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モバP「雪美様がゆく」
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このスレは膝神様に監視されています
あと、雑談以前の世間話などで構成されています
なお、このスレのカウントを引き継いでいます
モバP「雪美さんといっしょ」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1539405266/
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モバP「今日は俺、上手く笑えただろうか。好きなあの人と上手く話せただろうか――なあ千夜」
千夜「私は杏さんのように聞き上手ではありません。その手の人生相談には応じかねます」
モバP「杏を聞き上手と評するとは千夜もなかなか分かってきたな」
モバP「ちなみに好きな人とは大体ご想像の通りです」
千夜「油断ならない環境だと理解が進んでいるところです。それとその追加情報は不要です」
モバP「で、本来逆の立場であろうことは承知で聞くんだが、最近の俺はどこか変だと思ったりとか、ない?」
千夜「私はお前の都合のいい話し相手ではない……ですが、まあいいでしょう」
千夜「そうですね、ないです。お前の品と屈託のない笑いは良くも悪くも変わりなし」
千夜「時刻を合わせずに動かしている時計のようなものです」
モバP「なら良かった。俺が俺のままであるなら多分上手く笑えているし、よし、楽しく話せたな、なはずだ」
千夜「しかしそんな時計……誰かに迷惑をかける前に止めておいた方が良いのでしょうか」スチャッ
モバP「まあまあ。しかし一定であれば良いが、狂いが進行して行っている場合はちと問題なんだよな」コキッ
千夜「あっ、首が」
雪美「Pは……割とアンティーク……」
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テレレテッテレ テレレテッテレ テレレテッテレ テッ テン!
ちひろ「何ですかこのこれから詐欺師がギャングをハメる仕込みでもするかのようなBGMは」
モバP「ジ・エンターテイナーですね」
モバP「最近は何も良い企画アイデアが思いつかないので、気分だけでも軽快に」
ちひろ「枯れましたか」
モバP「ストレートに枯れた言われるとズシンと来るので」
雪美「……この曲……ペロが……好き……みたい……」
ペロ「んにゃあ」
モバP「リズムが良くてシンプルな曲だからな。ねこふんじまったみたいに」
ちひろ「GTAのミッション失敗みたいに言わないでください」
雪美「P……早くお仕事……片づけて……The Sting……見よう」 ニャア
ちひろ「雪美ちゃんの興味がどんどん歳相応からかけ離れた方向に行ってますけど、諸悪の根源さん?」 ハイ
ちひろ「あなたは雪美ちゃんを一体どんなティーンに育て上げようとしているんですか?」
モバP「うーん……芯がしっかりした女の子、ですかね……?」 アナタモシッカリシマショウ
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今日はここまで
しとやかサワデー
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モバP「クラスに転校生がやって来るというのはよくある話」
雪美「……うん」
モバP「それで早速授業を受けるんだが、体育で使う学校指定の体操服がまだ届いていない」
モバP「そんな時、普通はどうします?」
礼子「前の学校で使っていた体操服でとりあえず出るわね」
モバP「そう。なので周りはクォーターパンツなのに一人だけブルマを履いている――そんなシチュエーション、経験ありませんか?」
志乃「……あるある」
菜々「ありましたねえ!」
ちひろ「えぇ……」
雪美「……つい……見つめて……しまいそう……」
モバP「当人には悪いが男子なんて意識しないはずがないわな」
ちひろ「プロデューサーさん絶対三十代でしょう? 年齢詐称はいけませんよ」
モバP「でも結構強力なアクセントだと思います。例えば2Pカラーのピンク雪美を体操服で選択するとブルマになったり」
ちひろ「袴田ひなたかな?」
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モバP「七夕も過ぎたが梅雨はまだ明けず、大雨だ」
雪美「……」ドンヨリ
モバP「雨じゃなくて飴が降れば良いのに、と一度は思う少年時代」 イタソウ……
モバP「だが雨はいつかは止み、空に虹がかかる」
モバP「或いは静寂の中でカエルが鳴き始める」
グワグワグワグワグワグワグワグワ
雪美「……!」
雪美「アマガエル……?」
モバP「だな。雨が止んで静まり返ったところを見計らうように合唱を始める」
モバP「ちょっとうるさいかもしれないが遠くから聞く分には何だか心が落ち着く」
雪美「……そういえば……カエルといえば……梅雨……」
モバP「雨蛙は夏の季語だからな。その割に他の動物より忘れられやすい気がするのは、デフォルメし辛いからかな?」
雪美「よく見ると……かわいいのに……ね」
ちひろ「……この都会の真ん中のどこで鳴いてるんでしょうかね?」
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雪美「……大きな……かぶりもの……。これ……何……?」
モバP「これはVRゴーグルだな。ものによっては一人称視点で疑似的に360度、見渡すことができる」
モバP「平面のディスプレイを見るのと違って、まるで実際にその場に立ち会っているかのような体験ができるというわけだ」
雪美「……おお……この前の……お仕事の……」
モバP「そうだ。これで画面の中の雪美さんと触れ合ったり、雪美さんのライブを見たり」
雪美「本物のような……私が……どんどん……増えていく……」
モバP「まあその雪美さんは何かを演じている雪美さんの映像の再生なんですがね」
モバP「素の雪美さんは多分今ここだけに一人しか居ない」
雪美「……」スッ (゜-゜)(゜-゜)(゜-゜)
モバP「三人くらい居たな」
雪美「……晶葉も……作っていた……。サングラスくらい……薄いのを……」
モバP「そっちは何というか、3Dメガネみたいに透けるんだよな。立体感が出る」
モバP「他にもウサちゃんドローンとかいろいろ凄いの作っているからこれくらいではもはや驚かない自分がいるが」
雪美「昨日……室内実験……していた……」
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モバP「あ、あれは実験か。ドローンの編隊に囲まれた時は生きた心地がしなかったよ」
モバP「それにしても青赤の3Dメガネなら、昔はかっこいいと勘違いしてよく頭に乗せていたなあ」
雪美「……それも……良さそう……だけど……」
雪美「……せっかくだから、はい……着けてみて……」
モバP「え、俺が着けるの? ……こんなものかな」スチャッ
雪美「……ん、かっこいい」
モバP「パワードスーツの頭部っぽくはあるのかな? これで体もアイアンマンなら完璧か」
モバP「っと、映像が始まった。……お、雪美じゃないか。どうした? こっちに来るのか? ほーら来い」
雪美「……分かった……」ポスン
モバP「まるで本物のような重みまで感じるぞ……」ナデナデ
雪美「……♪」
モバP「本当に撫でているかのようだあ……これはまだ開発中のデモ映像だったはずだが技術が高いな」
モバP「ふぅ……これがリリースされたら『うちの雪美が今日も甘えん坊でつらい』みたいな日常会話が各方面で繰り広げられそうだ」カパッ
雪美「……ハロー」 エッユキミ!?
ちひろ「プロデューサーさんレベルだと分かっててやってるのかないのか判断が難しいですね……」
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雪美「……P」
モバP「ん? 何だい雪美」
雪美「……好き」
モバP「えっ」
雪美「……?」
モバP「……えっ、えっ? 本当に? 夢じゃなくて?」
ちひろ「あなたは普段どうやって過ごしているんですかね」
モバP「いや、まあ日頃から仲は良いつもりですが、面と向かって好きと言われるまでとは」
ちひろ「鈍感すぎるだろ、常識的に考えて」
雪美「……Pは……?」
モバP「好きに決まっているじゃないか。そう何度も口にはしないが、な」
モバP・雪美「……ふふふ」
ちひろ「何だ、いつもの予定調和なイチャイチャですか。他所でやれ」
モバP「よしんば見せつけているだけだとしたらどうです?」 ヨケイニタチワルイデス
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モバP「ふう、やっと家まで着きましたよ」
あかり「プロデューサーさん! おかえりんご!」
モバP・雪美「……」
あかり「おかえりんご?」
モバP「いや、言わねえよ?」
雪美「……続けない方が……良い気が……した……」
あかり「ここはただいマンゴーですよ? 何もおかしくないです」
モバP「まあマンゴーだったり君たちキュウリ、パエリヤ、マンボウだねならセーフか」
七海「悪食にもほどがあるのれすよ」
モバP「今日は七海とあかりが来ていたか。ただいま」
七海「おかえりなさい。お風呂にします? ご飯にします? それとも……」ニコ
雪美「……七海……新妻……みたい……」エプロン……イイ
七海「新妻って言葉が妙に生々しいれす」アリガトウレス
七海「あっ、プロデューサー、少し濡れてるじゃないれすか」
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モバP「肩幅が広いからな。仕方ないさ」
モバP「雨で傘を差していてもさ、濡れるものは濡れるんだよな」
あかり「それは確かにありますね。無いよりはあった方が全然良いですけどっ」
雪美「Pと……相合傘……してみたい……」
モバP「相合傘かあ……青春っぽくて良いもんだな」
モバP「しかし体格差があるから今日のような斜め降りの雨だと雪美はノーガードになる」
七海「プロデューサーがアイドルと相合傘すると、アイドルにスペースを譲り過ぎてずぶ濡れになりそうれすね〜」
モバP「葉っぱを傘にしているトトロ並に雨ざらしになるだろうな」
モバP「ちゅーことでお風呂、というかシャワーでも浴びようかな」
雪美「……じゃあ……私も……いっしょに……」
あかり「一緒にシャワーを浴びるんですか? 都会の女の子は進んでるな〜」
七海「あまり普通じゃないれすから真に受けてはいけないれすよ?」
あかり「わかったんご! では、手作りりんごジャムを用意して待ってますね!」
モバP「今は高いが、イチゴ・ブルーベリー・マーマレード慣れすると恋しくなる味だな」
雪美「……夕食に……りんごジャム……?」
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モバP「比奈はゾンビものは好きかい?」
比奈「特には……。小梅ちゃんにでも影響されたっスか?」
モバP「せやね。昨今のインドアタイムでそういう物に触れる機会を得て」
モバP「パニック系や終末系が多かったが俺は異端でもほのぼの系が好きということが分かった」
比奈「ゾンビとほのぼの、ですか。殺伐ばかりよりは良いかもしれないっスね」
モバP「まあ殺伐が無いと安易な属性付けで終わりそうな危険性は孕んでいるのかな」
比奈「はら……ところでゾンビって孕むんでスか?」
モバP「おや、そっちの方に興味が?」
比奈「はい。プロデューサーはそういうことであまりからかわないので、抵抗なく聞けるっス」
モバP「でも適度にからかってくれることを望む子もいるから難しいんだよな」
モバP「女性経験に精通していればもっと理解できるのだろうか」
比奈「みんなはプロデューサーには処女性を求めていると思うんで、そこは無しで」
モバP「俺は女かい」
モバP「それと、ゾンビって多分基本的には無代謝だと思うから、孕めないんじゃないんかなあ」
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比奈「ある意味でより完全な生命体と言えるんでスかね?」
モバP「生物的に不老不死に近ければ生殖機能は無くても良いようになるだろうし、そうかもな」
モバP「ヒトって不完全でそれを自覚しているから、半人半モンスターのような強くて便利で長寿そうな属性に憧れを抱くような面はあると思うんだわ」
比奈「……人の姿をした神様とかも?」
モバP「ああ。ちなみに俺は多脚のアルケニーになってみたい願望があります」 ソレハキモイッス エッ
比奈「……でも確かに、プロデューサーもみんなが真っ直ぐ成長できるように、悪い道に落ちないためになら何でもしまスから」
モバP「何でもはしないが」
比奈「そんな超人性にみんな惹かれてるとは思うっス。そしてみんなを超人化させていくから、ゾンビの親玉みたいっスね」
モバP「俺は女でゾンビかい」
比奈「それでも私は良いっスよ? 腐りかけは困るので肌が青いくらいの理性的なゾンビさんで」
モバP「滅茶苦茶言いおる。俺がゾンビなら買い物に付き添って食玩とか食べてやらないぞ?」
比奈「あんなに嬉しそうに消費してくれるのに」
モバP「カードやシール入りのウエハースなんて美味しいんだからな。あまりたくさんは食べられないが」
比奈「……仮に代謝が無くても美味しいから食べるって発想はヒトっぽいっスね」 ヒトダヨ!
