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ショタ提督「ポケモントレーナーになりたいなー」明石「了解です!」

1名前なんか必要ねぇんだよ!:2017/11/19(日) 19:17:28 ID:Wt134MFc
はじめまして! ポケット モンスターの せかいへ ようこそ!

わたしの なまえは オーヨド みんなからは ポケモン はかせと したわれて います

この せかいには ポケット モンスター と よばれる いきもの たちが

いたるところに すんでいる!

その ポケモン という いきものを ひとは ペットに したり しょうぶに つかったり…

そして…

わたしは この ポケモンの けんきゅうを してる というわけです!





明石「はい」

ショタ提督「すごいなぁ(小並)」

大淀博士「じゃあ早速旅に出てください」

ショタ提督「よく分からないけどまぁいいか」

大淀「その前にポケモンをお渡ししますね」

ショタ提督「あっ、モンスターボールが3つあるんでしょ?」

明石「あったんですけどねぇ」

大淀「どうやら駆逐の子達が持って行っちゃって1つしかないんですよ」

ショタ提督「えぇ......じゃあそのポケモンは?」

大淀「>>3です」

781名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/22(日) 22:37:38 ID:sRM2k/6Q

タ級「ダガやはり甘イッ! 甘い甘い甘過ぎるッ!!」

ドォン!!!!

自分が乗るサメハダーの身体を乱暴に蹴り飛ばす

サメハダー「ダァッッッ!!!」バシュッ

アバゴーラ「ゴルァッ!!」バシュッ

サメハダーが急発進、アバゴーラがそれに随伴する

タ級「ソンナ分かりきった弾道! 目を瞑ってでも避けれるワヨッ!!」



ショタT「言ったね」



ザァァァァァァ

タ級「クソったれガ......」

海上を滑りながら悪態をこぼす

サメハダー「............ダァッ!?」ゾクッ

タ級「ナニ今更ビビッてンノヨッ! この臆病モンがッ!!」

サメハダー「ダダダダダ......」ガクガク

サメハダーが体表が鳥肌に変ってゆく

タ級「............?」


ヲ級「マズイッ、後ろッ!!!!」


タ級「馬鹿なッ!?」

アバゴーラ「バッ!?」

振り向くとそこに


ゴォォォォオオオオ!!!

エネルギー波の砲弾がアバゴーラに導かれ高速で迫ってくる


タ級「あの弾丸ハ......!?」



白露「メガカメックスの攻撃!! 『波導弾』!!!!」

メガカメックス「ガメェェェェエエエエッ!!!」




ドオオオオオオォォォォン!!!!




その日一番の巨大な水柱が立ち上がる










続く

782名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/22(日) 22:39:07 ID:sRM2k/6Q
長い……
次の投稿でこのエピソード締めるのでどうか最後までご付き合い下さい

783名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:00:04 ID:DtZhh13.



タ級「馬鹿なッ!?」

アバゴーラ「バッ!?」



白露「メガカメックスの攻撃!! 『波導弾』!!!!」

メガカメックス「ガメェェェェエエエエッ!!!」



ドオオオオオオォォォォン!!!!



メガカメックスの放った波導弾がアバゴーラに直撃する

爆発と共に激しい水飛沫が舞い上がる



ヲ級「オノレッ......」


吹雪「やった!」

ショタT「そうだ。波導弾から逃れることは出来ない......絶対!」


白露「ひっひー♪ やったね、カメックス!」

メガカメックス「ガメェッ!」


白露&メガカメックス「ンガッッッッ!?!?」


ショタT「っ......!?」

吹雪「嘘っ!?」





水飛沫のもやが晴れてゆく

直立する二者の影が浮かぶ



タ級「味な真似ヲ............」

アバゴーラ「ゴラララ............」シュウウウウ


アバゴーラのボロボロの身体から湯気が上がる

目は力を失わず依然として敵を睨み付けている

784名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:01:09 ID:DtZhh13.



吹雪「そうだ......アバゴーラの特性の一つは『頑丈』」

ショタT「それなら耐えられる。頑丈は、気合の襷と同じ効果を持つ特性だから」

白露「ななな! 納得いかーん! その頑丈な殻さっき自分で破ってたでしょーがっ!!」




ヲ級「......行けるカイ?」

タ級「当然ダ」


アバゴーラ「ゴォォォォッラアアア!!!」


アーケオス「ギャオォォォォォッス!!!」


咆哮が轟く

むき出しの殺意が目を光らせる

溢れ出す憎悪が空と海に広がる



吹雪「ひっ......!!」

マンタインたち「マンタ〜......」ブルブル

ショタT「まずいよ白露......あいつら本気だ......!」

白露「こっちゃ端から本気だよッ!!!」

白露「......とは言え、確かにちょっとヤバいかもね」

785名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:02:18 ID:DtZhh13.


タ級「やるぞ、アバゴーラ......容赦はイラナイ」

タ級「......構エ」


左手を前方に突き出す

指を伸ばす

その指示に従いアバゴーラが動く


アバゴーラ「ゴラッ......!」バッ


左前足のヒレを前に伸ばし、埋め込まれた岩の爪が突き出る

同時に腕の筋肉が盛り上がり、圧縮されたエネルギーが先端の爪に込められてゆく

明らかな攻撃の構えであることが即座に分かる



構えを取る両者の視線が、敵の姿ただ一点を捉える

伸ばした指の先に標準が定まる



吹雪「まさか......!」

ショタT「まずい! 白露っ!!」



毅然として構える

仁王立ちで腕を組み、こちらも敵を睨み付ける

視線が殺気を伴い身体に突き刺さるのを感じる



マタ雨「マンタ......!?」ゾクッ

白露の乗るマンタインが震える


白露「いひひっ......獲物はあくまでこの白露って訳だね?」

786名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:03:16 ID:DtZhh13.


ショタT「トレーナーを狙う気か......!」

吹雪「白露ちゃん!! 危ない逃げてっ!!!」


白露「ま、案外悪い気はしないね。大物扱いってのはさ」


ザバァァァッ!


メガカメックス「ガメェッ!!」ドン!


主を庇うためメガカメックスが立ち塞がる


吹雪「カメックス......!」


白露「ありがとう、カメックス。さすがあたしの相棒っ!!」



白露「......でも、心配いらない」ボソッ

囁きかける

メガカメックス「ガ?」

白露「あんたは、あいつをぶっ飛ばすことだけを考えてくれれば、それでいい」

メガカメックス「............」




白露「大丈夫! 信じてるからっ!!」ニッ

白い歯を見せる



メガカメックス「ガメっ!」キリッ

787名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:04:23 ID:DtZhh13.


白露「マタ雨、怖いかもだけどつき合ってねっ!」

マタ雨「マンタっ!!」キリッ



ガコン! ガコン! ガコン!

メガカメックスが全身の砲と手足を収納し甲羅だけの姿になる


メガカメックス「............」



ヲ級「最後マデ......守りに徹スル気か......」

タ級「ナラバ......貴様の正義の盾とヤラが、我ラの無慈悲な砲弾に引き裂かれるソノ瞬間を、目に焼き付けるがイイ」

タ級「貴様を始末するのはソノ後ダ!! やれ! アバゴーラ!!」


アバゴーラ「ゴラァァァァァッ!!」カッ!


白露「行くよ、カメックス!!」


メガカメックス「ガメッ!!」カッ!


タ級「ストーンエッジッッッ!!!」


白露「アクアジェットォォォォォォオオオ!!!」


アバゴーラの剛腕に込められた力が爆発する

轟音と共に岩石の徹甲弾が発射される


同時にメガカメックスが甲羅の後部から高圧の水流を噴射

その身体が一つの弾丸となり目にも止まらぬ速さで敵に突撃する


反対方向から放たれた二種の弾丸


それらが海上でかち合う


ことはなく、何事も無かったかのようにただすれ違う















ドオオォォオォォォオォン!!!!




両方向で同時に水柱が上がる



吹雪「し............」

ショタT「白露ーーーーっ!!!」

788名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:05:47 ID:DtZhh13.



「ひひっ♪」


岩の弾丸は仁王立ちするトレーナーの真横を素通りし、遠く後方で着弾していた


ヲ級「............!」


吹雪「白露ちゃん......!」

ショタT「......白露」

二人に笑顔がこぼれる




白露「やっぱりあたしらが......いっちばんだよねっ!!」


メガカメックス「ガメェェェ!!!」 ド ン !




タ級「馬鹿なッ......狙いは完璧だっタ......何デ......」


ガクッ

アバゴーラ「ゴ......ラ......ッ」ザバァン

アバゴーラはたおれた


タ級「何で、アタシの子がヤラレテ! アンタら二人とも無事ナノヨッ!!!」

ヲ級「......逸らしていタ......メガカメックスの甲羅が、ストーンエッジの弾道を逸らしていタンダ......」

タ級「納得いかナイッ!! アンナ、ガキ共にこの私がッ!! コンナ屈辱ヲッッッ!!!」

ヲ級「タっちゃん............」

789名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:06:42 ID:DtZhh13.


タ級「我ラは、奴等よりずっと昔にコノ海の上で生マレ、コノ海を支配してキタ! 此処は我らの縄張りダッ!」

タ級「陸地でノウノウと暮らし、稚拙なマンタイン捌きでチンタラ走ってる連中に、道を譲ってやれとでも言うノカ!?」

ヲ級「............」

タ級「先輩に対する態度ガ、ナッテナインジャないかしらァッ!?」


ショタT「............」

マンタイン「マンタ〜......」

吹雪「そ、そんな無茶苦茶な......」

白露「だったら教えてあげる。今日からこの海は」


白露「いっちばん強くて! いっちばん凄い! この白露の縄張りよっ!!」


メガカメックス「ガメエエエ!!!」


タ級「......ッ!!」ギリッ


白露「当然だよね? 白露が一番だもん」


ヲ級「ナラバそれもここで終わりダ」


ショタT「はっ!?」


上空を見上げる


アーケオス「ケォォォオッ!!」


目の色を変えたアーケオスが攻撃の構えを取る

790名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:08:01 ID:DtZhh13.


ヲ級「私もヤル。タっちゃん一人に屈辱を味わせはシナイ」


指揮棒を振るう


アーケオス「キェッェェェェッ!!!」 ゴオオオオオオオオ!


アーケオスが急降下する

翼を折り畳み、まったく羽ばたく素振りを見せない

飛行するというよりも猛スピードで落下するかのような挙動でメガカメックスに向かってゆく


吹雪「......!? あの構え、岩雪崩じゃない......まさか!」


ヲ級「行ケ、アーケオス。憎悪ヲ運ブ彗星トナリ、我ガ敵ニ破滅ヲモタラセ」


ヲ級「『諸刃の頭突き』!!!」


アーケオス「ケェェェェエエエエエ!!!」

メガカメックス「ガメッ!?」

両者の目が合う


ショタT「させない」



シャッ!



アーケオスの背後に黒い影が張り付く


ヲ級「............!?」


ショタT「気合の襷は、ただ攻撃を耐えるために持たせたんじゃない。全てはこの一撃のため!!」


アーケオス「ケォッ!?」バッ

振り返る

オオスバメ「スバァァァァアアアアッ!!」


ショタT「オオスバメ! 『起死回生』!!!」




バサァァァァァァッ




上空で花びらのような羽根が舞い上がる

791名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:09:04 ID:DtZhh13.


ショタT「......よくやったね、オオスバメ」


オオスバメ「スバッ!」


吹雪「やっと、終わった......」



ヲ級「............」


アーケオス「ア......ァ............」ヒュウウウ


アーケオスがその羽根の散らしながら力なく落下してゆく



深く青い海面が近づく




























ヲ級「歯ァ食いしばれェ!!!!!」


アーケオス「キャォォォォッス!!!!」カッ!

792名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:10:07 ID:DtZhh13.



