したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【SS】劇場版名探偵コナン「零人目の配信者(ユーチューバー)」

1名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/24(土) 21:40:11 ID:YugBbSnc
【予告映像】

ベルモット「この男は大物YouTuberにしてコードネーム『サッポロ極ZERO』。
通称『ゼロ』と呼ばれる男…」

コナン「米花ホテルで開催された大人気ユーチューバーたちの公開生放送パーティーイベントで起こった連続殺人事件。
公開配信中に子供に人気のNo.1ユーチューバーが殺害され、血の惨劇が幕を開ける…!」

炎上系プロレスラーユーチューバー「シャ、シャムだ…syamuさんがよみがえって殺したんだあぁあぁ!!!!!」

コナン「世界に生配信された殺人映像には、サングラスをかけた伝説の大物ユーチューバーが写り込んでいた…!」

671名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:05:22 ID:8ve3bhuI
純米吟醸柴田「しかしよく1人ですべての爆弾を見つけたもんだな、流石は名探偵ってことか」

コナン「…いや…オレ一人じゃ無理だっただろうよ」ゲホッゲホッ

(何度も蹴られたダメージで苦しそうにするコナン)

純米吟醸柴田「何?」

コナン「…言ったろ?『彼ら』が爆弾の場所を教えてくれたって…」

純米吟醸柴田「彼らだと?」

コナン「ああ、この街を守りたい人たちがな…!」

672名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:05:42 ID:8ve3bhuI
【一方その頃、30分ほど前の米花駅】

(駅構内や周辺に大勢の警官が集まっている)

捜査員A「警部!ここに設置された爆弾はこれだけのようです!」

目暮「うむ、まだあるかもしれん。住民の退避を進めて捜索を周辺まで広げろ。
これ以上、一人たりとも犠牲者を出すな!」

捜査員A「はっ!」

捜査員B「警部!米花総合病院でも爆弾が見つかったそうです!匿名の通報が…」

目暮「何!?手が空いてるものはただちに処理班と共に…」

捜査員B「そ、それが…近くの警官が向かった所、爆弾が何故か既に処理された後だそうで…」

目暮「何だって?」

673名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:06:09 ID:8ve3bhuI
【米花総合病院の外】

ジョディ「警察には匿名で通報しておいたわ。全くシュウ、無茶するんだから…」

キャメル「赤井さん、まさか爆弾まで処理できるとは…しかもあれだけ早く…」

赤井「…。」(背を向けて歩き出す)

ジョディ「ちょ、ちょっとどこへ行くのシュウ?」

赤井「まだ狩りが残っているのでな」

キャメル「ってことは、爆弾ですか?」

赤井「いや……『奴ら』だ」ニヤリ

674名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:06:58 ID:8ve3bhuI
【米花タワー】

(公安の捜査官たちが集まっている)

公安の人A「こちら爆弾を発見しました!」

公安の人B「ここに設置されたものはこれで全てだろう、周辺施設も捜索に当たれ!」

安室「…。」

安室「(今回の一連の事件はすべて組織が糸を引いていた…)」

安室「(しかもまさか僕を始めとして組織に疑われていたメンバーたちもついでに殺そうとしていたとは…)」

安室「(今回の件について僕が全く知らされていなかったのはそのためか)」

安室「(しかし、僕のことを公安と見抜いた上での『自分の身は自分で守れるはず』というsyamuの発言…)」

安室「(あれは『組織がお前の命を狙っている』『自分の国を自分自身の手で守れ』というメッセージだったんだろう)」

安室「(そう気付き、早目に動いたおかげで自分を守れただけでなく事件の被害を大きく減らすことが出来そうだ)」

安室「(だがあの男…syamu_gameは何者なんだ…?)」

675名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:07:18 ID:8ve3bhuI
純米吟醸柴田「なるほど、協力者がいたってわけか…」

コナン「ああ…それにお前はもう終わりだ…!この場所だって彼らに知らせてある。
オレを始末しようがあんたは終わりだぜ?」

純米吟醸柴田「チッ、こんなガキ一人に組織の一大計画が邪魔されるとはな…」

コナン「一大計画…だと?」

純米吟醸柴田「ああそうだ。2つの『ゼロ』を作る計画がな」

コナン「2つの…ゼロ?」

676名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:07:39 ID:8ve3bhuI
純米吟醸柴田「ああそうだ。1つ目のゼロは組織の裏切り者やスパイ共を全員殺す『ゼロ』。
もう一つの『ゼロ』は…」

コナン「…米花町を爆破で『ゼロ』にしようってのか?」

純米吟醸柴田「いや、それはあくまで結果にすぎねぇ。もう一つのゼロは『存在しないはずの人間を作り出すこと』だ」

コナン「存在しないはずの…人間だと!?」

純米吟醸柴田「ああそうだ。表向きは死んだ人間、疑われることすら無い人間だ。
犯罪にはうってつけだ、組織にとっては喉から手が出るほど欲しい人間だからな」

コナン「存在するはずのない人間…お前らのボス、烏丸蓮耶のようにか…!」

純米吟醸柴田「ボスのことまで知ってるとはな…流石は名探偵、工藤新一ってわけか」

コナン「本来ならあんたがその2つ目のゼロ…存在しないはずの人間になっていたってのか…」

純米吟醸柴田「ああそうだ、その暁には俺はボスに掛け合ってコードネームを変えてもらうつもりだ」

コナン「コードネームを…!?」

純米吟醸柴田「ああ、ゼロになった俺に最もふさわしいコードネーム…『ストロングゼロ』にな…!」

コナン「ストロング…ゼロ…!?」

677名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:08:04 ID:8ve3bhuI
コナン「だがわからねーな…なんで大物YouTuber『スブター』が黒の組織に…!」

純米吟醸柴田「あん?」

コナン「YouTuberとして大成功して大金を稼ぎ『日本で最も成功したYouTuber』の1人とも呼ばれ、
大物メジャーリーガーのデルビッシュ投手とも親友ですべてが順調なあんたがなぜ組織なんかに…!?」

純米吟醸柴田「ああ、教えてやるぜ。俺は元々組織の『リクルーター』をきっかけに配信者として成り上がったんだよ」

コナン「リクルーター…?」

純米吟醸柴田「あの組織は常に人を求めてる。なぜだと思う?」

コナン「黒の組織が人を求めてる理由…だと?アポトキシンとかいう毒薬を作るため…?」

純米吟醸柴田「それもある。APTX4869の完成は組織の悲願の1つだ。
そのために科学者なんかの優秀な奴らを集めているが…俺の集めているのはそういう連中じゃねえ」

コナン「何…?じゃあなんのために…」

純米吟醸柴田「決まってんだろ?犯罪だよ」

コナン「!!?」

678名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:08:35 ID:8ve3bhuI
純米吟醸柴田「運び屋、連絡役、スパイ、殺し屋、ヤクやチャカの売人、強盗、薬の被験者…
組織の目的のためにはカネも人もいくらでも必要だ。
目的達成のためにそうしたことをやらせる末端の捨て駒が必要なんだよ」

コナン「(末端による組織のための犯罪…キールこと水無怜奈さんの行方を探るために組織のスパイとして病院に潜入していた楠田陸道のような奴らってことか…)」

純米吟醸柴田「配信者をやってた俺の周りにはいい人材がいっぱいいたぜ?
たかだか数万円のために何でもやるような奴らがな…」

コナン「まさかその人材って…!」

純米吟醸柴田「ああそうだ、同じ配信者仲間だよ。
今でこそ配信業は脚光を浴びてガキどもの憧れみたいなクリーンな職業になってるが、
俺が配信を始めた当時、昔は配信者なんてのはニートや乞食みたいな人間のゴミクズだらけだった。
『カネに困ったゴミどもを紹介してくれ』と底辺配信者だった頃の俺に言ってきたのが組織だったってわけだ」

コナン「ってことは…あんたにあった黒い噂って…」

純米吟醸柴田「ああそうだ!ほとんど事実だよ!
他の配信者どもを死に追いやったのも!自殺に追い込んだのも!犯罪に手を染めてきたのもなぁ!」

コナン「…!」

純米吟醸柴田「何百人もの社会のゴミを組織に紹介してきたよ。
たかが数万だぜ?そのためにあいつらなんでもしやがる。
全員が死ぬか逮捕されるか、病院で廃人同然になってるがな」

コナン「なんてことを…!!」

純米吟醸柴田「だがそのおかげで俺は組織の中で出世した。
コードネームも貰って幹部になり、組織のサポートも得てYouTuberとして大成した!
あいつら底辺の配信者どもの人生は無意味だったが、俺が意味を与えてやったんだ!
俺の人生の踏み台としては役に立ったからなぁ!」

コナン「てめぇ…!」

679名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:09:00 ID:8ve3bhuI
純米吟醸柴田「それに踏み台はあいつらだけじゃねぇ」

コナン「え?」

(蹴りを何度も入れられ立ち上がれないコナンに銃を向けるスブター)チャキッ

純米吟醸柴田「お前も俺の踏み台になってもらうぜ?工藤新一…」

コナン「な!?」

純米吟醸柴田「組織への良い土産じゃねえか?あの薬を飲んで幼児化した被験者…それもジンがバラしそこねた男なんてな。
上手くやればこれでジンは降格、俺がジンの後釜にだって座れる手柄だ」

コナン「!?」

純米吟醸柴田「もうすぐジンがこのホテルの屋上までヘリで俺を回収に来る。
そのときにお前という手土産を持って組織に帰らせてもらうぜ」

コナン「ジンが…このホテルに!?」

純米吟醸柴田「爆破こそ失敗したが、全てを知ってるお前さえ組織まで連れ帰れば俺は存在しないはずの人間のままだ。
そうなりゃお咎めもないだろうよ、しかもこんなデカい手土産まであるんだからな」

純米吟醸柴田「さあ、おとなしくしてな。まあここで死ぬか組織の研究所で死ぬかのどちらかだだろうな!」

コナン「(くそ…!!)」

680名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:09:29 ID:8ve3bhuI
???「はああああああああああっ!!!」

純米吟醸柴田「ぐあああっ!??」バキイッ!