雪美「……P……属性……てんこ盛り……」
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モバP「中華のデザートはマンゴープリンと杏仁豆腐どちらにするか迷う人手を挙げて」
雪美「……」ノ
ちひろ「私は胡麻団子ですかね。お茶に合いますから」
モバP「ちひろさんはもっと意外に大学芋とか好きそうなイメージでした」
ちひろ「私に偏見持ってませんよね?」
モバP「いえ? 最近密かに流行りじゃないですか。大学芋もしくは抜絲地瓜」
ちひろ「まあそうですけど。それで、マンゴープリンと杏仁豆腐なら、杏仁豆腐です」
雪美「不思議な味……癖になる……。よく乗ってる……赤い実……含めて……」
モバP「クコの実か。あれも和洋食では馴染みが薄くて中華の珍しみがあるよな」
モバP「あたしゃ最初は味はともかく長靴いっぱい食べたいようなナッツ系かと思ってたよ」
ちひろ「プロデューサーよ、それはチコの実である」
雪美「……流砂に……落ちた先で……食べたい……実だね……」
ちひろ「ともかく、黄色いのか白いのか、迷うならどちらも食べれば良いだけです」
モバP「ちひろさんは中華は結構食べますからね。この前も炒飯追加とかしていたら会計が予想以上に高く――」 コラ
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モバP「遊佐こずえに着せてはいけない服シリーズー」
こずえ「えー……?」
ちひろ「こずえちゃんでやるんですか」
ちひろ「いけないと口で言いつつその実はやっぱり着せてみたいんでしょう?」
モバP「……えーと、今回はですね」
雪美「目が泳いでる……?」
ちひろ「誤魔化し下手だなあ」
モバP「美少女戦士セーラームーンRのあやかしの四姉妹、ベルチェです」つ画像
こずえ「……せくしーだねー……。こずえも、これをきせてもらえるのー?」
ちひろ「着せてはいけないんですけどね。コスプレ的にはこずえちゃんが大人になったら似合うかもしれません」
モバP「セラムンは悪役幹部が個性的で憎めなくて良いですよね。格好はレオタードやスケバンの時代背景を感じますが」
雪美「……ペンデュラム……武器なのは……かっこいい」
こずえ「――ふりこ(ぺんでゅらむ)もなしで……だうじんぐをするなんて……じゃどうだわ」キリッ
ちひろ「やだ精悍……ちなみに私はアマゾネスカルテットのジュンジュンが好きです」 ミドリ……
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今日はここまで
一体どこまで
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ザザーン
モバP「海だなあ」
雪美「……うん」
モバP「撮影の合間にやってきたが、風が強い」
モバP「日本海側の海は波が荒くて砂浜があっても離岸流で遊泳禁止だったり、泳ぐのに適した所が少ないイメージだが」
雪美「……砂浜を……歩くだけなら……良い……」
モバP「……ん? 何かが漂着しているようだ」
雪美「……ビン……?」
モバP「栓がしてあって中に……ボトルシップではないが巻いた紙が入っているようだな。大陸から海流に乗って冒険してきたのだろうか」
雪美「誰かがここに……置いたのかも……」
モバP「可能性としてはそれもあるが、一瞬でもこれは宝の地図だとか期待してみたいじゃない?」
モバP「……見せてもらいますよっと。……何々、『海の向こうの誰かへ。お友達になりませんか?』か」
雪美「……日本語……だね……」
モバP「……これも一つの海の向こうではあるさ。湾曲した向こう側だが」
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モバP「今日のお仕事、よく頑張ったな。偉いぞ」
雪美「……えらいの……?」
モバP「……偉いさ。連続すると感覚が麻痺してきがちだが」ナデナデ
雪美「……♪」ナデラレナデラレ
モバP「アイドルになる前だったら考えられないくらい毎日頑張っているんだ。偉くないはずがない」
雪美「……じゃあ……Pも……」
モバP「俺も良いの?」
雪美「うん……。……よく……頑張りました……」ナデナデ
モバP「……良いな。凄く良いと思う」ナデラレナデラレ
雪美「……ほめられると……元気になる……ね」
モバP「ああ。親元を離れてみるとよく分かるようになった。家族愛に飢えてくるというか」
雪美「……今は……大丈夫……?」
モバP「ああ。雪美さんがいるからな。そしてみんなも」
ちひろ「でもさすがに撫で合いは馴れ合いだと思うんですけど」
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モバP「んんっ……あぁっ……! ……あはぁー……」
ちひろ「おやおや、デスクワークが一段落して背伸びですか。よくある光景ですね」
モバP「すいません、こんな色気もない男がセクシーポーズみたいにやっちゃって」
まゆ「……いい」●REC
ちひろ「好きな人はいるようなので良いんじゃないですか?」
モバP「同じ体勢のままだと体が硬くなりますから、柔軟にしないと」
雪美「……体操でも……する……?」
モバP「雪美が体操のお姉さんか……紳士になれそうだ」
ちひろ「真摯にはなるべきですね」
モバP「運動会で児童代表の子が朝礼台に立って、ラジオ体操の模範役を務めるの、良いと思います」
雪美「……あれは……やってみたい……」
モバP「経験として一度は志願してやってみるべきなんだろうな」
モバP「俺は結局そんなのや選手宣誓やスターターピストルを撃つ役なんかはやらずじまいで来て、やや心残りがあるから」
まゆ「よーいドンでピストルを撃つのは、慣れていないと自分がびっくりしそうですね」
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モバP「空に向けた銃でも怖いんだ。いくら覚悟しても俺はペルソナを出すのは無理だろうな」
ちひろ「プロデューサーさんは運が悪ければこめかみを撃ち抜くようなロシアンルーレットの勝負も切り抜けて来た男でしょう?」
モバP「そんな命を軽んじる綱渡りスカウトや営業はしていませんよ。もしそういうことを迫られたら惨めに泣くと思います」
まゆ「惨めに泣くプロデューサーさん……見てみたい好奇心に負けそうなまゆがいます」
雪美「その後……Pを助けて……よしよしして……ずっとそばにいて……安心させる……」
モバP「無事依存まっしぐらじゃないか。怖い怖い」
モバP「それはそうと、月火水木金が平日で土日が休みという日常感覚がもう懐かしい」
ちひろ「今は月月火水木金金みたいなものですからね」
モバP「戦時中ですか。まあ残業が月300時間とか行かないだけ良いですね」
ちひろ「無休で毎日10時間残業とか人ってそんなにしなきゃいけないことがありますかっていう」
モバP「……休日の終わりを告げるサザエさんで憂鬱になる症候群が何てことなく見えます」
ちひろ「プロデューサーさんは一週間で一番精神的にきついと思うのは何曜日です? やっぱり水・木ですか?」
モバP「週の真ん中は中弛みしますね。ただ業界的には週末が詰めですから金曜、いや土曜が一番……」
ちひろ「山場ですね。月曜から一日一日と週末に進むたびに追い詰められるような焦りが強くなって……」
まゆ「……まゆが家に監禁しましょうか?」 イイッスネ ヨクナイ
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モバP「独り暮らしだとよくあること」
モバP「サラダボウルでご飯を食べる」
ちひろ「丼と間違って買って来たんですかね?」
モバP「ちょうど良いサイズなもので。普通のお茶碗もあるんですがこれ一杯ではなかなか満足できず」テヘ
ちひろ「食べ過ぎないように敢えて小さめの器で細かく食べる意識付けが必要な気がしますね」
モバP「……それだと結局後でエネルギーが持たないんですよね」
ちひろ「そんなに肉体的に過酷な重労働していますかねえ?」
モバP「あと、前日のシチューの残りをご飯にかけてチーズを乗せて温めてグラタンにする」
ちひろ「独り暮らしなのにシチューを作り置きするんですか。というかオンライスしますか」
モバP「しっかり野菜を取るためです。オンライス良いじゃないですか。カレーだってライスでしょう?」
ちひろ「ご飯の甘さにシチューの甘さが乗って結構ウッとなりませんか?」
モバP「……いいえ? ガツガツいけますよ」
ちひろ「プロデューサーさんは未だに食べ盛りのようですね」
モバP「食べることが日々の楽しみでもありますからね」
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ちひろ「……いつか太りそう。みくちゃんにしっかり言っておかないと」
モバP「みくに管理栄養士的な役割を任せるのはどうなんですか」
雪美「……私は……肉じゃが……好き……」
モバP「雪美さんだ。肉じゃが良いよな、和風シチュー。あれもごはんにかけても美味しい」
ちひろ「雪美ちゃんが小食だとはいえ、プロデューサーさんと結構一緒になって食べるんですから気を付けてくださいね」
モバP「まあアイドルがよく立ち寄るようになってかなりまともになりましたから……」
雪美「……」コクコク
ちひろ「みくちゃん以外からも結構管理されている節はありますね」
モバP「でも楓さんや早苗さんが来ると代わりにお酒が入ったりするので緩いものですよ。ああ、でも久しぶりにグラタンが食べたい気分」
雪美「……グラタンと……ドリア……違いが……よく分からない……」
モバP「ドリアは下がライス、グラタンは下はマカロニ。まあマカロニじゃなくても良いようだが分かりやすく言うとそうなるな」
雪美「……なるほど……。ライス……マカロニ……おいしさでは……甲乙……つけがたい……」
モバP「雪美はお好み焼きも関西風と焼きそばの入った広島モダン風、どちらも好きだよな」
雪美「……この前……いっしょに食べたのは……ソースが濃かった……ね」 ソウスカ?
