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モバP「雪美様がゆく」
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このスレは膝神様に監視されています
あと、雑談以前の世間話などで構成されています
なお、このスレのカウントを引き継いでいます
モバP「雪美さんといっしょ」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1539405266/
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1104
テレレレーン
モバP「……」
雪美「……」
モバP「……」
雪美「……」
“!”パァン!
ベシッ
モバP「くっ……俺が……負けた、だと?」
雪美「……」フンス
紗南「お、刹那の見斬りだ」
モバP「この歳で反射神経の衰えを実感することになるなんて」(´・ω・`)
紗南「あたしもあるよ? 物心つく前の方が上手かったと感じること――こんな難しいゲームをどうやってクリアしたり記録出したりしたんだ、って」
モバP「若くして昔の自分に勝てんって何か嫌だよなあ。雪美さん、もう一回お願いします」
雪美「……いつでも……来い……」
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1105
モバP「森久保ォ!」
乃々「あの……その、呼び方は、心臓に悪いので、やめてほしいんですけど……」
モバP「あ、すまんな。つい心の中の森久保が」
乃々「もりくぼがもりくぼを呼ぶのはおかしいです……」
モバP「やっぱり乃々呼びが安定か」
乃々「乃々で、良いです……」
モバP「だが俺は森久保を信じている」
乃々「いぢめ、良くない……・」
モバP「そうそう、今日は乃々のために、プレゼントを持ってきたのよ」
乃々「もりくぼのため、ですか……?」
モバP「んー、自分で言って何だが“貴方のために”という言葉は押しつけがましくてあまり綺麗じゃないか」
乃々「そんなこと、ないですけど……」
モバP「それでな、昨日の8月27日(金)3時46分17秒の乃々の誕生日会にも軽いプレゼントを渡したが、こっちは渡し損ねてな」
乃々「そんな時間じゃなかったと思うんですけど」
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モバP「それはともかく、はい」
乃々「これは……りんごですか」
モバP「何だか興味を惹くデザインだろう? りんごのリングケースだ。お店で見かけて乃々の顔を思い出したから買った」
乃々「ウールみたいな手触りです……」パカッ
乃々「! これは、指輪……えっ、つまり、そういう……」
モバP「以前練度が高くなったら指輪が欲しいみたいなことを言っていたからな」
乃々「! あ、そういう…………忘れられてなかったんですか」
モバP「これでお仕事やるくぼモードでまた頑張ってくれないかな、と」
乃々「うぅ……そうやって、逃げ道を無くすの、卑怯なんですけど……」
乃々「でも、ファンシーで、悪くないです……ありがとうございます」テレ
乃々「これ、高かったり……します? 本当はあとで代金請求されます?」
モバP「俺は鬼畜か。仮に鬼畜でも心配するような値打ちのものじゃないよ」
モバP「そのデザインでも一番低いグレードの物なら100均で売っていることもある。それよりはさすがにもう少し高いが」
乃々「あの、プロデューサーさん……指輪の効果を確かめるために、書類一式も……欲しいんですけど……」
雪美「書類……? ……鑑別書……かな……?」
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1106
モバP「プロデューサー特権」
モバP「海での水着撮影の後に、そのまま自由時間に突入し、アイドルたちと一緒に遊ぶ」
ちひろ「そんなハーレムのような話、9割は嘘です」
モバP「時間停止モノのAVみたいな風に言わないでください」
ちひろ「雪美ちゃんを前にしてAVなんて言う」
雪美「AV……オーディオビジュアル……」
ちひろ「何もおかしくないですね(ヤケクソ)」
モバP「しかし残り1割側ですよね我々」
ちひろ「プール貸切で遊んだりもしていますしねえ。よく許可下りたもんです」
モバP「それで、撮影が終わるとみんな水着を着替えるじゃないですか」
ちひろ「自前のを持って来ていたりしますね」
モバP「その水着を無邪気に見せに来る子がいるんですが、何か自前の方が撮影用水着より露出度が高い――これって誘惑されているんでしょうかね? 主に雪美」
雪美「……うん。……誘惑……してる……。P……喜ぶと……思って……」
ちひろ「露出度上げるのはスカート省くくらいまでにしておいてくださいね?」
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1107
モバP「雪美」
雪美「……?」クルッ
モバP「……ん?」
雪美「どうしたの……? P……」
モバP「何だろう、雰囲気が変わったな。青い瞳をしているというか」
雪美「……」
モバP「雪美って瞳の色を自在に変えられたっけ?」
雪美「そういうことも……ある……」
モバP「そうか。雪美はあまりカラーコンタクトとかを目に入れたがらないタイプだから、どうしたのかと思ったよ」
雪美「……P」
雪美「……私を……偽者だって……疑わないの……?」
モバP「こういう場合、本人なのに偽者だと疑われてしまうのと、本人じゃないのを見破れないのと、どちらが傷つくんだろうな」
モバP「とりあえず、本物が複数いたらダメなんてルールはないからな。君も雪美で本物さ、多分」
雪美「……ご都合主義……ね」 ソレハイウナッテ
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1108
モバP「……」
スッ
パカッ サッサッ
パクッ
バリッバリッ
杏「プロデューサーってピルイーターなんだね」
モバP「一連の動きがちょっとクールでロックに見えるかなって」
杏「特に見えないね」
杏「まずそれ、ラムネ菓子じゃん。ジューCじゃん」
モバP「洋画みたいなノリでアスピリンを噛むわけにもいかないからな」
モバP「ピンキーみたいなサイズも良いが、やっぱりピルケースはジューCの細くて透明な筒型が好きだな」
モバP「そこにタブレット状の中身が乱れなく装填されているのも個人的にポイントが高い」
杏「割と変なこだわり多いよね、プロデューサー」
雪美「ラムネは……一錠ずつが……いい……」パリッパリッ
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1109
雪美「……」カリカリ カリカリ
ちひろ「あら、雪美ちゃんは今日はテーブルで勉強ですか」
ちひろ「いつもならプロデューサーさんと接着しているのに」
モバP「夏休みの宿題に追われる時期ですからね」
モバP「まあ溜め込んでいたのではなく、単に今日の分をここでやるようです」
ちひろ「夏休みの宿題って最初の数日で片づける子と最後の数日で片づける子がいましたね」
ちひろ「プロデューサーさんはどっちでした?」
モバP「……日によって差はありましたが概ね一定のペースで毎日やっていましたよ?」
ちひろ「それが本当なら模範ですね。こういうのは勉強の習慣を付けてもらうために出すものでしょうから」
モバP「そして始業式に宿題を忘れるんですね。やったのになー残念だなー」
ちひろ「実はやってないでしょそれは」
ちひろ「しかし、鉛筆の音、良いですね。小学校ではシャープペンシルが禁止だったのが懐かしいです」
モバP「ですね。おかげでやっとシャープペンシルを使い始めた時は力加減が分からずに芯を何度も折りました」
雪美「……」 ←ちょっと難しい所をPに聞こうか悩んでいる
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1110
モバP「パラオに旅行に行きたいな」
雪美「……クラゲ……見に行く……の……?」
ちひろ「パラオ=クラゲなんですか」
モバP「刺さないクラゲというだけで安心感が」
ちひろ「そんなにクラゲにトラウマがあるんですか」
モバP「まあ、実際刺さないにしてもあの黄色い大群に囲まれたら何らかの恐怖症を発症するかもしれませんが」
ちひろ「でも、ゴールデンジェリーフィッシュとムーンジェリーフィッシュ、身近で見てみたいですね」
雪美「……うん」
モバP「それにまず、パラオを象徴するあの独特の島の形状も良いですよね」
ちひろ「ロックアイランドと言いますね。石灰岩で出来ていて、世界遺産にもなっているそうで」
雪美「日本には……似た島は……ないの……?」
モバP「そうだなあ……長崎の九十九島とかは似てなくもないかな」
雪美「じゃあ……そこのクラゲも……刺さない……?」
ちひろ「ああいう地形だから刺さないんじゃないと思いますよ?」
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おまけ23
モバP「今気づいたんですが、自分の名前ってごく稀にモバになることがある」
ちひろ「Pが消えるんですね」
雪美「……レアな……現象……」
モバP「これはつまり猶予1Fで起きるP消失バグという新たなGlitchの可能性が」
ちひろ「不注意ですけどね」
おまけ24
ちひろ「プロデューサーさんって283プロで好きなアイドルって誰です?」
モバP「おや、同業他社からM社と呼ばれて一目置かれるウチが他所のアイドルの誰が好きかなんて」
モバP「杜野凛世ちゃんですね」
ちひろ「ああそういうアレですか」
モバP「何ですか」
ちひろ「青みのある黒髪に赤い瞳……その他省略」
モバP「別に雪美に重ね合わせているわけじゃないですよ」
雪美「……今度……話しかけて……みる……」
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今日はここまで
土曜日だったものがそこら中に転がる
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1111
モバP「不安な時、誰かに声をかけてもらうだけでも励ましになる」
モバP「ちひろさんやアイドルたちがいるって恵まれているな、と思う」
雪美「……♪」チョコン
モバP「特に雪美にはいつも、大いなる元気を貰っているなあ」
ちひろ「見ていて分かります」
モバP「言葉を交わしたり、手を繋いだり、膝の上に乗せたりと、一つ一つはちょっとしたことなんですがね」
ちひろ「現役アイドルを日常的に膝の上に乗せるのをちょっとしたことと言い張れる人」
モバP「……」
ちひろ「どうしました?」
モバP「よく考えたら膝の上に乗せるのは結構大それたことですかね……?」
ちひろ「今更気づいたんですか」
モバP「まあ、止めませんがね。互いに合意の上でやっていますし」
雪美「……誓約書も……ある」ピラッ
ちひろ「危険なアトラクションか何か?」
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1112
〜♪
モバP「夏の終わりに聴く6番目の駅はノスタルジーを感じるな」
雪美「……よく分からない……でも……すき……」
ちひろ「千と千尋の神隠しを見ずに聴いたとしても、良い雰囲気の曲ですよね」
モバP「幻想的で良いんですが、乗り過ごしたらきさらぎ駅みたいな所に着きそうで怖い」
ちひろ「そこまで行くとひぐらしのBGMとかが流れ始めそうですね」
モバP「……さて、9月に入ったらまだ暑くても何か気分はもう秋です」
モバP「そういえば今年は、夏野菜のカレーを一度も作らなかった……」
ちひろ「ナスとかカボチャとか入れてカレーを作るのは夏の風物詩ですね」
モバP「はい。普段はルウのパッケージ裏の作り方に忠実に、肉とメークインと玉ねぎと人参で作るんですが」
雪美「男爵より……荷崩れしにくい……メークイン……」
ちひろ「私は無理して作るくらいならスパイスカレーの店とかに食べに行くくらいでも良いと思いますけど」
モバP「それも検討ですかね。とりあえず夏らしいカレーを食べたい……気分はもう秋だと言いながら」
雪美「夏……もう少し……延長……ね」
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1113
『コーヒーにスジャータを入れたくなりませんか? 凪はなりません』
『久川凪が何となく午後3時くらいをお知らせします。ぴっぴっぴっ……ぽーん』
ちひろ「おや、もう3時ですか」
モバP「アイドルたちの自由な時報ボイスが流れる事務所、良いですね」