(部屋に飛び込んできた謎の人物の回し蹴りが純米吟醸柴田の胸元に叩き込まれ、吹っ飛び倒れる)

蘭「大丈夫コナンくん!?」

コナン「ら、蘭…姉ちゃん…!?何で!?」

蘭「トイレからコナンくんが逃げたんだもの。ずっと探してたのよ。
そうして街を探してたらコナンくんがバスに乗るのが見えたからタクシーで追ってきたの」

コナン「ありがとう蘭姉ちゃん、でも早く逃げ…」

蘭「って…スブターさん!?もしやあなたがこの事件の…!?」

純米吟醸柴田「ったく、ってえな…」

コナン「(おいおい蘭の回し蹴りをまともに受けて平然と立ち上がるだと…!?
いくら打たれ強いプロレスラーって言っても化け物かこいつ…!?)」

681名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:09:51 ID:8ve3bhuI
蘭「え…効いてない!?」

純米吟醸柴田「何だよ女、邪魔すんじゃねえよ」

コナン「蘭!逃げろ!!」

純米吟醸柴田「おらああああっ!」(右腕で蘭に殴りかかる)

蘭「っ!!」(純米吟醸柴田のパンチを腕でガードするもよろける)

蘭「(…完璧に受けたのにこの衝撃…この人、強い…!)」ジィィン

純米吟醸柴田「おらああ!!!」(逆の左で蘭に殴りかかる)

蘭「きゃあ!!」(ガードするも一瞬遅れ、バランスを崩し吹っ飛び壁に頭を強く打つ)

コナン「(蘭のガードごとふっ飛ばした…!なんてパワーだよ…!)」

純米吟醸柴田「ちょっとは強ぇみたいだが邪魔すんじゃねえよ、女」チャキ(拳銃を倒れた蘭に向ける)

コナン「蘭!!!!くそっ!」チャッ(腕時計型麻酔銃を純米吟醸柴田に向ける)

純米吟醸柴田「ガキが!妙な真似すんじゃねえよ!!」

バキィッ!(コナンを蹴り壁際まで吹っ飛ばす。腕時計型麻酔銃がその際にひしゃげて壊れる)

コナン「ぐあっ!!く、くそ…腕時計型麻酔銃が…!」

682名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:10:22 ID:8ve3bhuI
コナン「…や、やめろ…蘭に手を出すな!」

純米吟醸柴田「ああ、手は出さねえよ。お前がおとなしく来てくれればな」

コナン「何…!?」

純米吟醸柴田「お前がおとなしく組織のところまで来てくれればこの女は助けてやるって言ってんだよ」

コナン「オレが…」

コナン「…。」

純米吟醸柴田「良いんだぜ?この場でこの女を絞め殺してやってもな」

蘭「ぐっ…あ…」(首元を片手で掴まれる蘭)

コナン「…わかった」

蘭「え…?」

683名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:10:43 ID:8ve3bhuI
コナン「ごめんね蘭姉ちゃん、ボクこのおじさんについていくよ」

蘭「コナン…君…?」

コナン「ボクのことは心配しなくていいから。小五郎のおじさんには上手く言っといてよ」

蘭「なんで…どうして!」

コナン「あ、一応このことは阿笠博士に言っておいてよ」

蘭「行っちゃダメ、コナン君…うっ!」(立ち上がって止めようとするもダメージが大きく立ち上がれない)

コナン「警察に連絡すれば助けに来てくれると思う。今までありがとうね」

純米吟醸柴田「わかってるじゃねえか。ほら、さっさと行くぜ。
命拾いしたな、女。」(コナンの腕を乱暴に引き、部屋の出口に向かう)

684名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:11:30 ID:8ve3bhuI
コナン「(恐らくこいつが行く先はホテルの屋上…ジンの迎えを待つつもりだろう…)」

コナン「(これで良いんだ…蘭を守るため…)」

コナン「(オレも蘭もボロボロ、相手は銃を持っている、こっちには腕時計型麻酔銃も無ければキック力増強シューズも蘭の空手も効かない相手…)」

コナン「(しかもゆっくり奴らの情報を聞き出したかったから本当は警察にも誰にもオレの行き先を言ってねえ…)」

コナン「(オレとしたことがミスっちまったな…)」

コナン「(どう頑張っても勝てねえ相手だ…だったら蘭だけでも守るしかねえ…)」

コナン「(阿笠博士に蘭から伝えてもらえば赤井さんを通じてFBIに伝わるし、オレの父さんにも伝わって動いてくれる…)」

コナン「(蘭やおっちゃん達はなんとか守ってくれるはずだ…)」

コナン「(すまねえ、蘭…せめてお前だけでも生きてくれ…)」

バタン(扉が閉まる音)

蘭「行っちゃ…ダメ…コナンくん…!!」

685名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:11:54 ID:8ve3bhuI
ギィーーバタン!(CM前の扉が閉まる音)

686名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:12:53 ID:8ve3bhuI
ちょっと長くなりましたが事件の真相が6〜7割くらい明かされたところで今回はここまでです
あと組織との対決で2回、エピローグで1回で終わりそうです
今年のコナンの映画が延期になったので公開までには終わらせたいです

687名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 14:16:45 ID:HDUcJREw
シバターはジンに消されそう
あとはじゅんぺいとどう決着をつけるか

688名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 16:16:01 ID:kpuuOS32
面白かった…
人気配信者が実は組織の一員で、名声を末端を集めるのに利用してるって本当に原作にありそうですごいですねこれ

689名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/04/12(日) 17:31:23 ID:Z77RAXFY
とうとう核心部ですね
ええSSやこれは…

690名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:50:22 ID:ZjBTGFfU
ガチャ、バーン!(CM明けの扉が開く音)

691名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:51:48 ID:ZjBTGFfU
【米花ホテル屋上】

(真っ暗闇の広々とした屋上。眼下の街には明かりが輝いている)

純米吟醸柴田「俺だ、純米吟醸柴田だ…予定通りホテルの屋上に来た」

純米吟醸柴田のイヤホンから漏れる男の声『ご苦労だったな「純米吟醸柴田」…』

コナン「(この寒気のするような声は…まさか…)」

純米吟醸柴田「ああ、少々予定は狂っちまったがな。ジン…」

コナン「(やはり…ジンか!!)」

イヤホンから漏れるジンの声『予定通りの時間にそっちに着く予定だ…手筈通りにな』

純米吟醸柴田「ああ、わかった。面白ぇ土産もある。お前も驚くだろうぜ?」

イヤホンから漏れるジンの声『フッ、お前に会えるのが楽しみだぜ?せいぜい最後まで務めを果たすことだな…』

純米吟醸柴田「ああ、また後でな」

コナン「(もうすぐジンがここに…!)」

692名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:52:29 ID:ZjBTGFfU
純米吟醸柴田「さーて、もうすぐジンが来るが…」

コナン「…!!」

純米吟醸柴田「その前にやらなきゃいけないことがある」

コナン「え?」

(懐からスイッチのようなものを出す)

コナン「…な!?」

純米吟醸柴田「……。」ニヤリ

ポチッ(スイッチを押す純米吟醸柴田)

693名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:52:56 ID:ZjBTGFfU
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!

(地震のような地響きがし、膝をつくコナン)

コナン「!!!?」

コナン「何だ…何が起こった!?」

純米吟醸柴田「気になるか?そこの手すりから下を見てみろよ、名探偵…」

コナン「下だと…!?」

(手すりから下を覗き込むコナン)

コナン「な!!!?」

694名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:53:05 ID:o6MWHly.
待っていました(歓喜

695名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:54:20 ID:ZjBTGFfU
(ホテルの1階辺りが激しく炎上しており、空に大量の煙を吹き上げている)

コナン「な…!!」

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!

コナン「!!!」

(再度爆発音と地響きがし、膝をついてしまうコナン)

コナン「ま…まさか…!お前、このホテルにも…!!」

純米吟醸柴田「ああ、そのまさかだ。このホテルのすべてのフロアには爆弾が仕掛けてある。
たった今爆破したのは1階と2階と玄関とエレベーターだ」

コナン「何だって!?」

純米吟醸柴田「ジンが俺を回収したら全ての爆弾を爆破させる。
このホテルに何かの証拠も残ってるかもしれねぇからな、何の証拠も残さねえ…」

コナン「そうだ、蘭!蘭は…」

純米吟醸柴田「エレベーターも下階も爆破したんだ。逃げようとしてあの女は今頃死んでるだろうがな」

コナン「そ…そんな!!」

696名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:54:44 ID:ZjBTGFfU
コナン「おい!約束が違うだろ!蘭は助けてくれるって…!!」

純米吟醸柴田「助けてやったろ?あの場ではな…」

コナン「何…!?」

純米吟醸柴田「あの場では助けてやった、だがその後のことまでは言ってねえ…だろ?」

コナン「うおおおおおおお!!!」(屋上から下へ降りる階段がある建物へ走ろうとするコナン)

純米吟醸柴田「チッ、おとなしくしてろって言ってんだろ!」

ドスッ(純米吟醸柴田がコナンに腹パン)

コナン「があっ!!」ゲホゲホ

純米吟醸柴田「あの女はまだ生きてるかもしれねえぜ?
ただ1階は爆破されて炎と煙と瓦礫で外に出られねえがな。
そしてジンが俺を回収したらすべてのフロアが爆破される。
そうなったらどっちにしろ瓦礫に埋もれて死ぬだろうけどな!」

コナン「くそっ、蘭…蘭…」(膝をつくコナン)

コナン「らあああああああああああああああああああああああん!!!!!!」

697名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:55:13 ID:ZjBTGFfU
???「はああああああああああ!!!!」

コナン「え?」

バキイッ!(何者かの蹴りが純米吟醸柴田を吹っ飛ばす)

純米吟醸柴田「…ッ!?」

蘭「コナン君、大丈夫!?」

コナン「蘭…姉ちゃん!?どうして!?逃げたんじゃ?」

蘭「うん、逃げようとも思ったの。でも…」

698名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:55:23 ID:IFgdJqVM
もうはじまってる!

