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『スウィート・メモリーズ』ロールスレッド

1 J ◆4J0Z/LKX/o :2016/09/10(土) 22:14:51 ID:???
遠い昔の話だ。劣等と優越は互いに惹かれあい、
しかし相容れぬ性質は互いにそれを狂わせた。

狂った優越は劣等を捨て、
狂った劣等は優越を求めて心を病んだ。

優越を追えば世界という壁が二人を阻み、
そして劣等は世界を敵に回す事を心に決めたのだ。

境界が形を失い世界が解放されるその時、
”世界の境界線”を巡る決戦が幕を開ける。

甘い記憶を呼び起こし、
心を重ね、解けよ。

亡きものたちを想え。
彼等を偲べ。

126 ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/02/13(月) 22:43:53 ID:???
「……ふぅっ……」

ふと、肩に入っていた力が抜けて行くのが分かる
バケツから徐々に水を落とすような感覚だ、同時に漏れる吐息は室内に溶ける

「これで安心だってんですねぇっ」
「……ともあれっ……」

取り敢えずの最大の問題は無事に解決しそうではある
だがこの先をどう動くべきか、それは不明瞭なままだ
さてはてどうしたモノだろうか、小首を傾げて月光を撫でる

127 ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/02/13(月) 22:52:12 ID:???
>>125
随分と図太い奴なのか、ただの馬鹿なのか。そこんところもついでに教えてもらおうか
【剣を抜きこそしないが、腕を組んで片眉を吊り上げる様は明らかに良い感情を抱いてる様には見えない】
【スニフを勝手に拝借しながら、面倒が増えたとため息を漏らすのであった】


俺の中毒もこんな風に治らないかな……
【ファンタジー世界ならではの治療法を興味深そうに眺めるソーマタージ。物珍しいものは嫌いではないのだ】
【ダグラスとかこの世界の事は興味無いが、この治療法だけは別だ。拷問の手口に使えそうだと内心ニッコリ】


これで一先ずは安心、ってか?アー疲れた。コーヒープリーズ
【椅子にドッカと腰掛け、気怠げに足を組む】
【大まかな目的は達成出来たが、これからどうするかを考える必要がある。特に、ここから別の世界に移る方法とかだ】

…何かいい案無い?今なら突飛な事言っても、怒らないかもだぞ

128 幕間 『父と子』 :2017/02/13(月) 22:53:47 ID:???
>>126
「……」

ここに来てから、ダグラスと再会を果たしてからずっと気を張っていたニア。
ようやく重荷が降り、安堵した様子を見て、ジョシュアもまた鼻から息を吐いて視線を逸らした。
その先にあるダグラスの顔、まるで死んでいるかのように安らかな”寝顔”だ。

と、

「――!」

それに最も早く反応したのはジョシュアである。
ニアが撫でた月光が窓より漏れる月の光を反射し、それがダグラスの顔を照らしたその時。
ほんの僅か、微かではあるがダグラスが眉を顰めたのだ。

「(気の所為じゃねェ……今動いた)」
「(まだまだ死ぬ気はねェってコトかよ、隊長)」

まだ望みはあるなと心の中で再確認。治療を続ければいずれは目を覚ます筈。
その時のニアの顔を想像して、想像しきれずに思考を放棄した。
彼女の心のうちなど、今やジョシュアにすら分からない。判る筈もない。

129 ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/02/13(月) 23:01:50 ID:???
>>127-128
「……中毒、治したかったってんですねぇっ……」
「……」

てっきりありのままがいいのかなーなんてソーマタージに対して思っていただけに意外そうにして呟く
月輪の虹色を頬に受け、微かに反応を示す彼に
しかしニアは微細な変化をも起こす事はない
ただ、そうなるべくしてなったのだと、確信めいた感覚を持っているからだ
無言にしていてだけれども、その表は誰にも覗く事が出来ない向きで彼に対して眼差されている

「……取り敢えずっ……」
「今まではえーっとぉ……ただ進めば別の世界に行けてましたってんですけどっ……」

130 幕間 『父と子』 :2017/02/13(月) 23:09:50 ID:???
>>127
『前にも言った通りユピ=セセットと私は親友……それ以上でも、以下でもありません』
『彼はここに住まうワームとは部族(トライブ)が異なります……敵になる心配も無い』

ソーマとジョシュアの疑問に対して、静かに、そして要点だけを告げるシェグムント。
エリシウムから逃げ延びる際に怪我をしているユピ=セセットを救い、そこから少しだけ旅路を共にした関係だ。

「ま、その案なんだがよ……無いこたァ無いぜ」
「それにはまずこのオッサンを俺達側に引き入れる必要があるが……まァそこは大丈夫だ」

「……オッサン、越境者なんだろ?」

元の世界に戻るプランをジョシュアは買い出しに際しいくつか用意していたようだった。
だがその為にはまずシェグムントに自らの身分を打ち明け、すべて承知の上で協力してもらう必要がある。
ゆえにジョシュアはエルミスとミスカから聞いた情報を元に、シェグムントが越境者であるということを推察していた。

『……いかにもね、君たちも越境者なんだろう?おおよその目星はついていたから、こうして正体を暴露する事が出来た』
『信頼を勝ち取るには、私から腹を割って話す必要があるからね、だがエリュシオンの人間相手ではリスクが高すぎる』

ミスカ「エリシウムの聖騎士になるには、外界からの侵入者を倒す事の力を持つ必要がある……」
ミスカ「シェグムントさんが私のように聖騎士であるなら、越境者だということは確実……ですから」

かつてミスカがそうであったように、エリシウムの女王ガブリエラに仕える為には越境者となる必要がある。
越境現象とその漂着者について理解し、正しく処理できるよう教育されるのだ。
その教育の一環として、王都の中央図書館からランダムな異世界に放り出される。これがミスカの越境の始まりでもあった。

エルミス「でもなぜミスカに?彼女は王都人、それも聖騎士隊の一員だぞ」

『……しまった、ガブリエラ様には告げ口しないでくださいね』
『でないと私、殺されてしまいますから……』

『というのは冗談で……何でしょう』
『彼女になら、どのような信頼でも寄せてもいい……そう思ってしまったんです』
『妻に似ているからですかね……あはは』

聖騎士隊にこの事が露呈すれば、追われる立場にあるのは勿論のこと
下手をすれば命すら危ういようなことをしでかして逃げ延びたのだろう。
冷や汗と共に頭を掻いて、シェグムントはずれた眼鏡を治した。

131 ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/02/13(月) 23:23:24 ID:???
>>129-130
たまに思うのさ。もしオレが…もしもだ、もっと真っ当な生活を送っていたら、どうなっていたかってね
クスリも銃も戦も無い、退屈で平和な生活だったら……
【ニアの言葉に俯向き、ボソリボソリと呟くソーマタージ】
【幼い童か、死にかけの老人めいた弱々しくブザマな雰囲気を醸し出しつつも、その口調は忌々しい物を口にするかの様だ】

……なーんてな。まさかマジに取ってないよな?頼むぜ
俺はもしもの話はしない主義なの。過去とかクソ喰らえ
【顔を上げれば先程までの空気は消え、いつもの飄々とした、狂気を湛えた瞳が爛々と輝いているが】


意外と多いんだな、越境者……。高校生の頃のあいつもそうだったのかな…
【シェグムントの言葉にボソリと呟き、頭を掻く】
【彼の話には茶々を入れず、真剣に耳を傾ける。必要な情報だと感じたからだ】
【この国の話、シェグムントの経歴、その他色々を聞いていると成る程腑に落ちた】

……アンタが越境者なのはいいとして…仲間にして、どうやって帰るんだ
せっかちなんだよ俺は。そんな顔してるだろ?
【勝手にスニフを平らげ、シェグムントを指差す】
【納得も信用もした。だが、帰る手段を聞かないことにはどうにもならない】

132 幕間 『父と子』 :2017/02/13(月) 23:32:59 ID:???
>>129 >>131
「それについちゃ考えがあるが……今の正確な時間を知る必要があるな」
「ミスカ、シェグムントに時間を聞いてくれ」

ミスカ「分かりました。…シェグムントさん、今は聖暦何年ですか?」

『今日かな?えーと……948年の朝露の月 34日だね』
ミスカ「えっ……」

ソーマタージとニアの抱く共通の疑問、どのようにして”いま”から”未来”へと越境するのか?
それについての答えは、ジョシュアの中で少しずつ固まりつつあった。
だがそれにはまず現在の時間を知る必要がある。ジョシュアはミスカにエリュシオンでの時間を聞いてくれと頼んだ。
ミスカであればエリュシオンでの時間が分かる。ミスカ側の時間と照らし合わせてどれだけのズレが生じているのかが分かるのだ。

『どうかしたかい?でも急にどうしてそんなことを?』

ミスカ「エルミスさん……」
エルミス「ああ」

「何だよ……俺達にも分かるように説明しろよ」

シェグムントの告げた時間を聞けば、ミスカは目を丸く見開いてエルミスを見つめた。
エルミスはそれに続いて頷き、シェグムントの残りの越境者達は何事だろうと首を傾げるだろう。

