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Desperado Chariots

59名無しさん:2021/05/04(火) 20:52:31 ID:HvEjlB4M0
(´・ω・`)「ジョッキー候補が見つかった」


盛岡はバックミラー越しに本八と目を合わせ、それが『大本命』であることを察した。クリスマスの朝に、プレゼントの箱を前にしたかのような目の色の輝きは、かつて盛岡自身も向けられたことがあった


(´・_ゝ・`)(可哀想にな)


『何を差し置いても、奴が欲しい』。経営者は、人の上に立つ者は、時に金銀財宝や絶世の美女よりも、有能な人材を求める
二十数年前の大学時代。祖父や父と同じく官僚への道を見据えていた盛岡は、ギラギラと目を光らせる若かりし頃の本八によって人生を捻じ曲げられた
今となっては四十を過ぎた『赤ん坊』のお守り役だ。お陰で退屈はせずに済んでいるが、変態に目を付けられた候補者が不憫で仕方が無かった


(´・_ゝ・`)「店員ですか?」

(´・ω・`)「あのブサイクだよ」

(´・_ゝ・`)「ほう」


一目見たら忘れられない、あの似合わぬ愛想笑いのクッッッッッッソブサイクな若者の顔が思い浮かぶ
彼は店長の『お気に入り』だったようで、盛岡がいたテーブル席からも厨房での怒鳴り声が聞こえてきた


(´・ω・`)「お前から見て、どんな印象だ?」

(´・_ゝ・`)「……」


信号が黄色に変わったのに反応して、車は自動的に減速を始める。赤に変わった頃には、揺れを一切感じさせず停車した
しばらくの待ち時間。盛岡は視線を宙に浮かせハンドルを指で叩き、頭の中で昨日の光景を再生する


(´・_ゝ・`)「そうですね……一言で言えば、『不気味』でしょうか」

(´・ω・`)「その心は?」

(´・_ゝ・`)「昨日、誰かさんの手によって病院送りにされたクソ野郎の憂さ晴らしを一手に担っているにしては、妙な落ち着きがありました」

(´^ω^`)「ええことする奴もおるもんやな!!!!!!!!!国民栄誉賞もんや!!!!!!!!!!!!」

(´・_ゝ・`)「世も末ですね」


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