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Ammo→Re!!のようです
1
:
名無しさん
:2021/09/19(日) 08:57:47 ID:IT3JHYLs0
前スレ
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1549198601/
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配給
【Low Tech Boon】→ttp://lowtechboon.web.fc2.com/ammore/ammore.html
【Boon Bunmaru】→ttp://boonbunmaru.web.fc2.com/rensai/ammore/ammore.htm
【Ammo→Re!!のようです専用まとめ】→ttp://ammore.blog.fc2.com/
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┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
941
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:26:55 ID:XZZ24kQc0
街全体が連鎖的崩壊を始めたのを、ブーンは港だった場所から眺めていた。
ビルがまるで砂のように崩れ、消え、それがまた別のビルを倒していく。
その光景は絶望的な物にも思えるが、一つの終わりを見届けるという誇らしさが胸に去来していた。
全てをやり切ったからこそ誇りを胸に朽ちる大樹を見届けるような、言葉にしがたい光景だった。
(∪´ω`)「……デレシアさん、いなかったおね」
(#゚;;-゚)『恐らく、この街から出立したのでしょうね。
仕入れた情報だと、オセアンを出た船は3隻でしたね』
(∪´ω`)「沈んでいたのは2隻だったお。
ギコさんが使ってオセアンに帰ったのを考えれば、計算は合うお。
でも、じゃあどうやって……」
(#゚;;-゚)『沈んでいた一隻から、小型艇が出たのでしょう。
船の大きさと沈んでいた場所から考えれば、それ以外の手段でノ・ドゥノに辿り着けません。
そして私達が上陸した港には、他に船はありませんでした』
ひと際巨大なビルが驚くほど静かに、沈む様にして消える。
舞い上がる砂煙は、街の輪郭を曖昧にしていく。
(∪´ω`)「確かに」
視線を街から離すことが出来なかった。
バミューダトライアングルの中心点にあった街が終わる瞬間を目撃しているのは、恐らく、ブーンだけなのだ。
縁も所縁もないが、それでも。
せめて、最期の時を看取ることだけはしたいと思ったのだ。
(#゚;;-゚)『この後はどうします?』
(∪´ω`)「お? デレシアさんを探すお」
当たり前の事を聞かれ、ブーンは驚きと共に答えた。
覚悟は既に済ませている。
目の前で街が消えたところで、気持ちが変わることはない。
彼女に会いたい。
会いたいから、往くのだ。
ブーンの返答に満足したかのような声色で、ディは言った。
(#゚;;-゚)『では、旅を続けましょう』
消えゆく街を見送り、ブーンは旅を続けることにした。
いつか必ず、デレシアに会うために。
942
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:27:35 ID:XZZ24kQc0
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ヽ ` _
,)_,.v''´⌒ヽ.  ̄ ‐- ...
)
... ..:... ´ヽ.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.. :..:⌒; __,、 ノ⌒ー'
ヽ:_:.:.:.:.:.:. :. .: .:.:.:.:..:.ノ ,r ヽ'⌒ `^j ヽ ..:.:.:.
 ̄ `ー ‐-‐一´ r'´ `ー'⌒ヽ `ー 、:.
, '⌒ー-‐、 ヽ, ....... ... .... . . .. .⌒ヽ
ヽ-―--‐-ヽ.っ r_,つ ヽ.:.:._:_:.:.:.:.___:::.:.:.:.:..:::.:.:ノ- .__,.-
 ̄  ̄ ̄  ̄ ` ̄ー-
オセアンに帰ってきたブーンは、改めて街で情報を集めることにした。
デレシアがどのタイミングでノ・ドゥノからこちらに帰ってきたのかが分かれば、それだけでも進む道が分かってくる。
幸いなことに、情報を一つだけ手に入れることが出来た。
所属不明の船がある日オセアンに漂着したが、誰も乗っていなかった、というものだった。
船は既に解体されてしまっていたため、具体的にデレシアに繋がる情報はない。
しかし、彼女がノ・ドゥノから生還してオセアンに近郊で降り、旅を始めたという推測をするだけの材料にはなった。
ではデレシアがどこに、どのようにして向かったのか。
それは、まるで見当がつかない。
だからこそ、ブーンは自分が知らない道を選んで旅をすることにした。
小さな町。
大きくなった街。
滅んだ街。
夏の日差しに目を細めながら、大きな入道雲に心を躍らせながら。
時には激しい雷雨が降り注ぐ大地を進み、砂の海を越え、鬱蒼と生い茂る森を抜け。
白夜の街を訪れ、凍り付いた大地の果てを見た。
だがデレシアに関する情報は、何も得られなかった。
――季節が変わり、冬になった。
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.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒ヽ.::.::.::.::.:ノ :'´ 乂_.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::
.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:)  ̄ ⌒ヽ :. ノ.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::
.:.:.:.:__.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:⌒ン. . . `丶 . . . : }.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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943
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:27:56 ID:XZZ24kQc0
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。 o ゜ . 。 ゚ o 。
○ ゚ 。 ゜ o o o
o ○ 。 . ゜ ゚
o ゚ 。 o 。 。
o o . ゜ ゜ ○
。 ゚ o ○ o ゚ o
゜ o ゜ 。 ○
゜ ○ o o o ゜ 。
雪が降り積もる冬の間、ブーンはポルタレーナという街で情報を集めながら滞在することにした。
ポルタレーナはカニ漁の為に多くの漁船と人が集まるため、情報収集には最適だったのだ。
特に、長い間漁に出られなかった漁師たちにとってはこの時期は心から待ち望んだ時期なのだ。
漁師たちを相手に商売をする人間達が集まれば、自ずと世界中の情報が集まってくる。
デレシアに関する情報は特になかったが、ふと、“食い倒れの街”ホールバイトの噂が耳に届いた。
いつかヒートとデレシアと共に行くことを約束した街。
今となっては果たされぬ約束の街だ。
長すぎる冬が終わったことを祝し、春に盛大な祭りを行うために街の復興が始まったという情報を得て、ブーンは次の目的地をそこに設定した。
恐らく、その祭りの噂がこうして広まっているのであれば、世界中の人間が集まってくるはずだ。
デレシアに関する情報を手に入れるいい機会だと考え、ブーンはポルタレーナでその年を明かすことにした。
ホールバイトを訪れるのは、祭りの前日である四月三日に決めた。
それまではゆっくりと他の街を経由し、情報を集めて旅を続ければいい。
――雪解けと共に、ブーンは旅を再開した。
o ゜ . ○ ゜ ゜ o
_\ _ ゜ 。 。 ゜ o _ ○ ̄ ̄
○ \ o ゜ 。 / /
 ̄ ̄|__ \\ 、 。 ゜ ゚ ○//。__| ̄ ̄ ̄ ̄
∃ | | | l l ゜ ゜ 。 l l | | |○田 田
|田 | 。| | l ゜ ゜ 。 ゜ l | | | 田| o
∃○| | | |。 ゜ . .. ... .. ... . ... ...゜ . .. .. .. l |。| | | 田 田
|田 | | l‐ ..... .... ..... -| | | 田|
∃ | |○― .... o .... ○ ..... ― | | 田 田
o.... 一 .... ○ ... o .... ー- | 。
―  ̄ o ⌒  ̄ ― -
.... .... ⌒ o .... ....