エルミス「ジョシュア、奇妙な事だが……」
エルミス「俺達は……”あの日”から丁度……15年前に越境したようだ」

テッセラクトによってもたらされた時をも超える越境現象。
それはジョシュアらをあの日あの時、テッセラクトに巻き込まれたあの時点から寸分狂わず15年前へと越境させたのだ。

「今の時間がわかりゃまぁ、それほど大した時間差でもねェ。十分修正が可能な範囲だな」

「そのまま15年過ごすってのも悪くはないが……仲間がヨボヨボになるのは御免だ」
「つーワケで作戦会議、シェグムントにも手を貸して貰う必要があるなこりゃ」

「この世界には幸運な事に越境ポータルがある。王都のど真ん中の上流階級しか立ち入れない区域にだ」
「で、ミスカとシェグムントの身分証があれば聖騎士に変装してごり押しで入れる」
「一旦中に入ったらあとは強行突破、ボロが出るまでの間にポータルを乗っ取って俺達は別世界に移る」

「この時に重要なのが移動する世界線だ、この時俺らはなんとかして【29世紀の遠未来】に行かなきゃならねェ」
「俺が初めて越境した世界だ。ここには進んだテクノロジーがわんさかある」
「流石にタイムマシンはねェが、似たようなモンはある」

「コールドスリープ、加速器、宇宙船でのスリップスペース航行……」
「なんらかの手段で体感時間をかなり抑えつつ、15年後の未来まで物理的に到達する」

「最高なのはコールドスリープだ。死ぬ確率も少ないし寝てる間に未来に辿り着ける」
「……こんな所だが、どォだろ」

133 ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/02/13(月) 23:33:01 ID:???
>>131
「過去は大切だとは思いますってんですけどぉ、それでももしもの話はしないってのは同感だってんですねっ」
「まぁそしたらっ、退屈で銃に手を出してますってんですよっ」

その狂気の宿る瞳に微笑み返す
各々に様々があって今がある
今に満足しているか否かは別として、ニアは皆の今が、こうして共にいられる今が好きだ
故に茶化すようにジョークで返せた、言葉の裏に今の皆がいいのだと意味を含ませる事が出来た

134 ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/02/13(月) 23:39:45 ID:???
>>132
「15年っ……ですかぁっ……」
「……ふぅむっ……」

反芻して呑み込み、口元を曲げた指で覆った
コールドスリープ技術に関しては何かを感じる事はなかったが、いざ体験する可能性が出てくるとあれば別だ

「……なんとなぁくっ……」
「時間軸のズレを、越境中に誤魔化せないかなぁってのは思いますってんですけどっ……」

思い付いたのは先ずは自身の体感時間の事だ
衰退世界で3年を過ごしたが、同じより早く生まれたはずのタェンティースは未だ製造後半年と少し
越境仲間の傭兵クルトにも起こっているような、主観時間の経過のズレが生じているのだろう
それを上手い事任意で起こせないだろうか、との事

「あんまりほらぁっ、寝てるだけってのは……ちょっとぉ……」

要するにコールドスリープは最終手段としたいと思っているらしい

135 ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/02/13(月) 23:40:20 ID:???
>>132
俺は十五年ぐらい平気だけどな…。明日天気になあれ全巻読んでたら十年二十年なんて一瞬よ
【冗談を返すとは、マジで嫌がってる時か面白そうだと感じた時かだ】
【楽しそうではある。失敗してもまあ、その時はその時だろう】
最期に楽しめるんならそれでも良いわな。乗ったぜ

その遠未来に行く手段が検討ついたら教えてくれ。それがなきゃ、意味無いんだろう?

136 ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/02/13(月) 23:43:52 ID:???
加速装置、良いじゃあないか。ガキの頃憧れてたなぁ、そういうの……
何、十五年なんてすぐさ相棒。俺が言うんだから間違いない
【既に正常な時間軸を感じることの出来ないこの男は、コールドスリープやら何やらが無くても存外平気ではあるだろう】
【それを黙っていたのは、単に水を差したくないのと、退屈になりそうだからだ】

乗ったぜ。その案。準備はいつからだ?

//途中送信申し訳無いす……

137 幕間 『父と子』 :2017/02/14(火) 00:02:18 ID:???
>>134
「越境の時間軸のズレは正確性に欠ける。俺が20年幽閉されてた時にそっちじゃ数か月しか経ってなかった時みてェにな」
「つまりコントロールが効かねぇ、100年後に飛ばされでもしてみろ、今度こそ帰れなくなっちまう」

人間は時間に逆らって生きてゆくことのできる生き物ではない。
異能を持っている越境者といえども、そうした行為のできる者はごく少数に限られるだろう。
それにもし時間軸のズレに乗れたとして、未来へと進めば今度こそ戻れなくなってしまう。

「それに時間のズレこそあれど、俺達は確実にある一定の時間の流れを進んでるようにしか思えねェ」
「例えば2033年世界に越境して20年経ってたとしても、すぐ元の世界に戻った時にそっちも20年進んでる訳じゃねェだろ」
「先に進むにはあくまでその世界の時間の流れに乗らなきゃいけねェんだ。越境を繰り返せばジャンプできるってモンでもなさそうだろ」
「世界によって時間の流れ方が違ったとしても、やっぱ何処かで時空の流れは繋がってるんだと思うぜ」

>>135 >>136
「俺だって身体はヘーキだ、グリードが癇癪起こさなきゃな」

ジョシュアの寿命も実質理論上は永劫に近い。
人間であることを捨て無機生命との融合を選択したジョシュアにとって肉体的な制約はもはやないに等しい。
されど肉体は不滅でも、精神はどうか。現にジョシュアという存在は風前の灯だ。
ひとたび自我を見失えば姿形すら人間を離れ、食欲に支配されたただの怪物へと成り果ててしまう。

「だが一番ヤベェのは過去を変える事、とりわけの自分と出会っちまうコトだ」
「俺達が過去へと向けて越境したあの時間までにヘタに世界をイジってもみろよ、俺達のいる未来はパアだ」

「別の未来が生まれちまうってこたァ、別の俺らが生まれるってコトだ」
「下手すりゃ生まれねェか、生まれてても死んじまってるカモ。そうなりゃ俺らは……ポン、消えちまう」

握っていた手を開いてみせて、ジョシュアはソーマタージに告げる。
どこか狭い小部屋に引きこもるのならともかく、あちこちウロチョロして下手に歴史を変えてしまってはまずい。
その為のコールドスリープ、歴史との干渉を避ける手段なのだと。

「だからなるべく大人しくして、世界に干渉しないようにすんだ」
「その為にゃコールドスリープが最高だが、起きてたいんなら加速器の中で延々回るか宇宙船をジャックしてワープを繰り替えすかだな」

「作戦の決行は明日だ。修正する時間差は少ない方がいいからな」
「まずはシェグムントに身分証と鎧を借りる。そっからセントラ大陸に渡って、エリシウムを目指す」

「計画通りに行きゃ一ヶ月以内に元の世界に戻れるさ」

//イベントの方針説明回でした。今回はコノヘンデ!

138 ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/02/14(火) 00:12:01 ID:???
>>137
「なるほどぉっ……」

そう簡単なモノではないなと再認識
唸って2度小さく頷いて、そしてコーヒーを啜る
少しのミルクと砂糖の味が心地良い
ともあれ今は、こうしていられる事実に感謝するしかなさそうではあった

//ありがとうでした、お疲れ様ですよー

139 ロストメモリーズ :2017/03/01(水) 22:05:49 ID:???
――2033年世界 ボストン地下水道

『やあ久しぶり、グッドマンだよ』
『ついに作戦決行の日だ。諸君、気を引き締めて頑張ってきてくれ』

HEXA本社の真下に位置する閉鎖されたトンネルの一角、グッドマンの拠点ともなっているそこは、
ボストンに無数の網目のようにして巡らされている水道への入り口を兼ねる場所である。
越境者を用いたコントラクトは珍しい物でもない、差異自体は攻撃を仕掛ける相手がそこそこ大規模だと言う程だ。

『はいこれ、無線機と焼夷弾……あと脱出装置』
『JAUNTSHIFT Mod.0(ジョントシフト モッドゼロ)、名前の通り越境装置の試作品だ』
『業界最速で越境できるけど、越境地点はランダムだから戻って来るのに時間が掛かるカモ』

差し出したのはHEXA製の試作越境装置、高速での転移を目標として作られたもので、
座標の計算、設定、越境実行を一瞬で可能にするためのデモンストレーション用に造られたものだ。
ゆえにこれを用いて思い通りの場所に行くことはできないが、行き詰った場合などに逃げる手段にはなる。

『今回の我々の目的は生物兵器の破壊と、その一切の情報の抹消だ』
『生物兵器の出所はISAC、使い道も特性も分からず処遇に困り果てていた時にHEXAが強奪し今に至る』