アーケオスが着水直前で旋回する

飛行体勢を取り戻し直角の軌道を描き、海面ギリギリを疾走する



吹雪「嘘っ!?」

ショタT「そ、そんなっ! 地力で耐えたッ!?」


力を振り絞り翼をばたつかせる

足は海面を蹴り飛ばし、文字通り水上を走るように前へ前へと進む

初速の勢いは失いながらも猛然とメガカメックスに突撃する


ヲ級「ソンナ無様な最期ハ許サナイッ! 非道にハ、非道の気高サが無くてはナラン!!!」


ヲ級「散ルなら華々シク散レッ!!!」



アーケオス「ケェェェェェエエエエ......ッ!!!」





ゴオオオオオオン!!!





白露「......」

吹雪「カ......」

ショタT「カメックス!!!」



メガカメックス「ガ......メェ......ッ!!!」

アーケオス「キェェェ......ッ!!!」

アーケオスの諸刃の頭突きがメガカメックスの土手っ腹に食い込む

両者とも歯を食いしばる


ピキッ    ピキッ


甲羅が軋む嫌な音が鳴る

793名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:11:05 ID:DtZhh13.


白露「......伝わったよ。そっちには、そっちのプライドってもんがあるんだね」


白露「でもねぇッ!!!!」



メガカメックス「ガァァァァッ!!!」


バァン!!


アーケオス「キャォォォッ!?」


メガカメックスが腹部に込めた力を解放し厚い甲羅が衝撃を弾き返す

反動で大きく吹き飛ばされるアーケオス



白露「どんな悪い事されようが! どんな正論並べられようが! 絶対に、勝ちは譲らないっ!」

白露「あたしは白露! 一番になる女よっ!!!」


メガカメックス「ガメエエエエエ!!!」 ド ン !



ザバァン!



ヲ級「............」


眼の前に浮かぶ自分の分身をただ眺める


折れた翼が花びらを散らし海面が色鮮やかに染まる



アーケオスはたおれた









___________
_______
___

794名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:12:21 ID:DtZhh13.





海岸





ショタT「吹雪ちゃん。わざわざ送ってくれてありがとう」

吹雪「私はあんまり力になれなかったけどね......全部白露ちゃんのおかげ」

白露「ひっひー♪」

吹雪「でも本当によかったよ、ショウタくん。これで無事に帰れるね」

ショタT「吹雪ちゃんは、帰り気をつけてね。連中の仲間がいるかもしれない」

白露「だったら、またあたしの出番ね! なんせここは白露の縄張りだからっ!!」

白露「海は平和は、あたしが守るっ!!」キリッ!

吹雪「あ、あんまりあの人たちの影響受けない方がいいよ......」

白露「ショウタ! なんやかんやあったせいでアンタとの決着つけれなかったけど、今は見逃してやるわ!」

ショタT「え?」

白露「今の白露は最強過ぎて勝ち目ないからまた今度にしてあげる、ってこと!」フーン!

吹雪「すごい自信過剰......」

白露「次に会う時までにキッチリ修行しておきなさい! あんたとのバトル、楽しみにしとくよっ!!」

ショタT「うん、僕もだよっ!」

白露&ショタT「いひひひっ」

吹雪「いいなー、そういう仲って」

白露「何言ってんの! 吹雪も戦友! アンタや秋月達と戦って勝ち取った勝利はあたしの誇りだよっ!」

吹雪「えへへっ♪ ありがとう、白露ちゃん」

白露「じゃあ折角だし、みんなで一緒に言ってみよう。せーのっ」

白露・ショタT・吹雪「すぅ......」


(一呼吸)


「「「一番目指すよーっ!!!」」」








続くったら続く

795名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:13:24 ID:DtZhh13.




大淀博士「さーて今回のポケモンは」

大淀博士「ぴっぴかちゅう!」ガチャ

No.567

大淀博士「No.567と言えば、そう、アーケオスですね」

大淀博士「大昔に絶滅したポケモンで、鳥ポケモンの祖先と考えられています。化石から復元することで現代に蘇りました」

大淀博士「群れで狩りをし、追い詰めた獲物を空から強襲して仕留めます。でも飛ぶより走るほうが得意だとか」

ノッソノッソ

(地に足つけてのっそり歩いてくるアーケオス)

アーケオス「ア?」

大淀博士「ひゃだ...ひゃだ...!! あなた、アーケオス......って言うのねっ!! かわいすぎよっ!! この顔立ちに、このムッチリ、ムッチリ、ムッチリしたカラダ!! あんたたち、」

アーケオス「ケェッ!!」ドン!

(アクロバットにドロップキック決めるアーケオス)

大淀博士「逝くわよっっっ!!!!!!!」バキィッ!





ここで一句



アーケオス

モフモフしたいわ

嗚呼毛雄



大淀博士「みんなもポケモン、ゲットですよ」

796名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/27(金) 22:15:35 ID:DtZhh13.
次回

登場キャラ
>>797

ポケモン
>>798

797名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/28(土) 00:42:34 ID:5pmyaXqk
秋津洲

798名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/28(土) 06:47:39 ID:mykZDbjc
デリバード

799名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/29(日) 22:02:19 ID:QL0D28VI
(最近長くなりがちで)これはキツいですよ
思えばもう800レスなんですね
多分そう遠くないうちに無理やりにでも畳むつもりなので読んで頂ければ幸いです

800名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/29(日) 22:02:46 ID:QL0D28VI





ある日の昼前





〜トレーナーズスクール男子寮〜



二人の少年が自分のベッドで寝転んでいる


グゥゥゥゥ......


ハウ「腹減った」

グラジオ「減ったな」

ハウ「でも飯準備する気にならないや」

グラジオ「そうだな」

ハウ「涼しいからいつまでもお昼寝したい」

グラジオ「暑い時も昼寝してたけどな」

ハウ「もう夏休みも終るのか〜」

グラジオ「俺らの夏はとっくに終わってるさ」

ハウ「まぁのんびり出来てよかったけどね〜」

グラジオ「まぁな」

ハウ「......」

グラジオ「......」

ハウ「ショウタも家帰ってのんびり出来た〜?」

ショタT「......」キュッ

(鏡の前で襟を正しシャツを伸ばす少年)

ショタT「ふっ......」キラリーン

(謎ポーズ)

ハウ「............」

ハウ「何か変なこと仕込んだ?」

グラジオ「変なことじゃない」

801名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/29(日) 22:03:42 ID:QL0D28VI


グラジオ「デートらしいぞ」

ハウ「へー」

ショタT「そっ、そういう訳じゃ......っ///」

グラジオ「言っておくが俺からしたらまだまだ地味過ぎる。もっと腕に」

ハウ「それで、デートと変なポーズとなんの関係が?」

ショタT「さすがに人前ではしないよ! こんなポーズ」

グラジオ「フッ......(苦笑)」

ショタT「あとデートじゃなくて......ちょっと真面目にお話したいって誘われただけ、だから......」

ショタT「以前グラジオくんが教えてくれたでしょ。トレーナーズアカデミー。そこに行ったとき、優等生の女の子とバトルしてさ」

ショタT「なんというか、一目置いてもらって......その縁で」

ハウ・グラジオ「......」

ハウ「デートだよね?」

グラジオ「デートだな」

ショタT「違うよ」

802名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/29(日) 22:04:25 ID:QL0D28VI


ショタT「じゃあもう出かけるから。僕の分のご飯はいらないからね」

ハウ「楽しんできなよ〜」

グラジオ「健闘を祈るぞ」


バタン

(戸が閉まる音)


ハウ「............」

グラジオ「............」

ハウ「ショウタに飯準備させるつもりだったのに」

グラジオ「フッ......」

ハウ「......」

グラジオ「......」

ハウ「ピザ食べたい」

グラジオ「そうか」

ハウ「宅配で割り勘」

グラジオ「構わん」

ハウ「ツナマヨ」

グラジオ「マルゲリータ」

ハウ「食おう」

グラジオ「食おう」



そういうことになった

803名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/29(日) 22:05:19 ID:QL0D28VI





トレーナーズアカデミー学園都市



〜喫茶店にて〜



ショタT「......///」ドキドキ

夕雲「うふふっ♪ また一段と凛々しくなったのね、ショウタさん」

ショタT「そ、そんなことないよ......」

夕雲「夕雲も、張り切っておめかしして来た甲斐がありました。あなたに不釣り合いだといけませんから」

ショタT「そそそ、そのようなことは御座いません......」

夕雲「もぅ、ダメよ? そんな固くなっちゃ......ね?♥」

ショタT (余計緊張します)

ショタT「......」

ズズー(熱々のコーヒーを啜る)

ショタT「熱っ!!」

夕雲「あらまぁ......本当に世話の焼ける人。大丈夫?」

テーブルナプキンで口を拭いてもらう少年

ショタT「だ、大丈夫です......///」



______________
_________
_____

804名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/29(日) 22:06:24 ID:QL0D28VI



静かな散歩道を歩く二人



ショタT(緊張し過ぎて全然話せなかった......)

ショタT「............な、なんかごめん。ちょっと、ああいう雰囲気慣れてなくて」

夕雲「ふふっ♪ これから慣れていけばいいのよ」

夕雲「それに、誘った私の方にも気遣いが足りてなかったわね。ごめんなさい」

ショタT「いや、本当に僕が情けないだけだから......」

夕雲「でも夕雲は、あなたのそういう所も素敵だと思ってるわ。だから落ち込んじゃダメよ?」

ショタT「あっ......ありがとう///」

夕雲「うふふっ♥」

夕雲「......それじゃあ、ちょっと本題ね」

ショタT「?」

夕雲「ショウタさん......あなたは、今の学校生活に満足してる?」

ショタT「え? んー......まぁ悪くないかな」

夕雲「そうなのね。私は......ちょっと退屈」

ショタT「なんか、優等生なりの悩みって感じだね」

夕雲「それでね、思ったの。あなたが傍にいてくれたら、もっともっと彩のある日々が送れるんじゃないかしらって」

ショタT「えっ......?」

夕雲「ねぇ......こっちの学校で、夕雲たちと一緒にお勉強してみない?」

ショタT「............それは」




<カモオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォ!!!




夕雲・ショタT「!?」

805名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/29(日) 22:08:07 ID:QL0D28VI





デリバード「でり〜っ!」ジタバタ

レ級「大人しくしナ!!」

ガオガエン「ガオオオッッッ!!」ギロッ!

デリバード「デリッ......」ビビクン

ガオガエンの脇に抱えられたデリバードが縮こまる

レ級「ン〜〜〜ッ♪ いい匂いだゼェ〜、コイツ?」

ガオガエン「ガオガオッ♪」

秋津洲「やめてっ! その子だけは放してかもっ! って、かもじゃなくて絶対放してっ!!」

ガオガエンに掴みかかる少女

レ級「ウルセェ!」

ガオガエン「ガオッ!!」


ドン!

ガオガエンの軽いラリアットで少女が大きく吹っ飛ぶ


秋津洲「きゃああああああっ!!」


ズザアアアア


デリバード「デ、デリ〜〜ッ!!」

デリバードの目がら涙がこぼれる

レ級「コンナ旨そうな匂いさせてオイテ食うなとか馬鹿かテメェッ!」

レ級「行くゼ、ガオガエン。早くリコ姉トコ持って帰って食っちまおうゼ!」

ガオガエン「ガオッ!!」

806名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/29(日) 22:09:20 ID:QL0D28VI


タッタッタッ

柄の悪いトレーナーとポケモンのコンビが走り去ってゆく


デリバード「デリ............」


連れ去られるポケモンとそのトレーナーとが目を合わせる

非力さと涙に覆われた瞳が鏡のように映る


秋津洲「デリバード......ごめん......助けて......あげられなくて......」ボロボロ



<大丈夫ですかーー!



