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モバP「雪美様がゆく」
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このスレは膝神様に監視されています
あと、雑談以前の世間話などで構成されています
なお、このスレのカウントを引き継いでいます
モバP「雪美さんといっしょ」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1539405266/
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987
雪美「……♪」キュッキュッ
モバP「ダンスをする雪美」
――
ヒュオオオッ
雪美「……む」パサパサッ
モバP「風に吹かれる雪美」
――
雪美「……P……?」キョトン
モバP「小首を傾げてみせる雪美」
雪美「何……見てるの……?」
モバP「雪美に自然体で首を傾げられるとこっちも首を傾げて見てしまうな」クイッ
雪美「ふふ……面白いの……」
モバP「本題はその髪なんだが……よく見ていると結構触手的な動きをしている時があるよね」
雪美「……そこは……女の子の……秘密……」 オンナノコハフシギナリ
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988
モバP「今日のおやつ、バウムクーヘンは口に入れると密度を感じるお菓子ですよね」
ちひろ「カロリーありますからね」
雪美「……紅茶と……合う……」
モバP「しかしそこにチョコレート、或いはグレーズまでかけたりするのだから人間は業が深い」
モバP「お取り寄せグルメだと穴の部分にシロップりんごやメロン羊羹が詰まっている物もあったなあ」
雪美「……グレーズ……って……何……?」
モバP「表面に艶を出す糖蜜とかのコーティングと言えば良いのかな」
ちひろ「似たようなものにアイシングというのもありますね。卵白を混ぜて……味は大体お砂糖ですけど」
モバP「かな子や愛梨とお菓子を作っているとそんなワードが当たり前に飛び交うようになりますね」
雪美「グレーズ……あの……雪が積もったような感じ……すき……」
モバP「雪美は雪化粧が好きだよな。一緒にブッシュドノエルを作ったことが記憶に新しい。ロールケーキにクリームを塗ってフォークで木目を付けて」
雪美「……あれは……芸術的……だった……」キラキラ
モバP「バウムクーヘンにもクリーム入りとかあって……想像するだけでも甘さのインフレが凄まじい」
ちひろ「いろいろかけて入れて乗せて盛って、悪魔の食べ物に変貌していくんですね」
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989
パチッ パチッ
雪美「……」チョコン
ショリショリ
雪美「……」ジー
モバP「雪美さん、なしてこっちば見とうとね」
雪美「……P……猫が……毛づくろい……してるみたいに……見えるから……」
モバP「そっちも飼い主を見つめる猫みたいだよ。……ここは爪を切らせて頂戴な」
モバP「ああ、まだ幼い頃はこの爪も親に切ってもらっていたが、小学生になった辺りで“もう自分で切りな”と言われてこうなって久しい」
雪美「私も……自分で……する……」
モバP「偉いな。でも、今日は俺がやってあげると言ったら?」
雪美「……そんなに……甘やかさなくても……良い……」
モバP「ピカピカに磨くぞ? ……雪美さんは普段、切るよりは爪やすりで手入れをするのかな?」
モバP「……まさか猫のように爪とぎはしないか。それはそれで面白いが――よし、終わり」
雪美「……じゃあ……遊んで……」(つ゜-゜)つ
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モバP「……どうも今日は耳の聞こえが良くないなあ」
ちひろ「鈍感性難聴ですか」
モバP「……え? 何か言いました?」
ちひろ「いえ。……もしかしたらストレスが原因かもしれませんね」
雪美「P……最近……思い詰めてる……?」
モバP「季節の変わり目で安定しない気温や天気のせいか、知らず知らずのうちに気分に波が出ているかもしれない」
ちひろ「雪美ちゃんの声は聞こえているみたいですね」
モバP「……え……っと……?」
雪美「……! ……P……耳……」
モバP「あっ……! そういうことか……」スポッ
モバP「ん……失礼しました。どうやら耳にバナナが入っていてよく聞こえなかったようで」
ちひろ「いや、それどう見ても耳栓じゃないですか。平然としていますけど」
モバP「これは多分麗奈のイタズラでしょうかね。仮眠室で寝ていた時に」 ……ヨカッタ
ちひろ「というか雪美ちゃんの声は耳栓していても聞こえるんですね」
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今日はここまで
弱酸性ヴィシュヌ
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モバP「最近はボタン目のキャラクターがひっそりと流行っていますね」
ちひろ「いますかね?」
雪美「……ボタン目……?」
モバP「中心に二つ穴や四つ穴が開いているポピュラーな洋服のボタンを目にしたものだ」
雪美「イメージすると……少し……怖い……」
モバP「普通は人形に目を付ける時、裏穴や足つきのボタンを付けた方が見映えしやすいんだよな」
雪美「つぶらな……目になる……」
ちひろ「そこを敢えて四つ穴ボタンを使うと、独特のゴシックな怖さが出ますよね」
モバP「そういうマスコットでも作ってあげるとみんなは喜ぶものなんでしょうか?」
ちひろ「作るんですか? ダークファンタジーよりはホラーコメディっぽい方が良いでしょうね」
モバP「この前、自分の作った物がアイドルの写真で取り上げられて話題になっていたんですよ」
雪美「……私にも……作ってくれたら……うれしい……」
モバP「よし! 昔から集めてきた水牛調とかの綺麗な四つ穴ボタンをこれを機に使ってしまうか」
雪美「……マーブルカラーのボタン……集めたくなるの……分かる……」
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モバP「暖かくなってきたのでこたつを撤去するか」
雪美「……」ゴロン
ペロ「……」ゴロン
モバP「無言の抗議だな」
雪美「片づけるの……?」
モバP「もう5月も近いしな。そんなに未練があるか」
雪美「……」ゴロン
ペロ「……」ゴロン
モバP「電源を入れなくても布団があるだけで気持ち良いのは分かる」
ペロ「……ウウウ」
雪美「……敷き布団……だけでも……って言ってる……」
モバP「猫はラグマットなんかが好きだよな」
モバP「……敷き布団だけ保留にするかなあ」ゴロン
千秋「雪美さんの実家のような素の表情と寛ぎ様、いつまでも見ていられるわね」ウットリ
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ポフポフポフ
モバP「ペロも」
ポフポフポフ
モバP「雪美も」
ポフポフポフポフポフポフポフ
モバP「木魚を叩くようなリズムで甘く叩いてくるのは何ですか」
チーン
モバP「何の音!?」
雪美「……?」
モバP「幻聴ですか」
雪美「……P……良い弾力……してるから……」
ペロ「ンギャア」
雪美「それと……体……大きいから……多少のことでは……動じないのも……魅力……」
モバP「動じていない訳じゃないぞ? 力加減がマッサージみたいで心地良い」
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雪美「……」ポフ
モバP「あぁ……」
ペロ「……」パタパタパタ
モバP「ああ、尻尾で叩かれるのも……快感だな」
雪美「…………私も……頑張って……尻尾……生やそう……」
モバP「ヒトに尻尾が生えたとしても、器用に動かせるかどうか」
モバP「猫の尻尾は尾椎が通っているからそれが出来るんだがな」
雪美「……Pは……尻尾を動かす……感覚……分かる……?」
モバP「ああ。何かヒトには無い物があると変な感じだが、本能的に動くよ」
ペロ「……」スタスタスタ
モバP「あ、飽きたのか行ってしまわれた」
モバP「しかし雪美は肩もみ肩たたきがプロみたいに上手だよな。俺の親も俺にそう言ってくれたが、人にやってもらうとやっぱり違うもんだ」
雪美「Pの方が……上手……。でも……喜んでくれると……嬉しい……」
雪美「……P……最近……肩……凝っている……みたいだから……はい、これ……」つ□
モバP「肩たたき券をくれるのか? ……勿体無くていつまでも使えなさそうだこれ」
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モバP「わたくしといふ現象は仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です」
ちひろ「宮沢賢治ですか」
モバP「長すぎず短すぎない、言葉に出して読みたい一節ですよね」
ちひろ「そうでせうか」
モバP「はい、おぜうさま」
ちひろ「私はおぜうさまではありません」
雪美「……いにしへの……奈良の都のやへ桜……けふここのへににほひぬるかな……」
モバP「歴史的仮名遣いは実にレトロだな」
加奈「歴史的加奈遣い、ですか? プロデューサーに呼ばれたような気がしました」
モバP「なるほど、聞こえは変わらないが仮名を加奈に置き換える……そういう考えもアリか」
モバP「旧加奈、現代加奈、平加奈、片加奈、変体加奈、異体加奈……」
加奈「いろんなわたしが出てきますね。後で使うかもしれないアイデアなのでメモっておきます!」
モバP「良さげな発想は活動中や何気ない時に生まれるからメモ癖は役に立つよな」
ちひろ「変体加奈なんて言葉を出してきたのは故意ですか?」 ラブデス
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モバP「ちひろさん、元気が出るドリンクを一本お願いします」
ちひろ「はい、どうぞ」
モバP「お代はこれで頼みます」
ちひろ「あ、桃缶」
ちひろ「って物々交換ですか。それも変に高級なやつを」
モバP「風邪など体調不良時に食べる缶詰の桃の美味しいこと」
モバP「具合が悪い時の味方と言えば経口補水液というのもありますが、これは元気な時にはなかなか飲めたものじゃなかったり」
雪美「……味見……したこと……ある……。……あれは……うん……」
ちひろ「それはいいんですけど、ギャグとかでなく本当に桃缶で換えるんですか?」
雪美「……桃缶……Pの家には……いっぱい……ある」
ちひろ「ほう……良い生活しているんですね」
モバP「パントリー、というほどでもない収納棚にいくつかあります」
雪美「……でも……何でもない時でも……食べる……ね」
モバP「缶詰は賞味期限が長く非常食として優秀だが、それでも永久には保たないからな」
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モバP「古い方から少しずつ消費して新しいのを補充する、ローリングストックというやつだ」
ちひろ「そのストックの余分を私にくれた訳じゃないですよね?」
モバP「……どうして在庫処分だとばれたんだろう」 コラ
モバP「しかし桃と言えば缶詰で見かけるのは黄桃、青果物として見かける機会が多いのは白桃」
雪美「……ただし……すもももももももものうち……ではない……」
モバP「もう一回言って?」
雪美「……すもももももももものうち……ではない……」
モバP「雪美さんが“も”を連続で発音する所、軽快で聞き惚れますね」
雪美「……早口言葉……私だって……言えない、わけではない……」
モバP「では俺も。隣の柿はよく客食う柿だ」
ちひろ「人を襲う柿の木か何か?」
モバP「失礼、噛んだだけです。それにしても雪美さんその通りでスモモは桃の仲間とは違うんだよな」
雪美「……うん。……私は……白桃……好き……。ミックスジュースに……欠かせない……」
モバP「あれが入ると風味が上品になるよな。ネクターなんかも一度飲むと忘れられない味だし」
ちひろ「この桃缶どうしようかな……」
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モバP「今日は近所の家の庭のフェンスにカラスが止まっていて、結構近くまで接近してもじっとしていたんだ」
雪美「……ふんふん」
モバP「普段、自分の目線の高さで全身を近くで見る機会がなかったから、ちょっと観察してやった」
雪美「……ふむふむ」
モバP「そして思ったんだが、よく見ると格好良いよな、カラスって」
ペロ「……」
雪美「……そうね……。ペロは……カラス……いけ好かない奴……って言ってる……けど」
モバP「真っ黒い体同士通じ合うようなことはないか」
モバP「というかペロは人間の話がしっかり理解できるんだな。そして声を発しなくても雪美に伝わる」
ペロ「……ミィ」スッ
モバP「ん、ペロが自分から俺の膝に乗ってくるということは、俺に何かを求めている時だな」
雪美「……ふふ……Pも充分……ペロのこと……分かってきている……」
モバP「何となくで分かってきていると言って良いのかな? 猫の秘密はまだ奥深いと思うが……」ナデナデ
ペロ「ンナーゴ♪」
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997
モバP「雪美さんはジュークボックスって知っている?」
雪美「……? ……19の……箱……?」
モバP「主にボウリング場とかにある、その場に流す音楽をリクエストできる洒落た自販機――と言えば」
