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( ^ω^)文戟のブーンのようです[3ページ目]
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仕事からの帰り道、コートの裏の四角い感触を胸に感じながら、
僕は彼女の言葉を思い出していた。
『再現できる味に限りがある』
裏を返せば、僕の知っている5つの味以外にも
その範囲の限りであれば再現出来るということなのではないだろうか?
僕も、この本を手に入れるまで思いつかなかった。
味、とは単に味覚を刺激するものという意味ではない。
それぞれの味が混ざり合って、それが『料理』となる。
"美食人形《グルマヌカン》"だ。その機能を有していると考える方が普通だ。
なんで気づかなかった?
決まってる。
その思考に行き着くまでの情報が、僕の階級には圧倒的に足りなすぎた。
だが今は違う。僕は知ってしまった。
否応にも足が早まる。期待感に心臓が早鐘を打つ。
緑階級の居住区画に戻り、標識の確認もせずに大通りを突っ切る。
もし間違えて自分の家以外に入ってしまえば、家宅侵入罪で即処刑な訳だが、
今の僕には、そんなことどうでも良かった。
足が覚えている距離感に任せてずんずんと進み、自宅の扉を勢いよく開いた。
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