『いくつもの偶然が生まれて出来たモノ故に再生産は絶対に不可能な唯一無二の代物だ』
『ゆえに一度破壊してしまえば私達の勝ちなのだけどね、確実な抹殺の為に関連情報も全て破壊してくれ』

本題に入れば、何故ここまで回りくどい方法で越境者を雇い、周到に用意をしていたかが分かる。
越境者とも距離の近い組織であるHEXAへの襲撃作戦。それも単なるカチコミではない。
しかもその目標が対エーカー戦線の中心人物たちに近しい者とあっては、雇う人物すら厳密に吟味する必要があるのだ。
言うなればこれはカノッサ対エーカーの大喧嘩の中、一時的とはいえエーカーよりの位置に着いてしまう事を意味する。

『コードネームは”NYX”、見つけ次第一切の躊躇なく抹殺しろ』
『可愛らしい外見に騙されるなよ、アレの本質は限りなく恐ろしいモノだ』

140 ギャラエ 【くるりリデレクト】 :2017/03/01(水) 22:23:09 ID:???
>>139
「暗ーい、狭ーい」
「もう少しいいオフィスにしてはどうなんですか?」
「……あぁ、これがそうなんです? へー……ほー……」

ほぼ第一声がそれである
室内においてもハート型のサングラスを外していない、まるでその奥のエメラルドの瞳を隠しているかの様だ
モッドゼロを受け取ればマジマジ見詰め、興味深そうにほうほう唸る

「えぇ、破壊ですね破壊、デストロイ」
「任せて下さい、私そういうのもう本当に得意ですから」

信頼度で言えばもう全くといっていい程のアレだ
だがしかしそれでも、動ける駒としては実戦経験も豊富であるしビジネスライクな部分も無くはない
尚彼女はカノッサに身を置いているが、その組織そのものに忠誠を誓っている訳ではないのだ
むしろ彼女のかつての仲間達に対する意識の方が余程優先される

141 ロストメモリーズ :2017/03/01(水) 22:47:28 ID:???
>>139
『お金ないしねぇ、目立つ場所にあると見つかっちゃうじゃない』
『それにほら、こういう場所の方が雰囲気あって、こう……正義の味方感あるでしょ?』

『まぁ、君を雇う事になるとは思わなかったけど……仕事はきっちり、ね』
『戦利品として、NYX関連の情報以外は持ってっていいから』

グッドマンはギャラエの事を知っている。あれだけ派手に事を起こしていれば当然でもあるが。
火事場泥棒を容認する形で引き入れたのだろう、契約に背きさえしなければ所属は関係ない。

『そんな訳で、実行に移すとしようか』
『水道から上層に上がればすぐ本社ビルだ、これを着て行動してくれ』

彼を挟むようにして立っていたケーニッヒとアードリゲ、彼の付き人。
そのうちの小柄な女性、アードリゲが、自分の着ているものと同じフードつきのローブを渡した。
あらゆるセンサーでの探知を防ぎ、攪乱する素材で出来ているという。
これによりビル内部に潜入した際に、身元がバレる事は無い。少なくともそれを脱ぐまでは。

『このビルは40階建て、一般社員の立ち入りできるフロアは35階まで』
『それより上はこの企業の実態を知る僅か数十名だけが立ち入りできる場所だ』

『天井のある35階まで直通のエレベーターはこの中央エレベータだけだ』
『レベル5以上のICカードを持つ者だけが操作を許される特別なモノだから、そこらのセキュリティからカードを手に入れても乗る事はできない』

時は移り変わり、ビルのエントランスまで到達した越境者達。
フードをしている時点で立派な不審人物ではあるが、すぐに撃たれるなりすることはない。
越境者達の侵入に気付いた警備員が無線で連絡、すぐに応援が駆け付ける。
それまでの間にケーニッヒが警備員の数を確かめ、アードリゲはエレベーターの場所を目視で確認していた。

『そこでケーニッヒがエレベーターシャフトに侵入し、物理的に暴走させて無理矢理ジャックする』
『研究施設自体は地下にあるんだけど、NYXだけは例外で39階にケージがある、やはり上へ昇る必要があるんだ』
『其処でエージェントがNYXの面倒を見てる、つまりそれの破壊前に最低でも一人のエージェントと戦う羽目になるね』

『36階からはまた新たな吹き抜けが39階まで繋がっている』
『螺旋状の階段が吹き抜けに設置されているから、そこを駆け上がれば目標の場所まではすぐに辿り着く筈だ』

『くれぐれも40階には原則立ち入るな、目標を達成したらすぐにジョント・シフトを起動させるんだ』
『0.2秒でこの世界とはオサラバだ、報酬についての連絡はそこから端末を通してくれ、通常の回線で構わない』

淡々とオペレーションの解説が入る中、ケーニッヒとアードリゲは静かに、そして冷静に作戦をこなしてゆく。
ケーニッヒが無線機でアードリゲに警備員の数を伝えれば、アードリゲはこくんと頷いてローブの中に手を突っ込んだ。
それに反応した警備員が、アードリゲに向かって声をかける。ほぼ全員の警備員の視線がアードリゲに向いた。
それと同時にケーニッヒが移動を開始。人込みに紛れなるべく気付かれないように、地下施設へと続く防火扉目掛けて駆ける。
アードリゲを取り押さえようと駆け付けた警備員数人の首が飛ぶ。それと同時に鳴り響く爆発音。
ケーニッヒが防火扉を蹴り開けたのだ。重機にも匹敵する馬力で、むりやり力でこじ開けた。
けたたましく鳴り響く警報と、惨劇を目にした群衆から叫び声が上がるのは同時であった。

『では仕事を始めようか』
『諸君、世界を救うぞ』

【警備員殲滅:エントランスには10人弱の警備員が存在し、ケーニッヒとアードリゲの奇襲により混乱状態にある】
【素早く殲滅することによって、増援到着前にエレベーターをジャックすることができる】

142 ギャラエ 【くるりリデレクト】 :2017/03/01(水) 23:00:48 ID:???
>>141
「下水道住みの正義の味方ですかぁ……」
「亀か黒猫? 辺りでしょうか?」

小首を傾げて小さく嗤った
そして報酬のオマケ……否、彼女にしてみればそちらが本命なのだろう
その話を聞けば満足そうに三度頷いて応じる

「気前が良くていいですね、そういうの、私好きですよ」

そんでもってエントランス

「私だったら私が来たら速攻射殺しますけどねこれ……」

フードを目深に被り、更にハート型のサングラス
変人以外の何者でもない、不気味ですらある
ともあれ2人が行動を開始、実に手慣れた迅速なモノだと内心

「わぁ、とっても素敵な響き」
「憧れていたんですよね、ヒーローとかそういうの」

「最も、

大まかに警備員の方向に向けて左手を伸ばした
手のひらを翳す格好、距離も離れている
直後に轟音、可視性をも帯びた衝撃波が爆発的に放たれる
予め吸収していた、超高圧の破壊エネルギーを解放したのだ
警備員達を、雑踏諸共粉砕すべく轟くそれは余りの威力に10m以上の射程距離をも有していた

……なろうと努力した事は一度もなかったですけど」

143 ロストメモリーズ :2017/03/01(水) 23:17:08 ID:???
>>142
『うわぁぁァァッッ!!』
『て、テロだ!!警備部門を……ぎゃ!!』

ギャラエの放つ衝撃波に粉砕され、あるいは怯まされるセキュリティたち。
アードリゲがその脇を駆け、刈り残しに止めを差して回る。
突風の様に吹き荒れるそれに巻き上げられ、影が和らいで一瞬露わになる口元。
そこにはギャラエの力を称える様な笑みが浮かんでいた。まるで品定めをしているかのような。

結果として連携攻撃によってセキュリティは全滅。応援を呼びつけるよりも前にエレベータを掌握することに成功した。
アードリゲが中央エレベーターのパイプをぶった切って、そこでようやく目視する事が出来るだろう。
彼女の得物は剣だ。細いサーベルのような二振りの剣。それを目にも留まらぬ速度で振るっていたのだろう。

アードリゲ『………』

やがて剣を鞘に納め、くいくいとギャラエに手招きするアードリゲ。
彼女が切り拓いたパイプの中、エレベーターの上に乗れと言うのだろう。
剥き出しのワイヤーと隣り合うのはリスクが高いが、扉が開けられないのであればやむを得ない。
バランスを崩せば擦り潰され、また透明である為に周囲から狙い撃ちにされる可能性もある。

ケーニッヒ『押さえた、乗っているな?』
ケーニッヒ『私はこのまま地下を壊滅させる、お前達はアリスを破壊しろ』

やがて二人がエレベーターの上に乗れば、というより乗った瞬間にエレベーターは急発進。
ケーニッヒから通信が入り、エレベーターのモーターを暴走させた旨が伝えられるだろう。
その速度は通常の昇降の倍近く、立っているのもやっとである。
さらに最上層に到達する際にタイミングよく飛び降りなければ、天井とエレベーターに挟まれオダブツという訳だ。
アードリゲは腕を組んで目を閉じ、じっとその機を伺っている。

