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944名無しさん:2024/08/11(日) 18:29:13 ID:XZZ24kQc0
ホールバイトに向かう道は、街が近づくにつれて活気と熱気、そして車両の数が増えていた。
路上に停まっている車も、目の前を走る車も、ほとんどがホールバイトを目指していることは明らかだった。
フードトラックと食材を積んでいると思わしきトラックが渡り鳥のように奇麗な列を成し、一般車とは異なる車線を自ずと形成していた。
かつてブーンが関わった大規模な送電網の工事の時を彷彿とさせるその姿は、これから始まる祭りの規模の巨大さを物語っている。

無理のない速度で走行する間、ブーンは周囲の景色を眺め、胸いっぱいに春の空気を吸い込む。
春の日差し、穏やかな空。
漂う雲の白さと温かな風は、冬が終わったことを何よりも物語る。
頬を撫でる風の柔らかさに目を細め、ブーンはもう一度深呼吸をする。

春の匂いが鼻孔に広がる。
それは、あまりにも豊潤な香りだった。
芽吹いた草木の匂い、溶けた雪とそれが染みた土の匂い、生物の生み出す匂い。
全てが物語るのは、春の到来だ。

(∪´ω`)「すごい混んでるお」

(#゚;;-゚)『ラジオでも新聞でも宣伝していますからね。
   食の祭典としては、世界最大だと思います』

渋滞に掴まり、ディは歩くような速度で走る。

(∪´ω`)「おー」

(#゚;;-゚)『前夜祭があるので、少し急ぎましょう』

(∪´ω`)「前夜祭って、どんなことするんだお?」

(#゚;;-゚)『明日から頑張るぞー、と士気を上げることが目的の祭りです。
    当日では味わえない雰囲気があります』

(∪´ω`)「楽しみだお!」

(#゚;;-゚)『私は駐輪場で待っていますので、楽しんできてくださいね。
    何かあれば呼んでください』

舗装された道路から外れ、雪解け水でぬかるんだ道なき道を進む。
ディの助けもあり、その日の正午にはホールバイトに到着した。
臨時駐車場にディを止め、別れを告げる。
既に祭りが始まっているかのような賑やかさの中を、ブーンは歩き始めた。


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