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944
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:29:13 ID:XZZ24kQc0
ホールバイトに向かう道は、街が近づくにつれて活気と熱気、そして車両の数が増えていた。
路上に停まっている車も、目の前を走る車も、ほとんどがホールバイトを目指していることは明らかだった。
フードトラックと食材を積んでいると思わしきトラックが渡り鳥のように奇麗な列を成し、一般車とは異なる車線を自ずと形成していた。
かつてブーンが関わった大規模な送電網の工事の時を彷彿とさせるその姿は、これから始まる祭りの規模の巨大さを物語っている。
無理のない速度で走行する間、ブーンは周囲の景色を眺め、胸いっぱいに春の空気を吸い込む。
春の日差し、穏やかな空。
漂う雲の白さと温かな風は、冬が終わったことを何よりも物語る。
頬を撫でる風の柔らかさに目を細め、ブーンはもう一度深呼吸をする。
春の匂いが鼻孔に広がる。
それは、あまりにも豊潤な香りだった。
芽吹いた草木の匂い、溶けた雪とそれが染みた土の匂い、生物の生み出す匂い。
全てが物語るのは、春の到来だ。
(∪´ω`)「すごい混んでるお」
(#゚;;-゚)『ラジオでも新聞でも宣伝していますからね。
食の祭典としては、世界最大だと思います』
渋滞に掴まり、ディは歩くような速度で走る。
(∪´ω`)「おー」
(#゚;;-゚)『前夜祭があるので、少し急ぎましょう』
(∪´ω`)「前夜祭って、どんなことするんだお?」
(#゚;;-゚)『明日から頑張るぞー、と士気を上げることが目的の祭りです。
当日では味わえない雰囲気があります』
(∪´ω`)「楽しみだお!」
(#゚;;-゚)『私は駐輪場で待っていますので、楽しんできてくださいね。
何かあれば呼んでください』
舗装された道路から外れ、雪解け水でぬかるんだ道なき道を進む。
ディの助けもあり、その日の正午にはホールバイトに到着した。
臨時駐車場にディを止め、別れを告げる。
既に祭りが始まっているかのような賑やかさの中を、ブーンは歩き始めた。
945
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:29:35 ID:XZZ24kQc0
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、、 : |‐:|、. \|^\|^''|ニ|\|ヽ |ノ''| |/´|/
``| | \ |^\|^''|ニ|´"|ニ| /|ノ''| |/´|
ー _|¨:|\ \|^\|^''|ニ|´"|ニ| __//|ノ''| |/´|/
:::: ::: |.._| \|^\|^''|ニ|´"|ニ|_ |_|/ ィ|ノ''| |/´|
:::: ::: | |`丶、..l\ .|^''|ニ|´"|ニ|_| |_j/ ィ|ノ''| | /:|/
``''ー|‐:ト. `| `゙|^''|ニ|´"|ニi_L.__ |::|/,ィi|ノ''|イ .::|
i| | ``'‐|~”¨|^''|ニ|´"|ニi_トミ| _,,|::|/ :|ノ''|..|_、-'|_、-
:丁` |‐:|- _ .|~¨¨lー|ニ|´"|ニi_トミ| |=|::|_、-'”レ''|| |_,,.。
:::|::::::|_,,|_ ̄_|ー-lー|ー|´"|ニi_トミ|`i |=|::l_.,.。o1:::||^"´|_|
--ー| | __| _,jlニ|__|´"|ニi_トミ|`| _|_,|::|_`'|¨:|‐:┘|____,|__|
i|”:| ̄ |i'´| | .|T| ̄|ニi_トミ|`||┝|_`'|¨:|‐:┐|ー‐|`'ト
:┬=i| | |i | |二二二|ニi_|イィi{二二|、`|¨:|:: ||ー‐| |
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_」L-| | |愛|満|旅|物|語|ィ仙| ̄| ̄| ̄|=| |__|===_| |
____|‐'|''"´|「「「「丁/ ̄_ィi[仙  ̄ ̄羽二ii| ̄ ̄ |=== ト \
____| |''"´|:|_|」/二二ィ仙 羽二|___|====| \
\''^\|:::::/ ̄ ̄ ̄ イIi圸 /\── ヘ─<二二
\__-∠Tニニニニ|i|圸 γ´ ̄`ヽ三三ヘ \_
\__-/二二二二√圸 `¨TT「_____∨∧|
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∠TTTTTTTT冂」二Ti| Lしし「丁T冖≠= ∧
ニニニニニニ7シi|,/|::|┘ ЦЦi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|
ニニニニニ7シイ「^|┘ 」」」」 ̄ ̄∨ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ア¨,イ::::|ノL┘ √ ∨/
 ̄ ̄ ,.イ |::::|山 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
扞扞扞::|::|::|::::| /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
丁丁丁::|::|圸┘ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
::|::::|::::|::::|_」┘ 丁丁丁丁丁丁丁丁
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ホールバイトの空気は、ブーンにとってかなり強烈な物だった。
至る所から美味しそうな匂いが漂い、混ざり、思考と欲望があちらこちらに引っ張られるような感覚だ。
屋台を設営する音もあれば、食材を刻む音も、炒める音も、酒を飲む人々の陽気な声もあった。
色とりどりの飾りが街中に施され、春を喜ぶように咲き誇る鮮やかな花や木々の緑が目に映る。