144 ギャラエ 【くるりリデレクト】 :2017/03/01(水) 23:24:53 ID:???
>>143
「……ご覧の通り、暴力しか脳のない人間なんですよねぇ私」

けらけらと嗤って歩きエレベーターへ
道中靴を汚さない様にするのを意識した
そう言えば今日のスニーカーはお気に入りなのだから
ひょいと何の躊躇もなく飛び乗り、高速での浮遊感を味わう
サングラスの下に隠された瞳は細まり、口は半月めいて釣りあがっていた

「……ハンバーガーの気分が味わえるまたとない機会みたいですけど、」
「よぉく考えたらそんな体験、する必要もありませんね」

やがてその瞬間が来るや刹那
まるで階段を一段抜かしで降りる様な仕草
大ごとではないのだ、この位のムーブは

145 ロストメモリーズ :2017/03/01(水) 23:36:10 ID:???
>>144
『……』

彼女のジョークをそのままの意味で捉えたか、
食べ物になりたいの?とでも言いたげな顔つき、腕を組んだままギャラエに怪訝そうな眼差しを向けている。
やがてエレベーターが最上層に到達する一歩手前、キラリと刀身を光らせ、その直後には姿が消える。
衝突音と煙がシャフトから噴き出るその頃には、ギャラエと肩を並べて35階の床に立っていた。

辺りを一瞥してみれば、なるほど一般企業めいたものとは程遠い内装。
黒を基調とした装飾に蒼い照明やライトがピカピカと。目に悪いと僅かに眼を細める。
秘密基地めいたインテリアは悪役に相応しいな、などと考えながら刀を抜いた。

だがどうも妙だ、エージェントの一人や二人、待ち構えていてもおかしくない筈なのに。
静かすぎる、目標のある39階まで誰一人としてこの企業の裏を知る職員が待ち受けていることもない。
ふい、とギャラエへ視線を合わせ、罠であることも示唆しつつニュクスのケージを目指す。

146 ギャラエ 【くるりリデレクト】 :2017/03/01(水) 23:44:25 ID:???
>>145
「……いいセンスしてますね、これはなかなか」

こちらは皮肉ではなく、本心でそう思っているらしい
色々とギャラエの趣味が残念なのは仕方ない、というより見た感じ明らかであろう
そんな軽口を叩きながらも警戒は怠っておらず、しかしその実妙な静けさに不信感も抱いていた

「……目を合わせて何秒でしたっけ、恋愛感情を抱いているって直感的に思わせる秒数があるんですよね」
「えーっと、7秒でしたっけ……半端な時間だった気がするんですけど……」

そんなこんなで囚われの檻へと向かうふたり
静謐の中、響く足音と喋り声

147 ロストメモリーズ :2017/03/02(木) 00:03:16 ID:???
>>146
ギャラエのその言葉を聞いてか、七秒手前で視線を逸らした。
その先にあるニュクスの檻、檻とはいえ見た目は監視室に近い。
グラスコートされた鋼鉄製のドア、防弾ガラスで四方を区切られ、外部からのみ内部を見る事が出来る。
ニュクスを完全に封じ込め、外部からのみ干渉が可能ないわば密閉容器、ハザードシェルターのようなものだ。

???『あら』

そしてそこへ足を踏み入れたふたりに、声をかける初めての遭遇者。
黒の礼服にコートを羽織った、病的なまでに白い肌と、それと同じ色の髪を持つ女。
虚ろな目をしてぐったりとしたニュクスを膝の上に乗せて抱きかかえ、弄んでいた。
この組織のボス、ヘキサ・アクチュアル。オメガ・インフェリオリティその人だ。

オメガ『いらっしゃい、二人とも』
オメガ『思ったより速かったね、ニュクスのおうちへようこそ』

ニュクスの手首を掴んで、そのまま為すがままに振らせてみせる。
完全なる待ち伏せ、周囲には一切の書類が無い。襲撃自体が読まれていたか

『我々の動きが読まれていた……か』
オメガ『いいや、君たちが私の脚本通りに動いてくれていたのさ、グッドマン』

オメガ『今日は良い日だ、ケーニッヒとアードリゲが居ない今、確実に君を殺せるのだから』
オメガ『そして……私は目の前の彼女らでNYXの性能を測る事が出来る』

動揺するグッドマンに、まるで無線の会話が聞こえているかのようにオメガは割り込む。膝の上のニュクスを愛でながら。

『売女が……謀ったな』
エツィオ『動くなよオッサン』
ハッシュ『両手を組んで膝をつけ、早く』

ハッシュ『……はやく、……しろ』
『ぐっ!!……お手柔らかに頼むよ、足が悪いんだから……うぅっ!!』

グッドマンが悪態を吐く。それと同時に扉が蹴破られ、エージェントが突入する音が聞こえた。
銃を向けられ無力化され、そのまま床に倒された。そうして鈍い殴打音。グッドマンは敵の手に堕ちた。

ハッシュ『その必要はない……エツィオ、連れてって』
ハッシュ『尋問したら、その後で殺す』

ワザとらしい演技がかった声、直後に無線連絡が途切れた。
隠れ家が壊滅し、完全に追いやられたという状況らしい。

148 ギャラエ 【くるりリデレクト】 :2017/03/02(木) 00:15:17 ID:???
>>147
「……ふむ? フムン、フンフン……?」
「……あっぶな、私達地下に居なくてよかったですね……」

即座に数で制圧されてしまっては流石に、何が出来る訳ではない
逆に言えば恐らくは目の前の脅威にのみ集中すればいい今のこの現状の方がマシだと、そう言う意味であろう

「あー……」
「実戦テストですか? 私達で?」
「……お辞めになられた方が良いとは思いますよ御大将」
「……私達はその気になればここを後にする事が出来る」
「お土産を残して、ですね」

その声は粘り気を帯びた霜のようで、脳障りな気配を多分に孕む
手渡されたモッドゼロと、そして焼夷弾
すぐさま何方をも使用可能な状態で潜めてあるギャラエ、恐らくは戦力比に於いて大いに相手側に傾いている今でさえ絶望を感じては居ない

「……あー、」
「それにほら、報酬が無いってなったら私」
「働く意味もありませんし?」

じり、と摺り足
取り敢えず物陰へと転がり込めるような位置取りを行なっているのだ

149 ロストメモリーズ :2017/03/02(木) 00:34:15 ID:???
>>148
オメガ『辞めないよ、辞めはしない。この日をどれだけ待ちわびたコトか』
オメガ『マウスィム、私はお前達に勝った。この子はその証明だ』

くすくすと笑みを浮かべながら、余裕の表情を見せつけながら。
相も変わらずニュクスを弄びながら、そうして終始ギャラエの表情を観察していた。

オメガ『さぁお行き、ニュクス……立ちはだかる障害は消し去るんだ、たとえどんなにちっぽけなモノだろうとね』

す、とオメガがギャラエの眉間に指を向けたその瞬間、ニュクスはふらりと立ち上がり、ギャラエをじっと見つめる。
ほんのわずかに前傾姿勢になれば、その背から生えた刺々しい、ドス黒い触腕が目にも留まらぬ速度で延びて。
ギャラエの脳髄までを貫く……その手前、額にこつんと触れた所で止まる。外傷すら与えぬほどの髪の毛一枚ほどの隙間。

オメガ『……ん?』

何故止まった?動作が不完全?それともオメガの気まぐれ?否、それはオメガの意識が一瞬、ギャラエから逸らされたからだ。
それと同時にニュクスの動きも止まった。涎を垂れ流しながら虚ろな目でじっとギャラエを見つめてそのまま硬直。
オメガの意識の先には、ある聞き慣れた作動音。始めは小さく、されど徐々に大きく。迫る”羽音”に眉を少し潜めた。

オメガ『おっと……これは予想外だ、ドク……そんな命令を出した覚えはないぞ』

ぴくり、とオメガ表情が引き攣るのが判る。オフィスの窓の地平線から、のそりと顔を覗かせた巨体。
プラズマエンジンを搭載した巨大な”蜂”、スクランブラー・ホーネットが”針”を剥き出しにしてギャラエ達を睨んでいたからだ。

オメガ『ニュクス、やっぱりいいや……戻ろう』
オメガ『君たちも機銃掃射が来るより前に……ここから逃げた方がいいんじゃないかなぁ』

ニュクスを抱きかかえて戦闘体勢を解除させ、自らのオフィスと脱出口のある40階へと退くオメガ。
あのままここに留まっていれば、蜂の機銃掃射に巻き込まれるのは必至。妥当な判断だ。
操縦席でパイロットの隣に立つドクは、少し安堵したような、一方ある種憎悪を含んだ顔つきで越境者らを見つめる。
そのまま砲撃指令を出せば、ホーネットの機銃がギャラエ達目掛けてスピンアップ、ワンテンポ遅れて火を噴いた。

