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モバP「雪美さんといっしょ」
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あと、割となんでもありです
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ちひろ「雪美ちゃんが虎系アイドルに進化するかもしれないことが分かったところで」
ちひろ「凛ちゃんは犬系じゃないんですか?」
凛「ハナコは好きだけど、私自身が犬系という自覚はあまりないかな」
凛「というか人によっては失礼になったりするからね。犬はまだしも猪系ってどうなのと」
茜「私は光栄です! 猪は鍋にすれば牡丹鍋、つまり私は牡丹系ということでもあります!」
凛「牡丹の花言葉は高貴・富貴・王者の風格、か」
モバP「猪のバイタリティーと牡丹の貴さを兼ね備えた素晴らしいアイドルという訳だな」
茜「照れますね! この情熱を昇華させる為にここは一つ、走ってきます! ボンバー!!」
「……」
モバP「茜が王様だったら多分前線で戦う王様なんだろうなあ」
雪美「……P、今夜は……鍋料理……食べたくなった」
モバP「おっ良いね。仕事終わったら買い出し行くか!」
凛・ちひろ「君たち同棲でもしてるの?」
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モバP「おはよう」
雪美「おはよう……」
モバP「ハハハ、今日も調子良さそうだな」
雪美「ハハハ……今日も……調子……良さそう……だな」
モバP「むむっ!」
雪美「むむっ……」
モバP「……ヘーイ! 今日も世界レベルに酔い痴れなさい!」
雪美「……ヘーイ、……今日も……世界レベルに……酔い痴れなさい……」
モバP「……」
雪美「……」
ポスン
モバP・雪美「……ふー」マッタリ
ちひろ「真似しない方が良いタイプの大人ですね」
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モバP「……」ナデナデ
雪美「……」ニコニコ
ありす「……」ムー
ありす「雪美さん。髪は女の命、というのに遠慮なく触らせすぎじゃないですか?」
雪美「……そう?」
ありす「決して私も、撫でてほしいとか、そういう訳じゃないですからね」
モバP「素直じゃない奴よのう、橘はん」
ありす「ありすです! ……おっと間違い、橘で良いんでした? ……いや良くないです!」
ありす「とにかく! 私も撫でてください!(錯乱)」
モバP「即落ち良いぞ〜」オイデオイデ
ナデナデ
ありす「ううう……///」
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ありす「……これ、良いですね。Pさんは太陽の手の持ち主ですか」
モバP「俺はパン職人じゃないぞ」
雪美「P……私も……もっと……」
モバP「よしよし。いやあ、両手に花とはこのことよ」ナデナデ
ありす「で、実際のところPさんには、遠慮とか無いんですか?」
モバP「そりゃあ、撫でるのはこういうことを許してくれる親密な女性だけだな」
ありす「親密……悪い気は、しませんね」
雪美「私は……Pに……命を……預けている……だけ」
ありす「上には上がいる……」トオイメ
ガチャ
桃華「あら、いらしたのPちゃま。おや……わたくしも撫でてくださいまし」
莉嘉「あっ、いーなー! 私もPくんに撫でてもらうっ!」
ありす「……”親密な女性”、多いですね?」ジトッ
ちひろ「ここまで雪美ちゃんを膝に座らせていることについてはツッコミないんですねえ」
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モバP「雪美、イベントおつかれさま」
雪美「……」ニコ
モバP「コラボでPSO2のフォニュエールの格好だもんな。よく似合っているよ」
雪美「……」キラキラ
モバP「しかしまあ、よく作られてはいるが動き辛くなかったか?」
雪美「大丈夫……軽い……」
モバP「なるほどな……特殊メイクで耳なんかこんなに長くなっちゃって」
雪美「……ドキドキ……する?」
モバP「ドキドキ……どちらかというとワクワクかな。夢が広がる」
雪美「……なら、このままで……ちょっとだけ……」スリスリ
モバP「……そこまでされると、ドキドキもするなあ」 フフッ ハハハ
事務所のちひろ「お茶がうめェ」ズズズ
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今日はここまで
今日もいい天気☆
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乙ボンバー
PSOは2じゃないけどep1&2の方をやったことがあるからフォニュエールと聞いて懐かしい気分になった
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雪美「……」ジー
モバP「アンニュイというか、ポーカーフェイスな雪美さん」
モバP「見惚れるねえ」
雪美「……私も……あなたに……見惚れている……」
モバP「しかも所作が優雅」
雪美「……そう?」
モバP「こうして見つめ合っていても、飽きないものだね」
モバP「……その目の色は何と形容したら良いのか。茜色?」
雪美「赤茶……?」
モバP「レッドアゲートっぽくもある……どれ、もっと近くで見せておくれ」スッ
雪美「うん……」ドキドキ
モバP「……綺麗だなあ」
ちひろ「それ以上やると白目を剥くことになるかもしれませんよ?」
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モバP「ペロ、ゴキゲンかい?」
ペロ「ニャー」
モバP「ふぅ〜む、なるほどなるほどなるほどー」
ペロ「ンギャア」
モバP「そうですね。確かにそう思います」
ペロ「……」
雪美「……」
雪美「……分かったふり……ダメ」
モバP「さすがに雪美さんにゃバレちまいやすか」
ペロ「ニャーゴ」
雪美「ぼくと……話をするには……まだ……LOVEが足りない……、だって……」
モバP「LOVE……Level Of ViolencE?」
ちひろ「愛だよ愛!」
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ちひろ「最近、お二人って割と息が合っているというか、本質が似ているような気がしてきました」
雪美・モバP「……?」
ちひろ「兄妹とかじゃないですよね」
雪美「違う……」
モバP「何を仰いますかちひろさん。雪美が妹……ひらめいた!」
ちひろ「通報した。……ってそりゃそうか」
雪美「実は……Pは……私の……操り人形」
ちひろ「まさかそんな。いくら雪美ちゃんの手にリモコンがあって、プロデューサーさんの頭にアンテナが刺さっているからって……ん?」
雪美「……ふふっ」
モバP「あなたは誰の意思で動いているんですか、ちひろさん?」ニヤ
――
ちひろ「――はわっ!?」ガバッ
ちひろ「……おのれ、こんな夢を見てしまうとは」
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モバP「別館のトレーニングジムに温水プールができたらしいな。雪美さんは泳ぎの方は?」
雪美「……泳げますん」
モバP「はぐらかすか。大丈夫だ、幸子だって泳げるようになったぞ」
雪美「……鬼コーチ?」
モバP「スパルタ希望ならね。こう見えても昔、少し水泳をやっていたのだ」
雪美「……ふふ、……私も……泳げる」
モバP「あら残念。それなら雪美のインストラクターにならなくても良いか」
雪美「だめ……いっしょに……泳ぐ……」ギュッ
モバP「じゃあ、時間がある時に一緒に行くか」
雪美「うん……今でも……良い」
モバP「おお、やる気だな。えー、水着やタオルは買えるんだったかなっと」
雪美「……」ドキドキ
-
――
モバP「おまたせ」
雪美「……」キラキラ
モバP「競泳水着……ええのう!」
雪美「……///」
モバP「恥じらって顔を背けるところがレディーだねえ」
櫂「来て早々イチャついてるね。良いけど、準備運動はしっかりね」
モバP「おお、櫂か。水ある所に櫂ありとはよく言ったもんだ」
櫂「やっぱりあたしは水を得てこそ魚になれる気がするんだ」
雪美「……櫂……水着……似合う……」ポー
櫂「……競技とかでずっと着てきたタイプでも、改めて言われると恥ずかしいなあ」アハハ
モバP「例えば体育系と文化系でも、それぞれに無い良さがある。雪美も似合っているぞ」
雪美「……うれしい」 オオアツイアツイ
-
――
モバP「ふー、泳いだ泳いだ。カロリーばっちし消費しましたよ」
雪美「P……」ピトッ
モバP「ひゃうんっ!」
七海「何気持ち悪い声を出しているのれすか」
モバP「七海か。不意打ちに弱くて悪いかい」
雪美「……ふふふ……水も滴る……P」ツツー
モバP「雪美、気分が乗ると体が熱くなるのは分かるが、頭も熱くなってないよな?」
七海「止めた方が良いんれすかね?」
モバP「いや、大丈夫だ。それより七海もカナヅチだったが、そこそこは泳げるようになったんだな」
七海「本当にそこそこれすね〜。浮いてる方が合っています〜」