五感全てが刺激される空気の中、ブーンはまずは街全体を見て回ることにした。
情報を得る第一歩として、街の姿を知っておくことは有利に働く。
そして何より、明日の祭り本番で訪れるべき店を下見することができるのだ。
(∪*´ω`)「おー」
見ているだけでも楽しいが、街全体が喜びに満ちているのがまた面白い。
祭りの前特有の爆発寸前の、決壊寸前の雰囲気は無関係のブーンでさえ興奮させる魔力がある。
いくつかの店は前夜祭と明日の宣伝を兼ねて、軽食や飲料の販売を実施していた。
料理は実食が一番確実な宣伝になるため、低価格か無料がほとんどだ。
(●ム●)「ボウズ、これ食ってみな」
946
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:29:56 ID:XZZ24kQc0
受け取った小さなカナッペは一口で驚きの声を上げるほどの美味さだった。
生ハムとチーズ、フレッシュバジルとトマト。
そこにオリーブオイルと少量の塩コショウで味付けされているだけの、シンプルな料理だ。
ブーンの小さな口でも一口で食べられるほどの大きさだが、口内に出現した旨味はそれを凌駕する規模のものだった。
(∪*´ω`)「美味しいですお!」
(●ム●)「そりゃよかった。 明日また、ここに来てくれよな!」
ブーンの反応を見て、近くにいた別の店の男が手招きする。
男は小さなカップにジュースを注ぎ、ブーンに手渡した。
( *´艸`)「これ飲んでみろよ、うんまいぞ」
飲まずとも匂いでそれがリンゴジュースであることが分かった。
一口飲み、ブーンは目を見開いた。
(∪*´ω`)
水のように抵抗なく喉を通ったそのジュースは全身が震えるほどに瑞々しく、甘美だった。
まるでリンゴその物。
控えめな甘さのはずなのに、口の中にも喉にも、その名残がうっすらと残り続けている。
鼻孔から抜け出るのは上品なリンゴの香り。
べたつく甘さではなく、いつまでも味わっていたいと思える深みのある甘さだった。
(∪*´ω`)「美味しいですお!」
そうして歩いている内に、続々と試食の品が渡されてブーンの腹が膨れていく。
全て試食という形か、もしくは好意で無料だったため、1ドルも支払っていない。
なるほど、と満腹になった腹を撫でながらブーンは思った。
(∪*´ω`)「食い倒れ……すごいお……」
ホールバイトはオセアンほどの広さの街でありながら、どの路地も人で一杯だった。
全ての建物が祭りに関わり、よく観察すれば動線が街中に張り巡らされていることに気が付く。
その為、どこから街に入っても、まんべんなく街中を歩くことになっていた。
計算され尽くしたその出店形態は、この街が長い歴史をかけて培ってきた知恵によるものなのだろう。
街の治安維持に一役買っているのが、正にその“人の目”だった。
巡回する治安維持組織の人間が持つ武器は小型で、威圧的には見えない。
しかしその眼光は鋭く、窃盗の類を決して見逃さないという強い意志を感じる。
その目つきと雰囲気に、ブーンは思い当たる節があった。
それはジュスティア警察の人間が見せる物と同じだった。
仕草、空気。
間違いなくそれは、ジュスティア人のそれだ。
(∪´ω`)「ジュスティア警察の人……」
947
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:31:11 ID:XZZ24kQc0
だが、ジュスティア警察は全滅したはずだ。
ジュスティアはまだ復興の途中で、警察組織の復活どころではない。
なら、なぜここにジュスティア警察がいるのだろうか。
答えは、少し考えれば分かることだった。
彼等はジュスティア警察ではあるが、治安維持組織として契約を結んだ関係にあり、ここに派遣された人間達なのだ。
あの日、ジュスティアで起きた戦闘に参加した警官は当然ながらジュスティア近郊にいた人間だったはずだ。
幸か不幸か、遠方地に派遣されていた警官たちは戦闘には参加せず、当然の義務として自分たちが守るべき街を守ることに徹していたのだろう。
それがジュスティア警察の完全なる全滅を防ぎ、今もこうしてその想いが生き永らえさせている。
ジュスティアの奮闘は無意味ではなかったのだ。
彼らの街が瓦礫と化しても、その強い思想が世界中に広がっているのであれば、決して滅びることはない。
トラギコ・マウンテンライトを始めとした生き残りが街の復興に全力を注ぎ、いつかそれが大きな結果を生み出すことだろう。
命じられたからでも、強いられたからでもなく、彼らの意思その物がそれを実現するのだ。
道中、ブーンは水を購入し、ディの元へと戻った。
長旅で少なくなったタンクに燃料となる水を注ぎ、興奮気味に街の様子を報告する。
(∪*´ω`)「すっごいお!!」
(#゚;;-゚)『食に関して、ホールバイトに並ぶ街はありません。
彼らはひたすらに食事に力を注ぎ、追求してきました。
美味しくなければ生き残れませんからね』
(∪*´ω`)「食い倒れって言葉の意味が良く分かったお」
(#゚;;-゚)『よく語られるのが、ホールバイトに来たら体重が増えることはあっても減ることはない、という言葉ですね。
平均してキロ単位で体重が増えるそうですよ』
(∪*´ω`)「おー」
(#゚;;-゚)『もっと街を見てこなくていいんですか?』
(∪´ω`)「でも、お腹いっぱいだお」
(#゚;;-゚)『ホールバイトは食を楽しむ街。
恐らく、街の中心に行けば楽しい物が見られると思いますよ』
(∪´ω`)「楽しいもの?」
(#゚;;-゚)『あらゆる時代、場所で言われている最良の調味料は空腹です。
街の中心には空腹を生み出すような催し物があるはずですよ』
(∪´ω`)「お」
(#゚;;-゚)『さ、行ってきてください。
私は美味しいお水をもらったし、ブーンの楽しそうな姿が見られて満足です』
(∪´ω`)「行ってくるお!」
948
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:32:36 ID:XZZ24kQc0
背中を押されるような気持ちで、ブーンは再び街へと足を向ける。
もしもこの時。
もう少しだけディの言葉に意識を向けていれば、その真意に気づけたのかもしれない。
だがそれは、あまりにも難しい話だった。