秋津洲「............?」グスン


ショタT「はぁ、はぁ......これは、いったい何が?」

夕雲「ひどいお怪我を......今お助けを」

秋津洲「わっ......私のことはいいかもっ! それよりっ......!!」


・・・ ・・・


ショタT「......えっ!? ポケモンを攫われた!?」

夕雲「酷いことを............」
























〜トレーナーズスクール男子寮〜



ハウ「ピザ楽しみだな〜」ワクワク

グラジオ「フッ」



続く

807名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/04(金) 22:34:20 ID:6TimNxlk





夕雲「私は夕雲、こちらはお友達の」

ショタT「ショウタです」

秋津洲「ぐすん......あたし、秋津洲。相棒のデリバードと一緒にピザのお店をやってるの」

秋津洲「............でも、そのデリバードが連れ去られて......しかも、すっごく怖そう人と強そうなポケモンで......」

秋津洲「デリバードが食べられちゃうかも〜〜〜〜〜っ!! うえええぇぇぇん!!(泣)」

夕雲「事情は分かりました。ショウタさん」

ショタT「うん、分かってる。助けに行かなきゃ」

秋津洲「確かあっちの方向に走っていったけど......」


秋津洲が指差す方向に鬱蒼とした森が佇んでいる


秋津洲「もうどこ行ったか全然分かんないかも〜〜〜......」


夕雲「.............?」


道端にある目印を見つける


夕雲「お利口な子ね。行きましょう」

ショタT「え?」

秋津洲「......?」グスン

808名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/04(金) 22:35:24 ID:6TimNxlk



〜どこかの空き地〜



ザッザッザ



レ級「昼飯だゼー、リコ姉」

ガオガエン「ガオォ!」

デリバード「......」ブルブル

周囲を木々に囲まれた空き地

足を踏み入れると生えっぱなしの夏草がカサカサと音を立てる

レ級「相変わらず何もネェ所ダナ」

奥に佇む女性が鋭い眼光を投げる


リコリス棲姫「アタシの自慢の箱庭ニ、文句デモ?」


レ級「マァそう怒ンナヨ。ホラ、昼飯ダゼ!」

ガオガエン「ガオッ!」グッ

デリバード「デッ......!」ビクッ

デリバードを差し出すガオガエン

レ級「ドウだ、旨そうな匂いダロ?」

リコリス「......何でデリバードごと?」

レ級「エ? どういう意味?」

リコリス「荷物だけブンどればよかったダロ。まさかデリバード食わせる気か?」


レ級&ガオガエン「............?」


レ級&ガオガエン「......」クンクン(デリバードの匂いを嗅ぐ両者)

レ級&ガオガエン「......」クンクン(デリバードの荷物の匂いを嗅ぐ両者)

レ級&ガオガエン「............」(目を合わせるトレーナーとその相方)

レ級「テヘペロ☆」 ガオガエン「ガオガオ☆」

リコリス「ドアホか」

デリバード「......」ホッ

809名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/04(金) 22:36:19 ID:6TimNxlk

レ級「テェメェェェ! 自分が食いモンじゃネェって分かってンナラさっさと言えやゴルァァァァ!!」

ガオガエン「ガオオオオオオオォォォォォォォッ!!!!」

デリバード「デリィィィィィイ!?」ビクビクビクッ!

リコリス「ドーデもイイ、サッサと中身寄越シナ」

レ級「ソウダな、ホラよ!」

荷物の中にあるピザの箱を取り出す

箱を開ける

リコリス「............」

中から出てきたピザは端の耳部分がきれいにちぎり取られている

レ級「ホーラ、イイ匂いダゼ〜。アタシ、ツナマヨ貰うゼ」

ガオガエン「ガオ〜」

リコリス「オイ」

レ級「ア?」

リコリス「コノ世には、耳の無いピザなどと言う趣のナイ物が存在スルのカ?」

レ級「別に無くてイーじゃん。味ネェし」



< かもぉぉぉぉぉぉおおお!!



レ級「アァン!?」

ガオガエン「ガオッ!?」

リコリス「......?」

デリバード「でり〜〜〜っ(嬉)!!」


ザッ!


秋津洲「デリバード、見つけたかも!」

810名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/04(金) 22:37:51 ID:6TimNxlk


ショタT「夕雲ちゃんの言う通りだったね!」

夕雲「ちぎれたパンの耳を辿るなんて、お伽噺みたいでロマンチックね」

レ級「アアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!」

ショタT「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

顔を合わせると同時に叫ぶ二人

リコリス「アノ顔ハ......?」パサッ

手元に置いてあった2枚の手配書に目をやる。片方に描かれた少年の顔と眼の前の顔を見比べる

ショタT「何かと思ったらまたコイツ......!」

レ級「てめェの方ダヨッ!!! ダガ会えて嬉しいゼ!」バッ!

手配書を見せ付ける

夕雲「......!」

レ級「なんせテメェとコノ小娘ぶっ潰せば、離島の姉貴からガッポリ小遣い貰えるンダからヨ!!」

ガオガエン「ガオォォォッ!!」

リコリス「離島嬢のバカにもつき合ってみるモンだナ」

秋津洲「えぇっ!? 君そんな指名手配されるような悪い人なのっ!? 見かけによらないかも〜......」

ショタT「色々あったんですっ! というかどう見たってあっちの方が絶対悪そうでしょう!」

ショタT「ゆ、夕雲ちゃん......もちろん誤解だよ。分かってくれよね......?」

夕雲「............」

レ級が見せ付けてきた手配書

その片方の赤髪の少女を睨み付ける夕雲

夕雲「ふーん、随分と楽しい夏休みを過ごせたのねっ」プイッ

ショタT「あ、あれっ......」

811名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/04(金) 22:39:01 ID:6TimNxlk


レ級「サァー、ヤッテやるぜ、ガオガエン!!」

ガオガエン「ガオォォォッ!!」

リコリス「下がれ」

レ級「エ?」 ガオガエン「ガオ?」

リコリス「私の庭で、勝手に騒がれたら困るンダ」

レ級「デ、デモヨォ......」

リコリス「悪い事は言わナイ。やめておきナ。ココは私のフィールドだ」

レ級「ワ、分かっタヨ......リコ姉に任せル......」

リコリス「安心シロ。報酬はお前にクレテやる。あのガキはお前が離島嬢の所まで持って行きナ」

レ級「マジー? だったら何も文句ネェヨっ!」

リコリス「という訳ダ。遊んでモラオウカ。行っておくガ逃げたらコイツがタダじゃ済まないヨ」

デリバード「デリっ!?」

レ級「大人しくシテナ! 人質ナラヌ鳥質ダゼ!」

ガオガエン「ガオッ!」

秋津洲「ひどい! デリバードを返して......!」

リコリス「返してヤルサ。このバトルが済んだらナ」

ショタT「............」

夕雲「......あいにく私、ならず者と手合わせすることは出来ません。我が校の品格に関わりますので」

不機嫌そうに言い放つ夕雲

ショタT「......そうだよね。ごめん、夕雲ちゃん。君をこんなことに巻き込んじゃって......」

申し訳なさそうに答える少年

夕雲「............」

812名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/04(金) 22:39:42 ID:6TimNxlk



ショタT「行くよ、僕のポケモンたち!!」


リコリス「フ......歓迎してヤルヨ」


夕雲「はぁ......ダメね、夕雲ったら」

溜息をつく


ショタT「モロバレル、頼んだ!」

リコリス「来イ、ダーテング!!」


ポゥン!

        ポゥン!


モロバレル「バレッ!」スタッ


ダーテング「ダーーーッ!!」バサッ


秋津洲「なんか悪そうなのが出て来たかも......」

夕雲「ダーテング。草と悪の複合タイプ。トレーナーに似てよこしまな顔付きね」

リコリス「けッ!」


ショタT「でも、相性は悪くない! 行くよ、モロバレル!!」


モロバレル「バレーッ!」

攻撃の構えを取る


リコリス「ダーテング、『グラスフィールド』」


ダーテング「ダァァァァァァァ......!」カッ

813名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/04(金) 22:40:23 ID:6TimNxlk


ダーテングが目を光らせ呪を唱える

それに呼応し場に変化が起こる


ガササササササ


秋津洲「な、なにこれ......!?」

夕雲「おかしい......グラスフィールドは場に草を茂らせる変化技のはず......なのに」

ショタT「か、枯れていく......草が」


青々と茂っていた雑草が何かに力を奪われるかのように萎む

茶色い地面が顕になったのち、何かが一斉に芽吹いてゆく

急激に成長を遂げた茎の先端の蕾が鮮やかな色と共に花開き


夕雲「悪趣味ね......」

ショタT「確かに草は草だけど......これって......」

秋津洲「ひ、彼岸花!?」



真紅の華が一帯を赤一色に染める



リコリス棲姫「サァ......掛カッテ来ナ」





続く

814名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/05(土) 22:09:17 ID:1m2kSf9A



場に彼岸花が咲き乱れる



秋津洲「ちょ、ちょっと縁起悪いかも〜〜〜......」

リコリス棲姫「安心シナ。コイツらはイイ奴ダ。お前にも恵みをくれてヤルサ」

ショタT「恵み......?」

夕雲「普通、グラスフィールドによって植えられた草花は、地面に接している者に滋養を与えてくれるわ」

ショタT「そっか、体力を回復させる効果があるんだね」

夕雲「でも......嫌な予感がする。気をつけて下さい、ショウタさん」

ショタT「うん、ありがとう。夕雲ちゃん」


ショタT「モロバレル、『クリアスモッグ』だ!!」


モロバレル「バレーーーッ!!!」プシューーーー!!


透明な毒霧を相手に噴きつける


ダーテング「ングッ......!?」ゴホッ


ショタT「効果は抜群だ!」

モロバレル「バレッ!」

リコリス「フン」


キラン


ダーテング「ダァァァァ」


彼岸花が揺らめき力を分け与える

815名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/05(土) 22:09:59 ID:1m2kSf9A

秋津洲「回復されまくって倒せないかも......なんてことないよね?」

夕雲「フィールド効果の回復量は高が知れてるわ。気にせず攻め続けるのよ」

ショタT「うん! もう一度クリアスモッグだ!」

リコリス「ダーテング、『神通力』!!」


ダーテング「ダーーーーッ!!」カッ!

モロバレル「バレーーーッ!!」プシュー!


ダーテング目が光り、身体から霊気が湧き上がる

立ち上るエネルギーが念力となってモロバレルを襲う

それに遅れダーテングも毒霧を受ける


モロバレル「バレレーッ......!」ズキッ

ダーテング「ダァァァ......ッ!」ゲホッ


ショタT「しまった、エスパー技か......! でも!!」


モロバレル「モロッ!!」キランキラン!!

モロバレルの身体がきらめく


ショタT「モロバレルに持たせた『黒いヘドロ』の効果、そしてグラスフィールドの効果で体力を回復!!」

夕雲「ふふっ。いい道具を持たせてるのね」


レ級「ケッ! アタシのガオガエンが出りゃあんなキノコ」

リコリス「黙って見てナ」


ダーテング「ダァァァ......!」キラン

816名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/05(土) 22:10:54 ID:1m2kSf9A


リコリス「じゃあ、これならドウダ? ダーテング、『暴風』!!」


ダーテング「ダァァァァッ!!」

バサァッ!!

ダーテングが両手を大きく扇ぐ

真紅の花びらが舞い上がる


秋津洲「きゃぁぁぁぁっ!」

ショタT「今度は飛行技かっ......!」


ゴオオオオオオオオオオッ!!!

暴風がモロバレルを空中に持ち上げ

モロバレル「バレーーーッ!?」

ドォン!!

地面へと叩きつける


ショタT「大丈夫!? モロバレルっ!」

夕雲「いや......」


モロバレル「バレバレ〜〜っ?」ピヨピヨ


ショタT「まずい、混乱してる! しっかりして!」


モロバレル「バッ......! バレレッ!!」

バキィッ!

訳も分からず自分を攻撃する


レ級「ヘッ、ザマネェナ!」

リコリス「これでトドメだ。ダーテング、神通力!!」


ダーテング「ダァァァァァッ!!」

カッ!