ちひろ「セリフは全部アドリブですからね」
雪美「……ちひろさん……」
ちひろ「どうしました雪美ちゃん?」
雪美「これが……今日のおやつ……。……じゃーん……」
ちひろ「わぁ、綺麗ですねえ」
ちひろ「清涼感があって種類も豊富で……どこで買ったんです?」
雪美「……」フルフル
ちひろ「では、雪美ちゃんの手作りですか?」
雪美「……」コクコク
ちひろ「雪美ちゃんの手作りお菓子……これは早速いただきましょう」
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――
ちひろ「美味しい……」
ちひろ「ちょうどフルーツが食べたいと思っていたところだったんですよ」
雪美「……これ……何て言うか……知ってる……?」
ちひろ「九龍球ですね」ドヤ
雪美「…………私が……言おうと……思ったのに……」
ちひろ「!?」
雪美「……冗談……。作り方……菲菲に……教えてもらった……」
ちひろ「あはは、冗談ですか……。これ、とても上手ですよ」
ちひろ「ビー玉みたいでありながらアイスじゃなくて柔らかい寒天ゼリーなのが良いですね」
モバP「“溶けないアイスキャンディー”なんかも葛や寒天で作ったりしますからね」
モバP「というか最近はフルーツサンドやフルーツ大福もですが、具材を中に閉じ込めて断面や透かしで美しく見せるスイーツが話題ですね」モグモグ
ちひろ「思えば多いですよね」
雪美「Pヘッドも……断面や……透明で……美しく……見える……?」
ちひろ「それはちょっとグロテスクかと」
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1114
モバP「8月は終わったとはいえ、まだ通り雨ですごいのが降ったりするな」
雪美「傘は……欠かせない……」
モバP「しかしこういうアンブレラを持ち歩いているとついチャンバラ心が」
雪美「……アバンストラッシュ……?」
モバP「リメイクが放送されているとはいえ、ダイ大なんてよく知っているな」
雪美「……」ザッ
モバP「雪美さんの逆手持ちかっこいいです」
モバP「そうだ、アバンストラッシュって逆手持ちから斬りつける技なんだっけ」
モバP「ラッシュとあるからか、自分の中では何故か連続突きでずっとイメージされていてな」
奈緒「それは秋沙雨だろ」
モバP「なるほど、最初の“あ”しか合ってなかったか。他には……?」
雪美「牙突も……できる……」ザッ
奈緒「じゃああたしは九頭龍閃を……って出来るか!」
モバP「君たちは妙に古い所を突くよな」
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1115
紗南「Pさんって結構クール系に一目惚れするタイプかな?」
モバP「えー? そうかぁ?」
雪美「……何の話……?」
モバP「あら雪美さん」
モバP「いやね、パワポケのヒロインで一番好きなのは誰かという話で」
モバP「神条紫杏と答えたんだが」
雪美「……生徒会長……キャラ……?」
モバP「というか、パワポケをそんなにやったことがないのでな」
モバP「よく知らない人でもこの子だけは知っているという代表的な存在のしあーんにした」
紗南「あたしの中でも好きなランキング上位だけどさ、言うほど紫杏知られてるかな?」
モバP「まあ結構偏見が入っているかもな……雪美もこっちにおいで。膝に座る?」
雪美「うん……」トコトコ ポフッ
モバP「雪美で思い出したが、見た目は若干千夜で属性はちょっぴり雪美な芹沢真央も好きだな」
紗南「クールにだいぶ毒されているねこれは」
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1116
モバP「無邪気なとか子がよく口を開けている時に見える尖った一本の歯」
雪美「……よく見る……」
ちひろ「八重歯ですね」
モバP「八重歯……ふむ、癒しが欲しい時の検索ワードがまた増えた」
ちひろ「普段からどんなものに癒しを求めているんですか」
ちひろ「というかみちるちゃんやみくちゃんが八重歯じゃないですか?」
モバP「あっ、確かに。そういえばりあむもでした」
雪美「ユニット……作れそう……」
モバP「それも3人とも名前が平仮名じゃないか……。これは“346で名前が平仮名の子は八重歯”説が浮上しますね」
雪美「そこは……盲点……だった……」
ちひろ「私は八重歯じゃないです」
雪美「……あっ」
モバP「意外と早く沈んだなこの新説」
ちひろ「呼吸しに来ただけの鯨のようでしたね」
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モバP「……本当はちひろさん、矯正しただけで本来は八重歯だったのでは……」
ちひろ「変なことを根拠にして疑うのはやめましょう」
雪美「……八重歯の……ちひろさん……。……良いかも……」
モバP「しかし八重歯を見ると、ちひろさんも雪美さんも、こうは思いませんか?」
ちひろ「何でしょう?」
モバP「――噛まれてみたい、と」
ちひろ「ちょうどよく尖っていますしね……思わんわ」
雪美「……P……私の歯は……八重歯……?」アーッ
モバP「いや、八重歯には見えないかな」
雪美「……」シュン
モバP「噛まれてみたい、より噛みたかったか」
雪美「……」コク
雪美「……Pの思い……私では……どうしても……叶えられないことも……ある……」
モバP「俺のために何でもしてくれようと……雪美さん、あなたという人は……」
ちひろ「そもそも雪美ちゃんはこんなもん噛んじゃいけませんよ?」
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モバP「動物番組を見ているとたまに出て来る、青い海を優雅に泳ぐウミガメ」
雪美「いっしょに……泳ぎたく……なるね……」
モバP「なるなる。……実は泳いだことがあるんだがな」
雪美「……本当……?」
モバP「結構前だが、沖縄でスキューバダイビングをやった時にウミガメと泳いだよ」
雪美「……すごい……」キラキラ
モバP「ちなみにマリオに出て来るノコノコを亀と認識してしまうと稀に勘違いしたまま大人になるが」
モバP「亀の甲羅は体の一部だから、着脱はできないんだよな」
ちひろ「そんな人、世の中にどれだけいるんでしょうね」
ちひろ「あ、私もスキューバダイビングはやったことがあります」
雪美「……いいな……。……アイドルにも……経験者……意外と……多い……?」
モバP「そういう体験が出来る仕事がちょうどよく舞い込んで来れば良いが、アイドルで経験者はまだそう多くないと思うぞ」
雪美「……Pと……ちひろさん……、二人が……特に……活動的な……だけ……?」
モバP・ちひろ「言われてみるとそうですね」
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今日はここまで
われても末に逢はむとぞ思ふ
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モバP「たまに点滴が欲しくなる時があります」
ちひろ「はい」
モバP「あの有効そうな成分の腕から体に染み渡る感覚」
ちひろ「はい」
モバP「あれを知ってしまうと本当に辛い時は飲み薬より注射の方が効くような気がしてきて」
ちひろ「はい次の方ー」
モバP「あれー?」
ちひろ「吸収効率的なものを考えれば点滴の方が確かに良いのかもしれませんけどね」
ちひろ「というか私にどうしろと? スタドリ点滴でも作ってほしいんですか?」
モバP「あったら利用するでしょうね。ただ点滴依存症になりそうです」
雪美「……」チョコン
モバP「こうして雪美さんを膝に乗せる、というのも充分なセラピー効果があるんですがね。しかも依存性がない」
ちひろ「要出典」
雪美「……P……個人の……感想……です……」 ※効果には個人差があります
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雪美「……P……夕食……できた……」
モバP「……それは、スパゲティ?」
雪美「……隅っこで……警戒してる……。どうしたの……?」
モバP「……もしかして、辛い? アラビアータ?」
雪美「大丈夫……辛くない……。……至って……普通の……ペスカトーレ……」
モバP「なら、安心だ」
雪美「……スパゲティに……トラウマ……?」
モバP「最近、山わさびのスパゲティソースを試したんだが、匂いの割に口に入れると結構ツンと来てな」
モバP「それで喉が受け付けず盛大にむせてしまって涙目になったくらいかな」
雪美「ふふ……P……わさび……苦手……? 私と……いっしょ……」
モバP「苦手は卒業したと思っていたのにな……それにしても、美味しそうだ」
雪美「……地中海料理は……お皿が……賑やか……」
モバP「ボンゴレロッソやボンゴレビアンコ、パエリアとかもだが、こうして貝を殻ごと盛り付けてあると不思議と食欲をそそられる」
雪美「さあ……いただきます……しよう……」 オカアサンミタイダ
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モバP「ふぅー……」チャプ
モバP「あぁぁ〜……」
モバP「やっぱり家のお風呂の安心感は違うな」
雪美「……そんなに……気持ち良い……?」
モバP「ああ、ちょうど良いサイズだ」
雪美「広すぎても……ダメ……?」
モバP「例えばホテルの大浴場の大きな湯船なんかはな」
モバP「広くて足を伸ばせるがどうも浸かっていてふわふわするというか」
モバP「何だろう? 利用者気分になってしまって心からリラックスはしにくい」
雪美「……通い慣れたら……お家みたいに……感じられるかも……」
モバP「まあ、風呂は人間が裸という、ある意味一番無防備にされる空間だからな」
モバP「以前、友人の家や親戚の家に泊まりに行った時も、あまり落ち着かなかった」
モバP「独特なタイルの形だったり、足場の高さがいつもと違ったり、もっと言うとバスタブがステンレスだったり檜だったりすると違和感が凄くて」
雪美「檜だと……確かに……落ち着かないと……思う……」
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モバP「雪美さんはこの家のお風呂にはもう慣れた様子だな」
雪美「……うん」
雪美「……まるで……いっしょに……入っている……みたい……」
モバP「実は一緒じゃないんだよな」
モバP「給湯器リモコンのインターホンで通話をしているだけという」
雪美「……湯加減……どう……?」
モバP「良い塩梅だよ。……この機能、結構前からあるが、便利だよな」
モバP「以前は入浴中の人と話をしようと思ったら一緒に入るか、でなければ脱衣所まで来てドア越しに話しかけるしかなかった」
雪美「……本当に……いっしょに……入ろうか……?」プツッ
モバP「えっ」
モバP「……」ドキドキ
モバP「……まさか、雪美さんが服を脱ぐ影がすりガラスに映……らない」
雪美「……冗談」
モバP「ちょっと期待してしまった自分の愚かさよ」
雪美「ご飯……できるから……そろそろ……上がっておいで……」 オカアサンミタイダ
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モバP「……」ゴロン
モバP「普段ベッドで寝ていると、たまに畳に布団を敷いて寝そべる感覚が恋しくなる」
雪美「……」トコトコ
モバP「雪美さん? スカートでそんな近くに来たら」
モバP「……みえ」
ポスン
雪美「……」ジッ
モバP「雪美さんの下目遣い、良いよね」
モバP「ダンスのポーズでたまに見られるが、それを直接見るにはこちらの視点を低くしないといけない」
モバP「それかボア・ハンコック並の上体反らしをしてもらうか」
雪美「……見下されるの……好き……?」
モバP「いつもの雪美と違う表情を見られるから好きかな」
雪美「……そう……。……ふふっ……」
モバP「人形じゃないが、角度が違うだけでより恍惚とした表情に見えてくるなあ」
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雪美「……」ジッ
モバP「……」ドキドキ
ちひろ「雪美ちゃんが膝上に乗ってプロデューサーさんとまた至近距離で見つめ合っている」
雪美「……P」
モバP「はい?」
クイッ
モバP「!」
雪美「……ん、今日も……いい顔……」
ちひろ「顎クイとはやりますね」
雪美「……奏の……得意技……教えてもらった……」
ちひろ「男性アイドルのバク転並にLiPPSではみんな得意そうですけども」
雪美「……P」
モバP「……え?」ポカーン
雪美「……さっきの反応……可愛かった……」b フツウハギャクジャナイカ?