彼女は機械であり、その音声に感情を滲ませないように出力するのは簡単な話だ。
そもそも彼女に感情と呼べるものがあるのかについては議論の余地があるが、少なくともブーンに対して嘘を吐くだけの知性はあった。
そしてその嘘を吐くことに対して、若干の罪悪感にも似た物を感じたからこそ、普段通りの口調で伝えたのだ。
大切なことは言わずに。
――ブーンを見送ったディはその姿が見えなくなったのを見計らい、ゆっくりと走り出した。
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八从人从八__}
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街の中心に近づくにつれ、賑やかさが強くなっていく。
聞こえてくる音の中でも音楽がより大きく感じてくる。
軽快な音楽に合わせて躍っている人間もおり、歌を口ずさむ人間もいた。
あらゆる動線が必ずこの中心部分を経由することになっているため、かなりの往来があった。
広々とした街の中心にはテーブルと椅子が並べられ、屋台で買った飲食物をそこでゆっくりと食べられるようになっている。
そして、飲食物以外のサービスを提供する店もあった。
カラオケ。
大道芸人による曲芸。
果ては、占い師までいた。
(∪*´ω`)「おー」
同じぐらいの年齢の子供たちが集う店に向かい、様子を窺う。
空気銃を使った射的や、グローブを嵌めて的を殴るパンチングマシーンなど、安全面に気を遣った店が多い。
くじ引きなどの簡単な博打もあったが、目玉の商品が当たっている様子はない。
あまり興味が湧かなかったため、別の店を見て回ることにした。
949
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:33:01 ID:XZZ24kQc0
体を動かす類のものが数多く並ぶ中、人だかりができている店があった。
それは、特設リング上で行われるボクシングだった。
しかし、普通のボクシングではない。
一人はヘッドギアとグローブを装備しているが、相対する人間は何も装備していない。
無装備の男に向かって繰り出される攻撃は紙一重で全て回避され、時には横からはたき落とされていた。
看板を見ると、どうやら3分以内に店側の人間に一発でもパンチを当てることが出来れば商品がもらえるという物だった。
ゴングが鳴り、挑戦が終わったことが告げられる。
(::0::0::)「くそー」
挑戦者は悔しそうに、だが清々しく言った。
自分のやれるだけのことをして、それでも通じなかったのだろう。
( ''づ)「結構ひやひやしましたよ」
(::0::0::)「ははっ、そう言ってもらえると嬉しいよ」
道具が返却され、握手で二人は互いの健闘を称えあう。
( ''づ)「さて、他に挑戦する人はいますか?
そろそろ昼食にしたくてね、次の挑戦の後は少し休憩を挟みますよ」
先ほどの試合以前の攻防を見ていた観客たちの中から、立候補する人間はいなかった。
ただ一人、ブーンを除いて。
(∪´ω`)「やりたいですお」
( ''づ)「おっと、これは可愛い挑戦者だ。
いいのかい? 俺は子供でも容赦しないぞ」
言葉とは裏腹に、男の目には緊張感の欠片もない。
明らかにこちらを格下と見ている目だ。
ならば、勝てる。
(∪´ω`)゛「大丈夫ですお」
先ほどの動きを見て、ブーンは自分の今の力を試してみたいという欲求が芽生えていた。
そして、見返したいという気持ちも。
グローブだけを借り、リングに上がる。
( ''づ)「少年、名前は?」
(∪´ω`)「ブーンですお」
( ''づ)「俺はジョージ。 よろしく頼むよ」
950
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:33:49 ID:XZZ24kQc0
そして、ゴングが鳴った。
その刹那、ブーンはキャンバスが大きくたわむほどの力で踏み込み、一気に接近した。
放ったのは至近距離から放つ右ストレート。
身長差が防御を困難にする一撃だ。
( ''づ)「ちょまっ!?」
腹部を狙った一撃を、ジョージは身をよじって回避。
急停止した勢いを乗せた左フックを改めてジョージの腹部に放つ。
グローブ越しに感じた確かな感触。
柔らかなグローブとはいえ、その使い方一つで十分な武器になる。
ロウガに教わった戦い方が生きた。
( ''づ)「ごっ……!!」
ジョージがその場に膝を突くと、一瞬の静寂が訪れる。
そして、大歓声が上がった。
( ''づ)「すげぇな……いつつ……」
(∪´ω`)ノ「やたー」
( ''づ)「……なぁ、もう一回いいか?」
(∪´ω`)「お、いいんですかお?」
立ち上がり、ジョージは呼吸を整える。
ブーンを見る目は、先ほどとは違って警戒心の宿るそれになっていた。
( ''づ)「次は油断しないさ。
よし、こい!!」
再びゴングが鳴り響く。
踏み込み、距離を詰める。
バックステップで器用に距離を取るジョージに対し、ブーンは持ち前の脚力でその差を詰めてゆく。
リーチの差を埋めるためには、相手の反射神経を上回るだけの速度が必要になる。
しかし、ブーンが踏み込むとジョージは的確な方向に移動し、避難を成功させる。
背中に目がついているかのようにロープ際から離れつつ、ブーンの攻撃が当たらない位置を陣取っていく。
(∪´ω`)「おー」
( ''づ)「ふーっ」
立ち止まり、二人は呼吸を整える。
静かに息を吐きだし、そして、ブーンは動いた。
初戦で見せた加速力で距離を詰め、勢いをそのままに右ストレートを放つ。
ジョージはそれをバックステップで回避し、連打を阻止する。
951
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:35:17 ID:XZZ24kQc0
一歩の踏み込みで詰められる距離は後退よりも前進の方に分がある。
二歩目で更に左ストレート。
これはサイドステップで回避される。
目の前に迫るロープを見て、ブーンは覚悟を決めた。
自分には正面から挑むだけの力がない。
力がなければ、技術で補うしかない。
勝利条件はただ一つ。
拳を当てるだけでいいのだ。
(∪´ω`)「ふっ!!」
姿勢を反転させ、背中をロープに思いきり沈みこませる。
