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【ガヴドロSS】サターニャ「ソードアート・オンライン?」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 00:50:07 ID:G2YbFmz.
オリジナル要素多数
2
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 00:51:35 ID:G2YbFmz.
ガヴリール「よし、運良くみんな手に入れることが出来たな」
ヴィーネ「よかった…。限定1万本だったものね」
サターニャ「ふんっ! この大悪魔がいるんだもの、当然の結果だわ。でもこれってそんなに面白いの?」
ガヴリール「んー、まあ前評判がよかったから競争率凄かったんだろ」
ラフィエル「MMO、しかもフルダイブのVRなんて初めてですからね。ガヴちゃんに誘われたのがきっかけですけど、私は早く帰ってプレイしたいくらい楽しみですよ♪」
ヴィーネ「半ば強引に誘われた気もするんだけど…」
ガヴリール「細かいことは気にすんなって。それじゃそれぞれ家帰って、次はゲームの中で会おう」
サターニャ「そうね! これを手にするまでは睡魔にやられてたけど、一刻も早くプレイしたくなったわ!」
ヴィーネ「ガヴ、面白いからって徹夜してゲームなんてしないからね?」
ガヴリール「えー、なんで?」
3
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 00:52:20 ID:G2YbFmz.
ヴィーネ「当たり前でしょ。明日は家から引っ張り出してでも学校に連れていくからね」
ガヴリール「やだ」
ヴィーネ「あんたねぇ、子どもじゃないんだから…」
ラフィエル「まあまあ二人とも、その辺にしてください。ログインはもう出来るみたいですし、早くしないと出遅れちゃいますよ?」
ガヴリール「そうだったな! んじゃ、各自解散! ゲームの世界で会おう!」
ヴィーネ「ちょっとガヴ!」
サターニャ「行っちゃったわね」
ラフィエル「ガヴちゃんは相変わらず可愛いですね♪」
ヴィーネ「とりあえず私たちも帰りましょうか。話しはゲームの中でもできるんだし」
ラフィエル「そうですね♪ それじゃゲームの中で♪」
サターニャ「わかったわ」
────────────────────────
4
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 00:53:07 ID:G2YbFmz.
ガヴリール宅
ガヴリール「さてと、初期設定はこんな感じでいいか」
ガヴリール「これがナーヴギア…」
ガヴリール「ずっと発売されるのを待ってたんだ。意地でも1週間は部屋に篭ってやり続けてやる…!」
ガヴリール「ヴィーネは面倒くさいけど、知ったこっちゃないね」
ガヴリール「よっしゃ、それじゃ準備も出来たし行きますか!」
ガヴリール「LINK START!」
────────────────────────
5
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 00:54:47 ID:G2YbFmz.
〜第1層主街区 はじまりの街〜
ヴィーネ「あ、来た来た。サターニャこっちよ!」
ガヴリール「おせーぞ」
サターニャ「ごめん、迷っちゃったわ!」
ラフィエル「大悪魔様でも迷うことがあるんですね♪」
サターニャ「ゲームとか初めてだから仕方ないじゃない」
ヴィーネ「でもここ、ほんとに広いわよね。しかも凄いリアル…」
6
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 00:55:28 ID:G2YbFmz.
サターニャ「それにさっき窓に映る自分の顔見たら全然違うし」
ラフィエル「あらっ? サターニャさんはいつも通りじゃないですか」
サターニャ「えっ? どっからどう見ても違うと思うんだけど…。でもあんた達、よく私だってわかったわね」
ガヴリール「そりゃまあ、馬鹿なオーラが溢れてたからな」
サターニャ「なによ! ゲームなんだからそんなこと有り得ないでしょ!?」
ヴィーネ「喧嘩しないの。とにかく4人揃ったことだし、ガヴ、まずは何をすればいいの?」
ガヴリール「そうだな、とりあえずこういうゲームはレベルを上げて強くならないと話にならないからな。フィールドに出てモンスターでも倒すか」
ラフィエル「早速戦闘ですね。頑張ります♪」
────────────────────────
7
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 00:56:30 ID:G2YbFmz.