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雪美「……そういえば……Pは……バク転……できる……?」
モバP「……バク転か。……側転よりかは得意かな」
ちひろ「たまにいますよね、マスターする順序がおかしい人」
モバP「舞空術が使えないのに超サイヤ人になれるみたいな」
モバP「とりあえずやり方を思い出すから体操ができる場所に行こうか」
――
モバP「すー、はー……よし、イメージではばっちし。行くぞ」
シュッ トッ タッ
モバP「――おお、割とすぐ出来た。自分でも意外だった」
雪美「……かっこいい……!」キラキラ
モバP「でも俺だけじゃなくて智香とかも出来るんだよな」
雪美「……もう一回……もう一回……!」キラキラ
モバP「えー、もうしょうがないなー」デレデレ
ちひろ「その後盛大に失敗しましたけど無事でした」
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モバP「小銭小銭……あっ、これじゃない」
ちひろ「それ、5セント硬貨じゃないですか?」
モバP「目敏いですねちひろさん」
ちひろ「ふふふ、渡米した記念に持ち歩いているとかですか?」
モバP「そんなところですね。あと、お守りになるかなと」
雪美「……お守り……」
モバP「雪美はお財布に何かお守りとか入れているのか?」
雪美「……入れてない……。……みんな……入れるの……?」
モバP「どうだろうな。人の財布の中身を調査する機会なんて無いから……入れるにしても薄くて小さいものでないと嵩張るからなあ」
モバP「ただ金運が上がることを信じて蛇の抜け殻とかコン……コンパチブルなゴムとか入れるという話は結構聞く」
ちひろ「……コンパチブル?」
雪美「……ゴム……? ……髪ゴム……?」
モバP「ああ、まあそういう物だな」(危ない、コンドームとか口に出さなくて良かった)
ちひろ(とか考えているんでしょうね)
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モバP「テーブルの上に大皿が一つ」
モバP「そこに鎮座するのは一房数千円はするのが当たり前の高級ブドウ」
雪美「……シャインマスカット……」
モバP「こういうのは贈答品やふるさと納税の返礼品とかで貰えたりもするようだが」
モバP「値段が値段だけに食べるのを躊躇してしまうよな」
雪美「……うん」
雪美「イチゴでも……そういうこと……ある……」
モバP「ということで、これを今二人で一緒に食べてしまわないか雪美」
雪美「……良いの……?」
モバP「ああ。このままいつまでもまだその時ではないと避けていたら腐ってしまうし」
モバP「二人で食べれば罪の意識も半分になる……ならない?」
雪美「……それが……目的……?」
唯「あ、おいしそうなブドウ! 一粒貰ってもいーい? ありがとー☆」パクッ
モバP「唯は迷わず行くなぁ……さて、あと何粒ある?(貧乏性)」
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今日はここまで
なぁに、二回目は慣れるさ
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お休みが欲しいので今週はお休みです
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1126
モバP「346プロは広い」
モバP「これだけ広いと蜂にも遭遇する」
雪美「どこかに……巣……ある……?」
ちひろ「蜂も種類によりけりですけど、刺されるかもと思うと怖いですね」
仁奈(着ぐるみ)「ミツバチの気持ちになるですよ!」
モバP「先ほど遭遇した蜂です」
ちひろ「これは安全な蜂ですね」
モバP「しかし、せっかく広い庭があるのでここで養蜂とかやってみたいと思うことはあります」
ちひろ「事務所で養蜂とな?」
モバP「都会のビルで屋上養蜂、なんて最近はよく耳にしますからね」
雪美「裏山とか……ないと……お花の蜜……集めるの……大変そう……」
ちひろ「花の蜜の代わりにこれだとどうなるんでしょうね」ハイ
仁奈「スタドリでやがりますか。ありがとうごぜーます!」ブーン
モバP「スタドリを凝縮して作ったハチミツ……食べてみたいな」
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1127
リーリーリーリーリー
モバP「……」
雪美「……」
モバP「秋だねえ」
雪美「……良い声……」
モバP「ああ、何か作業をしていても思わず聞き入ってしまうな」
モバP「これはツヅレサセコオロギだな」
雪美「……ツヅレ……?」
モバP「ああ。エンマコオロギのヒヒヒヒヒみたいな音と比べると違いが分かる」
雪美「……ふふ、似てる……。Pも……良い声……」
モバP「それにコオロギの鳴き声のテンポは気温が高いと早くなり、低くなると遅くなるそうだ」
雪美「……コオロギ……小さくても……大きな声……出るね……」
モバP「静かな夜にしっかり響くくらいだからな。虫のポテンシャルは凄い」
雪美「……もう少し……ここで……耳を澄ませて……いよう……」
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雪美「……」チョコン
モバP「えへへ……雪美さんが膝の上に居るの、猫が乗って来る時みたいな嬉しさがある」
ちひろ「何をニヤニヤしているんですかねえ」
雪美「P……手……借りる……」スッ
モバP「お、何に使うんだ?」
ペタッ
モバP「っ!?」
ちひろ「雪美ちゃんのお腹を……」
雪美「……」モマセモマセ
モバP「ゆ、」雪美さん……?
ちひろ「動揺で変な所から声が出ていますよ」
雪美「……P……私……少し……太ったと……思う……?」
モバP「え? ……うーん……」モミモミ
モバP「いや、そんなことはないな」キリッ
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ちひろ「自発的に確認するな」
モバP「すぐに手を退かそうと思ったのですが雪美の手が俺に催促するもので」
モバP「……しかしいつまでも触っていたくなる」
雪美「……んっ」
ちひろ「その辺にしといてもらいましょうか」
モバP「はい。……しかし気になってしまうものか?」
雪美「……ん」コク
雪美「……Pの膝……あまり……負担に……ならないように……したい……」
モバP「俺の膝を心配してのことか……感激だなあ」
ちひろ「プロデューサーさんは普段から力石でも乗せていれば良いと思います」
モバP「江戸時代の拷問か何かですかそれは」
モバP「あ、大丈夫だぞ? 俺の膝はそんなに柔じゃないさ」
雪美「……なら……いい……。……ちなみに……お腹……触ってみて……どうだった……?」
モバP「面妖な感触だった。雪美のそれは世に言うイカ腹にあたるのか気になるのでもう一回」
ちひろ「小学生のお腹の感触に夢中になるな」
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モバP「……Zzz」
ガチャッ
早苗「P君?」
雪美「……P……ここに……、……!」ビクッ
雪美「……」ジロジロ
雪美「……すごい」
早苗「これは……直立姿勢でうつ伏せ寝しているわね。いつも器用と言うか何と言うか」
雪美「……死んでいる……みたい……」
早苗「変死体ね」
早苗「でも、P君って疲れている時はたまにこういう寝方をするのよね。逆に疲れそうだわぁ」
雪美「……早苗……Pと……寝たこと……あるの……?」
早苗「ないわね。寝顔を見る機会なら何度かあったなー」
雪美「それは……心を許している……証……」
早苗「目の前で警戒なく寝られるってちょっぴり複雑なのよね」 ……ソウ?
