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( ,,^Д^)ビッグ・トレジャーの大冒険のようです!!!
1
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 15:48:53 ID:MB1Msye.0
前スレ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1495117626/
まとめ
http://cloudcrying.blog.fc2.com/blog-entry-163.html
.
2
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 15:51:30 ID:MB1Msye.0
.
アメリカ中央にある大都市、クラウン=シティ!!
この街には、ありとあらゆる常識からかけ離れた、ヴィランという超常の犯罪者が跋扈している!!
ある者は火を吐き!!ある者は電撃を放ち!!ある者は大地を凍らせる!!
そんな超常の能力に人々は怯え、安寧の時を迎えられずにいた!!
しかし、そんな窮地を救うため、この街にはSUPER☆BIG☆HEROが存在する!!
.
3
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 15:52:29 ID:MB1Msye.0
.
彼こそが、この街の守護神!!!
,∧,,∧
( ,,^Д^)
,ノ ヽ、_,,,
/´`''" '"´``Y'""``'j ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l
./ ;ヽ
.l ヽ,, ,/ ;;;l
| ,ヽ●/ ;;;|
| ,' ;;;l l ;;'i, ;|
li / / l `'ヽ, 、;|
l jヾノ ,ノ ヽ l ,i|
l`'''" ヽ `l: `''"`i
.l ,. i,' } li '、 ;;' |
l ; j / _, -― ' ̄ ̄`ー‐-、_
, .--、,,__,,-' ̄;;"`´ ;; __ __, -―- 、;; ̄`l
;; ,__ ;;' r ' ´;;; ヽ_ゝ_;;| lヽ, /
;, Y´| l __ /`'| | | l l;| l ヽ
| |.;;l_,-'l | V | |.l .| .| l i i | ;lヽ
|.| ''.|/ l |;;;| | | | ;| | | ;l l| i ;;;; l | l
;; i / .il /| |.| | | i | | l i '`i l /
ズウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…………!!!!!!!!!!!!
( ,,^Д^)「ビィーーーーーーーーーーーッグ!!!!!トレジャーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」
ビッグ・トレジャーその人である!!!
.
4
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 15:53:41 ID:MB1Msye.0
.
ここで改めて読者諸兄に説明をしよう!!!
ビッグ・トレジャーとは、豪腕無双健脚無比、快刀乱麻のスーパーヒーローである!!!
その腕力は数多のヴィランたちを退け、その走力はいかなる事件現場にも瞬時に駆けつける!!!
なぜ彼は素っ裸なのか!!!それは彼の全力(フルパワー)に耐えうる衣服が、この世に存在しないから!!!
ゆえに今日も彼は、フルチンで街を激走する!!!優しき巨チン、ビッグ・トレジャー!!!
これは彼の率いるヒーローとヴィランの、熱き攻防の全史である!!!
.
5
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 15:54:30 ID:MB1Msye.0
.
.
6
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 15:55:25 ID:MB1Msye.0
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
(;‘_L’)「あぁ……大丈夫かな……」ソワソワソワソワ
ζ(゚ー゚*ζ「あら、あなた。何をしてらっしゃるの?」
(;‘_L’)「いやぁ……何となく落ち着かなくて……やはり僕たちもついていった方が良くないかな?」
ζ(゚ー゚*ζ「心配性ねぇ。大丈夫、この娘は私たちの娘ですよ?」
ζ(゚ー゚*ζ「それに私たちがお邪魔しても、何の話をしてるかも分からないわよ」
(;‘_L’)「そうかもしれんが……困ったことがあったら、パパたちにすぐ電話するんだぞ?」
ζ(゚ー゚*ζ「私たちは観光してるから、ゆっくりお話して来なさいな」
川 ゚ -゚) チョコーン
川 ゚ -゚)「うん、分かった。そうする」
クォッサ=サリエリ(当時九歳)
.
7
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 15:57:45 ID:MB1Msye.0
.