雪美「……ティンと……こない……」
ちひろ「もう無いんじゃないですかね? 古いものは当然ですけど、デジタルの方も」
モバP「……あのちょっとした自己顕示欲を満たせそうな、でも恥ずかしくて手を出せない距離感が好きだったんですが」
ちひろ「プロデューサーさんのような人ばかりだったかは分かりませんけど、使う人がそんなにいなかったと思います」
モバP「確かに……でも古いタイプとか、事務所の片隅に一つくらい置いてみたいですね。ステイタスになりますよ」
ちひろ「何のステイタスやら」
モバP「今は調べると画像がすぐ出てくるのは便利だ。ほれ雪美さん、これですよ」
雪美「……ん、見たことは……ある……。……音楽を……流すもの……だったの……」
モバP「幼心には一見何なのかよく分からないが興味の湧く物ってあるよな」
雪美「……うん。……そして……何だったか……忘れる……」
ちひろ「そしてある時、何かの拍子に急に思い出したりする」 ソシテマタワスレル イヤオボエトケ
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今日はここまで
エンパイア・オブ・ザ・ペロ
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998
ガチャッ
凛「プロデューサー、おはよう」
雪美(一日プロデューサー)「……凛、おはよう」
凛「って、えっ雪美? 一日プロデューサーって何?」
雪美「P……今日は……ペロと……海外出張……。だから……私が……代理……」
凛「ペロと出張って業務じゃないと思うんだけど……雪美が本当に代理をやるんだ?」
雪美「……」コク
凛「……よく見るとしっかりスーツまで着てる。今の雪美、かっこいいよ」
雪美「……ありがとう……。今日のスケジュール……確認から……」キラキラ
――
凛「しばらく付いて来たけど、応対や付き添いと本格的にやるんだね……手伝おうか?」
雪美「大丈夫……。前に……Pと……中身だけ……入れ替わったこと……あって……そこで……お仕事……体で……理解したから……」
凛「……相変わらずオカルトみたいな関係だね」
ちひろ「あの日は普段開いていない雪美ちゃんのブラウスのボタンが開いていましたよ」 ……ゴクリ
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999
モバP「……」
ちひろ「プロデューサーさん、魂が抜けていませんか?」
ペロ「……」コツ
モバP「おうっ!? ……そうだ、もう日本に戻って来たんだった」
ちひろ「一日だけ休みを取って海外に行くとか言い出した時は何かと思いましたけど」
モバP「ヴァルプルギスの夜に行ってきましたよ。ペロと共に、猫の抜け道を使って」
モバP「表のパレード、お祭りも賑やかでしたが、何より裏の夜宴ですね。現代にも本物の魔女っているんですよ」
モバP「猫の姿で参加しましたが、現地のウィッチの方と話が弾みまして、何とわたあめを作り出す魔法まで教えてもらいましたよ!」
ちひろ「魔法って……夢オチじゃないですよね?」
モバP「披露したいんですけど残念ですが霧が出ていないと作れないんですよね、フォグキャンディ」
雪美「……クセノファネス……エッセンティア……ドドラ……ゴンゴ……」
ちひろ「それはきりのカーニバルに出てくる呪文ですね」
モバP「あ、そういえば何故かちとせとヘレンも来ていて、普通に居るのを見つけた時は心臓が飛び出るかと思いました」
ちひろ「話を集約すると、本当は一体どこに行っていたんですか? 国内?」 コクガイデスヨ!
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1000
モバP「雪美さん」
雪美「……?」
モバP「ありがとう」
雪美「……? 私……まだ……何も……してない……」
モバP「いや、これまでのことだよ」
雪美「……P……消えるの……?」
モバP「死亡フラグじゃないです」
雪美「……」ホッ
モバP「一緒にいてくれて、歩いてくれて、いつも感謝しているよ」
雪美「……P……終わるの……?」
モバP「締めの挨拶でもないです」
雪美「……」ホッ
モバP「うん、まあそれだけだ。これからもよろしく」
雪美「……」(つ゜-゜)つ
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ヒョイ ポスン
モバP「雪美ってもしかしなくても、俺のことが好きなのか?」
雪美「……ん……何……?」
モバP「こうして近くにいてくれるし、膝を要求するからさ」
雪美「…………そうかも……しれない……」
モバP「じゃあ、それを受け入れるまでよ」
雪美「……二人で……そして……ペロや……ちひろさんや……みんなで……いると……」
モバP「おう?」
雪美「……どんなことでも……楽しいだけで……特別に……好きとか……ないんだから……」
モバP「ほうかほうか、こやつ、変わらず愛いのう」ナデナデ
雪美「……ふふ」
ちひろ「こやつらこれからも遊び続けるつもりですね」
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1001
ペロ「……」ジーッ
モバP「あ、ペロ。来てくれたんだ」
モバP「ん、分かっているよ。ここはこうして片づけて……よし、今行く」
ニャーウ マッテオイテカナイデー
ちひろ「……プロデューサーさんは最近、ペロと仲良くなりましたね」
雪美「……P……引っ張ってくれる……タイプの……仲間に……弱い……から」
雪美「この前も……ピンチの時……ペロに……助けてもらって……段々と……惹かれ始めてる……みたい」
ちひろ「……雪美ちゃんは、ペロに対しても嫉妬とかするものですか?」
雪美「……Pには……誰とでも……仲良くなってほしい……から……しない……」
ちひろ「でも少しは独占欲もあるでしょう? ある一線を超えて手を出されたら何となく嫌だ、とか」
雪美「……その時は……私も……同じように……手を出してもらう……だけ……」
ちひろ「私としては手を出させるのを黙って見過ごすわけにはいきませんけども、腰が据わっていますね」
モバP「おっと忘れ物忘れ物。……では行って来ます」
雪美「……二人とも……あまり……遠くに……行かないように……ねー……」 ホゴシャダコレ
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1002
モバP「以前雪美には太ももにレッグシースを隠してもらったことがあったな」
雪美「……あれは……普段……見えないのが……残念……」
モバP「まあな。スカートの下に武器を隠すのもまず実用性がイマイチに感じられる」
モバP「横スリットとかでないと、ナイフを取り出すのに一々捲らないといけないし」
ちひろ「武器を使う前提の危険な日常が当たり前みたいに言わない」
モバP「そこで、もっと普通にアイドルが衣装で着用するような物を用意しました」
モバP「今回! 何と! 雪美さんが! 着けて……くれた?」
雪美「……///」コク
モバP「おお、ミニスカートだけでも雪美さんの本気な感じがして良いが、そこにガーターリングまで!」
ちひろ「ストッキング留めですね。何かセクシーアイテムみたいに扱われがちですけど」
モバP「これがチラ見えしただけで体温が1℃くらいは上昇します」
雪美「……P……微熱……?」ピトッ アッ、オテテツメタイ
モバP「たまに見かける、手首にシュシュを引っかけている女の子も何か良いなと感じるものがあります」フレンチクルーラータベタイ
ちひろ「何ですか最後の漏れ出た食欲的本音は」
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1003
雪美「……♪」
ありす「あっ、そんなショートカット方法があるなんて聞いていません――っ」
モバP「楽しそうだな」
紗南「Pさん家でマリオカートしようって提案した甲斐があったよ」
モバP「それも今回はマリオカートライブホームサーキットで家自体がコースだからな」
紗南「これ、やってみたかったんだよね! こういう広い家で!」
モバP「いやあ、大変だったよ。ジオラマとかを作るのにこだわるタイプなもんだから」
モバP「こうして障害物や背景を置いて道を作るセッティングで時間がかかった」
紗南「準備で既に力尽きている感じ? 後であたしともレースするんだから、回復しといてよ?」
モバP「ああ。遊ぶために何度も試走して作ったんだからな」
モバP「しかし、レースゲームで自分でコースを作れるのってなかなかないよな」
紗南「これまでマリオカートメーカーみたいなゲームってありそうで無かったよね」
モバP「これも画期的だが発展途上という感じだな。立体コースが作れるようになったら大したものだが」
雪美「……これ……Pが寝そべったら……背中の上も……走れる……?」 ソレハチョットムリダナ
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1004
モバP「ちひろさん」
ちひろ「はい、プロデューサーさん?」
モバP「……普段あまり意識していなくて、今改めて思ったことがあります」
ちひろ「何でしょう?」
モバP「ちひろさんって154cmと意外と小柄な方なんですよね」
ちひろ「意外とって何ですか。それもアバウトじゃなくてはっきり言うか」
モバP「こうして話しているイメージよりは思ったより開きがないですか?」
ちひろ「プロデューサーさんが大きいんですよ」
モバP「自分の身長が高いのは自覚しています」
雪美「……私には……ちひろさんも……高く見える……」
ちひろ「ほら、おかしくはないんです」
モバP「……そうですね。女性にこんな、身長のことを……失礼しました」
モバP「…………」ホワア
ちひろ「小動物を愛でるような目で見るな」
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1005
モバP「日中は過ごしやすい陽気、なんてものを通り越し」
モバP「もう初夏の暑さが感じられる日もある5月の始め」
雪美「……暑くなるのが……急だと……五月病にも……なれない……」
モバP「過ごしやすい時期が無いと五月病になる暇さえ無いかもしれないな」
ちひろ「どうなんでしょうね」
モバP「そんな最近は、俺は早起きをする」
モバP「早起きをして明け方に少し外に出てみるんだ。まあ早起きはいつもしているんだがな」
モバP「すると都会にいながらも山の朝のような静けさと、澄んだ冷たい空気を感じられてこれ以上なく気持ち良い」
雪美「……薄着で……少し……寒く感じる……朝……。……良いかも……」
ちひろ「寒い季節の最後の名残的な……理想の条件が成り立つ日はそんなにないでしょうけどね」
モバP「今以上に暑くなっても寒くなってもこのちょうど良さには出会えない気がします」
雪美「私も……してみよう……。そして……Pに……おはようって……心で……呼びかける……」
モバP「パジャマ雪美からモーニングコールが来るのなら俺は例え嵐の朝でも外に出るぞ」
ちひろ「それはやめとけ」
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今日はここまで
今日をどこかに置き忘れ
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1006
ピッ ガチャコッ
カシュッ
ゴクゴク
モバP「ふう、今日の謎のコラーゲンドリンクは当たりだな。美味い」
雪美「謎……?」
モバP「見たことがなかったメーカーのだな。自販機で珍しい物を見るとつい買う癖が」
雪美「……レトルトカレーや……お弁当の……自販機……とかも……ある……」
モバP「今は無人・自動で何でも売る時代になってきたな。自販機ブームが来るかもだ」
雪美「……P……自販機……好き……ね」
モバP「ああ。俺は引退したらビルを買って、上に住みつつ一階を自販機コーナーに改造するのが夢だ」
雪美「前は……駄菓子屋になりたい……って……」
モバP「駄菓子屋も入れるか。後はアーケードゲームも置きたいし、休憩用のイス・テーブルも……採算が取れるのかは分からないがな」
モバP「そうやって限られたスペースにだが、悩んで夢を詰め込んで、一国一城の主になれたら、世界も変わって見えるだろうか」
晶葉「既にシンデレラの城の主みたいなものじゃないか?」
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1007
モバP「皆さんは買い物時に、買うつもりは無いのにふと足を止めてカップラーメンを見ることがありませんか?」
みく「いや別に? Pチャンは袋ラーメンは好きだけどカップラーメンは食べないなとは思うにゃ」
モバP「ただ一回食べるためだけに容器を使い捨てにするのは勿体無い気がいつもするんだよな」
みく「環境には良くないかもね。一食あたりも高くなるし」
モバP「だがアウトドア、特に山で食べるカップラーメンの美味さたるや家で食べる時とは比ぶべくもない」
雪美「……ラーメン……寒い所で……食べると……おいしくなる……」
モバP「更に見晴らしの良い所で景色を見ながらとか最高だよな」
みく「Pチャン、ソロキャンプに行きたいって顔してるね」
モバP「というかカップラーメンを見ると、『あ、山に行きたいな』と誰しも思うんじゃないか?」
みく「いや別に? 飛躍し過ぎだと思うにゃ」
雪美「低い……チェアに座って……シングルバーナーと……片手鍋で……料理を作るのも……好き……」
みく「雪美チャンも行きたそうだにゃ。でも二人だとソロじゃなくなるね」
モバP「山ではソロとソロで隣人さ」
みく「何か行き慣れてる風だにゃあ?」 ショシンシャデスガナニカ?