目が光る。放たれた念力が満身創痍のモロバレルに追い討ちをかける


ショタT「くっ............!!」


モロバレル「バ......レ......ッ......」


バタッ


モロバレルはたおれた

817名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/05(土) 22:11:25 ID:1m2kSf9A


ドクン

鼓動


ショタT「うっ......!」ガクッ

地に膝を着く少年

夕雲「......ショウタさん、大丈夫っ!?」

秋津洲「えっ、な、なんなの!?」

少年の額に大粒の汗が滲む

ショタT「はぁーっ......はぁーっ......な、なんだこれ......」

動悸が激しくなる


リコリス「フッ......少シ、刺激が強過ギタカ?」

夕雲「......」

睨み付ける

夕雲「......説明して頂けますか? いったいどんな仕掛けが?」


ブチッ

地面から一本の花を引き抜く


リコリス「コノ花がくれるノサ。恵みモ、毒モ」

818名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/05(土) 22:12:16 ID:1m2kSf9A

夕雲「毒......」

リコリス「私はネェ、生温い戦いに興味はナインダヨ。トレーナーも命賭けなきゃ、ツマラナイだろう?」

リコリス「ダカラこのフィールドに『種』を植えておいたのさ。本気のバトルをする為の仕掛けをネ」

リコリス「コノ花が与える毒が、トレーナーとポケモンに作用し神経を昂ぶらセル。スルトドウダ?」

リコリス「自分のポケモンと一緒に戦ってる気分にナルダロウ? ドウダ、瀕死の味ハ?」

夕雲「............」チラッ


モロバレル「バレッ......」グタッ

力なく地に伏せるモロバレル


ショタT「はぁーっ、はぁーっ......!」ゼェゼェ

秋津洲「ショウタくん! しっかりして、どうしたの!?」

ショタT「お......おかしい......もう、治ったはずなのに......」

苦しそうに脇腹を押さえる。塞がったはずの傷が疼く

ショタT「(......思い出す......あの時を......)」

肩を震わせる

夕雲「ショウタさん......」

リコリス「にしても情けネェガキだ。もう少しヤルかと思ってたケドナ」

819名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/05(土) 22:12:51 ID:1m2kSf9A


ギュッ


夕雲「......大丈夫」

ショタT「え......?」

秋津洲「きゃっ......///」


夕雲に優しく抱きしめられる少年


レ級「ヒューッ」

リコリス「ませてんナ。最近のガキは」


ショタT「ゆ、夕雲ちゃん......」

夕雲「私の知らないうちに、とても辛いことを経験したのね......」

夕雲「あなたが一番苦しんでいた時に傍に居てあげられなかったこと、夕雲、とても悔やみます」

夕雲「でも大丈夫よ。もう夕雲が、ずっとずっと、一緒に居てあげますから。だから安心して」ギュッ

ショタT「......僕は......」

夕雲「怖いのね。でもいいじゃない、別に」

夕雲「夕雲が、全部包み込んであげる。だから、もっともっと、甘えてくれても、いいんですよ」

ショタT「............ありがとう」

夕雲「うふふっ。でもちょっと待ってて下さいね」

少年の持つ空のモンスターボールを優しく取り上げる

夕雲「......秋津洲さん、ショウタさんをよろしく」

秋津洲「えっ、あっ、は、はいかもっ!」

820名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/05(土) 22:14:21 ID:1m2kSf9A


夕雲「戻りなさい、モロバレル」

モロバレル「バッ......」

ポゥン

夕雲「あなたもよく頑張ってくれましたね。お礼を申し上げます」



夕雲「後は......この夕雲に任せてちょうだい!!」



秋津洲「ええっ!? 夕雲ちゃんがやるの!? だ、大丈夫なの......?」

夕雲「実力に関してならご心配なく。それ以外の問題について今は考慮しませんが」

リコリス「本当にイイのカイ、お嬢ちゃん? 言うケド私は、お前のようナ奴コト嫌イダヨ」

夕雲「嬉しい限りです。お互い様ね」

リコリス「チッ......手加減はイラネェ。ありったけの戦力注ぎ込んで来ナ」

リコリス「このバトルでテメェの身が持てバの話だがナァッ!!!」

夕雲「言われるまでもありません。持てる限りの力で貴女の仲間を一人残らず沈めてあげる」

(殺気)

レ級「ゲッ!?」ビクッ!

ガオガエン「ガオッ!?」ビククッ!

デリバード「デッ!?」ビビクン!

リコリス「面白ェ......!!」

レ級「オイオイ、正気かよコイツら......」←引き気味


秋津洲「て、てててっ! 夕雲ちゃんちょっと忘れてない!? あっちには鳥質のデリバードが!」


夕雲「関係ないわよ! みんな一緒に沈みなさい!!!」


秋津洲「ええええええええっ!?」 デリバード「でりいいいいいいっ!?」





続く

821名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/06(日) 21:48:35 ID:SmXXUIwo





秋津洲「......ショ、ショウタくん、大丈夫かも? まだ苦しい?」

ショタT「僕はもう大丈夫です......それより......」

フィールドに目をやる



対峙する二人のトレーナー

不吉な真紅の花畑が依然として一面に広がっている


リコリス棲姫「ホラよ。サッサと掛かって来ナ、ガキィ!」

ダーテング「ダァァァァッ!」


夕雲「この草花で覆われたフィールドには、私の華やかなポケモン達が相応しい」

手元には4つのボール

その内の一つを構える

夕雲「さぁ、貴女の相手はこの夕雲です! おいで、私の新たな主力、キュワワー!」


ポゥン!


キュワワー「キュワー!」フワッ


『キュワワー』
はなみつポケモン
タイプ:フェアリー
特性:フラワーベール/ヒーリングシフト



ショタT「キュワワー......?」

秋津洲「可愛いかもー! って、あんな可愛い子で戦えるの?」



夕雲「ご心配なく。戦闘、開始!」

822名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/06(日) 21:50:50 ID:SmXXUIwo


リコリス「騙されネェゾ、そいつは草タイプじゃねェ」

夕雲「よくご存知ね。大体の方は勘違いされるんですよ」

リコリス「へっ、だったらコレダ!」


ダーテング「ダァァァァ......!!」ゴゴゴゴ

バサッ!!

ダーテングの両目が強烈な光を放ち、両手を大きく扇ぐ

風が吹き花吹雪が舞い上がる

真紅の花弁を巻き込み、赤く染まった竜巻が出現する


リコリス「知らなかっタラ覚えておけヨ。この場で繰り出される草技はヨリ強力にナル!」

夕雲「ええ、知ってます」

リコリス「分かってンナラ、テメェも巻き込まれネェよう気を付けンダヨッ!」

リコリス「ダーテング、『リーフストーム』!!!」


夕雲「遅いわね」


シュッ

キュワワーの姿が消える


リコリス「!?」

夕雲「キュワワーの特性『ヒーリングシフト』の効果」

夕雲「体力を回復する技を先制で繰り出すことが出来る。それが攻撃技であっても例外なく、ね」

夕雲「やりなさい、キュワワー! 『ドレインキッス』!」


ダーテング「ダッ!?」バッ


背後に気配を感じ振り向く


それに合わせキュワワーがダーテングに接吻する


CHU☆

823名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/06(日) 21:51:54 ID:SmXXUIwo


キュワワー「きゅわーっ♥」チューッ

ダーテング「ちゅ......ん......んちゅ......」


レ級「オホー」

リコリス「ナナナ何ヤッテンダァァァ! ダーテングゥゥゥゥゥッ!!!」


キュワワーに力を吸われダーテングの目の輝きが失われてゆく

それに同調し巻き起こした竜巻が弱まる

宙に浮かぶ花びらが静かに舞い降りる頃

ガクッ

ダーテング「ン......グッ......」

ダーテングは倒れた


ショタT「よしっ!」

秋津洲「やったかも!」


リコリス「ウグッ! ゲホッゲホッ!!」

同時にそのトレーナーが咳き込む

夕雲「この花の毒の影響で、自分のポケモンと戦ってる気持ちになる、と先程おっしゃっていましたね?」

夕雲「まさか、貴女まで口づけされてる幻覚を見てる訳じゃないでしょうね? 夕雲そちらの趣味は......」

リコリス「クソがッ......!!」ゼェゼェ

ポゥン

ダーテングをボールに戻す

残った3つのボールから一つを摘む


リコリス「出て来い、アマージョ!!!」


ポゥン!


アマージョ「アマーッ!!」スタッ



『アマージョ』
フルーツポケモン
タイプ:草
特性:リーフガード/女王の威厳

824名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/06(日) 21:52:57 ID:SmXXUIwo


夕雲「アマージョ......」

リコリス「ホラよ、掛かって来ナ!」

アマージョ「マージョッ!」キッ

夕雲「引かざるを得ないわね......戻りなさい、キュワワー!」


キュワワー「きゅわっ!」ポゥン

キュワワーをボールに戻す


秋津洲「えっ、なんで戻しちゃうの?」

ショタT「そうか......アマージョの特性の一つは、先制技を無効化する『女王の威厳』」

ショタT「つまり、先制技化したドレインキッスも効かないってこと」


リコリス「女王様に舐めた真似は許されネェゾ」


夕雲「ふん。何が女王様よ」

別のボールを構える

リコリス「手持ちヲ交代スルのは構わネェけどサッサと出シナ! さもネェと、攻撃を食らうノハ......」

アマージョ「アマッ!」バッ

パチッ!

アマージョが取り出した鞭を鳴らす

リコリス「テメェダカラナァッ!! アマージョ、『パワーウィップ』!!」


アマージョ「マジョーッ!」バッ

鞭を大きく振るう


秋津洲「ひぃぃぃぃっ!?」

ショタT「夕雲ちゃん!」


夕雲「......おいで」


ポゥン!

825名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/06(日) 21:54:07 ID:SmXXUIwo


シュッ

鞭が空を切り裂く、その軌道上で赤い花びらが血飛沫のようにが舞い上がる

バチィン!!

対象を捉えた鞭が炸裂音を鳴らす


リコリス「ケッ......!」

夕雲「出てきて早々こんな仕打ちをさせてすみません。でもあなたなら大丈夫でしょう?」

夕雲「頼んだわよ、ラフレシア!」


ラフレシア「ラッフー!!」バン!


秋津洲「ホッ......」

ショタT「よし、いける。たとえ草技を強化しても、草と毒の複合タイプをゴリ押せる程の威力はない」


夕雲「この子を出すのが遅れていたら、本当に夕雲が攻撃を食らっていたわね」

リコリス「当然ダ。テメェに手加減する程の容赦は残ってネェヨ」

夕雲「うふふふっ......それは結構。夕雲は今、どうお返しして差し上げようかと腐心してるところです」

妖しく微笑む

ショタT「夕雲ちゃん......?」

リコリス「ヤッテミロ......!!」ブチッ

レ級「リ、リコ姉、幾らなんでもキレ過ぎジャネーカ......?」

夕雲「さて、夕雲たちもこのフィールドの恩恵は受けさせて貰いますよ。いいわよね?」

リコリス「勝手にシナ」

ラフレシア「らふーっ!」キラン

花が揺らめきラフレシアに力を分け与える

826名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/06(日) 21:55:56 ID:SmXXUIwo


リコリス「見せてやるヨ。 戦闘ってのはネ、コウイウモンダヨッ!!」


アマージョ「マーーーー!!」バッ

アマージョが跳躍する

身軽に空中を舞いラフレシアに突撃する


リコリス「アクロバット!!」


アマージョ「ジョッ!!!」バシッ!