ちひろ「淡味が分かる雪美ちゃんはなかなか舌が成熟していますよね」 ……テレル
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ちひろ「今朝は途中で直帰していましたけど、何かあったんですか?」
モバP「着替えと荷物を置く目的で。それと、新田くんに頼まれてお弁当作りを」
ちひろ「ライブ感のあるスケジュールですねえ。しかし何故弁当」
モバP「以前作ってあげたおにぎりがとても気に入ったらしく、他に作れる人がいないからと」
ちひろ「作れる人がいない……?」
モバP「ある日、家に二人でいる時に、お腹が空いたのでおにぎりを作って食べようということになったんですが」
モバP「ちょっと悪ふざけのつもりでいつもよりぎゅっと固く握ったんですよ。それがツボにはまったというかウケたようで」
ちひろ「圧縮おにぎりってやつですか。プロデューサーさんは握力が強いですから質量がありそう」
雪美「……P……私には……それ……、食べさせて……くれたこと……ない……」
モバP「そりゃあ、普通に軽めに握ったおにぎりの方が美味しいからな? ただ新田くんはそれが好きだとさ」
雪美「……」ジーッ
モバP「大した代物じゃないが、そう催促するなら今度作るよ」
雪美「……うん……」キラキラ
ちひろ「プロデューサーさん家の炊飯器は良いやつなんでそっちは羨ましいんですけどねえ」
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モバP「当たり付きお菓子やアイスにもいろいろありますが、ホームランバーはなかなかいやらしいですよね」
ちひろ「そうですか?」
モバP「漏れなく賞品が貰えるホームランはまず出ないものとして、抽選は4塁打分集まったら1口なんですが」
モバP「なかなかピタリ4の倍数で止まらず残塁が出てしまって応募を出せません」
雪美「ヒットは……結構……出やすい……」
ちひろ「チョコボールは銀のエンゼルですらそう当たらないですからね」
モバP「当たったら五枚揃うまで買いまくると思います。とにかく応募券とかが余るのが勿体無いんです」
ちひろ「そういう意味のいやらしさですか……庶民的ですね」
モバP「この心境を見透かされて次を次をと買わされる……メイトーの策略にまんまと乗せられている気がします。悔しい(ガチャガチャ)」
ちひろ「んな大袈裟な。どさくさ紛れにガチャを回してくれるのは良いんですけどね」
ライラ「でも、ホームランバー、小さくて食べやすいのですね」
雪美「……銀紙に……包まれていると……よりおいしく感じる……不思議……」
モバP「家に来るアイドルたちは、そんな俺を見て協力したいみたいで、よくホームランバーを食べています」
ちひろ「もうビッグイニングになってそうですね」
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ライラ「みんなでたくさんたくさん集めて、Tシャツを当てますのですよー」
モバP「気づけばアイドルたちの方が盛り上がっているようです」
ちひろ「Tシャツなんて買えば良い気もしますけど」
モバP「これは最初の一塁打を引いてしまった時から始まった因縁……当てられるもんなら当ててみやがれ、という挑戦状みたいなものですから受けて立たねば武士の名折れ」
雪美「……ただし……一人で戦うとは……言ってない……。私が……いる……」
ライラ「ライラさんもー」
ちひろ「芸能事務所の人から大口の応募が来たら担当者困りそう……大人組も参加していたりします?」
モバP「しますね。ペアルック狙いの人もいれば、単純に面白そうだからって人もいます」
モバP「中途半端な数が当たった場合、誰が着るか公開じゃんけん大会で決めることになるかもです」
ちひろ「もはやそういう企画かな」
モバP「そんな当たり棒が台所の一スペースに並べてあるんですが、あれはリーチ棒を連想させますね」
ちひろ「麻雀かい」
モバP「最近は早苗さんとかと麻雀を少しやってみているんですが、絶好調なんですよ」
モバP「信じてもらえないかもしれませんが、脳内に雪美さんが現れて和了への手順が見えるようになるんです」
ちひろ「枕神怜ちゃんかな? いつもの膝乗せはそういうフラグか……」
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モバP「PCを使っているとたまに思わぬ広告が表示されたりする。こんなのとか」
雪美「……冷凍……ビーツ……?」
モバP「ターゲティング広告なのだろうが、俺はビーツに関して検索したり購入しようとしたりした覚えがない」
モバP「イチゴとかなら分かるが……それでビーツってのも最初は冷凍イチゴ関連なのかと思ってたらそれが違って」
雪美「……ビーツって……何……?」
モバP「果物のように見えなくもないが野菜です」
雪美「……野菜……。見た目は……カブや……ラディッシュ……」
モバP「食感も蕪に近いらしいが、ほうれん草や甜菜の仲間だそうな。何でも甘くて、食べる輸血と言われるくらい栄養も充分」
雪美「……野菜なのに……甘くて……カブなのに……ほうれん草……色は……赤紫……???」
モバP「雪美さんが混乱している貴重な姿が……しかし本当に、これは何に伴って出てきた広告だろう?」
ちひろ「あ、プロデューサーさん。業務、ではない連絡ですけどね」
ちひろ「アーニャちゃんが『今度ボルシチ食べませんか』と言ってましたよ? 良い食材が手に入ったそうで」
モバP「ボルシチですか。……アーニャかなあ? 確かにこの前PCを貸してあげたっけ」
雪美「борщ……、……хорошо」キラキラ タベタイミタイデスネ
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今日はここまで
魚肉キャラメル
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モバP「何事もいつまでと期限が設定された方が覚悟が決まることってありますよね」
ちひろ「それはそうですね」
モバP「例えば346日後に死ぬとか」
ちひろ「長丁場すぎて緊張感が無いです」
モバP「やっぱり100日が長すぎず短すぎずちょうど良いんですかね」
ちひろ「ワニにでもなるおつもりですか」
モバP「ワニと言えば、アリゲーターとクロコダイルの違いって顔の形らしいですね」
モバP「某ワニはそれでいくと先が丸いのでアリゲーターなんでしょうか。言及されているのか知りませんが」
ちひろ「知らんのかい」
雪美「……P……この……カウントダウン……日めくりは……何……?」
モバP「それか。実は何をするか決めずにめくりながら考えているんだ」
雪美「……本当?」
モバP「ああ。別にそれが0になったら試験があるとか、プロデューサーを退職するとかそういうことはない」
雪美「……思わせぶりが……好きな人……ね」
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雪美「……」テクテク
モバP「雪美様がゆく」
雪美「……」テクテク
モバP「その姿、実に泰然自若なり」
雪美「……」ピタッ
モバP「おや、壁だ」
雪美「……」
モバP「目の前に立ちはだかる壁をじっと観察する雪美様」
雪美「……」テクテク
モバP「?」
トプン
モバP「……」
モバP「9と3/4番線かウォーターランドか――臆することなく壁に吸い込まれていった」
晶葉「それは液体型ドアだ」 アキハッテスゴイヨナ イマゴロキヅイタカ
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700
娘「……パパ……おはよう」
モバP「おはよう。今朝も早いな」
娘「ラジオ体操……行ってくる……」
モバP「夏休みの定番だな。ほい、気を付けてな」
娘「ん……」
パタパタ キィ パタン
雪美「……まだ涼しい……この時間だから……良い……」
モバP「夏場は日が昇ると朝でももう暑いからな」
雪美「……私……相変わらず……暑いのは……苦手……」
モバP「暑くなる前に我々二人も家で軽く体操でもします?」
雪美「…………///」
モバP「体操とまでしか言ってないが……雪美さんは意外とむっつりなところあるよね」
雪美「……むっつりじゃ……ない……///」プンスカ
モバP「だがそんな雪美さんだから良いんだ」ナデナデ
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雪美「……とにかく……朝食の準備……しよう……?」
モバP「そうだな。パンに卵に牛乳に……そして果物はスモモなんてどうだろう」
雪美「……P……スモモ……プラム……好き……ね」
モバP「ラジオ体操から帰ってきて、ちょうど少し喉が渇いた時に食べるスモモが美味いんだ」
モバP「夏休みのとある一日の始まりを感じられてとても良い。それにこの――」
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
モバP「クマゼミの鳴き声、これもまた夏の朝を感じさせてくれる」
雪美「……今年も……何度でも、思い出せる……いろんな経験を……しよう……」
雪美「家族三人で……ね」
モバP「ああ。……ん、東日が眩しい」
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モバP「そんな未来の夢を見せて惑わしてくる妖怪がいたら自分は魂を渡してしまうかもしれません」
ちひろ「ぬ〜べ〜のチャブクロみたいですね。あれは過去改変を誘ってきますけど」
雪美「P……知らない妖怪に……ついて行っちゃ……ダメ……」 ワカッタヨ
ちひろ「まあ、あなたの魂は売約済みですから妖怪風情に手を出させはしませんけどね」 エッ
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モバP「事務所のロビースペースにはテレビが置いてある」
モバP「来客が来た時は、ここのソファで待ち時間の間にテレビを見ていてもらったり」
ちひろ「或いは誰も来ない時はアイドルが使ったり、プロデューサーさんとアイドルがイチャついたり」
雪美「……」チョコン
モバP「温泉とか銀行でよくある、シックな空間で居心地が良いですよね。テレビは大体NHKとか流していたりして」
ちひろ「温泉とか銀行でもそうやって雪美ちゃんを膝に乗せてみたりしていませんよね?」
モバP「こんなことを公然とやるとお思いですか?」
ちひろ「はい」
モバP「そんなぁ」
雪美「……Pは……こういう所のテレビが……目に留まる……?」
モバP「そうだね。特に高校野球中継や大相撲中継とかをやっているとまったりと見入ってしまいがち」
モバP「……相撲といえば、雪美の好きな力士は確か宝富士だったな。刃牙みたいな足の筋肉が良いとかで」
雪美「……刃牙は……言い過ぎ……。でも……良いと……思う」
ちひろ「お二人は普段、周囲の人と話が合うんでしょうか」
-
702
モバP(ん……?)
モバP(体に違和感。そして世界が大きく見える)
モバP(俺はまた、猫になってしまったのだろうか)
ペロ(……P)
モバP(ペロ)
モバP(……君とこうして話をするのは初めてかもしれないな)
ペロ(……そうだね)
モバP(おお、まさか本当に意思疎通ができるようになるとは。念願叶えり)
ペロ(ぼくもだよ)
モバP(意外とボーイッシュな口調だったんだな)
ペロ(口調という定まった形はないんだ。Pが思い描いたぼくの声で伝わっているだけ)
モバP「ニャー」
ペロ「ンギャア」
モバP(何となく分かったこととする)
-
モバP(しかし、猫の知り合いがいると心強いな。このまま街へ繰り出そうか)
ペロ(……浮かれているようだけど、気を付けた方が良いよ)
ペロ(Pが猫に変身するたびに、尻尾の数が増えている)
モバP(えっ? 本当?)
ペロ(それが9本まで増えると……二度と猫にはなれなくなるんだ)
モバP(何ですと!? 俺ってグリマルキンの魔女だったのか?)
ペロ(……なんてね。冗談だよ。怒ったかい?)
モバP(何だ冗談か、びっくりしたじゃないか。むきー! だよ)
ペロ(ふふふ、Pは猫になっても相変わらずだ)
ペロ(ごめんね。……街へ、か。天気が良くないのが難点だね)
ペロ(ねえ、P。来年さ、“ヴァルプルギスの夜”にいっしょに行こうよ)
モバP(5月1日のヨーロッパの魔女の集いじゃないか。どうやって行くのさ)
ペロ(どうって、それは飛ぶに決まってるでしょ?)