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1008
雪美「……P……ここに……座って……?」
モバP「お、何かするつもりか? このマットに胡坐で良いかな?」
雪美「うん……。そのまま……」
ダキッ
モバP「ああ、雪美さんの感触が後頭部に押しつけられる……」
雪美「……もう少し……高め……」
モバP「あぁ〜」
雪美「……」ギュッ
モバP「あっ」
ちひろ「雪美ちゃんは何をやっているんですかね」
雪美「本に乗っていた……胸を……頭に乗せるの……やってみたかった……」
ちひろ「どたぷーんなお姉さんが気のある男性に対してやる(?)スキンシップですね」
モバP「あっあっあっ」
ちひろ「プロデューサーさんがおかしくなっているのは放置するとして」
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ちひろ「まあ普段から雪美ちゃんは割とその……押しつけていますね」
雪美「……これくらいは……普通……」
ちひろ「プロデューサーさんからするとかなり意識していると思います」
雪美「……P……そうなの……?」
モバP「意識しますよ。というか体が触れると極端な話、男友達でも姉でも親でも猫でも」
ちひろ「そういう言い方されると見境なしに見えてきますね」
雪美「……大きい胸が……当たると……もっと……ドキドキ……する……?」
モバP「どうだろう。以前、寝惚けた姉貴に横からギュッとされたことがあるんだが」
ちひろ「“プロデューサーさんの姉”とかいう存在するらしいのに誰も見たことがない人、もしくは猫」
雪美「P……猫が……お姉さん……だったの……」ヤッパリ……
モバP「違わい。さすがに人だから」
モバP「それで、当たっている弾力の感触は無視できない。これは生物の性だ」
雪美「……ドキドキ……私じゃ……足りない……?」ギュギュッ
モバP「いいや。まず、雪美にぱふぱふされて俺がまともでいられるはずがないだろう」ウットリ
ちひろ「誰かまともな人はいないのか」
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1009
モバP「俺はアイドルにいろんな呼ばれ方をされている」
モバP「P(名前)、プロデューサー、さん、くん、ちゃん、殿、様付け、あなた、キミなど」
雪美「……私は……Pと……呼ぶ……」
モバP「雪美はそうだな。基本的に俺のことをプロデューサーと呼ぶことがない」
雪美「……Pは……P……」
モバP「……ちょっと試しに呼んでみない?」
雪美「…………プロデューサー……」
雪美「…………何だか……違和感……」
モバP「役職呼びだと少し他人行儀になる感じがするのかもな」
モバP「佐城」
雪美「……雪美……」
モバP「雪美……うん、やっぱり俺も名前で呼び慣れてしまっている」
モバP「それに佐城、と言うと雪美のご両親も同時に呼び捨てしているような気になる」
ちひろ「慣れって怖いものですね」
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雪美「……P」
モバP「……雪美」
モバP・雪美『……ちひろさん』
ちひろ「声を揃えないでください」
モバP「雪美はちひろさんを呼び捨てにしないんだよな」
雪美「……それは……」
ちひろ「え、何か理由でもあるんですかね?」
雪美「……ちひろさんは……ちひろさん……。……ただ……そう……決まってる……」
ちひろ「……まあ今のままがしっくりは来ますけど」
ちひろ「プロデューサーさんは様々な呼ばれ方をされるのに、私はここだと大抵“ちひろさん”なんですよね」
モバP「ちひろさんを呼び捨てにできるアイドルはナターリアくらいですかね」
ちひろ「……やっぱりみんなと距離があるんでしょうか? それとも怖がられている?」
モバP「初見で直感的に、『あ、この人は怒らせてはいけない人だ』と認識されるタイプなのかもしれません」
ちひろ「実際に怒らせてもないのにそんなことを思われても困ります……」
モバP「まあ呼び捨ては相当親しくないとですし、“千川さん”じゃなくて“ちひろさん”と呼ばれるだけでも充分慕われていると思いますよ」
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雪美「……ちひろさんは……Pを……名前で……呼ばないの……?」
ちひろ「……呼びませんね」
ちひろ「プロデューサーさんの名前って「」にあなたの好きな名前を入れてください、みたいなものですから」
モバP「由緒正しき名前なんですがねえ」
ちひろ「仮に名前をPではなく新一としましょう。仕事中に新一さんって呼びますかと」
雪美「……新一」
モバP「ん、何だい?」
雪美「……やっぱり……私も……プロデューサーで……良いかも……」
モバP「それは嫌だ」
雪美「……ふふ……冗談……。……これからも……Pと……呼ぶ……」
ちひろ「拒否反応がやたら早かったですね。そんなに名前呼びが気に入っているんですか」
モバP「はい。しかし、名前呼びと役職呼びの両方あるタイプも決して嫌いじゃないです」
ちひろ「そこに更に“あなた”みたいな二人称呼びも入ってきたりして」
モバP「意識して使い分けてくれるのが嬉しいんですよね。あ、雪美には名前と別におじさまと呼ばれてみたい」
雪美「……おじさま」ニコ クラリスカナ?
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1010
楓「あら……ふふふ」
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拓海「おっ、Pに雪美。またペアルックか」
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まゆ「……よくお似合いですねぇ」
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モバP・雪美「……♪」
ちひろ「今日はお揃いの眼鏡ですか」
モバP「伊達直人ですがね」
ちひろ「孤児院に寄付でもするんですか」
雪美「……みんなに……褒められて……うれしい……」
ちひろ「服装もフレンチカジュアルで良いですね」
モバP「でしょう? いやあ、たまにはイメチェンするものですな」
ちひろ「プロデューサーさんはスーツを着てください」
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1011
モバP「……」タソガレー
杏「あ、プロデューサーがBOSSおじさんみたいな顔してる」
モバP「そいつァ随分と老けて見られたもんだ」
雪美「目を細めて……ハードボイルド……かっこいい……」
モバP「フッ、雪美にそう言われちゃあ、LINEスタンプにでもするしかねェな」
杏「自分を積極的に商業利用するスタイル」
モバP「……ふーっ」
杏「いや、煙草っぽく見せかけてるけど飴じゃん」
モバP「飴で良いのさ。ココアシガレットや葉巻風シガーチョコは時間をかけて味わうものじゃないからな」
モバP「最近はどうも飴を咥えたり葉っぱを咥えたり魚の骨を咥えたりしないと口寂しいもので」
杏「そういうキャラクターよくいるよね」
モバP「杏もどうだ? この飴は綺麗な鼈甲色をしているんだが、カレー味だ」
杏「またプロデューサーが変な飴食べてる……」
雪美「まP変飴……」 リャクスナ
-
1012
ゴロン
モバP(……今日は何故だか寝付けんな)
モバP(……よし、目を閉じて、頭の中で雪美でも数えてみるか)
モバP(雪美が1人……)
雪美(……P……呼んだ……?) (゜-゜)
モバP(雪美が2人……)
雪美2(P……遊ぼう……。ここなら……何でも……できる……) (゜-゜)(゜-゜)
モバP(雪美が3人……)
雪美3(P……聞いてる……?) (゜-゜)(゜-゜)(゜-゜)
モバP(聞こえています。ちょっと夢に入りきるまで待っていてくれないか?)
雪美たち(((……分かった……)))
――
モバP「……そして最終的に夢の中に346人もの雪美を召喚した俺は、代償として彼女たちが全員満足するまで遊んであげなくてはならなくなったんだ」
雪美「……今日も……お邪魔します……」
-
今日はここまで
約束が違うじゃないか!