反動を利用した攻撃だが、ジョージはそれを予想していたかのように数歩後退した。
だが、彼には大きな誤算があった。
すでにブーンはジョージの動きを何度も見て、移動可能な距離と速度を覚えていた。
単純な速度であればブーンが負ける道理はないが、そこにフットワークという技術が壁となっているのだ。
その技術を学んだブーンは、それを真似するだけの余裕があった。
踏み込み、同じ速度で直角に曲がる。
その先にあるのはジョージの腹部。
次の動きを見るまでもなく、ブーンの左ジャブが的確に彼の腹部を打ち抜いた。
( ''づ)「ぐっ……」
そして、再びの大歓声が二人を包み込む。
ゴングが鳴ってから僅かに30秒。
攻防の時間としては短いが、その濃度は極めて高い。
(∪´ω`)「ありがとうございましたお」
礼を言ったブーンに、ジョージは心底悔しそうに苦笑いを浮かべた。
だがそれは、すぐに清々しい笑顔に変化する。
( ''づ)「いや、負けた。 完敗だよ、ブーン。
商品を受け取ってくれ」
リングの外に待機していた人間から封筒を受け取り、それを手に、ジョージがブーンを含めたその場の全員に聞こえるように言う。
( ''づ)「ホールバイトで使える食事券だ!!
一枚で好きな食事と交換が出来るし、無期限で店の指定もない!!
それが100枚!!」
(∪*´ω`)「100枚も!!」
( ''づ)「食い倒れてくれ、ブーン。
いやはや、君はいいボクサーになるよ。
俺が保証する」
952
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:35:44 ID:XZZ24kQc0
ブーンの手からグローブを外しながら、ジョージは周りの歓声に紛れさせるように小さく囁いた。
( ''づ)「昔、俺はライト級のチャンプだったんだ。
もしもボクシングに興味が湧いたら、いつでも俺を訪ねてくれ。
ジョージ・ミケルセンだ」
手を差し伸べられ、ブーンは迷いなくそれを握る。
(∪´ω`)゛「分かりましたお」
受け取った封筒から食券を2枚取り出し、ブーンはそれをジョージに差し出す。
困惑するジョージに、ブーンは気恥ずかしそうに言った。
(∪´ω`)「お昼ご飯に使ってくださいお」
( ''づ)「……君はいい教育を受けたんだな。
ありがとう、ちゃんと使わせてもらうよ。
絶対にまた会おう、次は友人として」
(∪´ω`)゛「はいですお!」
食券を手に、ブーンは街中へと再び戻ったのであった。
その時である。
まずは衝撃。
全身が痺れるような衝撃が、体を襲う。
そして、鼻孔の奥で感じ取った匂い。
それは間違いなく、ブーンが追い続けた人間の懐かしい匂いだった。
ブーンは走り出していた。
走りたいから、走るのだ。
――走らなければならないと思うからこそ、走るのだ。
953
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:36:06 ID:XZZ24kQc0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人混みを通り抜け、匂いを辿っていく。
多くの料理と人間の匂いに紛れる、愛しい存在を追うのは容易なことではない。
容易ではないが、不可能ではない。
困難は諦める理由にはならない。
走る。
駆ける。
奔走する。
疾走する。
どこかにデレシアがいる。
それが分かるだけで、全力で走るには十分な理由になる。
か細い糸を追うように。
ブーンは僅かな希望を追い続ける。
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V ^ー 、 /,.斗‐七ナ
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954
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:36:34 ID:XZZ24kQc0
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日が暮れ、空が黄昏色に染まる。
やがてホールバイトを一周し、より強く彼女を感じる場所へと辿り着く。
息は上がり、喉の奥から血の匂いがする。
足は疲労と乳酸でまともに動かない。
歩く以上の速度で動くことが出来ない。
ホールバイトの南端。
奇しくもブーンがディを停めた場所と真逆の方角に位置する、もう一つの入り口。
臨時駐車場には溢れるほどの量の車両が押し寄せ、ヘッドライトが星のようにきらめいている。
濃紺に染まりつつある空の下、ブーンは視線を周囲に巡らせる。
人の姿は濃い影にしか見えない。
表情も人相も、全て闇の中に溶け込んでいる。
気が付けば、ブーンは人混みの中に立ち尽くす形になっていた。
自分よりも背丈のある人に囲まれ、視覚情報は人影に占領される。
話し声や音楽、時折聞こえるクラクションがうるさい。
(∪;´ω`)
前夜祭が始まることをアナウンスが告げ、盛り上がりが最高潮に達する。
音楽がひと際大きく鳴り響く。
花火が打ち上がり、悲鳴に似た歓声があちらこちらで上がる。
音は、判断材料にならなくなった。
955
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:36:55 ID:XZZ24kQc0
匂いもダメだった。
食べ物の匂いと人の体臭が周囲に充満し、デレシアの匂いを探し出せなくなっている。
だがこの辺りにいる予感はするのだ。
確信めいた予感の根拠は何もない。
それでも、デレシアが近くにいる気がするのだ。
頭上で花開く鮮やかな花火。
熱狂する人々の声、音楽。
混沌の中でも、ブーンは一歩を踏み出すだけの気概を失わずにいた。
視覚。
聴覚。
嗅覚。
そのいずれも使えない。
進む先に何があるのかも分からない。
進んだ先で何が待っているかも想像できない。
しかし。
進むしか、道はないのだ。
956
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:38:20 ID:XZZ24kQc0
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F√i-ュ| ̄|明-ュ| ̄L―┐-ュFl-ィニニユ 「 ̄|二日lニ|ロ-丑-┐「ニ´t|