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1130
モバP「ちひろさんはピザとピッツァの違いって何だか分かります?」
ちひろ「ピザがアメリカ、ピッツァがイタリアって感じだったかと」
ちひろ「それも確か、イタリアの方は石窯で焼く」
モバP「よくご存じで」
雪美「……正解は……?」
モバP「ちひろさんのが模範解答だと思います。というかそれ以上は知りません」
ちひろ「知らんのかい」
モバP「でも石窯ピッツァ、本場の焼き立てを食べてみたいものです」
ちひろ「イタリア国旗と同じカラーリングのマルゲリータなんて、シンプルにして王道で良いと思いますね」
モバP「まあ自分はペパロニとかどっさり乗っているピザの方が好きですがね」
ちひろ「具材を楽しむのがアメリカ流、生地を楽しむのがイタリア流とも聞きますけど」
雪美「Pは……アメリカ派……」
モバP「いやいや。生地だって好きですよ? ただピザはコーラと一緒にメジャーリーグでも見ながら食べたいくらいで」
ちひろ「骨の髄までアメリカ」
-
1131
モバP「さて、今日も元気に出社ですよ」ウィーン
雪美「……止まりなさい……」
こずえ「とまれー……」
モバP「おや、雪美とこずえ。警察官みたいな格好だな。これは止まってよく見なければ」
雪美「……帽子……おススメ……」
こずえ「てじょうも、あるよー……」
モバP「うん、何だろう? この妙な色っぽさは」
こずえ「ぷろでゅーさー……あぶないものを、もちこもうとしてないか……けんさ、するよー……」
モバP「え、ボディチェックをするのか?」
雪美「……そう。……覚悟……して」
――
雪美「……異常……なし……」ツヤツヤ
こずえ「とおって、いいよー……」ツヤツヤ
モバP「……健全だったがよく考えたらボディチェックはおかしくないか?」
-
1132
グッグン
雪美「……」( ゜-゜)
グッグン
雪美「……」(゜-゜ )
雪美「……?」
雪美「……うん……ワイパー……見ていた……」
雪美「……」( ゜-゜)
雪美「雨……拭いても……拭いても……降ってくる……ね」
雪美「……」(゜-゜ )
雪美「…………運転……大変……?」
雪美「……」( ゜-゜)
雪美「……雨の日でも……車を出して……」
雪美「……」(゜-゜ )
雪美「……Pは……えらいね……」
-
雪美「……」
雪美「……疲れた時は……言って……」
雪美「……うん」
雪美「……私に……運転は……代われない……。でも……」
雪美「……あっ」
雪美「雨……強く……なってきた……」
雪美「……」
雪美「……視界が……悪いね……」
雪美「……?」
雪美「……このままで……いい……」
雪美「……気が散ったり……しないなら……」
雪美「……私は……言葉で……Pを……助ける……」
雪美「……」
雪美「……ふふ……私も……テンション……上がってきた……」
グッグングッグン
-
今日はここまで
山を飛び谷を越え服部さんがやってきた
-
1133
ちひろ「プロデューサーさんってタバコは吸いませんよね」
モバP「すいません」ペコリ
ちひろ「吸わないんですね。何か謝られているような」
モバP「レトロなたばこ屋さんは消えゆく遺産として好きなんですがね」
雪美「……発券所……みたいなスペース……座っていたい……。落ち着きそう……」
ちひろ「吸わない割には本当、妙なものが好きですね」
モバP「もし子どもの頃に身近にいる好きな大人が愛煙家だったりしたら、プルースト現象で煙草好きに目覚めそうです」
雪美「Pは……そういうこと……なかったの……?」
モバP「俺の親は子どもが生まれたのをきっかけに禁煙してそのままらしいから、特にそういう匂いに思い出すものはないな」
雪美「……でも……お香や……お線香は……好き……ね……?」
モバP「それはおばあちゃん子だったからかなあ」
モバP「ちなみに誰に影響されたのかは覚えていませんが、レモンをかじるのも好きです」
雪美「……想像するだけで……酸っぱい……」
ちひろ「東野圭吾の分身みたく生き別れの双子でもいるんですか?」 イマセンシ
-
1134
モバP「やっぱり俺はどうも昔から振り切れないタイプなんだよな」
小梅「そうかな……?」
モバP「人の理解を超えた奇跡はあると思うけど、完全には信じきれないというか」
小梅「じゃあ、幽霊の存在も……?」
モバP「そうだな。知覚できているわけではないし」 ゴソッ
モバP「ん、誰かいるのかな?」
モバP「……って誰もいない。気のせいかなあ」
小梅「……」
モバP「まあいいや。何か変な条件を満たして起きた未知の現象かもしれないしな」
小梅「適当だね……」
モバP「幽霊と言えば、幽霊と話が出来たら聞きたいことがあるんだが、幽霊の寿命が400年って本当なんだろうか」
小梅「最近の噂……かな。うーん……それなら思ったより、長いね……」
モバP「人よりは長いが、存在し続けられる時間には限りがある――って本当なら何だか夢がないというか現実を知らされるというか」
物陰の雪美(……Pに悟られず……接近するの……ドキドキする……)
-
1135
ちひろ「9月28日は雪美ちゃんの誕生日でしたね」
モバP「いかにも」
雪美「たこにも……」
ちひろ「緩いな」
雪美「……ふふ……、今年は……私の……初めて……貰って……もらった……」
ちひろ「へぇ」
モバP「……」
雪美「……」
ちひろ「……」
ちひろ「……えっ」
モバP「何ですか?」
ちひろ「一体初めての何を貰ってもらったんです?」
モバP「それはバージンですよ」
ちひろ「だから何のバージン」
-
モバP「いやだなぁ、比喩か何かで言っている訳じゃないですよ?」
ちひろ「比喩でなければ大問題なんですけど」
雪美「……お泊まりで……Pと……一つに……なった……///」
ちひろ「えぇ……いつかやると思わなくもなかったですけど本当にやるやつがありますか!」
モバP「雪美も20歳になったことですし、初めては……その、自分が良いと」
ちひろ「雪美ちゃんは10歳ですよ!?」
雪美「ちひろさん……どうしたの……? 私は……もう……成人……」
ちひろ「……悪い冗談はやめてくださいよ」
ちひろ「そりゃサービス開始から10年経っているかもしれませんけどそれはあくまで人間界の話で」
雪美「……身長……こんなに……伸びたのに……」ズオッ
ちひろ「うおっ! いつの間に姉帯豊音並に!?」
――
ちひろ「プロデューサーさん、私に悪夢を見せた責任を取ってドリンクを買ってください」
モバP「何で責任を取らなきゃいけないんですかね……」
雪美「……♪」 ←誕生日プレゼントにイチゴクッションを貰ってご機嫌
-
1136
モバP「……いただきます」
モバP「……」
ハムッ
モバP「〜〜〜っ!」
ちひろ「どうしました? 手作り弁当を食べるや否や凄い形相で」
モバP「うあぁ! やっぱり家で浸けた梅干しは酸っぱいわ」
ちひろ「は?」
雪美「P……家で……梅干し……作ってる……」
雪美「ちひろさんも……どう……? とても……酸っぱい……」
ちひろ「いえ、結構です。実家の梅干しってそんな感じですよね。容赦ないというか」
モバP「市販の小粒で上品で下手するとハチミツで甘くなっているような梅干しを食べるのが当たり前になっていると、効きますよーこれは」
ちひろ「というか雪美ちゃんも知っているような酸っぱさなんですか」
モバP「親から教わった作り方を持ち寄って一緒に作っていますからね」
雪美「……Pので……作った方が……酸っぱい……。でも……癖になる……」 ナカイイデスネホント
-
1137
モバP「10月だというのにまだ暑いね」
雪美「……うん」
モバP「どうした? 今日はいつもの膝の上じゃなくて隣から俺の仕事を眺めて」
雪美「……」ジーッ
モバP「……?」
モバP「もしかして、これか?」
雪美「……」コク
ちひろ「雪美ちゃんは何に感動しているんです?」
モバP「ワイシャツの腕まくりが何か男っぽくてカッコいい、だそうです」
雪美「……///」コク
ちひろ「無言からよくそこまで読み取れますね」
モバP「半袖だと特にそうは思わないんだろうな? 前腕をわざと露出させるのが決め手と」
雪美「……私も……腕まくり……似合うように……なりたい……」
モバP「雪美さんの腕まくりか……次の仕事は決まったな」 ナニヲスルキダ
-
1138
モバP「フンフーン♪」
ちひろ「プロデューサーさんが上機嫌ですね……どうしたんでしょう」
モバP「あ、ちひろさん! これ、良かったらどうぞ。お土産です」
ちひろ「? これ、昭栄堂の神戸のクッキーですね。いただいても良いんですか?」
モバP「どうぞどうぞ。今日はとても嬉しい気分なので」
ちひろ「何か祝い事でもありましたっけ?」
モバP「いえ、実は外で男性アイドル事務所からスカウトされまして」コトワリマシタガ
ちひろ「えっ?」
雪美「P……アイドルにならないかって……ね……?」トナリニ……イタ……
ちひろ「ええっ!?」
雪美「……Pの良さ……見抜いてもらえて……鼻が高い……」ムフー
ちひろ「一体どこのプロダクションですかねえ……名刺見せてください」
モバP「はい、ここです」つ□
ちひろ「……実は315のI川さんだったとかそういうオチじゃなくて良かった」
-
1139
モバP「346プロに足りないものがあります」
ちひろ「足りないもの、ですか?」
モバP「はい。それはズバリ、小川ですね」
ちひろ「以前行った765プロが入っていたビルの居酒屋さんの店員さん」
モバP「その小川さんじゃないです」
ちひろ「無理ですよ」
モバP「無理でしょうか」
モバP「夏場の納涼スポット――川床を346に作るというか、再現してみたいんですよね」
雪美「……貴船の……川床……、京都の……名所……」
ちひろ「京都の奥座敷ですか。行ったことがありますけど緑に囲まれて気持ち良い所でしたね」
モバP「貴船神社も緑の中の鳥居の朱が映える良い場所です。というか木も足りないですね」
雪美「いっしょに……川のせせらぎ……聞きながら……流しそうめん……食べたい……」
モバP「こう言われちゃあ作りたくなりませんか?」
ちひろ「どう考えても再現するより直接行った方が早いです」
-
1140
モバP「雪美はドア・イン・ザ・フェイス・テクニックって知っているか?」
雪美「……知らない……。……壁ドン……みたいな……こと……?」
モバP「壁ドンか……今から例を実践するよ」
ドン
モバP「なあ雪美、俺と結婚してくれ」
ちひろ(壁ドンはするんですね)
雪美「! ……いきなり……それは……待って……」
モバP「じゃあまずは友達としてお付き合いから始めませんか」
雪美「…………うん……分かった……」
モバP「……というように最初に法外な要求をして断らせてからハードルを下げることで目的のOKを相手から引き出そうという交渉テクニックです」
雪美「……結婚は……法外……? 私……びっくりした……だけで……ダメとは……言ってない……」