-
1013
モバP「さて、少し暇な時間が出来たので、誰にも告げずにプレイルームでこっそりテレビゲームでもしよう」
モバP「何にしようか……やっぱりファミコンかなあ。収納ラックに整列したカセットが実にカラフルで思わず手が伸びてしまうんだよな」
モバP「では今日はこのマリオUSAでもやるか」
ガチャ
雪美「……P……?」
サササッ ストッ
雪美「……隣……座る……」
モバP「駆け寄る雪美さんにほのぼのする暇もないくらい速かったな」
モバP「そんなに一緒にやりたいか? ……ん、見ているだけ? 別に良いが」
雪美「Pが……何かやっているのを……じっと……見ているの……好き……」
モバP「プレイを見に来たんじゃなくて俺を見に来たのか? まあ良い、俺がカメーンや四角い鯨といった昔のトラウマを乗り越える様をじっくり見ておけ」
紗南「Pさんが実況プレイやると聞いて見物に来たよー」 ガヤガヤ
杏「面白そうなことやってるじゃん。あ、杏は窓際の席キープね」 ゾロゾロ
モバP「君たちも君たちでそんなに暇なのか」
-
1014
モバP「346プロはデパートみたいなものである」
モバP「吹き抜けで眺めが良い広場に、これも当然のように置いてある」
雪美「……これ……何……?」
モバP「これはガムボールマシーンだな。つまりこのカラフルなボールはガムだ」
雪美「……」ホー
モバP「光沢のある綺麗な球形をしているが、これは普通のガムの上に糖衣をしてある」
チャリン ガチャガチャ
コロコロコロコロコロ コンッ
雪美「……何か……良い……」
モバP「カプセルトイのようなワクワク感だな。それも欧米の街角にありそうな簡易な物と違ってボールコースターを転がって出てくる演出もニクい」
雪美「……食べて……良いの……?」
モバP「ああ。衛生面は問題ないように設計してある」
モバP「ただ、ガムボールでピンボールをしてターゲットに当てるともう一個貰えるターゲットマシンくらいになると、食べ物で遊び過ぎな気がしてくるが」
雪美「……糖衣が……厚い……」パリパリ
-
1015
雪美「……」トコトコ
雪美「……!」
タッタッタッ
トコトコ トコトコ
モバP「346の連絡通路もとい渡り廊下を歩いていたら、足の音が二重になった」
モバP「雪美さんのステップだな、分かる」
雪美「……見ないでも……分かった……?」
モバP「ああ。気づくと並んで歩いているのがとても自然で違和感が無かった」
雪美「……偶然……Pを……見つけたから……」
モバP「本当に偶然か? そう言って道端に待ち伏せする子も時々いるが」
雪美「……待ち伏せ……するなら……自分から……会いに行く……」
モバP「そりゃそうか。雪美さんは日々行動的になっていくな」
雪美「……でも……P……デスクワーク……していない時は……一つの所に……留まらない……」
モバP「直接の用事がある場合はオフィスで待つ方が確実に会えると思うぞ」
-
雪美「……あっ……未央と……卯月が……見える」
モバP「どれ……あ、あそこにいるな」
……!
モバP「こっちに気づいたようだ」ノシ
雪美「……」ノシ
ノシ
雪美「……手を……振ってくれた……」
モバP「二人とも、良い笑顔をしやがって」
モバP「時々、この渡り廊下で少し立ち止まって、窓から外を眺めてみるのも乙よな」
モバP「商業施設だったら人通りが眼下に見えるし、学校なら中庭が見渡せたりして」
雪美「学校の……形にも……よる……」
雪美「でも……この景色……好きやわあ……」
モバP「良いよな。しかしこう窓が大きいと、ここにいる子を下から見上げたら、短いスカートとかは……今度検証しておこう」
雪美「……P」ペシッ
外の未央「ゆきみんとプロデューサーイチャついてる……今そこに行くからな!」 イクンデスカ?
-
1016
モバP「予告なしに始めます雪美さんに着せてはいけない服シリーズ」
ちひろ「てっきりもう忘れているかと」
モバP「今回は何と、ご本人登場ですよ」
ちひろ「いや、本人は毎回いますよね? ものまね歌合戦のように言わないでください」
モバP「それでは佐城雪美さんです! どうぞ」ガラッ
雪美「……///」キラキラ
モバP「ぐはっ!」
ちひろ「自分で呼んでおいて膝をつきましたよこの人」
ちひろ「さて、それは制服……というにはスカートは短いですし胸元はビキニ? が見えていますし」
モバP「アメスクですね。普通のそれを雪美さんに着せるとアウトになりますのでマイルドにしていますが」
ちひろ「いや、マイルドにしても着せてはいけない物を堂々と着せるようになったらダメでしょ」
雪美「……これ……美嘉に……協力……してもらった……」
モバP「ちなみに美嘉はそこに転がっています」
美嘉「コーデしたのアタシなのにセクシーすぎるっしょ……」
-
1017
モバP「346プロの午後――俺の膝の上には毎日様々なアイドルたちが悩みを抱えてやってくる」
モバP「その悩みを解決! は出来ないが聞くことですっきりくらいはさせてあげたいものだ」
美玲「やる気ないな」
モバP「というわけで美玲、何か悩みごと・相談でもあるのか?」
美玲「ないぞ」
モバP「ないんかーい」
美玲「今更オマエにそんなことを求めて来る奴なんていないんじゃないか?」
美玲「ウチはただここが居心地良いと思ったから座ってるだけだ」
モバP「そうやって素で心を掴むようなことを言うのが美玲よな。天然ジゴロが顔を出すというか」
美玲「なんだよッ、ショーコやノノにも似たようなこと言われたぞ!」
美玲「ふん、じゃあ相談、考えてやる……そうだ、仲間の服の色を褒める時、色の名前が分からないから本人に訊くのって良いと思う?」
モバP「良いぞ。人から教えられても、美玲が自分で選んだ言葉で褒めてくれたら、相手は嬉しいと思う」
モバP「まあ相手次第だな」 ソコジュウヨウダロ
雪美「また今日も……解決に導かない……Pであった……」
-
1018
雪美「……P……」
モバP「ん?」
雪美「何か……悩んでいること……ある……? ……顔に……書いてある……気がする……」
モバP「そうだな、例えば今雪美さんが膝の上で対面座位でいることへの心の昂りをどうしようかとか?」
ちひろ「雪美ちゃんの前で使うべき言葉じゃないですよそれ」
モバP「そりゃアイドル雪美さんがこんな間近で密着してしかもほんのり上気したような顔で見つめてくれていたらね?」
モバP「これでも自分の中のオスの部分とか、出さないように抑えている方です」
雪美「……本能に……忠実に……なったら……大変な……ことに……?」ドキドキ
ちひろ「警察に捕まるタイプの本能解放はくれぐれもやめてくださいね」
モバP「ある意味で、オブラートに包まずに言うとエロトークで気兼ねなく盛り上がれる男の友達、同志が欲しいのが悩みですかね」
モバP「そうすれば日頃の溜まった思いもぶつけ合って発散できるのかなと。世代や性格が合う人が周りになかなかいないですが」
ちひろ「ぶつけ合って発散……あっ」
雪美「……P……男性も……攻略対象……みたいに……聞こえる……」
モバP「ちゃうわ。でも新田くんなら良いかも……あ、男の同志的な意味の方だぞ?」
-
1019
雪美「P……今日も……お仕事……おつかれさま……」
モバP「巡業に随伴したり衣装合わせをしたり書類を作ったり大変だったよ」
雪美「……」サスサス
モバP「こっちにもお願いします」
雪美「ふふ……よしよし……」ナデナデ
ちひろ「膝を抱えてしゃがんで、小学生に撫でてもらうって結構参ってます?」
モバP「ガソリンスタンドアイコンが点滅するような所までは行ってないので、まだ余裕はあります」
ちひろ「車か。……働きすぎじゃないかとみんなから心配の声が出ていますからね」
雪美「……」コクコク
ちひろ「でもプロデューサーさんのことですから拘束でもしないと休みませんよね?」
モバP「鎖に繋がれたり鉄格子部屋に入れられる程度の拘束であれば容易く抜け出せますので無駄です」
ちひろ「ケンシロウか」
モバP「まあ休めと言われれば素直に休みますよ。でも休み癖が付くかもしれないのが怖いんですよね。プロデューサーとは車でありケンシロウでありマグロです」 モウワケワカラン
雪美「……こういう癖なら……健全……」ナデナデ
-
1020
モバP「……」カタカタ
凛「……プロデューサー」ズイ
モバP「近い近い。凛、どうした」
凛「何でもないよ。顔を見に近くまで寄っただけ」
凛「様子見ついでにネクタイでも直してあげようかって思ってさ」
モバP「悪いな、お願いするよ」
凛「あとこれ、ネクタイピンだけどさ、付けるついでにそのままあげるよ」
モバP「何から何まで……日々の貰い物だけで生活できそうだ」
凛「プロデューサーにはいつも貰ってばかりだからね」
雪美「それに……誕生日……非公開だから……祝ってあげられないのは……悲しい……」
凛「そうだよ。公開してくれればみんなに祝ってもらえるのに」シュルシュル キュッキュ
モバP「決まった誕生日があるとそれ以外の日が特別じゃなくなって損をした気になりそうだ」
凛「変な所で貪欲だよね、プロデューサーって」ハイオワリ
雪美「……凛……あとで……ネクタイの締め方……教えてほしい……」 ユキミモヤルノ?