150 ギャラエ 【くるりリデレクト】 :2017/03/02(木) 00:42:40 ID:???
>>149
「……ふゥん……?」

その名を聞いた刹那
半月の上に位置する悪趣味なサングラスの奥の瞳は凍てついた炎を宿す
綽々と生きる彼女の、明確な敵意だとか害意の現れだ
彼女に取って彼女自身の存在はギャラエであり、それ以外の何者でもない
そしてそれ以上を知ったモノに対する処遇はいつも決まっているのだ、彼女はそれを是が非でも成さなければならない

「……」
「……そうさせていただきましょうか」
「ただやっぱり、この空間……思ったより悪趣味、よく見れば好みじゃあありませんでした」

モッドゼロと焼夷弾を起動させ、片方を残してこの場から消える

151 ロストメモリーズ :2017/04/04(火) 14:32:58 ID:???
その日、ボストンの街は混乱と悲鳴で満たされた。

爆炎と灰燼の舞い散る中、ジョントシフト試作型を起動させて消えるギャラエ、続いてアードリゲも装置を作動させた。
グッドマンが処刑される光景を無線機を通じて聞き届けながら、ぎりりと歯噛みしながら放電を伴い跳んだ。

ロケットポッドが撃ち込まれ、ビルは中腹からくの字に折れ曲がって傾く。徐々に歪みを増してゆく巨体。
ケーニッヒが地下階を滅茶苦茶に破壊し尽くしていたこともあり、高層ビルは自らの重さに耐え兼ね、根元から折れ曲がり始めた。
瓦礫とガラスの破片を階下やストリートに撒き散らしながら、ついに圧倒的質量は落下を開始した。
シージ・オブ・シャンハイを彷彿とさせる。ボストンの湾へと向けバラバラに砕け散りながら倒れるHEXA本社ビル。

すぐにOSATが駆け付けるであろう、グッドマンの事前の手配によってHEXAがカノッサ傘下の系列組織であるとのリークを施していたからだ。
本来であれば間も無くOSATとHEXAとが正面より衝突を果たしていた筈だ、しかしその直前でHEXAが自壊を果たす事となった。
OSATの一団が到着したその頃には、既にHORNETも、NYXの痕跡も。全てが平等に消え失せ、そこに残るは数を増した謎のみだ。

突如街中に飛来した謎の降下艇によるHEXA本社への爆撃、それが表向きに公表された事件のカタチ。
ISAC側はこれをエーカーによるカノッサ組織への攻撃と断定、米国議会ではISACにマサチューセッツの運営権を委任するクライスラー条約が締結。
軍拡の際に州議会の顔色を伺う必要が無くなり、ボストンだけではなくマサチューセッツ各所にOSATが配備されることとなった。

そしてこれを機にUSSワールシュタットの退役、解体が正式に決定。以後はランドマークとして改装され、ボストン湾に永久に鎮座することが決まる。
さらに解体されたワールシュタットの部品や動力機関を用いて新たなISAC旗艦、”USSヴァルキリーII”を建造することが決まり、
ワールシュタットとは異なり比較的小型軽量で、大気圏内運用を主目的としたヴァルキリーIIが以後OSATのヘッドクォーターを担う事となった。
こうして2033年世界のボストンは徐々に、しかし確実に大きな争いへの道を歩み始めることとなったのだ。

そして、この日を境に新たな勢力が頭角を現し始めることとなった。

それはカノッサでも、エーカーでもない。完全なる第三勢力。必要とあれば誰にだろうと牙を剥く。
その名はニュー・ヘイヴン。ボストンの近隣、コネチカットに位置する都市と同名の組織である。
カノッサなどの既存の勢力と全く異なる点は、損得勘定の一切存在しない貪欲な活動方針にある。

ニュー・ヘイヴンはあらゆる世界に現れる。
幾多もの世界に触手を伸ばしては、その世界の特異点的遺物、または特異能力の持ち主を狩り、自らの”胃袋”に持ち帰る。
限りなく貪食なこの組織は、発覚から数週間足らずでほぼ全ての境界線上で、それらの世界に対する敵対行動を取った。
だがこの組織を止める者は、止められるものはいない、それが可能な者達はみな、この”時代”には存在しないのだから。

時を超えた守り人たちの不在を良いことに、世界の腐食は徐々に進んでゆく。

152 ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2017/05/20(土) 21:54:21 ID:???
―過去の神話世界エリュシオン エスタ大陸 泉の渓のエリッタ

シェグムント『ジョシュア、エルミス』
シェグムント『君達……私に何か隠し事をしているんじゃないかい?』

15年前の世界に越境して二日目、険しい表情のシェグムントが一行の元へとやって来たことで朝が始まる。
シェグムントの診療所をフルに活用することでなんとか全員分の寝床は確保していたのだが、まぁ狭い。

石の床に獣の毛皮で造った寝袋を敷いて眠っていたジョシュアとエルミスがまず呼び声に呼応するように目を覚ました。
患者用のベッドはみなダグラスと女性陣の為にあてがわれ、男どもはすぐ傍の床で雑魚寝である。

ジョシュア「何だってんだ……このクソ早くに……」

促されるままにジョシュアは起き上がり、続いてエルミスがジョシュアの後を追ってシェグムントに付いてゆく。
通されたのは越境者らが不意のアクシデントにより過去から連れて来てしまった男、ダグラスの眠る病室。
シェグムントがドアを開けると、そこに眠っているダグラスの姿は無い。空のベッドにジョシュアは顔を顰めた。

ダグラス『……シェグムント、彼等は……』

シェグムント『彼はダグラスと名乗った……黄金色の髪ゆえに失念してはいたけど……』

声のする方へと視線を向ければ、ジョシュアは目を大きく見開いた。
血に塗れたボロボロのワイシャツ。腕を組み、窓の外の仄暗い空を見つめる人影。
ちらりと振り返ればその顔つきが露わになる。白金の頭髪に顎髭。銀色の瞳でジョシュアらを見つめる。

ジョシュア『どうして13代目の勇者が居るのかってハナシだろ?誘拐してきたワケじゃねェよ』
ジョシュア『そいつも未来の人間だ。この世界のダグラスはまだハタチにもなってねェガキだろ』

ダグラスとはこの世界に於ける、当代魔王を討伐する定めにある人物、言うなれば”勇者”である。
それが傷だらけの死にかけで運ばれてきたと知れば殆どの人間は困惑するだろう。
シェグムントもそのうちの一人、ジョシュアは当惑し、こちらを問い詰めるシェグムントを説得する。
彼はこの世界よりも未来の人間、そしてジョシュアらの時代よりも過去に住まう人間であること。
本来ならばこの世界に居るべき存在ではないということを。

シェグムント『じゃああの、ミスリルの剣を持った逃亡騎士の話は……』
ジョシュア『でっち上げだよ、嘘に決まってんだろ』

シェグムント『だと思った!!あんな強力な祝福……勇者の剣以外にそうそう見ないよ』
シェグムント『マナを吸ってくれる霊樹の傷当てがマナで飽和するし、急いで剥がしたら傷が塞がり掛けてるし……流石に肝を冷やしたね』
シェグムント『勇者の肉体がマナ中毒になる訳がないし、衰弱からの回復が早いのも納得だ』

説得の末、シェグムントはすんなりジョシュアの主張を受け入れたようだ。
元より彼等の存在が現実離れしすぎているのだ。今更何が起こった所で些細な疑問にしかなり得ないのだろう。
それにエリュシオンの勇者が襲われただの、そういった報せもない。そのような事があればエリュシオン中に噂が広がるだろう。
魔王の勢力拡大を食い止めるかすかな希望、それが襲われ死にかけているとあれば人類の存亡に関わる大事件であるからだ。

シェグムント『でも……だとするとどうして彼は自らの剣で自分を傷つけたんだろう?』
シェグムント『それに、エリッタに立ち寄ったあの黒いローブの男は……』

エルミス『話し込むのも結構だが、通してやってくれないか』
エルミス『何より先にダグラスを見たい人間が……そこに居るだろう』

ダグラスを横目でチラ見しつつ腕組みしてそわそわと落ち着かない様子のジョシュアと、顎を持って俯き加減に思案するシェグムント。
そんな二人の間に割って入ったのはエルミスだ。もうウンザリとでも言いたげな表情で。
もっと大事な事があるだろうと、ジョシュアとシェグムントを引き離して、病室に通じる道を作るのであった。

153 ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/05/20(土) 22:04:03 ID:???
「んむむ、み、見えないってんですっ……!」

ひょっこらひょっこらひょいひょいっと、一同の後ろで飛び跳ねて室内を見ようとしているニア
タイドメイカーの触腕で体を持ち上げればいいのだが、何故かそれは憚られた
多分この場に於いて何処までもただ、ひとであろうとしているのであろう