699名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:55:39 ID:ZjBTGFfU
【10分前・ホテルの一室】

蘭「(コナン君が連れて行かれちゃった…)」

蘭「(痛っ…!助けに…)」

蘭「(でも…あのスブターさんには私の空手が通用しなかった…)」

蘭「(私でコナン君を助けられるの…?)」

蘭「(……。)」

蘭「(ううん、助けに行かなきゃ)」

蘭「(だってここで逃げたら…)」

蘭「新一に…笑われちゃうから…!」

蘭「新一に次に会った時…胸を張っていたいから…!!」

(決意に満ちた表情でヨロヨロと立ち上がり、部屋を出ていく蘭)

700名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:56:23 ID:ZjBTGFfU
【ホテルの屋上】

コナン「でも?」

蘭「…ううん、何でもない」

純米吟醸柴田「…っ痛ぇ…しつこい女だな」

(何事もなかったように立ち上がる純米吟醸柴田)

蘭「やっぱり私の空手じゃ…コナン君、逃げて!!」

コナン「え?」

蘭「はああああああっ!!」

バキィッ!(蘭が蹴りを純米吟醸柴田の腕に食らわせるが、顔色ひとつ変えていない)

蘭「早く!私が時間を稼いでる間に!」

バキイッ!バキイッ!(蘭が拳や蹴りを次々純米吟醸柴田に見舞う)

純米吟醸柴田「チッ、うざってぇな…!」(蘭の攻撃をガード)

コナン「…で、でも…」

701名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:56:43 ID:ZjBTGFfU
コナン「(逃げるなんて論外だ、でも蘭じゃあいつには勝てねえ…)」

コナン「(加勢しようにも麻酔銃もなければ武器になるようなものも…)」

コナン「(…!!)」

ダッ(戦っている二人に背を向けて屋上から下へ下りる階段のある建物へ走るコナン)

純米吟醸柴田「逃がすかよ!!」

(コナンを追おうとする純米吟醸柴田)

蘭「絶対に行かせない!」

バキイッ!(蘭が背後から回し蹴りを見舞う)

純米吟醸柴田「チッ!…まあいい、どうせヤツに逃げ場なんてねえ…」

純米吟醸柴田「お前を絞め殺してからゆっくりと追ってやるよ…!」

蘭「…!」ゼェゼェ

702名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:57:20 ID:ZjBTGFfU
【ホテルの廊下】

(ホテルの廊下を走るコナン。少し煙が吹き出している部分もある)

コナン「(このフロアにも煙が…となれば下の階はもう完全に煙と炎と瓦礫で塞がれてるみてーだな)」

ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!(地響き)

コナン「!!!」

コナン「(どこか下のフロアが崩れたか…このホテルも長くはもたねーな…)」

コナン「(早く脱出しねーと…)」

コナン「(だが…それは…)」

コナン「(あいつを…純米吟醸柴田を倒してからだ…!!)」

703名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:57:56 ID:ZjBTGFfU
【さっきのホテルの部屋】

コナン「(…あった、さっき蹴ったサッカーボール)」

(部屋の窓際に行き、サッカーボールを拾い上げる)

コナン「(こいつさえあればとりあえず武器にはなるが…)」

コナン「(だがヤツはキック力増強シューズでボールを顔面にブチ当てたのに立ち上がってきた…)

コナン「(蘭もいるとはいえ、勝てるのか…?)」

コナン「(…いや、弱気になるな。アイツに勝てなきゃオレも蘭もここで死ぬ…)」

コナン「(絶対に勝たなきゃいけねえ…!)」

コナン「(ん…?)

(ふと部屋にある机に目が留まる。机の上には重そうな置物がある)

コナン「(置物か…確かこの置物を使ってピカキンさんは殺害されたんだったな)

コナン「(ここにあったやつは落とされて粉々になってたから新しいのと取り替えたんだろうな)」

コナン「(…。)」

704名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:58:21 ID:ZjBTGFfU
【ホテルの屋上】

蘭「きゃあっ!!」

(純米吟醸柴田の蹴りを受けて吹っ飛ぶ蘭)

純米吟醸柴田「ったく、手こずらせやがって…」

グイッ(倒れた蘭の方に歩み寄り、蘭の首元を掴んで片手で持ち上げる)

蘭「あ…あ…!!」

ギリギリ(首を少しずつ締め上げていく)

純米吟醸柴田「安心しろ、アイツもすぐに同じところに送ってやる…」

蘭「(…苦しい…。私、ここで死ぬんだ…)」

蘭「(コナン君、ちゃんと逃げれたかな…)」

蘭「(あの子は頭がいいから、きっとちゃんと逃げてくれるはず…)」

蘭「(これで良いんだよね、新一。私、頑張ったよね…)」






???「蘭姉ちゃん」

蘭「!?」

705名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:59:11 ID:ZjBTGFfU
(階段の方に目を向ける2人。そこにはニコニコした顔のコナンがいる)

蘭「なん…で?なんで…逃げない…の?」



純米吟醸柴田「逃げ場がなくてノコノコ戻ってきやがったか、まあいい。
そこでこの女が死ぬのを見て…」

(ニコニコしながら二人のところに歩いてくるコナン)

蘭「ダメ…来ちゃ…」

コナン「ねえ、蘭姉ちゃん」

純米吟醸柴田「?」

蘭「え…?」

コナン「ボクね、明日学校に早く行かなきゃいけないんだ」

蘭「コナン…くん?」

コナン「多分蘭姉ちゃんに起こしてもらわなきゃ寝坊しちゃうだろうし…」

コナン「それに、小五郎のおじさんも蘭姉ちゃんがいないと午前中ずっと寝てると思うんだ。
たしか明日、午前中に依頼人の人が探偵事務所に来るんでしょ?」

蘭「……あ……」



コナン「だから、さ…」

コナン「一緒に帰ろう、蘭姉ちゃん」

(蘭の方に手を伸ばすコナン)

蘭「……!!」

コナン「きっと…」

コナン「新一兄ちゃんもここにいたら…同じことを言ったと思うんだ」

蘭「(新一が…)」

706名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 14:59:38 ID:ZjBTGFfU
【小学校の頃の回想】

(体育館のステージの階段下の収納スペースの暗闇の中、うずくまっている蘭)

蘭「(どうしよう…かくれんぼでステージの下に隠れたのはいいけど、
階段が移動されたせいで扉が開かなくなって出られなくなっちゃった…)」

蘭「……もしかして、私一生このまま誰にも見つけられなくて…」

ガラッ(収納スペースの扉が開く)

蘭「…新一!?」

新一「お、やっぱここにいたか」

蘭「…何でわかったの?私がココに隠れてるって…」

新一「探偵だからな。ほら」(蘭に手を差し出す)

蘭「え?」

新一「一緒に帰ろうぜ、蘭」

蘭「…」

蘭「うん…!」

ガシッ(新一の手を取って立ち上がる蘭)

707名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:00:08 ID:ZjBTGFfU
蘭「…はああああああ!!」

バキイッ!(締め上げている腕を左右両側から挟むように殴り破壊する蘭)

純米吟醸柴田「ぐあっ!?」

蘭「うん…!」

ガシッ(コナンの手を取る蘭)

コナン「蘭姉ちゃん、絶対に帰ろうね!」

蘭「うん!ごめんねコナン君。私、諦めそうになってた。でも…」

蘭「もう、絶対に諦めない!」

(コナンと蘭が横並びになり、純米吟醸柴田と対峙する)

純米吟醸柴田「…遊びは終わりだ」

チャッ(拳銃を取り出し、蘭とコナンに向けて構える)

708名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:00:37 ID:ZjBTGFfU
コナン「行くよ、蘭姉ちゃん!」

蘭「うん!」

カチッ(しゃがみ、キック力増強シューズのパワーを溜めるコナン)

純米吟醸柴田「(工藤新一の足元にはサッカーボール…)」

純米吟醸柴田「(逃げたんじゃなくあれをさっきの部屋から持ってきたってのか)」

純米吟醸柴田「(さっきは顔に受けてそこそこのダメージこそ食らったが、二度とは通用しねえってのがわからねえのか?)」

コナン「いっ……けええええええええ!!!!」

バシイイイイッ!!!!!!(輝く脚で足元のサッカーボールを全力で蹴り出すコナン)

純米吟醸柴田「(ヤツは俺を一撃で失神させるために頭を狙ってくる筈…!)

純米吟醸柴田「(銃を持った右手とは逆、左腕で頭をガードしてやれば大したことはねえ)」

純米吟醸柴田「(腕で防いだ後にあの女を撃ち殺し、ウロチョロできねえように工藤新一の手足を撃ち抜いてやればそれで終わりだ…!!)」

(左腕を頭の前に出す純米吟醸柴田)

709名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:01:12 ID:ZjBTGFfU
※ここから超スローモーション


純米吟醸柴田「!?」

(地を這うように高速で飛んでくるサッカーボール)

純米吟醸柴田「(…何、ボールの軌道が…低い、だと!?)」

バキイッ!!!

