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モバP「雪美さんといっしょ」
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あと、割となんでもありです
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――
モバP「とりあえず飛鳥にはイチゴを食べさせておいた。飛鳥はルビー、はっきりわかんだね」
ありす「何を言ってるんですか、この人は」
七海「いつものことれす」
パタン
雪美「……こんにちは……」
モバP「おう、雪美じゃないか。まあゆっくりしていってくれ」
雪美「……?」
モバP「どうした? これが気になるか?」プラプラ
雪美「…………」ウズウズ
七海「おおっと〜、雪美ちゃん気になってしょうがない様子!」
雪美「……!」スカッ
雪美「……っ! ……っ!!」スカッ パシッ
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――
雪美「……イチゴ……おいしい……」モグモグ
ありす「雪美さん、こっちも美味しいですよ?」モグモグ
七海「しかし雪美ちゃんが猫みたいな動きをするとは〜」
モバP「猫に好かれる人って割と本人が猫属性なこと多いよな。みくとか」
七海「それ今考えたやつれすか? じゃあ私は魚属性れすか〜?」
モバP「七海が魚を好きでも魚が七海を好きかは分からんぞ? 釣って食っちまったりする訳だから」
七海「むー、そんなこと言わないでくださいよ〜。いじわる」
雪美「……P……めっ」ピシ
モバP「申し訳ございませんでした」
ありす「これは手綱を握られていますね」
ありす「しかしPさん、こんなことをしていつまでも遊んでいて良いんですか?」
モバP「ん?」
ちひろ「はぁい、(プロデューサーさんの公開処刑)よーいスタート」ユラァ
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ちひろ「プロデューサーさんは大人のコスプレってどう思います?」
モバP「良いと思いますよ――って、あらまあ。今日は巫女さんですねちひろさん」
ちひろ「改造巫女ですけどね。正統派って案外少なかったりしますよ」
モバP「最近は改造多いですね。巫女も浴衣もメイドもミニスカートになったりして」
ちひろ「ちなみに、厳しい意見もいただいて結構ですよ?」
モバP「そうですね……大人がやるとどうしてもあざとさが出てきてしまうのが辛い所でしょう」
ちひろ「まあ、そこが難しいというか挑戦し甲斐があるというか」
雪美「……あ……巫女さん……」
雪美「……」ポー
ちひろ「あはは……年少の子に見られると結構気恥ずかしいんですよね」
モバP「大人よりも痛い所を突いてきたりしますからねえ」 クイクイ
雪美「……Pは……神主さん……しないの……?」 エッ
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14
モバP「……はー、疲れましたな。ちょいと仮眠しますか」
モバP「こういう時に座敷の仮眠室があるのは良いね。ちょいとお布団敷きまして、と」
モバP「……zzz」
ガチャ
雪美「……P……ここにいた……。……寝ているの……? …………」ピトッ
雪美「…………すぅ……すぅ……」
ガチャ
こずえ「ふわぁ……あれー、ゆきみとぷろでゅーさー…………」スッ
こずえ「……こずえも…………」スヤスヤ
ガチャ
ライラ「甘い匂いがする気がしますですねー。おぉ、プロデューサー殿と仲間たちですかー」ジッ
ライラ「ライラさんも仲間に…………」ムニャムニャ
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ガチャ
千秋「あら、佐城さんはここにいたのね。それにプロデューサーに、ライラさんに遊佐さん」
千秋「みんなで仲良く休息、か。走り続けるばかりではいけないと、アナタは教えてくれたけど」
千秋「それにしても気を抜きすぎかしら? まあ良いわ。何事もチャレンジよ」イソイソ
千秋「…………」スヤァ
ガチャ
巴「相談があるのに一体どこにおるんじゃP……おう、ここか」
巴「……こりゃあ起こせんのぉ。全く暢気なもんじゃ」
巴「しかし、こうして見ると昔、若い衆と雑魚寝をしとった頃を思い出すわ」
巴「…………ちぃとだけ、うちも……」ゴロン
巴「……くー……くー」
ちひろ「なんだこれはたまげたなぁ」
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今日はここまで
明日はどっちだ
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乙
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15
ペロ「……」
雪美「……」
モバP「……」
ちひろ「あ、三段重ねだ」
モバP「鏡餅みたいに言わないでくださいよ」
雪美「……Pと……私が……おもち……?」
モバP「じゃあ、ペロが橙か」 ハハハ フフ ウナー
ちひろ「いかん。この人ら完全に寛いでますわ」
モバP「橙と言えば、正月に余った物を消費しようと絞って水割りジュースにしたことがある」
雪美「……どんな……味……?」
モバP「酸っぱ苦い」
雪美「……それは……私も……苦手……」 ハハハ フフ ウナー
ちひろ「こっちは甘ったるいんですけどね」
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モバP「……ふぅー」
雪美「……P……お仕事……疲れた……?」
モバP「しんどいわぁ。雪美さんも無理したらあきまへんで」
雪美「……うん……。……一緒にいても……良い……?」
モバP「かまへんよぉ」
雪美「……周子……みたい……」クスッ
雪美「……」
雪美「…………」ギュッ
雪美「………………」ニギニギ
雪美「……………………」モミモミ スススッ
雪美「あっ…………いけず」パシッ スリスリ
モバP「人のおててで遊んでくれる雪美さんに癒されます」ヨシヨシ
ちひろ「これって撮影して売っても良いんですかね?」
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ちひろ「そういえばプロデューサーさんって、あまり可愛いって言葉を使いませんよね」
雪美「……!」
モバP「カワイイなら使いますがね」
ちひろ「でもそれは幸子ちゃん専用でしょう?」
モバP「独自の意味を持つ専売特許みたいなものですからね。他の子に軽々しく使ってあげたくないです」
ちひろ「プロデューサーとしての意地みたいなものですか?」
モバP「そうですね。変な所にこだわって意地を張るのが男なのかもしれません」
雪美「……」
モバP「仕事で知り合って交流の多いコラムニストさんから聞いたんですが」
モバP「可愛い、というのは古くから弱い物に対する憐れみの意味が含まれているそうです」
モバP「それを聞くと何にでもやたら可愛い可愛いと言うのは違うかなと思い至ってですねえ」
モバP「ただ、代わるしっくりくる褒め言葉をなかなか見つけられません」
ちひろ「それはまた難儀な」
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ちひろ「みんな、本当はもっと褒めてほしいんだと思いますよ?」
モバP「そこは悪いと思っています。なるべく態度で伝わるようにしているつもりですがね」
雪美「……P」
モバP「雪美……膝に来るか?」
雪美「……」コク
ちひろ「まあ、態度で伝わっていますかね?」
モバP「だと良いんですが」 ストン
雪美「……P……私……可愛く……ない……?」
モバP「雪美はな、見た目は決して大きくないし、大人しい性格だ。異性からすれば守ってあげたいタイプのか弱い女の子に見えるかもしれない」
モバP「でも、雪美は本当は強いし、成長しようとする頑張り屋だから、可愛いという言葉で上から押さえつけたくない気持ちがある」
モバP「普段の言動と矛盾していたらすまない。確実に言えるのは、雪美はとても魅力的だってことだ」ポン
雪美「……あなたの……心……感じられた……」ギュッ
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モバP「いつかマンションに住みたいなあ」
ちひろ「戸建住宅じゃないんですか? 庭付きの」
モバP「いや、マンションかな。それも一室に階段があって二階まであるやつに憧れますねえ」
ちひろ「メゾネットタイプですか。確かにオシャレで高級感はありますけど」
雪美「……P……眺めが……良い所……好き……?」
モバP「好きだね。高所恐怖症だけど」
ちひろ「ダメじゃないですか」
モバP「三、四階くらいなら良い。タワーの端から下を見下ろすのはおまたがきゅっとなります」
ちひろ「おまた言うな」
