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【ガヴドロSS】サターニャ「ソードアート・オンライン?」

1以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/28(木) 00:50:07 ID:G2YbFmz.


オリジナル要素多数

64以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:37:52 ID:DSaBROtU
サターニャ「膝から血が出てるじゃないの! ほら、これを飲みなさい」

『で、でも…』

ヴィーネ「安心していいのよ。傷が治る薬だからね」

サターニャ「そうよ。遠慮はいらないわ!」

『ありがとう、ございんす…』

ヴィーネ「よしよし、ちゃんと飲めて偉いわね。あなたお名前は? お母さんかお父さんはどこ?」

『わっちはお粧由。禿でありんす故、母も父もいないんす」

サターニャ「かむろ…? それにいないってどういうこと?」

ヴィーネ「禿は吉原の女郎見習いのことよ。親がいないのも多分、色々理由があると思うわ」

サターニャ「よしわら? じょろう? 言ってることがよく分からないけど、それじゃこの子どうすればいいのかしら…」

ヴィーネ「そうね、聞いてみましょうか。ねぇ、あなたのお父さんとお母さんに代わる人はどこにいるのかな?」

『はっ…! そうでありんす! わっちは花魁様の元へ行かねばなりんすえ。先を急いでいんす!』

ヴィーネ「やっぱり花魁の所へ行く途中みたいだったみたいね」

65以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:38:43 ID:DSaBROtU
サターニャ「お、おいらん? 聞き慣れない単語ばかりで目が回りそうだわ…」

ヴィーネ「簡単に言うと仕事場の上司かしらね。とにかくこの子は行く宛があるみたいでよかったわ」

サターニャ「そうなのね。それじゃ私たちも再度アイテム探しの旅に出かけ──」

『あれっ!? ない! ないでありんす!』

ヴィーネ「ん、どうしたんだろ」

サターニャ「捜し物かしら?」

『花魁様の大切な簪がないんでありんす!』

サターニャ「かんざし? 何よそれ」

ヴィーネ「あんたって本当に何も知らないわよね…。簪っていうのは、髪をまとめるための道具よ」

サターニャ「そんなことまで知ってるヴィネットの方が珍しいと思うけど、まあいいわ。それで、簪とやらを落としてしまったの?」

『はい…。あれがないと花魁様に怒られてしまいんす…』

ヴィーネ「さっき私とぶつかった時に落としちゃったのかな。でも周りには何も落ちてないし…」

サターニャ「ここに来るまでに落とした可能性が高そうね」

『後生の頼みでありんす! 高貴な姫君方、わっちと共に花魁様の簪を探してくんなまし!』

サターニャ「探すって言われても、私たちには大事な用事があるんだけど…」

66以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:39:25 ID:DSaBROtU
ヴィーネ「こんな年端もいかない女の子の頼みを断る訳にはいかないわよ」

サターニャ「そうだけどさ。でも──」

『見つけて頂けたのなら、此方の反物を授けんす! 姫君方、どうかお願い致しんす!』

サターニャ「何を取り出して、って布? ヴィネット、これってもしかして…」

ヴィーネ「アイテムっぽいね。きっとこれを元に裁縫スキルで装備を作れってことだと思う」

サターニャ「そんなの私上げてないわよ…」

ヴィーネ「私は少し上げてるけど、この反物は高級そうね。私の熟練度だとまだ無理そう…」

サターニャ「もしかしてだけどこのボーナスクエストって、こうやって何かのフラグを立ててアイテムを回収しなければいけないってことなのかもね」

ヴィーネ「その可能性が高そうかな…。道理で探しても宝箱が見つからない訳よ」

サターニャ「これはもう、この子に従ってアイテムを頂くしかないわね。ヴィネット、勿論受けるわよね?」

ヴィーネ「当たり前じゃない! 頑張りましょう!」

『ありがとうございんす!』


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67以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:42:02 ID:DSaBROtU
〜第16層主街区 ブランシュ〜 カジノマチ

ガヴリール(初撃決着モードか。相手のレペルが分からない以上無闇に突っ込むのは無謀だが、後手に回るよりはマシだよな…)