モバP「えっ……いやあ、そう言われてしまってはこのテクニックも形無しですな」
モバP・雪美「……」テレテレ
ちひろ「お二人は好意の返報性の良い例でもある気がします」
-
今日はここまで
私は、にわかです(命乞い)
-
1141
雪美「……にゃー」
モバP「猫やなあ」
雪美「……にゃー」
モバP「……」 ナデナデ
雪美「……ん」
モバP「スイッチが入っていると本当に気持ち良さそうに撫でられるね」
モバP「それにしてもいつもより毛深い猫耳だな」
雪美「……ファー……素材……」
モバP「手が喜ぶ柔らかさだ」
モバP「……だが雪美のふさふさな髪の方もまた良い」
モバP「雪美は時々丸まって寝ていることがあるが、あれを見ると触りたくなる」
雪美「……髪を……?」
モバP「ああ。猫が丸まって毛玉化しているのを触りたくなる感覚に近いのかな」
ちひろ「胎児型の寝相は依存心が強く甘えん坊だと言われるそうな」
-
1142
モバP「ラーメン屋やうどん屋で食事をするのが最近好きになりつつある僕です」
ちひろ「プロデューサーさんってそういう所にも結構行くんですね」
モバP「そんなに行かないイメージです?」
ちひろ「誰かの一緒の時はメニューにバリエーションがあるレストラン」
ちひろ「そうでない時はお腹を空かせながら隠れた良い店とかを探し歩いていると思っていました」
モバP「井之頭五郎みたいなことはしませんよ。憧れますがね」
雪美「P……ごぼ天うどん……好きね……」
モバP「ああ、あのサクサクなごぼうの天ぷらにちょっとつゆを染み込ませて食べるのとかな」
モバP「更にセットで頼むかしわおにぎりもちょうど良い甘さをしていてうどんと合う」
ちひろ「福岡の仕事でふらっと立ち寄った店で食べるようなメニューですね」
モバP「というかたまごふりかけでも塩むすびでも、とにかくおにぎりとのセットが好きでラーメン屋やうどん屋に行くまであります」
モバP「あの小皿に乗ってやってくるおにぎりが何であんなに美味しそうに見えるのか……。照明のせいかな?」
雪美「たまに……お漬物も……付いてる……。あれも……意外と……侮れない……」
ちひろ「サラリーマンみたいな会話」
-
1143
ライラ「〜♪」
モバP「おや、ちょうど良い所にライラさん」
ライラ「おやおやプロデューサー殿。わたくしに用事でございますか?」
モバP「用事というか、アイスでもいかが?」
ライラ「アイス……!」キュピーン
モバP「ほら、ちょうどチョコモナカジャンボとバニラモナカジャンボが一個ずつある」
ライラ「いただいても良いのですか?」
モバP「ああ、今日のお仕事で使う機会があってその余りがちょうどこの二つ」
モバP「せっかくなので保冷剤つきで貰ってきた」
雪美「この場には……三人……」
モバP「俺は良いから二人で食べてくれ」
雪美「……私に……一個は……多いから……Pと……分ける……」
ライラ「やさしさですねー」
モバP「雪美さんは時々優しすぎて甘えてしまう」
-
モバP「それで、この二つ。どちらを食べるか選んでくれ」
ライラ「どちらか……迷いますですねー」
モバP「チョコが入っている分、チョコモナカジャンボにした方がお得だろうか?」
モバP「でも実はバニラモナカジャンボの方にもチョコレートが入っているんだよね」
ライラ「知ってますですよー。端に薄くホワイトチョコレートの層がございます」
雪美「……!」
雪美「……じゃあ……こっちも……本当は……チョコモナカジャンボ……だった……?」
モバP「知らないと、えっそうなの? という事実だな」
モバP「ついでにバニラの方はアイスクリーム、チョコの方はアイスミルクで乳固形分と乳脂肪分の含有率が違う」
ライラ「一度、食べ比べてみたら違いが分かるかもしれませんです。でも、そんな贅沢、なかなかできませんねー」
モバP「……お金のこともだが、アイスを食べたい気分でも一度に2個もとなると最後まで美味しく食べきれない感じだしな」
ライラ「これを半分を割って交換すれば、1つで2つ分の幸せになれますでしょうか」
雪美「……それ……良いアイデア……」
モバP「とりあえず早く食べないと溶け始めそうだな」
ちひろ「事務所に保冷剤がたくさん余ってますね……」
-
1144
モバP「……」パタパタ
雪美「……」パタパタ
ちひろ「おや、扇子ですか」
モバP「センスあるでしょう?」
ちひろ「聞かなかったことにしてあげます」
雪美「……ふふっ」スッ
モバP「扇子で口元を隠す仕草がとても艶やかですねえ、はい」
モバP「これで扇いだからとそう涼しくなるわけじゃないんですが、少し雅やかな気持ちになれますね」
ちひろ「雪美ちゃんでもMy扇子を持っているって良いですね」
雪美「これ……Pと……買った……扇子……」
モバP「雪美はステージで扇子を持つことがありましたが、どうせなら普段から何か持つようにした方が馴染むかなと」
モバP「しかしどれか一つを選んで買おうとしたら、結構悩むんですよね」
雪美「……紗枝でも……悩むって……言ってたから……じっくり……悩んで……決めた……」
紗枝「大事なことどす」 ←悩みだすと結構長い方
-
1145
モバP「ここにボールがあります」
雪美「……」ジーッ
モバP「これにカップを被せます」
雪美「……」ジーッ
モバP「他に二つ、逆さに置いた同じカップを用意します」
シュババババババ
モバP「はぁ……はぁ……さあ! どのカップの下にボールがあるか当ててみよ」
雪美「……右の……これ……」
モバP「……当たり」
モバP「当てずっぽう……ではないよな」
雪美「……うん……目で……追えた……」
モバP「大した動体視力だ。雪美さんはスリーシェルゲームでも負けないんですのね」パチパチ
雪美「Pだって……こういう……ミニゲーム……強い……」
モバP「意識して集中すればな。やる気がない時は全然ダメなタイプだ」 ワカリヤスイ……
-
1146
モバP「こんな雪美さんはイヤじゃない」
モバP「異世界ファンタジー系コスプレをしつつ――」
雪美「……軽装……女騎士……」キラキラ
モバP「得物が大真面目にピコピコハンマー」
雪美「……」ドヤッ
ちひろ「えぇ……笑美ちゃんかな?」
モバP「こういう何か一ヶ所だけ場違いな感じがするものを装備しているとギャップで親しみが湧きません?」
雪美「……」ジーッ
ちひろ「湧きますね」
雪美「……♪」
モバP「こっちの世界ではお馴染みのピコピコハンマーというところがまたポイントを高くする」
ちひろ「可愛いんですけど、もう少し貫禄のあるお馴染みって無いんですかね?」
モバP「ピコピコハンマー、良いじゃありませんか。一部界隈では最強武器の呼び声も高い」
ちひろ「それはギャグでそうなってるだけな気がします」
-
雪美「……普通の、ピコピコハンマーより……強そうに……見える……」
モバP「格好の補正もあるだろうな。ああ、黒タイツミニスカの騎士……実にあざとい!」
雪美「……」ピコッ
モバP「ぐはっ!」
雪美「……あざとくない……」
モバP「……とても似合っています、お嬢様」
雪美「……よし」
ちひろ「それで良いのか君たちは」
モバP「ちなみにこの……マジックハンドに持ち替えても良いかもしれない」
雪美「おお……かっこいい……」カションカション
ちひろ「もう玩具コレクションじゃないですか」
モバP「玩具と侮るなかれ、マジックハンドは通行券や駐車券を取るのにも役に立ちます」
ちひろ「車の窓からね……っていつの時代の発想ですか」
雪美「……マジックハンド……伸びる方だと……思ってた……」ビヨーン……ッテ
ちひろ「そっちの方が更に古いですね」
-
1147
モバP「今日の偏見『桃華の寝間着は透けてそう』」
桃華「うふふ、そう思いまして?」
モバP「着ていても違和感は無いなというか似合いそうだなという、世間知らずの妄想だがな」
桃華「残念ですけれど、透けてはいませんわ。……見たこともあるのではなくて?」
モバP「普段使いはそうでも、そうでない一人の時にだけこっそり着る用とか、別にあるのかなと」
桃華「さあ、どうかしら」
モバP「でも、シンプルなセパレートタイプだけでなくワンピースタイプも一着や二着は持っているだろう?」
桃華「そんなに見たいのでしたら……わたくしの家にこっそり忍び込んでみてもよろしくてよ?」
モバP「えー、ジョジョのスタンドみたいなBGが出てきそう」
桃華「Pちゃまはわたくしを何だと思っていますの? 程々に、手配しておきますわ」
モバP「桃華とランデブーするまでにちょっとした運動もさせてもらえるわけか。燃えてくるね」
桃華「……さて、ベビードールを出しておくよう家の者に連絡を――」
モバP「俺の前でそんな情報を漏らしていくな。サプライズにしろ、そこは」
雪美「Pと……桃華の……やりとり……、時々……本気か……冗談か……分からない……」
-
今日はここまで
特定用途制限千秋
-
1148
モバP「しぶとい高気圧が去って一気に気温が下がるようになってきたな」
雪美「ん……」スリ
こずえ「ふわぁ……」スリ
モバP「こうなると温もりが欲しい女性の皆様が寄ってくる」
ちひろ「女性(女子小学生)」
雪美「……Pは……みんな……レディーとして……扱って……くれる……」
こずえ「こずえもー……れいでぃー……。えへー」
モバP「しかしそんなに熱源として良い塩梅なんだろうか」
雪美「……Pの……スーツ……これが……良い……」
こずえ「くせに……なるねー……」
モバP「俺に寄って来ているのではなくスーツに寄って来ているのか」
雪美「……そうとも……言える……?」
モバP「そんな……まあオーダーメイドの特に良い一着だからな。仕方ないか」
ちひろ「アイドル寄せ効果があるなんて何で出来ているんですかねそのスーツ」
-
1149
雪美「……のど……渇いた……」
モバP「よくお喋りしたからな。お茶でも飲むか?」
雪美「……」コク
モバP「少し待っていてな」
――
モバP「はい、お茶ですよ」
雪美「……ありがとう」スッ
モバP(湯呑を両手で受け取る仕草は良いものだ)
雪美「……」ゴクゴク
モバP「…………」
雪美「………………」
モバP(一頻り喋った後のこのクールダウン的な無言タイムも好きなんだよな)
雪美(……私も……)
ちひろ「急に静かになると調子が狂いますねえ」
-
1150
モバP「藍子って髪を下ろすとゆるふわ度が上がるよな」
雪美「……」コク
藍子「そうですか?」
モバP「ああ、何と言うか普段は女の子として一回変身を残している感じだ」
藍子「その変身を見せること、あまりないですけどね」
パサッ
モバP「と言いつつすぐに見せてくれるサービス精神」
雪美「……かわいい」
藍子「特別ですよ? 代わりに、あとで結び直してくださいね」
モバP「任せろ。Youtubeを見て学習したヘアメイク技術が俺の手にはある」
藍子「元通りにするだけで良いですからね?」