雪美「……じゃあ……幸子に……鍛えて……もらおう……」
モバP「……そりゃあ、ヘリからパラシュートつけて飛び降りさせるようなお仕事もさせましたけどさ」
雪美「……いつか……タンデムで……私を……飛ばせて……?」
ちひろ「プロデューサーさん、スカイダイビングの練習頑張ってくださいね?」ニコ
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雪美「……だーれ……だ……?」スッ
モバP「んー? 誰かなー? わっかんねーなー」
雪美「……残念……私……」
モバP「何だ雪美さんかー。……ん?」
雪美「……」キラキラ
モバP「……黒のミニドレスとは粧しているな。フリルがあってリボンがあって、裾がシースルーとはまた大胆だ」
雪美「……///」
モバP「恥ずかしがるのに俺に見せたがるの好きなのね」ナデナデ
モバP「頭のミニハットと、目元のタトゥー(シール)がまた遊び心があって良いアクセントだ」
ちひろ「わたしがやりました」
モバP「よくやった褒めて遣わす」
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モバP「ところで今回のコンセプトは?」
雪美「……とりっく……おあ……とりーと……」
モバP「ちょっと早いハロウィンか。良いぞ良いぞトリックで頼む」
雪美「……」ジッ
モバP「冗談です。いやあ、いたずらかお菓子かって面白い二択だよ」
モバP「今はちょうどよくグミがある。では、はい……あーん」
雪美「……あーん」
雪美「…………んく。……りんご味……?」
モバP「アップルグミだな。体力が30%回復するぞ」
ちひろ「テイルズオブシリーズかな?」
雪美「…………」ジーッ
モバP「……何なら、いたずらもして良いぞ? 若い内は欲張ることも必要だ」
雪美「……Pに……いたずら……///」カァッ
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モバP「今日はとっても楽しかったね」
モバP「明日はもーっと楽しくなるよね、雪美」
雪美「…………へけっ……」
モバP「……ハハハッ」
雪美「……!///」ペシペシ
モバP「ごめんごめん」
モバP「……」
雪美「……」
モバP「……今日は早く帰らないで良いのか?」
雪美「……パパもママも……今日は……忙しい……」
モバP「親には一緒にいてほしいけど、好きだから無理言えないか」
雪美「……うん」
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モバP「どーれ、膝においでな」
雪美「…………どっきんぐ……完了……」
モバP「寂しいならいつでも……は難しいかもしれないがなるべく一緒にいるよ」
雪美「……」
モバP「見守ってもらえるって幸せだよな。口うるさく言われると煩わしくなったりもするが」
モバP「親元を離れているとたまに自分の孤独さが身に染みることがある」
雪美「……Pでも……寂しい……?」
モバP「ああ。だからその代わり、というのも変だが、賑やかで楽しいここが好きだな」
雪美「……私も……」
モバP「みんなには助けられている。勿論、雪美にもな」
雪美「……じゃあ……手も……繋いで……」
モバP「良いぞー。ほい」ギュッ
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モバP「……」
雪美「……」
モバP「お主、安心しきっておるな?」
雪美「……P……だから……ね」
モバP「俺だから……か。あまり素直じゃない俺なんかでよろしいか」
雪美「……素直に……なろう……?」
モバP「おうふ、イインダヨとは言ってもらえませんか。雪美さんは厳しいなあ」
モバP「……ありがとう」
雪美「……どういたしまして」
雪美「…………私も……感謝……してる……」
モバP「……雪美」
雪美「……P」
ちひろ「見張り台のシータとパズーの会話を聞いてるドーラの気持ちになるですよ」
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モバP「街はハロウィン一色だな」
雪美「……あ、あの仮装……可愛い……」
晴「え? いやー、アレほぼビキニじゃん」
モバP「どれ……あれはロッティ・トップスのコスプレかな。この寒いのに凄いな」
雪美「……ぞんび……青い肌……すごい……」
晴「あんな格好、オレはとてもできねーな」
モバP「フリかな?」
晴「何でだよ。着せたら怒るからな」キッ
雪美「……私は……着てみたい……」
モバP「二人とももうお仕事でいろんな衣装を経験しているからな。度胸も付いたろう」
晴「そんな度胸があってたまるか」
モバP「無いのか? まあいつまでも初々しさが残るならそれはそれで良いぞ。ハハッ」
晴「うっせーバカ」
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モバP「しかしこの時期の定番として、カボチャアレンジされた期間限定パンやお菓子とかが出回るよな」
晴「何かアニキがそういうの好きで毎年、よく買ってきてた」
モバP「良い兄さんじゃないか。まあでもイチゴとかブドウなら分かるが、”カボチャ”って訴求力微妙じゃね?」
晴「んー、そうか? あ、もしかしてアンタ、カボチャ嫌いなのか?」
モバP「やあ実は、食感がどうもな。天ぷらは許容できるんだがゴロッとしたのは、あまり」
晴「子どもみてーだな」アハハハ
モバP「くそっ、小学生に子どもみたいとか言われてしまった」
雪美「……好き嫌い……ダメ」
モバP「ごめんなさい」
モバP「ただ、ああいうのが売れ残ってワゴンされているのを見ると悲しくなる」
晴「ワゴンされるって何だよ。まあ気持ちは分かるけどさ」
モバP「見捨てられずについつい買ってしまうのですよ。フードロス削減に貢献ですよ」
雪美「……P……体……壊さないか……心配……」 ウッ キヲツケマス
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ペロ「……」
モバP「ペロが精悍な顔つきをしておられる。一体何を見ているんだ?」
モバP「猫は幽霊が見える説なんてロマンがあるもんだが」
ペロ「……」スクッ
モバP「おっ、何だ? 俺の膝に……」 トスン
モバP「ペロさん意外と人懐こいよねー。……ん? 誰……」
「……P……」
モバP「何だ……? 雪美……か? いや、それにしては古代エジプトのような服装……」
モバP「もしやバステト……バステトなのか? 顔がよく見えないが、雪美に似ている?」
モバP「つまり雪美はバステトだった……?」
――
モバP「うーん……うーん……Zzz」
ちひろ「あら、プロデューサーさんとペロが仲良く寝てますね」
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今日はここまで
ほな、また……
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>ちひろ「こっちは甘ったるいんですけどね」
相変わらずちひろさんの皮肉が鋭くて好き
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モバP「雪美さんは意外とかっこいいの好きだね」
雪美「……次元大介……好き……」
モバP「それはもうかっこいいを超えてハードボイルドでシブい感じだが」
雪美「……でも……ちょっと……憧れ……」
モバP「そうかぁ」
モバP「……髪をミディアムまで短くしてソフト帽被った目隠れな雪美さんを想像してしまった」
雪美「……短い方が……良い……?」
モバP「いつまでも変わらずにいてくれ、とは言わないが、今は今の雪美が一番だよ」
雪美「……なら……ずっと……あなたに……梳かしてほしい……」
モバP「頼んでくれたら引き受けるさ。特別サービスだぞ?」
モバP「しかし、アイドルにぱっつんはいるのに両目隠れは見ないな。文香は軌道修正してしまったし」
雪美「……みんな……Pに……目を見て……もらいたい……から……」
ちひろ「恥ずかしがり屋な子は多いんですけどね」
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モバP「”シートベルト”をしてほしい?」
雪美「……」コクコク
モバP「運転中はちゃんとしてるぞ」
雪美「……!」プンスカ
モバP「冗談だよ。では、腕を掛けるぞ」
雪美「……」ドキドキ
モバP「そして軽くクロスさせながらハグします」
雪美「……///」
雪美「……しばらく……このまま……」ギュッ
モバP「じゃあ、このまま雪美を捕まえているから、どこにも行くなよ」
雪美「……うん……行かない……」トロン
ちひろ「遠くへ行きたい」
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モバP「雪美さんや」
雪美「……?」