純米吟醸柴田「…がっ!!?」

グラリ…(足元から体勢を崩し、スローモーションで前に倒れる純米吟醸柴田)

純米吟醸柴田「(何が…何が起こった!!?)」

純米吟醸柴田「(脚に激痛…まさか、あいつが狙ったのは頭じゃなく…)」

純米吟醸柴田「(俺の足だってことか…!?)」

純米吟醸柴田「(だが骨が折れるまでのレベルじゃねえ…倒れたところですぐに起き上がって銃を撃てばそれで終わりだ…!)」

710名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:01:45 ID:ZjBTGFfU
純米吟醸柴田「(ん、そういや女はどこに…)」

(コナンの方を見るが、蘭がいない)

純米吟醸柴田「(女がいない!?)」

蘭「はあああああああああああああああああああああああ!!!」

純米吟醸柴田「(女の声、どこだ…どこにいる!?)」

(倒れながら前後左右を見回す純米吟醸柴田)

純米吟醸柴田「(いない、どこに…!?)」

蘭「はあああああああああああああああああああああ!!!!!」

純米吟醸柴田「(まさか…!!)」

(ゆっくり倒れながら真上を見る純米吟醸柴田。その上空には脚を空高く掲げる蘭の姿)

純米吟醸柴田「(上、だと…!?)」

711名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:07:11 ID:ZjBTGFfU
蘭「はああああああああああああああ!!!!!」

バキイイイイイッ!!!(蘭が上空から脳天踵落としを見舞い、純米吟醸柴田の頭部に直撃する音)

純米吟醸柴田「ぐああああ!!!!!!!!?」

蘭「はあああああああああああっ!!!」

ドガァン!!!!!(踵落としを頭に食らわせたままそのまま地面に頭を叩きつける音)

純米吟醸柴田「ぐああああっ!!!!」

ビシイイイイイイッ!!!!!(蘭がかかとを落とした頭部の下の地面に巨大なヒビが入る)

純米吟醸柴田「あ…が……」ガク

712名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:09:51 ID:ZjBTGFfU
(失神する純米吟醸柴田)

蘭「……はぁ、はぁ…」

コナン「(踵落としを上空から完璧に頭に決めて、地面まで振り下ろして地面に叩きつけた…)」

コナン「(ハハ、すげー威力…)」

コナン「(オレのやりたいことを察知した蘭もすごいんだが…)

蘭「やった…」フラ

バタン(蘭が倒れる音)

コナン「蘭姉ちゃん!!」

ダッ(倒れた蘭に走り寄るコナン)

713名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:10:15 ID:ZjBTGFfU
蘭「大丈夫…コナ…ン君…?」

コナン「うん、大丈夫だよ。…蘭姉ちゃん、すごい怪我!」

(手足のあちこちにあるアザに気付くコナン)

蘭「…平気よ。…でも、良かった…」

コナン「え?」

蘭「これで…新一に…笑われないかな…?」

コナン「…!!」

コナン「うん、きっと新一兄ちゃん…『よく頑張ったな』って言ってくれると思うよ」

蘭「そう…よかった…」

蘭「(新一…私…頑張ったよね?次会えた時、また胸を張って会えるよね…)」ガクッ

コナン「蘭!!…良かった、気を失ってるだけか」

コナン「バーロー、誰が笑うもんかよ…」

コナン「(いつもお前は、どんな状況でも絶対に諦めないし逃げないんだからな…)」

コナン「(…よく頑張ったな、蘭…)」

714名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:10:45 ID:ZjBTGFfU
【ホテル屋上】

コナン「よいしょ、よいしょ…」

ズリズリ(屋上から下りる階段のある建物の中まで蘭を引きずっているコナン)

コナン「よっと…」

(建物の中の階段手前部分に蘭を寝かせるコナン)

コナン「(とりあえず脱出手段が見つかるまでここに寝かしておくか…)

コナン「(もし屋上にヘリでジンが来た場合、外にいたら見つかっちまうかもしれねーからな…)」

コナン「さて…」

(屋上から降りる階段のある建物から出て、倒れた純米吟醸柴田に歩み寄るコナン)

ゲシッ(純米吟醸柴田が落とした拳銃を蹴り、手すりの下の部分から落とす。拳銃はホテルの下に落ちていく)

コナン「組織の一員であるこいつをこれからどうするか…」

715名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:11:11 ID:ZjBTGFfU
コナン「(聞きたいことは山ほどある。だが今はそれどころじゃねえ…)」

コナン「(ホテルの下のフロアは瓦礫と煙と炎…このままだとオレ達全員ホテルと一緒に御陀仏だ)」

コナン「(蘭とこいつを連れて脱出する…その方法を考えねえと…)」

コナン「(それにもうすぐジンがここに…)」

???「まだ……だ…」

(純米吟醸柴田の体が少し動く)

コナン「!!!?」

716名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:11:44 ID:ZjBTGFfU
純米吟醸柴田「まだ……俺は……」

コナン「な…!?」

純米吟醸柴田「終わ…って……ねえ……」

コナン「(何でだよ…!!絶対に立ち上がれねえはずなのに…!!)」

純米吟醸柴田「終われ……ねえ……んだ…よ……」

コナン「(こいつ…化け物か!?)」

(頭から流血しながらヨロヨロと立ち上がる純米吟醸柴田)

純米吟醸柴田「……あいつの…ためにも……俺は……」

純米吟醸柴田「生きて……組織に……帰らなきゃ……いけねえんだよ……!!!」

コナン「え…?」

717名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:12:11 ID:ZjBTGFfU
コナン「(あいつのため……)」

コナン「(あいつ……?)」

コナン「(一体誰の…)」

コナン「!!!!!」


コナン「(そうか……そういうことだったのか…)」

コナン「(もしこれが真実なら…この一連の事件、疑問だった点の全てに納得がいく…)」

コナン「(だがもしそれが真実なら…)」

コナン「(純米吟醸柴田……いや、スブターさんは……)」

718名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:12:40 ID:ZjBTGFfU
コナン「…」フッ

純米吟醸柴田「……何が…おかしいってんだよ……工藤新一……!」

コナン「……なあ、純米吟醸柴田」

純米吟醸柴田「…なんだよ…」

コナン「さっきのあんたの言葉ですべてが繋がった…」

純米吟醸柴田「…ああ?」

コナン「やっと分かったんだよ。今まで納得できなかったすべての点。
そして今回の犯行の真の目的がな…」

純米吟醸柴田「…ああ?組織のために決まって…」

コナン「いや、違う。確かに表向きには組織のためなんだろうぜ。
だが真の目的は……」

純米吟醸柴田「……。」






コナン「syamuさんのため……なんだろ?」

純米吟醸柴田「何だと…?」

719名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:13:28 ID:ZjBTGFfU
純米吟醸柴田「誰があんな土竜のために…」

コナン「ってことは、あんたは自分が組織で出世するためだけに今回の事件を起こしたってのか?」

純米吟醸柴田「…ああそうだ。それ以外の何がある?」

コナン「…いや、違うな」

純米吟醸柴田「…何だと?」

コナン「今回の一連の事件。あまりにあんた自らが動きすぎてる」

純米吟醸柴田「…当たり前だろ?俺が犯人なんだからな…」

コナン「…いや、本来なら幹部であるあんたならいくらでも部下を使うことが出来たはずだ」

純米吟醸柴田「…!」

コナン「わざわざ目撃されるリスク、犯行がバレるリスクまであまりに負いすぎている。
挙句の果てには自分が死ぬかもしれないリスクまでな。
仮にも幹部ならそこまでする必要はないはずだ…」

720名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:14:22 ID:ZjBTGFfU
コナン「それに毛利探偵の来たイベントで殺人を行ったのだってそうだ。
聞いてみればあのイベントに毛利探偵を呼ぶと言ったのはあんたらしいな。
毛利探偵を呼べば事件のトリックなんてすぐ見破ってあんたが逮捕されるはずだ。
仮に知らずに呼んだとしたって別の機会くらいあんたならいくらでも作れただろ?
なのにあの日に実行した…確実にトリックがバレて捕まると知りながらな」

純米吟醸柴田「……。」

コナン「syamuさんが逮捕されていればsyamuさんが一連の爆破の実行犯になっていた。
だがそれは故意に阻止されたように見えるんだよ。
そう、まるでsyamuさんが犯罪に手を染めるのを阻止したようにな」

純米吟醸柴田「……。」

コナン「それに今回の事件の被害者には共通点があった…
それは『syamu_game』に関連性がある人物だってことだ。
だが、それだけじゃねえ…」

コナン「被害者たちは『syamuさんの邪魔になる人物』『syamuさんを馬鹿にした人物』なんだ」

コナン「YouTuber復帰を阻む両親…YouTuberのトップを行くピカキンさん…
シャムさんを売名に利用した代議士やAV女優やピアニスト…。
すべてsyamuさんがYouTuberとして復活するのに邪魔な人間たちだ」

コナン「オレは今まで、あんたは組織の意向に従ってこの一連の犯罪を行ったと思っていた。
だが、さっきのあんたの発言…『あいつのため』……これで全て納得がいった…」

コナン「今回の一件では組織も動いていたし、ある程度は組織の意向もあるんだろう。
だがあんたは最初から……」

コナン「syamuさんのために動いていたんだ……!!!」

721名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:14:48 ID:ZjBTGFfU
純米吟醸柴田「……流石だな、工藤新一。さっきの言葉だけでそこまで見抜くとはな…」

コナン「……。」

純米吟醸柴田「…ああ、そうだよ」

純米吟醸柴田「このホテルに毛利探偵を呼んだのは俺の考えだ。
あのジュンペーに爆破の実行犯なんてさせられなかったからな。
アイツに殺人は無理だ」

コナン「それはsyamuさんに殺人をさせたくないっていう優しさなのか?
それともあののびハザで義務教育を終えた男じゃ犯行は無理だと思って、
確実に計画を実行するためにあんたが実行犯になったのか?」

純米吟醸柴田「アイツのSぶりじゃ計画的犯行なんて絶対に無理だ。
絶対に勝手な行動を取って失敗するか、『なんかやだ』とか言っていつものように逃げるんだろうからな」

コナン「…確かにな。一般人でさえ難しい計画的犯行をあの頭丘people!?ができるわけがねー…
そんなたいそれたことができるならあの年齢まで家で貝塚勃起無職なんてやってねーからな」

純米吟醸柴田「…だが、アイツに犯罪をさせたくなかったってのもウソじゃねぇ。
ジュンペーは今のSと健常者のバランスが最高なんだよ。
殺人なんてさせたら絶対にバランスが壊れてただのサイコパスか完全な異常者になる…。
それは組織の一員としては正しい姿なのかもしれねぇが、俺が初めてアイツの動画を見て憧れたジュンペーの姿じゃねえ…」

コナン「アイツの動画を見て…?そういや5年前か6年前だったか…
あんたがsyamuさんの動画を見て大笑いする動画があったが……」

https://www.youtube.com/watch?v=aHdj8Tc_wHc

コナン「大物YouTuberスブターとして当時既に有名だったあんたが、あのセックスむえんに憧れたってのか…?」

722名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:15:17 ID:IFgdJqVM
何……だと……?