ラフィエル「ガヴちゃん…」

ガヴリール(おっさんの武器は刀か。恐らく敏捷値に多く振ってあるNPCだろうし、レベルが互角なら力でいけそうか)

ガヴリール(後10秒。とにかく一撃で決めることに集中しよう。おっさんの刀をソードスキルで弾いて2発目を当てる意識で行こう)

『START』

ガヴリール(上段の構え…! こっちは──)

ガヴリール「うおおぉぉぉおお!」

【片手剣 バーチカル・アーク】

『小童の分際で猪口才な! 拙者の剣技、見るがいい!』

ガヴリール(早っ!? だけど慌てる程じゃない。力は私の方が上だと思う、予定通り初撃で刀を弾いて2発目を食らわせてやる!)

ガヴリール(おっさんのソードスキルがイマイチわかんねぇけどなんとかなるはず…!)

68以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:43:09 ID:DSaBROtU
ガヴリール「食らえおっさん!」

『ぬっ!? 小童よ、中々やりよるな』

ガヴリール(重っ!?)

ガヴリール「……ふんっ、大人しく斬られとけばいいのによ」

ラフィエル「ガヴちゃん、私の識別スキルだとこのおじさんはレベル15.6程度です。ですが油断しないで下さい!」

ガヴリール「わーってるよ、っと!」

ガヴリール(このおっさんは筋力に多く振ってるタイプだな。私の方がスピードは上だ)

ガヴリール(初撃で決まらなかった以上、こっからは手数で一気に押すしかないな)

ガヴリール(おっさんが次に放つソードスキルを見切ってその隙にぶち込んでやる…!)

『先の勢いはどうした? よもやよからぬ事を考えているのではあるまいな?』

ガヴリール「うっせぇハゲ。御託はいいから向かってこいよ」

69以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:43:57 ID:DSaBROtU
『……格の違いもわからぬ不届き者が。如何様にしてくれようぞ』

ガヴリール(このおっさんが喧嘩っ早くて助かるわ…)

ラフィエル(格の違いが分からないのは果たしてどちらなんでしょうね♪)

ガヴリール「ん? なんだ…? おい、刀納めんじゃねぇよ、戦わねぇのか?」

『傾奇者よ…。敵の心配をするなど笑止千万。お主は自身を案じた方がよいぞ』

ガヴリール「はぁ?」

ガヴリール(こいつ頭おかしいんじゃねえの?)

『ふっ…。虚けの戯言は聞くに耐えんと言うか。よかろう、ならばこれを食らうが良い』

ガヴリール「はぁ…」

ガヴリール(はよ来い)

ラフィエル(まだですかね)

70以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:45:35 ID:DSaBROtU
『見敵必殺の一太刀にて汝を切り捨てん…』

ガヴリール「へいへい」

『奥義、虎落笛!』

【刀スキル モガリブエ】

ガヴリール「やっぱスピードが足りねぇよ」

『な、に!? 拙者の奥義が容易く躱されるなど──』

ガヴリール「そんじゃ、今度はこっちの番ということで」

ガヴリール「うおりゃ!」

【片手剣 シャープネイル】

『ぐおぉぉお! 小童の分際で…! 無念……!』


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71以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:46:29 ID:DSaBROtU
ガヴリール「という訳で無事勝利!」

ラフィエル「お疲れ様です♪」

ガヴリール「まあ正直、初めに剣が交錯した時から勝敗はわかってたけどな」

ラフィエル「私もレベルが低すぎて笑いを堪えるのに必死でした♪」

ガヴリール「私もだよ。まあそれはさておき…。おい、おっさん」

『ひいぃぃい! 慈悲を! どうか主様の寛大なご慈悲を!』

ガヴリール「別に身包み剥ぎ取る訳でもないから落ち着けよ。私からの要求は特にないぞ?」

『……何故?』

ガヴリール「そう言われても、理由がないからな…。

『なんと有り難きお言葉…』

ガヴリール「でもその奥にある剣は貰っていいよな?」

72以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:47:29 ID:DSaBROtU
『左様でございます。どうぞ、お納め下さい』