〜第1層〜 西のフィールド
ガヴリール「ヴィーネ! そっち行ったぞ!」
ヴィーネ「きゃっ!? このイノシシみたいなの早いわね」
ラフィエル「ヴィーネさん落ち着いてください♪ 一層目のモンスターなので、ゆっくり倒しましょう」
サターニャ「ゲームの中だから走っても全然疲れないわね! ヴィネット、私が代わりに倒してくる!」
ヴィーネ「気をつけてね!」
ガヴリール「…あいつ元気だな」
ラフィエル「サターニャさんは体を動かすことだけは得意ですからね」
サターニャ「ふっふーん、そんな突進当たらないわ! うりゃっ! …ってうわぁ!?」
【片手細剣 リニアー】
ヴィーネ「えっ!? 今サターニャの剣光ったわよね!?」
8
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 00:57:19 ID:G2YbFmz.
ラフィエル「えぇ。魔法…でしょうか。それに凄いスピードでしたね。イノシシが一撃です」
ガヴリール「ソードスキルってやつじゃないかな」
サターニャ「ちょ、今の何!? 私の動きめちゃくちゃ早くなかった!?」
ガヴリール「落ち着けって。さっきのサターニャの突進はソードスキルってやつだよ」
ヴィーネ「それは何なの?」
ガヴリール「んー、私も詳しくは知らないんだけど、説明書に書いてあったんだよね」
サターニャ「説明書? 私はそんなもの読んでないわよ?」
ガヴリール「読まなくてもスキルは発動するからな」
ヴィーネ「それじゃサターニャは偶然見つけたってことになるわね…」
ラフィエル「凄いですサターニャさん♪」
9
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 00:58:10 ID:G2YbFmz.
サターニャ「そ、そう? ま、大悪魔の手にかかればこれくらいは当然よ!」
ヴィーネ「それでソードスキルの説明は他にないの?」
ガヴリール「確か読んだ限りだと、剣や投擲、体術なんかにもソードスキルがあるらしい。武器ごとに色々あって、今のサターニャのスキルは細剣術のリニアーってやつだと思う」
ラフィエル「ということは、私が持ってる武器ではリニアーというスキルは使えないということですよね?」
ガヴリール「そういうことになるな。ラフィエルの武器は斧だからリニアーは使えないってことになる」
ヴィーネ「なるほどね。結構ゲームって難しいわね」
ガヴリール「慣れるまでは大変だろうけどその内覚えるよ」
サターニャ「あんまりわからないけどわかったわ! とにかく強くなればいいのよね!」
ガヴリール「……面倒だからお前はそれでいいよ」
10
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 00:58:58 ID:G2YbFmz.
ラフィエル「すみませんガヴちゃん、お話が変わるのですが、目の前に表示されてるものは何なのでしょう…」
ヴィーネ「私も聞きたかったわ。色々書いてあるみたいだけどさっぱりわからないわ…」
ガヴリール「あぁ、それはモンスターを倒したから報酬を貰いましたよっていう通知みたいなもんだ」
サターニャ「報酬?」
ガヴリール「基本的にゲームはモンスターを倒せばお金とアイテム、それに経験値が貰える仕組みになってるからな」
ヴィーネ「そうなんだ。それじゃ今表示されているのは──」
ガヴリール「6コル、は恐らくお金のことだろうな。それと経験値も書いてあるけど、アイテムはドロップしてないか」
サターニャ「あれっ? 私は8コルよ」
ヴィーネ「私は3コルしか貰ってない…」
ラフィエル「私は5コルですね。ガヴちゃん、何故差があるのでしょう」
ガヴリール「多分貢献度じゃないか? 誰がどれだけダメージを与えたか、っていうのをプログラムが判断してるんだと思う」
11
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 01:00:27 ID:G2YbFmz.