モバP(飛ぶって猫特有のゲート的な? ……行きたいが俺も人として忙しい身だしどうかなあ)
雪美「……」ウットリ ←ペロと猫Pのツーショットを幸せそうに見つめている
-
703
雪美「……」モミモミ
モバP「……」
雪美「……」モミモミ モミモミ モミモミ
モバP「……」
雪美「……何も……感じない……?」
モバP「……いや、雪美さんの手で俺の太ももを揉まれて何かを感じてしまうのはまずいと思って心を無にして後でじっくり悶えますが」
ちひろ「何周りを巻き込んだ苦行チャレンジやってるんですか」
雪美「……P……競輪の……選手のような……足、じゃない……」
モバP「ああ、あれは一度触ってみたいと思うことはあるよな」
モバP「俺も下半身を相当トレーニングすればなれるかもしれないが、このスーツが入らなくなるのはな」
モバP「それとやっぱりスキニージーンズとかも穿きたいし」
雪美「……じゃあ……これでも……良い……」スリスリ
モバP「うっ。腹に力を入れておかないと、スーツの上だから良いが下着の時とかにやられたら俺は純潔を失いそうだ」
ちひろ「もう既に充分不純の領域に入ってませんかね」
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704
モバP「……チョコボールのピーチ味、結構美味いっすね」
雪美「……モモの……味……」
モバP「それからパチパチキャンディのような口の中で弾ける感じが懐かしい。最近食べていなかった」
雪美「……あっ……もう、空……」
モバP「普段はこのまま捨ててしまうところだが、今日は少し展開してみようか」
雪美「展開……?」
モバP「雪美は学校の授業で、厚紙でサイコロを作ったことはないか? 立方体、正六面体ともいうが」
雪美「……ある」
モバP「お菓子の箱も糊代の部分を剥がしていくと、元は平べったい紙なんだよな」
雪美「……本当……でも……複雑な……構造……」
モバP「これを展開図として、真似して厚紙を切って折り目を付けて折って貼り合わせると、自作チョコボール箱もできる」
雪美「……くちばしの……部分は……こんな風に……出来ていたの……ね」
モバP「発見があるだろ? もし空間認識に苦手意識を持っているのなら、こういう身近なもので馴染んでおくと多少は良いのかもしれないな」
ちひろ「箱の内側から桃の匂いがしそう」
-
705
ガラガラ
雪美「……♪」
モバP「雪美は猫車に乗せても結構収まりが良いよな」
雪美「……猫車……?」
モバP「こういう手押し運搬台車をそう呼ぶらしいな」
雪美「……じゃあ……猫気分だ……にゃー」
モバP「俺が少年で雪美が妹だったら、こんな風に雪美と猫でも乗せたまま田舎道をくたびれるまですっ飛ばしていくことだろう」
モバP「……少々悪ガキの発想かもしれないがな」
雪美「……押す人力車も……あれば良いのに……ね」
モバP「大人用の乳母車なんて無いからな。雪美を大五郎にして子連れ狼をやるのは難しい」
雪美「……マシンガン……付きそう」
モバP「世の中には手押しキャリーワゴンとかあるにはあるが、何か悔しい気がするのでもう一周するぞ」
雪美「次は……もう少し……速く……」 ヨシキタ!
ちひろ「サービス精神がお父さん並ですよね」
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今日はここまで
やっとここまで来たというのに
-
乙
液体型ドアとかいう謎技術がサラッと出てきたけど晶葉なら仕方ないな
-
706
モバP「口に巻物とか竹とか咥えている系女子って今流行りですよね」
ちひろ「竈門禰豆子ですか。あれは咥えているというか噛ませているんですけども」
雪美「……無口な……女の子……いい……」
モバP「雪美さんは気になりますか?」
雪美「……」コク
モバP「……俺もしばらく無口路線で行こうかな」
ちひろ「この期に及んでミラーリング効果でも期待しているんですか?」
ちひろ「それにしても、雪美ちゃんは撮影で忍者の格好で巻物を咥えてみるポーズはやってましたよね」
雪美「……口が……疲れた……」
モバP「歯の治療で歯医者に行った時に口を開けた状態で固定されるから辛いのに近いものがあるな」
モバP「あれは雪美が頑張っただけあって動画が凄い再生回数になっていた」
ちひろ「普段の雪美ちゃんは口を開けているカット自体が多くないですから、それ見たさもあるんでしょうかね」
雪美「……Pには……よく見せるのに……ね。開けた口……」アー
モバP「自然に口の開いた雪美さんも美味そうやなホンマ」 ソノクチヲトジロ
-
707
雪美「……」ジーッ
モバP「本棚の高い所をじっと見上げる雪美さん」
雪美「……」ジーッ
モバP「……こんな時、取ってほしいと言われたい、頼られたいんだよなあ」チラッ
雪美「……」フイッ スタスタ
モバP「あれ、どこかに行ってしまった」
雪美「……」スタスタ
モバP「と思ったら帰って来た」
雪美「……」(つ゜-゜)つ□ トンッ
モバP「足場になる踏み台を置いて……乗った」
雪美「……ん」
モバP「一生懸命に手を伸ばす雪美……がんばれもう少し」
雪美「ん……! ……取れた……。……ほら……P……」キラキラ
モバP「頼ってほしい反面、自分で何とかしようとするのを見守るのも良いな(親心)」
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708
ニャー
みく「あっ、可愛いねこチャン!」
みく「ペロチャンとは違う子かにゃ? どうして事務所内に? ……そういえば」
芳乃『最近はP殿が猫化する体質になっているのでしてー』
みく「なんてことを言っていたけど……君はPチャン?」
ニャー?
みく「ふふ、そんなことないよね」
雪美「……あ……黒猫メンバーズ……おつかれ、にゃー」 ニャー
みく「ヤマト運輸かにゃ? でもペロチャンの黒猫の友達は多いみたいだね」
雪美「……うん」
みく「良いにゃあ……」
スリスリ
みく「ふふ、結構人懐こいんだね。よしよし」ナデナデ
雪美「……気持ちいい……みたい」
-
みく「抱っこしてみても良い?」
雪美「……大丈夫」
みく「おいでー。よし、そのままにゃ……にゃふふ」
雪美「……みく……良い笑顔……」
みく「照れるにゃ。……それにしても君は大人しいにゃあ」
雪美「照れているだけ……かも……?」
みく「君は照れなくて良いにゃ」ギュッ
雪美「胸が……当たってる……から……」
みく「……? この子、普通のねこチャンだよね?」
雪美「……名前は……ペロと同じ……Pから始まる……普通の……猫……」
みく「……ん?」
ニャー
雪美「……蘭姉ちゃんと……お風呂に入った……コナンの気持ちが……少し、分かった……って、言ってる……」
みく「Pチャンだったー!?」ガビーン
みく「……まあ、嫌じゃないからしばらく抱かせるにゃ」 ヤサシイ……
-
709
雪美「……」グデー
モバP「梅雨が明けて本格的な暑さ到来で雪美の目が死んでいる」
モバP「ビニールプールでも出してみようか」
雪美「……!」ピクッ
――
チャプチャプ
雪美「……♪」
モバP「水分を得て生き返ったように元気な雪美様よ」
雪美「……Pも……入る……?」
モバP「いや、俺はせっかくなので足だけ浸かりつつ撮影をしていますよ」
雪美「……いけず」パシャッ
モバP「あはは、遊ばれて俺の脛が喜んでいる。そして今の雪美の表情で一枚」パシャッ
モバP「アメリカのドラマに出て来るような白い家と緑の芝生と庭の屋外プールはさすがにないが」
モバP「大きめのビニールプールにビーチチェアにサイドテーブル、カクテル風のジュース……ばっちし☆」
-
雪美「……ふぅ」
モバP「そして本日の雪美の水着も素晴らしい。ラップタオルを巻いて着替えて登場したのはこのセーラー水着」
雪美「……ちょっと……大胆……?」
モバP「大胆でも良いじゃない。青と白基調のミニスカートのビキニで布地は少なめ、動きやすそうだ」
モバP「いやあ、ライブで皆さんにお見せ出来ないのが本当に残念です」
雪美「誰にも見せない……なら……P……もっと……寄って」
モバP「……アップで撮ります?」
雪美「カメラも置いて……二人で……濡れて……繋がろう……」グイッ
モバP「あっ、雪美――」
――
モバP「いけない雪美、気分が乗ったからって俺たちは……あああ」ムニャムニャ
雪美「……P……私と……いい夢……見ている……?」
ちひろ「あーあ勿体無いですね。今すごい水着を着た雪美ちゃんが目の前にいるのになあ」
モバP「それは本当ですか!?」ガバッ
雪美「……Pは……自分に素直に……生きてる……ね」 ナンダイツモノユキミサンカ
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710
友紀「くはあぁぁぁーっ! ビールが美味いねいっ♪」
モバP「キャッツが勝ったな(確信)」
友紀「好調だよ! 野球を見られるのがありがたいし強いのがまたありがたい!」
雪美「野球……」
モバP「雪美はあまり野球には詳しくないか」
雪美「ルールは……まだ……曖昧……。バット……三つ折られたら……KO負け……?」
モバP「そんなマリオテニヌエースみたいなルールはないぞ」
モバP「でもそれはそれで面白そうよな。お気に入りの装備を試合に合わせて持ち込んで」
友紀「コルクとか入ってないと良いけどね?」
モバP「それはそうと、ビールサーバーの売り子って諸々20kgくらいを背負って客席を行き来しているんだと思うと凄いよな」
雪美「20kg……ひえぇ……」
モバP「雪美さんから聞き慣れぬ鳴き声が。以前友紀の前で背負った時は俺はそんなでも無かったが」
友紀「球場に注ぎたての冷たいビールは欠かせないものだし、重い仕事だよね」 ダナ
友紀「サーバーからじゃないけどさ、プロデューサーもそんな重みのある一杯、どう?」 マダシゴトチュウナノデ
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711
パンパン! パシン!