「起きたってんですかっ? お加減どうだってんですかっ?」

誰かしらの肩に捕まって跳躍、病室内の人物へと元気で、心配を多分に孕んだ声を掛けるのであった

154 ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/05/20(土) 22:06:27 ID:???
>>152
「今時の医者は睡眠管理までしてくるのか。
 傭兵は早起き出来ない。次までに覚えとけ」
【不機嫌そうな声と共に、目元を擦りながらベッドの下から這い出てくるのはソーマタージ】
【掛け布団代わりのボロボロのコートを放り、関節を鳴らして着いていくと、件の"勇者"が待っていた】

「話が早くて助かるよ。強引に分かってもらう必要もなくなった」
【腕を組み、割とすんなり受け入れてくれたシェグムントに鼻を鳴らす】
【ウダウダ言われるのなら、殺してでも黙らせる事を考えていたが、杞憂に終わったようだ】


「厄介事はゴミ箱に、面倒事はまた今度、涙もちょちょ切れる感動の再会といこう。
 ……いや、俺は感慨も感動もクソ程もないけどな?」
【初対面だし、と居心地悪そうに一歩引く】
【流石にこういう時の空気は読めるのだ】

155 アキレス&ベティ>521-522と>215 ◆eZKgukyN3c :2017/05/20(土) 22:11:48 ID:???
>>152
「ふぁぁぁぁ・・・・あと五時間」
―――ギィ!!
「アバーッ!」

なんか起こしに来たシュグムントにめげず寝返りを打つアキレス
だがベティのクラブハンマーで強制起床

とりあえず白髪な男がいて 何か小難しい話をしている

「・・・・・・・・・」
とりあえず沈黙を保つ なぜかって?
話が全く分からないから余計なことを言うことすらできないからだ

156 ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2017/05/20(土) 22:32:26 ID:???
>>153
ダグラス「悪いな、まるで身体が鉛になったようだ」
ダグラス「……君たちは?」

ニアに身体の調子を問われれば、ダグラスは腕組みしたまま憮然とした表情で答えた。
以前のような温かさや優しさは影すらなく、それはまるでニアと出会う前の彼のような冷酷さを秘める。
そしてジョシュアを凍り付かせたのは、その言葉の後に発せられた問いだ。
ダグラスはニアとジョシュアを差して、彼等が何者かを問うたのだ。

「は……?何言ってんだダグラス……俺が分からねェのか?」
「ジョシュアと……ニアだよ!俺ァあんたの部下で……ニアは……!」

流石にジョシュアも黙っていられなくなった。ダグラスに詰め寄り、自らの胸とニアを差して訴える。
されどダグラスは浮かぬ顔。ジョシュアもニアも。何者であるかを分かっていないようだった。

エルミス「……記憶が混乱してるのか?」

ダグラス「エルミス……!私は……ここは何処だ?」
ダグラス「髪が伸びたな……それは誰に結んでもらった?そんなに洒落っ気は無かった筈だ」

エルミスもさすがに焦りを隠し切れなくなったようで、ダグラスの顔を覗き込む。
と、ダグラスはエルミスに対して反応を見せた。彼の顔を見て確かに顔色を変え、口元をほころばせたのだ。
これはジョシュアの知る所ではなかったが、ダグラスとエルミスとは生まれた頃からの親友である。
尤もダグラスが物心付いたときには、エルミスは今の姿であったが。

>>154 >>155
シェグムント「私は早起きだよ、おかげでほら、こんなに元気いっぱい」
シェグムント「君もジャンキーみたいな生活を止めて、偶には身体にも気を遣うんだよ?」

ヘラヘラ笑いながら肘でソーマの脇腹を小突く。
シェグムントに言わせてみれば身体に悪いものばかり好み早起きが苦手というソーマの生活態度はまるで子供のそれだ。
我が子に言い聞かせるように、それは逆を言えば口やかましいオフクロ的鬱陶しさを孕む。

ミスカ「おはようアキレス、あの人、もう目を覚ましたんだ……?」
ミスカ「ふぅん……」

ダグラスの生い立ちを知っているとはいえ、ミスカはその回復能力に感嘆の声を漏らしていた。
彼女の親友であるエドもまた、戒めの血を引いた勇者の血統と言える。
となるとエドにもあんな力が備わっているのかな、といった疑問が脳裡をよぎったのだ。

「……状況が変わったみてェだ」
「あいつにとっちゃこの場の全員……初対面らしィ」

認めたくはねェが、ジョシュアはそう続け、ダグラスから離れて壁にもたれ掛る。
20年以上ぶりの再開だというのに、彼はジョシュアが誰かを分かっていないのだ。
流石のジョシュアも、どこか呆然としたように。生き甲斐を喪ったかのように放心していた。

>>ALL
ダグラス「……ふむ、鈍っているな」

首に手を当ててぐるりと回し、そうして小さく呟く。
全身の筋肉が凝り固まって、まるで生気を抜かれたように体が重い。
聖務に復帰する前にこれをどうにかする必要がある、ダグラスは思案した。

ダグラス「君達……が何者かは知らないが、恐らく私の命を救ってくれたのだろう、感謝する」

胸に手を当てて礼を述べる。そうしてワイシャツを脱ぎ払えば、着替えとして置いてあった質素なチュニックを着る。
随分と不格好だが、今はこれでいい。仕立てた鎧は必要ない。

ダグラス「礼の一つも出来ないが……もう一つ頼まれてやってくれないか」
ダグラス「身体が思うように動かないんだ、私の稽古の相手をしてくれ」

越境者相手に提案するのは、勘を取り戻すための稽古である。
いきなり魔王の城に乗り込むわけにもいかない。先ずはコンディションを整えることが先決だ。
既に魔王はアキレスらによって倒されているが、過去の人間たる彼の記憶の中ではまだである。

157 アキレス&ベティ>521-522と>215 ◆eZKgukyN3c :2017/05/20(土) 22:41:32 ID:???
>>156
「みたいね よくわかんないけど」
―――ギィ!!

寝ぼけ眼であくびをかみ殺しながら 挨拶を返すアキレス
ベティは今日も元気いっぱいだ

さて 頼み事があると言われれば なんと組手のお誘い

「えぇ〜・・・俺殴り合いの方はちょっと…」
確かに魔王を倒した経験はある だがあれはただ剣の切っ先を魔王に向けて突進しただけと言うか 単なる体当たりと言うか
兎に角腕っぷしはさっぱりなアキレスである

「俺なんかとやったら腕更に錆びつくんじゃね?」
と懸念である まぁやるとなったら誰かしらにひきずりだされる事になるでしょう

158 ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/05/20(土) 22:41:35 ID:???
>>156
「……、」
「……わ、私はぁっ、」
「ニアって言いますってんですっ」
「『ダグラスさん』には、そのっ……」
「前にっ、とっても、とっても、お世話になったってんですっ……」

その時のニアの表情を形容する言葉は、きっと存在しない
大いなる情愛を取り戻したと同時に失い、しかし確固として目の前に存在するという奇跡
それをそれで良しとするのか否かの判断を決する事が叶わないのだ
ニアの名も、剣も、そして命すら
全てを与えた男がすぐ手を伸ばせばそこにあって、それだけで感無量
しかし足りない、不足に感じてしまう部分も無論にある
微笑みながら泣きながら、それでもニアは言葉を掛ける事が出来た

「……稽古」
「……お稽古っ!」

一語一句を聞いて噛み締めるように
そしてその中のひとつの言葉を聞き逃す事など、勿論しなかった

「よろこんでってんですっ」

ふふん、と月光を翳して見せる

159 ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/05/20(土) 22:45:30 ID:???
>>156
「面白いことを言う輩だな。気に入った。機会が来たら真っ先にブチ殺してやるぞ…!」
【フフン、と鼻で笑うが、その表情は険しい】
【彼がオカン的に敵意をむき出しにする理由はちゃんとあるのだが、今はまだ語るべきではない】


「…記憶喪失ってヤツか。そういう時もある。
 こればっかりは、時間が解決してくれるだろうさ。下手に弄ると却ってよくない」
【Hmm、と口元を隠して考え込み、あっけらかんと返す】
【本来なら死ぬはずで、助かっても数日寝込んでいたのだ。悪影響が残ってない方がおかしい】

「マジか。命の恩人にそんな事頼んじゃう?」
【片眉を吊り上げ、思わず思ったままの言葉が口をついて出る】
【模擬戦自体はどうこう言う気はない。だが、相手が伝説級の勇者となれば流石に気が引ける】
【「加減できるんだよな?」という猜疑の目をジョシュアに向け、決めあぐねる】
【他の人が了承するのなら、一応参加はするだろう】

160 ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2017/05/20(土) 23:03:17 ID:???
>>157
「何だアキレス、まさかビビってんのか?」
「男は度胸って言うだろ、大丈夫だよ殺されやしねェって!」

ジョシュアはこう言ってはいるが、確かに前衛タイプではないアキレスにとっては少々辛い提案かもしれない。
その場合はミスカと仲良しピクニックコース(オッサン二人が付属)コースが待っている。
既にミスカはお昼ごはんを作りにキッチンへと走っている。七八が居れば賭博の準備を始める頃合いであろう。