『Bloody Angel』

ガヴリール「サンキュー!そんじゃ、もう用はないから帰るわ!」

ラフィエル「またどこかでお会いしましょう♪」

『拙者も此にて失礼仕る』

ガヴリール「ふぅ、ようやく1つ目のアイテムゲットだな」

ラフィエル「ですね♪」

ガヴリール「他のお宝もこんなに骨が折れるイベントばかりなのかな…」

ラフィエル「どうなんでしょう。先が思いやられます…」

ガヴリール「悪魔チームもそろそろいいアイテム手に入れてる頃だろう」

ラフィエル「ガヴちゃん、天使の意地もありますし負けられないですよ?」

ガヴリール「だな。よし、それならまたブラブラしながら宝を探しますか!」

ラフィエル「はい♪」


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73以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:49:43 ID:DSaBROtU
〜第16層主街区 ブランシュ〜 ニンギョウノマチ

サターニャ「ないわね…」

ヴィーネ「ないね…」

『どうしんしょ…』

ヴィーネ「ねえ、お粧由ちゃん。心当たりはないのかな?」

『心当たり…。1つだけありんす』

ヴィーネ「教えてくれる?」

『はい…。実は姫君方に無礼を働く数刻前、わっちは道に迷っていんした』

サターニャ「道に? ここに来たのは最近ってこと?」

『そうではありんせん。いつなる時も新造のお喜美と一緒でありんしたから。でありんすが、1人で外を行くのは初めてで…』

ヴィーネ「そっか…。それで迷ってしまったのね」

サターニャ「でもそこからかんざし、だっけ? それをなくす説明はつかないわよ」

74以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:50:38 ID:DSaBROtU
『わっちは何分不器用でありんす故、花魁様から見合う簪を頼まれたんす』

サターニャ「ふむふむ」

『迷った末、品を選んで金子を払ったことは覚えていんす…。そして釣り銭はなかったのでそのまま店を後にしんした」

ヴィーネ「そうなんだ……、あれ?」

サターニャ「……あんた、買った簪は受け取ったの?」

『……えっ?』

ヴィーネ「お粧由ちゃんの話だと、お金を払った後に簪を受け取っていないような気がするんだけど…」

『もしやわっちは貰ってきてない…?』

サターニャ「馬鹿じゃないの!? お金だけ払って何で目的の物を忘れるのよ!」

『お、おゆるしなんし…』

ヴィーネ「こんなに小さい子に馬鹿とか言わないの。サターニャだって商品受け取らずに外出たことあるでしょ?」

75以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:51:18 ID:DSaBROtU
サターニャ「言われてみればたしかに、先週もプレイヤーのフリマでそんなことがあったような…」

ヴィーネ「ゲームの中でもあるのね…。いつかこの世界で詐欺にあっても知らないわよ」

サターニャ「あ、あの時はたまたま忘れただけよ! そもそも相手もアイテムストレージ開けなんて言ってこなかったし!」

ヴィーネ「もう、しっかりしてよね…」

サターニャ「とにかく! そのお店に置いて来たと分かったのはラッキーね! すぐ向かいましょう」

ヴィーネ「お粧由ちゃん、そのお店に案内してくれる?」

『わかりんした!』


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76以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:52:38 ID:DSaBROtU
『姫君方、着きんした! ここでありんす!』

サターニャ「小間物屋、むらさきせん? へぇ、色んなものが売ってるわね」

『し・せ・ん、でありんす!』

サターニャ「あっ、紫せんね」

ヴィーネ「まあ難しいから間違えるわよね。仕方ないわよ」

『仕方ありんせん』

サターニャ「……なんか馬鹿にされてる気がするわね」

ヴィーネ「そんなことないわよ』

『そんなことないんす』

サターニャ「それならいいけど…。さて、それじゃこんなとこに突っ立ってないで中に入っちゃいましょ」

ヴィーネ「そうね」

『ごめんくんなまし! わっち、朝霧様の禿でありんす!』

サターニャ「朝霧様?」

ヴィーネ「どうやら人の名前っぽいけど…」

『ちょっと待てぃ、今行かぁ!』

77以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:53:47 ID:DSaBROtU
サターニャ「あ、誰かいるっぽいわね」