雪美「……」
モバP「今度は朝乃山に見入っているのかな?」
雪美「……背中に……気合を入れてる……」
モバP「ああ、花道の奥から送り出す時にな」
雪美「羽が生えた……みたい……」
モバP「雪美はあの手形を羽と形容するか。……羽か……不覚にもかっこいい表現だと思った」
雪美「……」キラキラ
モバP「あれを貰うと引き締まるだろうな。退きそうになったり倒れそうになっても背中を押して支えてくれる気がしそう」
雪美「……」ジーッ
モバP「いや、やらないぞ? ステージに出る前とかにあれで送り出されてみたい気もちっとは分かるが」
モバP「あんな赤く残るくらい強く叩くと痛いし、まず背中の開いた衣装を着なきゃいけないし」
雪美「……でも……想像すると……熱い……」
ちひろ「アイドルは背中を大事にしましょう」
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712
雪美「……」コロコロ
ちひろ「雪美ちゃんがプロデューサーさんの膝で小さなパンジャンドラムを転がしていますね」
モバP「これはパンジャンドラムではなく砲身を外した砲車――ということにしたマッサージローラーです」
ちひろ「えらく車輪のデカい二輪砲車ですね」
モバP「こういう形の縦プロペラのドローンってないんですかね?」カチャカチャ
ちひろ「力学は分かりませんけど絶対に真っ直ぐ飛ばないと思うんですよ」
ちひろ「ところでPCの方では何をしているんですか」
モバP「これは音声合成ソフトで作った簡易の雪美roidです」
雪美roid『……あ、い、う、え、お……』
ちひろ「雪美ちゃんの声ですね。アクセントが変ですけど」
モバP「雪美のいろんな声を集めれば集めるほど流暢に本人っぽく喋るようになるんですよ」
ちひろ「本人の許可は取ってます? ……そうですか。まあ、今はそういう技術も進歩しましたね」
モバP「はい。それと同時に声の扱いも気を付けないといけませんね。例えばみくにチーにゃポンにゃ言わせたらどうなるか」
ちひろ「言わないと思いますけど?」
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今日はここまで
ここはまずい早く逃げろ
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713
モバP「徐に空を見上げると、そこには満月から少し欠けたお月様」
モバP「自然と目に入ってきたその姿に、晴れの日々を実感する」
雪美「……」
モバP「そしてそれをただじっと、切なそうに見つめて見える雪美さんもまた味がある」
雪美「……切なそうに……見える……?」
モバP「遠い故郷を思うような佇まいに見えて……こちらが勝手に想像を膨らましているだけだが」
雪美「……きれいな……オレンジだから……つい……見とれて……」
モバP「昇ったばかりの月は赤く見えることがあるな。うさぎがお餅をついているような模様もしっかり見える」
雪美「……月も……ずっと……こっちを……見てる」
モバP「月が追いかけてくるように感じた経験は誰でもありそうだ。面が同じだから余計に」
モバP「そして、平面的に見える」
雪美「……もっと……近くにあったら……球体に……見えた……?」
モバP「どうだろうな。惑星が月と同じ距離にあったり地球に土星のような環があったら、地球からどう見えるんだろうな」
ちひろ「……そういう系の動画を漁っていたら寝られなくなりそう」
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714
雪美「……」ボーッ
モバP「……雪美を背後から見ていると思うんですが、ストレートロングの女の子って背中が隠れますよね」
ちひろ「……どうしたんですか? たまにはショートカットの雪美ちゃんが見たいとか?」
モバP「そういう訳じゃないです。雪美は雪美であの後ろ姿で安定感がありますから」
モバP「でも、背中が見える子にはその子なりの良さが出ますねと」
ちひろ「見返りポーズとかありますけど、人の背中をじっと見ることってそんなにないですよね」
モバP「正面の方が多いですね。だからこそ、例えば吊りスカート幸子の後ろ姿について誰かとじっくり語ったりしてみたい」
ちひろ「えぇ……。まあ、華奢で女の子だなあって感じはしますね。もう少し優しく扱ってあげてください」
モバP「優しく、ですか。……たまに幸子の背中は哀愁を醸し出したりもしますからねえ。気を付けます」
ちひろ「どれだけ人の背中を凝視していたらそんなことが分かり始めるんですか」
モバP「それでなくてもアイドルの後ろ側には気を配りますね。たまにスカートがカバンやリュックに引っかかって捲れることもあるので」
ちひろ「すぐ注意してもらえると助かりはしますけど、普段からそんな所見てるの? って思われそうです」
モバP「男はつらい」
雪美「……P……私も……見てるだけ……?」 ア、ゴメン
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715
凛「プロデューサー」
モバP「どうしたー、凛?」
凛「プロデューサーってさ、レアキャラだよね」
モバP「俺が?」
凛「うん」
モバP「そんなことはないよ」
凛「最近自然遭遇できていなかったしさ」
モバP「お仕事で合流することはあるじゃないか」
凛「ダメだよ。オフに“あっ、プロデューサーじゃん。偶然だね”みたいな会い方をしたいんだ」
モバP「偶然ってのはただぶつかってくるのを待つだけじゃなかなか起こらないと思うぞ」
モバP「相手の行動・習慣を調べて偶然を装って自分から仕掛けるものじゃないかな」
凛「なるほど。じゃあ率直に、会いに行っても良いかな?」
モバP「偶然でなくても会いに来てくれて良いぞ」
凛「わーい」
-
モバP「しかし凛やアイドルたちなら分かるが俺はそんなにレアかね?」
凛「たまに偶然会えると嬉しいというか、ラッキー! って気持ちになるよ」
モバP「週一の水泳教室でたまにとても綺麗な女の子と一緒になるような感じか」
凛「それは私には分からない」
モバP「あらぁ……まあそりゃそうだ」
凛「プロデューサーは行動が読みにくいタイプだよね。あくまで常識的な範囲でだけど」
モバP「頭が良くはないから誰でも想像できること以上の行動は出来ないつもりだ」
モバP「あ、そうだ。凛、今度二人で植物園にでも行かないか」
凛「えっ?」
モバP「夏場にアレだが温室とか巡りながら凛の花言葉解説を聞いて過ごしたい気分でさ」
凛「突然すごい気分になるんだね? ふふっ、別に良いけど?」
モバP「よし、ではこの辺の日でどうでしょう」つ□
凛「OK。……始めてじゃないのに少し緊張するかも」
モバP「おっと、あまり店で話し込んじゃいかんな。じゃあ、この俺と似たデンドロビウムを買っていこう。家の手伝い、頑張れ」 ニテルカナ?
雪美「デンドロビウムの……花言葉……わがままな美人……?」
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716
ナターリア「んん〜♪」パクパク
雪美「……」パクパク
モバP「余ったチョコスプレーをスマートにスイートに使いきるのにチョコバナナは正解だったな」
ナターリア「おいしいゾ! まるでお祭り気分ダ!」
モバP「ホイップクリームにイチゴにバナナにチョコと全部乗せ出来るクレープと迷ったんだがな」
雪美「クレープは……都会……のイメージ……」
モバP「一応、お祭りシリーズで別にいちご串も作ってありますので」
雪美「……Pは……最高の……プロデューサー」キラキラ
ナターリア「りんご飴もそうだケド、お祭りにフルーツは何でもあるナ!」
モバP「本当よね。シンプルなチョコバナナにしても家ではそう作らない気がするから特別な感じだな」
ナターリア「作れば良いんダヨ!」
モバP「たくさん作って売ったりあげたりするには良いが、少人数用に作るのは面倒なんだよな」
ナターリア「そんナ!?」
雪美「P……素は……面倒くさがり……」
-
モバP「でもチョコレートとチョコスプレーが無くても、冷凍バナナというだけでも美味いのは良いよな」
ナターリア「そこは否定できないナ!」
雪美「夏は……冷たい方が……良いかも……」
モバP「柔らかいそのままのバナナより噛み応えがあるから満腹感も得られる気がするし」
モバP「また、バナナの良いところはカリウムによって余計な塩分を排出してくれることだ」
ナターリア「知ってたんダ? それを聞くト、意識して食べたくなるでショ?」
モバP「なるね。寿司で醤油の塩分を取り過ぎたと思ったらバナナで中和、みたいな」
雪美「……お寿司の、デザートに……バナナは……」
モバP「糖分の方が心配か」
モバP「何にしてもナターリアが喜んでくれたなら作った甲斐があった」
ナターリア「Pも、ナターリアと同じバナナ好きで良かったヨ」ハム
モバP「……バナナを食べるナターリア、良い顔をしているよなあ」
ナターリア「あっ、もっと優しく食べてほしいカ?」
モバP「いや、食べ物を口元で弄ぶのは失礼なので普通にどうぞ。そういうグラビア? あれはな……」
雪美「……普通に……食べていても……ナターリアは……魅力的……」
-
717
モバP「雪美さんに着せてはいけない服」ヒソヒソ
ちひろ「密やかにやるのか」
雪美「……三人で……悪巧み……みたい……」
モバP「今回は、咲-Saki-の国広一の私服ですね」
雪美「……実物は……ある……?」
モバP「今回も画像で」つ□
ちひろ「うわあ……何だこの痴女は」
雪美「……涼しそう……。どこに行けば……こんな服……買える……?」
モバP「これをしまむらやユニクロで売っていたら世紀末を疑うから、コスプレ専門の所かな。ちひろさんなら持っているはず」
ちひろ「私は持ってません。……いや、本当に無いですからね?」
雪美「……こっちには……着崩しすぎた……巫女も……いる……」
モバP「はっちゃんの格好をされるとさすがに失血死しそうなのでこちらからストップ」
ちひろ「どっちもどっちですよー」
モバP「しかしこの永水、芳乃が居ても違和感ないな。もしくは九州赤山」 マージャンツヨソウデスヨネ
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718
雪美「P……私……ここにいる……」
モバP「そうだな。俺の膝の上、目の前にいるからな」
――
雪美「P……私……ここにいる……」
モバP「近くの物陰に隠れたって見えるぞ」
――
雪美「P……私……ここにいる……」
モバP「事務所のドアの隙間から覗き見とは、なかなか遠ざかるね」
――
雪美「P……私……ここにいる……」
モバP「中庭まで下りたのか。手を振らなくても分かるがさ」
――
雪美「P……私……ここにいる……」
モバP「ゆきみーーー? どこまで行ったんやゆきみーーー?」
-
719
モバP「今はもう夏は空調がないと命に関わる、なんて時代なんですね」
ちひろ「毎年猛暑かもっと猛暑かですからね」
モバP「扇風機だけで過ごせていられるなら電気代的にも環境的にもその方が良いんでしょうが」
ちひろ「今は他にもサーキュレーターとか冷風機とかハンディファンとかいろいろありますけど」
ちひろ「とりあえずヒートアイランドの悪循環の中で自分だけ痩せ我慢とかしても体に良いことはなさそうです」
雪美「……」ソヨソヨ
モバP「こんな中、雪美さんをお外に連れ出さないといけないのは心苦しい」
ちひろ「快適な温度になっている室内から出たくないのは分かりますけど、頑張って。温度差で自律神経をやられないように気を付けて」
モバP「ふぁい。それにしてもこの気温でノースリーブとはいえゴスロリ系の格好で大丈夫だろうか」
雪美「……暑くなったら……Pに……冷ましてもらう……。何度でも……」
雪美「さあ……行こう……」
ちひろ「出たがらないと思ったら意外とやる気ですね」
モバP「そういえば最近買ったパゴダ傘があるんだったな。それのお披露目というわけか?」