サターニャ「それじゃどんどん敵と戦った方がいいってことね!」
ガヴリール「確かにその戦い方だと稼げるし強くはなるけど、HPがゼロになっても知らないからな」
サターニャ「なによ。ゼロになればどうなるの?」
ガヴリール「デスペナルティがつく」
サターニャ「ですぺる?」
ガヴリール「デスペナルティな。このゲームのデスペナルティがどんなものかは知らないが、簡単に言えば倒されると、持っているアイテムを失ったりレベルが落ちたりするんだ」
ヴィーネ「そうなんだ。それじゃなるべくゼロになるのは避けないといけないってこと?」
ガヴリール「そういうことになるな。場合によってはしょうがないデスもあると思うから、そこは臨機応変に対応しないとだけど」
サターニャ「うぅ…。さっきから新しいことばかりで勉強してる気分になるわね…」
ラフィエル「確かに、ゲームと言っても情報が大事ということなのでしょうか」
ガヴリール「ラフィエルいい事言った! そうなんだよ。ゲームで強くなるためには情報がとにかく大事なんだ。そのためにはまず──」
12
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 01:01:26 ID:G2YbFmz.
ヴィーネ「っとごめんガヴ、その説明の前にちょっといい?」
ガヴリール「ん、なんだ? これから強くなる上で最も大事なことを話すんだけど」
ヴィーネ「それは現実世界でご飯食べてからにしない? だってほら、もうお昼の1時よ?」
サターニャ「そうね。現実の私はきっとメロンパンを欲しているに違いないわね」
ガヴリール「飯なんて食わなくていいだろ。1食くらい抜いても死にはしない」
ヴィーネ「駄目よ、きちんと3食食べなきゃ。それにゲームが発売されたからって、今日は徹夜なんてさせないからね」
ガヴリール「チェッ、ったくしょうがないな。30分だけだぞ」
ラフィエル「せめて1時間は欲しいです」
ガヴリール「えー、もう…。それじゃ1時間でいいよ。私は落ちないしとりあえず早く戻ってきてくれ」
サターニャ「私がいないからって、あんな雑魚にやられるんじゃないわよ」
ガヴリール「誰がサターニャの手なんか借りるかっての。ほれ、さっさと落ちろ」
サターニャ「言われなくても帰るわ──あれっ?」
13
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 01:02:51 ID:G2YbFmz.
ガヴリール「…? 何してんだよ。早く行けってば」
ヴィーネ「……ちょっと待って。あれっ? ガヴ、このゲームってどこからログアウトするの?」
ガヴリール「ん、あぁ言ってなかったっけ。手を上から下に振り落とせばウィンドウが──」
ラフィエル「やってもないんですよ。どこを見てもログアウトボタンが」
ガヴリール「そんな訳ないだ……ん? ほんとだ、ないな」
サターニャ「でしょ? もう、どうなってるのよこれ…」
ガヴリール「GMにもメッセージ飛ばせないみたいだ…。バグか?」
ヴィーネ「バグ? なんなのそれ」
ガヴリール「不具合みたいなもんだよ。まあなんにせよ、復旧するまでは現実世界に戻れないってこと」
ヴィーネ「えっ!? 嘘、午後から雨の予報だったから洗濯物取り込まなくちゃいけないのに!」
ガヴリール「不具合なんだから仕方ないだろ。多分運営は今頃てんやわんやだろうな」
ヴィーネ「そんな…。早く復旧してくれないと困るわ…」
14
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 01:04:02 ID:G2YbFmz.
ラフィエル「こればかりは仕方ないですよね…。私も外に干しているので戻ったらまた洗濯しないといけないのでしょうか…」
サターニャ「私は……特にやらなきゃいけないことはないわね」
ガヴリール「ま、しょうがないからもう少し戦いに慣れておこうぜ」
サターニャ「仕方ないわね。こうなったらもう少しあんたに付き合ってあげ──」
ゴーン ゴーン
サターニャ「きゃっ!? な、何、この鐘の音?」
ラフィエル「気味が悪いですね…」
ヴィーネ「不具合のアナウンスとか?」
ガヴリール「わからない、でも何かあるんだろう」
サターニャ「ガヴリール、一度街に戻った方が良さそうじゃな──」
ヴィーネ「サターニャ!? なに、あの子どこへ行──」
ラフィエル「えっ!? お二人共どちらに──」
ガヴリール「おい! くそっ! なんなんだよ、 一体何が起きて──」
────────────────────────
15
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 01:04:50 ID:G2YbFmz.