723名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:15:32 ID:ZjBTGFfU
純米吟醸柴田「……ああ、そうだよ」

純米吟醸柴田「視聴者に勧められてあいつの動画を初めて見た時!今でも忘れねえ!
腹が痛くなるまで!涙を流してまで笑った!アイツを天才だと思った!」

純米吟醸柴田「人に嘲笑されるセンス!生まれながらの正真正銘のS!あいつが俺たち配信者のトップに立つと思った!」

純米吟醸柴田「だがそうはならなかった…だからこそ許せなかったんだよ…」

純米吟醸柴田「あいつをあんな家に押し込めて活動を妨害した両親家族も!
YouTuberのイメージを散々良くしてsyamuさんの居場所をなくしたピカキンも!!
syamuさんを売名に散々利用するだけ利用して手を差し伸べなかったクズどもも!!!
だからなぁ!俺自らが全員ぶっ殺してやったんだよ!!!
俺が直接殺してやらなきゃ気が済まなかったんだよ!!!!!」

純米吟醸柴田「許せねえのはぶっ殺したゴミどもだけじゃねえ…
一番許せねえのはあれだけsyamuさんをおもちゃにして笑っておいてすっかり忘れ…
今はVだの他の配信者だのにうつつを抜かしてやがる視聴者共だ!
この犯行はなぁ、そいつらへの復讐でもあるんだよ……」

コナン「復讐…?」

純米吟醸柴田「ああそうだ!視聴者共がsyamuさんを忘れるならなぁ…絶対に忘れられなくしてやるってな…」

コナン「まさか…」

724名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:16:09 ID:ZjBTGFfU
純米吟醸柴田「ああそうだ!!世間がsyamuさんを忘れるなら!
無理矢理にでもsyamu_gameを永遠に世の記憶に残してやろうって思ったんだよ!
米花町全土を爆破し!何百何千もの命を奪った『史上最悪の犯罪者』としてなぁ!」

純米吟醸柴田「だからなぁ…俺は今回の計画を自ら『あのお方』に進言した!
あくまでも『組織の裏切り者どもを米花町に集めてまとめて消す』計画としてなぁ!」

コナン「なるほど…組織にとってはこの事件はあくまで裏切り者の抹殺目的。
だがあんたの目的は違った……。
syamuさんの邪魔になる人物、馬鹿にした人物…そして視聴者たちへの復讐ってわけだったのか…」

純米吟醸柴田「ああそうだ。計画は順調だった。
だがまさかsyamuさんの両親が元組織の一員だったこと、
あのお方がsyamuさんのファンであいつ本人を組織に入れたことまでは予想してなかったけどな…」

コナン「syamuさんの両親が組織の一員だったことはこの事件には全く関係なかったってわけだったんだな。
しかし組織のボス…烏丸蓮耶は俺オナ民だったのか…」

725名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:16:36 ID:ZjBTGFfU
純米吟醸柴田「だがそんなことは全く問題じゃなかった。
syamuさんの両親を消す口実で色々と自由に動けたし、どの道家族はsyamuさんの復活に邪魔だから殺すつもりだった…
それにあのお方がsyamuさんを組織に入れたおかげでアイツとコンビを組めたんだからな。
『ゼロ』のsyamuと今回の犯行で社会的に『ゼロ』になった俺の最強タッグってわけだ。
そのために護送車が爆発する際に指を2本失ったが悔いはねえ……」

純米吟醸柴田「…だからなぁ…俺はお前を連れ帰って組織に戻り出世し…syamuさんと一緒に組織で成り上がってやるんだよ!!」

純米吟醸柴田「そして次の機会にはなぁ……この米花町を爆破してやる!!」

純米吟醸柴田「いや、米花町だけじゃねえ!他の都市もだ!!
この日本で一人でも多くの視聴者共を殺して!!syamuさんの名前を永遠にしてやるんだよ!!!!」

コナン「……!!」

純米吟醸柴田「その時!syamuさんは伝説になるんだ!史上最悪の犯罪者として!!
syamuさんを見捨てた視聴者共を皆殺しにしてやってなぁ!!」

コナン「………」

726名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:17:09 ID:ZjBTGFfU
コナン「……させねぇよ……」

純米吟醸柴田「ああ?」

コナン「…絶対に…そんなことはさせねぇ!!」

コナン「それに『次』なんてねーよ…」

コナン「オレがてめーを止めてやる…純米吟醸柴田…!!」

(純米吟醸柴田を本気の眼差しで睨むコナン)

純米吟醸柴田「…やれるもんならやってみろよ…工藤新一…!!」

(ボロボロの満身創痍ながらも不敵な笑みを浮かべてコナンを睨む純米吟醸柴田)

727名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:17:54 ID:ZjBTGFfU
【一方その頃、ホテルの廊下】

(ホテル中層フロアの廊下。あちこちが崩れ、炎と煙が満ちている)

???「いやいやいや、それにしても、急に暑くなりましたね。
はい。皆さん、皆さんのおうちでーそろそろ、ころ、も、ころもがめ、衣替え、しましたか。
ええ。もうこれから30度越えの毎日が当たり前になって来ますよ」

(炎と煙に構うことなく黒いスーツのsyamuが廊下を歩いている。回りは火に包まれている)

syamu「ファンタジーに火をつけて、火、ファンたちに火がついてさ、
ほんで、ちょっと、一致団結するかもしれへんで」

ドォォォォン……ドォォォォンン……(どこかのフロアから何度か大きな爆発が起こり、ホテルが揺れる)

syamu「えーーーーーーー…まぁ花火大会…行こうと思ってる人はぜひとも行ってください。
で行こうかなぁーって思ってる人は、行ってください。
絶対、後悔すると思いまスゥゥゥ…」

(スーツに火が付いたのに気が付き、スーツを脱ぎ捨て空き巣コーデ姿になるsyamu)

syamu「営業の人は大変だね。営業のお仕事の人は大変だろうね〜、スーツ着て。
ねぇ大変でしょうけども。仕事ですからね。仕方ないですね。
仕事というのは大変です、生きるということは大変ですねほんま」

ギィィ(syamuが非常階段の扉を開ける音)

syamu「―――まぁ組織の黒幕は『ウェスカー』なんですけどね、初見さん」

カツン、カツン、カツン……(屋上の方向に曲がった顔で笑みを浮かべ、非常階段を登っていくsyamu)

728名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:18:19 ID:ZjBTGFfU
ギィーーバタン!(CM前の扉が閉まる音)

729名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:20:51 ID:ZjBTGFfU
今回はここまでです
次回で本編が終わる予定でしたが本編があと2回、エピローグ1回で終了予定です
コロナの影響で少し遅くなるかもしれませんが残り少しなので必ず完結させたいです

余談ですが今回の蘭の隠れんぼのエピソードはGWに無料公開されたコナンの映画から引用しました

730名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 15:26:23 ID:IFgdJqVM
面白かったです
結末が気になって早く読みたいけど終わってしまうのは寂しいというジレンマ

731名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/05/13(水) 17:15:00 ID:uP35rqMo
ありそうであんまりないLAN姉ちゃんとの連携技いいですね

732名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 15:54:32 ID:kxnMBcDU
ガチャ、バーン!(CM明けの扉が開く音)

733名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 15:54:59 ID:kxnMBcDU
【ホテルの屋上】

(静かな屋上、闇夜の中で対峙するコナンと純米吟醸柴田)

コナン「…。」

純米吟醸柴田「…」ゼェゼェ

コナン「(ヤツはボロボロで立ってるのもやっとの状態で銃ももう持ってねー…)」

コナン「(だが、それでもオレ1人程度は殺せる力は残ってるだろう)」

コナン「(チャンスは一度、絶対に決めてみせる…!)」(サッカーボールを前に置き、しゃがんでキック力増強シューズを最大出力に設定する)

純米吟醸柴田「(立ってるのもやっとだな…)」フラフラ

純米吟醸柴田「(銃もいつの間にかどっかに行っちまった…)」

純米吟醸柴田「(だが俺は…負けられねえんだよ…!!)」

734名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 15:55:25 ID:kxnMBcDU
コナン「うおおおおおおおお!」ダッ(前に走り出す)

純米吟醸柴田「させるかよおお!!」ダッ(前に走り出す)

純米吟醸柴田「(頭に受けたら終わりだが…それさえ防げば敵じゃねえ…!)」

純米吟醸柴田「(防いだ後に殴り飛ばして二度と起き上がれねえようにボコボコにすりゃあ、ガキのあいつにはどうにも出来ねえはずだ…!)」

純米吟醸柴田「(さあ、ボールを蹴ってこい…!もう足を狙っても、頭を狙っても防いでやる…!!)」

735名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 15:56:02 ID:kxnMBcDU
コナン「…」ピタッ

(サッカーボールの手前で立ち止まり、ボールを蹴らないコナン)

純米吟醸柴田「(…ボールを蹴らねえ、だと…?)」ダッ

純米吟醸柴田「(おそらくガードされることを警戒し、接近されてから蹴るつもりか…)」

純米吟醸柴田「(だが、そっちの方が好都合…)」

純米吟醸柴田「(先に距離を詰めりゃ相手はただのガキ…格闘で十分勝てる)」

純米吟醸柴田「(あいつがいつ蹴るかだけ警戒してりゃ怖くなんかねえ…!)」

純米吟醸柴田「うおおおおおおお!!」

ダダダダッ(コナンの元へ走り、距離を詰める純米吟醸柴田)