雪美「うん……。蘭子みたいに……マダムっぽく……歩きたい……」
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720
モバP「この時期に聴いていたい環境音ベスト3」
モバP「鴎の鳴き声が混じる港の波の音、コオロギが鳴いている音、バスがバス停に停まっている時のアイドリングやスイングドアが開閉する音」
ちひろ「最初の二つは良いとして最後のは何ですか、バス好きなんですか」
モバP「ノスタルジーに浸れるので好きですね」
ちひろ「お父さんが乗って帰ってくるバスをバス停で今か今かと思いながら待っていた記憶でもあるんでしょうか」
モバP「そんな綺麗な思い出が欲しかったですねえ」
モバP「そうそう、我々のこうした雑談も実は環境音として聴取されているそうですよ」
ちひろ「何ですかそれは聞いてないんですけど。というか誰需要のコンテンツですか」
モバP「ラジオみたいなものと思えば良いんじゃないですか? アイドルが密かに楽しんでいるとか」
ちひろ「それもしかしてただの盗聴なんじゃないですかね」
雪美「……トークは……BGM……ある方が……良い……」
モバP「お、雪美さんが来てくれました。……確かに声&声だけじゃ少し寂しいと感じる時もあるな」
ちひろ「雪美ちゃんはこういうBGMが欲しいなってのはあります?」
雪美「……ししおどし……?」 シブイデスネ
-
今日はここまで
俺を置いて先に行け
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721
モバP「雪美はカリオストロの城が好きだよな」
雪美「……うん」
ちひろ「何度でも見てしまうほどお気に入りというわけですか」
雪美「……見直すと……発見が……ある」
モバP「先の展開が分かっていても飽きない面白さなんですよね」
モバP「個人的に名シーンだと思うのは、レストランでミートボールスパゲティを食べる場面と、廃墟できつねうどんを食べる場面と、怪我を治すためにおじいさんが持ってきてくれたパンやチキンやソーセージをドカ食いする場面ですね。あのフィアスコのようなボトルのワインで流し込んだら幸せで満たされそう」
ちひろ「大切な物を盗んでいきました、の場面じゃないんですか」
モバP「そこはもう名シーンとして扱われすぎて改めて挙げるのも芸がないかなと」
雪美「……私も……心を……盗みたい……」
ちひろ「盗む方ですかい」
ちひろ「でも宮崎駿アニメの飯テロ、というか食事シーンは本当に美味しそうに見えますし、美味しそうに食べるんですよね」
モバP「味わって食べるのも良いですが、がっついている方が見ていてこちらの食欲も湧くという」
雪美「今度……二人で……あのミートボールスパゲティ……食べたい……ね」
ちひろ「東京で食べられる所いくつかありますけど、かなり量多いですよ?」
-
722
モバP「ちひろさんって版権キャラクターもののコスチュームも結構持っている方ですか?」
ちひろ「そりゃあ業界最大手ですからね」
雪美「……業界……とは……」
モバP「中には際どい衣装も?」
ちひろ「雪美ちゃんに着せるのはどうかという物もありますね」
モバP「良いなあ。ちひろさんの能力、四次元鍵付きクローゼット」
ちひろ「私にそんな能力はないです」
モバP「しかしそうですか。あんな衣装やこんな衣装もあるんですか?」
ちひろ「ええ。たまに雪美ちゃんを招待して好きな服を試着してもらいます」
モバP「……は?」
ちひろ「貴重な黒髪のBMGになってもらったりしましたね?」
雪美「……ブラック……マジシャン……ガール……」キラキラ
モバP「ズルいですよ! 雪美さんのBMGを独り占めとか……そんな……そんな……っ! ううっ」
ちひろ「泣くほどですか」
-
723
モバP「……や」ノ
雪美「……」ノ
ちひろ「何ですかその挨拶」
モバP「コンパクトコミュです」
ちひろ「え?」
モバP「最近話が長くなりがちでしたから」
モバP「もっと端的に行こうかと」
ちひろ「始終業式の校長先生みたいな悩み」
モバP「エネルギーを使いますからね」
雪美「……無口にも……やさしい……」
ちひろ「……」
モバP「……」
雪美「……」
ちひろ「さすがにこれでは」
-
モバP「では雪美さん、遊ぼう」
雪美「……何をして……?」
モバP「そうだな、マリオカートはどうだ」
ちひろ「事務所に来てゲームするんか」
モバP「ただ罰ゲームは基本よね」
モバP「負ける度に一枚脱いでいこうか」
ちひろ「こら」
雪美「……Pも……脱ぐ……?」
モバP「俺だけ脱がんわけにはいかん」
雪美「……じゃあ、やる……」
雪美「ちひろさんは……?」
ちひろ「事務所に来て脱衣ゲームするんか」
モバP「レア度が上がるたび、露出が増えるね」
ちひろ「美少女ソシャゲかな?」
雪美「P……悪いこと……しないって……信頼してる……」 ウレシイネ
-
724
モバP「御晩です」
ちひろ「北日本のこんばんわ的な挨拶ですか」
モバP「失礼、間違いました。お盆です」
ちひろ「お盆ですね。大体13日から15日の三日間」
モバP「お墓参りをして、親戚と食事をしてね」
雪美「……お盆が……温度……一番……暑く……感じる……」
モバP「出かけるも迎え入れるも準備の忙しさがあるからな」
モバP「だらっとした休日と違って、残暑を実感しますね」
雪美「……P……ナスとキュウリ……買う……?」
モバP「お、忘れないように買っとかないとな」
ちひろ「精霊馬にでもするんですか?」
モバP「いえ、家のお漬物が切れていたので糠漬け用に」
ちひろ「プロデューサーさんは平常運転ですか」
雪美「……Pのぬか漬け……懐かしい味で……好き……」 キョウトフウ?
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725
モバP「346プロには多くの施設が入っている」
モバP「だがこのおばけ屋敷は何のためにあるのか」
??「……」
モバP「ん? 今何か動いた? しかし中は薄暗くてひんやり」
??「うー……らー……めー……しー……やー……」ピトッ
モバP「冷たっ!? って雪美さん」
雪美「……私は……幽霊……」
モバP「いや、雪美さんでしょ」
雪美「……」ピトッ
モバP「冷たっ!? クールバブバブのゲルフォームかそれ」
モバP「……しかし、こんな幽霊なら喜んで取り憑かれたい」
雪美「……もっと……怖がって……」
モバP「白い着物越しにボディラインが出るのは怖いかも。太ももが柔らかそう」
雪美「……」ピトッ ツメタッ
-
726
モバP「スイカが一番美味しい季節だな」
雪美「……でも……食べ飽きる……ね」
ちひろ「味・食べ方にバリエーションを持たせにくいですからね」
モバP「素麺や冷麦と同様に夏の思考停止連投メニューに挙げられがち」
雪美「塩でも……振る……?」
モバP「スイカに塩か。塩麹とか塩何々ってある時から急増した印象」
ちひろ「甘くはなりますよね」
モバP「生ハムメロンのような感覚ですかね」
雪美「スイカに……生ハムは……合う……?」
モバP「スイカも“ウォーター”メロンだからな。でもまるで合わなかった時に後悔しそう」
ちひろ「化学反応を試すのは楽しいんですけどね」
モバP「食べ合わせは大抵は実験して結果を出している先人がいますから」
雪美「天ぷらにスイカ……プリンにしょうゆ……」
ちひろ「まあその辺は興味本位で試そうとは思わないですね」
-
モバP「そういえば生ハムメロンって特に食べた記憶がない」
雪美「……美味しい……の?」
ちひろ「飽きるくらい食べてますけど、普通ですよ」
モバP「良いなあ。生ハムもメロンも庶民には高級ですが」
ちひろ「今はそうでもないでしょう。安いのもあります」
モバP「……たまには少し贅沢してメロンとか食べようかなあ」
雪美「……P……甜瓜は……食べるのに……」
モバP「何故か甜瓜は実家の方から送られてきたりするからな」
ちひろ「甜瓜もメロンの仲間なので実質メロン食べてると思えば良いんです」
モバP「やだい! おいらはオシャレでリッチなメロンを食べたいんだい!」
ちひろ「結構見栄っ張りですね」
雪美「スイカも、メロンも……皮を食べられて……種もチョコレートだったら……良いのに」
ちひろ「スイカバーかな?」
モバP「でもスロットマシンでスイカシンボルが多いのは少し誇らしいです」
ちひろ「結局スイカも好きなんですね」
-
727
モバP「ちひろさんはまた一週間ほど休暇を取るんですね」
ちひろ「その辺は会社が応相談ということにしていますからね」
モバP「寂しくなります。これ、花束です」
ちひろ「私は定年退職する先輩か何か?」
雪美「……夏場は……お花……枯れやすい……から」
ちひろ「何か含みとかありませんよね?」
ちひろ「じゃあ、テーブルフラワーとして使わせてもらいます」
モバP・雪美「……ちひろさん……」
ちひろ「別れのムードを演出しないでください」
ちひろ「プロデューサーさんは私がいなくても大丈夫でしょうか……」
モバP「アシスタント代理が来るので。アイドルですが」
雪美「……今度は……誰が来る……?」
モバP「誰だろうな」
ちひろ「というかプロデューサーさんは年中無休で大丈夫なんでしょうか?」
-
おまけ17
凛「初めてじゃないのに少し緊張するかも」
モバP「訂正乙」
凛「そういえばプロデューサーと植物園に行くの初めてじゃないんだよね」
モバP「凛がアイドルになったばかりの頃に行ったな。そして、仕事だがバンクーバーのバンデューセンバーゲン? にも行ったっけ?」
凛「バンデューセンガーデンだよ。早口言葉噛んだみたいになってる」
モバP「……凛との思い出の場所を言い間違える俺は情けねえ……」
凛「また行こうね? そうすれば間違わないはずだよ」ヨシヨシ
おまけ18
モバP「ラニーニャ現象発生の可能性が高まる、か」
ちひろ「夏は暑く、冬は寒くなるんですね。早く影響が出れば残暑がきつく長引くかもしれません」
雪美「……ずっと……暑い……。……にゃー」
モバP「雪美が先のことを考えるのを拒否している」
モバP「まあ、あと何週間暑さに耐えなきゃいけないのかと思うとめげるよな」
ちひろ「猫になって顔を洗っていいお湿りでも来るのなら良いんですけどねえ」
-
今日はここまで
それは嘘だったのか
-
728
モバP「おはようございます」
留美「おはよう、P君」
モバP「……!」
留美「あら、私だと意外だったかしら?」
モバP「いえ。アシスタントからプロデューサーさん、ではなくしっとり君付けされるのが何か新鮮で」
留美「そう? でも、プロデューサーさん、と呼んだ方が仕事上は適切ではあるわね」
モバP「いえ、もう少し君付けを堪能させてください」
留美「ふふ……今日から一週間、アシスタント代理を務めさせていただくわ」
留美「改めて、自己紹介は必要ないかしら?」
モバP「はい。よろしくお願いします、和久井留美さん」
モバP「元秘書の留美さんなら心強いです。前回は脱線が多く結構仕事が滞ったので」
留美「前回……? 誰だったの?」
雪美「 心 か 」
モバP「心先輩でした。というかそれなんてウルキオラ?」
-
729
留美「P君、この後18時から打ち合わせが入っているわ」
留美「それと食事が取れていないようだから、お弁当よ」
モバP「サラダにスープまで……助かります。まだ少し時間があるので食べていこうかな」
留美「私は書類の整理をしておくわね」
モバP「あっ、ありがとうございます」
雪美「……できる……アシスタント……」ピョコッ
モバP「ああ。ちひろさんも気が回る方だが、留美さんは何かこう、頼もしい」
雪美「……分かる」
モバP「そんな留美さんのために自分も頑張らずにはいられない」
モバP「頼もしさとは時に孤独なもの。そんな留美さんの隣に堂々と立って、頼られるようにもなりたい」
雪美「……もう……留美は……Pのこと……頼りに……してる……と思う」
モバP「既にそうだと良いな。にしては普段、物理的な距離を感じる時もあるが」
雪美「……それは……Pが……少し、猫体質だから……」 エッ?