モバP「ソファーに座っているとよく隣に来て、もたれかかってきますね?」
雪美「……ふふ。……にゃーん」
モバP「何だ猫か。じゃあ仕方ないな」
モバP「最近は積極的なスキンシップが多いから発情期なのではと思ったのだが」
雪美「……へんたい」
モバP「言葉を改めますね。何か欲求不満でもある?」
雪美「……上手く……言えない……」
雪美「……心配……しなくていい……。少し……甘えたいだけ……」
モバP「そんなことを言わせるのはデリカシーがなかったな。ごめんな」
雪美「……」
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雪美「……あのね……P……」
モバP「ん?」
雪美「……私……邪魔に……なってる……?」
モバP「……」
ガシッ ギュッ
モバP「そんなことは微塵もない。むしろ俺が邪魔させてるんじゃないか?」
雪美「……なら……安心……」
雪美「……Pは……放っておけないオーラ……出てる……」
モバP「うわあ、それは何とも恥ずかしい」
雪美「……♪」スリスリ
モバP「こっちから抱き寄せた手前、この状態を解除できないなぁ」
ちひろ「そろそろ仕事してくださいね(半ギレ)」
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悪魔「ケケケ、テメエにはここで死んでもらうぜ!」
モバP「くそ、ここまでか」
雪美「……P!」
モバP「雪美、来るな逃げろ!」
悪魔「嬢ちゃんはコイツの後だ。まずは大事な男の情けない死に様を見てな」
雪美「……!」
ザクッ
モバP「ぐっ……!」ガクッ
悪魔「おっと、急所は外したか。だが次でおしまいだ」
雪美「P……血が……!」
雪美「やめて……私が……代わりに……なるから……」
悪魔「おお、その迫真の表情はガキながら名女優だ」
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悪魔「だがな、テメエの代わりなんてここには山といるぜ?」
雪美「……!」
悪魔「正確には、”いた”んだがな。ギャハハハ」
雪美「」
ツー
悪魔「ショックで放心状態か。最高の眺めだ」
悪魔「おっと、話が長くなっちまった。じゃあな、あの世でアイドル達と仲良くやってな」
雪美「……」ズズズズズ
悪魔「あん?」
雪美「……ゆるさない」
雪美「ザンマ!」ドウン
悪魔「げえっ!?」
グシャッ
-
パラパラ
雪美「P……P……」フラフラ
雪美「お願い……死なないで……」ギュッ
モバP「うう……雪美……?」
雪美「P……!」
その時の雪美は碧眼で、髪先が翼のように変化し、まるで魔物のような雰囲気を漂わせていた。
――
モバP「こうして雪美はモー・ショボーとして覚醒したのでした。続く」
雪美「///」テレテレ
千佳「雪美ちゃんかっこいい!」
仁奈「ワクワクするでごぜーます! 早く続きを聞きてーです!」
薫「せんせぇ! それ本当なの? 本当なの?」
ちひろ「小学生たちにいいかげんな話をするな」
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ガヤガヤ ワイワイ
モバP「最近は日が落ちるのも早くなったなあ」
プロデューサー マタネー カゼヒクナヨー ハモミガケヨー ワハハ
モバP「歯くらい磨くよ! おー、じゃーな」
パタン
シーン
モバP「……アイドル達が帰ってしまうと部屋の温度が一気に下がってしまう気がするな」
モバP「さて、仕事すっぺか」
ガサッ
モバP「ん?」
雪美「……!」ビクッ
モバP「えっと……佐城、だったか。どうした?」
-
――
モバP「なるほど。まだここの雰囲気に溶け込めていない感じがする、か」
雪美「……」
モバP「まだ入って間もない新人さんなら仕方もあるまい」
モバP「かくいう俺もまだプロデューサー歴は浅い方でな。慣れないことも多いよ」
雪美「……」
モバP「共に精進していこう、友よ。……なんつってな」
雪美「……?」キョトン
モバP「ああくそ、オヤジギャグにするつもりじゃなかったのについ言葉の流れで」
雪美「……ふふっ」
モバP「ん? 佐城、今笑ったな?」
雪美「……?」キョトン
モバP「はぐらかされてしまった」
-
モバP「……」
雪美「……」ジッ
モバP「……?」
雪美「…………あの……」
モバP「ん?」
雪美「……私……喋るの……苦手……ダメ……?」
モバP「そんなことはないよ。静かなりの空気感というのも良いもんだ」
モバP「仕事柄、あまり好き嫌いを挟むと差し支えるから公言はしないが、どちらかと言えば俺は静かな方が好きだし、喋るの苦手よ」
雪美「……」ジトッ
モバP「これだけ一方的に喋ってたら信用ないかぁ」
雪美「……変人……」
モバP「澄ました顔して言ってくれるなぁ」
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雪美「……はー……」
モバP「佐城も寒いのか。どうも俺だけじゃなかったようだ」
雪美「……」ジッ
モバP「この膝掛けに何か用か? いやいや分かってる。ここは名残惜しいが世の為人の為レディーの体の為――」
雪美「……でも……あなたの……」
モバP「アイドルに貰ったから使ってるだけだ。遠慮しないで良いぞ」
雪美「……なら……一緒に……使おう……」ススス
モバP「やけに積極的だな。まあ良いか」パサッ
雪美「……」
モバP「こうしてじっくり話をするのは初めてだったが、なかなか楽しいもんだな」
雪美「…………ありがとう……」
-
――
雪美「……P?」
モバP「ん……雪美か。何か白昼夢でも見ていたのかな? ボーっとしてたわ」
雪美「……大丈夫……?」
モバP「ああ」
モバP「しかし、もうすっかり秋も深まったなあ。雪美との出会いも秋だった」
雪美「……?」
モバP「秋だったよな? ずいぶん昔のことのように感じるが……何年前か」
雪美「…………」
モバP「ん……いてて、思い出そうとすると頭痛がする。大事なことのはずなのに」
雪美「……私も……よく……思い出せない……Pと……あれ……?」
モバP「やめよう。目の前にいる雪美が消失しそうな気がする」
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28
モバP「もやしって意外と美味いよな」
みく「にゃ? もやしってサカナ?」
モバP「えぇ……。あのねぇみくさん、いくら俺が意地悪だからって何でも魚の話題から振る訳じゃないって」
みく「分かってるよ! というか意地悪は改めるべきだけどにゃ。……えっと、あのもやしだよね?」
モバP「そう。手軽に調理できて、シンプルな味付けにも合うし、最近よく食べ――」
みく「Pチャン……みくで良かったら今度ごはん奢ろうか?」
モバP「それはありがたいが、別にもやしだけしか食ってない訳じゃないぞ」
みく「アイドルもプロデューサーも体が資本だにゃ。偏った食生活は良くないよ」
モバP「袋入りの蒸し焼きそばとかも好きです。あれ安くてねぇ。あとは豆苗?」
みく「あああ〜ダメダメダメ」
モバP「コスパ良い割には美味しいから大丈夫だよ」b
みく「かな子チャンのアイデンティティがやんわり汚されているにゃ!」
-
みく「もう! Pチャンはお嫁さんいるんだから、もっと自分を大事にするべきにゃ!」
モバP「お嫁さん?」 ガチャ
雪美「……P……と……みく……お話、してるの……?」
みく「噂すれば本人登場。そう、お嫁さん」ポン
雪美「……」 ←お嫁さん
モバP「そうなの?」
雪美「嫁さん……違います……」
みく「息ぴったりだにゃ」
モバP「じゃあみく、魚料理食いに行こうぜ。偏った食事は良くないからな」
みく「……そう来る?」ガシッ
モバP「……こう来ます」ガシッ
ググググ
雪美「……かっこいい……」
-
29
ガチャ
モバP「ただいま戻りました」
雪美「……戻りました……」
ちひろ「あっ、お疲れ様です」
ちひろ「おや、また仕事の合間に手繋ぎデートですか?」
モバP「安心してくださいちひろさん。もはや日常なので」
ちひろ「大丈夫かなこの人」
雪美「……手……繋ぐと……脈まで……一緒に、なれる……感じ……」
雪美「ちひろさんも……手を……繋いで……まぁるく、なろう……」
ちひろ「えっ、それはちょっと恥ずかしいです」
モバP・雪美「……」
ちひろ「無言で期待の眼差しを向けるのはやめてください」
-
30
モバP「今日の雪美さんは伊達メガネとベレー帽か」
モバP「カーディガンとチェックのロングスカートも洒落てるな」
雪美「……」キラキラ
モバP「どれ、まだ時間があるからそこらの店でカフェラテでも飲んでいくか」
雪美「……」コクリ
雪美「……P……」
モバP「何ざんしょ?」
雪美「……ふふっ、……やっぱり……なんでもない……」
モバP「そうか」
雪美「……」ジッ
モバP「……お手をどうぞ」スイッ
雪美「……うん」ギュッ
通りすがりの美嘉「うわあ……///」
-
今日はここまで
おやつは300円まで
-
乙
嫁さん違いますは某女子高校生麻雀漫画が元ネタかな?