コナン「…。」

(コナンとの距離2メートルまで近付いたが、まだボールを蹴らないコナン)

純米吟醸柴田「(まだ蹴らねえ…?だがこの距離なら蹴るより先にあいつの顔面をブン殴れる…)」

純米吟醸柴田「死ねえ!工藤新一!!」

(大きく腕を振り上げ、コナンの顔面にパンチを繰り出す)

736名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 15:56:37 ID:kxnMBcDU
コナン「…今だ!」

(ニヤリと笑い、服の中から置物を取り出し顔の前に出すコナン)

純米吟醸柴田「な…!?」

バキィ!!!(顔へのパンチは置物でガードされ、その硬さに拳を痛めひるむ純米吟醸柴田)

純米吟醸柴田「痛えッ!?」

純米吟醸柴田「(あの置物…ピカキンを殺した時の!?ボールだけじゃなくあれも部屋から持ってきてたってわけか…!!)」

コナン「うおおおおおおお!!」(置物を純米吟醸柴田の足に向けて全力で放り投げるコナン)

バキイッ!!!(さっきサッカーボールが当たった足に置物がクリティカルヒットする音)

純米吟醸柴田「があっ!?」

(激痛に思わずバランスを崩し、膝をつく純米吟醸柴田)

純米吟醸柴田「…!?」

(膝をついた目の前にコナンの顔。そしてサッカーボールを蹴り上げようとする寸前のコナンが見える)

737名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 15:57:14 ID:kxnMBcDU
コナン「…終わりだ、純米吟醸柴田!」

コナン「うおおおおおおおお!!!」

バシイッ!(サッカーボールを至近距離から全力で蹴り上げる音)

純米吟醸柴田「…!!!!」

バキイッ!!(純米吟醸柴田のアゴに下からの全力シュートが突き刺さる音)

純米吟醸柴田「(こいつ…最初からこれを狙ってたってわけか…!?)」

純米吟醸柴田「(至近距離からアゴを狙ってボールを蹴り上げて直撃させる…!!)」

純米吟醸柴田「(い、意識が…)

ドサッ!(あまりの威力に上空までふっとばされた純米吟醸柴田が地面に叩きつけられる音)

純米吟醸柴田「…あ……あが」(大の字になって倒れている純米吟醸柴田)

コナン「アゴってのは人体急所の一つ。下から打たれれば脳を縦に揺らし脳震盪を引き起こす。
アゴを打ち上げるアッパーは鍛えに鍛えているプロボクサーだって一発でKOできる必殺技だ…
脳を揺らすんだからいくら鍛えてる人間だろうと一撃で行動不能になる。
たとえいくら打たれ強いあんただろうが、二度と立ち上がることはできねーだろうよ」

コナン「オレの勝ちだ、純米吟醸柴田…!」

738名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 15:57:57 ID:kxnMBcDU
純米吟醸柴田「…あ…ああ…確かに勝負はお前の…勝ちだ……工藤新一…」

コナン「まだ喋れるってのか?だが体を動かすのは無理みてーだな」

純米吟醸柴田「…ああ…もう体を全く動かせねえ…」

純米吟醸柴田「だが、最後に……。勝つのは……俺…だ…。そろそろ……だな…」

コナン「何を言って…」

カツン、カツン、カツン…(屋上へ上がる階段のある建物の方から階段を登ってくる音)

コナン「足音…!?」

純米吟醸柴田「…ヤツが…来る……。俺の…勝ちだ…!!」

カツン、カツン、カツン…(階段を登る足音が大きくなり、どんどん近づいてくる)

コナン「(まさか…ジン!?いや、ウォッカか!?)」

カツン…(足音が止まり、屋上へ謎の人物が姿を表す)

コナン「な!?お、お前は…!?」

739名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 15:58:35 ID:kxnMBcDU
syamu「オイィィィィィイイイイイイイ↑ッス!! どうも〜、シャムでぇ〜す!!!!
YO!YO!YO!YO!YO!YO!YO!YO!YO!!(クウガ変身音)」

コナン「な…syamu!?」

コナン「(ジンはジンでもゾット帝国のジンか…!)」

純米吟醸柴田「遅かったな…。さあ…ジュンペー…!俺はしばらく動けねえ…
だからお前が…工藤新一の…手足を…撃ち抜け……!」

コナン「!?」

syamu「いまいちね〜ちょっとやる気が起きないんですよね〜」

純米吟醸柴田「おい…なんでやらねえんだよ…!こいつさえ組織に持ち帰りゃ…俺たちは組織で出世を…!!」

syamu「働かない理由か…」

純米吟醸柴田「…おい!!早くやれよ!!!聞いてんのかよ!!おい引きこもり!引きこもり聞いてんのか!」

syamu「おやつの時間です。パルム食べ食べ」(背中に背負った大きなリュックサックからパルムを取り出して食べ始める)

純米吟醸柴田「おい!ジュンペー!!食ってんじゃねえよ!!」

コナン「無駄だよ」

純米吟醸柴田「…何…だと?」

コナン「syamuさんは組織の味方なんかじゃねえ……」

コナン「オレたちの味方だからな」

740名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 15:59:17 ID:kxnMBcDU
純米吟醸柴田「何…だと?そんなわけねえ…!ジュンペーはコードネームだって貰った組織の一員だ…!」

コナン「ああ、一つずつ説明してやるよ。この一連の事件でsyamuさんがどんな行動をしていたかをな…」

コナン「ピカキンさん殺しの被疑者のあんたたちの護送車が爆発した直後…
オレは近くのビルの屋上で黒い服の男を見かけ、追っていったらsyamuさんと出会った…」

純米吟醸柴田「…ジュンペー、隠れ家でおとなしくしてろって言ってたのに抜け出してやがったが工藤新一と会ってたってのか…!」

syamu「今日は(外出)NG出ていませんね」

コナン「ちゃんと毎日外出NGを出しておかなかったあんたのミスだな。
そこでsyamuさんはオレの正体が工藤新一だと告げた上に、煙を吸い込んで失神したオレや蘭を始末しなかった…」

syamu「スゥゥゥ不思議ですね〜」

純米吟醸柴田「…チッ、何でだよ…?そこでこいつを組織に連れ帰ってりゃあ…」

コナン「…これは推測だが、おそらくsyamuさんには別の目的があったんだろうよ」

syamu「ユーチューブドリームです!」

コナン「…悪いsyamuさん、少し黙っててくれねーか?」

syamu「まあええわ!ほっときましょ!syamuさんなんてほっときましょ!アッアッアッ」

純米吟醸柴田「何だよ目的って…」

コナン「決まってんだろ?」

コナン「黒の組織の壊滅のためだ」

純米吟醸柴田「な!!?」

741名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 15:59:51 ID:kxnMBcDU
純米吟醸柴田「ありえねえだろ!?ジュンペーは組織に拾ってもらって毎日パルム食べ食べして無職暮らしを楽しんでるんだぜ!?
そのジュンペーが何で組織を裏切ることをしなきゃならねえんだよ!!」

コナン「両親が黒の組織の元一員だったこと、そして家族を皆殺しにしたのが組織の一員のあんただったこと…
そして自分が組織の毒薬の影響でゼロゼロの実の全身ギリ健人間になったから…
それで十分じゃねーか?」

純米吟醸柴田「だ、だがこのギリ健がそこまで分かるはずが…」

コナン「syamuさんの能美島の実家の地下室…」

純米吟醸柴田「!?」

コナン「そこには何者かによって調べられて何かが運び出された痕跡があった。
おそらくあんた達組織が証拠隠滅のために色々と運び出したんだろう…」

純米吟醸柴田「工藤新一…そこまで調べていやがったか…」

コナン「その地下室にあったんだよ。組織の毒薬の名前、『APTX5128104T』の文字が…」

純米吟醸柴田「な!?俺たちが調べたときはそんなもん…まさか!?」

コナン「ああ…そのときはまだなかったはずだぜ?
その文字を残したのはsyamuさんなんだからな…!」

純米吟醸柴田「!?」

742名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:00:39 ID:kxnMBcDU
コナン「今にして思えば護送車爆破事件の直後にsyamuさんがオレと接触したのも自分の実家のこの手がかりに気付かせるためだったんだろうな。
syamuさんは何らかの手段でオレが生きていることを知った。
だが組織の一員となったsyamuさんは簡単にはオレに接触できない…。
新入りのsyamuさんには監視も付いてるだろうから怪しまれればsyamuさんもオレも消される。
だから回りくどい方法でオレに接触し、『工藤新一』の推理力に賭けた…
組織に対抗するため、そして…この惨劇を止めるためにな…!!」

純米吟醸柴田「…ハ、ハハ…ウソだろ?このSのどこにそんな頭脳が…!?」

syamu「ンー、改めて考えるとすごいなって思うなあ。俺はやっぱ。すごいなあと思うなあ」

コナン「ああ、syamuさん。あんたはすげーよ…。オレよりも先にボスの正体にたどり着いていたんだからな」

純米吟醸柴田「ボスの正体?ってことはジュンペー、お前まさかボスの正体を探るために組織に潜り込んだってわけか…!」

コナン「…いや、違うぜ」

純米吟醸柴田「どういうことだ?」

コナン「syamuさんは組織に入る前…ずっと前から組織のボスの正体に気付いてたはずだぜ?
おそらくゲーム実況をしていた時代からな…」

743名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:01:28 ID:kxnMBcDU
純米吟醸柴田「…はあ?」

syamu「まあ黒幕はウェスカーなんですけどね、初見さん」

コナン「そう、組織の黒幕は『ウェスカー』ってわけだ…」

純米吟醸柴田「何だよ、それってただのジュンペーがプレイしてたゲームのキャラの名前だろ?」

コナン「おかしいと思わないか?ゲーム実況をしているのにいきなりネタバレを言い出す…
syamuさんがSであることを差し引いても明らかにおかしい…」

純米吟醸柴田「はぁ!?そんなのジュンペーがSの中のSだからに決まって…」

コナン「ウェスカーの綴りは『Wesker』…。
フランス語読みでウェスカーとよく似た名前と綴りの酒がある。
syamuさんはそれを放送中にさりげなく視聴者に伝えようとしていたんだ」

