT8WA60

88 @-@)「――鮫島」














  Case12「海色の声」
  Day3「鮫島」

                          To be continued...

824 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/16(月) 22:39:00 ID:pZsT8WA60
今回はここまで

825名無しさん:2023/10/17(火) 00:04:49 ID:Ke.LxWaE0
乙!!

826名無しさん:2023/10/17(火) 10:53:04 ID:WDDEETdE0
乙乙
>(’T’)「1000匹の魚や海老を供えます」

海鮮パーティなら呼んでくれ

827名無しさん:2023/10/17(火) 21:20:34 ID:rhiqMLVM0
乙!

828名無しさん:2023/10/18(水) 01:05:05 ID:w40aqFMU0
乙!

それにしても鮫島…鮫島事件か…。

829名無しさん:2023/10/18(水) 08:26:20 ID:yuddsbYQ0


う わ あ あ あ(千手書き文字)
令和の世に鮫島事件が練り歩いてる〜!!

830名無しさん:2023/10/19(木) 19:15:55 ID:yrGQy.5M0
乙!
鮫島と言うとあの事件の...
おっと誰か来たようだ

831 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/30(月) 00:40:55 ID:PerqJMD.0
>>825,827
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>826
リ゚▽゚ リ<l「うちも呼んでほしい」

>>828
( □ー□)「いやな事件だったね」

>>829
( ´∀`)「懐かしいモナ」

>>830
マス ゚ o ゚)ミ「おし、連れてけ」

832 ◆KDJGUfbY2o:2023/10/30(月) 00:41:28 ID:PerqJMD.0
リ゚▽゚ リ<l「進捗80%くらい」

833名無しさん:2023/10/30(月) 08:06:34 ID:XKNpDl4k0
おう

834名無しさん:2023/11/11(土) 07:46:48 ID:uB5WffPQ0
まってるぞ〜

835 ◆KDJGUfbY2o:2023/11/15(水) 23:23:22 ID:DjJ/02ig0
>>833-834
リ゚▽゚ リ<l「すまん待たせた」

836 ◆KDJGUfbY2o:2023/11/15(水) 23:24:10 ID:DjJ/02ig0
前回のあらすじ
・そうだね、探しても見つからない幻の岩礁。それは満月の夜、時化とともに現れる
・そしてそれこそが、浮鮫の住まう幻の海・幻の島への玄関口
・――鮫島


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

837 ◆KDJGUfbY2o:2023/11/15(水) 23:24:43 ID:DjJ/02ig0
Case12-Day4A
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838 ◆KDJGUfbY2o:2023/11/15(水) 23:25:17 ID:DjJ/02ig0