『よかった…』

ヴィーネ「それにしても流石江戸ね、凄い話し方だわ…」

『へいらっしゃい! お、誰かと思えばおめぇ、高尾太夫んとこの童じゃねぇか! えれぇ顔してどぉした?』

『実はさっき買ったばかりの簪を忘れたので取りに来んしたんでありんす! どこにありんしょ?』

サターニャ「そういえばどこにもないわね」

『簪? それはおめぇ、さっき買ったこの簪のことけぇ!』

『そうでありんす!』

『それならおめぇが持っていかねぇから売りモンにしたに決まってらぁ!』

ヴィーネ「えっ?」

サターニャ「ちょっと! なんでこの子が買ったものをまた売ってるのよ! 寄越しなさい!」

『そうでありんすぇ! 渡しておくんなまし!』

『べらぼうめぇ! この簪はオイラのでぃ! この童が買った証拠がどこにあらぁ!』

サターニャ「うぐっ…! そう言われると…」

『本当に買ったでありんすぇ…』

78以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:55:00 ID:DSaBROtU
『てやんでぃ! もう一度買いたいなら金貨1両出しやがれぃ!』

『そんな金子持っていんせん…』

サターニャ「ヴィネット、どうしたらいいのよ…」

ヴィーネ「大丈夫よ。証拠ならあるもの」

『なんでぃ小娘! 証拠があるんかぃ!』

ヴィーネ「えぇ。あなたが話したこと、それが証拠よ」

サターニャ「話したこと?」

ヴィーネ「あなたさっき、お粧由ちゃんが買ったって自分で言ったわよね?」

サターニャ「言われてみたら確かに…。あんたひどいじゃない! こんな小さな子からお金騙し取ろうとするなんて!」

ヴィーネ「そうよ。あなたの嘘はもうわかってるんだから、早くその簪を渡して」

『なんでぃ、オイラの口が悪さを仕出かしたって訳かい。仕方があるめぇ…。今日の所は渡してやっからもう帰んな!』

『まことでありんすか! ありがとうございんす!』

ヴィーネ「ふぅ、なんとか取り返せたわね。行こっか、お粧由ちゃん」

サターニャ「こんな店二度と来ないわよ! フンっだ!」

79以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:55:51 ID:DSaBROtU
『姫君方! 此度はまことに、まことにありがとうございんした!』

ヴィーネ「当然のことをしたまでよ。別に大したことしてないわ」

サターニャ「そうよ。これからは1人で街を歩く時は詐欺に気を付けた方がいいわ!」

『そうしんす!』

ヴィーネ「さてと、それじゃこれで一件落着ということで、お粧由ちゃんは花魁様の所に戻るのかな?」

『そうでありんす!』

サターニャ「気を付けて帰るのよ」

『でありんすがその前に、姫君方に此方の反物を授けんす!』

『鴇色の反物』

ヴィーネ「やった! 見てサターニャ、アイテムよ!」

サターニャ「ようやくって感じね。でも私は貰えてないけど、それって…」

ヴィーネ「活躍度とか関係あるのかな?」

サターニャ「酷くない!? 私だって活躍したわ! あれ? しなかったかしら…」

ヴィーネ「まあまあまだ1つ目だから」

サターニャ「それもそうね…」

80以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/07(木) 20:56:35 ID:DSaBROtU
『では姫君方!わっちはこれにて失礼致しんす!』

ヴィーネ「そっか、クエスト? が終わったから帰るのよね。気を付けてね」

サターニャ「今度会う時は、この大悪魔様のこともちゃんと評価してくれると助かるわ!」

ヴィーネ「何言ってるのよ…」

『ほんにありがとうございんした! それでは、おさればえ!』

サターニャ「お、おさればえ…?」

ヴィーネ「行っちゃった…。またね、って意味なのかな」

サターニャ「そうかもしれないわね。それにしてもこれで1つ目…」

ヴィーネ「想像以上に大変よね」

サターニャ「どの報酬もこんな感じなのかしら…。もっと楽に回収できるとばかり思っていたのに…」

ヴィーネ「私もよ。でも泣き言も言ってられないわ。早速だけど次を探しましょう」

サターニャ「そうね。レアアイテムは限られているもの、絶対に私たちの物にするわよ!」


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