>>158
ダグラス「そうか……宜しく頼む、ニア」
ダグラス「その剣は……私も持っている」

ニアの言葉に素っ気なく返すも、流石に月光の剣には興味を示したようだ。
食い入るように見つめ、鞘から刀を抜くような、ニアにとっては見慣れた仕草。
されど彼の愛刀たる月光は出てこない、それもそのはず、ニアが彼を助け出す際、ビルの最上階に置いてきてしまったのだから。

ダグラス「……?、剣が出ない」

エルミス「……当たり前だ、あれは聖剣を打ち直したモノだからな」
エルミス「ダグラス……お前が自分で、あの子に託すと決めたんだ」

ダグラスはエルミスの言葉に首を傾げていたが、僅かに眉を顰めていた。
それはただ県が無くなった事への驚きを現すだけの仕草ではないということは明らかだろう。

>>159
「俺は参加するぜ、ヤツの顔をブン殴りてェ」
「ニアにあんな顔させるためにあいつを連れて来た訳じゃねェんだ」

ジョシュアはやる気満々、ここでダグラスを斃せば勇者を斬った男として箔が付くことは確か。
しかしジョシュアの上官ともなれば、中々曲者だというのは言われずとも察する事は出来るだろう。

>>ALL
ダグラス「ふむ……では宜しく頼む」
ダグラス「武器が無いからな……私は木剣で戦うとしようか」

木剣を片手にぱんぱんと当てながら、ダグラスは越境者に取り囲まれた状態で呟く。
武器は真剣、手加減無し。その方が戦いの感覚に近いからだとダグラスは言う。
ルールは単純、ウェポンズフリー。先に参ったを言った方が負けだ。

「丁度良かった、そのすましたツラを凹ませてやりてェと思ってたんだ」

ダグラス「……容赦はしないという事か……病み上がり相手に酷いものだ」
ダグラス「いいだろう……では、滅びよ」

両者の間には闘気が渦巻き、徐々に空間が滲み歪み始めていた。
正に火花散ると言った光景を、少し遠巻きに見つめるのはミスカとシェグムント。

ミスカ「滅びよとか言っちゃってるんだけどあの人大丈夫なんですかね……?」
シェグムント「あー……うん、大丈夫だと思うよ」

エルミスも含め、欠席組はこちらで仲良くピクニックだ。
エリッタから少しはなれた原っぱは朝露が冷たく気持ちがいい。服は濡れるが。

161 ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/05/20(土) 23:14:21 ID:???
>>160
「熱心なことで…。病人は労わってやれよ?」
【周りはやる気らしい。特にヤる気満々なジョシュアにちょっと引きつつも、参加】


「アンタは真剣じゃなくていいのか?いいなら別にもう言わねーけど」
【大剣を軽々と担ぎ、念のため言っておく。どうも調子が狂う】
「…模擬戦なんて、最後にやったのいつだ?高二の夏以来か?」

「───イヤーッ!!」
【ダグラスが言うと同時、歪みだす空間の中、砲弾めいて突っ込む!大きく仰け反り、手には矢の様に引き絞られた大剣!】
【稲妻めいて接近し、まず彼の持つ木剣を体重と勢いを乗せた突きで破壊するつもりだ!】

【普段の得物とは違うため、やや精彩に欠ける武骨な突きは届くか】

162 ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/05/20(土) 23:16:25 ID:???
>>160
「……これっ、なんでしたら今だけお返しっ……」
「あ、大丈夫ってんですかっ? ……ではっ」

ニアが愛剣を手放す事は決して多くはない
彼女が越境を始めてから3年程だが、その中では衰退世界に於いて武器を奪われた時位のモノだ
それだと言うのに全くの気軽に賃借の申し出が出来る程度の仲なのであったと言う事であろう

そんでもって稽古戦の場へ

「……♪〜」

ニアは上機嫌に月光を構えていた
勿論模擬戦とはいえ戦闘である、軽く見ている訳ではない
ただそれでも、その仕草、挙動を見るだけで抑えられないのだ、堪えられない

「行きますってんですよぉっ!」

イナズマめいて突撃するソーマタージ、彼と異なる軌跡を描き駆け抜け鋭い刺突一閃!

163 アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/05/20(土) 23:21:17 ID:???
>>160
「び・・・bbbびびってねーし!?」
男アキレス虚勢を張るの巻き

そして虚勢を張った結果

「どうしてこうなった どうしてこうなった」
戦いのフィールドにご案内

「あぁもう虚勢張るんじゃなかった!! いくぞアキレスデモンレッグ!!」
ショートソードほどの長さの木刀を持ち 脚に青い霧を出す

「イィィィィヤッホゥ!!」
一気呵成に突撃を仕掛ける

164 ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2017/05/20(土) 23:30:09 ID:???
>>ALL
ダグラス「まぁ直ぐに分かる」

真剣を使わなくていいのかと問い詰められれば、首を振ってソーマを一瞥。
闘ってみればその理由が直ぐに分かるだろう、ジョシュアが生贄となった。

「舐めやがって……ブッ殺す!!」
ダグラス「ちゃんと構えろ、武器が泣く」

ナイフを構えて真っ先に突撃するジョシュア、ダグラスは木剣でそれをいなし、彼の手首を叩き落す。
なるほど真剣であったならば、ジョシュアの手首は飛んでいるだろう。

「クソがッ……!」
ダグラス「武器を振り回しているのか、武器に振り回されているのか、どっちだ?」

その後のジョシュアの反撃をいなし続けるダグラスであったが、越境者らは拍子抜けするだろう。
技巧こそ中堅の剣士以上のものではあるが、どうも動きにキレがない。
年相応の壮年の相手をしているが如く息切れも激しく、ジョシュアも全くダメージを受けていないのだ。

「おっと……」
「フム、良い突きだ。あの若者とは違うな」

三人の突きが一斉に迫り来れば、それが命中する寸前に身を引いて回避を試みる。
しかしソーマの刃を脇腹に喰い込ませ、そのまま膝をついてしまう。

「もう一度……お手合わせお願いできるかな?」

困ったような笑顔を浮かべ、三人に向けて指を一つ立てる。
ジョシュアは呆れて踵を返してしまった。ただの老兵を甚振るのは趣味ではない。
ただその背中には、呆れと同時になんらかの失望のようなものもあった。
彼の記憶のダグラスはもっと強く、そして絶対に膝をつかない男であったからだ。

165 ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/05/20(土) 23:41:05 ID:???
>>164
「……っ、とっとっ!?」

刺突を躱され二歩、たたらを踏んだ
確かにジョシュアの攻撃を否し、三人の波状攻撃にも対応して見せた
成る程充分強い、しかし勇者であればそうではない

「……いいですってんですけどっ、怪我ぁ……」
「へーきだってんですかっ……?」

ふむ、と身を引いて重心を背後に
ゆらりと揺れる動き、首筋から出でる1本の触腕に体重を支えられたのだ
ニアは多くの戦術や戦法を学び編み出している
そしてその中で、対人戦剣技に於いて有用な場合が多いのがこれである
つまり真剣、先程より余程本気の攻勢の構え

「……へーきだってんですよねっ」
「だってぇっ、あなたはぁっ……」
「……ニアのパパだってんですからっ!」

「本気だってんですよっ……月、光ォォッッ!!」

触腕で地面を強く叩く
自然、跳ねて前方へ飛翔する体
先と同じく突撃、だが速度が段違いに疾風い!
月光を構え全霊、雷閃が如き刺突を解き放つ!

166 ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/05/20(土) 23:41:51 ID:???
>>164
「素っ首落として……アレ?」
【左手の裾から飛び出した短剣を逆手に持ち、ダグラスに放とうとして───止まる】
【単純に拍子抜けしたのだ。想像と余りにもかけ離れている。伝説とか勇者とは程遠い、ちょっと腕の立つ老兵程度だ】
【ゆっくりと数歩下がり、大剣と短剣をクルクルと回して鞘に納める。その表情は浮かばない】

「…水入ってると思ってヤカン持ち上げたら空だった感じー…。
 あいつ本当に勇者か?老人虐待は嫌いじゃないが、直に死ぬぞ、このままじゃ」
【さらに数歩下がり、首を少しだけ傾けてニアに耳打ち】
【彼女の記憶のダグラスは、この程度だったのだろうか】


「え?あ、ああ…それが望みなら」
【困惑しつつも、頼まれたなら付き合う。再び大剣を構え、ダグラスに斬りかかる】
【勢いも力も、先程の突きよりは弱い。精彩の欠けた、やや力任せの武骨な剣術だ】

167 アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/05/20(土) 23:44:14 ID:???
>>164
とりあえず一端はこちらで勝つことができたらしい
だがジョシュアがなんか離れて行ってしまいました

「ちょちょちょ・・・ジョッシュどうしたのさちょっと…えぇとちょっと俺離れるわ」
ダグラスに愛想笑い一つ 木刀担いで戦線離脱

「ねぇちょっとジョッシュどうしたのさごご機嫌斜めじゃない?」
離れるジョシュアについていくアキレス

168 ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2017/05/20(土) 23:51:38 ID:???
>>165
ダグラス「クッ……」