川 ゚ -゚)「じゃあ、行ってくる。お父さん、お母さん」スタスタ
(;‘_L’)「あぁ……行ってしまった……本当に大丈夫だろうか……」
ζ(゚ー゚*ζ「今日はただの挨拶なんだから、何も起こりはしませんよ」
(;‘_L’)「しかしだなぁ、もし幼女趣味のマッドサイエンティストでもいたらどうする?」
ζ(゚ー゚*ζ「そんなことを心配するより、まずは私をどう楽しませてくれるか考えるのが先じゃなくて?」
ζ(゚ー゚*ζ「せっかくの夫婦水入らずのデートなんですから、杞憂は忘れて楽しみましょう?」
(;‘_L’)「あ、あぁ……そうだな。すまない、君のことを考える余裕がなかったみたいだな」
ζ(゚ー゚*ζ「私、経済センタービルに行ってみたいわ。クーに聞いたんだけど、あそこ見晴らしが凄くいいんですって!」
(‘_L’)「うん。それじゃまずはそこから行ってみようか」
.
8
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 15:58:33 ID:MB1Msye.0
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【総合科学技術研究所】
川 ゚ -゚)「……」ウィーン
( ‘∀‘)「……あら?」
川 ゚ -゚)「こんにちは」
( ‘∀‘)「こんにちは。どうしたのお嬢ちゃん、迷子かしら?」
川 ゚ -゚)「ロマノフ博士に面会させて頂けますか。アポは取ってあります」
( ‘∀‘)「あら……博士のご家族?」
川 ゚ -゚)「いえ、違います。個人的な面会です」
( ‘∀‘)(妙に大人びた娘ね……博士の隠し子かしら?)
( ‘∀‘)「ちょっと待っててくれるかな?今博士に繋げるから」
.
9
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 15:59:39 ID:MB1Msye.0
.
( ‘∀‘)「……」トゥルルル、トゥルルル
『はーい……何であるかー……?』ガチャ
( ‘∀‘)「ロマノフ博士、ご来客がありますが通してもよろしいですか?」
『来客ゥ……?今日は誰と会う予定であったか……』
(;‘∀‘)「ちょっと博士、しっかりしてくださいよ」
( ‘∀‘)「お客さん待たすことになっても、知りませんからね?」
『スケジュール管理は秘書に任せておるでな……それで、来客者はどなたかね?』
( ‘∀‘)「あ、えーと……お嬢ちゃん、お名前は?」
川 ゚ -゚)「クォッサ=サリエリです」
( ‘∀‘)「クォッサ=サリエリさんですって」
『何ィィィィィィィィィィィィィッッッッッッッ!!!???』
(;‘∀‘)「うるさっ……」
『すぐに応接室へお通ししなさいッッッ!!!今すぐ!!!今すぐにだッッッ!!!』
(;‘∀‘)「は、はい……?」
『ワシとしたことがこんな大事な用を忘れるとは……不覚なり!!!』
『ダッシュで行くから待っとるんじゃぞーーーーーーーーい!!!!』
(;‘∀‘)「……」
.
10
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:01:31 ID:MB1Msye.0
.
( ‘∀‘)「ごめんね。博士なにか興奮してるみたいで」
川 ゚ -゚)「いえ、お気になさらず。歳を召されるとよくあることです」
(;‘∀‘)「そ、そうね……それじゃあ応接室までご案内するわね?」
川 ゚ -゚)「はい。よろしくお願いします」
…ドドドドドド
( ‘∀‘)「……えっ?」
川 ゚ -゚)「ん?」
( ФωФ)「クォッサ博士ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」ドドドドドド!!!
(;‘∀‘)「きゃあ!?」ビクッ
川 ゚ -゚)「おぉ……」
.
11
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:02:19 ID:MB1Msye.0
.
(;‘∀‘)「な、何してるんですか博士!!ビックリしたじゃないですかぁ!!」
川 ゚ -゚)「初めまして、ロマノフ博士。お歳に似合わぬ健脚、お見事です」
(;ФωФ)「ハァッハァッ……こ、こちらこそ……ゴフッ、お初にお目にかかるである……クォッサ博士……オゥエッ」
(;‘∀‘)「ほらー!変に走るからすごいむせてるじゃないですか!!」
(;ФωФ)「こ、これが走らずにおられるか……!!」
(;ФωФ)「この娘は我が研究所の迎えた新たなる頭脳、クォッサ=サリエリ女史だぞ……!!」
(;‘∀‘)「そ、そうなんですか……?」
川 ゚ -゚)「恐縮です。私も、博士のご高名はかねがね伺っております」
川 ゚ -゚)「稀代の変態……いや変人……いや天才だと」
(;ФωФ)「誉めるならもっとスムーズに誉めてくれんかね?」
.