モバP「まあバラエティーだとまだ泳げないことになってたりするな。幸子とか」
七海「その方がキャラが立ちますからね〜」
-
七海「ところで温水プールに魚は泳いでいないのれすね〜」
モバP「一体何を放流させるつもりだ。熱帯魚とか?」
七海「ちょっとしたマリンジョークれすよ。何ならイルカと一緒に泳げませんかね〜♪」
モバP「イルカは哺乳類だろ」 テヘヘ
雪美「……P」ユサユサ
モバP「どした」
雪美「……Pに……乗せてほしい……」
モバP「プールサイドとはいえ、滑り落ちたりしないよな?」
七海「それ以前の問題れす」
ポスン ダキッ
雪美「……///」パシャパシャ
モバP「雪美さんはとてもうれしそうだ」
七海「むーっ……海の女は嫉妬深いのれすよ〜。ふぅっ!」
モバP「あぁっ、耳やめて」ゾクゾク
-
――
シャー キュッキュッ
モバP「シャワーが気持ち良かったな」
雪美「うん……」
モバP「着替えたら、何か飲もうか」
雪美「うん……。疲れたけど……さっぱり……した」
モバP「良かった。まあ、程々に、また来ような」
雪美「……?」
モバP「本格的に水泳やると肩幅が広くなる子もいて、女子はそういうのを嫌がる場合もある」
雪美「……なるほど……。でも……潜るなら……たぶん……大丈夫」
モバP「雪美は泳ぎより潜りメインか。肺活量あるからなあ」
雪美「潜水は……得意」フンス
モバP「競泳水着で胸を張る、濡れた髪の雪美さん――控えめに言って女神ですね」
雪美「……それ、いいすぎ」ニコ
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モバP「お便りが来ているのでご紹介したいと思います」
モバP「神奈川県T.Mさん。……雪美ちゃん、ちひろさん、白と黒が無いパンダ、こんにちは」
雪美「こんにちは……」
モバP「白と黒が無いパンダって何が残るんですかね?」
モバP「……えー、お二人は大変仲が宜しいようですが、質問です。雪美ちゃんが反抗期になったらどうしますか? 私は一時期荒れていて、そのことを少し後悔しています」
雪美「反抗期……」
モバP「うちの雪美さんに限ってそんなことは……」
雪美「無いと……言える?」
モバP「……まあ、今を知っているだけに、例えばやさぐれて髪を染めたり、大声で罵られたりすれば、独り泣くかもしれない」
モバP「それでも、跳ね返りには上手く合わせて接していきたい」
モバP「反抗期も始まりがあればいつかは終わりもある。その時までに見放していたら、きっと後悔してしまう」
雪美「……じゃあ……ずっと……見ていて」
ちひろ「こういうノロケがある内は大丈夫なんでしょうけどね」
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モバP「次のお便りです」
モバP「兵庫県K.Sさん。……雪美ちゃん、ちひろさん、前世はポルターガイスト、こんにちは」
雪美「こんにちは……」
モバP「前世なのに心霊現象なのか……」
モバP「……えー、雪美ちゃんは猫と話ができますが、ある日突然、猫の言葉が分からなくなったらどうしますか? 私は幽霊が見えるのですがふとそんな心配が過ぎります」
雪美「……そうなったら……とても……悲しい…………」
モバP「ねぇ……雪美。おとなになるってかなしいことなの……」
ちひろ「ヨヨはやめれ」
モバP「幼い頃は不思議な力がある、でも心の成長の中でそれが突然失われる――そんな物語はよく見かけるな」
雪美「……成長は……うれしいこと……、でも……素直に……喜べない……」
モバP「原因不明でコミュニケーションが取れなくなると困るのは人間関係でも同じ。相手と、そして周囲と、しっかり信頼関係を作っておきたいな」
雪美「理解……すること……してもらうこと……大事」
モバP「猫と話をしたり、幽霊が見えるようになりたいんだがなあ。そうすればそういう時も力になれるのに」
雪美「……やさしい」
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モバP「次のお便りです」
モバP「山梨県S.Hさん。……雪美ちゃん、ちひろさん、期限切れポイントカード、こんにちは」
雪美「こんにちは……」
モバP「財布の中にあります。すいません」
モバP「……えー、アイドルはバラエティー番組にも出ますが、もし自分の顔の木彫り像を五万円で売って来いなんて言われたらどうしますか?」
志乃「ブラックビスケッツね……わかるわ」
モバP「本人登場でセルフツッコミ入れないでください。というかそのセリフは瑞樹さんのです」
志乃「じゃあ……わかるってばよ」
モバP「それはうずまきナルトです。……酔っていませんよね?」
モバP「人間、いろいろな経験も必要だとは思います……でも自分の顔の木彫り像やクリスタル像や信楽焼のたぬきや鷹村守ばりの銅像を売って来いなんて、鬼ですよ! 鬼!」
雪美「はっきり……いいすぎ……。……でも……根性がないと……確かに……無理」
志乃「貴方のだったら、ひょっとしたら売れるかもしれないわよ……ふふ」
モバP「忘れた頃に出先で偶然見かけたりしたら恐怖なので嫌です」
ちひろ「今回紹介させていただいた方にはP画伯謹製のイラスト色紙をプレゼントします」
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モバP「古い屋敷などにある、ゴーンゴーンと鐘が鳴り響く、昔ながらの振り子時計」
モバP「良いですよね」
ちひろ「あの低いトーンが静けさの中では不気味なんですけど」
モバP「ベートーベンの月光とかを聴いていてもこう、重低音は心を揺さぶってきます」
ちひろ「ちなみにボイロは?」
モバP「あの抑揚を抑えた低血圧な感じに出す調声が好きですね」
ちひろ「低血圧に失礼だぞ。……でも、プロデューサーさんは高い声にも憧れるんでしょう?」
モバP「はい。つまり何というか、”音”って良いなあと」
ちひろ「音フェチだったか」
モバP「ちょっと静かにしてみてください」 ハイ
雪美「……すー、すー」
モバP「ほら、微かに聞こえる雪美の寝息。癒されませんか?」
ちひろ「……癒されますね」
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モバP「擬人化ってあるじゃないですか」
ちひろ「よくありますね。小さい子でも知っているようなものだと、鶴の恩返しとか」
モバP「はい。では、あなたと身近な関係の猫――ペロが人間の姿に変身したとしたら、どんな見た目だと思いますか?」
ちひろ「心理テストみたいな聞き方をしますね。そうですね……雪美ちゃんと瓜二つ」
モバP「それがあなたにいつか子どもが生まれた時、将来こんな風に育ってほしいと思う姿です」
ちひろ「心理テストだったんですか……」
モバP「まあ今適当に考えただけですが」
ちひろ「そんなこったろうと思ったよ」
モバP「ちなみに自分はですね、黒短髪の中性的でクールな女の子をイメージします」
ちひろ「雪美ちゃんいわく、ペロはぼくっ娘らしいですからね。場に合わせて”私”とか”我”とかも使い分けるようですけど」
ちひろ「じゃあ、アイドルで言えばあいさんや留美さんを少年っぽくした感じですか?」
モバP「良いですねえ」
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ペロ「ふんにゃ」
雪美「話は……聞かせて……もらったぞー」
モバP「おお雪美さんとペロさん」
ペロ「Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn」
雪美「人の姿になれるのなら、私が良い……って」
ちひろ「ペロ今とんでもないこと呟いていませんでした?」
ペロ「ニャー、うー! にゃー!」
雪美「大丈夫だ……問題ない……」
モバP「猫がゴニャゴニャ意味深に聞こえるようなことを言うことはよくあるからな」
雪美「……深く……考えては……ダメ……。好きなものと……いっしょになるのが……夢……」
モバP「ペロの考えは深いな」
ちひろ「あまり深淵は覗かない方が良いってことですかね? 深く考えないでおきましょう」
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雪美「……ばいばい」
モバP「おう。また明日な」
ガチャ パタン
モバP「今日は家まで送ったが、お母さんは相変わらずお綺麗だったなあ」
モバP「お父さんは何か色気があって、声をかけられると妙にドキドキするし」
モバP「……その気は無いのに何か倒錯的なんでこれ以上は止そう」
モバP「しかし、親か……人の親を見ると、実家が恋しくなるな」
モバP「元気にしているかなあ、二人とも」
モバP「こんな寒い日には、味噌汁が美味いんだよな」
モバP「おっと、いつまでもこうしちゃいられない。帰るか」
ガチャ タッタッタ ギュッ
雪美「……ごはん……食べていく……?」
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今日はここまで
世界の車窓から
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母親じゃなくて父親の方にときめくのか……