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31
雪美「……」
モバP「……」
雪美「……」チョイチョイ
モバP「……?」
雪美「……」チラッ
モバP「……」b
ナデナデ
雪美「……♪」
サラサラ
雪美「……」ハフー
ヨシヨシ
雪美「……」ウットリ
ちひろ(喋れねえ)
-
32
モバP「おお、そんなに目を細めて」サスサス
ペロ「ゴロゴロ」
雪美「……ペロ……気持ち良さそう……」
モバP「喉を撫でられると俺でも多分こうなるな」サワサワ
雪美「…………」
雪美「……P……私も……のど……」
モバP「撫でたいのか?」
雪美「…………なでて……ほしい……」
モバP「そいつぁ予想外だ。いいぞ」
ツツッ
雪美「……あっ……んっ……」
ちひろ「いやらしいのでアウトと判定しました」
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33
雪美「……」パラッ
ちひろ「雪美ちゃん、お膝の上で本を読んでいるんですね」
モバP「没頭していて文香モードですよ」
ちひろ「一つ疑問なんですけど、膝ってそんなに座り心地が良いものなんでしょうか?」
モバP「どうですかね。小さい時はよく父親の胡座に乗っけてもらっていました」
ちひろ「物心つく前ですか。確かに入園前までくらいなら収まりも良いと思うんです」
モバP「そう言うならちひろさん、後で試してみますか?」
ちひろ「嫌ですよ」
モバP「一応、暑くない時は間にクッション挟んでみたり工夫はしています」
ちひろ「……プロデューサーさんは順調にイス化していっていますね」
モバP「イスというか、電話子機の充電器みたいだと言われます」
雪美「……♪」パラッ
-
34
コロッ
モバP「おっと、ペン落としてしまった。奥に行ったか? んーこの辺かな」ピトッ
乃々「そこは私のすねなんですけど……」
モバP「」
モバP「」
モバP「――はっ……!? びっくりした。素で気づかんかった。心臓止まるかと思ったわ」
乃々「すみません……でも、あの……もりくぼ、狭い所落ち着くんです」
モバP「乃々の生態は面白いな。机の下が好きな生物は他にもいるが」
乃々「プロデューサーさんに珍妙な動物扱いされるなんて、ううう……生きてく勇気をください」
モバP「そこに居場所を構えられるだけで充分逞しいから自信を持ちたまえ」
モバP「で、どうした? 用事? というか床に座るのは体冷えないか? あ、座布団敷いてるか。でもせっかくだから出てきな森久保ォ!」
乃々「むーりぃー……」
-
――
チャリン
モバP「おっと、小銭落としてしまった。どれ、この辺なら良いんだが」サワッ
美玲「そこはウチの手だッ!」
モバP「」
モバP「」
モバP「――はっ……!? まさか二日連続で来るとは思いも寄らずよ。金切り声を上げそうになったわ」
美玲「オマエ結構臆病だな。おばけとか苦手か?」
モバP「お言葉ですが、怖いのと吃驚するのはちょっと違うからな。不意打ちは卑怯だ。大抵誰でもこうなる」
美玲「なら訂正してやる。オマエはもっと身の周りを警戒しろ」
モバP「いやぁ、さすがにここに儂のタマまで取ろうなんて奴ぁおらんやろ〜」
美玲「本当にそうか……?」 エッヤダコワイ
-
――
コロリン
モバP「おっと、ツナマヨおむすびを落としてしまった。開封前で良かったぜ」ムニ
輝子「そこは、私のふともも……」
モバP「」
モバP「」
モバP「――はっ……!? いや何となく予想はしてたがまさかね。というかすまない親友」
輝子「別に、いいぞ……。侵入されるの、好きだから……」ヤメロォ
モバP「というか何で太ももに手が当たってしまった?」
輝子「……Pが、手を伸ばしてくると思って、わざと正座していたんだ。……ハニートラップ……フヒ」
モバP「しかもミニスカか。……あまりそっち方向に誘い受けしないでくれよ。セクハラだぞ。俺が」
輝子「すまない……でも、情熱的なストロークだった」ヤメロッテバ
-
――
モバP「あたしゃすっかり身に染みたよ。もう机の下をよく見ないまま手を突っ込んだりしないぞ」
美玲「賢明だな」
乃々「……でも」
輝子「……うん」
モバP「さあ、今日から席に着く前に中を確認だ。どれどれ、っと」ジロ
雪美「……」
雪美「……」ウルウル
モバP「」
モバP「」
モバP「――はっ……!? 雪美の涙目を見てしまうなんて罪悪感に満たされる……!」
モバP「あのー……雪美、さん?」
雪美「……私には……インディヴィジュアルズと……同じこと、させて……くれない……の?」
モバP「そんなことないぞ! ……よし、何も無かった! じゃあ仕事するか!」
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――
ニャッ
モバP「おっとペロよどこへ行く。机の下か……そんな所に入るのは良くないぞっと」
モバP「んー、そこにいるのかー? 手で探っちゃうぞー?」パシッ
モバP「おうっ!? 捕まった?」
グイグイ
モバP「わわっ、引っ張るな引っ張るな。こんないたずらをする奴はどいつだぁ?」ジロ
雪美「……きて」 エッ
ズルズル ワー ニャー
美玲「……プロデューサーが」
乃々「机の下に……」
輝子「引きずり込まれた……」
美玲・乃々・輝子「見なかったことにしよう」 ガタッ ンッ モット...