12
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:03:27 ID:MB1Msye.0
.
( ФωФ)「さぁさ、クォッサ博士。ここからはワシが応接室まで案内しよう!!」
( ФωФ)「ガーナくん、コーヒーを淹れてくれ。それとも紅茶が良いかな?」
川 ゚ -゚)「では、紅茶を」
( ФωФ)「よしよし。彼女に紅茶と、ワシにはコーヒーをガムシロ増し増しで頼む」
(;‘∀‘)「また激甘コーヒーですか。ほどほどにしないと糖尿で死にますよ?」
( ФωФ)「走ったから糖分消費したんじゃい。それくらい目ぇ瞑らんかい姑じゃあるまいに」
(;‘∀‘)「分かりましたよぅ……他の研究員さんに怒られても知りませんからね!」
川 ゚ -゚)「ロマノフ博士はユニークな方ですね」
( ФωФ)「フハハ。ワシなぞ老いらくの徒花よ」
( ФωФ)「真にユニークなのは、クォッサ博士の発想と柔軟性ですぞ!」
.
13
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:06:33 ID:MB1Msye.0
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
( ФωФ)「クォッサ博士の循環エネルギー論の論文、読ませていただきましたぞ」バリボリ
( ФωФ)「あれこそまさに斬新にして質実剛健!!新時代の到来と言えましょうな!!」バリボリ
川 ゚ -゚)「ありがとうございます。その道の権威である博士に、そう仰っていただけるのは本望です」
( ФωФ)「しかし悲しいかな、博士の論文を実用化させられるだけの施設は、このアメリカでも数少ない」バリボリ
川 ゚ -゚)「えぇ。大規模なエネルギー発生装置と、相互循環機構の両方が無くては成し得ません」
川 ゚ -゚)「ですがこちらなら、すぐにでも私の理論の実証が可能なのではと思いましたので」
( ФωФ)「その慧眼は正しかったと言わざるをえませんな!!」バリボリ
( ФωФ)「ここならハイレベルな物理演算装置から本物のロケットエンジンまで、心ゆくまで手広く扱えますぞ!!」バリボリ
( ‘∀‘)「失礼いたします……」ウィーン
(;‘∀‘)「あっ!!博士また来客用のお菓子勝手に食べて!!」
( ФωФ)「糖が足りてないんじゃ糖が……クール博士もいかがですかな?」バリボリ
川 ゚ -゚)「いえ、紅茶だけで」
.
14
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:07:24 ID:uDn7yIV60
待ってた
15
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:07:24 ID:MB1Msye.0
.
川 ゚ -゚)「しかしなぜこんな街中に研究施設を?」
川 ゚ -゚)「郊外に立てた方が、騒音等の苦情もなかったと思うのですが」
( ФωФ)「それなのだよ!!クォッサ博士!!」
( ФωФ)「現在ワシは新たな研究対象を発見しましてなぁ」
川 ゚ -゚)「というと?」
( ФωФ)「ヴィランじゃよ、クール博士」
川 ゚ -゚)「ヴィランですか」
( ФωФ)「きゃつらは人としての常識を逸したパワーを持っている者がほとんどじゃ」
( ФωФ)「そしてその力は時に、覆しようのない物理法則すら容易く越えてしまう」
( ФωФ)「それを解明できれば、人類はまた一歩この宇宙の真理に近づくことが出来る」
( ФωФ)「そのためには、ヴィランの起こす現象をつぶさに観察できる街中がベストなんじゃよ!」
.
16
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:08:25 ID:MB1Msye.0
.
川 ゚ -゚)「しかし、確か博士の専門分野は機械工学とエネルギー力学だったはず」
川 ゚ -゚)「ヴィラン研究というと、博士の専門分野外なのでは?」
( ФωФ)「なぁに、ここには数多の学術分野の専門家がおりますでの」
( ФωФ)「彼らと協力すれば、いつかヴィランたちの力の謎も解明出来ましょうよ」
川 ゚ -゚)「なるほど。確かにヴィランの生態には、私も興味を惹かれるものがあります」
( ФωФ)「じゃろう?老いた脳細胞には、なおのこと良い刺激じゃよ」
( ФωФ)「おお、そうじゃ!実を言うとこの研究所にも、ヴィランの研究を始めた研究員がおりましての」
( ФωФ)「施設見学がてら、話でもしてやってくれませんかの?」
川 ゚ -゚)「良いのですか?研究の邪魔でなければよいのですが」
( ФωФ)「よいよい。耳の穴かっぽじって聞かせますわい」
.