ラフィエル「ガヴちゃんこっちです!」
ガヴリール「みんな! よかった、お前ら無事か」
サターニャ「いきなり変な所に連れてこられるなんてなんなのよ…」
ヴィーネ「それにそこら中にプレイヤーが集まってるみたいだけど、やっぱりGMから連絡があるのかな」
ガヴリール「いや、それならメッセージが来るはず」
サターニャ「だったら何が始まるっていうのよ」
ガヴリール「そんなの私に聞かれても──」
『おいっ! 空に何か出てるぞ!』
ガヴリール「ん、空?」
ラフィエル「ほんとですね、何か降ってきました」
ヴィーネ「モンスター、じゃないわね…。あれがこのゲームのGMっていう人なのかな?」
サターニャ「だとしたらやっぱり説明が──」
16
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 01:05:42 ID:G2YbFmz.
『プレイヤーの諸君、ようこそ私の世界へ。私がGMの茅場明彦だ』
ガヴリール「私の、世界…?」
『既に諸君の中にも気付いている者がいるかもしれないが、このゲームにはログアウトボタンがない』
サターニャ「やっぱりその話だったのね。よかった──」
『しかしそれは不具合ではない』
ヴィーネ「……えっ?」
『繰り返す。ログアウトボタンがないのは不具合ではなく、ソードアート・オンライン本来の仕様である』
ガヴリール「仕様、だって…?」
『このゲームはログアウトは出来ず、ゲーム内でHPがゼロになったその瞬間、君たちの頭に付けられているナーヴギアから脳に高出力マイクロウェーブが照射され、脳を破壊する』
ヴィーネ「そんな、嘘よね…。ガヴ! そんな出鱈目ないわよね!?」
ガヴリール「そんなのわかるかよ!」
17
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 01:07:32 ID:G2YbFmz.
『既に1万人いたプレイヤーの内、304人がゲーム及び現実世界で息を引き取っている』
ラフィエル「ありえません…! そんなこと、あってはなりません!」
『もう一度だけ伝える。この世界でHPがゼロになった瞬間、現実世界にいる君たちも絶命する。これはゲームであっても遊びではない』
サターニャ「なによそれ…!」
『諸君がこの世界から解放される条件はただ一つ、この浮遊城アインクラッド100層のボスを倒すことのみ』
『以上で説明を終了するが、最後に私から諸君にちょっとしたプレゼントをアイテムストレージに送った。それでは、頑張ってくれ』
ガヴリール「手鏡…? なんだこれ──」
ヴィーネ「今度は何!? 突然光が!?」
サターニャ「うっ…! みんな大じょう──えっ!? ガヴリール、それにあんたたちも顔が戻ってるわよ!」
ラフィエル「えっ!? あ、サターニャさんもです!」
18
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 01:08:27 ID:G2YbFmz.
ガヴリール「何がしたいんだあいつ…!」
ヴィーネ「ログアウト出来ないってどういうことなの…。それにHPがゼロになったら──」
サターニャ「で、出鱈目に決まってるじゃない! そんなに驚いて馬鹿じゃないの」
ラフィエル「でも既に300人以上が亡くなってるって言ってましたよね…」
サターニャ「あ、あいつがそう言ったからって素直に信じるっていうの!?」
ヴィーネ「とても嘘とは思えないわ」
サターニャ「ヴィネットまで…。ガヴリール! あんたはどう思ってんのよ」
ガヴリール「……私も本当だと思う」
サターニャ「そんな…」
ガヴリール「とにかく一旦冷静になろう。街の中ではダメージを受けないんだ、どこか落ち着いて話せる所に場所を移そう」
ラフィエル「そうですね…」
────────────────────────
19
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 01:09:31 ID:G2YbFmz.