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モバP「……」
雪美「……」
モバP「よし、ここだ」パチ
雪美「…………」
雪美「……王手」パチ
モバP「あっ」
雪美「……」
モバP「……負けました。つみです」ペコリ
雪美「……」ペッコリン
モバP「雪美さん、思ったよりも強くて負けちったぜ」
モバP「さすがに将棋入門番組のレギュラーをやっているだけはあるな」
雪美「……」ムフー
ちひろ「プロデューサーさんも本業まで詰まないように仕事してくださいね」 ハイ
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モバP「雪美さんは、好きな物と苦手な物、どちらから先に食べる?」
雪美「……苦手な物……の時が、多い……」
モバP「俺と同じだな」
雪美「Pと……同じ……」
モバP「まあ、時と場合にもよるから一概に言えないというのが正直な所か」
モバP「ならばイチゴのショートケーキ。イチゴから食べる? それとも最後に残す?」
雪美「……イチゴから……先に……食べる……。……たぶん」
モバP「俺と同じだな」
雪美「! ……我が友……」ギュッ
モバP「まあ、甘いケーキの後にイチゴだとイチゴの酸味が割増しになるのが嫌、という単純な理由なんだが」
モバP「あれで後味がさっぱり締まるから良いと思う人もいるのだろう」
ちひろ「話に夢がないですね。イチゴはロマンなんですよ?」 ←最後に残す派
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モバP「”名物猫ラリー”の収録、おつかれさま」
雪美「楽しかった……」ツヤツヤ
雪美「白猫が……寄ってきて……抱かせてくれた……」
モバP「雪美はロケで遠征しても地猫にすぐ懐いてもらえるからなあ」
雪美「……あの子……オッドアイだった……」
モバP「楓さん系猫か」
雪美「青と黄色の……きれいな……目……」
モバP「ほう……ひょっとしたら片耳が悪くなかったか」
雪美「! ……どうして……分かったの? ……知り合い?」
モバP「知り合いだったら世間は狭いと思うが、残念ながら違う」
モバP「白猫の青黄オッドアイはそういう子が多いことで比較的知られているんだ」
雪美「……びっくりした……P、物知り……」
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雪美「……楓さんは……何ともないの?」
モバP「ヒトが何ともあるような話は聞いたことがないな。大丈夫さ」
雪美「……良かった……」
モバP「猫とはどんな話をしたんだ?」
雪美「……私と話ができる人は……あなたで七人目……って」
モバP「雪美以外に六人もいるのか……」
雪美「お仕事だったから……あまり長くは……お話……できなかった……」
モバP「また会いに行けると良いな」
雪美「うん……オッドアイ……」
モバP「惹かれたか。ちなみに創作の世界ではよく3Dメガネのように鮮やかな青と赤のオッドアイがいるな」
モバP「コントラストで大したインパクトだが、現実では見たことがない」
雪美「……見たこと……ある」
モバP「それはもしかしてカラーコンタクトというやつでは?」
雪美「……うん」
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モバP「いや、でも確かに人工とはいえ、見たことがないというのは間違いだったな」
雪美「……他にも……写輪眼とか……いる……」
モバP「技術の進歩は凄いな。俺なんてコンタクト入れるのも怖いというのに」
モバP「それにコスプレ会場とかならともかく、予期せぬ場所で写輪眼持ちと出会ったら……」
モバP「まず二度見はすると思う」
雪美「佐城雪美が……命じる……膝に……乗せろ」カッ
モバP「それは写輪眼じゃなくてギアスですよ」
雪美「……そらが……あおいなー」シレッ
モバP「待たんかい」
ヒョイ ポスン
雪美「……ふふ……あなたにとって……私は猫のようでも……ある……?」
モバP「気まぐれな猫だな、とても」
ちひろ「雪美ちゃんにコードギアスなんて見せているのは誰ですかね」
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雪美「クリスマスイベント……おわった……」
こずえ「ふわぁ……ぷろでゅーさー……いそがしいのー」
芳乃「そうですともー。しかし、かのかたはー、必ずどこかで見守っていましょうー」
雪美「芳乃……わかるの?」
芳乃「もちろんですともー」
こずえ「ぷろでゅーさーのくれたおまもり……あったかい……えへへー」
スタッフ「えっと……このほんわかトリオで帰還は大丈夫?」
芳乃「わたくしがー、責任を持って引率しますゆえー」
スタッフ「じゃあ、お任せしますね。お疲れ様でした」
雪美・こずえ・芳乃「おつかれさまでしたー」
テクテク テクテク テクテク
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チャラ男「おやあんな所にロリアイドル三人衆がいるやん。声かけたろ」
ワル男「いいねぇ。その後はしっぽりやりまひょか」
サンタ「駄目です」
チャラ男「何だ駄目か」
チャラ男「って誰だお前」
サンタ「サンタです」
チャラ男「見りゃ分かるよ。さてはお前、あの子たちを襲う気だな?」
サンタ「地域の安全、笑顔を守るのが儂の役目でしてね」
ワル男「あほらし……不審者かな? 通報してやる」
エラー
チャラ男「お前のお電話壊れてるじゃねーか。……ん? いないぞ?」
ワル男「しもた、どこ行きはったんやあん子ら。はよ捕まえんと」
-
サンタ「ここにいるぞ!」
雪美・こずえ・芳乃「……」
チャラ男・ワル男「!?」
芳乃「お仕事後はー、高揚していながらも危機察知には鋭敏でしてー」
こずえ「わるいこと、しちゃ……だめー」
雪美「……」スゥー
チャラ男・ワル男「?」
雪美「……あなたも……あなたにも……幸せな……クリスマスに……なってほしい……」
チャラ男・ワル男「」
チャラ男「……俺たちは一体何をしていたんだ」
ワル男「……感動しました。雪美ちゃんのファンになります」
サンタ「雪美……」スッ コク
雪美「……これ……あげる」
-
――
サンタ「感激して泣きながら帰って行きおったわい。こういう時の為のケーキじゃ」
こずえ「ないすあしすとー……」
雪美「……Pは……何をしているの……?」
サンタ(モバP)「ばれたか」
芳乃「隠す気はありましてー?」
モバP「一応は、ねえ?」
雪美「……心配……した」モフッ
モバP「すまなかった。この時期は毎年、近所の幼稚園や老人ホームでサンタさんをやっているんだ」
芳乃「よき心掛けですー」ヨシヨシ
こずえ「ぷろでゅーさー……せいぎのみかただねー」
モバP「正義の味方になりたかった名残だねえ」
-
モバP「ここからは一緒に帰ろうか。報酬としてケーキも貰っておいたぞ」
雪美「イチゴ……?」
芳乃「チョコレート……?」
こずえ「ちーず……?」
モバP「開けてビックリ玉手箱、中身は見てのお楽しみだ」
モバP「……或いはモンブランかも?」
芳乃「そなたも楽しみなのですねー」
雪美「……ふふ……クーラーバッグを持った……サンタさん……」
モバP「さすがにケーキは大きな袋では運べないからな」
モバP「ちなみに今夜はケーキとは別に、本場のノルウェーサンタを参考におかゆを食べるつもりでな」
こずえ「ひとつぶだけ……あーもんどをいれるんだねー」
モバP「そうそう、洒落ているのよ。で、幸運のアーモンドを当てるチャレンジャーをただいま募集中だ」
雪美「チャレンジ……する」 ワタシモデシテー コズエモー
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モバP「クリスマスと言えばサンタですが、この前見たんですよ」
ちひろ「何をですか?」
モバP「グリーンサンタです」
ちひろ「環境保全をテーマにしたそういう方々もいますね」
モバP「一般的に赤だったり別の色のものが、稀に緑だったりするとワクワクしませんか?」
ちひろ「スポーツカーとか某新聞の題字とかですか? ……ちなみに私は?」
モバP「ちひろさんは普段から緑基調なので特には。目には優しいですね」
ちひろ「言ったな? じゃあ赤いドレスでも着たら平伏しますか?」
モバP「赤は攻撃色でもありますからねえ。赤が緑に変わるとゴーサインですが、逆は……」
ちひろ「私が年中ゴーサインみたいに聞こえますけど」
モバP「えっ、ちひろさんにゴーしても良いんですか?」
ちひろ「馬鹿言っちゃいけねえや」
-
雪美「また二人……いちゃいちゃ……している」
ちひろ「していません。雪美ちゃん側からそう言われる日が来るとは思いませんでした」
ちひろ「ふん、いいですよーだ。プロデューサーさんには私のサンタ姿見せてあげませんから」
雪美「……」キラキラ
ちひろ「って、雪美ちゃんがサンタしてる!?」
モバP「ああ〜」
雪美「……ちひろさんも……サンタに……なろう」
ちひろ「うう……かわいい」
――
ちひろ「なっちゃいました」キラキラ
モバP「即落ちいいですね!」 ソクオチイウナ
モバP「しかし、こうして揃うと仲の良い姉妹みたいです」