雪美「……P……アレンジ……加えるの……好きだから……」
モバP「しないしない。しっかりデフォルトの藍子に戻すよ」
藍子「ふふっ」
-
モバP「それにしても藍子、普段から髪を下ろしていても充分見映えするよな」
藍子「そうですか? これだと誰だか分からない女の子に見えませんか?」
モバP「そんなことはない。見る側としては新鮮でドキドキするがそれでもしっかり藍子だ」
モバP「オーソドックスな髪型だからって個性が消えるわけじゃないんだよな。むしろ増えるというか」
雪美「……」コクコク
モバP「あと、藍子の髪を下ろした姿は普段から結構想像できる方なんだよ」
モバP「ただ実際に見ると毎度想像以上で驚かされるんだがな」
雪美「……柔らかそう……」
藍子「嬉しいな……未央ちゃんとかからは触りたい髪だってよく言われます」
モバP「絶妙な加減にウェーブした髪が手を誘うのかな。あとは色も優しい」
モバP「だから緑や黄色の入った服や衣装や水着が馴染むのかもな」
雪美「黄色いビキニと……緑のパーカー……」
モバP「髪を下ろした状態でその水着姿を披露というのも……楽しみだな」
藍子「期待されてもそれはさすがにダメですよ? 持って来てないですから」
ちひろ「持って来ていれば着たのだろうか」
-
1151
雪美「……何か……良い香りが……する……」
モバP「……本当だ」
モバP「これは金木犀じゃな?」
雪美「……詳しいの……?」
モバP「植物の知識は正直に言ってそんなにない。素人だ」
凛「またまた。謙遜するね」
夕美「金木犀の花言葉の一つだね、謙遜」
モバP「その辺の引き出しは凛や夕美につい頼ってしまうな」
モバP「以前、凛に貰った鉢のヘデラがゴールデンチャイルドとかいう名前だったのは覚えているんだが」
雪美「何それ……カッコいい……」
凛「当たり。しっかり名前を覚えておいてあげてね」
モバP「金木犀も、これだけ特徴的な匂いを出していると分かる。秋を感じさせる象徴みたいなものだからな」
夕美「それにしてもPさんにヘデラ、か。凛ちゃんらしいかも」
凛「プロデューサー、ちょっとした壁面緑化に憧れているらしくて」 アア、ソウイウ
-
1152
モバP「生活情報番組でよく見かける納豆の効果的な食べ方」
モバP「食べる前に冷蔵庫から出してしばらく置く」
雪美「……」
モバP「タレやカラシはかき混ぜた後に入れる」
雪美「……」シャカシャカ
モバP「ナットウキナーゼが壊れるので熱いご飯の上には乗せない」
雪美「……」 ←元々乗せない派
モバP・雪美「……いただきます」
――
ちひろ「食べ方くらい好きにさせてと思いますけどね」
モバP「まあそうですが、順序次第で味や食感が変わると気分に合わせて使い分けられますから」
ちひろ「食パンにスプレッドを塗って焼くか、焼いてから塗るかみたいなものですか」
モバP「個人的には焼いてから塗った方が風味が出て好きですね」
雪美「……焼く前……パンが柔らかくて……塗りにくい……」
-
1153
モバP「もう食パンはしばらく見たくないなあ」
ちひろ「何があったんです?」
モバP「アイドルたちとカフェで甘い物を食べに行こうという話になって」
雪美「……なった……」
モバP「それでとある有名な店に行って頼んだハニートーストが、多少大きいくらいなら行けるだろうという程度で胃を準備していたらそれよりも大きくてですね」
雪美「ブロック……サイズに……圧倒……!」
ちひろ「ああ、あの一斤ほとんどを使いましたみたいなのを勢いで頼んでしまったんですか」
モバP「はい。運ばれてきた時は盛り上がるんですが食べきるとなると大変です」
ちひろ「スライス一枚分でも結構カロリーがありそうなものですからね」
モバP「あれだけの量だとハチミツの香りも甘ったるくなります」
モバP「その後、これじゃいかんとカロリーを消費しようとなって、皆で入ったのが初めてのパセラ」
モバP「あの部屋に置いてあるメニュー……あれ……初めて見た時……なんていうか……その……満腹なんですが……フフ……グルトーに興味……湧いちゃいましてね」
ちひろ「グルトーはパセラくらいにしかないですから、それはそれでどうしても食べたかったんですね」
雪美「……無茶……しやがって……」 ホントダヨ
-
1154
雪美「……P」
モバP「何だい? 雪美」
モバP「! それは……ウェイトレスの衣装か……!」
雪美「うん……」キラキラ
雪美「……私……コーヒー……淹れた……。飲んで……」
モバP「何、雪美の淹れたコーヒーだと? これは直ちに仕事を中断せざるを得ない」
雪美「……はい」コト
雪美「熱い内に……どうぞ……」
モバP「トレーを胸に抱えて控える雪美さんをじっくり見たいと思いつつも」
モバP「うーん、実に良い香りだ。……いただきます」ズズ
モバP「……見事だよ。雪美の気持ちがこもった一杯……一緒に喫茶店を開かないか?」
ちひろ「何言ってるんですか。……それにしてもこのカリタの陶器ドリッパーに三角形の耐熱ガラスサーバー、様になりますね」
モバP「いろいろ試すんですが、やっぱり自分でやるならこれで淹れるのが一番美味しく出来る気がします」
雪美「ハンドドリップ……やるの……楽しい……」
-
1155
モバP「事務所のアイドルのステージを一番後ろの通路に立って」
モバP「ああ、皆は俺が育てたんだな――と思いながら眺める優越感」
ちひろ「見てください雪美ちゃん、これが後方彼氏面というやつです」
雪美「なるほど……」
モバP「やってみせようとすると恥ずかしくなりますねこれ」
雪美「ふふ……Pは……前の方で……見るタイプ……ね」
モバP「純粋にお客さん側で見るとしたら前過ぎない前が良いかな」
雪美「……そう……?」
モバP「たまに客上げや客弄りがあったりするじゃない? あれに突然選ばれたらアガる自信があるので」
雪美「……それは……私も……緊張……する……」
ちひろ「プロデューサーさんは予期しないことが起こるとエラーを吐きますからね」
モバP「しかし後方彼氏面、ですか。前方後円墳、或いは前門の虎後門の狼なら知っていますが」
モバP「この用語を教えてくれたりあむって物知りなんだなと思うと俺も鼻が高いよ」
りあむ「Pサマ微妙に間違った使い方してる気がするけどまぁいっか」
-
今日はここまで
チョコミントアイス
-
1156
モバP「……」ホー
美世「Pさん、あたしの車に興味津々?」
モバP「ああ。このフロントグリルのデザインが、改めて見るとなかなか好みだ」
美世「おっ、分かるー?」
雪美「……フロントグリル……?」
モバP「ほら、車の正面を見てみよう」
雪美「……こうして……見ると……顔……みたい……」
モバP「ヘッドライトが目でな」
モバP「それはそうとここ、網目の隙間があるだろう? この部分がイカすんですわ」
雪美「……」ウーン
美世「雪美ちゃんの好きな車にもあるんじゃないかな?」
雪美「……私の……好き…………ルパン三世の……フィアット500……」
美世「先代か。あれはフロントグリルないなあ」
ちひろ「そういえば美世ちゃんもグリル、もといメッシュの衣装を着てましたね」
-
1157
モバP「まゆが着けているリボンのカチューシャがふと欲しくなる」
ちひろ「コレクターですか」
モバP「というか着けてみたいんですよね、あの手のカチューシャ」
ちひろ「えぇ……」
モバP「まゆがカチューシャを着けていない場面にそう出くわさないわけですが」
モバP「着け心地が良いからこそ着け続けられると思うんですよ」
雪美「……Pも……カチューシャ……着ける……?」ネコミミ……
モバP「雪美も頻度はそこそこだが着けるよな」
モバP「俺は頭を締め付けられるのはあまり好きじゃないので合うサイズ、ある?」
ちひろ「拘束具じゃないですけど、たまに締め付け感が苦手な人はいますよね」
雪美「はい……これなら……Pも……着けられる……」カポッ
Λ Λ
モバP「おお、なかなかゆったりとして良いフィット感だ」ニアウ? ……ウン
Λ Λ
モバP「でもご主人様に逆らうと自動で締め付けてイテテなことになるような特殊なカチューシャとかも世にはありそう」
ちひろ「カチューシャを緊箍児と一緒にするな」
-
1158
ズズ
モバP「ふぅ」
モバP「……食後の一杯がこんなに嬉しいとは」
雪美「……それ……イチゴの匂い……する……?」
モバP「ああ、強すぎない程度にフルーティーで好みだな」
雪美「……私も……飲もう……かな……?」
モバP「ミルクや砂糖は入れなくて良いかい?」
雪美「……一口は……そのまま……飲んでみる……」
雪美「……」オソルオソル
コク
雪美「……」
モバP「そのままのコーヒーの味はどうだ?」
雪美「……複雑……」
モバP「そうか。俺も実は気取って飲んでいるだけでミルクと砂糖を入れた方が飲みやすいとは思っているんだ」サーッ
-
雪美「……Pったら……ふふ……」サーッ
モバP「しかし香りはすごくイチゴです。よく見つけてきたな」
雪美「……パパから……貰った……」
モバP「へぇ……というかコーヒーを淹れるのが上手いのは」
雪美「……家で……パパとママに……淹れてあげる……から……」
モバP「それで心得があるんだな。コーヒードームを綺麗に作るしタイミングもばっちし」
雪美「……パパとママの……喜ぶ顔……好きだから……」
モバP「娘が上手に淹れてくれるコーヒーなんて喜ばない両親はいないな」
モバP「……今度パパさんに会ったら根掘り葉掘り詳しい話を聞いてみよう」
雪美「……私のこと……根掘り葉掘りは……ダメ……」
モバP「いや、根掘り葉掘りというのはコーヒー豆についてだが」
雪美「……いけず」
モバP「雪美のパパさんも時々混じる京言葉が色っぽいんだよな」
モバP「ええ手つきしてはりますな、とか、よろしおすな、とか、おおきに、とか」
雪美「……P……パパ……狙ってる……?」 ネラッテナイヨ!?
-
1159
モバP「雪美さん」
雪美「P……」
モバP「……いくよ?」
雪美「……来て」
モバP・雪美「……」ダキッ
ちひろ「……」
モバP・雪美「……」ギューッ
ちひろ「……」
モバP・雪美「……」ギューッ
ちひろ「いや、何をやっているんですかね」
モバP(これは競技です)
ちひろ(脳内ジャックしないでください)
ちひろ(……競技って何ですか)
モバP(ずばり、雪美さん抱き締め耐久! 何分照れずにいられるか! です)
-
ちひろ「……」
モバP(ちひろさんが受信拒否モードになった)
ちひろ(あら、また迷惑メールが)
モバP(馬鹿げているとお思いですか?)
ちひろ(一点の曇りもなく馬鹿げていると思います)
まゆ(プロデューサーさん、今日の夕飯はまゆが作りますけど、希望はありますか?)
モバP(お、そうだな……ハンバーグが良いな。パン粉ありのトマト煮込みで)
まゆ(了解です。それと……今度まゆにもしてくださいね? 見ていますから)
モバP(分かったよ。それとお風呂で待ち伏せはするなよ?)