華麗な蹴りが上空から繰り出されラフレシアの脳天に直撃する


ラフレシア「ラフーッ!?」バキィッ

夕雲「きゃあっ......!」ズキッ


ショタT「ゆ......」

秋津洲「夕雲ちゃん!」

ショタT「くそっ......また飛行技か......!!」


夕雲「......ふぅ......確かに......ラフレシアの痛みが伝わってくるようだわ」

夕雲「さすがに、草ポケモンの女王と呼ばれるだけの実力はあるわね」


リコリス「ハッ!」

アマージョ「アーマママッ!」

高笑いが響き渡る

827名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/06(日) 21:56:56 ID:SmXXUIwo



ラフレシア「ラフ......」ジー

心配そうに主を見つめる

夕雲「安心なさい、ラフレシア。あなたが自信をなくしては私まで不安になるわ。大丈夫よ」


リコリス「フ、中々いい顔ダッタゼ? ソイツがくたばる時のテメェの顔は更に見ものダネェ」

アマージョ「アマママ」ホホホホ


夕雲「そう、早く見れるといいわね」

夕雲「ラフレシア、『日本晴れ』」


ラフレシア「シアーーーッ!!」カァァァァァ


日差しが強くなった


秋津洲「暑っ!? なにこれ!?」

ショタT「日本晴れは天候を書き換える技です。これで、このフィールドは晴天になった」

秋津洲「そ、それに何の意味が〜......?」汗ダラー

ショタT「......色々と」

828名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/06(日) 21:58:01 ID:SmXXUIwo



リコリス「ナァニ考えテヤガル......」

夕雲「直に分かります」

リコリス「ソウカヨ。じゃあトットトくたばりヤガレッ!! アマージョ、再びアクロバット!」

夕雲「......残念ながら。ラフレシア」

ラフレシア「ラフッ!」カッ


アマージョ「マーーーー!!」バッ

アマージョが再び跳躍し空中から足技が繰り出される

その足先がラフレシアに触れた瞬間


夕雲「『力を吸い取る』!!」


ラフレシア「フゥゥゥゥゥ!!」キュインキュインキュイン

アマージョ「アマママまっ!?」シュウウウウ

触れた箇所から力が吸い取られてゆく


リコリス「コレハッ!?」

夕雲「ラフレシアの特性:葉緑素! 晴天化での素早さが2倍になる! これでラフレシアがアマージョに先手を撃てます」

夕雲「さらに『力を吸い取る』の効果! 相手の攻撃力を奪い、体力を回復する!!」

夕雲「さぁ、仕留めてみなさい! ラフレシアを、この夕雲を!」


バキィッ!


リコリス「オノレェ......」

アマージョ「ジョッ......」ギリッ


夕雲「............あら、この程度?」

ラフレシア「ラッフー!」


悠然と構えるラフレシアと夕雲

829名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/06(日) 21:59:09 ID:SmXXUIwo


夕雲「それではもう一度。『力を吸い取る』!」


ラフレシア「フゥゥゥゥゥ!!」キュインキュインキュイン

アマージョ「アマっ.......!」シュウウウウ

再びアマージョから力が奪われてゆく


リコリス「グッ......!!」

夕雲「満たされました、うふふふっ♪」

ラフレシア「ラフーッ♪」キラリン

夕雲「さぁ、性懲りもなく掛かって来なさい、女王様」

リコリス「テメェ......!!」

アマージョ「ママママ......!!」プルプル

夕雲「おやぁ? まさか、私のラフレシアの体力を削りきることが出来ないんですかぁ?」

夕雲「そんなぁ、話が違いますよぉ〜? この子を仕留め、夕雲が苦しむ時の顔を見たかったのではなかったのですか、女王様ぁ〜?」

夕雲「失望しました。結局貴女は所詮偽りの女王。紛い物の、趣味も悪い玉座に踏ん反り返るだけの、この狭い箱庭の支配者」

夕雲「下らない......あまりにも下らなすぎます。さぁ、さっさと掛かってらっしゃい。バトル中よ」


秋津洲「ひっ......」

ショタT「ゆ、夕雲ちゃん......どうしてそこまで......」


リコリス「............!!」ギリリリ


夕雲「答えのない所を見ると図星のようでしたね。でもいいの、そんなこと。夕雲にはどうでもいい事」


リコリス「テメエエエエェェェェェェッ!!!!!」


夕雲「関係ないって言ってるでしょう! 私にとって重要なのは、貴女が私の愛する人を傷つけたということ!!」


ショタT「えっ!?」ドキッ


夕雲「どんな理由があろうと、この人を傷つける者は許しません! やりなさい! ラフレシア!!」



夕雲「『ヘドロ爆弾』!!!」





続く

830名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/08(火) 00:21:05 ID:BRKxSv9U



夕雲「やりなさい、ラフレシア!! ヘドロ爆弾!!!」

ラフレシア「ラフッ!」

ラフレシアの目の色が変わり攻撃の姿勢に入る


リコリス「チッ......!」

アマージョ「ジョッ......!」ギリリ

歯軋りをする


夕雲「いいのですか? 私たちはまだ反撃を受けていませんよ。もっとも、貴女方にそれだけの気力が残ってるか知りませんが」

夕雲「そのまま何もせず突っ立ってるだけならば......大人しく狩られなさい!!」


リコリス「ヤラレルかよ! 行けアマージョ!!」

アマージョ「マーッ!」バッ!

跳躍する

先ほどの華麗な舞は見せず、ただ敵に突撃する


夕雲「ふん、随分と華やかさに欠けるアクロバットになったわね」

ショタT「いや違う......この動きは!」


トン

ラフレシア「シア?」

ラフレシアの花弁の上にアマージョの足が乗る


リコリス「『蜻蛉返り』!」


アマージョ「ジョッッッ!!」バッ!

831名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/08(火) 00:23:04 ID:BRKxSv9U


ラフレシア「ラッ!?」バシッ!


アマージョがラフレシアを踏み台にし、自分のトレーナー目掛け跳び去ってゆく

リコリス「サァ、戻レ!」

アマージョ「アマー!」ポゥン!

ボールを前にかざし、自分目掛けて跳んで来たアマージョをボールに戻す


ラフレシア「フー」

夕雲「とんぼ返りでしたか。蚊に刺される程の痛みも感じませんでしたが」

リコリス「良くヤッタ、アマージョ。ダガ、アンナノお前が手を煩わせる相手ジャネェ」

リコリス「後でマタ暴れさせてヤルカラヨォ......今はコイツに任せナ」

リコリス「出テ来イ! ロズレイド!!」


ポゥン!


ロズレイド「ローズッ!」スタッ



『ロズレイド』
ブーケポケモン
タイプ:草・毒
特性:自然回復/毒の棘/???



ロズレイド「......」スッ

深々とお辞儀する

スポットライトのような強い日差しがロズレイドを照らし出す

832名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/08(火) 00:25:05 ID:BRKxSv9U


夕雲「ふふふっ♪」スッ

スカートを軽くつまみ深々と頭を下げて応じる

ラフレシア「ラフー」グイッ

それに合わせてラフレシアも頭を下げる


ショタT「えっ、あっ......」コクッ

秋津洲「ど、どうもかも......」コクッ

つられてお辞儀する

レ級「相変わらず、気取ったヤロウダナ」

リコリス「ソウイウ奴ナンダヨ。悪くネェダロ」


ロズレイド「レイッ!」キリッ


夕雲「成る程。女王がいる以上、エスコート出来る紳士がいなくてはなりませんからね」

(お辞儀中)

ラフレシア「............」

依然として深々と頭を垂れる夕雲とラフレシア


・・・ ・・・


ショタT「夕雲ちゃん......?」

ロズレイド「?」

リコリス「オイ、イツマデ頭下げてる気ダ。フザケテんのか?」


夕雲「............バトル、続行」


ラフレシア「ラッフゥゥゥ!!!」カッ!

833名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/08(火) 00:26:53 ID:BRKxSv9U


レ級「ゲッ!?」

リコリス「ハァッ!?」


ボコボコォ

ラフレシアの巨大な花弁の中心に構える砲口、その奥底で何かが沸き立つ音が聞こえる


夕雲「『ヘドロ爆弾』!!!」

ラフレシア「シアーーーーーッ!!!」

バシュゥゥゥッ!!!

頭を下げたまま標準を合わせ、煮え滾るドス黒い砲弾を放つ






バァァァァン!!!

ヘドロ爆弾がロズレイドに着弾する

ロズレイド「ズレェッ......!」シュウウウウ


ショタT「こ、攻撃したーっ!?」

秋津洲「もはやただの不意打ちかもー!」


夕雲「なーにが紳士よ。夕雲、キザな男はキライですから」

ラフレシア「らっふーッ!!」プンスコ

834名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/08(火) 00:30:32 ID:BRKxSv9U


ショタT「っ......!」


バッ バッ

衣装の汚れを払い落とす音がする

ヘドロ爆弾が炸裂し立ち込める毒霧、その奥から鈍い光が漏れる


リコリス「......今度は、コチラノ番ダ」


ロズレイド「ローズッ!!」バッ!


両手のブーケ状の腕を振るい、漂う瘴気を吹き飛ばす

右の赤い花束をラフレシアに差し向ける

その右手は既に赤熱による発光で白く染まりきっている


ショタT「まさか......!」

夕雲「困ったわね、その攻撃は......」

リコリス「忘れてネェゼ。ソイツが発動してクレタ『日本晴れ』の事をナァ」

リコリス「テメェらに私のフィールドの恩恵があるヨウニ、コノ天候も私ヲ助ける力があるって訳ダ!」

リコリス「ソノ身を炎に焼かレ、セイゼイ苦しみナァ! ヤレ、ロズレイド!!」


ロズレイド「ロォォォォズッ!!!」カッ!


リコリス「『目覚めるパワー』!!」

835名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/08(火) 00:31:47 ID:BRKxSv9U


ゴオオオォォォ!!

ロズレイドの右手から灼熱のエネルギー弾が放たれる


ショタT「ま、まずい!」


バァァァァァン!!!

ラフレシア「シアァァァァァァッ!!」ボオオオオオオ

夕雲「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

ラフレシアが炎に包まれる

それに同調しトレーナーにも痛みが伝わる

秋津洲「ひ.....ひどいっ!」

リコリス「目覚めるパワーは、ポケモンの個体によってタイプが変化スル技。このロズレイドが放つ目覚めるパワーのタイプは『炎』!!」

リコリス「分かってるダロウが、晴天化では炎技の威力が増加スル! ダガそれだけジャネェ!」

リコリス「コイツの特性:テクニシャンによって、威力の低い技が強化サレル!!」

リコリス「ホラよッ! お灸をスエテヤルヨォッ!!!」


ガクッ

ラフレシア「ラッ......フ......」バタッ

ラフレシアは倒れた


ショタT「夕雲ちゃん!!」

駆け寄ろうとする少年

夕雲「はぁ......はぁっ......さ......下がりなさいっ......!」

ショタT「っ!?」

夕雲「こ、この程度......まだやれるわ!」

ショタT「夕雲ちゃん......」

夕雲「......ふぅー......迂闊だったわね。頑張ったわ、ラフレシア。お戻り」

ラフレシア「シアッ......」ポゥン

836名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/08(火) 00:32:32 ID:BRKxSv9U


リコリス「まずは一匹......」ニィッ

ロズレイド「レーイッ!」


夕雲「ふん」

新たなボールを構える


リコリス「褒めてやるヨ。ソッチの坊主は一匹でダウンだったからナァ」

ショタT「くっ......!」ギリッ

夕雲「......この人を馬鹿にする事は......夕雲が許しません」

夕雲「おいで、ウツボット」


ポゥン!

ウツボット「ボォォォット!!」トン


夕雲「それに気になります。そう言う貴女が、いったいどれだけ戦えるのか......」

夕雲「この夕雲に見せてご覧なさいっ!」

リコリス「テメェの方がナァッ! ロズレイド、再び『目覚めるパワー』!!」

ロズレイド「ロォォォッズ!」カッ!

リコリス「後悔シナ! 自分が用意した晴れ舞台で、無残に焼かれる事ヲナァッ!!」

837名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/08(火) 00:33:45 ID:BRKxSv9U


夕雲「いいえ、後悔などしません。今度は貴女の番ですから」


ウツボット「ウッツゥゥゥゥ!!」ボォッ!

ウツボットの口から球体のエネルギー弾が空高く打ち上げられる


リコリス「ハッ!?」

ロズレイド「レイッ!?」


上空を見上げる

打ち上げられた球体が太陽と重なる。その瞬間


ゴォォォォォォォォ!


球体は巨大な火の玉へと変わりロズレイド目掛け落下する


夕雲「『ウェザーボール』!!」


ドオオオオオオオオン!!