-
35
キャッキャ ワイワイ
ちひろ「小学生たちは元気が良いですよねえ」
モバP「薫とかみりあとかバイタリティに溢れている感じですね」
雪美「……ちょっと……羨ましい……」
モバP「でも雪美さんも本気を出せばすっげーヤバいっすからね。マジパネェっすよ?」
ちひろ「どういうリスペクトの仕方ですかそれは」
モバP「スタミナあるんですよ。お仕事のご褒美で一日フリーで付き合った時は大変でした。健脚です」
雪美「……アイドル……だから……」フンス
ちひろ「アイドルこわい」
モバP「アイドルとはいったい……うごごご」
ちひろ「そういうあなたもそのアイドルたちを一人で面倒見ているんですから、人間離れしていますけどね」
-
雪美「……P」
モバP「ん?」
雪美「……長生き……して……?」
モバP「何かそう心配されると不安にならなくもないが、そのつもりだよ」ナデナデ
モバP「みんなに対して大人と子どもという区別をして話をするのはあまり好きじゃないんだが」
モバP「子どもの時間と大人の時間は感じ方が違うと思う」
モバP「若ければ若いほど積み上げた人生経験が少ない分、一日が長くなる」
モバP「だから雪美。もし一日が長くて元気を持て余しているのなら、また遊びに行こう」
雪美「……いいの?」
モバP「なるべく付き合うよ」
雪美「……約束」ギュッ
ちひろ「またそうやって甘やかすんですから」
ちひろ「末永く爆発しろ」
-
36
モバP「ふむ、今日のステージ衣装はナース……じゃないな」
雪美「……」キラキラ
モバP「ナースキャップにパジャマっぽいワンピースに、ポニーテール」
モバP「夢核かな?」
雪美「……ふふっ」
モバP「ここなんて小梅みたいな袖余りだな。これが巷で言う萌え袖ってやつか」
雪美「……こういうの……好き……?」
モバP「ブカブカでルーズ、でもそれに癒される。たまんねえぜ」
モバP「それにしても、雪美も夢の中ではハイテンションだったりするのか?」
雪美「……そこそこ……ハイテンション……」
モバP「そっかー。見てみたいな、そんな雪美も」
雪美「Pと……夢で、会えたら……それはもう……あんなことや……こんなこと……する」
-
37
モバP「食パンを牛乳にひたします」ヒタヒタ
モバP「次に溶き卵にひたします」スッ
モバP「バターを温めたフライパンで表裏、焼きます」ジュー
モバP「お皿にとってナイフで斜め半分に切り、ハチミツでもかけます」トローリ
モバP「めしあがれ」コト
雪美「……いただきます」
雪美「…………」モクモク
雪美「……Yummy……」グッ
ちひろ「唐突に何やってるんですか」
モバP「雪美と英語の勉強がてらクレイマー・クレイマーを視聴していたらフレンチトーストが食べたくなりまして」
ちひろ「この人たちは……」
みちる「美味しいですね」モグモグ オマエイツノマニ!?
-
今日はここまで
いつもここから
-
乙ォ!
電話子機の充電器とか相変わらず言葉選びが珍妙(褒め言葉)
-
38
モバP「やあゆきみさんゆきみさん」
雪美「……?」
モバP「スタミナドリンクはあるかい?」
雪美「……はい……」つ赤まむし
モバP「にょろーん……ヘビだけに」
雪美「…………く……くくっ」プルプル
モバP「あっ……」
雪美「……! ……っ!」ペシペシ
モバP「すまない。ちょっとした出来心だったんだ」
雪美「……ふー……はー……、……ゆるさない」
モバP「膝を貸すからどうか勘弁してくりゃれ」
雪美「………………ゆるす……」ポスッ
ちひろ「そのドリンクは回収します」ハイライトオフ
-
39
雪美「……P」
モバP「あら、雪美はん。どないしはったん?」
雪美「……私を……かっこよく……誘って……?」
モバP「おお、なかなか難題を吹っ掛けてくるようになったな。良いだろう」
モバP「……」コホン
モバP「佐城雪美さん――俺と最悪な時間(bad time)を過ごさないか?」キリッ
雪美「……」
モバP「……」
雪美「……30点」
モバP「Oh! Mamma Mia!」
雪美「……やっぱり……いつもみたいに……気さくな方が……好き……」
ちひろ「気さくすぎるんだよなぁ……」
-
40
モバP「雪美さん」
雪美「……なぁに……?」
モバP「雪美さんっていいにおい……ってね」
ちひろ「そんな童謡ありましたね」
雪美「……どんな……におい……?」
モバP「洗濯、シャボンの泡、分かりやすく言うと石鹸の香りがするね」
雪美「……当たり」
モバP「今はフレグランスもいろいろあるが、やっぱりこの香りは風呂上がりを想起させるな」
雪美「……確かに……」
ちひろ「お風呂上がりの女の子は必殺の威力がありますからね」
モバP「泊まりの仕事で旅館、温泉、浴衣、しっとり潤った髪……条件付けられそうです」
ちひろ「一体何に刷り込まれているんですかね」
-
雪美「……Pは……他に……どんなにおいが……好き……?」
モバP「王道だが柑橘系かな。ふとした時にパッと香ってくるととても爽やかだ」
雪美「……みかん……むいた時……好き」
モバP「良いよなあ、あれ」
ちひろ「はい! 私今日は柑橘系です!」
雪美「……本当だ……いいにおい……」
モバP「ちひろさん+柑橘系だと、酢橘、カボス、シークヮーサー、ライム、ヘベス、スウィーティーってイメージですね」
ちひろ「何で皮が緑色のやつばかり並べるんですか。緑色は好きですけど」
雪美「……ヘベス? ……フォボス……ディモス……」
モバP「それは火星の衛星やないかーい」
雪美「……てへぺろ」
モバP「」キュン
-
ちひろ「ちなみにヘベスとは宮崎で栽培されている香酸柑橘です」
ちひろ「この前、礼さんに作ってもらったヘベスサワー、美味しかったなあ」
モバP「礼さんは地元が宮崎ですからねえ。じゃあ、緑分を補給して元気出たんじゃないですか?」
ちひろ「私を緑色の何かが構成している集合体みたいに言わないでください」
雪美「……Pは……においで……元気に……なれる……?」
モバP「なれる。でもにおいはあくまで補助の役割であってほしいかな」
モバP「言葉よりも行動、というのと似たようなもので、みかんの香りがするならみかんを食べたい」
雪美「……ふふっ、……花より……団子……」
ちひろ「言葉よりも行動、ですか。例えば?」
モバP「”愛してる”の、その響きだけで僕は強くなれる気がしていたのかなぁ……ということです」
ちひろ「チェリーとスラムダンクの谷沢を混ぜないでください」
雪美「……P」 ン?
雪美「……じゃあ……私の……におい……つけて良い……?」 キュン
-
41
モバP「一張羅のスーツがくたびれてきたなあ」
凛「新しいの買うの?」
モバP「そろそろな。どんなの買おうかな」
雪美「……白……?」
モバP「結婚式かな? 目立ちすぎるよ」
凛「中は赤シャツでね、かなりワルい感じで行こうよ」
モバP「桐生一馬かな? 仕事できねえよ」
紗枝「髪は角刈りにして、黒地に白のピンストライプでどうですやろ?」
モバP「君らは俺をその筋の人に仕立て上げたいのかい」
ありす「いっそ、前面スーツで背面全裸で行きましょうか」
モバP「びんぼっちゃまくん!?」
雪美「それは……恥ずかしい……///」 イメージスルナ
-
42
モバP「雪美さんや、学校は楽しいかい」
雪美「……うん……みんな……よくしてくれる……」
モバP「そっかー。俺も、学校に行っていた頃があったんだよなあ……」
雪美「……どんな子……だった……? 聞きたい……」
モバP「大人しく過ごしていたよ。図書館が好きでねえ、本をよく読んでいた」
文香「ほうほう……」
モバP「ひょっとしたら文香は分かるかもしれないが、高校の図書館はカタくて合わなかったな」
文香「……そうですか? ……まあ、参考書とか専門書とか、大人向け・勉強向けが増えますから」
雪美「……絵本とかは……ない……?」
モバP「それはね。中学校には多かった小説も少なくてがっかりした記憶がある」
文香「……読まず嫌いは勿体無いです。どのジャンルの本でも、そこから得られる知識は大切ですから」
モバP「そうだな。高校の頃は少し荒んでいたか」
-
モバP「ああそうだ、小学校前半はよく覚えていないが後半は、歌うことも好きだったな」
雪美「……音楽の……授業……」
文香「……今のお仕事に通じるものがあるのでしょうか?」
モバP「うん。でもな、男子は声変わりしてしまうんだよ」
モバP「女の子のような高い声が出せなくなって、その時は変わらない女子が羨ましいと思った」
モバP「合唱ではソプラノが主旋律で男声がハモりなのは個人的に不満だったし」
モバP「今でも邦楽のキーの高い挑戦的な曲とか聞くと、歌ってやろうという対抗意識が疼いてしまう」