┴「lllニl日|‐| ロ||-ュ! /ィ| ̄L―┐liュFl-ィニニユL―┐-ュFl-
l⌒l,,「 ̄|二日lニ|ロ ┐‐| ̄|―‐i=‐i二≡¬=ョl-t ̄'l「三
| | ,.゙''l´.l三三l.;ii']二‐ll|l「.ii]二‐ァ士―ヨ ̄l-「ニ ̄l-「二
| | | |"l^l'「_ニltヒ'゙H冒+ュ| ̄l―‐i=‐i二≡l√ ̄|lュニ
| | |_,,|_,|,,|_|_|
人混みを抜け、広大な駐車場の先に広がる荒野が視界いっぱいに広がる頃。
太陽は地平線の彼方に沈み、濃いオレンジ色が今まさに消えようとしている中。
青白い月が世界に夜の到来を優しく告げる時間。
一台のバイクに背を預けた女性が、夕日を眺めているのを見つけた。
957
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:38:44 ID:XZZ24kQc0
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958
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:39:28 ID:XZZ24kQc0
あどけなさと大人の片鱗を漂わせる少年の顔に、喜びの感情が十分すぎるほどに満ちてゆく。
ブーンは、彼女へとゆっくりと歩み寄る。
想い続けた彼女を、見紛うはずがない。
彼女の甘い香りを、その存在を間違えるはずがない。
歩みは小走りに。
小走りは、全力疾走へと変わる。
こちらの跫音に気づいた彼女がフードを降ろし、嬉しそうに言った。
ζ(^ー^*ζ「久しぶりね、ブーン」
(∪*´ω`)゛「お久しぶりです、デレシアさん」
デレシアの前で立ち止まり、ブーンは彼女を見上げる。
蒼穹の色の瞳と、優しい黄金の色をした波打つ髪。
声は柔らかく、笑顔は今にも溶けてしまいそうなほど。
(∪*´ω`)「ディはデレシアさんがいるって知ってたの?」
(#゚;;-゚)『途中で知ったんです。
インカムさえあれば、私に声は届きますから』
(∪*´ω`)「おー!」
(#゚;;-゚)『それに、見届けたいこともありましたので。
乙女同士の約束は、いつの時代も秘密に満ちているのですよ』
その言葉を肯定し、かつ友人同士で共有する秘密を楽しむ様に、デレシアがディにウィンクをする。
どうやら、ブーンの知らないところで何かしらの話があったようだ。
だがそれは些事だ。
今は、デレシアが目の前にいるという事実だけが重要なのだ。
ζ(゚ー゚*ζ「どう? あれから宿題は進んだ?」
(∪*´ω`)゛
ブーンは頷く。
まだ完全ではない。
不完全だが、分かったことがある。
“愛”とは何か。
その片鱗を伝える手段を、ブーンは今ようやく理解したのだ。
デレシアがブーン視線を合わせたまま、問いかける。
ζ(゚ー゚*ζ「教えてくれる?」
959
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:39:56 ID:XZZ24kQc0
ゆっくりとデレシアが屈み、二人の目線が同じ高さになる。
何度も見上げたその瞳。
正面から見つめて改めて分かったのは、その瞳の美しさ。
その瞳を見つめるだけで、ブーンの胸には熱い感情が湧き上がってくる。
空の青さに夏を感じ、風の冷たさで秋と冬の到来を覚え、小さな芽吹きに春を思い出すように。
当たり前のように胸から湧き出る感情は、決して焦ることのないもの。
感情が思考を置き去りにし、体を動かす。
後はただ、衝動に身を任せるだけ。
960
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:42:30 ID:XZZ24kQc0
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あの日
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ノパー゚)
無償の温もりを与えてくれたヒート・オロラ・レッドウィングがいたから、ブーンは愛の存在を疑うことはなかった。
961
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:42:51 ID:XZZ24kQc0
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¦
!
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┃
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:
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('、`*川
未来へ導く道を教えてくれたペニサス・ノースフェイスと出会えたから、ブーンは愛という物が存在することを知った。
962
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:43:15 ID:XZZ24kQc0
|
¦
!
┃
┃
┃
┃
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┃
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・
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:
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(,,゚Д゚)
同じ師を持つギコ・カスケードレンジの生き様が、受け継いだ意思に宿る別の感情を教えてくれた。
963
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:43:39 ID:XZZ24kQc0
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¦
!