ロズレイド「ロォォォォォッ!!!」ボオオオオオオオ

ロズレイドが業火に包まれる

リコリス「ウギャアアアアアアアアッ!!!」


夕雲「先程はどうも。倍返しよ」





続く

838名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/20(日) 19:46:56 ID:2YNS64Vw
今回のエピソードまで書ききったらもうこのスレも終わるかもしれません
よろしくお願いします

839名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/20(日) 19:47:34 ID:2YNS64Vw





ガクッ

ロズレイド「ロ......ズ......っ」バタッ

ロズレイドは倒れた

夕雲「これにて舞台は閉幕よ。役者さんは下がりなさい」


フィールドを照らす光が弱まってゆく


リコリス「オ、オノレェ......ッ! 戻レ、ロズレイドッ!」

ポゥン

夕雲「夕雲が残す戦力は、ウツボットとキュワワー。そしてもう一体」

ウツボット「ボット!」

夕雲「対するあなたはアマージョと」

リコリス「コイツだけだ」

ボールを構える

ショタT「これで、3対2......」

秋津洲「よしっ、勝てるかも!」

レ級「オ、オイ......勝てンノカ、リコ姉?」

リコリス「......黙って見てナ。出て来ヤガレ!!」

ポゥン!

夕雲「......!」

一瞬夕雲の表情が硬くなる

ショタT「こいつは......!」


ナットレイ「レイッ!!」ドン!



『ナットレイ』
とげだまポケモン
タイプ:草・鋼
特性:鉄のトゲ

840名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/20(日) 19:48:14 ID:2YNS64Vw

ショタT「まずい、ナットレイは草と鋼の複合タイプ。弱点を突くには炎技を撃たなきゃいけない!」

秋津洲「え、炎技? じゃあさっきと同じ技を出せば」

夕雲「もう出ないわよ」


日差しが弱まっている


ショタT「日本晴れの効果は、時間の経過と共に消滅するんだ。ウェザーボールは天候の影響でタイプを変化させる技だから......」

夕雲「悲しいことに、この状況で撃っても炎技にはならない」

秋津洲「えぇぇぇぇっ!?」


リコリス「容赦はシネェ! 行け、ナットレイ!!」


ナットレイ「ナットォォォ!!」

ギュイイイイイイイン!!

ナットレイがベーゴマのように高速回転し始める

周囲の彼岸花の散らし赤い花吹雪が舞い上がる

回転力を保持したままウツボットにゆっくりと突撃してゆく


夕雲「だからと言って引き下がる訳にはいきません。成すべき事を成すまで」

夕雲「ウツボット、リーフストーム!!」


ウツボット「ボットォォォォォ!!!」カッ

ウツボットが頭部の葉を上げ大きく口を開き、その口から大量の枯葉が渦を描き吐き出される

リーフストームが突撃してくるナットレイを迎え撃つ


バァァァァァァン!!


土煙に枯葉と赤い花びらが混じり合う

841名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/20(日) 19:48:52 ID:2YNS64Vw


ショタT「......!」

秋津洲「や、やったかも......?」


ギュイイイイン......

立ち込める土煙の奥から嫌な音が聞こえる


夕雲「......まぁ、そうでしょうね」

リコリス「コノ程度か。 ヤレ、ナットレイ!!」


ナットレイ「ナットォォォォオ!!」ギュイイイイン!

高速回転するナットレイが土煙を吹き飛ばしウツボットの正面に現れる


ウツボット「ウッ!?」


リコリス「ジャイロボール!!」


ズガガガガガッッッ!!!


ナットレイ「レレレレレレッッッ!!!」ガガガガガ

ウツボット「ボットォォォォォ......!!」ズババババ


ナットレイの鋼鉄の棘がウツボットの表皮を削りとってゆく


夕雲「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

ウツボットの苦痛がトレーナーに伝わる

ショタT「夕雲ちゃん!!!」

リコリス「アハハハハ! イイ叫びダヨ。精々苦しみナ!!」

842名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/20(日) 19:49:24 ID:2YNS64Vw


バタッ

ウツボット「ボッ......ト......」

ウツボットは倒れた


夕雲「はぁ......はぁ......さすがに......ダメかもね......」

ギュッ

夕雲「............まぁ」

ショタT「夕雲ちゃん、しっかりして!」

夕雲の肩を支え手を握る少年

夕雲「ふふふ......ごめんなさい、ショウタさん」

夕雲「夕雲、あんなに強気だったのに......こんな情けない所をお見せしてしまって......恥ずかしいわ」

ショタT「そんなことない。夕雲ちゃんは僕は助けてくれた。今度は僕が......!」

夕雲「はぁ......何言ってるの......あなただって限界だったでしょ」

ショタT「............それでも」


リコリス「唐突にラブコメ始めテンジャネェヨッ!! 目障りナンダヨォッ!!!」

リコリス「そんなにイチャついてたいんナラ、続きは地獄でやりナァッ!! 二人仲良く葬ってヤルヨッ!!!」

ナットレイ「ナットォォォ!!」ギュイイイイイイン!

ナットレイが再び回転する


夕雲「......ショウタさん、聞いて」

ショタT「......?」

843名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/20(日) 19:49:55 ID:2YNS64Vw


夕雲「夕雲は、あなたと一緒にいれば、もっともっと強くなれる。だから」


夕雲「私の傍に居て」


ショタT「......分かった」


ギュッ

互いの強く手を握りしめる


夕雲「うふふふっ♪」


夕雲「さぁ......よく頑張ったわ、ウツボット。戻って下さい」

ウツボット「ボット......」

ポゥン

夕雲「ふぅ......お願いします。この夕雲に、力を貸して下さい」

夕雲「再びおいで、キュワワー!!」


ポゥン!


キュワワー「キュワー!」


リコリス「ケッ! ナニかと思ったらマタソイツか」


ショタT「(キュワワーはフェアリータイプのポケモン。鋼タイプのナットレイに有効な相手とは言えない......でも)」

ショタT「僕は、夕雲ちゃんを信じる」

夕雲「えぇ、お願いします」

844名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/20(日) 19:50:22 ID:2YNS64Vw

リコリス「ナットレイ、ジャイロボールだ!!」

ナットレイ「レイィィィィィィッ!!」ギュイイイイン!!

ナットレイが高速回転しながらキュワワーに突撃する


夕雲「......キュワワー、『トリック』」


キュワワー「キュワッ!」カッ

キュワワーの目が光る

ナットレイ「レイッ!?」

互いのポケモンに異変が起こる


夕雲「トリックは、互いのポケモンの道具を入れ替える技」

キュワワー「キュワーッ!!」シャキン!

身体に金属をまとう

夕雲「成る程、あなたの持ち物はメタルコートでしたか。通りで強力な鋼技が繰り出せるわけですね」

夕雲「でも重要なのはそこじゃないわ。これであなたのナットレイは」


ポン

ナットレイ「ナナナっ!?」

奇抜なデザインの眼鏡を装着する


夕雲「この『こだわりメガネ』を装着したまま戦ってもらいます」

845名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/20(日) 19:50:57 ID:2YNS64Vw


ショタT「これでナットレイはメタルコートを失い、拘りメガネによって一つの技しか繰り出せなくなった」


リコリス「............だからドウシタ」

ナットレイ「ナットォォォォ!!」ギュイイイイイン!!


キュワワー「キュッ......!?」

夕雲「......」


リコリス「構ウカヨォッ!! サッサとヤレェ、ナットレイ!!!」


秋津洲「ひぃっ!!」ゾクッ


ズガガガガガガッ!!!!

ナットレイ「ナットォォォォ!!!」ガガガガガガ!

キュワワー「キュワァァァァァァッ!!」ズバババババ

夕雲「うっ......ぐぅっ......!!」ギュッ

ショタT「夕雲ちゃん......!!」

夕雲「はぁーっ......! はぁーっ......! だ、大丈夫よ......あなたが......いるから」


リコリス「コレデ残すハ1匹。話にナラナイネェ」

バタッ

キュワワー「キュ......ワ......」

キュワワーは倒れた

846名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/20(日) 19:51:33 ID:2YNS64Vw


秋津洲「やばいかも......相手はまだ無傷の奴が2体残ってるのに......!」


夕雲「キュワワー......ごめんなさい......でも良くやってくれたわ。ありが......」

夕雲「っ......!」ガクッ

ショタT「夕雲ちゃん!」

夕雲「はぁ......はぁ......ショウタさん、あ、あの子を、このボールに......」

震える手で空のボールを渡す

ショタT「......分かった。戻って、キュワワー」

ポゥン

夕雲「はぁー......はぁー......」

ショタT「やっぱり限界だよ......もうよそう」

夕雲「なに言ってるの......ここからが本当の勝負です......」

夕雲「この子達が、その身を削って希望を繋いでくれた......そしてあなたが、この夕雲を支えてくれている今......」

夕雲「残す敵は、弱い自分だけ......これは、夕雲自身との戦いよ!」

夕雲「行くわよ! これが夕雲の切り札、我らの主力 of 主力!!」


ポゥン!!


夕雲「お出で、フシギバナ!!」


フシギバナ「バナァッ!!」ドン!

847名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/10/20(日) 19:52:23 ID:2YNS64Vw


リコリス「似た様な奴バッカ出してキヤガッテ......ソイツで私のナットレイを倒す気カイ!?」

ナットレイ「ナット!!」キッ


夕雲「えぇ、倒します............ただ」


キラッ

夕雲の手の中で何かが光を放つ


ショタT「夕雲ちゃん......それって」

夕雲「お願い......あなたの力を貸して」

ギュッ

より強く手を握り締める

ショタT「............うん、任せて」

ギュッ

応じるように握り返す


夕雲「ふふふっ......本気で行きますよ。いいわね、フシギバナ」


フシギバナ「バナァッ!!」カッ!


夕雲のキーストーンが激しく光り輝く

フシギバナのメガストーンが呼応する


夕雲「愛の炎が、世界の全てを包み込む。慈母の花弁よ、開け」


夕雲「メガシンカ!!」


フシギバナ「バナァァァァァァ......!!!」


フシギバナが光に包まれる


夕雲「現れよ、メガフシギバナ!!」


バサッ!

巨大な花が音を立てて開く



メガフシギバナ「バァァァァァナァッッッ!!!」ドン!!






続く

848名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/01/30(木) 23:39:41 ID:x.m5stNg


夕雲「行きますよ、フシギバナ」


メガフシギバナ「バナァッ!!」


リコリス棲姫「メガシンカ......!?」

秋津洲「な、なんかすごそうかも!」

ショタ提督「でも......」

リコリス棲姫「ンだからドウシタ! それでコイツに勝てると思ってるのかヨ!!」


ナットレイ「レイッ!!」キッ


夕雲「試してみますか......?」

夕雲「『ギガドレイン』!!」


メガフシギバナ「フシィィィ!!」カッ

849名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/01/30(木) 23:40:12 ID:x.m5stNg


キュインキュイン!!

メガフシギバナがナットレイから体力を奪う


秋津洲「やった!」

ショタT「いや、ダメだ......」


ナットレイ「ナッ?」

(キョトン顔)


秋津洲「あれっ、攻撃は? ダメージは?」

レ級「ブアハハハッwww 食らう訳ねェダロ!!! 草ダゼ草!!」

秋津洲「はぁ!? 何がおかしいの! 教えてよ!」

レ級「草だからつってンダロウがヨッ!!!」

秋津洲「ひぃぃぃぃ!?」ビビクン

ショタT「ナットレイは草と鋼の複合タイプだから、草技は殆どダメージが通らないんだ......」

秋津洲「ええ!? じゃあ何で......」


夕雲「......」

リコリス「端っから打つ手がネェンナラ強がンなよナァ!」

リコリス「ナットレイ! 『ジャイロボール』!!!」


ナットレイ「レィィィィ!!!」ギュイイイイイン!!


高速回転したナットレイがメガフシギバナに突撃する

850名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/01/30(木) 23:41:14 ID:x.m5stNg


ズガガガガガァッ!!