文香「……えと、あ、熱い、ですね」
雪美「……でも……低い声も……かっこいい……」
モバP「……ヒトって自分に無い物を求めてしまうのかねえ。声高いと低さを、低いと高さを」
文香「……かもしれません」
文香「あ、プロデューサーさん。今度みなさんと一緒に……カラオケに、行ってみませんか?」
モバP「カラオケかぁ……良いぞ。現役アイドルには負けん!」
雪美「……一緒に……ホウキ雲……歌おう……」
-
43
モバP「世間ではぶどうの飲み物が解禁したな」
杏「そこはボジョレーって言いなよ」
モバP「という訳で我々はぶどうジュースでも飲もうか。乾杯」
雪美「……乾杯」
杏「乾杯。プロデューサーのユルさは折り紙付きだね」
ゴクゴク
モバP「ぶどうにはポリフェノールが含まれているぞ。ワインよりは劣るらしいがな」
モバP「だが諸君、私は多数派には屈しない。ワインを飲めない人用にジュースを用意してくれる人の気遣いが好きだからな」
雪美「……?」
杏「ああは言うけどねー、この前なんてライチジュース飲んでぶどうっぽいなとか言ってたよ」
モバP「やめたまえ恥ずかしいではないか」
雪美「……ふふ……楽しい……」ゴクゴク
-
44
ありす「外を歩けば、冷え込みを感じる今日この頃ですね」
モバP・雪美「……」ジッ
ありす「どうしたんですか、Pさんに雪美さんも」
モバP「……女性ってさ、マフラーやハイネックコートで首から顎、口元あたりまで隠していると、こう、ミステリアスな感じがしない?」
雪美「……する。……マフラーのありす……大人っぽい……」
ありす「えっ……と、唐突に何ですか!」
モバP「昔から、首元は女性の魅力を感じるポイントの一つだな。うなじとか鎖骨とかも含む」
ありす「うう……///」
ありす「ゆ、雪美さんも、かなりミステリアスですから」
雪美「……ありがとう。……でも……そう言われるのは……慣れている……」
ありす「うっ、これが熟練者の余裕ですか……」
-
ありす「そもそも隠しているのにそれが魅力だなんて……」
モバP「隠すから燃え上がる――良いじゃないか」
ありす「何だかいやらしいです。小学生をそんな目で見ているんですか? 通報しますよ?」
モバP「おう、生意気なことを」ワシャワシャ
ありす「むぎゃー!」
雪美「……P……私は……どう……?」
モバP「ニットワンピースだもんな。そりゃあ、ねえ?」
ありす「はい」
雪美「……」キラキラ
モバP「率直に言って」
ありす「興奮しますね」
雪美「……」
雪美「……///」ポッ
-
45
モバP「仕事で行き詰まった時、外を歩いてみると、良い発想が生まれることがある」
モバP「気分転換自体が薬になるし、新たな発見があれば尚良しだ」
雪美「……P……行き詰まり……?」
モバP「気分転換したいだけっス」
雪美「……転換……しすぎに……気をつけて……」
モバP「ああ。やりすぎると大事なことまで頭から抜けてしまいかねないからな」
ブーン パー ブロロロロ
雪美「……Pは……いつも……車道側……」
モバP「別に相手に因る訳じゃないぞ。俺は室内では窓側、屋外では車道側が好きなんだ」
雪美「……」ジーッ
雪美「……そういうことに……しておく……」ギュッ
通りすがりの美嘉「……いい……」
-
今日はここまで
明日はがんばれ
-
46
モバP「これがかの有名な○○○○しないと出られない部屋か」
雪美「……」
モバP「全体的に白くて無機質感があるな。コールドスリープカプセルとかありそうだ」
ガチャン
モバP「……あれま」
雪美「……開かない……」ガチャガチャ
モバP「閉まったねー。こりゃしまった」
雪美「……」ペシ
モバP「多分隠しカメラでこっちを見ているんだろう? 仕方ない。ちょっと○○○○するか」
雪美「……本当に……する……の?」
モバP「ああ。こうなったら、大人の○○○○を見せてやる」
モバP「このたびは羽目を外し過ぎまして、本当に申し訳ございませんでした」
は ん せ い
-
47
モバP「……気がつけば雪美が膝に乗っているのが当たり前になったなあ」
雪美「…………」
雪美「………………」
モバP「今日の雪美はやけに静かだな。まあ、良いが」
雪美「……」スッ
モバP「……ん、降りるのか?」
トッ
ペロ「ニャー」
モバP「……??? 膝から降りた雪美がペロになっちまった? 何で?」
――
モバP「うーん……ペロ……待ておま……Zzz」 ニャー
ちひろ「プロデューサーさんのお腹の上に乗っているペロ、ペーパーウェイトみたい」
-
48
雪美「……」ヒシッ
ちひろ「雪美ちゃん、どうしたんですか?」
モバP「怖い夢を見たらしいです。家に帰り着けなくて独りぼっちだったと」ナデナデ
ちひろ「なるほど。何か漠然と怖いですね、そういうの」
モバP「意味ありげに思えちゃうんですよね。それで夢占いを調べてみたりして」
ちひろ「でも、実際はただの記憶の整理なんでしょうけどね」
モバP「夢がないこと言いますね。夢ですが」
ちひろ「くだらないこと言わない」
雪美「……P……もっと……」
モバP「おーよしよし」ナデナデ
モバP「帰れなくなると言えば、ドラえもんの”すて犬ダンゴ”を思い出しますね」
ちひろ「”どくさいスイッチ”とか”うつつまくら”のようなじわじわくるトラウマ回ですか」
-
ちひろ「プロデューサーさんはすて犬ダンゴされても生き延びますよね?」
モバP「やめてくださいよ。ジプシー生活には憧れが無くもないですが、家に帰れなくなるとか泣きます」
雪美「……Pも……泣くこと……ある……?」
モバP「理由は様々だがそれはあるとも。特に夢の中では大泣きしたり、喜怒哀楽が激しくなるね」
ちひろ「それ、感情を発散できない現実に不満を溜め込んでいるんじゃないですか?」
モバP「それっぽいこと言わないでくださいよ。発散しちゃいますよ?」
ちひろ「おっ、図星ですかぁ?」
雪美「……ふふっ」
モバP「どうやら、少しは元気が出てきたか」
雪美「……まだ……足りない……。……今日は……いっしょに……いて」
モバP「しょうがないにゃあ……」
ちひろ「やめい」
雪美「……あと……お風呂と……布団も……いっしょに……」ボソ
-
49
モバP「あぁ……一度猫を飼ってみたいな。名前は画鋲丸にするんだ」
ちひろ「ネーミングセンスが酷すぎる。まず、責任持って飼えますか?」
モバP「お母さんみたいなこと言わないでくださいよ。今の生活だとなかなか難しいのは分かっています」
ペロ「ふなー」
雪美「……Pは……飼わない方が……良い……って……言ってる……」
モバP「ペロに言われちゃ仕方ないか。でもどうしてだい?」
ペロ「みゃ」
雪美「…………猫と……心の距離が……近い……から」
モバP「やたら懐かれるからなあ。適度な距離感で世話するのには向いていないか」
ペロ「みゃーみゃー」
雪美「……!」
モバP「どうした?」
-
雪美「……」
雪美「……でも、仕方ないから……私が……飼われてやっても……いい……」
雪美「……べ、別に……あんたのことが……好きだとか……そんな訳じゃ……ないんだからね……」
モバP「このこまさかの」
雪美「…………後半は……盛った……」
モバP「驚かせおって。そもそもペロは雪美が面倒を見ているのだからな。俺が取り上げる訳にはいかん」
雪美「……」ジッ
ちひろ「……」ジトッ
モバP「えっ」
ちひろ「……はぁ」
雪美「……みんなで……いっしょに……暮らせば……飼える……」
モバP「そうかその手が! ……ちひろさん、佐城家に婿入りしても良いですかね?」
ちひろ「良い訳ないでしょ?」 デスヨネ
-
50
モバP「有無を言わさない事後承諾ってあるよな」
あやめ「ありますね」
雪美「……例えば……?」
モバP「おお、あやめさん。ちょうど良かった。おめえさんに頼みてぇことがあるんだ」
あやめ「おやPさん。わたくしで良ければ、何なりと」
モバP「ちょいとなぁ……」
ブスリ
あやめ「」
モバP「死んでもれえてぇ」
ドサッ
あやめ「って何であやめが殺られるんですか!」シュタッ
モバP「おお、あやめは跳ね起きが上手だな。スカートでやるのは感心しないが」
あやめ「っ!? ///」バッ
-
あやめ「」プシュー
モバP「というような感じかな」
雪美「……心得た……」
雪美「……P……ここに……座れ」
モバP「はい」
ポスン
雪美「……この膝は……妾のものじゃ……よいな?」
モバP「はっ」
雪美「……」
雪美「……何か……恥ずかしい……///」
モバP「これは良い事後承諾だな」
イチャイチャ
あやめ「むむむ、ずるいですよ! あやめも雪美ちゃんを膝に!」 エ、ソッチ?