留美「はくちゅんっ!」
-
730
留美「聞きたいことがあるのだけれど、良いかしら?」
モバP「何でも聞いてください」
雪美「ん……? 今……何でも……って」
モバP「雪美さんは膝にお座り」
雪美「……」ポスン
雪美「……Pが、何でもするって……言ったら……婚姻届も……書いてくれそう……」
留美「そうなの?」
モバP「書きませんよ」
留美「社会人は何でもハイハイと二つ返事で署名捺印したらダメよね」
モバP「書類によっては取り返しのつかないことになりますからね」
留美「それで、聞きたいことだけど……P君って年中無休なの?」
モバP「……それはありませんね」
留美「ちひろさんが心配してたわ。いつ休暇を取っているのだろうって」
雪美「それは……私も……思う……」
-
モバP「とりあえず、まとまった休暇は無いですね」
モバP「休日も一応来て資料に目を通したりアイドルと遊んだりしますし」
雪美「半分……遊びに来ている……?」
モバP「言い逃れしにくいところだね。で、サービス出勤なので給料は出ません」
留美「……労基的に大丈夫かしら。ちひろさんが気にするのも分かるわ」
モバP「苦では無いですし、ドリンクや栄養剤を貰っていますから大丈夫です」
モバP「それからアイドルの笑顔を見られたりスキンシップをされたりといった現物支給もありますし」
雪美「……自宅……兼……職場……みたい」
留美「P君は今の環境が快適に感じ過ぎて、転職とか出来ないタイプね」
モバP「転職ですか。これまで考えたことも無かったです」
留美「それで良いのよ」
モバP「それに、学校の午前中授業じゃないですが、半ドンで帰宅したらその日の残りは実質休日感覚です」
雪美「……午前は学校……午後は休み……わくわくする……」
モバP「下手に休みか出勤かよりその方が楽しいよな」
留美「趣味は仕事……そんな風に思っていたことが私にもあったわね」
-
731
モバP「プールで泳いでいると暑さや悩みを忘れられる気がするなあ」プカプカ
雪美「……」プカプカ
留美「こうして見ると親子みたいに似たような動きをしていて面白いわね」
モバP「……視界の端に映る留美さんの水着……ビーチパラダイスを思い出す。クールだ」
留美「……私には少し大胆過ぎる気がしないでもないわ」
モバP「そうですか?」
留美「こんな歳になると、もっと落ち着いた装いにすべきじゃないかしら」
モバP「その水着が似合っていますよ。日頃の努力と鍛錬のボディ、見せないと勿体無いです」
留美「そうやって年上をあまり煽てたらだめよ? 勘違いするかもしれないわ」
ザブン
スーッ
モバP「留美さんは泳ぎまでクールだなあ」
雪美「……む……私も……クールの……端くれ……。負けない……」
モバP「雪美さんが端くれだと、クールを極めたら一体どうなるのか」
-
――
モバP「泳いでいると時間があっという間に過ぎるな」
雪美「うん……」
留美「良い運動とリフレッシュになったわ」
モバP「水に浸かったり浴びたりするのは悪いものを洗い流してもらえる感じがして好きですね」
雪美「すっきり……した……?」
モバP「でも、こうして雪美や留美さんが服に着替え直してしまうと、プールで見せた一時の水着姿が名残惜しい」
留美「煩悩が残っているわね」
雪美「私も……Pの水着……見られたから……おあいこ」
留美「あの引き締まった体……P君も陰ではジムで努力しているの?」
モバP「……まあ、見られても恥ずかしくないようにはしておかないとですね」
モバP「アイドルのプロデューサーでありながら自分だけ肌を晒すのが嫌、なんてことは言えませんから」
モバP「しかしプール上がりに当たる風もまた気持ち良い」
雪美「濡れた、部分は……風が当たると……冷たく……感じる……」
モバP「気化熱か。……ああ、良いねえ……」ソヨソヨ
-
732
カナカナカナカナカナ
雪美「……P……この音は……何……?」
モバP「これはひぐらしの鳴き声だね」
雪美「ひぐらし……」
モバP「文字通り日暮れ時の山林でよく鳴いているセミだ」
カナカナカナカナカナ
雪美「……」
モバP「……」
雪美「……」ギュッ
モバP「夏の終わりの切なさみたいなものを感じさせてくれる声だな」
雪美「……私の……最初の……ひぐらしの思い出……Pとに……なった……ね」
モバP「今後雪美さんはどこかでひぐらしの声を聞くと、今日のことを思い出すのか」
雪美「……その時は……また……隣に……いて……? 寂しく……ならない……ように」 アア
カナカナカナカナカナ
-
733
モバP「くかー……くかー……」
雪美「……よく……眠ってる……」
留美「疲れたのかしら? ……ふふっ」ナデナデ
雪美「……留美……ママ……みたい……。優しい……顔……」
留美「そんなにお母さんっぽい? でも、油断しきった寝顔が、何だか良いわ」
雪美「寝ている時は……みんな……無防備……」
留美「まるで猫が寝ているような愛らしさね」ナデナデ
留美「……くしゅんっ!」
雪美「留美……?」
留美「ふー……おかしなことに、P君を猫として意識しだしちゃうと症状が出てくるの」
留美「……いえ、これは気持ちの問題。P君は猫じゃない。こうして近づいても大丈夫――」
モバP「ん……留美さん? とても距離が近」
留美「にゃんっ!?」
雪美「P……いきなり起きたら……ダメ……」 スイマセン
-
734
モバP「最近、日焼けサロンのチラシをよく見かける気がするな」
雪美「……P……焼くの……?」
モバP「自分で言うのも何だが白い方だし、焼いたら? とたまに言われることはあるな」
モバP「でも想像してみてくれ、黒い俺を。黒光りする俺を」 ヒカルノ?
雪美「……」
雪美「…………」
雪美「そのままが……良い……」キリッ
モバP「じゃあそのままでいます」
モバP「まず、高校の時に海で遊んで真っ黒に日焼けしたことがあったんだが」
モバP「その時は体色だけで威圧感が増して、しばらくみんなから距離を置かれたからなあ」
雪美「……お気の毒様……」
モバP「当時は日焼け止めを塗っていたんだが、泳いでいたら落ちてしまったんだろうな」
モバP「塗るなら泳ぐな、泳ぐなら塗るなってことかなあ。環境にも悪そうだし」
雪美「私と……塗るか、泳ぐかなら……どっち……?」 キュウキョクダナ
-
735
雪美「……今日の撮影……終わった……」
留美「お疲れさま。見ただけで分かる、頑張った顔ね」ナデナデ
雪美「……ありがとう……」キラキラ
雪美「……Pも……」(つ゜-゜)つ
モバP「はいよ」ヒョイ ポスン
雪美「……」シャキーン
雪美「……」ツヤツヤ
留美「さっきまでくたびれていた雪美ちゃんが完全再生したわね」
雪美「ふふ……もう一頑張り……できそう……」ピョン
モバP「歩く天然温泉とは私のこと。留美さんも乗ってみます?」 エ? イイノ?
――
モバP「……お二人が元気いっぱいになって何よりです」ゲッソリ
留美「……えっと、エネルギー切れを起こしたらスタミナドリンクを補充するように、とちひろさんのメモに書いてあるわね」ツヤツヤ
雪美「スタドリ……持って来た……」 タスカルワ
-
今日はここまで
そう告げたはずだぞ
-
736
モバP「雪美さんは本日は何と二部構成。前半はゴスロリの黒ドレス、そして後半は」
雪美「……」キラキラ
モバP「まさか真逆のような白ワンピースに着替えるとは」
雪美「……どう……?」
モバP「グッド。黒猫から白猫になるというストーリーがそそる」
モバP「ふぅ……おんし、ウチのタマ取りに来とるのう?」
雪美「……巴?」
モバP「感動のあまり広島の方の方言が出ただけじゃけえ」
雪美「P……広島の出身……だった……?」
モバP「冗談じゃ。あ、タマと言ってもうちのタマ知りゃあせんか? のタマではない」
雪美「言い方……。……でも……猫の名前……タマは……あまり、いない……ね」
モバP「昔は定番の名前が犬・猫でポチタマだったんだがな。しかし目に毒だあ」
雪美「……くっついてしまえば……毒じゃない……?」ポスン
モバP「でも上から見る膝上雪美の短いスカートから伸びる足も……いい」
-
737
モバP「……ふふふ……くく」
雪美「……ここ……すき……」
菜々「あっ、プロデューサーに雪美ちゃん」
菜々「お二人とも、な〜にを読んでいるんですかっ?」
雪美「……菜々……? これは……猫の……漫画……」
菜々「こっちに複数巻積んでありますね。って、これは……!」
菜々「ホワッツマイケルじゃないですか! しかも全巻ありますね♪」
モバP「……あっ、つい文香モードになっていて菜々さんに気付くのが遅れた」
菜々「そんなに熱中しちゃいますか? 」
モバP「黒じゃなくて茶トラですがやっぱり猫好きとしては。初出1984年ですってね」
菜々「もうそんなに昔ですか……いえ、生まれてませんけどね? 永遠のセブンティーンなので☆」
モバP「さすがにか……いえ、なんでもないです。菜々さんもどうです?」
雪美「P……次のページ……」 ア、ハイ
菜々「……普通は回し読みになるんですけどねぇ。二人で同じ漫画を読むとは」
-
738
舞「でね……今日は……」
雪美「……私も……うん……」
モバP「ふう……。……ん?」
舞・雪美「……?」
舞「あ、プロデューサー!」
雪美「P……やっほ」(゜-゜)ノ
モバP「やっほ」ノ
舞「気さくな挨拶良いですね!」
雪美「9月からの……リニューアル版を……先行使用……」
モバP「いや、思いつきだよな?」
雪美「……?」キョトン
モバP「くぅー、こやつめ、すましおる。舞もやっほ」ノ
舞「やっほ!」ノ
モバP「二人は意外と一緒にいることが多いが、そういえば唯一の同い年だったな」
-
舞「授業で習ってる箇所がちょうど同じで、雪美ちゃんとはよく学校の話をするんです」
モバP「へえ、そうだったのか」
モバP「しかしこうして見ると、俺も学校帰りに友達と一緒に歩きながら喋くっていたのを思い出した」
雪美「……Pも……誰かと……?」
モバP「ああ。楽しくて、いつまでもこんな時間が続けば良いのにと思う瞬間だな」
モバP「ただ、行きは一緒に行くことがあまりなかった」
舞「道すがらお友だちと会ったら一緒に行きませんか?」
モバP「それはあるが、予め待ち合わせてまでは行かないなと」
舞「確かにですね。でも、たまに遊びに行く時とかはしっかり待ち合わせします」
雪美「おしゃれして……噴水で、待ち合わせて……デートも……良い……」
モバP「でもまあ、仲の良い幼馴染だったら、毎日のように迎えに行って学校まで同行しても苦じゃないのかもしれないな」
雪美「……うん。……私……また……Pと……朝に会って……途中まで……一緒に行きたい……」
モバP「油断すると気づくとそのまま学校まで付いて行ってしまってそうで怖いや」
仁奈「雪美ちゃんは偶然会うまでもなく通い妻でごぜーますね」
モバP「お、一輪車トリオ集結。それはそうと仁奈は通い妻なんて言葉どこで覚えて」
-
739
モバP「……猫が美味しそうにスティック状のおやつを食べるCMを見て思うが」
モバP「あれ、美味しいのかな? ヒト感覚だと味は薄そうだが」
雪美「……P……猫化……進んでる……?」
モバP「えっ? いや、ただの興味だよ。あれが最近美味しそうに見えてきたとかそんなんじゃない」
モバP「中にクリームが入ったカリカリのドライフードとか高級そうな猫缶・ウェットフードとか全然美味しそうだなんて」
雪美「……(疑いの眼差し)」
鈴帆「時にPしゃん。“ぎんのすぷーん”という言葉で何ば連想すんね?」
モバP「キャットフード」
比奈「漫画」
鈴帆「そこは洋菓子店ばい」