呻きを上げる勇者、ぱぱは呻きを上げない。
ニアの渾身の一撃に押し切られ、一歩後ずさる。勇者は退かない。

ダグラス「はぁッ!!」

なんとか受け流し、追撃の形で木刀を振るう。
ひゅんと空を切る音は弱々しく、しかし先ほどより強い。

「もう一度……手合わせ願おう」

>>166
ダグラス「手を……ッ」

ソーマの斬撃は先ほどよりも手加減の為されたものだ。
ダグラスはそれを両手で力一杯に握った木剣で受け止める。
刃が欠け、軋み、徐々に押される。されどダグラスはかっと目を見開き、木刀を握る両腕に一層の力を込めた。

ダグラス「抜くんじゃない」

ただの木刀で斬撃を弾き返し、ソーマの大剣を打つように木剣で振るう。
横薙ぎの一閃は草木を揺らす。ほんの僅かに大気が震えた。

「もう一度」

169 ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2017/05/20(土) 23:57:51 ID:???
>>167
「俺の上官はあんなモンじゃない」

ジョシュアに突いてくるアキレスに、彼は顔を見せないように言い放つ。
その言葉の端々から漏れる感情、怒り、悲しみ、失望、様々だ。

「ダグラスは……強くて、絶対に負けない……俺にとってヒーローだった」
「いや……あの人は部隊の憧れだったんだ……」

次第にジョシュアの声は微かに震え、彼の無念が伝わって来るだろう。
その拳は皮膚を爪が突き破らん程に握り込まれていた。

「見てられるかよ……!記憶も無くして、力も失って……あんな情けない姿をよォ……」
「クソッ!!」

右の手ですっと目元を拭えば、悔し紛れにそこらの木を力任せにぶん殴った。

170 ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/05/21(日) 00:03:12 ID:???
>>168
「カンを取り戻してきたか?結構、お互いケガしない程度にやろうや」
【SRHHHK!振るわれる木剣を受け止め、口元を僅かに歪める。赤い瞳が不吉な光を放った】
【読めてきた。この男は、戦いの中でカンを取り戻してきている。強くなっている。早抜けしたジョシュアはどう思うだろうか】


「そうこなくてはな。まだまだいくぜ、オイ」
【酸素供給機が物々しい音を立てて装着される。左手に短剣、右手に大剣を持ち、姿勢を低くして構える!】

「イヤーッ!」
【低い姿勢のまま、地を滑るかの様に飛び込み!ダグラスの側を通り抜けようと、真っ直ぐ突っ込む!】
【低い姿勢で足を狙い、刈り取るかの様に短剣を振るう。ボールを打ち上げるかの様に大剣を振り上げる。また飛び掛かる───】
【まるで狼の様に、素早く、鋭い攻勢!手を抜く気配はない、そんな事を続ければ、こちらがやられる】

171 ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/05/21(日) 00:03:39 ID:???
>>168
「えぇっ、」

追撃を触腕で受け止め、飛び退いて距離を開く
再び構え、微笑み、そして真摯の眼差し

「……一刹ッッ!!」

腕に細い触腕を巻き付ける
伸縮性に富んだそれを外装式の補助筋肉として活用、再度鋭く駆け込み振るう月の影
闇夜を剣跡に宿した横薙ぎは鋭く速い
成人男性の体躯を両断する程の破壊力を秘めたそれを放つのは、絶対な信頼の証左である

172 アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/05/21(日) 00:15:33 ID:???
>>169
「ジョッシュ・・・」
憧れの存在のの情けない姿?に失望する姿に言葉を失い
タダ去っていくジョシュアを見送ることしかできなかった

「・・・」
ジョシュアに背を向けて主戦場に戻ってきたアキレス
ピクニック状態のミスカに近づいて

「なぁミスカ やっぱりあのオッサン本調子じゃないらしいんだけどさ どうにかなんないかな>?」
と癒し手としての見解を聞いてみる

173 ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2017/05/21(日) 00:35:48 ID:???
>>170
ダグラス「素早いな……」

襲い来るソーマの短剣を小さく跳んで回避、大剣の打ち上げを剣で防ぎ、また撃ち落とす。
同じような攻撃が来ればすべて対処し、最初は危なげであったそれも次第にキレを増す。
終いにはソーマと同等、それ以上にも匹敵する鋭さを持った切り返しを放ち始めた。

ダグラス「だが、私だってそれくらい動けるさ、動いてみせる」

ダン!!短剣を思い切り踏みつければ地が割れ、大きな窪を作ると共に亀裂が走る。
まるで戦車にのしかかられたように、多少の力では引き抜こうにもビクともしない!

>>171
ダグラス「来い、ニアッ!!」

声高らかに娘の全力を受け止める覚悟を伝える。両手を広げ、ソーマの短剣を踏みつけたままだ。
腰を低く落とし備える事も無く、ただ両手を広げて棒立ちで彼女を待ち受ける。
まるでそれは抱擁に備えるかのような動きだ。差異は互いの手に剣が握られているということくらいのものだろう。

やがて剣閃は交錯し、辺りを衝撃波が駆け抜ける。

呻きもない、たじろぎもない。只の木剣でニアの渾身の一撃を受け止め、なおも立っている。
にやりと口元を歪めれば、お返しに剣を思い切り振り上げる。
突風が巻き起こり、森が震え、雲が避け、空が啼いた!

>>172
ミスカ「うーん、記憶喪失の割にはエルミスさんのコト知ってたよね……」
ミスカ「それってひょっとして記憶が消えたんじゃなくて……きゃ!」

「……?」

真っ先にソーマが気付いた、続いてニアが。そして最後にジョシュアが異変に気付き、振り返った。
暴風に煽られ、ミスカが転ぶ。ジョシュアは呆気にとられ、そうしてダグラスの姿を目に焼き付けた。
舞い踊る風の中、剣を掲げ、彼の切先を避ける様に雲が丸く穴を開けている光景を。

エルミス「ふん、そうか……お前は……戻ってしまったんだな」
エルミス「ジョシュアやニア達と出会うよりも前……人生で最も幸せだったあの頃に」

ダグラスの旧来の友人たるエルミスは、ダグラスの症状の正体に気が付いたようだ。
合点がいったように独り言ち、それを聞いたミスカもやっぱり、と続けた。

エルミス「まだ心は青年のままか、肉体と精神の整合性の不一致……老いた身体では全盛の動きの要求に応えられまい」

防衛機制に則り、ダグラスの心は退行した。魂を破壊し解放する作用のある聖剣を自らに突き刺す事で心に大きなダメージを受けたのだろう。
故にダグラスの心は壊れ、彼の記憶は彼が最も幸せであったと感じる時代まで退行したのだ。
若い頃と同じ感覚で身体を動かそうとすれば、鉛のように感じるのも妥当である。

>>ALL
ダグラス「さて……この辺りで終いにしようか」
ダグラス「最低限のリハビリは済んだ、後は実戦でゆっくりと慣らしてゆくとしよう」

木剣を降ろせば、役目を終えたかのようにそれはほろほろと崩れ、朽ちるようにして壊れた。
弘法筆を選ばずとは言ったものだが、ここまで極端な例もない。木剣を破壊せずに打ち合うのも一種の才ではあるが。

ダグラス「有意義な時間だった、礼を言う」

こうして聖王は記念すべき戦線への復帰を遂げるのであるが……
さて、彼が本来倒すべき魔王は既に越境者達が死闘の果てに討伐してしまった。
そして勇者はそれを知らない、この先どうすべきであろうか、知らずのうちに佳境のダグラスであった。

174 ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/05/21(日) 00:42:50 ID:???
>>173
剣技による邂逅、言葉なき会話
彼我の合間に交わされるそれにニアが籠めた思いは万感であり、言葉としては語り尽くす術を持たない
やがて巻き起こる乱流、風鳴、広がる蒼天
その極みは果たして何処にあろうか、そらを見上げる度にニアはそれを考える

「……ふぅっ……」
「此方こそっ」
「楽しかったってんですよっ、ありがとうってんですっ」

今の彼は彼であり、父親ではない
それがニアの達した結論であり、しかしだからと言って他人では決してない
複雑な感情が絡まり、それでも好意的に考える事が出来るのは重畳だ
僅かな薄墨の香りを吸い込み、月光を抱き、頷いた

175 アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/05/21(日) 00:45:02 ID:???
>>173
「じゃあ記憶喪失zウワッ!?」
―――ギィ!?

ミスカとの相談中である エルミスの方に注意を向けなかったがゆえに暴風に対処できずミスカと共に転げる

「な・・・なにごと・・・?」
―――ギィ@@

目を回すベティ 顔を上げてエルミスを見れば どうやら向こうは自らの不調の原因について合点が言った模様

とりあえず稽古は終了とのことなので

「よし じゃあみんなでオベント・・・」
先ほどの暴風で お弁当はどうなってしまったでしょうか?


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