純米吟醸柴田「ウェスカーに似た酒の名前…あっ!?」

コナン「そう、フランス語読みでは『ヴェースキィー』。……英語名は……」

コナン「『Whisky(ウイスキー)』……!」

純米吟醸柴田「……ッ!!!?」

744名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:02:32 ID:kxnMBcDU
コナン「そしてsyamuさんといえば黒いサングラスだ…。
あれも今にして思えば『黒の組織』を表してたんじゃねーか…?」

コナン「そして、『黒』と『ウイスキー』から連想できる酒が1つある。
『カラス』をトレードマークとしたアメリカケンタッキー州の伝統的なウイスキー…」

コナン「『オールド・クロウ』…!」

https://www.amazon.co.jp/OLD-CROW-%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%A6-%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC-700ml/dp/B001TOEMQE

コナン「クロウは烏、そしてオールドは『老人』…。
つまり、syamuさんはとっくの昔に掴んでたんだよ。
組織のイメージカラーが黒で、ボスが『烏』の名前の老人…烏丸蓮耶だってことにな…!!」

純米吟醸柴田「…な…!!?」

コナン「syamuさんは自分を頭精スプ全身ギリ健にした組織のことを前々から密かに調べていたんだろう。
YouTuberとして活動していたのもモテるためじゃない。
配信者たちが消えていたのを組織の関与ではないかと怪しんだから…。
YouTuberを続けていればいつか組織にたどり着けるとの一心でな。
だからさりげなく組織の機密情報を密かに動画の中に少しずつ混ぜていった…。
YouTuberとして復活して代理人の下で愛知県や東京都に一時期住んでいたのも恐らく組織を探るためだろう。
ピカキンさんの所属するUMに凸したのだって組織絡みの目的があったんだろうよ」

syamu「なんかごめんよ、ごめんやで?」

純米吟醸柴田「はぁ?この土竜にそんな知能があるわけが…」

コナン「オレも最初はそう思ったよ…あの犯行予告風の映像を見るまではな…」

745名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:03:34 ID:kxnMBcDU
コナン「オレの推理の決め手になったのはsyamuさんの犯行予告風の映像だ…」

純米吟醸柴田「爆破現場に送ったあの映像のことか?」

コナン「あの映像でsyamuさんは『米花町の皆さん、いかが…どうでしたか?』『自分の身は自分で守れるはずです』って言ったんだ」

純米吟醸柴田「どこもおかしいとこなんてねえだろ?
あの映像はジュンペーに自分で撮影させたやつだが何もおかしいところは…」

コナン「連続爆破事件が起こっていたのは杯戸町だ、米花町じゃない…」

純米吟醸柴田「それは単なる言い間違えだろ?」

コナン「いや、恐らく『故意』だ…」

純米吟醸柴田「!?」

syamu「故意にハッテンシテ…」

コナン「米花町の名前を出し、自分の身を自分で守れと呼びかける…。
ほとんどの人はただの言い間違いだと流すだろう、だが誰かが本当のメッセージを受け取ってくれると信じていたんだ。
露骨なメッセージは気付かれちまうからな…」

純米吟醸柴田「ってことは、ジュンペーお前…!?」

746名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:04:13 ID:kxnMBcDU
コナン「そもそも犯人が声明や予告を出す、というのは大きく分けると3つの理由がある」

コナン「理由もなしに声明も予告も出すわけがねえ…単に証拠を増やすだけだからな」

コナン「1つ目は自分の犯行に絶対の自信があるというパターン…」

(予告状を持ち笑みを浮かべる怪盗キッドのイメージが背景に浮かぶ)

コナン「2つ目は『別の目的』から故意に目をそらさせたいパターン…」

コナン「そして3つ目は……」

コナン「誰かに犯行を止めてほしいというパターン…!!」

(炎の中でピアノを弾く浅井成実のイメージが背景に浮かぶ)

747名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:05:27 ID:kxnMBcDU
コナン「オレは爆発現場であの映像を見たときからずっとその理由を考えていた…
オレは最初、犯人が自分の犯行に自信があるという1つ目の理由だと思った。
それも実際は2つ目…あんたが米花町を爆破するという本当の目的からsyamuさんを使って目を逸らさせていたというのが目的だった。
だが…syamuさん本人の意思はどちらとも違う3つ目…
誰かに米花町爆破を止めてもらいたかったんだ…!!」

コナン「さらにsyamuさんはもう一手打った。
その後syamuさんはある人物と接触し、自分の身は自分で守れるはずというメッセージを残した…。
それこそが爆破を防ぐ最後の一手だったんだ」

(syamuさんと安室さんがポアロで会っているイメージ映像)

コナン「その人物たちの働きもあり、この米花町は守られた…。
そう、syamuさんがこの町を救ったんだ!!!」

syamu「俺は神様なんて信じないけどね、なんたって俺自身が神だから」

748名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:06:41 ID:kxnMBcDU
純米吟醸柴田「……おい、syamuさん……」

syamu「アッアッアッアッ…」

純米吟醸柴田「あんたがこの町の奴らを助ける価値なんてあるのかよ!?
syamuさん、この町の奴らは…視聴者どもはあんたを笑ったんだぞ!?見捨てたんだぞ!?
それなのに、なんで…!!」

コナン「理由なんているのかよ?」

純米吟醸柴田「ああ?」

コナン「人が人を殺す動機なんて知ったこっちゃねーが…」

コナン「人が人を助ける理由に…論理的な思考は存在しねーだろ?」

syamu「(その名言)inじゃねーの!?」

コナン「そう、それが例え貝塚勃起土竜と呼ばれたsyamuさんであってもな…」

コナン「それに…」

コナン「人を簡単に殺して他人を悲しませるようなヤツよりな…」

コナン「いくら奇行でも多くの人を笑顔にしたsyamuさんの方が何百倍もマシな人間なんだよ!!」

749名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:07:45 ID:kxnMBcDU
ブロロロロロロロロ…

コナン「!?」

純米吟醸柴田「ハ…ハハ…!ジュンペーが例え組織の敵だろうと俺が動けなかろうと関係ねえ…」

コナン「この音…まさか!」

純米吟醸柴田「やはり俺の勝ちには変わりねぇ…ジンだ」

コナン「ジン!?」

syamu「20分の1の確率か…」

コナン「いや、確実にジンだよsyamuさん!」

純米吟醸柴田のイヤホンから漏れるジンの声「時間通りだ…純米吟醸柴田」

コナン「!!」

コナン「(やべえ…早くどこかに隠れねえと!)」ダッ

(屋上から降りる階段のある建物の陰に隠れるコナン)

750名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:08:13 ID:kxnMBcDU
純米吟醸柴田のイヤホンからのジンの声「どうした、純米吟醸柴田…。まだ寝る時間にはまだ早ぇぜ…?」

純米吟醸柴田「…ああ、手違いで少し怪我をしてな…動けねえ。
早くヘリを着陸させて俺を回収してくれ」

純米吟醸柴田のイヤホンからのジンの声「その前にお前にはやってもらいたい任務があってな…」

純米吟醸柴田「任務?何だよ?こんな体じゃ任務なんて…」

純米吟醸柴田のイヤホンからのジンの声「…お前にはそのホテルと炎に消えてもらう…」

純米吟醸柴田「は、はぁ?何の話だよジン?」

751名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:09:02 ID:kxnMBcDU
純米吟醸柴田のイヤホンからのジンの声「分からねーか?お前はもう用済みだってことだ…」

純米吟醸柴田「は、はぁ!?待ってくれよ!俺は組織にクズを何百人も紹介して大きく貢献してきた!
あの方だってこんな役に立つ俺を殺すなんてことは認めねえはずだぜ!?」

純米吟醸柴田のイヤホンからのジンの声「悪いな、その『あのお方』直々の指令だ…『役立たず』のお前を始末しろとな」

純米吟醸柴田「な、なんでだよ!?俺はまだまだ組織の役に…
死んだはずになってる俺はいくらでも組織のために犯罪が出来…」

純米吟醸柴田のイヤホンからのジンの声「デパートの監視カメラの1つにお前の姿が映っていたそうだ…
警察はお前を重要参考人として全国から情報を集めるらしい。
つまりお前にはなんの価値も無い…ただのゴミだ。
ゴミはゴミらしく全ての罪を背負って綺麗に死ね、そうすれば最期に組織の役に立てるからな…」

純米吟醸柴田「そ、そんな…頼む!そうだ!良いことを教えてやるぜジン!
お前がバラしたっていうAPTX4869の被験者の中に…」

純米吟醸柴田のイヤホンからのジンの声「底辺配信者のお前が組織のおかげで成り上がって良い夢見ただろ?
生配信の続きはあの世でするんだな…」

純米吟醸柴田のイヤホンからのジンの声「……やれ、コルン」

752名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:09:42 ID:kxnMBcDU
バァン!