メガフシギバナ「バナァァァッ!!」ズババババ

夕雲「くぅっ......!!」ズキッ

胸に痛みが走る

ショタT「夕雲ちゃん!」

ギュッ

手を握り締める

夕雲「はぁー......はぁー......伝わってくるわ、あの子の痛みが」

夕雲「ふふっ......あなたが近くに居てくれても、つらいものはつらいわね......」

ショタT「ぼ、僕は......」

夕雲「ふぅ......『夕雲のために何かしてあげないと』って顔ね? 偉いです、いい子よ#9829」

夕雲「でも私があなたに求めるのは、あなたが夕雲の傍で、ずっと夕雲のことを見ていてくれる。ただそれだけ」

夕雲「たとえ私が苦しんでいるときでも......目を逸らしちゃダメよ」

ショタT「夕雲ちゃん......」


リコリス「のんきにラブコメしてんじゃネェヨッ!! さっさとくたばりヤガレェ!!」


夕雲「......いいえ、これからです」


夕雲「フシギバナ、『光合成』!!」


キラン キラン キラン


リコリス「何ィ!?」

秋津洲「き、傷が......無くなってく!」


メガフシギバナ「バナァァァ!!」ドン!


夕雲「これで体力を回復します」

851名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/01/30(木) 23:42:00 ID:x.m5stNg


リコリス「構うかよォ!! やれナットレイ!!」


ナットレイ「ナットォォォォ!!」ギュイイイイン!!

ズババババ!!

再びナットレイのジャイロボールがメガフシギバナを襲う

メガフシギバナ「ナァァァァァッ......!」ギリッ


夕雲「きゃっ......あっ......!!」ズキッ

ショタT「夕雲ちゃん.....ダメだよ!」

夕雲「ええ......分かっています......でもこれでいいの」

夕雲「『光合成』!!」


メガフシギバナ「フシィィィィィ......!!」キランキランキラン

回復


夕雲「来なさい。この身尽きるまで、何度でも受け止めて、幾らでも苦しんであげる」

リコリス「ジャア苦しめヨォッ!!!」

ナットレイ「ナットォォォォッ!!!」ギュイイイイン!!!

ズババババババッ!!!!

鋼鉄のトゲが執拗にメガフシギバナの身を削ってゆく

メガフシギバナ「フシィィィ......!!」グググ

夕雲「くっ......!!」


リコリス「いい加減沈めよッ!!シズメェッ!!!」


夕雲「......沈まない......愛は沈まない」


夕雲「『光合成』!!!」


キラン キラン キラン

852名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/01/30(木) 23:42:33 ID:x.m5stNg

リコリス「ぐっ......」ギリッ

夕雲「さぁ、おいで。まだまだ戦えるわ」


メガフシギバナ「バナアアアッ!!」ドン!


ナットレイ「ナナナ......」ジー

主を見つめるナットレイ

リコリス「チッ......! ナンダヨその目はァ! 文句あんのかヨ!?」

ナットレイ「ナッ......」ビクッ


ショタT「............!」


相手のナットレイが放った『ジャイロボール』の回数は

ウツボットに1回、キュワワーに1回、メガフシギバナに3回


計5回


ショタT「次で6発目」

秋津洲「?」

夕雲「......」


リコリス「サッサとヤレよ臆病モンがッ!!」

ナットレイ「ナ......ナット〜〜〜ッ!!」バッ


ポカポカポカ!

リコリス「は?」


ナットレイは わるあがきをした!

853名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/01/30(木) 23:43:05 ID:x.m5stNg

メガフシギバナ「......バナァッ!!」

バシッ!

悪足掻きをしてくるナットレイを乱暴に跳ね除ける

ナットレイ「ナット~~~......」ズキズキ

リコリス「ナニやってんだァァァァ!! ナットレイィィィッ!!!」

秋津洲「な、なにあの攻撃......というか、攻撃?」

ショタT「あれは『わるあがき』。出せる技が無い時だけ放たれる」

ショタT「そして繰り出せば少なくない反動ダメージを食らう、技とも言えない技だ」

リコリス「バカ言うンジャネェ! なにもジャイボに拘らなくても別の技ガ......」

リコリス「ハッ!」


〜〜〜


夕雲『キュワワー、トリック!』

キュワワー『キュワッ!』カッ

ナットレイ『ナナナッ!?』ポン


〜〜〜


ナットレイ(@こだわりメガネ)「レィ〜......」

リコリス「テメェの狙いはこれか......!!」

854名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/01/30(木) 23:43:44 ID:x.m5stNg

夕雲「ふふふっ、もう出せない? 5発が限界? 鍛え方が足りてないんじゃないですか?」

リコリス「テメェッ!!」

ナットレイ「ナー......」ショボン

リコリス「チッ......分かってらァ、引きゃいいンダロ」

アマージョの控えたボールを構える

リコリス「コイツに交代すりゃ......」


夕雲「それを私が許すとでも?」


メガフシギバナ「バァァァァ......!!」

ゴボゴボッ

メガフシギバナの巨大な花弁の奥底で毒沼が沸き立つ音が聞こえる


リコリス「グッ......!?」

夕雲「その子が出て来た瞬間に沈めてあげる。何もさせないまま、無残に」


リコリス「舐めんじゃねぇェェッ!!!」


ナットレイ「ナット〜〜〜ッ!!」ブンブン

ナットレイが一心不乱にただ突撃する


バキィッ!!

     バキィッ!!


夕雲「ふん......」


メガフシギバナ「バナッ!」ドン!

ナットレイ「レイ~~~......」ピクピク



相手のナットレイは倒れた




続く

855名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/01/30(木) 23:44:08 ID:x.m5stNg
すごく中途半端に中断してしまいました
キリがいい所までは書くつもりなのでよろしくお願いします

856名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/01/31(金) 09:50:46 ID:EM1rgrYw
いいですよ〜
ゆっくりでいいのでゆっくり休んでください

857名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/04(火) 23:47:08 ID:0EjrJZ3Y

ナットレイ「レイ~~~......」(グルグル目)


夕雲「ふん......」


メガフシギバナ「バナッ!」ドン!


秋津洲「や、やったかも!」

ショタT「すごい......あのナットレイを倒した」

夕雲「その子に貸してあげたメガネはちゃんと返してくださいね。高いので」


リコリス「イラネーヨ! コンナノ!!」

ブン!

こだわりメガネを拾い上げ夕雲に向かって投げつけるリコリス棲姫

パシッ

触手が受け止める

メガフシギバナ「バナ」スッ

夕雲「どうも」


リコリス「チッ」

858名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/04(火) 23:48:09 ID:0EjrJZ3Y

ポゥン!


アマージョ「ジョッ」スタッ

主のボールから勝手に飛び出すアマージョ

リコリス「......?」

アマージョ「マージョ」ギュッ

ナットレイ「ナット......」

倒れたナットレイを優しく抱き上げる


秋津洲「あの子......仲間を労わってあげてる......かも」

ショタT「メガフシギバナが相手なら、アマージョを犠牲にしてでもナットレイを引かせる価値はあったはず」

夕雲「でもしなかった。恐らく彼らにとってあの子は......」


アマージョ「......」ギュー

ナットレイ「レィ~~~......///」


夕雲「大事なお姫様なのね」


リコリス「......それぐらいにしとけ」

ポゥン

ナットレイをボールに戻す

リコリス「行くぞアマージョ。お前が可愛がるのは、アイツらの方ダ」

アマージョ「............」


アマージョ「ジョッ!!!」カッ!


ザッ!!!


走り出す

彼岸花の赤い花びらを散らし、相手目掛けアマージョが疾走する

859名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/04(火) 23:48:53 ID:0EjrJZ3Y

ショタT「来た!!」

夕雲「フシギバナ、攻撃用意!!」


メガフシギバナ「フシッ!!」バッ


花弁の発射口を前方に向ける

砲口部で毒液が濃縮されててゆく

敵に標準を合わせ

放つ


夕雲「『ヘドロ爆弾』!!」


メガフシギバナ「バナァァァッ!!」


バアアアン!!


アマージョ「マァッ......!」シュウウウウ

リコリス「チィッ......!!」


着弾

しかし怯まず走る

メガフシギバナとの距離が縮まり

その目が確かに敵を捉える


リコリス「ヤレッ! アマージョ!!」

860名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/04(火) 23:49:41 ID:0EjrJZ3Y

夕雲 (恐らく次に見せる動作は跳躍......)

ショタT (繰り出す技は飛行技の『アクロバット』!)

夕雲「迎え撃つわ。フシギバナ、次弾装填。発射準備!」


ザッ!


前方のアマージョが姿を消す


夕雲「そこ......っ!」

ショタT「っ!?」


居ない

跳躍したと思われたアマージョの姿が上空にない


メガフシギバナ「ナッ!?」


ザザザッ!!


眼の前で彼岸花の草むらが揺れる

それと同時に赤い花びらが舞う

身を低くして繰り出される鋭い回し蹴りが瞬時に草花を刈り取る


リコリス「『ローキック』!!」


アマージョ「マジョッ!!!」バシュッ!


グギィッ!


メガフシギバナ「バッ......!? ナァッ......!」ドォン!

前足を挫かれたメガフシギバナが大きく体勢を崩す

861名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/04(火) 23:50:21 ID:0EjrJZ3Y


リコリス「跳べッ!」


アマージョ「マーッ!!」バッ!


跳躍

空中へと華麗に舞い上がる

そして落下の勢いを利用し重い蹴りの一撃が繰り出される


リコリス「『アクロバット』!!!」

アマージョ「ジョッッッ!!!」ザンッ!


ドォンッ!!!


メガフシギバナ「フシィッ......!!」

夕雲「くっ......!!」

強烈な蹴りでメガフシギバナの巨体が地面に組み伏せられる


秋津洲「や、やられたっ......!」

ショタT「夕雲ちゃん!!!」


リコリス「まだダッ! トドメだアマージョッ!!」


アマージョ「マジョォォォォオッ!!!」バッ!


再び跳躍

メガフシギバナの頭上を影が覆う

アマージョの怒りを込めた足先が敵の脳天を狙う

862名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/04(火) 23:51:04 ID:0EjrJZ3Y


夕雲「......お見事です。でももう終わりにします」


ズズズ

体勢を崩したままメガフシギバナの背中の巨木が動く


夕雲「そこよ」


メガフシギバナ「フシッ!!!」カッ!


その花弁の中心に構える砲口が上空の敵を捕捉する


夕雲「『ヘドロ爆弾』!!!」


メガフシギバナ「バァァァナッッッ!!!!」



バアアアアアン!!!



夕雲「............」


メガフシギバナの背中から立ち上る紫色の硝煙


バサッ


落下


そのポケモンの小さい身体がトレーナーの目の前で赤い草むらの中に横たわる


アマージョ「マ~~~......」

リコリス「アマージョ......」


アマージョは倒れた

863名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/04(火) 23:51:44 ID:0EjrJZ3Y

リコリス「お前達の......勝ちか......」ガクッ

ザッ

真紅の花びらが宙に浮かぶ

アマージョの横に倒れこみ花畑の中に身を埋めるリコリス棲姫


夕雲「ふぅ......」


ショタT「お疲れ様、夕雲ちゃん」

夕雲「うふふっ♪ 私に任せて良かったでしょう?」

夕雲「でも勿論これっきりじゃないわ。これからもずっとずっと、あなたと......」

ショタT「えっ......///」



秋津洲「ね、ねぇ二人とも....../// 邪魔しちゃ悪いのは分かってるんけれど、あたしのデリバードちゃんは......」


夕雲&ショタT「あ」


デリバード「デリ〜〜〜!」ジタバタ

ガオガエンに羽織締め食らうデリバード

レ級「よくもヤリヤガッタナ! クソガキ共ガァァァ!」

ガオガエン「ガオォォォッ!!!」

864名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/04(火) 23:52:27 ID:0EjrJZ3Y

メガフシギバナ「バナァァァッ!!」ギロッ!