ちひろ(普通にまゆちゃんが割り込んでくるという)
雪美(Pだけ……他のこと……考えているの……ずるい……。これは……一対一の……勝負……)
ちひろ(今度こそブロックしときましょう)
――
雪美「記録……3分46秒……自己ベスト……」ツヤツヤ
ちひろ「プロデューサーさんのコミュニケーションはいろいろとおかしいと思います。今更ですけど」
-
1160
モバP「街路樹の葉が落ちる秋」
雪美「……落ち葉のじゅうたん……もうすぐ……見られる……」
モバP「あれを見ると秋深まれりって感じがするよな」
ちひろ「公園なんかでそういう並木道を一人で歩いているとしみじみとしますね」
雪美「もうすぐ寒い……冬が来る……」
モバP「……」
ちひろ「……」
雪美「……?」
モバP「恋人が欲しいですか?」
ちひろ「何を言う」
モバP「まあ、物寂しさを紛らわせるわけじゃないですが、みんなで並んで、綺麗な並木道をドラマみたいに歩いてみたいですね」
雪美「……HERO……」
ちひろ「懐かしいですね」
モバP「BGMはGメン75が良いですね」 ソレハフルスギ
-
1161
モバP「麻婆豆腐が食べたい」
雪美「……いいね……」
モバP「だが麻婆茄子も捨てがたい」
雪美「ナスも……油に馴染んで……合う……」
モバP「さあどっちを作ろうか。どっちも作ろうか」
雪美「豆腐と……ナス……いっしょに……する……?」
モバP「一緒にしてしまうか。今日のおかずは豪華だ」
ちひろ「ついでに春雨とかまで入れるようになりそう」
モバP「麻婆茄子豆腐春雨なんて思いつくのは自分だけでなく、世の中には結構作る人がいるんですよね」
モバP「自分もものぐさで、一つ一つ別に作るよりまとめられる物はまとめて作っちゃえば良い、ってところはあります」
雪美「昨日も……一つのフライパンで……きんぴらごぼうと……レンコンのきんぴら……作っていた……」
ちひろ「美味しそうですね。私、きんぴらは結構好きですけどそれは特に邪道でもないと思います」
モバP「まあものぐさ過ぎて麻婆豆腐に片栗粉をそのまま投入して失敗したこともありますが」
ちひろ「良い子はちゃんと水で溶いてから入れましょう」
-
1162
モバP「樹木葬……か」
ちひろ「おや、もう終活を考えておいでになるんです?」
モバP「しばらく死ぬ予定はないです」
ちひろ「その割には何か心に響くものでもありそうですけど」
モバP「石のお墓に入れて、ではなくて植物の根元に、というのが素敵だなと」
ちひろ「プロデューサーさんは自分をピラミッドや古墳のような所に葬ってほしいものかと思っていました」
モバP「王族じゃないんですから」
モバP「しかし自分の骨を埋めた地面にはどんな花が咲くんでしょうか」
ちひろ「予め何の花か樹かは決まった場所に埋められるんじゃないんですか?」
モバP「皮肉にも悪人の骨を埋めた土の方が綺麗な花が咲く、なんてことがあると面白いんですが」
ちひろ「蔵馬かな? 不気味でどこか毒々しいような美しさを湛えて咲きそうな気が」
雪美「……P……何の話……してるの……?」
モバP「転生するなら植物になるのも良いかなって話」
ちひろ「Floweyみたいなのが生まれそう」
-
今日はここまで
結果は主催者発表のものと照合してください
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1163
モバP「雪美さんに着せてはいけない服シリーズー」
奈緒「Pさんの性癖が窺い知れるやつだ」
モバP「たまには羽目を外したい時もあるんだ」
雪美「……この人……外し過ぎ……」ツンツン
モバP「それに後で実際に着せてみました、なんてことはやっていないんだから。想像するだけならフリーだよ」
モバP「奈緒だって例えばアニメ由来の、これはちょっと人前では見せられないって服を着てみたくなる時が全く無いわけではなかろう?」
奈緒「そりゃそうだけど、あくまで自分で着る場合だろ? 着せたい、しかもそれを面と向かって言うとなると話が変わってくるって」
雪美「大丈夫……慣れてる……。それで……今日は……何を……着せたいの……?」
モバP「今日は奈緒もいるし、アニメのキャラを名指しでいこうか」
モバP「ずばり、ジャヒー様」
奈緒「えっ、シャツ一枚かよ」
モバP「いや、それも良いんだが大人姿の方の格好。クロスストリングとショートパンツ的な」
奈緒「あの格好で深夜の良心みたいなコメディアニメやってるのはシュールだよな」
雪美「……そういう衣装……あったら……着てみたい……?」 Pサンノマエデハゼッタイニキナイ
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1164
モバP「デレぽは見ていて飽きないな」
雪美「うん……」
モバP「雪美も参加しているからな。あの空間に入れるのは少し羨ましい」
雪美「よく……お世話に……なる……」
ちひろ「やり取りを見ているだけで癒されますよね」
モバP「アイコンも名前も本人なので分かりやすいですよね」
モバP「今時一般のSNSだとプロフィール画像、アイコンを自分の顔にしている人なんてあまりいないですから」
ちひろ「ニックネームとかもですけど、その辺は自由で良いと何にするか結構センスが問われますよね」
雪美「……私だったら……ペロの画像に……するかも……」
モバP「ペロか……俺はやるならPヘッドにでもするかな」
雪美「……Pヘッドアイコン……既に……使われてそう……」
ちひろ「世にはアニメアイコンでいろいろ拗らせたことを言う人たちもいますけど、Pヘッドアイコン勢は大丈夫でしょうか」
モバP「ネットだけでなく我々のこうした世間話だって今は発言がしっかり記録として残りますからね」
ちひろ「誰に記録されているんですかね……」
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1165
モバP「ハロウィンって割とバレンタインデーやホワイトデー並にオサレなお菓子が多いな」
雪美「……」コク
モバP「ということでちひろさんにもお一つ」
ちひろ「ありがとうございます。これはラ・メゾン白金のタブレットショコラですか」
モバP「よくご存じで。それのハロウィン版ですね。ハロウィンタブレットです」
雪美「……お菓子に……見えない……。可愛い……」
モバP「こういうのは食べるのが勿体無くなるな」
雪美「……」パクッ
雪美「……ん……イチゴ味……おいしい……」
ちひろ「私のはピスタチオ……そういえばプロデューサーさんからはアルフォートのピスタチオも頂きましたね」
モバP「好きでしょう?」
ちひろ「いや、ピスタチオ味が好きだなんてことを言った覚えは特にないですよ?」
モバP「でも緑色ですし」
ちひろ「色の問題ですか」
-
雪美「……」
雪美「……!」ピコン
モバP「さて、ブルーベリーとオレンジとマロンとパンプキンのどれにしようかな」
雪美「……P……」
モバP「ん?」
ハムッ
雪美「……」
モバP「雪美が何かを口に咥えている状態ってとてもそそるな」
雪美「……んー」
モバP「えっ、口移し? しょうがねぇなぁ」
パキッ
モバP「美味いじゃん。サンキュー」
雪美「……///」
ちひろ「少しは躊躇というものをですね……止める暇も無かった」
雪美「……ハッピー……ハロウィン……♪」
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1166
モバP「塩釜焼ってありますよね」
ちひろ「ありますね」
雪美「……あまり……見ない……」
モバP「それもそうだと思うんだ」
モバP「あれって冷静に考えると塩が勿体無いと感じませんか」
ちひろ「叩いて割って中身だけを食べるわけですからね」
雪美「塩……捨てる……?」
モバP「卵白とか混ざっていて再利用も考えにくいからな」
雪美「……勿体無い……ね」
ちひろ「ポットパイやパイの包み焼きなんかはどうです?」
モバP「あれも崩して中身をメインとして食べるもので、出された時の見た目は良いですが……」
ちひろ「でも、そんな頻繁に作る物でもないですし、特別な日の御馳走に、くらいなら良いんじゃないですか?」
モバP「そう言われてしまうと……それまでですよね」
ちひろ「……で、何か良い話のオチは見つかりました?」 ソウイワレテシマウト(ry
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1167
モバP「個性を出すのって難しいですね」
ちひろ「アイドルのプロデュースのことで悩んでいるんですか?」
モバP「いえ、自分の」
ちひろ「プロデューサーさんが個性を出すことに全力を挙げても仕方ないでしょう」
雪美「P……そもそも……個性……強すぎる……くらい……」
モバP「いや、もう少し分かりやすい、誰が見てもプロデューサーだという個性があった方が仕事にも活きませんかね?」
ちひろ「目立ち過ぎて仕事にならないと思いますよ?」
ちひろ「というかこれ以上個性を出すって、カラーリングを派手にでもするんですか? 金髪赤スーツとか」
モバP「誰の真似ですかそれは……特徴的な語尾でも付けるとかどうです?」
ちひろ「極めて初歩的ですね」
雪美「語尾……何を付ける……? ……なのだ……とか……?」
モバP「僕はプロデューサーなのだ」
ちひろ「ずんだもんかな?」
プロデューサー雪美「……とりあえず……今日一日……それで……行こう……」 ソッケツ!?