〜第1層 はじまりの街〜 街の外れ
ガヴリール「とりあえず今わかっていることはこのくらいか…」
サターニャ「HPがゼロになると現実世界の私たちも絶命する。100層のボスを倒すことでしかこのゲームから出られない。プレイヤーは残り9700人弱。ね」
ガヴリール「ほとんど何もわかってないな…」
ラフィエル「そうですね…。それにしても信じられません。ゲームで倒されると現実でも…」
ガヴリール「だな、確かに信じられない。けれど、これはもう現実なんだ。クリアすることでしか私たちは外に出られない。受け入れるしかないんだよ」
ヴィーネ「……嫌よ。嫌」
サターニャ「ヴィネット?」
ヴィーネ「なんで死ななきゃいけないの!? これはゲームなのよ!? なんで! なんでよ!」
ガヴリール「ヴィーネ落ち着け!」
ヴィーネ「落ち着ける訳ないでしょ!? あんた気付いてる? 私たちさっきまでモンスターと戦ってたのよ!? もしあそこでHPがゼロになってたら私たち死んでたんだよ!」
ガヴリール「んなことわかってるよ!」
20
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 01:10:41 ID:G2YbFmz.
ヴィーネ「嘘、そんなの嘘よ! ガヴ、あんたは何もわかってない。さっきまで私たちの目の前に死が近付いてたの! これがどういう意味かわかってる!?」
ラフィエル「ヴィーネさん、一度冷静になりましょう、ね?」
ヴィーネ「ラフィーは黙ってて!」
サターニャ「ちょっとヴィネット──」
ヴィーネ「サターニャも黙って! とにかく私はもう嫌。元々ゲームなんて嫌いなのに、なんでこんなことに巻き込まれなきゃいけないのよ!」
ラフィエル「ヴィーネさん…」
ヴィーネ「……私、もう決めたから」
ガヴリール「何をだよ」
ヴィーネ「私もう、この宿屋から出ない」
ガヴリール「はぁ? 何言ってんだ。クリアしないとこのゲームから出られないんだぞ?」
ヴィーネ「そんなこと知ってるわよ! でも街から出たら死ぬのよ!」
ガヴリール「だからってクリアしないと元の世界には──」
ヴィーネ「死ぬよりはマシでしょ!?」
ガヴリール「……」
21
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 01:11:46 ID:G2YbFmz.
ヴィーネ「モンスターに倒されるくらいなら、私はここで死んだように生きてる。そうすればいつかは出られるはずでしょ? ……私は怖い、もう嫌なの。それに比べてあんたはいいじゃない、ゲームが好きなんだからさ」
ガヴリール「……私だって怖いよ」
ヴィーネ「えっ…?」
ガヴリール「ヴィーネ。私だってさ、怖いよ。やだ、死にたくない」
ヴィーネ「ガヴ…」
ガヴリール「それは多分、ラフィエルもサターニャもそうだと思う」
ラフィエル「その通りです。ヴィーネさん、私も怖いんですよ? 死にたくありません」
サターニャ「わ、私は別に? この大悪魔、胡桃沢=サタニキア=マクドウェルがモンスター如きに倒される訳ないから、これっぽっちも怖くないけど?」
ガヴリール「声震えてるぞ」
サターニャ「うっさいわね! 怖くて悪かったわね!」
ヴィーネ「ラフィー、サターニャ…」
22
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 01:12:47 ID:G2YbFmz.