17
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:09:29 ID:MB1Msye.0
.
( ФωФ)「おぉーい。アーサーやー」テクテク
(-@∀@)「おや、博士。こんなところに顔を出すなんて珍しいですねぇ?」
( ФωФ)「お主、いま時間はあるか?あるな、あるに決まっとる。よし来い」
(;-@∀@)「相も変わらず強引でらっしゃる……何の用件かくらい仰ってくれても良いのでは?」
( ФωФ)「なに、ちとお主に会わせたい人物が来ておってな」
( ФωФ)「こちら、循環エネルギー論の著者であるクォッサ=サリエリ博士じゃ」
川 ゚ -゚)「どうも、初めまして」ペコリ
(-@∀@)「おぉ、なんと!!貴女があの論文をしたためた、若き才媛でらっしゃいますか!!」
( ФωФ)「こやつはさっき話した、ヴィラン研究家のアーサー=ピーコック博士じゃ」
(-@∀@)「どうもどうも。私、只今紹介に預りました、アーサー=ピーコックと申します」
(-@∀@)「人体力学と人体生理学を専攻しておりますよぉ」
.
18
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:10:29 ID:MB1Msye.0
.
(-@∀@)「クール博士の論文、私も読ませていただきました!」
(-@∀@)「エネルギーの効率利用化と運用法に関する全く新しいアプローチ!感激しましたとも!」
(-@∀@)「私は産業の歴史の変わる瞬間に、立ち会えたのかもしれませんなぁ!」
川 ゚ -゚)「ありがとうございます」
川 ゚ -゚)「人体生理学に関しては私は門外漢ですが、人体力学の分野ではアーサー博士に教えを請うこともあるかと思います」
(-@∀@)「ははは。あなたのような方に教えることが出来たとなれば、私も一人前ですねぇ!」
( ФωФ)「アーサーよ。彼女はヴィランの肉体構造について興味があるらしいぞ」
川 ゚ -゚)「はい。よろしければお話を伺わせてもらっても?」
(-@∀@)「おぉ、そうでしたか!よろしゅうございますよぉ!」
(-@∀@)「ささ、おかけなさいおかけなさい」
.
19
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:11:53 ID:MB1Msye.0
.
(-@∀@)「とはいえまだこの分野の研究は、ほとんど進んでいないも同然なのですがね」
川 ゚ -゚)「そうではないかと思っていました」
( ФωФ)「ほう。と言うと?」
川 ゚ -゚)「サンプリングがあまりにも少なすぎる、というのが一点」
川 ゚ -゚)「これは倫理的な観点はもとより、ヴィランに協力を仰ぐことの困難さにも依ると思います」
(-@∀@)「その通り!さすがクォッサ女史は問題点が分かっていらっしゃる」
(-@∀@)「奴らは素手で装甲車をも破壊する、人の形をしたモンスターなのですよ」
( ФωФ)「警察や、時には軍隊の手にも余る者を、一介の科学者がどうすることも出来ん」
川 ゚ -゚)「出来るとすれば死亡したヴィランの検死でしょうか」
(-@∀@)「名のあるヴィランほど、死体の挙がるような死に方はしませんでしょうなぁ」
川 ゚ -゚)「なるほど……問題の根は思ったより深そうですね」
.
20
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:12:50 ID:MB1Msye.0
.
(-@∀@)「それでも、擬似的な形でのデータ収集はコツコツと積み上げてございますよ!」
川 ゚ -゚)「擬似的……?」
( ФωФ)「クール博士は、ヴィランと対になるヒーローなる者の存在はご存知ですかな?」
川 ゚ -゚)「えぇ。聞き齧った程度ですが、ヴィランと戦い治安を守る者もいるとか」
(-@∀@)「彼らは能力的には、ヴィランと比べても何ら遜色はないのです」
(-@∀@)「ただ違うのは、それを悪用する意志があるか否かだけでございます」
(-@∀@)「ですからまず私とロマノフ博士は、彼らに聞き取り調査をすることから始めたのです」
( ФωФ)「すると、彼らの大半は元は我々と同じ、普通の人間であったということが判明したんじゃよ」
川 ゚ -゚)「ふむ……では、彼らと我々を分ける物とは、一体何だったのでしょうか?」
(-@∀@)「それなのですが……ヒーローとなった人間には、みな一様に共通点がありましてね」
川 ゚ -゚)「興味深い。その共通点とはなんです?」
(-@∀@)「彼らはみな、夢を見ているのでございますよ。クォッサ博士」
.