-
51
雪美「……P!」タタタ
ガバッ
モバP「おーおー雪美よ、久しいな。レッスン帰りかな」
雪美「……うん」
モバP「最近会う時間がなくてごめんな? 寂しかったろう」
雪美「……アイドル……楽しいから……平気」
モバP「そりゃあ良かった。どれ、楽しい表情をよく見せてごらん」
雪美「……」ニカ
モバP「おお眩しい眩しい。……ところで今日はプルオーバー、ショートパンツ、レギンスか。活発でよろしい」
雪美「……」パサッ
雪美「……にゃー」キラキラ
モバP「何と、猫耳フード付き! ありがたやありがたや」
ちひろ「拝むな」
-
52
雪美「……」(-_-)ウトウト
ちひろ「プロデューサーさんってウサミン好きなんですか?」
モバP「えっ」
ちひろ「さっき偶然目に入ったスマートフォンのロック画面が菜々さんになっていましたけど」
モバP「いや、あれは只のうちのおばあちゃんです」
ちひろ「ええっ!?」
雪美「っ!」ビクッ
モバP「しーっ」
ちひろ「あっ……ごめんなさい雪美ちゃん」
ちひろ「若すぎるでしょ……エルフか何か? そんなオカルトありえません」
モバP「メイクと角度と照明と編集でそれっぽく見せているだけです。実は本人でしたなんてファンタジー展開はありません。安心しました?」
ちひろ「安心しました」
雪美「……」ウツラウツラ
-
今日はここまで
凪のあすから
-
最後がなんかえらいことになってて草
乙
-
53
モバP「雨が降っているね」
雪美「……うん」
モバP「こういう秋の物悲しさに雨とくると、頭の中に大抵、あるBGMが流れる」
雪美「何……?」
モバP「エリック・サティのグノシエンヌ第1番」
雪美「……?」
モバP「ピンと来ないか。まあ聞いてみると良い」 ハイ、スマホ
――
雪美「……」
雪美「……膝、良い……?」ズーン
モバP「良いよ。雪美も結構感受性が豊かだなあ」ポスン
ちひろ「私はジムノペディの方が好きです」
-
54
雪美「気づいて……私……ここにいる……」コソッ
モバP「ん? どうした雪美。物陰からこちらを見つめて」
雪美「……」
雪美「……Pは……発見が……早い……」
モバP「もし死角で気配を消されたらそうは見つけられないよ。雪美は加減上手だ」
雪美「見つけて……もらえないと……こわい……から」
モバP「強く自己主張したくないけど見つけてほしい、という気持ちは分かる。相手に通じたら嬉しいもんな」
雪美「うん……」
モバP「しかし、かくれんぼは人によって性格が出るな」
モバP「見つけてもらうのが好きなタイプ、完璧に隠れきることを探求するタイプ、ギリギリのスリルを楽しむタイプなどな」
雪美「Pは……?」
モバP「隠れきりたいが途中で気力が尽きてやけくその鬼ごっこを始めるタイプだ」
ちひろ「私はいつお二人に気づいてもらえるでしょうか」
-
55
モバP「まゆ。今日の仕事、よくこなしてくれた」
まゆ「うふふ……プロデューサーさんこそ」
パシッ パシッ グッ
雪美「……かっこいい」ジッ
――
モバP「それで雪美もハイタッチがしたいのか」
雪美「……」コク
モバP「では、まずは手遊びでもして息を合わせることから始めようか」
雪美「……」コク
モバP「せーの」
セッセッセーノヨイヨイヨイ アーループースーイチマ
モバP「……ん?」
雪美「……ん」
-
「……」
モバP「おお、いきなりやれと言われても戸惑うか。そりゃそうだ、ガッハッハ」
雪美「手取り足取り……教えて……」
モバP「うちに任しときんさい!」
――
モバP「ふう……こんなもんか」
雪美「……楽しかった」
モバP「やったね! ハイターッチ!」スッ
パシッ パシッ グッ
モバP「おー、何か勢いで出来てしまったな!」
雪美「……うれしい」ニヘラ
モバP「雪美さんが嬉しいと、俺も嬉しいなぁ」
雪美「でも……これは、まゆの……。私だけの……欲しい……」 ヨッシャ! ヤッタロヤナイカイ!
-
56
雪美「先輩……」
モバP「おや、雪美くんか。僕に何か用かな?」
雪美「先輩は……今年の……クリスマス……、空いて……いますか……?」
モバP「現在は予定は入っていない」フフン
雪美「……胸を張る……ところじゃ……ないです……」
雪美「だったら……私が……よ……予約……入れても……良いですか?」
モバP「分かった」
雪美「えっ……、そ、そんなに……軽く……請け負って……」
モバP「僕の一日を私にください、と言うのだろう? 快く受けようじゃないか」
雪美「……先輩…………、ふふっ……じゃあ、楽しみに……してますよ?」
モバP「良い笑顔だ。では、一緒に部活へ行くとしようか」
雪美「……はいっ」
-
モバP「――演技の練習に付き合うのはなかなか恥ずかしいな」
雪美「……P……真剣に……やってくれた……」
モバP「そうかい? 他のアイドルとこれやるとキャラを勝手に濃くするなとか言われるが」
モバP「それにしても、敬語後輩良いよなあ。ましてや雪美みたいな子に誘われたらホイホイ付いて行っちゃう」
雪美「……Pと……同じ学校……イメージ……」
モバP「そして制服同士か……あぁ、雪美の先輩になりたかった」
雪美「……でも……先に卒業されると……寂しい」
モバP「じゃあ、雪美と同級生なら……?」
雪美「P……学校に……遅れるよ?」
モバP「幼馴染か。良いなそれ」
雪美「手を繋いで……登校……」
モバP「やだ滾るわ」
雪美「……でも……けんかも……しそう」
-
モバP「じゃあ、雪美より年下だったら……」
雪美「……Pくん……ふふっ」
モバP「雪美おねえちゃん」
雪美「……」
雪美「……もう一回……言って」
モバP「雪美おねえちゃん?」
雪美「……」
雪美「……も、もう一回……」
モバP「もうダメです。恥ずかしい」
雪美「残念……」
モバP「雪美先輩、好きっス!」
雪美「! も、もう……Pくんったら……」
ちひろ「いっそ赤ちゃんまで若返ってしまえば良いんじゃないですかね」
-
57
雪美「……ふー」
モバP「レッスン、頑張っているようだな」
雪美「!」サッ
モバP「むっ、いかがなされた?」
雪美「……汗……かいてる……」
モバP「はは、お年頃だな。なら先にこっちを渡そう。タオルだ」
雪美「ありがとう……」
モバP「……」
雪美「……」ジッ
モバP「拭いてほしいのか?」
雪美「……せくはら」
モバP「あっしが悪うござんした」
-
雪美「ふふ……分かってる。……軽く、拭いて……ほしい」
モバP「合点承知の助」
――
モバP「そしてこれが水分補給用のドリンクだ」
雪美「感謝……」
モバP「夏場に比べて疎かになりがちだが、水分はこまめに取ろう」
雪美「ん……」チューチュー
加蓮「冬は乾燥するからね」
モバP「お、加蓮か。体調はもう良いのか?」
加蓮「大丈夫。それにしても、拭いてあげるなんて献身的だね」
モバP「見ていたのか」
加蓮「貧血の時の私にも遠慮なく、してくれたもんね?」ニヤ
雪美「……せくはら」 エエッ!?