-
今日はここまで
気になるあの子はお菓子系
-
1021
雪美「……」ジトジト
モバP「ここ数日は降雨と曇天だな」
雪美「……うん」ジトジト
モバP「雪美が湿気でいつも以上にジト目な感じになっている」
ちひろ「ジト目って湿気の指標だったんですか……今年はやたら梅雨入りが早いですね」
モバP「それですよ。気温と湿度が高くて、強い風が吹いても生温くて何だか気持ちが悪い天気です」
ちひろ「5月半ばにして早くも夏の到来といったところですね」
モバP「本当、例えば台所で料理をするだけでも汗がべたついて……」
モバP「もう、一日に3回はお風呂に入らないとやってられませんよ」
ちひろ「しずかちゃんかな?」
モバP「おかげで最近はシャンプーボトルにもこだわるようになってですね」
ちひろ「統一感のあるクリア容器を揃えたりするんですね。中身も?」
モバP「はい。温泉とかにある備え付けのオールインワンは便利に感じて、家でも試してみたくなりますね。温泉のは薄いのがネックですが」
雪美「……P……シャンプー……変えた……?」クンクン
-
1022
モバP「ありす」
ありす「はい、何ですか」
モバP「雪美とイチゴジャムサンドクラッカーを食べようとしているのだが、ありすも軽くつまんでいかないか?」
ありす「イチゴですか。はい、糖分補給させてもらいます」
モバP「おお、それでは小規模なティーパーティーの幕開けだ」コポポポポ コトッ
雪美「……ん……紅茶……おいしい……」
ありす「今誘ったのに秒単位でお茶まで出せるんですか……」
モバP「ありすなら来ると思っていたからな」
ありす「Pさんはそういうの、分かるんですね」
モバP「その日の天気とか気温、アイドルのスケジュールで誰が来そうかは予想して用意する」
ありす「仕入れを調整する飲食店みたいですね……私もいただきます」
モバP「ところでありす……何か違和感はない?」
ありす「名前のことですか? 別に、変な呼び方をしなければ普通に受け入れますよ? 私だって子どもじゃないんです」
モバP・雪美「……大人だ……」
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1023
パラパラシトシト
モバP「雨だな」
雪美「……雨だね……」
モバP「……」
雪美「……」
モバP「静かだな」
雪美「……静かだね……」
モバP「……」
雪美「……」
モバP「小腹が空いたな」
雪美「……空いたね……」
モバP「御座候でも食べるか?」
雪美「……?」
モバP「あ、今川焼きのことだ」
-
雪美「……食べる」
モバP「待ってな。回転焼き、取ってくるけえ」
雪美「……」
モバP「はい、大判焼き、持って来ましたよっと。どうぞ」
雪美「……焼かないの……?」
モバP「普通のおやきは温めて食べる印象だが、このカスタードクリーム入りなんかは冷やして食べても美味いからな」
パクッ
雪美「……本当……。ひんやり……甘い……」
モバP「これからの暑い時期はやっぱり冷たい太鼓焼きだな」
モバP「まあ冷凍のままの二重焼きはさすがにそのままでは固いからこうして解凍しておく必要はある」
雪美「……これの呼び方……安定しない……ね」
モバP「どう呼ぶのが一番良いんだか分かりかねるんだよな」
モバP「さて、この丸いのを食べながらもう少し、窓の外の雨景色でも眺めていようか」
雪美「……」ハムハム
パラパラシトシト
-
1024
プカプカ
雪美「……」
雪美「……泡が……浮かんだり……沈んだり……」
モバP「薄暗い所で見るとより綺麗だよな」
ちひろ「おや、何か輸入雑貨のお店に置いてありそうな……」
ちひろ「これはラバライトっていうんでしたっけね」
モバP「はい。最近まで名称を知りませんでした。インテリアに一華を添えるアイテムだと思います」
雪美「……ラバ……?」
モバP「Lava――溶岩」
雪美「……熱そう……」
モバP「本物の溶岩のような高温ではないが、動きがそうなのだろうな」
モバP「しかし、これを見ているとメディカルマシーン、生命維持カプセルを思い出すな……あっ頭痛が」
ちひろ「346モバP、何かを思い出して死亡」
モバP「サンキューちっひ」
-
雪美「……P……カプセル……苦手……?」
モバP「そうだなあ。根源的な怖さがあって、酸素カプセルとかでもあまり入りたくないな」
ちひろ「閉所恐怖症なんでしょうかね」
モバP「かもしれないですね。特に幼少期に見たアニメか何かの影響でしょうか」
モバP「閉じ込められてじわじわ窒息させられる感じのシチュエーションがトラウマで」
ちひろ「どんなアニメを見ていたんですか……」
雪美「……水槽を……外から見るなら……大丈夫……? 水族館の……トンネルや……テラリウム……」
モバP「ああ。水槽恐怖症ではないし、トンネル水槽は怖いと思う前に圧倒されるよな」
モバP「ただ、もし割れて水が流れ込んで来たら死ぬなぁ、と心のどこかでは常に構えている気がするよ」
ちひろ「妄想逞しいですね」
モバP「何にしてももうあのメディカルマシーンには入れられたくないです」
ちひろ「ちゃんと呼吸器は着けますし、体も治りますから良いじゃないですか」
モバP「でも裸ですよ? それを晶葉とか志希に見られているんですよ? 服を着せてくださいよ」
ちひろ「嫌だった理由は主にそっちだったんですか」
雪美「……今何か……すごいことを……聞いたような……」
-
1025
雪美「……」トコトコ
雪美「……」(つ゜-゜)つ
モバP「……」ヒョイ ポスン
雪美「……」(*゜-゜*)
雪美膝上中……
雪美「……」ツヤツヤ
ストッ
雪美「……」ノシ
モバP「……」ノシ
ちひろ「……プロデューサーさんって雪美ちゃんを軽く抱き上げますよね」
モバP「雪美自身、自分で乗るより抱き上げて乗せてもらう方が好きなようで、そうしています」
モバP「痩せても枯れてもそれくらいは出来ないと自分の存在意義がありません」
ちひろ「私にはそこまでの力がないので、素直に羨ましいですよ」
モバP「ちひろさんに改まって認められると何だか自信が付きますね」 ナニヲイウカ
-
1026
スタスタ トコトコ
モバP「街を歩けばシースルーバングをよく見かけるようになったな」
雪美「……?」
モバP「髪型だな。額にかかる部分の前髪を薄く整える感じ、と言ったら良いのか」
雪美「……私にも……似合う……?」
モバP「どうかな? あまりイメージが湧かないな」
雪美「……前髪……だけなら……そんなに……変わらない……気がする……」
モバP「ところがどっこい、髪型って少し弄っただけで想像以上に変わったりするんだよな」
モバP「お団子にしたり、ハーフツインテールにしたり、三つ編みにしたりしただけで反響が大きかったろう?」
雪美「水着……和風メイド……白猫……覚えがある……」
雪美「……」
雪美「……それは……少しじゃなくて……結構……変えてる……」
モバP「でもシースルーはそれらと違って切らないといけないから、失敗したと思った時に元に戻せないぞ」
雪美「大丈夫……。すぐ……生える……」 ソイツハウラヤマシイナ
-
1027
雪美「Pに……着せたい服……シリーズ……」
ちひろ「誰特」
雪美「鹿児島県……よしのんさんからの……リクエスト……どうぞ……」
バラララララララララララ タタッ
シャッ
モバP「……」キラキラ
ちひろ「これは……学生帽に学ランにマントのバンカラスタイルですね」
モバP「というかこれ、自分に合うサイズを探して借りてくるのが大変でしたよ」
ちひろ「おまけに丸い黒縁眼鏡までかけて、まるで白黒写真の時代の学生のようです」
雪美「P……似合っている……」パシャ
モバP「ありがとう。いつもと逆に雪美に衣装を褒められるのも悪くないな」
雪美「目線……こっちに……。……うん……良い……」パシャパシャ
ちひろ「スマホで撮影して送るんですね。それにしても“よしのんさん”って……」
モバP「そこはあまり詮索しないでおきましょう」 アッハイ
-
今日はここまで
コックカシワギ
-
1028
雪美「P……お酒……好き……?」
モバP「ん、程々に好きだな。粋な飲み物という感じがして」
モバP「それがどうかしたか?」
雪美「……私……Pに……まだ……してあげて……いないこと……ある……」
雪美「……お酒の……お酌……」
モバP「何と! それを俺にもしてくれると言うのか?」
雪美「……」コク
雪美「この前……パパに……お酌……したら……とても……喜んで……くれた……」
モバP「よし、今すぐ飲もうか」
ちひろ「仕事中ですよ」
モバP「仕事中でした……では雪美、後でお願いするよ」
雪美「……お仕事……頑張って……」 オウ!
ちひろ「というかプロデューサーさんってどういうお酒が好きなんです?」
モバP「んー、カンパリオレンジ……ですかね」 オンナノコカ
-
1029
モバP「うーん、久々にやったが難しいなこれ」 プァーン
あきら「今日は電車でGO! をやるんデスか。何故にまたそのチョイス?」
モバP「後でゲーム対決企画をやるからその前に皆に一回だけ練習の機会を設けて、少しでも慣れてもらおうと思ってな」
紗南「あたしはアイドルの中でも慣れてる方かも。ゲームセンターで遊んだことがあるし」
モバP「ちなみに普通にやるのでなく、今回はチーム対抗戦としてリレー形式でやってもらいます」
紗南「停車駅ごとに交代ってこと?」
モバP「そうだ。俺の試運転を見て、担当したい区間を決めると良い」
雪美「……見ているだけでも……容赦ない……」
あきら「初期の電車でGO! はそういう難易度デスね」
ありす「現実のダイヤや停車位置も、当たり前のように正確に守られていて、運転手さんって凄いと思います」
モバP「バスなんかは運転席の後ろに座ると運転時刻表が見えて、大体遅れている気がするなあ」
モバP「それで、今回やってもらうのは嵯峨野線なんだがな」
雪美「……ここ……京都……? 保津峡……絶景……」
モバP「やや初心者向けなのもあるが、正直完全に好みで選んだ」 Pサンラシイネ
-
1030
文香「……」パラッ
文香「……」
文香「……」クスッ
文香「……」
文香「……ふぅ」
パタン
モバP「文香、まだ読書の最中だったか。少し休憩にするか?」
文香「プロデューサーさん……はい」
モバP「その顔は続きが気になるって顔だな」
文香「そうでしょうか?」
モバP「目の輝き方でそう思った。ブックカバーに包まれていてどんなジャンルを読んでいるのか見当はつかないがな」
雪美「……紙の……ブックカバー……おしゃれ……」
文香「これは、叔父の書店の物ですよ」
モバP「あの書店って個人店だったような……。オリジナルのブックカバーまであるのか(驚愕)」
-
文香「……プロデューサーさんに出会う前、手伝いをしている時に、私がデザインしたものです」
雪美「……文香の……ブックカバー……私も……欲しい……」
文香「今度……店に一緒に行きましょうか?」
雪美「うん……!」
モバP「世には革製の物も売っている中、何か素朴な味があって良いな。俺も今度行こうかな」
モバP「それで、本題――というほどのものでもないが、文香にこれを」コト スッ
文香「……これは、ケーキと……栞ですか」
モバP「諸々のお祝いは既にやったが、後日の個人的なおめでとうの気持ちで作った」
雪美「……ドイツ風……生クリームのかかった……プラムケーキで……ございます……」
文香「……大どろぼうホッツェンプロッツですか。その伏線回収を今……?」オイシソウ
モバP「あれを読んだらいつか作らないとと思っていてな」