21
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:13:40 ID:MB1Msye.0
.
川 ゚ -゚)「ほう……?」
(-@∀@)「なんでも彼らは、あの力を得る以前に、何者かに語りかけられるような夢を見たとか」
(-@∀@)「暗闇の中で、ぼんやりと光る発光体に話しかけられたと」
(-@∀@)「惜しむらくは、会話の内容まで覚えている方がいなかったということでしょうかねぇ」
川 ゚ -゚)「まるでSF映画かおとぎ話のような話ですね……疑う訳ではないですが」
( ФωФ)「だが、統計は恣意的な物でない限りは嘘をつかんよ」
(-@∀@)「なにぶんヒーローの数も乏しいので、今のところ二十名ほどしかデータは取れていませんが」
(-@∀@)「その半数以上が、夢をきっかけに能力に目覚めたと言っているんですねぇ」
川 ゚ -゚)「二十名ですか。まだまだ情報量としては不足していますね」
(-@∀@)「えぇ、えぇ。今後新たにヒーローとなる方の誕生が待たれますねぇ」
.
22
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:14:34 ID:MB1Msye.0
.
(-@∀@)「ところで、クォッサ女史?」ソワソワ
川 ゚ -゚)「はい?」
(-@∀@)「実を言うと私、博士のお話も聞いてみたいのですが〜……」
( ФωФ)「なんじゃ、お前は。クォッサ博士はこれから施設見学じゃぞ?」
(-@∀@)「あの革新的な論を見せられて、話もしたくならないのはモグりでしょう!」
(-@∀@)「お時間は取らせません、五分……いや三分で結構ですから」
川 ゚ -゚)「そんなかしこまらなくとも、好きなだけ質問なさってください」
( ФωФ)「これでは、どっちが年長者か分からんな……」
(-@∀@)「またまた〜!ロマノフ博士も座談は望むところでございましょう?」
( ФωФ)「う、うむ……まぁ、な……」ソワソワ
川 ゚ -゚)「では、見学は後に」
( ФωФ)「すみませんなぁ、クォッサ博士」
.
23
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:15:13 ID:MB1Msye.0
.
川 ゚ -゚)「しかし、こういう言い方は僭越ですが」
( ФωФ)「うむ?」
川 ゚ -゚)「二人とも本当に無邪気で、研究に対して熱心であられるのだなと」
(-@∀@)「それだけが取り柄のようなものでございますからねぇ〜」
( ФωФ)「ま、こやつからそれを除いたらメガネしか残りませんからな」
(;-@∀@)「もっと残りますよ!失礼な!」
川 ゚ -゚)「フフ……私もそうありたいものです」
ヴィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!
川 ゚ -゚)「……?」
( ФωФ)「おや?」
(-@∀@)「何でしょう、この音?」
( ФωФ)「これは……市の非常事態警報じゃな?」
川 ゚ -゚)「何かあったんでしょうか?」
.
24
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:16:04 ID:MB1Msye.0
.
(-@∀@)「ちょっと待ってください。今調べますから」カタカタカタ
川 ゚ -゚)「すみません、お手数をおかけします」
( ФωФ)「して、なんじゃって?」
(-@∀@)「ん〜……どうやら複数のヴィランが、街で暴れているらしいですねぇ」
(-@∀@)「暴動の危険性があるので市民は警察の指示に従って避難するように、と」
( ФωФ)「なに!?本当か?」
川 ゚ -゚)「そんなことがあるんですか?」
(-@∀@)「いえいえ。ヴィランは基本的に単独行動を好みますから、我々も始めての経験ですよ」
( ФωФ)「フム……よし、いっちょ表に出るか!!」
.
25
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:17:28 ID:MB1Msye.0
.