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┃
┃
┃
┃
┃
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・
:
:
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(゚、゚トソン
命を救ってくれたトソン・エディ・バウアーがいたからこそ、他人を助ける行為に秘められた物を知ることが出来た。
964
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:44:00 ID:XZZ24kQc0
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¦
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┃
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┃
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:
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ミセ*゚ー゚)リ
初めての友達となったミセリ・エクスプローラーがいてくれたから、友情という尊いものを得ることが出来た。
965
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:44:23 ID:XZZ24kQc0
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:
:
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¥・∀・¥
金の正しい使い方を見せつけたリッチー・マニーがいなければ、金はただの無機質な力の一つでしかなかった。
966
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:44:44 ID:XZZ24kQc0
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:
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( ФωФ)
義を教えてくれたロマネスク・O・スモークジャンパーがいたからこそ、人が生きる上で忘れてはならないことを知った。
967
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:45:24 ID:XZZ24kQc0
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リi、゚ー ゚イ`!
武を手ほどきしてくれたロウガ・ウォルフスキンがいなければ、ブーンは自分の身を護ることも、誰かを守ることも出来なかった。
968
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:46:10 ID:XZZ24kQc0
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ミ,,゚Д゚彡从´ヮ`从ト
家族を想う気持ちをフサ・エクスプローラーとチハル・ランバージャックがいて初めて、ブーンは家族という物の姿を知ることが出来た。
969
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:46:31 ID:XZZ24kQc0
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(`・ω・´)
戦場の中でシャキン・ラルフローレンが教えてくれたことが、戦いの中でも変わらない人間の本質を見るだけの力を与えてくれた。
970
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:47:00 ID:XZZ24kQc0
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(=゚д゚)
己の正義を貫き通す姿を見せたトラギコ・マウンテンライトの存在が、この世界には善悪を超越した物があるのだと信じさせてくれる。
971
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:47:21 ID:XZZ24kQc0
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¦
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┃
┃
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:
:
:
|
(#゚;;-゚)
友情に垣根はない事を教えたディがいてくれたから、ブーンは孤独に押し潰されずに旅を続けることが出来た。
972
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:47:44 ID:XZZ24kQc0
|
¦
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┃
┃
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┃
┃
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:
:
:
|
ζ(゚ー゚*ζ
そして、地獄の底から救ってくれたデレシアがいなければ、今の自分は存在していなかった。
|
¦
!
これまでの旅で出会った全ての人間がブーンに見せ、伝え、教えたこと。
その全ての根底にあるものこそが――
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
973
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:48:26 ID:XZZ24kQc0
ブーンはデレシアの首元に手を回し、抱きしめた。
静かに。
確かに。
ゆっくりと、そして、伝えたいことを胸に秘めて。
――愛とは。
言葉でも、文字でも。
行動でも、感情でも。
ましてや、目に見える何かでもない。
ただ、愛としか言い難い何かの事なのだ。
それ以上もなければ、それ以下でもない。
恋でもなければ、依存でもなければ、崇拝の類でもない。
どれだけの時間を経ても色褪せず、減退しない何か。
人を導き、人を強くもする。
人を惑わし、人を弱くもする。
人を誑かし、人を狂わせもする。
人を鼓舞し、人を前に進めもする。
人を導き、人と人を繋ぐこともする。
争いを産み、争いを収めることもする。
それはあらゆる場所に、時代に、生物に、物質にさえ影響を与える何か。
人はそれを愛と呼び、口にし、追い求める。
これが、今のブーンが辿り着いたペニサスの宿題に対する最善の答えだった。
説明するだけの語彙力のないブーンにとって、伝えるための手段はこれしかない。
(∪*´ω`)ζ(゚ー゚*ζ
デレシアの手が、ブーンの背中に回される。
同じぐらいの力で、優しく抱きしめられた。
それだけで、ブーンにもデレシアの感情が伝わってくる。
情欲でも性欲でもない、甘い痺れを伴う温もりが全身に満ち溢れる。
自惚れではない。
誤解でもない。
断言できる。
この温もりもまた、愛なのだと。
ζ(^ー^*ζ「よくできました」
ブーンを抱きながら、デレシアは嬉しそうにそう言ったのであった。
974
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:49:08 ID:XZZ24kQc0
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ζ(^ー^*ζ「ご飯にしましょうか」
(∪^ω^)「はい!」
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/ ヽ __. -―'
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i / .ノ
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|ヽ , / / 旅はまた、ここから始まる。
| | /ヽ{ {
/lノ| i `i l
/ | | ,}ー'
_l_ | l 〕
/ `ヽ. ヽ_} )
/ ヽ ∧
/⌒`ヽ ゙ ノ`´
/ \ |´
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/´ ̄ ̄`ヽ i |
975
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:50:25 ID:XZZ24kQc0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これは、愛に満ちた旅の物語
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Ammo→Re!!のようです 完
976
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 18:52:01 ID:XZZ24kQc0
これにて『Ammo→Re!!のようです』は完結となります。
始まってから12年という月日が流れましたが、確かにこうして終わらせることが出来たのは読者の皆様のご協力のおかげです。
冷静に考えると連載開始した時に生まれた子供は小学6年生になっているんですよね……
そんな中でも、最後まで読んで下さり、応援して下さった皆様には感謝してもしきれません。
連載開始してほどなくして心が折れかけた時、皆さんの声があったから今があります。
本当にありがとうございました。
ブーン系小説に関わってから最も長い時間をかけて書き上げた作品だけに、こうして終わらせられて一安心しています。
今後はひっそりと各キャラクターの過去を別媒体等で書いたりしつつ、やりたかった事をやって過ごそうと思います。
その辺のことはブログやTwitter(新:X)にて報告とかしていく予定です。
ともあれ、この場で絶対に言わないといけないことがあります。
いつも校正してくれたみんな―!!
ありがとー!!
いつもプロレベルの校正してくれたひとー!!
本当にありがとー!!