モバP「あと、その短冊のような栞はおまけだ。まあ大抵の本には栞紐が付いていて必要ないかもしれないが」
文香「いえ……良い物をいただきました。ありがとうございます。大切に……使いますね」
モバP「そう言って貰えると作って良かった。本当はこの二つ以外にロッキングチェアも付けようか悩んだんだが」
文香「……冬に暖炉の前でロッキングチェアに揺られながら本を読む姿が似合いそう、と?」 ハイ
-
1031
モバP・雪美「……」ジーッ
ちひろ「……お二人、真面目な顔でテレビを見ていますね」
モバP「これはオンエアチェックです」
モバP「枠内に収めるために編集は仕方がないことですが、アイドルが収録で活躍したシーンがカットされていると我が事のように凹みますね」
ちひろ「どの子の活躍がカットされていたんです?」
モバP「これは天ヶ瀬冬馬くん(他社)ですね」
ちひろ「一体誰のオンエアチェックをしてるんですか」
雪美「……ミスター……ストイック……勉強になる……」
モバP「それにしても収録放送あるあるなんですが、残り時間で先の展開が読めてしまうことってありますよね」
ちひろ「クイズに正解し続けて賞金獲得、みたいな番組は残り数分だとここで間違えるだろうな、と察せますね」
モバP「逆に生放送で思うのは、視聴者参加型の雑学クイズがほとんど消えたなと」
ちひろ「ネットの普及で大抵のことは検索すればすぐに分かってしまって、解答に不公平感が出るからでしょうね」
雪美「……まだ……誰も知らない……クイズなら……出せる……」
モバP「今日の私の朝食のメニューは何でしょう? とかな」 ソレダレモキョウミナイヤツ
-
1032
〜♪
モバP「……あぁ、落ち着いた気分に浸れるなあ」
雪美「P……何を見てるの……?」
モバP「これはフィラーだな」
雪美「……フィラー……という……番組……?」
モバP「ああ。フィラーとは繋ぎや埋め合わせの意味だ」
モバP「テレビなら主にこういう、深夜に流れている映像散歩的なものとか全般だな」
雪美「……ナレーション……ない……」
モバP「たまに字幕くらいは付くが、大抵は綺麗或いは懐かしい映像とBGMだけがずっと流れ続ける」
モバP「雪美は経験があるか分からないが、歳を取ると深夜にふと目が覚めてしまうことがあってね」
モバP「それで眠れないからテレビでも付けよう、となるんだが、そこで不定期に流れている好みのフィラーに出くわした時の冷静な高揚感が好きなんだ」
雪美「でも……今……昼……」
モバP「フィラー慣れするともう昼でもこれ(録画)だけで良いやってなるんだよな」
ちひろ「業界人としてそれで良いんですかね……」
-
1033
ちひろ「今日もプロデューサーさんはスーツで、雪美ちゃんは清楚系のお洋服……」
ちひろ「お二人って家で過ごしている時はどんな格好をしているんです?」
モバP「……」
雪美「……」
モバP「いえ、ごく一般的な部屋着とか……ですかね。晴の普段着のイメージで」
ちひろ「カットソーとハーフパンツくらいラフな感じと?」
モバP「……」
雪美「……」
モバP「ですね。二人揃ってそんな感じで寛いでいます」
ちひろ「事あるごとに見つめ合うのが憎たらしいですね。というか“揃って”?」
雪美「……? 家と言ったら……Pの家……」
ちひろ「プロデューサーさんの家がもうすっかり雪美ちゃんのホームになってますねこれは」
モバP「お仕事でモデルとかもやる雪美ですが、手を抜く時はしっかり抜きますよ。ナイロンやコットンのショートパンツ姿なんて時もあります」
ちひろ「それ普段やる下手なコスプレより危ない格好では?」
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1034
モバP「雪美よ、俺って節操無しだろうか」ナデナデ
雪美「ん……割と……」ナデラレナデラレ
モバP「ふと思うんだよ、プロデューサーという仕事柄だとしても……」
モバP「俺って不自然にアイドルたちにモテ過ぎちゃいないだろうかと」
ちひろ「何でこの人がモテるのか分からない、って話はどこでもよく聞きますよね」
モバP「はい」ナデナデ
雪美「あっ……そこ……気持ち良い……」フニャ
ちひろ「大抵そういうのはその人の一面、側面だけしか見ていないからだと思います」
モバP「おお……確かに最初の頃は拓海とかに、もっとビシッとしろなんて言われていましたが」
モバP「それから例え空元気でも堂々と、自信ありげな態度でいるようにしていて……そういうのがプラスに働いているんでしょうかね」
ちひろ「まあプロデューサーさんが自分で自分がモテてるかも、なんて思うのは自惚れか勘違いか鈍感のいずれかの可能性もありますけど」
モバP「(´・ω・`)」 ソレハソウトナデナデ
雪美「……あっ……ん……」ピクンッ
ちひろ「とりあえずその手は止めてもらって良いですかね」
-
1035
モバP「雪美さんのおてては柔らかくて綺麗だなあ」
雪美「……///」
モバP「……」
ちひろ「なぁーに雪美ちゃんの手のひらをキメ顔で見つめているんですか」
モバP「手相を見ていたんですよ」
ちひろ「プロデューサーさんは手相が分かるんですか?」
モバP「いえ、大したことは何も分かりません」
ちひろ「あのさぁ……」
モバP「ただ手のひらに3つある太い線の名前くらいは一般常識(?)として知っていますね」
雪美「……上から……感情線……知能線……生命線……」
モバP「そうそう。そしてついでに縦にまっすぐあるのが運命線――と、朋から教わっただけですが」
雪美「Pは……生命線が……すごく……長い……」
ちひろ「どれ、ちょっと見せてください……あっ、これは財運がありそうな……」
モバP「横線に逸れていかないでくださいよ」
-
今日はここまで
本日のクリティカル
-
1036
「芳乃……」
「たすけて」
――
芳乃「……そなた?」
チュンチュンチュン
芳乃「夢……もしや、そなたの身に、何かが起きたのではー?」
――
芳乃「そなたー」ガチャッ
モバP「おう、今日は早いな芳乃」
芳乃「……!」
モバP「?」
芳乃「うむ、大丈夫ですなー」
モバP「一瞬、幽霊でも見たような顔をしたが」 ハテー?
雪美「……P……辛い時は……みんなに……相談して……」 ユキミモ?
-
1037
雪美「……」
モバP「……」フフッ
雪美「……?」
雪美「……P……いっしょに……読みたいの……?」
モバP「あ、いや。姿勢良く真剣に図鑑を読む雪美に過去の自分を重ね合わせていただけですはい」
モバP「俺はもう少年時代に手垢がつくほど読み込んだからなあ」
雪美「……」シュン
モバP「だが雪美と二人で読んだことは一度もないからな」
モバP「二人なら何か新しい発想が得られるかもしれないので、お隣に失礼しても良いか?」
雪美「……うん……♪」
モバP「ああ、このサイズ、そして全面カラー……懐かしいな」
雪美「写真や……イラスト……多くて……楽しい……」
モバP「大人は文字ばかりの本は読んでも、図鑑とか地図帳なんてほとんど眺めなくなるからな」
ちひろ「大人は図書館の児童書コーナーには立ち入り辛いんですよねえ」
-
1038
テテテテテテテン テテテン テテテン テテテテテテテテ テテテテテー
雪美「この曲……聴いていると……急がないと……って思う……」
モバP「この追い詰められる感じ……」
ちひろ「事務所で“山の魔王の宮殿にて”なんて流してちゃ仕事にならないでしょう」ピッ
モバP「あっ、ここからが盛り上がりどころなのに」
ちひろ「そういう盛り上げ方は結構です」
ちひろ「同じグリーグのペール・ギュントでも“朝”とかにしときませんか? 今昼ですけど」
モバP「“朝”は早朝に流すには最適の心地良さと厳かさがあって、放送局のオープニングによく使われたりしますね」
雪美「……気持ち良く……目覚められる……」
モバP「でも放送休止は日曜の夜が多いからそれを聴くことが多いのは月曜の朝」
モバP「休日が終わり、辛い仕事や学校の一週間の始まりを告げる曲とも言える」
ちひろ「具体的ですね……それにしてもクラシックは普段からよく耳に入ってきますね」
モバP「子どもの頃からよく聴いているという経験と蓄積もあって何かと馴染みますね」
雪美「曲は有名……でも……元を……知らないことも……」
-
モバP「ペール・ギュントは知っていても戯曲を見たことがなかったり、曲だけでも最後まで通して聴いたことがなかったりな」 ……ウン
ちひろ「それまでの人生経験で、よく知らないけどこの曲調は運動会で使うだろうな、と分かるものがありますよね」
モバP「クシコス・ポスト、道化師のギャロップ、ウィリアム・テル序曲……最近の運動会に使われていなくても何故か運動会の曲だという認識が出来る不思議」
雪美「……クシコス……? ……実際に……聴かないと……ティンと……こない……」
モバP「クシコス・ポストはまあ、くにおくんの大運動会だな」
雪美「……それなら……分かる……」
ちひろ「分かるんかい」
雪美「ちひろさんは……熱血……花園……冷峰……連合……どれ……好き……?」
ちひろ「私はやっぱり冷峰ですねえ――って何を言わせるんですか」
モバP「ウィリアム・テル序曲は……パロディウスと言えば分かりやすいか」
ちひろ「パロディウスは運動会に使いそうなクラシック曲大体使ってると思いますけど」
モバP「あと、定番を5つまでに絞るとしたら天国と地獄、剣の舞……トランペット吹きの休日も捨てがたいですねえ」
ちひろ「6つになってますよ……というか徒競走用の曲ばかり挙げてる感じですか?」
モバP「入場行進曲だと星条旗よ永遠なれ、とかもありますが……やっぱり徒競走と棒読みアナウンスが運動会の華」
ちひろ「棒読み言ってあげるな」 アカ……リードシテイマス……
-
1039
モバP「いつか雪美さんに着せてみたいものがあるんだ」
ちひろ「またですか」
モバP「今回は健全です」
雪美「……それは……?」
モバP「それはですね、長ランです」
雪美「……?」
ちひろ「学ランの丈が長い変形学生服ですね」
モバP「画像をどうぞ」つ□
雪美「……押忍」
ちひろ「もう応援団みたいなやり取り」
ちひろ「そういえば、長ランはあいさんが着てましたっけ」
雪美「……あれは……かっこよかった……」
モバP「応援をするなら智香みたいなチアになるのも勿論良いが」
モバP「長ランに鉢巻に腕章を付けてみんなにエールを送る――インパクトがあるぞ」
-
雪美「……でも……大きな声……出せないと……」
モバP「今は声無しの応援団もあるからな。手拍子と太鼓の音だけで表現したり」
ちひろ「そんなこと言いながら、本当は穿いてない格好なんかをしてもらうのが目当てなんじゃないでしょうね?」
モバP「それはさすがに邪道かと」
ちひろ「ほう、プロデューサーさんに邪道の概念があったとは」
雪美「……はいてない……?」
モバP「上に長ランを着て、下はズボンを穿かない……ということですよね?」
ちひろ「確認するまでもなく」
雪美「……それで……みんなの前に……立ったら……ドキドキ……しそう……」
モバP「そんなことを女の子にやらせるような変な趣味はありませんよ」
雪美「Pが……好きなのは……?」
モバP「例えばキャミソールとショートパンツの上にエプロンを着けて、一瞬裸エプロンと錯覚させるとか」
モバP「裸で寝ていると思ったらベアトップを着ていて、絶妙に布団で隠していただけでしたー、といったトラップ的な見せ方は好きだな」
ちひろ「それが変な趣味じゃないと?」
雪美「……私たちの……プロデューサーは……多趣味(意味深)……」