( ´_ゝ`)「雨霧さんが重傷とはな……」

(´<_` )「たった二人で拠点半壊させたってんだから流石ではあるが、うむ」

( ´_ゝ`)「特課が残党とやり合ってるって話だから、こっちが手薄そうなのは救いだな」

(´<_` )「とはいえマスターも雨霧さんも抜きでスニーキングはな。バレた瞬間に死ぬ気しかしねぇ」

( ´_ゝ`)「だから助っ人呼んだんじゃん」

(´<_` )「……本当にやるのか? 俺らがそこまでする義理はマジでないと思うんだが」

( ´_ゝ`)「だってどんだけ大事になるかもわからんし。気づいたら日本沈没とか御免だぞ俺は」

(´<_` )「いくら千手様が強大な力を持つったって、そこまでは――」

( ´_ゝ`)「奴らの目的が千手様をそのまま大暴れさせるだけってんなら、な」

(´<_` )「む……?」

( ´_ゝ`)「神を生贄に儀式でもされてみろ、何が起こるかわかったもんじゃない」

(´<_`;)「そ、それは……確かにどうなっちまうのか恐ろしいが」

( ´_ゝ`)「無論、危険が危ない状況になれば逃げる。そのための助っ人だ」

839 ◆KDJGUfbY2o:2023/11/15(水) 23:25:50 ID:DjJ/02ig0

(´<_` )「だが、俺は――」

( ´_ゝ`)「噂をすれば、来たみたいだぞ」



<(' _'<人ノ三「累次くん!」



(´<_` )「美和ちゃん……!」

爪゚ー゚)「やあ、来たよ」

( ´_ゝ`)「おう、助かる」

<(' _'<人ノ「会いたかったです!」

(´<_`;)「あ、ああ。それは俺もだけど……」

爪゚ー゚)「ははは、すっかり出来上がってるなあ」

( ´_ゝ`)「な。お熱いねぇ」

840 ◆KDJGUfbY2o:2023/11/15(水) 23:26:23 ID:DjJ/02ig0

(´<_`;)「茶化すな。やっぱり俺は、美和ちゃんをこんなことに巻き込むのは――」

<(' _'<人ノ「駄目です、一人で危ないことをしないでください。真理男くん、教えてくれてありがとうございます」

( ´_ゝ`)「教えないと末代まで祟られそうだし」

爪゚ー゚)「何なら後追いそうだよね、美和だし」

<(' _'<人ノ「私の与り知らぬところで、なんて考えたくもありません。そんなことになるくらいなら一緒に死にます!」

爪゚ー゚)「じつに重い」

( ´_ゝ`)「何が美和ちゃんをそこまでさせるのか」

爪゚ー゚)「僕が思わず"すんっ..."ってなっちゃうくらいには正気を失ってるよね」

( ´_ゝ`)「おっ、なら一生狂ってて欲しい」

爪゚ー゚)「えぇ……」

<(' _'<人ノ「失礼な、私は正気です!」

( ´_ゝ`)ノシ「いやいやいや」

爪゚ー゚)ノシ「そんなそんな」

841 ◆KDJGUfbY2o:2023/11/15(水) 23:26:57 ID:DjJ/02ig0

(´<_` )「……ふう。言っても聞かなそうだし仕方ない。いざという時は兄者を盾にするんだ」

<(' _'<人ノ「はい!」

( ´_ゝ`)「はいじゃないが」

爪゚ー゚)「まあまあ、いいじゃないか。このパーティー、どう考えてもメイン盾は君だろ?」

( ´_ゝ`)「見せてやんよ、黄金の鉄の塊の夢ってやつを」

(´<_` )「マジで頼りにしてる」

<(' _'<人ノ「そうですね、真理男くんは強いですから!」

爪゚ー゚)「すごいなー憧れちゃうなー」

( ´_ゝ`)「それほどでもない」

(´<_` )「ええい、気の抜けるやり取りをするんじゃない」

爪゚ー゚)「緊張をほぐしていると言って欲しいものだね」

( ´_ゝ`)「謙虚にも緊張をほぐしていると言った」

(´<_` )「何なんだよそのノリ」

842 ◆KDJGUfbY2o:2023/11/15(水) 23:27:30 ID:DjJ/02ig0

( ´_ゝ`)「とまあ冗談はこれくらいにして。役者が揃ったところで自己紹介と行こうか」

(´・_ゝ・`)「全然着いていけなかったから助かるよ」

<(' _'<人ノ「あっ! す、すみません。初めまして、祈念流師範代・高崎美和と申します」

爪゚ー゚)「やあ、僕は地流椎菜。これでも警官の端くれさ」

(´・_ゝ・`)「ここの宿をやってる盛岡です、よろしく」

( ´_ゝ`)「次期町長でもある」

(´・_ゝ・`)「いやいや、町長が勝手に言ってるだけだから」

( ´_ゝ`)「ほんとお??」

(´<_` )「町の人の間では規定事項って感じですけど」

爪゚ー゚)「へぇ、大したものだね」

( ´_ゝ`)「美和ちゃんは伊佐神社の権禰宜であり、暫定跡取りでもある」

(´・_ゝ・`)「えっ、凄い。神道は男性じゃないと駄目みたいなところあるのに。千手神社は千手の巫女が強いからそんなこともないけど」

爪゚ー゚)「まあ、伊佐は男系継承ではなく家伝だからね。男児が生まれなかった場合そういうこともあると聞くよ」

( ´_ゝ`)「へぇー」

843 ◆KDJGUfbY2o:2023/11/15(水) 23:28:04 ID:DjJ/02ig0

( ´_ゝ`)「ちなみに地流さんは群馬県警オカルト係」

(´・_ゝ・`)「え、オカルト係って……特課の方?」

( ´_ゝ`)「……そういや所属はどうなってんだっけ?」

爪゚ー゚)「正式には群馬県警だよ。ただまあどっちにも顔出してるからよくわかんない状態だね」

(´<_` )「そんなことになってたんですね」

爪゚ー゚)「もうすっかり魔術師だし、色々と便利使いされてるよ」

<(' _'<人ノ「好き勝手に首を突っ込んでるの間違いでは?」

( ´_ゝ`)「それな」

爪゚ー゚)「……ほどほどにはしてるよ、うん」

<(' _'<人ノ「本当に好き勝手してるので皆さん頭を抱えてますよ、ちゃんと成果は出すから扱いに困るって」

(´<_` )「あー」

( ´_ゝ`)「地流さんらしすぎて笑う」

爪゚ー゚)「ふふふ」

844 ◆KDJGUfbY2o:2023/11/15(水) 23:28:37 ID:DjJ/02ig0

(´・_ゝ・`)「それで、この後の段取りだけど」

( ´_ゝ`)「ああ。まず、神社の方は円谷さんと特課が詰めてる」

爪゚ー゚)「……こっちの特課はあんまり頼りにならないような話を聞いた覚えがあるけど、大丈夫なのかい?」

(´<_` )「兄者の見立てでは、戦力面では問題ないだろうと」

<(' _'<人ノ「真理男くんの見立てなら問題なさそうですね」

( ´_ゝ`)「みんな思ったより腕利きな感じだった。神社には結界も色々あるしな、防衛戦力としては十分だろう」

(´・_ゝ・`)「で、僕らはこれから海に出ると」

(´<_` )「はい。盛岡さんに操縦して貰うのはちょっとあれですが、無暗に広めていい話でもないので」

(´・_ゝ・`)「まあ仕方ないね。自分が操縦するって息まいてた町長を説得するのは骨が折れたよ」

( ´_ゝ`)「町長連れてくのは流石にリスキーすぎるからな……」

爪゚ー゚)「なかなか熱い町長さんじゃないか」

(´<_` )「筋金入りの海の男ですからね」


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