雪美「ちひろ……姉さん?」
ちひろ「……///」 ナゼテレル
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81
モバP「こうして乗せて抱き締めていると、雪美はぬくいな」
雪美「……」
モバP「賢者の時間か」
ちひろ「言い方」
ちひろ「それにしてもお二人はスキンシップが好きですね」
モバP「言葉にされると恥ずかしいです」
ちひろ「言葉にされなくてももう少し羞恥心を持った方が良いかもしれませんよ?」
モバP「そうですね。実際そんなに質量を感じたいとか、体の繋がりを求めているという訳ではないです」
ちひろ「言い方」
モバP「やっぱり心……ですか。心が近い所にあるから安心すると言いますか」
ちひろ「率直に言って変態だと思います」 エー
雪美「…………落ち着く……」
-
82
モバP「雪美、おはよう」
雪美「! ……P、どうしたの……? 胸、大きいし……髪、長いし……美人さん……」
モバP「俺って人外じゃない? 実は割とその通りで、性転換もできることを失念していた」
モバP「ほら。体格は少し頼りないが、乗ってみるか?」ポンポン
ポスン
雪美「…………ママ……みたい……不思議……」
モバP「やっぱりこっちだと雪美はちょっと大きいなあ。じゃあ、今度は膝枕はどうだ?」
雪美「……」ゴクリ
――
ハッ
雪美「……夢……? ……でも……わるくない……かも……?」ポー
ちひろ「雪美ちゃんが今まで見たことない類の恍惚な顔をしていますね……」
-
今日はここまで
ホットココアで
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83
モバP「冬は外を歩く猫を見かけなくなる季節だ」
モバP「温暖な頃にはよく見かけたあの子も、寒くなると消える」
モバP「あの子は冬を越せるのだろうか……」
雪美「不吉なモノローグ……だめ」
モバP「ごめんな。しかし雪美さんも、ある時ふいっとどこかに旅立ってしまわないだろうか」
雪美「……私は……どこにも行かない……」
雪美「だから……Pも……どこにも行かないで……」ギュッ
モバP「行くつもりはないよ。大人は止むを得ず嘘を吐かなくてはいけない時もあるが、俺の意思はその一点だ」
雪美「これだけは……絶対……約束……」
モバP「ああ。この約束が儚いものとならないように」
雪美「……はかない?」
ちひろ「人の夢と書いて、儚い」 オイ
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84
モバP「必要ないのに”あ、これ欲しい”と思うことがあるよな」
雪美「……ある」
モバP「以前そう思って、でも持ち合わせが無くて結局諦めた物をある日見つける」
雪美「……?」
モバP「買ってしまったんだよ……天空の城ラピュタの飛行石」ホラ
雪美「それが……欲しかったの……?」
モバP「飛行石だよ? ロマンがあると思いませんか? 浪漫飛行ですよ?」
ちひろ「米米CLUB知らないでしょ」
雪美「……でも……かっこいい」
モバP「ラピスラズリ、つまり翡翠で作られているらしいな。あ、ちょっと石の上に手を重ねてもらって良い?」
ポン
雪美・モバP「……バルス!」
ちひろ「目が、目がー! って、何言わせるんですか」
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85
モバP「冬と言えばこたつだぁ」ヌクヌク
雪美「うん……」ヌクヌク
モバP「小さい頃は潜り込んで隠れるのが好きだった」ミカンドウゾ
モバP「知らずに入って来た親を脅かしてみたりしてな」
雪美「息……苦しく……なかった?」ムキムキ
モバP「平気だった。体が大きくなってしまった今ではそんなことも難しいなあ」
雪美「……」パク
モバP「思えば好奇心が強かったんだな。そして自分のスペースを求めていたというか」
モバP「狭い所が落ち着くから押入れで寝てみたり、段ボールのトンネル迷路や隠れ家に憧れたり」
雪美「……男の子……ね」クス
モバP「そういう雪美さんも満更でもないのでしょう?」
雪美「……私も……隠れるのは……好き……」
-
雪美「……P……そこにいて」フキフキ
モバP「どうした? あっ……ふーん」
ゴソゴソ ゴソゴソ
雪美「……ばあっ」
モバP「……おいっす」
雪美「……こんにちは」
モバP「……ははは」
雪美「……ふふ」
――
モバP「そしてこたつに入っていても俺の上に座る雪美さんであった」
雪美「……みかん……おいしい」アム
ちひろ「私も子どもの頃はああして伯父さんに……って、何してるんですか!」
-
86
杏「おっす」
モバP「おう、杏か。どうした?」
杏「……雪美ちゃん、今日はいないんだね」
モバP「そうだな。寂しい寂しい」
杏「ダメだよー。最近プロデューサー、雪美ちゃんの時間を独占しすぎてない?」
モバP「……そう言われると、そうかもなぁ……いや、そうだ」
杏「いくら親しくても、親子、家族との時間はしっかり過ごさせてあげるべきだよ」
杏「個人差、環境差はあると思うけど、まだ小学生だもん。甘えたい、甘えさせたい時期だよね」
モバP「ああ。俺がわがまま言っちゃいけないな」
杏「ということで今日のプロデューサーは杏の貸し切りね」
モバP「寝取りですか」
杏「サボりだな」
-
杏「よっと」ポスン
モバP「杏は雪美とほとんどサイズ変わらないよな。おいくら?」
杏「企業秘密なんでお答えは差し控えさせていただきます」
杏「……プロデューサーはさ」
モバP「ん?」
杏「親の言うことやることが何でも正しい訳ではないと知った時、どうした?」
モバP「そうだなあ。今思えばすぐ収まった気がするが、反抗期になった、かな」
杏「……そっか」
モバP「杏の場合は?」
杏「無気力になっちゃった」
モバP「ある意味反抗だが、達観しちゃったという方が近いか」
杏「どうかなあ」
-
モバP「いわゆる典型的なダメ親ならいざ知らず、ずっと尊敬できる親だったならそれこそ」
モバP「ある時に”これは間違っている”という部分を感じ取ってしまうと、辛いんだろうな」
杏「分かんない。今でも尊敬する気持ちはあるんだけど、揺らぎやすくなったっていうかね」
モバP「親じゃないが俺に対しては?」
杏「プロデューサーは子どもが反面教師にするタイプの親だろうね」
モバP「おお、もう……」
杏「保護者がよく出来過ぎてると甘えたまま成長しないかもしれないし、頼りないくらいが良いよ」
杏「まあ、プロデューサーが頼りないとダメか」
モバP「せやな」
モバP「もし親がコミュ力の塊で、でも自分がコミュ障で孤立してるなんて知ったら」
杏「あっ」
モバP「悲しみそうだから、俺は恐らくそういう外でのことは親に相談しないな」
杏「それダメなやつ」
-
モバP「自分なりにいい顔を作ろうとして、小さな無理がどんどん積み重なって、やがて自己破綻を招く」
杏「あー」
モバP「結局ね、あたしに言わせりゃ、親より優れた子はいないし、子より優れた親もいないのよ」
杏「矛盾してるよ」
モバP「だから周りに期待し過ぎず、期待させ過ぎずに生きていくのが一番さ」
ニャニャニャンニャニャニャン
モバP「おっと、雪美からメールだ」
杏「変な着信音だね」
モバP「双子のケットシーだよ。何々……浮気してない? だって?」
杏「……」ジッ
モバP「……」ジッ
モバP「してないよなあ?」
杏「飴で手を打とうか」ニヤッ
-
87
雪美「……」キラキラ
モバP「ヘッドドレスから裾までリボンとフリルたっぷりのゴスロリのドレス」
モバP「この雪美さん膝に乗せたい。いやむしろその姿で仰向けに寝た俺の上に覆い被さってほしい」
雪美「! ……」ササッ
ちひろ「警戒してるでしょ。あまり変なこと言うと拘束しますよ」
モバP「ごめんよ。いやぁ、いつ見てもお人形さんみたいで見事な姿だが、若干メイドっぽくもあるな」
モバP「年末と言えば大掃除、掃除と言えばメイド。この時期にぴったりだ」
ちひろ「ヘッドドレスがメイドを連想させるんですかね」
雪美「……」チョンチョン
モバP「自分で触ってみているな。しかしヘッドドレスやヘアバンド、良いですなあ」
雪美「……カチューシャ、は?」
モバP「カチューシャとかカチュームとかはヘアバンドの一種らしいね」
-
モバP「それにしても昔ほどヘアバンドでおでこを見せる子をあまり見かけなくなった気がする」
ちひろ「普通に七三分けのような髪型で見せている子はよくいますがね」
モバP「髪を下ろす時のように、外した時に女の武器になるのに」
ちひろ「もう結構前ですけど、けいおんの田井中律とかですか」
ちひろ「でも、そういう世の男性方が求めるいわゆるギャップ萌えって、女の子の本質が見えていないのでは?」
モバP「そんなつもりじゃないんですがね。アクセサリーとしても良いと思いますよ」
ちひろ「まあ、時代の移り変わりはありますから、もしかしたらまた流行るかもしれませんね」
雪美「……私の……髪型は……?」
モバP「雪美さんは、言うならぱっつんかな? 髪型って様々だから一言で説明するのは大変だよ」
雪美「……ぱっつん……」
モバP「どれ、じゃあ話のついでにちょっとおでこ見せてごらん? ふひひ」
雪美「! ……」ササッ
ちひろ「とりあえずあなたの額には冷えピタ貼っときましょうかね」 ギャーツメタイ!