それではまた、いつかどこかで。
977
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 21:49:09 ID:GDfjXQBk0
おつ、本当におつ
ブーン系史上最長期間最大文量の作品を完結させたこと、尊敬します
この作品が読めて良かったです
ありがとう
978
:
名無しさん
:2024/08/11(日) 22:23:41 ID:JX5OKWJI0
乙!!
完結に立ち会えて最高です!!
979
:
名無しさん
:2024/08/12(月) 07:10:49 ID:ruRww4cc0
完結乙!
980
:
名無しさん
:2024/08/12(月) 09:30:21 ID:sob1rOzM0
終わってしまった……スピンオフも含めて最高の作品でした
この作品を読ませてくれてありがとう
本当にお疲れ様でした!
981
:
名無しさん
:2024/08/12(月) 16:45:55 ID:hQKLtFP20
乙!!
うわああああいつもしょぼくれていたブーンがついに笑ったあああああ!!!!!
それだけでも涙がこみ上げてくる…
旅をしながら今まで出会った人たちと再会するっていいよねぇ
魅力的な登場人物が多く生き残った人もいなくなった人もお気に入りの人達がたくさんいます!!
最後までしつこいとは思いますが、お約束という事で
>>924
ブーンは"に"ディを修理に出すことにした。
ここは"に"が多いですね
>>944
渋滞に"掴"まり
ここは"捕"まりの方がいいかもしれません
長期の連載本当にお疲れ様でした。
こんな素敵な作品に出会えた本当に幸せです。
完結おめでとうございます!!!!
982
:
名無しさん
:2024/08/12(月) 16:56:18 ID:rbe3If0k0
>>981
いつもいつも本当にありがとうございました。
そして最後まで結局お世話になりっぱなし……
心からの感謝を申し上げます。
/ ` 、 感謝するぜ あなたにしてもらえた
/ ノノ ヽ
, ニニ彡'⌒ /`ヽ これまでの 誤字脱字指摘に
' ニミ ニニ彡 〈rう├--ミ
{ { ニミ } j j jノx'ィイく }し{\ `丶、___/ニニニ
j_ニニミV ハレノ x<⌒ヽ V ヘ \ \ニニニニニニニ
{xミミー'ヾ(、ル( 厶tァァく⌒ヾ} )ハ::::::. \ニニニニニニ
彡ィ'">tァ} \(`ニ彡 ノ` /ト=く ::::::i \ニニニニニニ
( V^`こ7 _, \``ヾヽ` ノ|`ヽ ヽ l:::::| \ニニニニニ
∧ { ' ` ノ^ヽ { ノ !:::::| ___ノ^ヽニニニニニニ
/.::::\ゝヽ. _ノヽ``ヽ, -――- 、 /:::::/ /  ̄`ヽニニニニニ
/.::::::::::::::::>'"ノルハヽ`/ -―- 、⌒V::::::/.// j___ノ、 ヽニニニニニ
/ニニ、`ヽ`ヾヘ{ {、ムイ 、_( > \/ (__ ノニニニ \ニニニニ
,仁ニニニ\ヽヽヽ ∨ /ニニ>彡>--')__ ノ `ヽニ \ニニニ二
ニニニニニニヽ / {ニニ> ´ `¨¨´ ニ} \>''"´
ニニニニニニニニ/ ∨ / }八
ニニニニニニニ./ }ニ{ ノニヽ ノ
ニニニニニニニ/ }ニハ /⌒ヽヽヽ ___彡
ニニニニニニニ! ノニニヽ、 / ` ー=彡'ニニニニニ
ニニニニニニニ} ⌒`丶、 /⌒ヽ ノ ノ_____
/ ̄ ̄ ̄`ヽ/ヽ、 _彡ヘ{ { > 、 / /  ̄ ̄ ̄
) 、 / ヾ、 ヽ ヽ ( `{ /
// ⌒ヽ / 〃 トミ ___ >--‐=、 ヽ _ノ
{ / // / \__ノ
983
:
名無しさん
:2024/08/12(月) 23:17:34 ID:dCHsVmmM0
ほんっと乙
ハッピーエンドで終わってほんとよかった
ところで最終決戦でビロードって出てきてたっけ?
984
:
名無しさん
:2024/08/12(月) 23:35:54 ID:rbe3If0k0
>>983
良くお気づきになりました。
彼は最終決戦に姿を出しておりませんが、その後についてはティンバーランドの残党ということで遠回しに存在が匂わされています。
985
:
名無しさん
:2024/08/16(金) 13:54:09 ID:zphZRDpQ0
完結乙です!
歯車の頃から大好きでずっと追いかけていました。
壮大な物語の完結を見ることが出来て幸せです。
本当にお疲れ様でした。
素晴らしい作品をありがとうございます。
986
:
名無しさん
:2024/08/20(火) 05:12:54 ID:f6PNlfbg0
おつ!
素敵な完結を観ることができてとても幸せです!
本当にありがとうございました!
987
:
名無しさん
:2024/08/25(日) 22:06:10 ID:3yoBdm.g0
久々に見に来たら完結してた 乙 強化外骨格に対してデレシタが強化"内"骨格なのは痺れるね
また一から読み返してくるかあ
988
:
名無しさん
:2024/09/21(土) 09:48:01 ID:vI73hRVE0
遅くなったが本当に乙
このボリュームの作品を完結させられるの本当に凄い
自分が好きだったトラギコアサピーシナーが生きててよかったシナー大出世してるし
ところでキャラエピソードは別媒体ってファイナル板以外での投稿ってこと?
989
:
名無しさん
:2024/09/21(土) 19:42:37 ID:TPOPaFdk0
>>988
別媒体としての候補はひとまずKindleなどを考えております。
なお、現在はペニサスのスピンオフをゲーム化してDMMで配信中です(宣伝)
990
:
名無しさん
:2024/10/11(金) 23:36:40 ID:j5obufMU0
乙!!!!!!!!!!!!!
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