純米吟醸柴田「ぐあっ……!!?」

(大の字になって仰向けになっていた純米吟醸柴田の胸元に銃弾が撃ち込まれ、血を吐く)

コナン「な!!?」

753名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:10:17 ID:kxnMBcDU
【ホテル上空を飛ぶヘリの中】

キャンティ「ヒュウ、ビンゴォ♪」

コルン「純米吟醸柴田、良い奴。オレ、残念」チャッ(銃を下ろす)

ウォッカ「派手な爆発音で周囲の警察も動いてるみたいですぜ、兄貴。
純米吟醸柴田も片付けやしたしあそこにいるsyamu……
いや、サッポロ極ZEROを回収してとっととズラかりますかい?」(ホテルの下の消防車や集まってくるパトカーを見ながら)

ジン「……いや」

ウォッカ「え?」

ジン「……キャンティ、あの土竜もついでに撃ち抜け」

キャンティ「OK!アタイさぁ、あの男気持ち悪くて大嫌いだったのさぁ!」

ジャキッ(銃を構えるキャンティ)

754名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:11:07 ID:kxnMBcDU
ベルモット「あらジン、さっきバカにされた仕返し?仮にもボスのお気に入りを勝手に始末して良いのかしら?」

ジン「キャンティ、あいつは一発とは言わず丹念にやれ……」

ベルモット「フフ…やっぱり怒ってるんじゃない。器の小さい男…」

ジン「フン…ヤツは何やら怪しい動きをしていたみたいじゃねぇか。
ボスのお気に入りだか何だか知らねーが、消しておくのが組織のためだ……」

ウォッカ「確かにカラオケ動画や踊ってみた動画でsyamuは怪しい動きというか奇妙な動きをしてやしたが……
ボスの命令もないのに良いんですかい?」

ベルモット「(……サッポロ極ZEROは彼…『silver bullet』のことを探っていた……。
特に庇い立てする必要もなさそうね)」

ベルモット「良いんじゃないかしら?疑わしきは消す。それが組織のやり方だもの。
ボスも納得するでしょうね?それが本当ならの話だけど…」

キャンティ「決まりだね!さぁ、あの気持ち悪いモグラをぶっ殺してやるよ!」

(スナイパーライフルを構え、ヘリから身を乗り出すキャンティ)

755名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:11:56 ID:kxnMBcDU
【ホテル屋上】

純米吟醸柴田「……!!」

(ヘリから身を乗り出したキャンティを発見、その銃がsyamuを狙っているのに気付く)

純米吟醸柴田「危ない…syamuさん!!!」

コナン「え?」

ドンッ(よろけながら立ち上がり、syamuを突き飛ばす純米吟醸柴田)

syamu「岡people!?」

ゴロゴロゴロ(突き飛ばされ、ちょうど下へ続く階段のある建物の中に転がっていくsyamu)

756名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:12:21 ID:kxnMBcDU
バァン!!バァン!!バァン!!バァン!!!バァン!!







純米吟醸柴田「…あ…」

バタン(何発もの銃弾が体を貫き、倒れる純米吟醸柴田)

757名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:12:49 ID:kxnMBcDU
純米吟醸柴田「…が……」

コナン「スブターさん!」(思わず物陰から身を乗り出して呼びかけるコナン)

純米吟醸柴田「……おい……工藤…新一…」

コナン「喋るな!傷口が……」

純米吟醸柴田「どうせ……助からねえ…ゲホッゲホッ!ハハ、今まで…好き勝手…やってきた…報いだな…」

コナン「……。」

純米吟醸柴田「それより……頼…む…」

コナン「え?」

純米吟醸柴田「あいつを……syamu…さんを…」

純米吟醸柴田「助け……て……やって……」

純米吟醸柴田「く……れ…」

純米吟醸柴田「ゲホッ!」(吐血し、動かなくなる)

コナン「スブターさん……」

758名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:14:07 ID:kxnMBcDU
イヤホンから聞こえるキャンティの声「ちょっとどうなってんのさぁ!アイツまだ生きてたよ!」

コナン「!?」

(すぐ近くに落ちている通信機に気付き拾い上げる。声はそこから聞こえている)

コナン「(スブターさんの通信機…恐らく耳に入れていたんだろう。まだあのヘリと通信がつながってるのか…!)」

イヤホンからのコルンの声「オレ、ちゃんと、撃った。純米吟醸柴田、丈夫」

イヤホンからのジンの声「構わねえ、もう一度撃て。あの土竜をな……」

イヤホンからのキャンティの声「あいよ!……ん?ジン、暗くてよく見えないけどもう一人いるみたいだよ!」

コナン「(!!?)」

通信機からのジンの声「どうせ屋上まで逃げてきたホテル従業員だろう。構わん、土竜もろともやれ…」

コナン「(やべえ…!!)」

タッ(下へ降りる階段のある建物の中へ飛び込む)

バアン!バァン!!バァン!!(コナンが飛び込むのと同時にいた場所に銃弾が突き刺さる)

759名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:14:53 ID:kxnMBcDU
【屋上から下の階に下りる階段のある建物内】

コナン「(ふぅ、間一髪か…)」

コナンの手元の通信機からのキャンティの声「チッ、外した!ちょっとジン、そいつもサッポロ極ZEROも建物の中まで逃げたよ!」

通信機からのジンの声「…構わん、そのまま狙い続けろ」

コナン「!?」

通信機からのジンの声「階段を下りても爆発と煙…逃げたら煙と炎だ、逃げられやしねえ…
どうせすぐに出てくるだろうよ…煙に燻されたネズミどもがな…」

通信機からのウォッカの声「殺すならすぐホテルを爆破してズラかった方が良いんじゃないですかい?」

通信機からのジンの声「まあ待てウォッカ…もう少しこの葬送の炎を見てるのも悪くねえだろ?
この燃えるホテルが奴らの……配信者たちの墓標ってわけだからな…」ニヤリ

760名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:15:19 ID:kxnMBcDU
コナン「(確かにそうだ…下に降りたところで炎と煙…。階段やエレベーターからは逃げられねえ…)」

コナン「(それに蘭もまだ気を失ってる…)」

(コナンの足元で気を失い横たわっている蘭)

コナン「(あとはsyamuだが…)」

syamu「……」(間抜け面で下の階段の踊り場で失神している)

コナン「(スブターさんに突き飛ばされたときに階段の下まで転がり落ちたんだな)」

コナン「(ま、こいつに頼れるはずもねーが…)」

コナン「(このままここにいれば煙と炎でいずれ死ぬ…かといって出ていけばあいつらの銃で殺されるってわけか…)」

コナン「(くそっ…どうする…どうすりゃいいんだ……!?)」

761名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:17:10 ID:kxnMBcDU
  ――えーYouTubeで活動しているsyamuと申します、よろしくおねがいしまーす

https://www.youtube.com/watch?v=LVLpoeo0KOM&t=3s

スブター「(…これは走馬灯ってやつか。確かあいつに会いに貝塚のカラオケに行ったときの…)」

  ――お仕事はーまぁ、言われてるんですけども、YouTube一本だけです今は。

スブター「(…YouTuberとしても組織の一員としても色々あったし結婚もして子供も出来たってのに、最期に思い浮かぶのはこいつの顔かよ)」

  ――ぶっちゃけ、1万行くか行かないかですね

https://www.youtube.com/watch?v=iIccYhKXcRk

スブター「(いや…違う。……そうか…俺は……)」

  ――絶対に、消さないで!YouTube消されたら終わりです。応援コメントよろしく!

スブター「(あいつと…syamuさんと、もう一度…)」

  ――夢はですね、YouTube・ドリームですゥゥゥゥ……

https://www.youtube.com/watch?v=UtkvZQvT6Rc&list=PLg6mWfAOucXnWe7tBggAKbeYDhJopJPhK

スブター「(一緒に、コラボ動画をやりたかったんだ)」

762名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:17:51 ID:kxnMBcDU
スブター「(あの組織も、金も、YouTuberとしての地位も、名誉も…どうでも良かった)」

スブター「(あいつと仲良くなりたい、それだけで良かった)」

スブター「(YouTuberとして成功すればアイツを救ってやれる…そのために組織に尽くしてきたし、配信活動を頑張ってきたんだ…)」

スブター「(アイツが俺のところに来てくれれば一生生活の面倒を見てやったって良かった…)」

スブター「(今回の計画だってsyamuさんが復活するのに邪魔な連中、syamuさんを利用した連中やバカにしやがった連中を皆殺しにすれば…)」

スブター「(syamuさんが復活してくれる、俺とまた仲良くしてくれると思ったんだ……)」

スブター「(今回の任務を成功させたら、アイツを組織から抜けさせて2人でまた配信をやろうと思ってた…)」

スブター「(……そうか。俺はただ、アイツと仲良くなりたかっただけなんだな…)」

763名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:18:44 ID:kxnMBcDU
  ――えー最後の締めに、えースブターさんとカラオケでコラボ……をしてえー終わろうと思ってますのでよろしくお願いしますゥゥゥ……

https://www.nicovideo.jp/watch/sm25130342

スブター「(…ハハ、貝塚のカラオケであいつに会った時に素直にそう言ってりゃ…少しは変わったのかもしれねえな…)」

  ――ダーイターンフテキニハーイカラカクメイ♪

スブター「(なあ……syamuさん)」

スブター「(俺と…もう一度……)」

スブター「(コラボ……しよう……ぜ……)」






(「あそびば貝塚」で腕を組んで楽しそうに千本桜を歌うsyamuとスブターのコラボ動画の頃の光景が最期に目に浮かび、目を閉じて息を引き取るスブター)

764名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:19:09 ID:kxnMBcDU
ギィーーバタン!(CM前の扉が閉まる音)

765名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:20:46 ID:kxnMBcDU
今回はここまでです
次回で本編が終わって次々回の長めの事件後のエピローグで完結予定です
1年近くになりましたがここまで書かせていただき本当にありがとうございました
AILEくんにもこんなに長くスレを残していただいて感謝の言葉しかありません
もう少しですが何とか完結させたいと思います

766名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/26(金) 16:32:38 ID:xb3B6fF.
お前のSSを待ってたんだよ!(歓喜)

767名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/06/27(土) 09:39:57 ID:wZRJKD1E
syamuスブは純愛(号泣)

768名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/07/01(水) 19:54:50 ID:EgNMqH4Q
乙シャス!

769名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/08/15(土) 20:40:36 ID:EvLfkdqc
シバター引退age

770名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/08/23(日) 20:50:17 ID:DbLT1SZo
ガチャ、バーン!(CM明けの扉が開く音)


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板