-
88
モバP「足を蹴り合う仲って羨ましいと思わないか?」
悠貴「足癖が悪いのは良いことじゃないですっ」
モバP「そうだけども。ほら、向かい合った机の下でつんつくつんつんと」
悠貴「つんつくって……私はもっとキック的なそれかと思いましたっ」
モバP「昔聴いていたラジオの男女コンビのパーソナリティーが」
『こうやって話をしていますけど、机の下では足を蹴り合っていますから。ふふ』
モバP「それを聴いてすごいほんわかしてしまったのが忘れられないの」
悠貴「じゃれ合う感じですねっ! 良いっ!」
雪美「……足の長さが……足りない……」
雪美「……悠貴……任せた」
悠貴「任されたっ! ……えいっ! えいっ!」コツッコツッ
モバP「やったなこいつぅ」
ちひろ「何か違うけどこれはこれで微笑ましい」
-
89
モバP「君たちの今年やり残したことを聞こう」
モバP「まずありす」
ありす「はい。大晦日に、Pさんと過ごせないことですね」
モバP「ありす……」ブワッ
モバP「でも、時系列的にまだ訪れていないことをやり残したと言うのはどうなんざんしょ?」
ありす「それもそうですね。では、去年の大晦日に、Pさんと過ごせなかったことです」
モバP「ごめんなぁ……」ブワッ
モバP「次に凛」
凛「はい。私は、プロデューサーを犬派に引き込めなかったことかな」
モバP「いや、犬も好きなんすよ。好きなんすけど、だけどやっぱりマ・マーのスパゲティ」
モバP「ねぇ知ってる? スーパーマリオの大好物って、キノコじゃなくてスパゲティなんだって」
凛「知ってるよ」 マーイーニーチーヒトーツー
-
モバP「……」
凛「……」
モバP「……凛の目は優しいな」
凛「……ふふっ、何言ってんの」
モバP「次に輝子」
輝子「フヒ。私は……プロデューサーと初体験できなかったことだぜ! ヒャッハー!」
モバP「してはいけない(戒め)」
輝子「いけないのか……? 初体験……」
モバP「おっと、変な意味での初体験でないなら良いんだぞ? おかわりもいいぞ!」
輝子「……親友の……おかわり……お腹いっぱい……フヒヒ」
モバP「一体何の初体験なんだ」
輝子「……その時が来たら、な」
-
モバP「次にあやめ」
あやめ「はっ! あやめはですね、ダーツがあまり上達しなかったことですね」
モバP「お前……みんな俺関係のことばかり言うのに、しっかり自分のことを言うとは」
あやめ「えっ、えっ? もしかして今回はそういうアレですか!?」
モバP「偉いぞ。このまま俺ネタで埋め尽くされるのかちょっと怖かったんだ」
あやめ「えへへ♪ 嬉しいです――って、ダーツに突っ込んでくださいっ!」
モバP「またまた、君の得物は手裏剣とクナイでしょ」
あやめ「投げる練習ですよっ!」
モバP「次にこずえ」
こずえ「はーい……とっぷあいどるに、なれなかったことー……」
モバP「真面目だぁ!? 力不足ですまない!」
こずえ「でもー……とっぷあいどるって……ひとりだけー?」
-
モバP「ナンバーワンじゃなくてオンリーワン。誰か歌っていたがな」
モバP「同じ方向性からトップを超えられる一人だけしか成れないものではあってほしくない」
モバP「てっぺんがいくつもあるタイプの王冠のように、それぞれが個性でトップに立てば良い」
こずえ「こせい……よーし、がんばるのー」
モバP「次にみく」
みく「はい。Pチャンにご飯作ってあげられなかったことかにゃ」
モバP「気持ちだけ受け取っておくさ。ありがとう」
みく「照れるよ……って、素直だね。嫁さんと似てきたかな?」
モバP「似てると言っても伊吹吾郎と宇梶剛士並に似てる訳じゃない」
みく「その例え分かんないよ!」
モバP「ちなみにお魚の克服は?」
みく「やっぱこの人ダメだにゃ」
-
モバP「七海ちゃん」
七海「七海ちゃん言うな。そうれすね〜、プロデューサーと海で泳ぎたかった!」
モバP「普通だな。……今から泳ぎに行くか?」
七海「行けるかい! ……って、何水着に着替えてるんれすか! え? もう出番終わり!?」
モバP「今から海に行くことになったが、最後に雪美」 エエッ!?
雪美「私は……仁奈と……お泊まり……したかった」
モバP「結構個人的なことだったかー。今度それとなく掛け合ってみておこう」
雪美「……ありがとう……そして……水着……寒そう」
モバP「何のピロシキ。……雪美さんは、今年は良い一年だったかい?」
雪美「うん……!」
モバP「ああ〜、キラキラしているなあ」
モバP「ということで今回は強引にお開き。また来年」
雪美「ばいばい……」
-
90
モバP「今年もこれで仕事納めか。はい、終わり」
ちひろ「お疲れ様でした。これ、元気が出るように、サービスです」
モバP「ドリンクですか。ありがとうございます」
キュリッ ゴクゴク
モバP「優しい味がしますね。お姉ちゃんの味というか」
ちひろ「何を頓狂なことを言ってるんですか」
ちひろ「そしてこれは雪美ちゃんからです。一年の労いの気持ちをなるべく簡素に表してもらいました」
モバP「イチゴ大福! 大好物なんですよこれ。あんこの甘さとイチゴの酸味の不思議な出会いが」
ちひろ「はいはい。どうぞおあがりよ」
パク
モバP「……イチゴ、美味しいなあ」ホロリ
ちひろ「では、良いお年をお迎えください」
-
今日はここまで
彼こそが海賊
-
乙
伯父×ちひキテル……?