-
1040
雪美「……」チョコン
モバP「……行きますよ」
雪美「……うん」
プシュー
モバP「このくらいの高さはどうだ?」
雪美「なかなか……」
雪美「……でも……もう少し……低くしたのも……感じてみたい……」
モバP「OK」
プシュー
モバP「あっ、これ以上は下がらないな」
モバP「では一回上げてみるか」
スコーッ
雪美「高くなった……。これもこれで……良いね……」キシッ
ちひろ「オフィスチェアのガスシリンダーって最初は楽しいですよね」
-
1041
モバP「テレビを見ているとよく思うことですが」
モバP「歌手のライブコンサートや美術館の何々展のコマーシャルってあるじゃないですか」
ちひろ「ありますね」
モバP「あれって前売りの段階から開催期間中まで、下手すると半年以上やっていますよね」
ちひろ「テレビ局主催や協賛だったりすると、同じチャンネルでしょっちゅう流れるでしょうね」
モバP「イベントごとは仕方ないんですが、もう行ったよ! と突っ込みたくなる時があります」
ちひろ「行ったんですか」
雪美「……デートで……」
ちひろ「デートかあ……そこは仕事とかを口実にしても良いんですよ?」
モバP「こういう所はソロで巡るのも悪いとは思いませんが、やっぱり誰かと一緒に行くと体験を共有出来てずっと残りますね」
モバP「子どもの頃は親に連れられて行く美術館は退屈に感じたんですが、それでも覚えているものです」
雪美「……サンドイッチが……いつまでも……忘れられないくらい……おいしかった……」
モバP「そうそう。併設カフェで鑑賞後の余韻に浸りながら食べるサンドイッチがまたたまらんのですよ」
ちひろ「展示品のことをまず最初に思い出してあげてくださいよ」
-
1042
モバP「アイドルといえば村を作ったり無人島開発をしたりするものですが」
雪美「……そうなの……?」
ちひろ「それが普通みたいに言ってはいけない」
モバP「実際、人生で一度くらいは無人島を買ってそこで暮らしてみたいものですよね」
ちひろ「あつまれどうぶつの森みたいなことをやりたいんですか?」
雪美「……あんな……無人島ライフ……できたら……楽しそう……」
モバP「あつ森は面白いんだが、ちょっと平和過ぎるから周りの海に浮上式防波堤とか作れると良いなあ」
ちひろ「それはもうシミュレーションとかタワーディフェンスの領分では」
雪美「……それもそれで……やってみたい……」
モバP「あとは海賊島みたいに岩礁に居住スペースを作って要塞化するのも憧れます」
ちひろ「実際にやると塩害が酷いことになりそうですね。それと水源をどうするのかとか」
七海「プロデューサー! 岩礁と言えばなんれすが、また磯釣りに行きませんか〜?」
モバP「良いねえ! 今度は沖磯キャンプをやりたいと思っていたところなんだよ」
ちひろ「まあ、プロデューサーさんに限っては岩礁でも磯でも普通に生きていけそうですね」
-
今日はここまで
蝶番こわれる
-
1043
雪美「……P」
モバP「おう」
雪美「P……私の目……しっかり……見てくれる……」
モバP「そうかな」
雪美「……ん」ドキドキ
モバP「意識してくれるなら嬉しいな」
モバP「人によって考え方や恥じらいもあるから、こうすべきと押しつけたりはしないが」
モバP「俺としては真面目な時ほどなるべく相手の目を見て話をしようと思っている」
雪美「……今は……真面目……?」 アア
雪美「でも……ずっとは……見ていられない……」
モバP「雪美の目だったらずっと見ていられる気がするよ」
雪美「……///」
モバP「というか目を見る癖をつけておかないと、相手の格好によっては太ももとか胸とかに視線が流れそうでな」
ちひろ「知らなくて良かった理由」
-
1044
モバP「やっほうペロ、元気そうだな」
ペロ「んぎゃ」パシッ
雪美「ハイタッチ……いいな……」
ちひろ「もうすっかり相棒みたいになって」
ちひろ「プロデューサーさんって普段はペロとどんな意思疎通をしているんですか?」
モバP「やだなあ、猫と意思疎通ができるなんてファンタジーじゃないんですから」
ちひろ「どの口で言う」
雪美「……私も……気になる……」
モバP「雪美はペロから聞いたりしないのか?」
雪美「……二人で……何をしているのか……私からは……聞かない……」
モバP「俺とペロに任せてくれているんだな」
モバP「でも、そうだな……人間の言葉いっぱい教えてニャ〜、とか言われてよく教えるぞ」
モバP「その言葉が会話の変なタイミングで挟まってくるのがツボに入ることがある」
ちひろ「それペロじゃなくてトロじゃないですかね」
-
1045
モバP「せっかく晴れてもこの時期は暑いな」
晴「そーだなー」
モバP「外を出歩く時は熱中症に気を付けような」
晴「大丈夫だぜ、帽子被ってるからな」
モバP「晴と言えばそのスナップバックキャップだよな」
晴「へぇ、これってそんな名前なんだな」
モバP「ああ。俺も以前はそいつをいくつか持っていた」
モバP「手持ち無沙汰な時はその手軽にサイズを調整できるアジャスターを、意味も無く留めたり外したりしていたなあ」
晴「へぇ、これってそんな名前なんだな」
モバP「そんな名前なんよ。俺も知らなかったので今ちょちょいと調べたんだがな」
晴「仕入れたての新鮮な知識か」
モバP「その後ろ向きに被って穴からちょっと前髪を垂らす感じ……晴がやると似合うよな」
晴「そんなことは別にねーよ……たぶん」
モバP「しかし、こういう時は屋内複合スポーツ施設で快適に汗をかきたいな」
-
モバP「晴は以前やった射撃以外にも、スカッシュ、ボルダリング、アスレチック、バブルサッカーとかも楽しめるはずだ」
晴「バブルサッカーって透明なボールの中に入って遊ぶやつか。ラウンドワンにあったな」
晴「でもどうせなら屋内フットサルがいいな。人数集めて……」
晴「あ、そういえば、最近はエアサッカーってのが流行ってるらしいぜ」
モバP「架空のボールを如何に格好良く蹴るか的な?」
晴「エアギターじゃねーよ」
モバP「知っているよ。エアホッケーみたいになるやつだろ? いろんなものがあるよなあ」
ライラ「ユキミさん、どんどん転がしますですよー」キラキラ
雪美「ん……」キラキラ
晴「おっ、ライラと雪美が何かすげー楽しそうにボール遊びしてる。あれは何だろ?」
モバP「ああ」
モバP「あのボールは俺がライラにプレゼントした物だが、今までの何より喜んでくれたな」
晴「えっ、ライラがそんなに喜ぶボールって何だ?」
モバP「あれはアイスクリームボールといって、転がして遊ぶと中でアイスが出来るんだ」
晴「なんか納得」
-
1046
モバP「……お待たせ」
雪美「……P……検査……終わった……?」
モバP「ああ。無事異常なしだ」
雪美「良かった……。……外で待つの……不安……」
モバP「病院のような空間って患者も勿論だがそれに付き添うだけの人も結構心細いんだよな」
モバP「“手術中”の医療表示灯とか無駄に怖さを煽るというか」
雪美「……でも……絵が……飾ってあって……良かった……」
モバP「ああ、ホスピタルアートだな」
モバP「無機質な病院にこれがあるだけで結構気が紛れたり癒されたりする」
雪美「……これとか……すき……」
モバP「おお……これは何と言うか、ホスピタルアートとしては異質な、シンセウェーブな絵だな」
雪美「……夕闇の……紫色に……道路と……ヤシの木……」
モバP「こっちはエッシャーのようなトリックアートか……まるで画廊だが、院長の趣味かな?」
雪美「静かなのに……にぎやか……ふふっ」
-
1047
愛海「プロデュンヌ」
モバP「誰がプロデュンヌだ」
愛海「女装して?」
モバP「嫌です」
愛海「ダメ?」
モバP「何で俺が女装せなあかんのや」
愛海「前にやった時、似合ってたじゃん」
モバP「あれは魔が差しただけだ。それに山登りを本格的に俺で代用しようと考え始めるのはやめろ」
雪美「……P……最初は拒む……。でも……着せてしまうと……ノリノリ……」
愛海「良いこと聞いた」
モバP「俺にも男の尊厳というものがあるんだ。絶対に女装なんて――」
――
モバP(女装)「さあ、矢でも鉄砲でも持って来なさいな」
愛海「ちょろい。でもガードは堅い……」
-
1048
モバP「女子の制服のスカートって大抵ソックスを履きますよね」
ちひろ「或いは黒ストッキングですか」
モバP「それはもはやアイドルの衣装でも見慣れたものです」
雪美「……」 ←見慣れさせた一人
モバP「で、そんな私のメモリーにもあまり無い、更にレアなのが制服×素足」
ちひろ「レア……と言われたらレアなんですかね?」
雪美「……すべすべの……長い足……堪能……できる……」
ちひろ「制服でなくてもスカート、特にミニスカートの下が素足ってだけで何か艶めかしいです」
モバP「それ以上に、開放的で若いなって感心するんですよね」
ちひろ「私も高校までは平気で素足になれましたけど、今はちょっと抵抗感が強いですね」
雪美「……Pも……足……きれいだから……素足に……なろう……?」
モバP「雪美に綺麗だと言われると悪い気はしないが、スカートは穿かないぞ?」
雪美「……」
モバP「ああ分かった、穿けば良いんでしょ?」 イヤ、ハクナヨ
-
1049
モバP「今日の雪美は……ぶほぁっ!」
ちひろ「突然卒倒するのはやめてもらいます?」
雪美「P……大丈夫……?」
モバP「おう、やっぱり雪美は元が良いから少し変則的な着こなしをさせると血圧を上げるなあ」
モバP「ということで、左右の長さが違うソックスです」
雪美「……」キラキラ
ちひろ「アシンメトリー、非対称のファッションは良いものですね」
雪美「……似合う……?」
モバP「ああ。片方が隠れている分、もう片方の肌の出方が引き立つな」
モバP「両方膝下の短めのソックスならそこにソックスガーターを付けてみるとより通のお洒落さんになれそうだ」
ちひろ「ソックスガーターって北欧の少年とかが着けているイメージが強いですけど、女性向けもあるんですよね」
雪美「……Pは……アシンメトリー……お気に入り……」
モバP「だなあ。ファンタジーの防具の肩当てとかも片方だけってのが何か好きなんだよな」
雪美「……私の……ガーターベルトも……?」 プロデューサーサン?
-
1050
モバP「最近食べないから忘れていたんだが、生のパイナップルを食べると舌が痺れてくるよな」
雪美「……うん……。本当は……毒がある……果物……?」
モバP「舌が痺れるのはブロメリンというたんぱく質分解酵素によるもので毒ではない」
モバP「これを利用したのが酢豚で、パインを入れることで肉を柔らかくするんだとか」
雪美「……良かった……毒じゃない……」
モバP「だが他の果物にはない特徴だな。生っている様はエキゾチックだし」
雪美「……パインは……黄色い……ドーナツ型や……扇型の……イメージ……」
モバP「芯を刳り貫いてカットするとそうなるんだよな。スイーツや缶詰とかの加工品に馴染むとそっちの方が当たり前になる」
杏「杏はさ、パインアメのあの形は芸術だと思うんだ」
モバP「いつの間にかスモモとかスイカとかいろんな種類が出ているが、パインがあっての形だよな」
ライラ「ライラさんは日本に住んで、パインそのままのアイスも好きになりましたですねー」
雪美「ただ……凍らせた……だけ……に見えて……おいしい……」 ハイー
菜々「ナナはにゃんたんのゲームブックでパインを食べるかバナナを食べるかで展開が変わったところが印象に残ってますね」
モバP・雪美・杏・ライラ「……??」 エッ? エッ?