川 ゚ -゚)「そうですね。我々も早く避難した方が……」
(-@∀@)「え?」
( ФωФ)「え?」
川 ゚ -゚)「……違うのですか?」
(-@∀@)「あぁ〜……いえあのですね、我々としては研究対象であるヴィランを間近で観察できるチャンスでして」
( ФωФ)「詳細な検査は出来なくとも、目で見て初めて分かることも多くありますでな」
川 ゚ -゚)「では、まさか現場まで行くのですか?」
( ФωФ)「えぇ。クォッサ博士は他の職員と避難していてくだされ」
(-@∀@)「貴重なお話の機会を、こんな形で失いたくはなかったですがねぇ」
川 ゚ -゚)「……承知しました」
.
26
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:18:32 ID:MB1Msye.0
.
(;‘∀‘)「博士ー!!」ウィーン
( ФωФ)「おん?なんじゃ大声出して」
(;‘∀‘)「避難警報聞こえてなかったんですか!?他の皆さんはもう逃げ始めてますよ!!」
(-@∀@)「あ、我々ちょっと出かけますんで、皆さんお先に避難なさってください」
(;‘∀‘)「こんな時にお出かけ!?」
( ФωФ)「これだけの研究対象を目の当たりにして科学者が逃げられるか!!」
(;‘∀‘)「そんなこと言ってる場合じゃないですよ〜……」
(-@∀@)「ガーナさん、避難区域はどこまで指定されてました?」
(;‘∀‘)「市内全域ですけど、経済センタービル周辺の住民は特に危険なので早い避難をと……」
川;゚ -゚)「……!?」
(-@∀@)「なるほど経済センタービルの周辺に行けばヴィランがいると!」
( ФωФ)「ナイス情報じゃ!」
(;‘∀‘)「あぁっ、火に油!!」
.
27
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:19:20 ID:MB1Msye.0
.
川;゚ -゚)「あの、すみません。経済センタービル周辺はいま危険なんですか?」
(;‘∀‘)「えっ……えぇ。お巡りさんが言ってたから間違いないと思うけど……」
(-@∀@)「どうかしましたか?クォッサ博士」
川;゚ -゚)「両親が、私を待つ間に経済センタービルで観光してゆくと言っていました……」
(-@∀@)「なんと!」
( ФωФ)「電話は、繋がらんのかね?」
(;‘∀‘)「多分ムリですよぉ……私も試したけど、回線が混雑してるみたいで……」
川;゚ -゚)「博士、私もお二人に同行させてください」
(-@∀@)「よろしいのですか?危険極まる行軍となりますが」
川;゚ -゚)「両親の安否が気になります。お手間はかけさせません」
( ФωФ)「……分かりました。くれぐれも気をつけてくだされ」
(;‘∀‘)「勝手に決めないでくださいよぉ!!」
.
28
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:20:45 ID:MB1Msye.0
.
(-@∀@)「となれば私、さっそく車を回して参りますよぉ!」
( ФωФ)「いや、車じゃと避難しとる人間とかち合ってろくに動けん。ここはワシのハーレーで行こう」
川;゚ -゚)「ハーレー……?」
( ФωФ)「ワシの自慢の愛車じゃよ。フフフ……」
(-@∀@)「なんとハーレーで三ケツとは!!胸が踊りますねぇ!!」
(;‘∀‘)「ちょっと博士!クォッサ博士にケガでもさせたら責任問題ですよ!」
( ФωФ)「ガーナくん。これは人命に関わる問題じゃ。ここは一つ寛大な心で見逃してはくれんか」ポンッ
(;‘∀‘)「博士……」
(*>ωФ)「他のみんなには黙っててくれたまえよ☆」バチコーン!!
(;‘∀‘)「あぁ……もうダメだこの人……!!」
.
29
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:21:52 ID:MB1Msye.0
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
(;"ゞ)「署長!!フラバンヌ広場でヴィランの襲撃があったと通報が!!」
_
(;゚∀゚)「兄貴!!ファイリアストリートでヴィランが道路を封鎖しちまったって!!」
从#゚∀从「チィッ!!こっちは割ける人員なんざ残ってねーっつーの!!」
从#゚∀从「ジョー!!軍の連中はどうしてる!?」
_
(;゚∀゚)「ダメだ!!奴ら暴徒の鎮圧に手一杯でこっちまで手が回んねー!!」
从#゚∀从「余分に派兵しとけってんだバカヤロー!!ヴィランなめてんじゃねーぞ!!」
从#゚∀从「追加で支援要請出しとけ!!被害次第じゃ大統領のクビが飛ぶぞってな!!」
_
(;゚∀゚)「わ、分かった!!」
……ブロロロロロロロロロロ
从#゚∀从「……あん?」
.