唐突に出てきた乙倉くんがメッチャ微笑ましい
-
91
モバP「あけましておめでとうございます、佐城雪美さん」
雪美「あけまして……おめでとう」
モバP「今年もよろしくお願いします」ペコリ
雪美「……うん」
モバP「さて、皆にも渡していますが、はい――心ばかりのお年玉です」
雪美「……ありがとう……」
モバP「さて、目上的なことはここまで。おかえり雪美」
雪美「……」(つ゚-゚)つ
ヒョイ ポスン
モバP「定位置に戻ってきたな。これぞ実家のような安心感」
雪美「……重くなって……ない?」
モバP「ないよ。でも正月太りが心配なら後で一緒にトレーニングしようか」 ウン
ちひろ「ああ、日常に帰ってきたんだなって」
-
92
モバP・雪美「……」 ←合体中
雪美「……P、……少し……姿勢を変えたい」
モバP「分かった」
ゴソゴソ モゾモゾ
雪美「……ここは……もう少し……こう」
モバP「あっ、そこはやめろくすぐったい」
雪美「……動かないで」
ゴソゴソ モゾモゾ
雪美「……できた」
\理想の座り心地/
雪美「……♪」スリスリ
ちひろ「寝床を整える猫みたいですね」
-
93
モバP「雪美は初詣には行ったのか?」
雪美「うん……着物で……」
雪美「おみくじは……大吉」
モバP「それは良かったな。業界人たるもの、やっぱり行かないとな」
雪美「……行ってない……の?」
モバP「あああああああああ!! 忘れてたああああ!」
ちひろ「ええ……」
モバP「まあ、絶対に行かなくちゃいけないものでもないと思うんだ」
ちひろ「おいおい」
モバP「なので、行ったつもりになってこの梅ヶ枝餅でも食べましょうか」
雪美「おお……おいしそう……」
ちひろ「どちらに行ったつもりですかそれは。あ、温めましょうね。それとお茶も」
-
――
雪美「おいしい……」モグモグ
ちひろ「熱いお茶請けに良いですね」
鈴帆『年始に大宰府天満宮に行ったけん、Pしゃんへのお土産たい』
モバP「って渡されましてね。ありがたいことです」
モバP「しかし大宰府みたいな大きい所に初詣、良かですなあ」
ちひろ「今から行けば良いじゃないですか。三が日は過ぎましたけど」
モバP「おみくじとかまだ買えるんですかね? 露店はもう無いだろうなあ」
雪美「……P……私……Pの分……持ってきた」ハイ
モバP「なんと! ありがとう……おっ、これは招き猫おみくじじゃないか。開けるぞ?」
雪美「……」コク
テレレレテレレレテレレレテレレレ ゴマダレー
モバP「おお、黒猫だ」
-
モバP「黒は家内安全か。一人暮らし中ではあるが、大切なことだな」
雪美「私たちも……Pの……家族のつもりで……いる……」
モバP「嬉しいこと言ってくれるじゃないの」ナデナデ
ちひろ「その家族には私も含まれているんですか?」
雪美「うん……」
ちひろ「……雪美ちゃんが言うなら仕方ないですね」
モバP「照れちゃってー。ちひろさん、雪美には甘いですよね」
ちひろ「あなたにも充分甘いつもりですよ? プロデューサーさん」
ハハハハ フフ
雪美「それにしても……Pは……黒猫に……好かれる……」
モバP「本当になあ。でもそれは多分、雪美に出会ってからだぞ?」
雪美「……あっ」
ちひろ「お二人の甘々な関係には今年も敵いそうにないですね」
-
94
ペチャクチャ
茄子「あ、自動販売機ですね。何か飲んで帰りましょうか」
ほたる「そうですね……」
雪美・モバP「賛成」
茄子「私はなっちゃんにしまーす」チャリン ピッ ゴトッ
ピピピピピ オオアタリ! モウイッポンエランデネ
茄子「ナイスですね〜、雪美ちゃん選んで良いですよ♪」
雪美「ありがとう……。カルピス……」ピッ ゴトッ
モバP「良かったな雪美」 ウン
ほたる「さて、私は……お茶にしようかな」チャリン ポチッ
シーン
ほたる「…………えっ」
-
ガチャ ガチャ シーン
モバP「釣りも出ない……飲まれたか。おのれウチのほたるを曇らせるな自販機めが」
ほたる「良いんです……このくらい」
モバP「このお茶が欲しかったんだな?」チャリン ピッ ゴトッ
モバP「はい。……コイツには後で俺からきつく言っておく、……なんてな」
ほたる「あ、ありがとう……ございます。……えへへ」パアッ
モバP「良い笑顔だぞ」
ゴクゴク
モバP「茄子は当たりを雪美にあげた、ほたるはお金を飲まれた、俺は代わりに一本買った」
モバP「これで三方一両損。大岡越前の名裁きと相成った訳だな。ハッハッハ」
茄子「でも、プロデューサーは飲まないんですか?」
雪美「はい……P」
モバP「てんきゅー」ゴクゴク
茄子・ほたる「何て自然な回し飲み……良いなぁ」
-
95
奈緒「Pさんは年末年始は何をしていたんだ? 初詣に行かなかったとは聞いたが」
モバP「もう広まっているのか……年末は七海と一緒に南半球の海に泳ぎに行った」
奈緒「本当に行ったのか……」
モバP「時間が時間だけに強行日程だったがな」
七海「本当、何させてるんれすかね〜、この人は」
雪美「……照れてる?」
七海「……///」
モバP「後は仕事して、休みは実家に顔出して、しっかり食べて、寝て、楽しんで来たよ」
奈緒「七海に変なことしてないよな?」
モバP「甘やかしはしたな。二人きりだと結構デr」
七海「プロデューサー?」ツネリ
モバP「あう」
-
奈緒「……まあこの人なら大丈夫か。普段は雪美とベタベタだし、人外だし」
雪美「……人外……」ジー
モバP「公然と人外呼ばわりはやめてくださる?」
雪美「奈緒は……休みは、何をする……?」
奈緒「積みアニメの消化をな……」
モバP「忙しくても趣味に妥協をしない所はさすが奈緒だな」
奈緒「あたしは時間の使い方が上手すぎるPさんが羨ましいんだけどな!」
モバP「そりゃ人外だからな」
七海「自分では言うのか……」
雪美「……P……今度、奈緒にも……付き合ってあげて」
奈緒「いや、別にいいよ。一緒に見るのは恥ずかしいだろ?」
モバP「はたらく細胞にする? それともちおちゃんの通学路?」
奈緒「ガッツリ見る気だな!? いいってば!」
七海「……真に恐ろしいのは人外を手中に置く雪美ちゃんかもしれないれすね〜」
-
96
礼「P君になぞなぞよ」
モバP「はい」
礼「Hになるほどかたくなるものは何だ」
モバP「鉛筆」
礼「男性が体の真ん中にぶら下げてるものは何だ」
モバP「ネクタイ」
礼「刺激を与えたりすると大きさが六倍になることもある体の器官は何だ」
モバP「瞳孔?」
礼「……こういうのは真顔で解答しちゃダメよ?」
モバP「アイドルがからかってくることも多いので、変に取り乱して墓穴を掘りたくないんです」
雪美「……P……パスポートの、性別・SEXがFって……どういう意味……?」
モバP「えっ/// えっと、その……」
礼「でも不意打ちには弱いのね」
-
97
モバP「何だかんだあって成人式。雪美も大きくなったなあ」
モバP「大正浪漫な女子袴も良いが、やはり振袖よな」
雪美「……」キラキラ
モバP「はんなり京美人、よう似合うてはりますわ。あ、皮肉やあらしまへんよ」
雪美「……またそうやって、茶化すんだから……いけず」
モバP「しかし俺も十年も経てばすっかり中年のおっさん。歳は取りたくないもんだよ」
雪美「……ごめんね……Pと……結婚……できなくて」
モバP「そんな顔しない。楽しかったこれまでの時間を気まずい思い出にはしたくないだろ?」
雪美「うん……行ってくるね」 テクテク
――
モバP「うーん……雪美、幸せになれよぉ……zzz」
鈴帆「起きんしゃいPしゃん、鈴帆が来たばい?」ユサユサ
ちひろ「いや、そこに跨るのはまずいですよ鈴帆ちゃん……」
-
今日はここまで
行けるところまで
-
98
雪美「P……」スッ
モバP「あっ」ピクッ
雪美「……耳……冷たい」
モバP「外歩いて来たからな。雪美はどうだ?」スッ
雪美「……」キョトン
モバP「おっと、こっちは猫耳か。自然過ぎて思わず間違えたよ」スッ
雪美「やっ……」ピクッ
モバP「お互い様だ。……雪美は全体的に温かいな」
雪美「……Pは……二回さわった……おかえし」ギシッ
モバP「近いよ雪美さん」
雪美「……耳……温めてあげる」ハー
ちひろ「私も拳を温めといた方が良いですかねえ?」
-
99
モバP「レッスンが上手くこなせなかったか」
雪美「……うん」
モバP「そんな日もあるさ」
雪美「……」
モバP「前を向いて行こうぜ。きっと君なら乗り越えられる」
モバP「……と、無責任な言い草かもしれないな」
雪美「……そんなことは……ない」
モバP「技術的にあまり突っ込んだアドバイスはできないが、大切なのは失敗から目を背けないことだ」
モバP「何でもこなせて当たり前、ではないからな。目標ができたと思おう」
雪美「……うん。……目標……」
モバP「それを超えた先に、達成感があるはずだ」
ちひろ「良いことは言っている風でも膝の上に座らせていると絵面がね……」
-
100
雪美「……」ジッ
モバP「……?」
雪美「……P……高い……」
モバP「それは何というか……ごめんなさい?」
ちひろ「何でもすぐ謝るのは良くないですよ」
モバP「はい」
雪美「……」
モバP「確かにこうして立って面と向かい合うと、俺は視線を下げ、雪美さんは見上げることになる」
モバP「……ならば、しゃがんでみる」ストン
オイデオイデ
ちひろ「犬を呼ぶ飼い主の図」
雪美「違う……そうじゃない……」
-
雪美「……Pと……入れ替わって……みたい……」
モバP「君の中に入ってその目から僕を覗いたらちょっとは物分かりが良くなるのかしら的な?」
ちひろ「今夜月の見える丘にかな?」
モバP「入れ替わることはできないが、代わりにこの脚立に乗ってみないか?」