ガヴリール「みんな怖いんだよ。でもさ、クリアしないと現実に戻れないんだ。私は天界に、ヴィーネは魔界に二度と戻れないのは嫌だろ?」
ヴィーネ「……うん」
ガヴリール「やるしかないんだよ。私たちの現実は今からここなんだ。ゲームの中が、私たちが今を生きている場所なんだからさ」
ラフィエル「そうですね。恐らく家族にも連絡は行っているでしょうし、ヴィーネさんの御家族も心配していると思いますよ?」
サターニャ「ヴィネットはお父様やお母様に会いたくないの?」
ヴィーネ「……会いたいわ」
ガヴリール「ヴィーネ、腹を括ってくれ。私たちは1人じゃないんだ。助け合って生きていけばその内クリアできる」
ラフィエル「そうですよ♪ こちらには大悪魔様もいらっしゃいますし。ね、サターニャさん?」
サターニャ「うえっ!? そ、そうね。そうよ、ヴィネット! 私があんたを守ってあげるわ!」
ヴィーネ「……みんな、ありがとう。怖くて足が震えるけど、私も戦うわ」
ガヴリール「みんな不安なのは一緒なんだ。協力して頑張ろう!」
サターニャ「えぇ!」
ラフィエル「はい♪」
ヴィーネ「そうね!」
────────────────────────
23
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 01:14:29 ID:G2YbFmz.
────────────────────────
ガヴリール Lv1 片手剣
ヴィーネ Lv1 両手槍
サターニャ Lv1 片手細剣
ラフィエル Lv1 両手斧
────────────────────────
24
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 22:31:17 ID:WNjo6LJU
〜第1層 トールバーナ〜
ガヴリール「ようやく着いたな」
ヴィーネ「綺麗な所ね。日本とは違う街並みはワクワクしちゃうわね」
ラフィエル「そうですね♪ 今日はもう日も落ちてきてますし、早めに寝場所を確保した方が良さそうです」
サターニャ「この街にはメロンパン売ってあるかしら…」
ガヴリール「最前線はもう2層に行ってるみたいだし、思ったより人が少ないな。…よし、とりあえずラフィエルの言う通り今日の寝床を探すか。私、ちょっとそこらのNPCに聞いてくる」
ラフィエル「ありがとうございます♪ それにしてもあれから2ヶ月経ってようやく2層…。ペース的には遅いですよね」
ヴィーネ「そうね。でも私たちも最前線に立ってる訳じゃないんだし、人のせいには出来ないわ」
サターニャ「ゆっくりでもいつかクリア出来るんだから大丈夫よ」
ラフィエル「そうですよね。いつかは帰れますよね…」
ガヴリール「おーい、どうやら向こうに安い所があるらしいぞ」
ヴィーネ「ガヴが呼んでるわね、行きましょうか」
────────────────────────
25
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 22:32:18 ID:WNjo6LJU
サターニャ「……結構ボロい所だったわね」
ガヴリール「文句言うなよ。あっちの私の部屋よりはマシだったぞ?」
ヴィーネ「胸張って言うことじゃないでしょ…」
ラフィエル「お金は持っていた方がいいですからね。最初の内は節約ですよ♪」
ガヴリール「その通りだ、泊まるとこなんかよりも装備やアイテムの方が何倍も大切だからな」
サターニャ「それはそうだけど…」
ガヴリール「まあ何にせよ、話すのは飯食いながらでもいいだろ。街の中央には酒場も結構あったし行ってみよう」
ラフィエル「そうですね、お腹空きました♪」
ヴィーネ「あんた今日はお酒飲まないでよね」
ガヴリール「……それは約束できないな」
────────────────────────
26
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 22:33:46 ID:WNjo6LJU
〜第1層 トールバーナ〜 とある酒場
ガヴリール「よっしゃ、それじゃ今日もみんなお疲れさん。新しい街に着いたことを祝して乾杯!」
サタラフィ「かんぱ〜い!」
ヴィーネ「かんぱ──って結局飲むんじゃない!」
ラフィエル「まあまあ固いこと言わずに♪ ほらヴィーネさん、このピザ美味しいですよ?」
ヴィーネ「そうは言ってもね…。あ、ほんとだ、美味しい」
サターニャ「ぷはぁ! 店員さん、このワインもう一杯頂くわ!」