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1168
モバP「タイムトラベルものでよくあること」
モバP「今は亡き家族に会いに過去に行くが、その人にとって未来から来た自分は見知らぬ他人である」
雪美「……それは……とても……切ない……」
モバP「その時代にはその時代の自分がいて、愛を注がれるのはその時代の自分である」
ちひろ「私は未来から来たあなたの子どもですとか言ってもまず信じてもらうのが難しいでしょうね」
モバP「私は信じますがね」
雪美「……でないと……可哀想……」
モバP「しかし、もし未来から例えば未亡人で一児の母親の雪美さんがやってきたとして」
ちひろ「何故そんな設定を盛る」
モバP「その人に世話を焼いて親しくしたら雪美さん的には浮気になると思う?」
雪美「……私は……私……。みんな……平等に……愛してくれれば……良い……」
ちひろ「何を聞いているんですか。……でも、実際は過去を観測することはできても過去に干渉するのは人類には無理なんじゃないですかね」
モバP「宇宙に巨大な鏡を置いたら理論で過去を見ることは出来たとしてもそれはあくまで過去の映像ですからね」
ちひろ「まあ我々のいる世界は別のようですけど」
-
1169
モバP「最近、階段の夢をよく見るんだ」
朋「どんな階段?」
モバP「身近な階段だな。そこが崩れていて通れなくなっている夢が多い」
朋「一般的な夢占いの見地では、それは人生の転機を表しているのかもしれないわね」
モバP「それと階段を登っていたと思ったらいつの間にか降りていた、というのもよくある」
朋「ポルナレフか」
雪美「騙し絵……みたいで……面白そう……」
モバP「ポップでシュールな世界観はあるな。やたら速かったりアクロバティックな角度のエスカレーターや歩く歩道も出てくる」
モバP「もしくは手すりがなくて幅が狭い空中歩道……自分視点だとやたら緊迫感があるよ」
朋「Pは寝ている時間も楽しそうね」
モバP「足元が不安な夢は嫌だよ。特に高所恐怖症なんだからそういうのは」
朋「と言いつつ怖いもの見たさでたまにそういう動画とか見ているの知ってるんだから。そりゃあ夢にも出るってもんでしょ」
モバP「うっ、確かに。……とりあえずまとめると、目的地、つまり目標に辿り着けないでやきもきしているような心理の表れかな」
朋「夢の中で困ったらあたしを呼んでみなさいよ。出てくるんじゃない?」 カモナ ワタシハ……ヨクデル
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1170
モバP「こんな世の中、テレビで不意に見かけると安心する番組ってありますよね」
ちひろ「例えば?」
モバP「トムとジェリーですね」
ちひろ「ああ、最近は見かけませんね」
雪美「チキチキマシン猛レースも……」
ちひろ「なかなかハンナ・バーベラ好きですね?」
雪美「……ちひろさんも……?」
ちひろ「はい。以前はホテルとかのラウンジや修学旅行のバスなんかで流れているのを見ていました」
モバP「良いですね。自分は専ら家で、民放の再放送で見かけたら嬉しいタイプです」
ちひろ「カートゥーンネットワークのようなアニメ専門チャンネルでは今でもやるんでしょうけどね」
モバP「何せトムとジェリーは結構容赦ないコミカルな暴力が、日本では作られないテイストで面白いんですよね」
モバP「アウアウオッホホホホゥ! みたいな悲鳴でいつも笑ってしまう」
雪美「ふふふふふ……似てる……」
ちひろ「足の小指でもぶつけたら自然にそういう声が出るんでしょうかね?」 イタイデスカラネアレハ
-
今日はここまで
行くは破壊、来るは破壊、すべて、破壊
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1171
雪美「……」チョコン
モバP(いつもの膝の上……)
雪美「……」
モバP(……いつも見える雪美の頭)
雪美「……」
モバP(俺、齢二十を超えて頭頂部フェチに目覚めるかもしれないな)
雪美「……顔……見えないの……不安……?」
モバP「へ? 顔?」
雪美「……P……私の頭……見てる……」
モバP「えっ、分かるのか? こっちに顔を向けてくれないかと訴えていたわけではなく、ただ見惚れていただけだが」
雪美「……ん……分かる……。……何となく」
モバP「それは凄い。まるで後ろに目があるかのようだ」
モバP「食わず女房や二口女のように後ろに口がある女性は知っているんだがな」
ちひろ「口が減らない奴め」
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1172
モバP「今日、近所のとある飲食店の近くを通りかかったんですが、照明が昼光色で何か珍しいなと思ってしまいました」
ちひろ「あまりないですよね。昼光色はオフィス向きだと思います」
雪美「……昼光色……?」
モバP「ああ、照明の色のことだな」
モバP「赤みのある電球色、オーソドックスな昼白色、青白い昼光色」
ちひろ「主にその三つですね」
モバP「電球色と昼白色の間に温白色というのもあるようですがね」
雪美「……ここは……昼光色……?」
ちひろ「中間寄りですかねえ」
モバP「事務所の照明が電球色じゃなくて良かったと思います。センチメンタルな気分になりそう」
ちひろ「そんな事務所もそう無いと思いますけどね」
雪美「赤い明かり……温かい……でも……少し……寂しい感じ……」
モバP「灯火に近いが少し暗めに感じるよな。そういえば以前、真っ暗が怖くて赤い豆球を点けて寝ていた時期があったなあ」
ちひろ「普段夜も明るい都会住みがたまに山の旅館とかに泊まると眠れなくなるやつですね」
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1173
チーン
モバP「おお、焼けた」
雪美「……開けるね……」
モバP「熱いから気を付けてな? このトースターは赤くならないから熱そうに見えないが」
雪美「……大丈夫……すぐ……お皿に取る……」
モバP「……」ハラハラ
雪美「……ほっ」
雪美「……はい……おいしそう……」
モバP「落ち着いているなあ。頼もしいや」
雪美「じゃこマヨトースト……いっしょに……いただきます」
モバP「いただきます。……事務所でいただく軽食としては何だか家庭的で良いな」
パクッ
モバP「これよこれ」
モバP「このこんがり焼けたちりめんじゃこのカリカリ感と、マヨネーズを乗せて焼くことでしっとりした食パン」
-
雪美「……これが……好き……?」ハムハム
モバP「ああ。忙しい時に親がよく作ってくれて、簡単だから自分でもよく作るようになったのを思い出す」
モバP「でも興味が他に移ったのと、ちりめんじゃこの高騰でめっきり作らなくなった」
パクパク
モバP「……改めて食べたら美味しいや」
雪美「……」ハムハム
モバP(じゃこマヨトーストを食べる姿すらも絵になる雪美さんよ)
モバP「それにしてもせっかくこうして単なる給湯室じゃないオフィスキッチンがあるのだから、もっと本格的な料理を作るべきかな」
雪美「……例えば……?」
モバP「……ふわ玉キャベツトーストとか?」
みちる「いいですね! 是非作りましょう!」ヒョコッ
雪美「みちる……パンの匂いを……嗅ぎつけた……? ……フライパン……必要だね……」
みちる「フライパンが出てくると一気に本格的な料理っぽくなりますからね!」
モバP「あの薔薇のように綺麗な卵を見たら難しくても作りたくなるよなあ」
ちひろ「フライパンってそんな上級向け調理器具だったか、確信が持てない」
-
1174
モバP「俺がどこにいても居場所を特定するまゆ」
モバP「俺の体に発信機みたいなものは付いていないんだが何故分かるのだろうか」
まゆ「運命の赤い糸が……プロデューサーさんと繋がってますから」
モバP「まゆはすごいなあ」
雪美「……赤い糸……そんなに……赤いの……?」
まゆ「そうですねぇ、とても赤いですよ。一目で心を奪われてしまうくらい強い赤です」
モバP「イメージとしては指と指で繋がっているどころではなく、こっちには常にリボンくらい太いのが体にぐるぐると巻き付いている感じかな?」
ちひろ「やたら因果が強そうな赤い糸、いえ、赤いリボンですね」
まゆ「プロデューサーさんに緊縛願望があってもまゆは付いていきますよぉ」
モバP「別にそういうわけじゃない。縛るなら緩めにしてくれ」
雪美「……赤いリボン……お風呂……入る時も……そのまま……?」
まゆ「プロデューサーさんの裸リボン……」ドキドキ
蘭子「赤は紅より出でて紅より赤し」
ちひろ「それはどっちが師匠でどっちが弟子なんでしょうかね?」
-
1175
ガチャッ
モバP・雪美「……」
パタン
トコトコトコ
モバP「……今日は先客は誰もいないようだな」
ヒュウウウー
モバP「風が冷たいな。雪美は寒くないか?」
雪美「……平気……」
雪美「……それより……今は……二人きり……」ギュッ
モバP「あら雪美さん、積極的ですこと」
雪美「……今は……このままで……いたい……」
モバP「屋上での逢瀬は初めてじゃないのにいつも心が躍るな」
モバP「……普段から一緒にいるのに逢瀬か? とどこからかツッコミが飛んできそうだな」
雪美「ふふっ……」
-
雪美「……もっと……そっちに行って……いい……?」
モバP「どうぞ」
雪美「……」ススッ
モバP「こんなに密着して、誰かに見られないですかね?」
雪美「大丈夫……。多少は……ね……」
モバP「何が多少なのか気になるな」
雪美「ここは……芳乃が……人避けの結界……張ってるから……何しても、見えない……」
モバP「よくあるご都合主義的な結界か。いや、そんなマジックミラー的なものがよくあっちゃいけないか」
モバP「……しかし、屋上に出られるって良いよな」
雪美「……?」
モバP「フィクションでよくある、学校の屋上で弁当を食べたり女の子と話したりなんかして、ささやかな青春を感じてみたいという夢があったんだが」
モバP「俺は小中高と、一度も屋上に行ったことがない。通じている階段さえどこにあるのか知らなかった。多分知っていても立ち入り禁止だっただろうがな」
雪美「……」
モバP「当時見ることの出来なかった景色が今、やっとここにある」キラキラ
雪美「……P……まだまだ……青春……ね」
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1176
モバP「……これ、なかなか良いな」
雪美「……そう……?」
ちひろ「おや、プロデューサーさん。それはネックピローですか?」
モバP「デスクワークにも良いと聞いたので適当に買ったのを試しに首に巻いてみています」
雪美「……ビーズ……」ツンツン
ちひろ「旅行の時には使う人もいるようですね」
モバP「なかなか快適ですよ、これ」
モバP「デスクにこう置いてうつ伏せ用枕にするのも良さそうですし」
ちひろ「ここで寝る気ですか。あ、カバーは紺色のポリエステルなんですね」
モバP「スクール水着やブルマの素材だと思うと何だか破廉恥なことをしている気分になります」
ちひろ「発想が……その内おしり型まくらとか持って来たりしないでくださいよ?」
モバP「学校にmy枕を持って行こうか本気で悩んでいた時期はありますがそれはさすがに」
ちひろ「そこまでして寝たいか」
雪美「……ちなみに……Pのおしり……枕にちょうどいい……」 ナニサセテンデスカ
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1177
雪美「それで……ここも……いい……」
モバP「結構端の方だからこれをプランに組み込むと大変だが外したくないな」
ちひろ「真剣に何の話をしているんですか?」
モバP「雪美さんと京都旅行に行きたいのでどこを回ろうかという話をしているんですが」
雪美「……」コク
ちひろ「仕事しろ」
モバP「この時間に捌く仕事は先に終わらせました」 ……マシタ
ちひろ「プロデューサーさんっていつ仕事やってるんだろ……」
モバP「それでですね、これまで天橋立、伏見稲荷、保津峡、貴船神社などいろいろ出てきましたが」
モバP「これを忘れる所でしたよ、伊根の舟屋」
ちひろ「忘れる所って、ついさっき閃いたばかりなのでは?」
モバP「まあまあ。それでちひろさんも見に行きたくありませんか? 舟が乗り入れて停まる民家を」
ちひろ「私も連れて行く気ですか? ……ちょっと行きたいですね」
雪美「……旅行のしおりが……厚くなるね……」
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