ちひろ「それは年末の掃除に使ったやつですね」
トン トン トン
雪美「おお……高い」
モバP「今の雪美さんは俺より高いぞ。足元は気をつけてな」
雪美「うん……。……でも……P……来て」
モバP「ただいま参りまする。……ここで良いかな。……ん?」
ナデナデ
モバP「ああ……何と心地良い」
雪美「……Pのように……上から……こうしてみたかった……」
ちひろ「念の為に脚立を支える係やめても良いですかね?」
-
101
モバP「クラリスさんじゃないですが、糸目の人って底知れない怖さがあるキャラにされがちですよね」
ちひろ「そんなこと言って良いんですか? クラリスさんがこっち見ていますけど」
モバP「えっ」
雪美「……?」
ちひろ「本気にしましたか?」
モバP「驚かさないでくださいよちひろさん」
ちひろ「まあ、そうやって勝手にイメージを膨らませて怖がったりからかったりするのは良くないのでは」
ちひろ「そういうの、風評被害って言うんですよ」
雪美「……ふうひょうひがい……ダメ……」
モバP「一理あるな。クラリスさんはクラリスさんだ」
ちひろ「でも、どうして糸目がそういうイメージになるのかは興味ありますよね」
モバP「下敷きとなるインパクトの強いキャラクターがどこかにいるんでしょうが」
-
モバP「糸目にもカーブ系とまっすぐ系と釣り目系があって、怖いイメージを作るのは釣り目な気がします」
ちひろ「キツネ目ってやつですか。キツネは昔から人を化かす動物とされてきましたからね」
モバP「タヌキもそうなんですが、どうも見た目のせいか大らかなキャラクターにされがちと言いますか」
ちひろ「キツネはシャープですからね。更にはお稲荷さんとか九尾とか格の高そうな伝承が多いですし」
雪美「……私は……キツネと……タヌキ……どっちだと……思う?」
モバP「雪美さんは、強いて言うならキツネに近い動物なんじゃないかな」
ちひろ「動物言うなし」
モバP「でもキツネを擬人化すると大体金か、銀髪寄りになりますねえ。塩見の周子さんのような」
ちひろ「周子ちゃんがこっち見ていますよ」
モバP「二度も人を担ごうとしたってそうはいかねえや」
周子「お腹すいたーん♪」
モバP「今度は本当にいたよ」
-
周子「なになに、何の話してるの?」
モバP「教えてあげるから、ちょいと薄く目を閉じて笑ってみて」
周子「何されるのかなー? はい、これでいい?」
モバP「ん、穏やかで優しい顔に見えるな」
少女説明され中……
周子「なるほどねー、糸目かー。……んー、シューコちゃんもと思ったけどダメ。前が見えねェ」
モバP「やろうと思ったら大変なんだよな糸目って」
ちひろ「クラリスさん、あれで普通にしているのはやっぱり凄いのかもしれませんね」
周子「……糸目とは違うけど、雪美ちゃんの目も、強く訴えかける力を持っているよね」
雪美「……」ジッ
周子「むむ……おやつ食べたい? あたしもなんだよねー。という訳でPさんどこか連れてって?」
モバP「君が食べたいだけなんとちゃいます?」
雪美「たいやき……食べたい……」 ホラ
-
102
モバP「見よ、この筋肉美を」
雪美「……」(゚△゚)
モバP「栗みたいな口しやがって」
ちひろ「呆れているんですよ。というか事務所で服を脱ぐな」
モバP「いや、話の流れで見たいと頼まれたものですから」
ちひろ「自重してください」
雪美「……ちひろさん」
ちひろ「どうしましたか?」
雪美「……私も……あんな風に……なれる……?」
ちひろ「やめておいた方が良いですよ」
雪美「……いつか……Pを、肩車……してあげたい……」
ちひろ「雪美ちゃん。その志はともかく優しい心だけは捨てないでね」トオイメ
-
103
比奈「プロデューサー。今ちょっとネタに詰まっていまして……何か会心のアイデアはないっスかね」
モバP「触手純愛なんてどうだい」
比奈「アイドルに何てものを描かせる気っスか」
モバP「いや、荒木先生はR指定系もいけないことはないのでしょう?」
比奈「割とダメです」
モバP「なら、純愛なんで健全ソフト路線でも良いのよ」
比奈「プロデューサー、そういう性癖をお持ちなんっスね……」
モバP「モンスターと心通わせる系のが好きなだけで他意はないよ?」
比奈「本当っスか……? 描くとしたらギャグっぽく、ですかねえ」
モバP「良いね。今時は女騎士とオークなんかもギャグに走ることが多いし」
比奈「ただ、そういうのは結局エグい本元をリスペクトした上での面白さではないかと」
-
比奈「例えば触手とじゃれ合うにしてもどうするか、ですねえ」
モバP「まずは服を脱ぎます」
比奈「えっちぃのは嫌いです」
モバP「液でじわじわ溶かす触手くんは三下ですよ。服が勿体無いじゃないですか」
比奈「そういう問題ですか」
モバP「そしてお風呂で体を丁寧に洗ってあげましょう」
比奈「ペットか何かっスか」
モバP「あとはリラックスしてきたところにお酒でも勧めれば、気分よく絡んできてくれます」
比奈「絡み酒っスね」
モバP「……」
比奈「……もうちょっと真面目に考えてもらえませんかね」
雪美「みんな……仲良しが……一番」
-
104
カチカチ
雪美「P……何を……調べているの?」
モバP「日本海側の天気と学力の関係」
ちひろ「また結構どうでも良いことを調べていますねえ」
モバP「特に北陸ですね。金沢では弁当忘れても傘忘れるな、なんて言うそうで」
ちひろ「天気が悪い日が多いとインドア活動が中心になって勉強に熱が入るのでは? ですか」
モバP「はい。石川県は学力テスト一位だそうで、ひょっとしたらそういう関連性も? ……と」
雪美「P……」
モバP「何ですか雪美さん」
雪美「真面目に……お仕事した方が……良いと思う……」
モバP「よし、やるぞ! まずはこの書類を片づけるんだ!」
ちひろ「雪美ちゃんが煽ってくれると素直なんですよねえ」
-
105
モバP「雪が積もったので雪合戦でもしないか?」
ペロ「ニャー」
雪美「お断りします……」モゾ
モバP「しまった、そういえば雪美さんは猫属性だった。道理でコタツで丸くなる訳だよ」
モバP「……しんしんと舞い降る雪……美しい光景だな」
モバP「雨は地面に当たって音が出るが、それがない。静かだ」
雪美「雪……美しい……」
モバP「雪美……か」
モバP「小学校の宿題で自分の名前の由来を親に聞かされた記憶だけあるなあ」
モバP「その時に聞いたはずの肝心の由来はもう忘れてしまったが」
モバP「……ねーねー雪美、どうして雪美は雪美って名前なの?」
雪美「……秘密」
ちひろ「しかしペロちゃんは知っています」 ニャー
-
今日はここまで
登坂車線ここまで
-
触手純愛とはいったいどういうジャンルなのか
-
106
モバP「今日は給食に好きな物が出たのか」
雪美「うん……イチゴのムース……」
雪美「……Pにも……食べさせたかった……」
モバP「気持ちだけでも嬉しいよ。ありがとう」
モバP「デザート回は得した気分になれるんだよな。イチゴでもジャムだったら出現率は高いが」
雪美「あれも……ビュッフェのとは……違う……」
モバP「給食のは袋が透明だが、ビュッフェのはポーションタイプだな。あれはちょっとリッチな気分になる」
雪美「分かる……」
モバP「ああ、でも給食かぁ。また食べたいなあ」
モバP「でも、調べてみると今の給食は以前より相対的に質素になっているようだな」
雪美「……私には……ちょうどいい……量……」
モバP「君たちアイドルは な ぜ か 体重が軽すぎる子が多いので気になります」
ちひろ「タブーに触れちゃいかんよキミィ」
-
107
モバP「雪美は落ち着いた、良い声だよな」
雪美「……どう聞こえるかは……人による……」
モバP「謙遜しているな」
モバP「例えば、深夜や早朝ラジオの独特の静けさの中で淡々と喋っていたら、俺が視聴者なら惹き込まれる」
モバP「勿論、現状その時間帯に仕事をさせる訳にはいかないんだがな」
雪美「……ラジオは……あまり……聴かない……」
雪美「……でも……朗読は……好き……」
モバP「ラジオドラマも良いが”朗読!”というのもオツだね」
雪美「……私でも……できる……?」
モバP「時間があるなら、お仕事ではないが、ボイスレッスンがてらちょっとやってみるか」
モバP「雪美の感覚でこの、銀河鉄道の夜を読んでもらおう」
――
ちひろ「その後、プロデューサーさんはトリップして倒れたそうです」
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108
雪美「いつもの……」
モバP「膝の上……」
モバP「はぁ〜、疲れている時はやっぱりユキミニウムの摂取が一番だ」
雪美「……私……吸い取られて、いる……?」
モバP「早く抜け出さないとカラカラに干からびてしまうかもなぁ〜?」
雪美「……!」
モバP「……!!」
雪美「……そんなわけ……ない……」ペシ
モバP「あろうはずがございませんわな」
モバP「まあ、あまりにも長くこの姿勢のままでいればエコノミークラス症候群にはなるかもな」
雪美「……じゃあ……降りる」ピョン
モバP「あらあら」
ちひろ「そりゃ人間は何時間も膝の上に誰かを乗せることを想定して作られていませんからね」
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幸子「プロデューサーさん!」
モバP「何だい幸子」
幸子「プロデューサーさんは女の子の扱いを分かっていませんね!」
モバP「そんなことはないぞ」
幸子「ほう、ではお手本を見せてもらいましょうか」
モバP「構わんぞ。――雪美さん」
雪美「うん……」 ヨジヨジ ポスン
モバP「よしよし」ナデナデ