30
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:23:19 ID:MB1Msye.0
.
( ФωФ)「Fooooooooooo!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ブロォンッ
(*-@∀@)「yaaaaaahaaaaaa!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
川; - )「……ッ」
ビュンッ!!!
从;゚∀从「どわっ!?」
从;゚∀从「な、なんだ今のは……?」
(;"ゞ)「新手の暴走族ですかね?」
从;゚∀从「祭りと見りゃ特に変なヤツが湧きやがるな……」
从 ゚∀从「あんな死にたがりのバカは後回しだ!!デルタ、オメーはジョーと避難民の誘導に当たれ!!」
( "ゞ)「了解!!」
.
31
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:24:16 ID:MB1Msye.0
.
( ФωФ)「ムッ!!」ブロンッ
(-@∀@)「どうしました?」
( ФωФ)「アーサー、聞こえんか?この先から発砲音がする」
(-@∀@)「本当だ。齢によらず耳がよろしいですね」
( ФωФ)「抜かせアホ。ここからは見つからんように徒歩じゃな」
(-@∀@)「クォッサ博士は大丈夫ですか?」
川;゚ -゚)「えぇ……少々動悸はしますが……」
( ФωФ)「ビルまではもう少しです。頑張りましょう」
川;゚ -゚)「はい……」
.
32
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:26:54 ID:MB1Msye.0
.
(-@∀@)「しかしまぁ何と言いますか……」コソコソ
タタァン!!パンパンパン!!
(-@∀@)「思っていた以上に大事になりつつあるようですねぇ」
キャー!!
( ФωФ)「当たり前じゃ。避難命令出とるんじゃぞ」ヒソヒソ
ウォォォォ!!
(-@∀@)「おぉ。軍も鎮圧に来なすってますねぇ」
(-@∀@)「分かっていたとはいえ、我々の場違い感は拭えませんな」
川;゚ -゚)「……」
( ФωФ)「クォッサ博士。心配せずともご両親はきっと無事じゃよ」
川;゚ -゚)「……はい」
(-@∀@)「どれどれ、今回の収穫は〜……肉体強化型ヴィランと異能型のヴィランが一体ずつですかね」
( ФωФ)「そのようだな」
(-@∀@)「これではさほどの収穫とも言えませんねぇ」
(-@∀@)「とりあえず録画だけでもしときましょうか」ジーーコ
.
33
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:27:50 ID:MB1Msye.0
.
(-@∀@)「軍はどう制圧をかけますかねぇ」
( ФωФ)「銃で包囲して終わりじゃろ。いくら強いと言っても人海戦術にゃ勝てん」
(-@∀@)「まぁそうなりますか」
川;゚ -゚)(お父さん、お母さん……どこ……?)キョロキョロ
ヒュウゥゥゥ……
( ФωФ)「ん?」
(-@∀@)「何でしょう、この音……?」
( #,,^Д^)「ヌオォォォォォォォォオオオオオオ!!!!!」ズドォンッ!!
(# ゚∀゚ )「ヒャアァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」ズドォンッ!!
川;゚ -゚)「……!?」
(;-@∀@)「あっ、あれは!?」
(;ФωФ)「ビッグ・トレジャーと……なんじゃあの男は!?」
.
34
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:28:54 ID:MB1Msye.0
.
(# ゚∀゚ )「シャアァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
( #,,^Д^)「オオオオォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!」
川;゚ -゚)「す、凄い……弾丸を全て弾いてる……」
川;゚ -゚)「けどなんで全裸……?」
(;-@∀@)「あの男、ビッグ・トレジャーと互角に渡り合っておりますよ!!」
(;ФωФ)「一体何者……」ハッ
(;ФωФ)「……そういえば昔、警察関係者から聞いたことがある」
(;-@∀@)「なんですって?」
(;ФωФ)「数年前、身の丈ほどもある刃物を持って大暴れしたヴィランがおったと」
(;ФωФ)「今は鳴りを潜めているらしいが……それがあの男なのか?」
.
35
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:30:44 ID:MB1Msye.0
.