-
58
モバP「雪美が俺の席に座っている」
モバP「育ちの良いお嬢さんが着ていそうな白ブラウスと黒スカート」
雪美「……」キラキラ
モバP「雪美といえばこれ。物静かで清楚なイメージにしっくりくる格好だ」
モバP「膝に猫を乗せ優しく撫でる様は実に絵になる」
奈緒「ピアノとか弾きそうだな」
モバP「”猫踏んじゃった”とか?」
雪美「……猫は……踏んだり……しない……」
モバP「気づかれちった」
奈緒「ちった♪」
奈緒「……って、何言わせんだよ」 ノリノリジャネーカ
-
雪美「……Pと、奈緒……どうしたの?」
モバP「せっかくそこに座っていらっしゃるので、こっちは隠れつつどこまで接近できるかを調査していた」
雪美「……いつもの……私と……同じ……ね」
奈緒「そうなのか? 半分は隠れる気なかっただろ」
モバP「わざと見つかりやすい不利な行動を起こして、ハイスコアを狙うって寸法よ」
奈緒「ハイスコアって何だよ」
雪美「それで……この状態は……?」
モバP「何とかグレイズかパリィできたかな?」
奈緒・雪美「……できてないです」
ストッ
モバP「どうした雪美。こっちに来て、手を取って、自分に誘導して……」
雪美「……P……つかまえた」ギュッ
奈緒「掴ませてるんだよなぁ……」
-
59
モバP「仮眠室にプロデューサーがやってくる〜♪」
のあ「」バーン
モバP「ああっ! のあさんがありすポーズで横たわっている!」
のあ「うっ……」
モバP「大丈夫そうですが一応大丈夫ですか!?」
のあ「不躾なことを言うのね……」スクッ
モバP「もしかして待ち伏せってやつですか?」
のあ「渇きよ……貴方はいつも揺蕩う小舟の様」
のあ「微かな……雪美の、蘭麝」ダキッ
モバP「」
のあ「魂筥に 木綿とりしでて たまちとらせよ 御魂上り 魂上りましし神は 今ぞ来ませる」
-
ゾワッ
モバP「っ!?」
キョロキョロ
雪美「どうしたの……?」
モバP「お、雪美か……。何か今、変な”隙間”があった気がするんだよな」
雪美「……隙間? ……夢?」
モバP「そうかなあ。まあ、よく分からんが頭はすっきりしている」
ニャー
モバP「ん、猫の声か。ペロとは違うな」
雪美「……猫……いない……」
モバP「そうか? ……雪美さんが言うのなら、そうかなあ」
フフッ
-
60
モバP「もう今年もあと一ヶ月か……」
ちひろ「あっという間ですね」
雪美「……」
モバP「まあそんなことを言っていられる内が華だな。師走は仕事も忙しい」
ちひろ「ですね」
モバP「雪美もこれから大変だろうが、思う存分、暴れてくださいよ?」
雪美「……まかせろー」
モバP「ははは、こやつめ」
ちひろ「仲睦まじいのは結構ですけど、他の子もきちんとフォローしてあげてくださいよ?」
モバP「分かっています。いざとなりゃ分身でも逆藍子でもしてやります」
モバP「あ、逆藍子ってのは精神と時の部屋みたいなもんですね」
ちひろ「えぇ……」
-
今日はここまで
凶鳥イツマデ
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>ちひろ「私はいつお二人に気づいてもらえるでしょうか」
>ちひろ「いっそ赤ちゃんまで若返ってしまえば良いんじゃないですかね」
相変わらずキレッキレで草
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モバP「雪美さんにちょっと難しいことをやってもらおう」
雪美「何……?」
モバP「ホワイトボードにこのペンで”あまがみ”と声に出しながら”おむれつ”という字を書いてください」
雪美「了解……」キュポン
雪美「あ……ま……が……み……」キュッキュ
雪美「……上手く書けなかった……」
モバP「これはな、誰でもそうなるんや。多分」
雪美「……不思議」
モバP「マルチタスクが何だ。人間、シングルタスクでも良いじゃないか……と、勝手ながら思う訳です」
雪美「……じゃあ……シングルタスク……。Pに……あまがみ……する」
モバP「こらこら。なら、せっかくなんであまがみしながらおむれつは作れるのか調査してみるか」
ちひろ「タスクよりリスクを考えるべきですね」
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モバP「あらかじめ言うと、これはちょっと倫理・衛生的に問題がある発言になるかもしれないが」
雪美「……何?」
モバP「俺がこうして人差し指を立てます」
雪美「……うん」
モバP「そこにイチゴジャムを垂らすとします」
雪美「……うん?」
モバP「そしたら雪美はパクッと食いついてきてくれるのか、ふと好奇心が湧いたんだ」
雪美「……」
雪美「……P……そんな子に……育てた覚えは……ないのに」
モバP「おお神よ、私は何と罪深いことを。どうかお赦しください」
ちひろ「デスソース垂らして自分で舐めてな、ボーイ」
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ちひろ「プロデューサーさん、コスプレのアイデアをください」
モバP「自分から聞いてくるのか……」
モバP「希望で良いなら、じゃあ結月ゆかりで」
ちひろ「固有のキャラですか。難易度高いですけど何でまた」
モバP「直感ですがちひろさんならゆかりさんの雰囲気にアジャストしそうな気がします」
ちひろ「喜ぶべきか疑うべきか複雑ですね」
雪美「P……私も……」
モバP「じゃあ琴葉葵でどうかな」
雪美「……?」
ちひろ「こんなのです」 ハイ、スマホ
雪美「……ほー」
モバP「何なら水本ゆかりでも良いですよ」
ちひろ「所属アイドルのコスプレしてどうすんだ」
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ちひろ「まず、結月ゆかりってよく見たら結構煽情的な服ですよね?」
モバP「はい」
ちひろ「はいじゃないが」
雪美「Pは……首周りや……脇とか……好き……」メモメモ
モバP「そのメモを何に使う気だ」
ちひろ「もうちょっと制服、とか水着、とかそういう方向で無いですか? イベントと季節感に合わせて」
モバP「ありきたりだとこの時期ならミニスカサンタですか? でもなあ」
モバP「……よし。なら、しばらく前に流行った”アレ”なんてどうでしょう」ニヤリ
ちひろ「……な、なんですか?」ゴクリ
\童貞を殺すセーター/
ちひろ「……」
ちひろ「……」ハイライトオフ
雪美「……これ……背中……寒そう」 ギャー イタイデスチヒロサン!
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モバP「今年は戌年、来年が亥年」
モバP「アイドルを十二支に例えるなら誰なんだろう」
ちひろ「そういうのはチョコレート菓子やRPGの嫁論争みたいに不毛な争いを生みませんかね」
モバP「そうかな。じゃあ今パッと思いついた犬系アイドルと猪系アイドルだけ挙げてみよう」
モバP「召喚」
凛「犬飼ってる系アイドルだよ」
茜「今年いろいろありましたのでプロデューサーへのタックルは自重気味の猪系アイドルです!」
雪美「好きなもの……ベスト3は……ペロ……イチゴ……P……の猫系、アイドル……です」
ちひろ「十二支に猫はいないんですよねぇ」
雪美「……虎は……ネコ科……だから……」
モバP「虎だ! 虎だ! お前は虎になるのだ!」
雪美「がおー……」
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