雪美「……」(*゜-゜*)
幸子「ボクが言いたいのはそういうことじゃありません!」
雪美「……幸子も……座ってみる……?」
幸子「い、良いんですか?」
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【交代タイム】
幸子「……ふ、フフーン。悪くないですね!」
モバP「幸子はいつも体を張って頑張っているのに、俺はこのくらいでしか労えないな」ナデナデ
幸子「プロデューサーさんは、いろいろボクたちを楽しませようとしてくれるじゃないですか」
幸子「自分を卑下しないでください? この、撫でる手でしか伝わらないこともあるんです」
モバP「男の子の扱いをよく分かっているようだな」
幸子「当然です! アナタはボクがどんな時でもカワイイを保つ為に欠かせない存在ですから、無下に扱えるはずがないでしょう?」
モバP「優しいな。とりあえず、無理はするなよ? 俺も無理をすることになるから」ナデナデ
幸子「んっ……分かりました」
モバP「しかし幸子も膝の上に乗るのに抵抗が無いんだなあ」
幸子「何ですか、いけませんか?」
モバP「育ちの良さが普段の所作で感じられるから、こういうのははしたないとか思わないのかなと」
幸子「……背徳感はないこともないです」
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幸子「パパ以外の異性、それも年上の膝の上で落ち着けるって何でしょうね?」
モバP「落ち着くのか?」
幸子「普段の雪美さんの気持ちが分かります」
雪美「……幸子も……ひざ教に……入ろう」
幸子「怪しい宗教ですね! でも雪美さんが教祖様なら……いえ、冗談ですよ?」
幸子「……手が止まっていますよ? もっとなでてください」
モバP「分かりましてごぜーます」ナデナデ
幸子「あっ」ピクン
モバP「どうした」
幸子「そこはちょっと、敏感なので……優しくしてください///」
モバP「外ハネに神経が通っているのか君は」
幸子「……プロデューサーさん、女の子の体のことも知らないなんて可哀想ですね」ハァ
ちひろ「謎多き乙女の構造よ」
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モバP「想像すると怖いものってありますよね」
ちひろ「改まって何ですか? リアルには想像しなくても怖いものだらけですけど」
モバP「ちひろさんの怖いの基準がよく分からないですが」
モバP「例えば、偶然入ったカフェが何と男の娘カフェで、しかもその日は島風デーだったら」
ちひろ「耐性がない人への精神攻撃はやめようね」
雪美「……また、変な話……している?」
モバP「聞かれた?」
音葉「雪美さんの耳は、ヘッドホンで塞いでいたから大丈夫……」
モバP「気を利かせてくれてありがとう、音葉」
音葉「いえ……。Pさんの声、やはり直接が良いですね……」
モバP「やはりって、そのヘッドホンで何を聴かせているのかな?」
音葉「録音したPさんボイス、です……。ふふ……」
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雪美「Pも……聴く……? これ……気持ちいい……」
モバP「いや、自分の録音された声を聴きたいとは特に思わないなあ」
音葉「心地良い波長……。そして、照れの感情が20%……」
モバP「人の声の成分分析するのか。いつか声を聴いてミックスジュースを作ったり曲を作ったりしないだろうな?」
雪美「……面白そう」
モバP「それはそうと、君たちは想像したら怖いものはあるかな?」
音葉「…………」モンモン
雪美「…………!」ピキーン
音葉・雪美「うう……」ブルブル
モバP「先にイメージしてしまったか。君たちは想像力豊かだから注意しないといけなかった」
音葉「手を握って、もらえますか……」
モバP「分かった。……雪美もな」ギュッ ギュッ
ちひろ「一体何をイメージしたんですかねえ」
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モバP「こういう仕事柄か、アイドルによくお土産を貰うんですよね」
ちひろ「プロデューサーさんがしてあげるから、みんなお返しをしてくれるだけですよ」
モバP「嬉しいことなんですが……という訳で、お菓子です」ドサ
ちひろ「ウチのお菓子のストック棚が盛況していますね」
モバP「ちょこちょこつまめるのは良いんですが、太らないか心配です」
ちひろ「私もです。あと、お菓子ばかりでなく、ドリンクも飲んでくださいよ」
モバP「野菜も食べなさいみたいに言いますね? 後ろ向きに検討します」
ちひろ「ケチー」
モバP「ドリンク、効くには効くんですが、こういうのは適度に頼らないと、耐性的なものが出来て効果が薄まるんですよ」
ちひろ「本当かなー?」
モバP「まあ薬なんかは欠かさず飲み続けないと効果がリセットされるとも言いますが」
ちひろ「それは本当でしょう」
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ちひろ「それはそうと、ここにある巨大な箱は何なんですか?」
モバP「”開けてください”と書いてありますし、大方予想はつきますが」
ちひろ「開けてみましょうか。良いですよね?」 ハイ
ババーン!
雪美「……お菓子かと……思った? 残念……私でした……」
モバP「……」
ちひろ「……」
雪美「……?」
モバP「……! こんな所に居たのか雪美、会いたかったぞ!」ダキッ
雪美「P……苦しい……///」
ちひろ「さっきの間は何なんですか」
モバP「誰か入っているとは読めましたが、中身が意外過ぎて固まってしまいました」
ちひろ「予想していなかったのか……」
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モバP「全く。雪美が幸子みたいな茶目っ気を見せるとは思わなんだよ」ギュー
雪美「……///」
ちひろ「いつまでやってるんですか」
モバP「おっとやりすぎた」パッ
雪美「……おどろいた?」
モバP「ああ、驚かされたぞ。そして、その衣装は黒猫の着ぐるみか」
雪美「似合う……?」キラキラ
モバP「似合う似合う、お似合いですよお嬢さん。またモフモフさせろ」
雪美「本音……出てる」
バタバタ キャー
ちひろ「あれ? もう一個、怪しげな容器がある」 パカッ
ペロ「ニャ!」
ちひろ「サザエさんかな?」
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モバP「小学生の諸君、寒いと朝はお布団から出るのが辛くないか?」
晴「いや? 起きたばかりで布団にこもっていても何にもならねーし」
モバP「二度寝したいとかは思わない?」
晴「何だそれ? 大人ってそんなにダルいのか?」
モバP「わたくし、疲れた大人なのでしてー」
雪美「添い寝……したら……疲れ……取れる……?」
モバP「してくれたら安心してリラックスのデトックスで疲れも取れるだろうな」
晴「何する気だよ」
モバP「でも雪美は普段、ひょっとしてペロが布団の中に入ってきたりするのかな」
雪美「……うん、する」
晴「柔らかくて温かそうだなー。オレはさすがにサッカーボール抱いては寝られねーし」
ちひろ「においが付きそう、というのは野暮ですか」
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今日はここまで
メルモンここまて
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外ハネに神経が通ってると髪切る時にうっかり外ハネのところを切ろうとしたら激痛が走りそう
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雪美「……」パチッ
モバP「?」
雪美「……」パチパチッ
モバP「……うっふん」バチンッ
雪美「……ペロ」
ペロ「ニャー!」バッ
モバP「むごっ! ぐぐ、ふざけて悪かったから顔は堪忍してやあ」
雪美「……ふふ」パチッ
モバP「アイコンタクトも様々だが、今日は瞬きで来るか」
雪美「両目を……パチパチ、させると……猫は……リラックス……する……」
モバP「大島弓子の古い漫画に確かそんなことが描かれていたな」
雪美「Pも……リラックス……しよう……」
ちひろ「ひょっとしてプロデューサーさんって、ヒトととして認識されていないんですかね?」
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モバP「寝起きの雪美さんは夢現でいることがあるね」
雪美「……うん」
モバP「大抵は無反応無表情のクール分全開だが、たまに夢と勘違いしたような行動を取るから面白い」
雪美「……してる?」
モバP「してるとも。愛を囁いてきたり抱き着いてきたり、結構大胆不敵だ」
雪美「……覚えて……ない……」
モバP「よく考えればそんな状態やそもそも寝顔なんて、たくさん見ているんだな」
雪美「もう……。……私も……Pの寝顔……知ってる……」
モバP「一緒に仮眠とかするからなあ。俺の寝ている時ってだらしなかったりしていないか?」
雪美「ううん……。でも……手を握ると……うれしそうにする……」
モバP「その時の俺はきっと良い夢を見られているんだろうな」
雪美「Pと……楽しい夢……見たい……」
ちひろ「プロデューサーさんは割と常時夢現なところありますよね」
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