ヴィーネ「早っ。サターニャ相変わらずいい飲みっぷりね」
サターニャ「ふふーん、そうでしょ? これぞ大悪魔に相応しい嗜みってやつよね!」
ヴィーネ「そこはよくわからないけど」
ラフィエル「でもお酒って不思議な感じですよね♪ あちらでは未成年だと飲めませんし、酔うという感覚を疑似体験できるのは楽しいです♪」
27
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 22:35:06 ID:WNjo6LJU
ヴィーネ「それには同意できるわね。体も温かくなってくるし、気分が高揚するっていうのかしら。ほんと不思議な感覚──」
ガヴリール「いぇーい! みんな楽しんでるー?」
ヴィーネ「またか…」
ラフィエル「始まりましたね♪」
サターニャ「もう見慣れたわ」
ガヴリール「みんな元気なくない? どうしたの、楽しもうよー!」
ヴィーネ「はいはいわかったから、あんたは次からジュース飲みなさい」
ガヴリール「えー、なんで!? みんなでハッピーになれるんだから飲むの!」
ヴィーネ「あんたは子どもか!」
ガヴリール「子どもだもん! まだJKだもん!」
28
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 22:36:53 ID:WNjo6LJU
ヴィーネ「はあ…。いいからこれでも飲んでなさい…」
ガヴリール「お、ありがと! ヴィーネから飲ませてくれるなんて珍しいね!」
ヴィーネ「偶にはね…」
ラフィエル「うふふ、お疲れ様です♪ ヴィーネさんは最近、酔っ払いガヴちゃんの扱いが上手くなってきてますね♪」
ヴィーネ「こう毎日飲んでると流石にね」
サターニャ「……なんでガヴリールはアルコールに耐性がないのに飲むのかしらね」
ヴィーネ「それが謎なのよね。……あー、ワインが染みるわ」
ラフィエル「ヴィーネさん、なんだかおじさんみたいですよ?」
ヴィーネ「えっ!? そんな…!」
サターニャ「ヴィネットは将来お酒に依存すらかもしれないわね」
ヴィーネ「サターニャまで! ちょっと控えた方がいいのかしら…」
サターニャ「まあお酒はほろ酔いがいいって言うし、心配する程でもないんじゃないかしら」
ヴィーネ「そうよね…」
29
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 22:37:51 ID:WNjo6LJU
ガヴリール「みんな辛気臭い顔してどうしたのさー? こんなに楽しい夜にそんな顔してちゃ損だよ」
ヴィーネ「誰のせいでこうなってると思ってんのよ…」
ラフィエル「ガヴちゃんのお酒飲んでる時だけは羨ましいですよね」
サターニャ「全くね。……あ、すみませーん。ワインもう一杯頂けるかしら」
ガヴリール「私も!」
ヴィーネ「お前はもう止めろ」
ラフィエル「ガヴちゃん? このブルスケッタ美味しいので食べましょうね?」
ガヴリール「んぐっ!? んぅっ、うん、美味しい!」
ヴィーネ「全く、もー。……サターニャ、後でこっそりお水頼んで頂戴」
サターニャ「わかったわ」
ラフィエル「やれやれですね♪」
────────────────────────
30
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/28(木) 22:41:16 ID:WNjo6LJU
ガヴリール「あ゙ー、みんなおはよ。今日も張り切って行くか」
サターニャ「……あんた大丈夫?」
ヴィーネ「いつものことでしょ。心配するだけ無駄よ」
ガヴリール「ったく、二日酔いのシステムいらねぇだろ」
ラフィエル「ワイン1杯でこうなるのは凄いです♪」
ガヴリール「何言ってんだ? あんまり覚えてないけど3杯は飲んでなかったか?」
ヴィーネ「確かに飲んでたわ。2杯目からは水をね」
ガヴリール「嘘だろ!? 全然気づかなかった…」
サターニャ「美味しいって言いながらずっと水を飲んでたあんたは滑稽だったわ」
ガヴリール「言うな! 忘れろ馬鹿!」
ヴィーネ「馬鹿はあんたの舌でしょ…」
ラフィエル「まあその辺にしましょう♪ 今日は1層の迷宮区に行くのですから」
ガヴリール「…そうだな、こんな軽い気持ちで行ったらやられちまう。みんな気を引き締めて行くぞ」
サターニャ「1番気を引き締めなければいけないのは誰かしらね…」
────────────────────────
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