-
今日はここまで
どようびどようび〜
-
1051
テキパキテキパキ
モバP「これはこれでヨシ! と」
ちひろ「労災が起きそうな指差し確認すな」
ちひろ「今日は特にハイペースにお仕事をこなしていますけど、少し休憩でもしますか?」
モバP「いえ、この後はシンデレラステーションのディレクターさんと会って、それから蘭子と飛鳥の取材と収録に行って、更にトレーナーさんたちとレッスンの打ち合わせも(手帳を見ながら)」
雪美「……」ウットリ
モバP「ふう……」パタン
モバP「雪美」
雪美「……?」
モバP「構ってあげられなくてごめんな。せっかくソファーに座って待ってもらっているのに」
雪美「……うん。……邪魔したら……悪い時は……こっちに……いる」
モバP「代わりに後で時間を作るよ。それでは行ってきます――Bye」チュッ
雪美「投げキッスは……似合わない……」 ソンナー
ちひろ「仕事中の凛々しさが全部砕け散るプロデューサーさん」
-
1052
こずえ「ぷろでゅーさー……おきろー……。こずえとあそぼー」
モバP「……んん……おう、こずえ」
モバP「ちょっと待って……システム起動に346秒くらい」
こずえ「……」ユサユサユサ
モバP「おおう待て待て、訓練されている俺だから良いが男の下腹部に跨ってそれは……うっ」
こずえ「つかれてるならげんきにしてあげるー……」ホワホワホワ
モバP「……こずえがやると何もかも元気(健全)になる気がするなあ」
モバP「逆充電ありがとう。さすがにこれ以上は過充電で暴発するかもしれないから起きるよ」
こずえ「ぷろでゅーさー……かでんせいひん……だったのー……?」 イキモノダヨ
モバP「しかし、こずえが最初だったが、最近は他の子も……主にヤングな子が仰向けに寝ている俺に割と平気で乗ってくるようになったな」
雪美「……」
モバP「横に座ってじっと顔を覗き込んでこられる方もいるが」
雪美「Pの寝顔……この方が……近くで……見ていられる……」
モバP「以前近すぎて黒髪のカーテンになったことがあったな」 ……///
-
1053
モバP「雪美さん」ガタッ
雪美「……?」
モバP「所用により少しの間だけ席を外す。机を守っておいてくれるか?」
雪美「……分かった……」
モバP「ありがとう」
バタバタバタ ガチャッ パタン
ちひろ「何用で勝手にどこかに行くんでしょうかね」
雪美「……どこかで……困ってる……誰かを……助けに……行ったのかも……」
ちひろ「授業を抜け出す在学中のヒーローじゃないんですから」
雪美「ベルトの……ボタン……押したら……変身……」
ちひろ「そんなことが出来たら光ちゃんが喜ぶことでしょうね」
雪美「……」キョロキョロ
雪美「……Pの机は……私が守る……」フンス
ちひろ「心配しなくてもそんな所を不法占拠する人はいないでしょう……あ、いました」
-
輝子「フヒ……Pがいない。表に出るなら今のうち」ノソノソ
乃々「やっと娑婆の空気が吸えるんですけど……」ノソノソ
ちひろ「おっかないこと言いますね」
まゆ「……あっ、プロデューサーさん、パソコンを付けっ放しで不用心ですねぇ」
雪美「Pの……個人情報……筒抜け……」
輝子「ちょっと見てしまおうか……?」
ちひろ「他の人の時にこういうの、勝手に覗いちゃダメですからね?」
乃々「プロデューサーさんなら良いんですか……」
雪美「……サイトに……おすすめ商品欄……出てる……」
ちひろ「検索や閲覧データを収集されていますね」
雪美「……ディッシャー……アイスクリームや……ポテトサラダを……丸く盛る……道具……」
輝子「スヌーピーのぬいぐるみ……集めてるのか?」
乃々「……花火セット……? 最近、ホームセンターでよく見かけますけど」
まゆ「そしてこれは……みかんの房の形の飴?」
ちひろ「そういうものなんでしょうけど、反応に困りますね。もっと性癖とか出るのかと」
-
1054
モバP「雪美のこの前の写真集はとても好評だったなぁ」
ちひろ「素敵でしたねえ。思わず手に取ってしまうような表紙も良くて」
雪美「……P……ちひろさん……ほめて……くれるの……? ……ありがとう……」
モバP「何だ雪美、嬉しそうじゃないかふふふふ」ナデナデ
雪美「……♪」ナデラレナデラレ
ちひろ「プロデューサーさんも自分のことのように嬉しそうですね」
モバP「はい。自分はもう実用分の他に保存用と観賞用と布教用と予備用で五冊も持っています」
ちひろ「それ、多すぎ。いつのオタク理論ですか」
モバP「ふっふっふ、これが数種類もある封入特典付きなら何十冊集めないといけないやら想像するだけで冷や汗が」
ちひろ「さらっと業界を皮肉る」
モバP「とにかく雪美、これは良いぞ? 改めて一緒に見てみないか?」
ちひろ「本人に布教するスタイルとは」
雪美「……でも……水着とかに……なったわけじゃ……ない……」
モバP「水着は水着の良さが確かにある。俺も見たいし」 ホンネカクセ
-
モバP「だがこの写真集のコンセプトは雪美さんを中心にしてポストカードみたいなお洒落な一枚を集める、だからな」
モバP「特に気に入っているのはこの写真だ」
雪美「……!」
ちひろ「見切れているのに可愛いですね」
モバP「窓から顔の上半分を覗かせて、外を見つめる雪美さん……」
雪美「……ふふっ……自分で見ても……ちょっと……面白い……」
モバP「ちょっとしたストーリーを読み取れて、優しい気持ちにさせてくれるんですね」
――
パタッ
モバP「……最後のページを閉じた後、満足感と名残惜しさが絶妙なブレンドで来るんだよなあ」
ちひろ「もっと見たい感じですか?」
モバP「はい。続きが欲しくなりますね」
モバP「また、こういう感動をしている時って、何か全く違うジャンルの物を見て、中和というか一旦落ち着きたくなるのもあります」
雪美「……箸休め……みたい……ね」
-
1055
ジリリリリリ
モバP「うっ、朝か……今日も仕事だ」
モバP「朝ご飯を食べて」モグモグ
モバP「身支度をして」キュッ
モバP「誰もいない家に、行ってきます、と」ガチャッ
モバP「………………」
モバP「何か、誰もいないや。寂しいな」
モバP「世界ってこんなに空虚で、好きな人を誰も思い出せないものだっただろうか」
ニャア
モバP「おや、黒猫だ。……えらく人懐こいな。よしよし」ナデナデ
??「あなた……猫と……仲良し……」
モバP「? フリルのある黒いロングワンピース……君は……あっ!」
モバP「――知っている。長い黒髪ぱっつんに赤い目、少し寡黙で、でも意外と情熱的で、ロリータ系の服がよく似合っていて、猫を飼っていて……この子の名前はペロだ!」
雪美「……P……おはよう……」ニコ オハヨウユキミ
-
1056
テレビ<センテ サンヨンフ
モバP・雪美「……」
ちひろ「将棋中継を一緒に真剣に見ているプロデューサーと小学生アイドルという絵面」
モバP「将棋、最近は若手ホープの台頭で盛り上がってきていますよ」
モバP「それに、テレビでは以前は無かったシステムが出てきて結構目を惹きますし」
ちひろ「システムですか」
モバP「はい。すっかりお馴染みになりつつある、AI勝率表示のことです」
ちひろ「画面上にどちらが優勢か、パーセントで出てくるものですね」
雪美「綱引き……みたい……」
モバP「レーティングのようなグラフをワイプで出すより、分かりやすくて良いなと思います」
ちひろ「こういう評価って何でもやがてAIがやってくれるようになるんですかね」
雪美「……それはそれで……心配……」
モバP「でも人間はたまにAIの予想を超えることをするからな。そこガ面白イ……あッ雪美サン、ちょっト頭のねじヲ締めテくれナイか?」 ワカッタ……
ちひろ「プロデューサーさんは何なんですかね」
-
1057
モバP「雪美さん」
雪美「……?」
モバP「少し前髪を弄ってみても良いか」
雪美「……」
モバP「大したことはしない。ただヘアピンを付けてみるだけだ」
――
モバP「おお、なかなか新鮮な髪型の雪美さんだ」
雪美「……」キラキラ
ちひろ「前髪が落ちて来ないようにヘアピンを留める子、いますよね」
モバP「山風とか遠藤サヤがそうですね。あのくらい髪色に対して色が濃いとヘアピンの主張が強くなりますが、インパクトは出ます」
雪美「前髪……もっと長かったら……いつも……付けるかも……」
モバP「鏡とか見て自分で確認してみたりしないで良いのか?」
雪美「大丈夫……。Pの瞳が……鏡代わり……」
ちひろ「普段からよく見つめ合ってるのってそういう意味も……」
-
今日はここまで
愛憎の箱舟
-
1058
モバP「雪美」
雪美「……なに……?」
モバP「俺、雪美のことが昔から……雪美のことが好きだったんだよ!」
雪美「……!」
雪美「……私も……前から……あなたのことが……」
モバP「えっ、雪美も? 実は両想いだったってことか……」
モバP「これまで告白する勇気が出なかったが、それならもっと早く告白しておけば良かった」
雪美「……時間……かかった分……いっぱい……繋がろう……」ギシッ
モバP「あっ、雪美さん……いきなりそこは……いけませんわ……」ピクンッ
ちひろ「もしもし早苗さんですか」
モバP「というご都合主義的な展開、たまに見ますが嫌いじゃないです」
雪美「……むしろ……羨ましいくらい……理想……?」
モバP「成就しない恋はいくらでもありそうだからな。だが何かに恋をしている時というのは、モチベーションが上がるものだ」
ちひろ「私のモチベーションもたまには気遣ってくださいよ」
-
1059
モバP「今日も良い天気だなあ」
雪美「……雨……降らない……」
モバP「水不足にならないか少し心配だな」
モバP「梅雨入りが思ったよりは遅かったし、雨も思ったより降らないし、手応えがないというか」
ちひろ「局地的には降っていますけどね」
モバP「それでも長雨というよりはスコールのような雨が多い気がします」
ちひろ「日本も熱帯気候になってきているんでしょうかねえ」
モバP「それでも本格的な夏と違って、まだ明け方なんかは涼しくて良いですが」
チリリリン
雪美「……風鈴……いい音……」
モバP「てるてる坊主ならともかくまだ風鈴を吊るすのは時期的に早い気がしなくもないな」
ちひろ「風鈴の音色って聞いていると不思議と感傷的になりますよね」
雪美「……うん……。少し……切なく……なる……」
モバP「お盆とかそういうイベントの演出に使われることが多いからかなあ」
-
1060
志希「はぁ……はぁ……」
カツン カツン
モバP「どうした、早く逃げろよ」
志希「……」ゴクリ
モバP「……」
ドンッ!
志希「!」ビクッ
モバP「――志希」
モバP「捕まえた」ポン
志希「っ!」ゾクゾクッ
モバP「あっ、すまん。ちょっとやりすぎたかな」
志希「……! あー」
志希「んーん。こんなタイプの興奮をしたのは久しぶりだよー」
モバP「志希との鬼ごっこ、楽しかったよ」
-
志希「キミ、真面目で柔らかくて優しいように見えて、サイコにもなりきれるんだねー」
モバP「容赦をしない鬼ごっこがやりたいと言ったのは志希だからな」
モバP「だから情けはかけずねっとりじわじわ追い詰めるプレイを」スッ
志希「あっ、ありがと」ギュッ
志希「よっと」
ニギニギ
モバP「……志希?」
志希「立ち上がるのに手を貸してくれたの、あたし的にポイント高かったよ」
モバP「そうか」
志希「ついでに匂いもいただいちゃおうかな〜♪」バフッ ハスハス
モバP「おい、やりたい放題だな」
志希「むっ……キミ、少し体に異常の兆候があるね」スンスン
モバP「ご主人の潜在的な病気を匂いで探知してくれる犬の嗅覚か」
志希「どーかなー? とりあえずあたしのラボに検査入院してもらおっかー」 マジ?
雪美(ナース服)「……今なら……三食……おやつ付き……」 ナヤムワー
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