モバP「いや、福岡県民でないと“銀のすぷーん”は馴染みがないのでは?」
鈴帆「そげんことなかよー。現にPしゃんは知っとーもん」
雪美「少し……誘導っぽい……」
鈴帆「でも迷わずキャットフードが出てくる、そげなPしゃんも好きやけん」 ドンナオレダヨ
-
比奈「あー、プロデューサーは最近はよくシリアル系を食べてるそうっスね」
モバP「ハーシーチョコビッツがな。なかなか絶妙な二層の舌触りでドライフード感……あっ」
モバP「雪美、どうしよう。俺、猫化しているのかもしれない」
比奈「そこで気づくんスか」
鈴帆「なーんか、Pしゃんがもし猫になってもそのままプロデューサーやっとー気がするとよ」
比奈「猫プロデューサー……猫駅長さんみたいなマスコット的存在になりそう」
鈴帆「そん時はウチが専用の半纏ば作って着せちゃるけんね」
モバP「猫になりきってしまう前提で話を進めないでおくれよ……」
モバP「CIAOちゅ〜るじゃないが、スティックゼリーでも食べて気を紛らわせるか」
比奈「持ち歩いてるんスか」
雪美「……」(゜o゜)
モバP「……はい、どうぞ」
雪美「……♪」ハム
鈴帆「負けじとこっちも猫っぽかね」
比奈「……女の子にスティックゼリーを食べさせる絵面は結構際どいっスね」
-
740
モバP「はー、なー。スイカ食べないか?」
颯「食べるー♪」
凪「はーちゃんに寄せた呼び方に驚きの木です」
モバP「では持ってきましたこのどこを見ても普通のスイカ」
モバP「これを……」シャキーン
凪「包丁やハサミの逆手持ちは危ないですよ、と、小学校の男子に先生がよく言っていました」
雪美「P……傘を……逆手持ち、しているのも……見たことある……」
颯「Pちゃんったらヤンチャだねー」
モバP「手遊び癖が出るのは僕の悪い癖です」
モバP「では真面目に、切ります」スパッ
パカッ
雪美・颯「……!!」
凪「わお、まさかの果肉が黄色いスイカでしたか」
モバP「一般的にはクリームスイカと呼ばれていたりする」
-
――
雪美「……おいしい」
凪「スプーンの提供感謝です。これで若干お淑やかに食べることができます」
モバP「味はほぼ想定内のスイカの味なんだよな」
モバP「クリームと名がついているからとろっとしていて生クリームの味がする、わけではない」
凪「ところがミニトマトと同じく、色が違うと栄養成分も違うそうで。ふしぎふしぎ」
モバP「あ、そこも俺が言おうとしたのに。なーは賢いなあ……ところで、はー?」
颯「……♪」パクパク
雪美「颯……夢中」
凪「はーちゃんはクールなのです。これが真理か……」
モバP「ところで、はーとなーは一日だけ入れ替わりとかしたことあるか? 偏見かもしれないが創作の双子がよくやるイメージ」
凪「御多分に洩れず、ですね。きちんと見抜いてもらわねば凪のPへの好感度はこっそりダウンします」
モバP「まさか時々入れ替わっているのか? ……当てる自信がないとは言わないが、そういう減点方式はお互い得しないな」
凪「それはわかりみです」
颯「……♪」パクパク
-
741
モバP「……自分一人でもやれるが、雪美がしてくれるのか?」
雪美「……」コク
モバP「分かった、頼むよ」
バフッ
モバP(ソファに横になる俺)
モバP(馬乗りになってくる雪美)
ガチャ
美波「こんにちはー。プロデューサーさん、います? ――って」
美波「……お、お取込み中のところを失礼しました///」
モバP「待てい、目薬を差してもらおうとしているだけだから」
雪美「……P……怖くない……よ? 大人しく……して……」
モバP「それは分かるんだが、目に直接来ると思うとどうしても反射的に白目になるんだよ」
雪美「……ふふ……面白い……顔……。もっと……見せて……」
美波「雪美ちゃん……恐ろしい子!」 ミナミガシロメニナルンカイ
-
742
雪美「……P」
モバP「何だい」 ピヨピヨ
雪美「……何でもない」
モバP「そうかい」
雪美「………………P」
モバP「何だい」 ピヨ
雪美「…………やっぱり……何でもない」
モバP「そうかい」
雪美「……怒らない……の?」
モバP「俺はせっかちなところもあるがそのくらいでは動じない」
モバP「雪美の決心がついた時に言えば良い」 ピヨピヨ
雪美「……分かった……。……P……頭に……鳥……飼ってるの……?」
モバP「最近は頭に黄色い鳥を乗せたトンファー持ちがモテると聞いてな」 ソウ……
帰ってきたばかりのちひろ「ツッコミ不在のまま進めるな」
-
今日はここまで
私にはもう何も聞こえぬ、見えぬ……
-
台風によりしばらくお休みです
-
743
モバP「もう9月か」
雪美「……残暑が……厳しい……ざんしょ?」
モバP「……くっ」プルプル
雪美「……私……楓を……インストール……」
モバP「いやんもう、雪美さんったら俺を和ませないでくれ」
雪美「……寒く……ならなかった……?」
モバP「まあ駄洒落は駄洒落だ。それに普通はオヤジギャグを言うのは逆で、俺の方だろう」
モバP「でもそんなくだらないやり取りで笑い合えることが、何だか仲の良い家族みたいで良いな」ナデナデ
雪美「……んっ……」
モバP「それにしても、もうこんな暑苦しい日々は二度と御免だ、なんて毎年思うのに、喉元過ぎれば熱さを忘れる、と言うのかね」
モバP「一年経ってまた夏が来れば、今年は涼しくなるはずだとか根拠のない期待をしている俺がいる」
雪美「……そして……やっぱり暑い……の、繰り返し……」
モバP「実際はいつの夏も暑いものなんだよな。観念して生活作りをするしかない」
ちひろ「観念した結果の距離感がこちらですか」
-
744
モバP「雪美力を鍛えよう(提案)」
ちひろ「ほう、感心感心――って何ですかその聞き慣れない力は」
モバP「女子力の一つの形のようなものです」
モバP「雪美さんのようになりたいなら、雪美さんに近づけば良い」ダキッ
雪美「……」(゜-゜)
ちひろ「近付き過ぎだと思いますよ」
モバP「雪美さんの行動を自分に合った形で上手く取り入れて、自然体で真似る」
モバP「……」(゜-゜)
雪美「……P……スイッチ……入った……」
モバP「……うん」
ちひろ「何か雰囲気が雪美ちゃんっぽくはなりましたね」
モバP「……本当?」
ちひろ「でも率直に言って不自然なので戻してください」
雪美・モバP「……不自然……?」 ハイ
-
745
モバP「食レポの番組って最近多い気がしますね」
ちひろ「アイドルが出ているものだけでもそれなりに数がありますからね」
モバP「食レポは飯テロ。見る度にお腹が空きます」グー
雪美「!」ビクッ
モバP「おう、すまない雪美」
雪美「急に……お腹が……鳴ったから……びっくりした……だけ」
ちひろ「QON」
ちひろ「というかプロデューサーさんのお腹に耳をつけて何をやっているんですか」
雪美「……聴診……?」
モバP「昔、小児科とかにある聴診器、自分も着けてみたいなと思っていました」
ちひろ「ああいう検査されるのって子ども心には未知の恐怖がありますね」
モバP「舌圧子なんてアイスの棒みたいなのを口に突っ込んだりしますからね」
雪美「……Pの、体の音……落ち着く……」
ちひろ「服を捲らないとそんな大した音は聞こえないと思いますけど」
-
モバP「しかし、チェストピースを当てるのに服を捲ってもらうとか上半身の前面を曝け出してもらうってなかなかですよね」
ちひろ「医療行為ですからね」
雪美「……Pも……私の音……聴く……?」
モバP「そうだな。これは雪美の体に異常が無いか確かめるためだ。じゃあ脱いでもらおうか」
ちひろ「戯けが」
モバP「はい。……世に言うお医者さんごっこ(意味深)ってそういうことをするんでしょうかね?」
モバP「あ、話を戻しまして、食レポですよ」
モバP「今は中にクリームのたっぷり詰まったロールケーキが食べたい気分です」
雪美「ロールケーキ……イチゴやキウイ……モモが入って……ふわふわ……」
モバP「フルーツロールケーキは芸術の域っすよね。他にも最近はチーズクリームとかハチミツレモンとか見かける」
雪美「ハチミツレモン……甘酸っぱくて……すき。チーズは……濃厚……」
モバP「というか乳製品全般が大体好き」 ……ウン
ちひろ「随分広く出ましたね。プロデューサーさんは甘党のようで」
モバP「小学生の頃は辛いもの好きだったのが、最近段々……親離れした反動でしょうかね?」
ちひろ「周りに女の子だらけな環境なのも影響はしてそうです」
-
746
晶葉「できたぞ! ハイライトを消せる眼鏡だ!」
モバP「ほほう」
モバP「見たところ普通の眼鏡だな。薄くて軽い、かけても良し」スチャッ
晶葉「使い方は簡単で、右の丁番部分のツマミを回すとハイライトカットモードになる」
モバP「これか……ん」
晶葉「……どうだ?」
モバP「……晶葉の目が笑ってなく見える」
晶葉「……Pの視線が熱いな」
モバP「失礼、見つめ過ぎた。面白い発明だと思うが……スランプか?」
晶葉「そういう時もあるさ」
雪美「……P……? あ……眼鏡……かけてる……」
モバP「……雪美。ハイライトを消した状態で見つめられると何だか申し訳なくなるな」
雪美「……」ポーッ
晶葉「Pは意外と裸眼より眼鏡をかけている方が男前じゃないか?」 デザインノオカゲデスヨ
-
747
モバP「ちひろさんは財布の色って気にします?」
ちひろ「いいえ? 特には」
モバP「金運の黄色い財布とか、以前はよく新聞の広告に載っていたそうですよね」
ちひろ「これを持っていると宝くじが当たりました、とか?」
モバP「はい。当時のものを閲覧する機会があったんですが、率直に騙されそうになりました」
ちひろ「そんなのでお金が儲かるなら誰も苦労はしないんですけど、困窮して視野が狭くなったりすると信じてしまうんですかね」
モバP「でもよく考えると黄色い財布なんてそこらへんに売っている気がします」
ちひろ「色の問題ですか」
モバP「今使っている財布が結構くたびれてきているので新しいのが欲しいと思っているんですが」
モバP「黄色はどうかなーとちょっと聞きたかったんです。もしくは自分のパーソナルカラーを意識して緑」
ちひろ「それは私と被るのでやめてください。というかプロデューサーさんのパーソナルカラー緑色じゃないでしょ」
モバP「おや、ちひろさんの財布は緑色ですか。黄色よりは落ち着いた色ですが、緑も風水的には良いらしいですよね」
ちひろ「そんなちょっとした下心ありで緑財布使ってるわけじゃないです」
雪美「P……小銭入れは……既に、緑色……ね」 ガマグチデスネ
-
748
モバP「キャンピングカーはロマンだなあ」カチカチ
雪美「……あ……これ……いい……」
モバP「軽トラックを改造したやつか。馬力がやや心配だが、リーズナブルだな」
ちひろ「買うんですか?」
モバP「見ているだけです」
ちひろ「賢明だと思います」
モバP「住所不定の渡り鳥生活は憧れますが現実的には難しいんだろうなと」
モバP「後は大型クルーザーを買って海の上で生活してみるのも夢です」
ちひろ「で、それらを経て、地に足が付いた、というか地に根差した家がやっぱり一番だ、と回帰するんですね」
モバP「そういうものですかねえ。移民宇宙船やメガフロート海上都市や地下都市にも憧れはありますが」
ちひろ「そこまで行くと個人レベルではない上にSFの世界ですね」
雪美「……P……全部……自分で……作れそう……」
モバP「キャンピング軽トラなら作ってみたいな。後ろを金の神輿のような装飾にしたりしてな」
ちひろ「宮型霊柩車かな?」
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