レ級「ヘッ、ナンダヨ。ヤんのか?ヤレんのかよ!!コイツごと!!」

ガオガエン「ガオッ!!」

デリバード「............!」ブルブル


ショタT「くっ! せっかく夕雲ちゃんがバトルに勝ったのに......!」

夕雲「......秋津洲さん? あの子のことで質問いいですか?」

秋津洲「え? な、なに......?」

夕雲「あなたのデリバードさんは、張り切り屋さんで空回りしちゃったり、お仕事中に居眠りしちゃうことはない?」

秋津洲「そんなことないかも! いや絶対ないっ! あの子はとってもマメで真面目で何でもちゃんとしてくれる良い子なの!!」

秋津洲「バトルだけは苦手かもだけど......(小声)」

夕雲「分かりました」


夕雲「フシギバナ、『眠り粉』!!」

メガフシギバナ「フシィィィィ......!!」パラパラパラパラ



デリバード「..................バ?」

レ級&ガオガエン「ガァァァァァ......Zzzz」


夕雲「......戻ってください、フシギバナ」

メガフシギバナ「バナ!」

ポゥン!

865名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/04(火) 23:53:20 ID:0EjrJZ3Y

走り寄る1人と1匹

デリバード「デリーーーっ!!」タタタタ

秋津洲「デリバードーーーっ!!」

ギュッ

秋津洲「痛くなかった? 怖かったよね? もう大丈夫だからっ......」ウルウル

デリバード「デリィ〜......」グスン

ショタT「......そっか、やる気に満ちたデリバードは絶対に眠らないんだね」

夕雲「これで本当に終わりね。さぁ、帰りましょう」


「オイ」


秋津洲「ひぃぃぃぃぃぃ!?」ビクッ

デリバード「デリィィィィィ!?」ビビクン

ショタT「っ!?」


リコリス「教えてクレヨ、嬢ちゃん」


夕雲「......私ですか?」

リコリス「何でアタシラが負けたノカ......貴様らにアッテ......アタシラに無かった物......」


夕雲「ふふっ......『愛』よ」


リコリス「......だってサ」

アマージョ「マ〜......」ボケー

リコリス「ハ、当てにならねェな」






続くったら続く

866名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/04(火) 23:55:38 ID:0EjrJZ3Y

大淀博士「さーて今回のポケモンは」

大淀博士「ぴっぴかちゅう!」ガチャ

No.225

大淀博士「No.225と言えば、そう、デリバードですね」

大淀博士「自分の餌を人やポケモンに分け与える習性があるため、いつも餌を探し回っています」

大淀博士「遭難した人を助けたエピソードもある一方で、自身の雑食性ゆえに虫ポケモンを渡されることもあるだとか」

デリバード「デリー」ス

大淀博士「まぁ、ありがとうございます。でもいつもの感じだとどうせ」

プレゼント「カッ!!(発光)」

大淀博士「はいはい爆弾ねYESYESYES」





ここで一句



デリバード

王道を征く

ヘルス系



大淀博士「みんなもポケモン、ゲットですよ」

867名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/05(水) 00:00:41 ID:B2zzViTE
久しぶりに書けて楽しかったです
性懲りもなく安価投げます


次回

登場キャラ
>>868

ポケモン
>>869

868名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/05(水) 00:21:15 ID:SwnAUTPs
神州丸

869名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/05(水) 00:22:42 ID:MfDJcZrs
ヘルガー

870名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/08(土) 21:07:25 ID:D8Rerj.E



ある日のとある道路



ショタT「ここら辺は探索したことなかったなぁ〜」

ショタT「............って、何だこれ?」


テント「......」チョコン

(道端に立てられた一人用のテント)


ショタT「こんな場所でキャンプ......?」

バサッ!

突如テントの入り口が開きポケモンが飛び出してくる


ヘルガー「ガルルルルァッ!!!」


ショタT「うわぁぁぁぁぁっ!!!?」ビクビクッ!

871名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/08(土) 21:08:08 ID:D8Rerj.E

「お座りっ!」

ヘルガー「!」ピタッ!

(その場で背筋を伸ばし律儀にお座りするヘルガー)

ショタT「ハァハァ......び、ビビったぁ......」

ヌッ

テントから人影が這い出てくる

神州丸「失礼した、少年。怪我はないか?」

ショタT「だ、大丈夫です......」

ショタT「......でもなんで、こんな所にテントを?」

神州丸「見ての通り、ここをキャンプ地としているのであります」

ショタT「ただの道端じゃないですか......」

872名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/08(土) 21:08:48 ID:D8Rerj.E

神州丸「私は神州丸と申します。貴殿の名は?」

ショタT「僕はショウタ。トレーナーズスクールに通う学生です」

神州丸「そうか、ポケモントレーナー殿でしたか。不肖、生憎トレーナーではない為お手合わせは致しかねます」

ショタT「じゃあこの子は?」

神州丸「こやつはあくまで番犬であります」

ヘルガー「ヘルッ!」

神州丸「ご安心下され。良く躾けられておりますから」

ショタT「は、はぁ......」

神州丸「私が『噛め』と言わない限り決して噛むことはありま」

ヘルガー「ガルルッ!!」(とびかかる)

ショタT「ぎゃーーーっ!?」

神州丸「お座りッ!! 何をしているこの駄犬がッ!」

ヘルガー「クゥ〜ン......」

ショタT「し、死ぬかと思った......」ヘナヘナ

神州丸「驚かして申し訳ない。こやつ、せっかちな性格でありまして」

ショタT(いやあなたが『噛め』って言ったからでしょうが......)

873名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/08(土) 21:09:53 ID:D8Rerj.E

神州丸「ふむ、ショウタ殿。『トレーナーでもない者がこんな所で一体何をしていたのか』と言いたげな顔だな」

ショタT「え、あ、まぁ......」

神州丸「お答えしよう。まずはこれを見て下され」スッ

蓋がされた大きい鍋を見せる神州丸

ショタT「いい匂い......これもしかして、カレーですか!?」

神州丸「然りであります」

ショタT「って、まさかカレー作るためだけにキャンプしてた訳じゃ......」

神州丸「そうとも言える。そうでないとも言える。実はこのカレー、未完成なのであります」

ショタT「未完成?」

神州丸「コクが足りないのです。そしてコクを出すためには、どうしてもあれが必要不可欠であります」

神州丸「そう、上質な木の実が」

ショタT「じゃあ、あなたは木の実を求めてここに?」

神州丸「その通り。そうだ、試しに一つ見てもらえるといいでしょう」

874名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/08(土) 21:11:04 ID:D8Rerj.E


木の実が取れる木の前に立つ二人


神州丸「例えばこの木。そこそこ実をつけております」

ショタT「じゃあさっそく取っていきましょうか?」

神州丸「はい。ですが行儀良く一個ずつ取っていては埒があきません。ここは派手に揺らして一網打尽であります」

ショタT「えっ?」

(木の幹に掴みかかる神州丸)

神州丸「ふんふんふんんふんっ!!!」ザザザザザザ!!

ショタT(その絵面は女性としてどうかと......)

ポロポロポロッ

落下する木の実たち

ショタT「あっ、でもちゃんと落ちてくるんだ」

神州丸「ふんっ!ふんっ!......ちなみにこの作業、頃合を見てやめた方が懸命です。なぜなら」


ザザッ!

木の実でない何かが落下する


ショタT「うわっ!?」

ホシガリス「ホシーっ!」

野生のホシガリスが飛び出してきた

875名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/08(土) 21:11:56 ID:D8Rerj.E

ショタT「もしかしてこいつ、ホシガリスですか? 実物を見るのは初めてだ......」

神州丸「そうです。こやつ、木の実に目がない輩で」

ホシガリス「ホシッ!」パクッ

神州丸「木の実を見ると反射的に口に咥えるのであります」

ショタT「せっかく落とした木の実が1個取られちゃいましたね」

神州丸「まぁ親切に返してくれるわけでもないのでさっさと追い払ってしまいましょう。ヘルガー!」

ヘルガー「ガルルルルァッ!!」

ホシガリス「ホッ!?」ビクッ!

タタタッ!

ホシガリスは逃げ出した

神州丸「まぁこんなところであります」

ショタT「でもこれ結構キツそうですね」

神州丸「そこで、若きトレーナー殿。もし宜しければご一緒に木の実集めでも」

神州丸「上手くいけば究極のカレーをご馳走して差し上げます」

ショタT「きゅ、究極の......カレー......!?」ゴクリンコ

神州丸「如何でしょうか?」

ショタT「やりましょう!」



続く

876名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/10(月) 18:52:30 ID:tClWVKzU



【木の実を集めよう!】



ショタT「この木がいいかな......?」

目の前に色とりどりの実をつけた木が立っている

神州丸「目の付け所が良いでありますな、ショウタ殿」

ショタT「神州丸さん。試しに僕が揺らしてみていいですか?」

神州丸「どうぞ。頭上にはよく注意して下さい」

神州丸「“大物”が落ちてくる可能性があるので」

877名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/10(月) 18:53:16 ID:tClWVKzU

ショタT「よしっ、やってやる」

(腕まくり)

ガッ

木の実に掴みかかる少年

ショタT「ふん!ふん!ふんっ!」ザザザザ!

ポトポトポト

揺らされた木から沢山の実が落下する

ショタT「はぁっ......! はぁっ......! すごい、大量だ!」ザザザザ!

神州丸「いい調子であります。ですがそろそろ......」


ズドォォォン!


ショタT「うわーーッ!?」ビクッ!

神州丸「出やがったでありますな」


ヨクバリス「バリー」ヌッ


野生のヨクバリスが飛び出してきた

878名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/10(月) 18:54:08 ID:tClWVKzU

ショタT「なんだコイツ!?」

神州丸「こいつはヨクバリスであります」

ヨクバリス「ヨク?......バリッ!?」

周囲に転がった木の実に気付くデブ

神州丸「普段は鈍くてのんきな奴。しかし......」


ヨクバリス「バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!」


神州丸「いったん獲物を見かけると凄まじい勢いで木の実を貪る欲張りポケモンに大変身であります」

ショタT「僕が苦労して落とした木の実がーーーっ!?」ガーン

神州丸「こいつ、見かけによらず中々やり手で下手にバトルすると痛い目に遭います。なので」

神州丸「ヘルガー! 『ほえる』!!」

ヘルガー「ルガアアアアアアッ!!!」

ヨクバリス「バリィィィィッ!?」ビクビクビク!!

神州丸「こうやって追い払うのが無難であります」

ショタT「あれ逃げてるんですよね?」

ヨクバリス「バっ......リっ......!」ノッソノッソ

重い身体を引きずり立ち去って行くヨクバリス

神州丸「さぁ、気を取り直して次の木に行くであります。全てはカレーの為に」

ショタT「全てはカレーの為に」


____
__
_

879名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/10(月) 18:55:03 ID:tClWVKzU



〜採集終了〜



神州丸「良い木の実が集まりました。これぐらいあれば大丈夫でしょう」

ショタT「も、もうヨクバリスは見たくない......」ヘトヘト

神州丸「それではさっそくカレー作りに取り掛かるであります」

神州丸「まずはルーに木の実を投入」

ポトポトポト

神州丸「そして火を起こす」

ボッ

鍋の下に小さい火が灯る

神州丸「ショウタ殿、火を大きくするのでこの扇で風を送って下さい」

神州丸&ショタT「パタパタパタパタ」

神州丸「良い火加減であります。では今度はおたまでルーをかき混ぜましょう。焦らず、手早く、丁寧に」

神州丸&ショタT「グルグルグルグル」

神州丸「そろそろ仕上げであります。真心込めて」

神州丸&ショタT「ラブ注入」

キラリーン☆

神州丸「完成であります」

880名前なんか必要ねぇんだよ!:2020/02/14(金) 20:07:43 ID:fobnzQak



カレー「グツグツ」

ショタT「すっごくいい匂い!」

神州丸「さて早速頂きましょう。それではお皿にご飯を」

ショタT「楽しみだな〜」


ザザッ!

背後の草むらが揺れ動く


神州丸「はっ!? 後ろッ!」

ショタT「えっ!?」


フォクスライ「......」スッ


野生のフォクスライが飛び出してきた


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