(;-@∀@)「身の丈ほどもある刃物……」
(# ゚∀゚ )「シャラァッ!!」ザンッザンッ
( #,,^Д^)「ヌゥッ!!」ヒュンッ
(;-@∀@)「確かに、持っておりますね……」
(;-@∀@)「もしやあの方、ビッグ・トレジャー級の怪物なのでは?」
川;゚ -゚)「二人の走った跡がクレーターになっています……」
(;ФωФ)「このような現象は初めて見る……アーサー、録画を!!」
(;-@∀@)「はい、もちろん!!」ジーーコジーーコ
.
36
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:31:19 ID:qkPS3g2o0
しえん
37
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:31:43 ID:MB1Msye.0
.
(;ФωФ)「しかし、ヒーローとヴィラン……よもやこれほどのものか」
(;-@∀@)「えぇ。ここまで破壊に特化した生物とは……」
川;゚ -゚)「見て下さい。彼らの衝撃で飛散したアスファルトが、コンクリートの壁に突き刺さってます」
(;ФωФ)「ほとんど隕石のような物ではないか……迂闊に動けんぞこれは」
(;-@∀@)「一体どこから、あのような運動エネルギーが捻出されるやら」
川;゚ -゚)「……ビル、大丈夫でしょうか」
(;ФωФ)「……すまん。これは安易に大丈夫と言えるか分からなくなってきた」
(;ФωФ)「今はご両親が、すでに避難しておることを願おう」
.
38
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:33:05 ID:MB1Msye.0
.
(# ゚∀゚ )「トレジャァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
(# ゚∀゚ )「逃げるんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
(#,,^Д^)「お前こそ、今すぐ破壊活動を止めるんだ!!!!ファニー・フェイス!!!!」
(# ゚∀゚ )「ハッ!!俺を止めたきゃ……」ググンッ
(# ゚∀゚ )「テメェが死になッッッ!!!!!!!」
ファニーフェイスは一瞬刃を引き、腰に強力な『溜め』を作った!!!
その溜めを解き放つや、刃はバネを得たかのように鋭く回転する!!!
( ,,;^Д^)「ヌゥッ……!!!」
( ,,;^Д^)(いかん、これは……避ければビルに直撃する!!!)
( #,,^Д^)「オオオオォォォォォ!!!!!」
百戦錬磨のビッグ・トレジャーは、その攻撃が不可避であることを即座に悟った!!!
故に、襲いかかる刃を拳で迎え撃ち、その軌道を反らそうとしたのである!!!
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39
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:34:29 ID:MB1Msye.0
.
だがしかし!!!ファニーフェイスの挙動は、その動きをさらに上回った!!!
( ゚∀゚ )「ヒャハッ……!!」ニタァッ
彼は、ほんの一秒にも満たい瞬く間に!!!
拳から刃が逃げるよう軌道を変え、トレジャーの脚を狙ったのだ!!!
( ,,;^Д^)「何ッ……!!?くぅっ!!!」
さすがのトレジャーといえど、これには緊急回避を取らざるを得なかった!!!
とっさにジャンプしかわした刃は、ピザにピックを立てるがごとく、ビルの壁面へと容易にめり込んだ!!!
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40
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:35:22 ID:MB1Msye.0
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ファニーフェイスの刃は
(;-@∀@)「あっ!?」
激しい衝撃波を迸らせながら
(;ФωФ)「なんじゃと……!?」
質量の差など物ともせずに、ビルを真っ向から分断した!!!!!
川;゚ -゚)「お父さんっ、お母さん!!」
.
41
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:37:20 ID:MB1Msye.0
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(;ФωФ)「マズイ!!!逃げるぞ!!!」
(;-@∀@)「はいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
川;゚ -゚)「……!!」タタッ
(;-@∀@)「あっ!!ダメですクォッサ博士!!そちらは危険です!!」
(;ФωФ)「いかん!!走れアーサー!!」
(;ФωФ)「クォッサ博士ーーーーーー!!!!」
川;゚ -゚)(お父さん、お母さん……!!)
川;゚ -゚)(どうか、死なないで!!)タタッ
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42
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 16:38:20 ID:MB1Msye.0
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轟音と共に崩れ去る、かつてビルだったコンクリートの塊。
それが頭上に降り注いだ瞬間、クォッサ博士は、闇の中に意識が消え去るのを感じた。
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