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勇者「今日より旅立ちか」勇者(……それにしても腹が減ったな)
555
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:30:32 ID:S6NtbNc2
魔王城
魔術師「へえ、これが例のか」
勇者「と言っても、大きさ的には品質は中の下ほどですが」
魔術師「いやいや、十分に魔法の触媒になるよ。いやあ良い物だ」
魔術師「因みに、これって入手し易いものなのかい?」
勇者「そうですね、大量に買い付ける人がいない限り、常時入手できるかと思いますよ」
魔術師「そうかそうか。やはり、他国の物の取引ができるのは強いな」
魔術師「こちらではこの大きさともなると、早々手に入らないよ」
魔術師「装飾師に君の事を聞いて正解だったな」
勇者「はは、ありがとうございます」
556
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:31:45 ID:S6NtbNc2
魔術師「それじゃあ……2万ギルでいいかな?」
勇者「はい、では2千ギルのお返しに」ゴソゴソ
魔術師「取っておいてくれ。今度は大量に購入したりするだろうし」
魔術師「結構色んな注文もするだろうし、まあ、その時はその時で色を、ね」パチッ
勇者「そういう事でしたら有り難く頂戴しておきます」
勇者「早急でなくても、ご要望がありましたら、各地を回る際に探しておきますがどうでしょうか?」
魔術師「今のところはないかな。ま、何かあったらその時によろしく頼むよ」
勇者「ええ、分かりました」
557
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:33:24 ID:S6NtbNc2
勇者「いやはや、中々の儲けだった。おまけに大口のお客さんになりそうだし」
勇者「よし、少し奮発でもしてみるか」
勇者「城下町は店が多いからなぁ。何度来てもその度に、新しいお店が見つかるから全く飽きないな」
勇者「お、ここにもカレー屋があるのか」
勇者「とは言え、この間食べたばかりだし、今日は……おや?」
『ごつ盛り! ミノタウロスカレー!」
『大人気! スジ肉ビーフシチュー!』
『女性に人気! ヘルシーカレー!』
勇者「スジ肉……そういえば昔食べたスジ肉の煮込みは美味しかったな」
勇者「ビーフシチューだしカレーとは被らないが……」
勇者「いかんなぁ、煮込みを思い出したら涎が出てきたぞ。……えい、ここにしよう」
558
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:34:30 ID:S6NtbNc2
店内
勇者(ちょっと遅かったかな。ほぼ満席だ)
「いらっしゃいませ、一名様ですか?」
勇者「はい、ちょっと待ちますかね?」
「カウンター席でよろしければ、すぐにご案内いただけますが」
勇者「ではそちらで」
「かしこまりました」
559
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:36:43 ID:S6NtbNc2
勇者(うーん、ゆっくり落ち着いて食べたいが、仕方がないか)
勇者(目的の物を食べたらさっと出てしまおう)
勇者「あ、注文いいですか」
「はい、どうぞ」
スジ肉のビーフシチュー 700G
野菜のないスジ肉たっぷりのビーフシチュー。
スジ肉はごろごろと塊で入っていて、ご飯も大目。
勇者(ほーこれは)
勇者(ちょっと割高かな、なんて思ったけどこの肉の量)
勇者(いいじゃないか)
560
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:38:31 ID:S6NtbNc2
勇者(さて、どんな具合だろうか)パク
勇者(うんうん、いいぞ。これはいいスジ肉料理だ)モグモグ
勇者(この噛むと解れるような赤身! おまけにぷるっぷるのゼラチン)パク
勇者(下手なスジ肉だと、ゼラチンが餅っぽくなってくどいけど、これは花丸二重丸だ)モグモグ
勇者(美味しい、美味しいんだが……ちょっと単調だな)パク
勇者(ランチもやっていない、サラダもつかないなら、もうちょっとこう何か欲しいな)モグモグ
勇者(ちょっと惜しいなぁこの店)パク
561
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:40:21 ID:S6NtbNc2
勇者(ふう……美味しかったが、ちょっと物足りなかったな)
勇者(うーん、デザートもアイスとか普通なものばかりだ)
勇者(ここは思い切って切り上げるとするか)
「ありがとうございましたー」バタン
勇者「んん〜〜〜」
勇者「この後はどうしようかなぁ」
勇者「城下町南の市場でも見てから帰るとするか」
勇者「そういえば獣人の人に、そろそろ食料を持ってこいって言われていたなぁ」
勇者「少し、見繕っておこうかなぁ」
562
:
明日役立たない雑学
:2017/01/08(日) 00:41:27 ID:S6NtbNc2
ラッシー
インドの飲み物でダヒー(ヨーグルト)をベースにする。飲むヨーグルト。
そのまま水を加えたものや、砂糖で味付け。
ミルクをいれたものや、薄塩味の他、フルーツやハーブを入れたものと様々。
これらはそれぞれに○○・ラッシーと名前がつけられている。
キール
カクテル、ではなくインドのデザートで、ミルクで煮るお粥。
お釈迦様が断食の苦行中に、少女がキールを捧げた事でお釈迦様が悟りを開かれたって話があるとか。
砂糖を加えたミルクとお米を煮るだけだが、カシューナッツやアーモンド、
レーズンにドライフルーツやドライココナッツにハーブ等も入れたりする。
インディカ米を使った方が合うらしい。
牛スジ肉
牛のアキレス腱や腱のついた肉をスジ肉という。
独特な臭みで固い肉質。「棄てられる部位なんだろ? めっちゃ安いんだろ?」とか意外とそうでもない。
解体した牛をまるっと持ってくるような精肉の市場とかならもしかしたら。あるのかすら知らないけども。
赤身とゼラチン質のお肉で、大量のコラーゲンを含んでいる。
563
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:42:54 ID:S6NtbNc2
牛スジを下ごしらえしようの会 ―クリスマス―
まずはお肉を準備。せめて交雑和牛と思ったけども、輸入牛しかなかった。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8774.jpg
お鍋に水を入れて沸騰させる。水が多いほうが早く熱が伝わるのでお好みで。
スジ肉をそのまま投下し、15分ほど茹でる。
灰汁が出まくるので小まめに取り除く。臭みなど飛ばす工程なので、蓋などしない事。
ある程度、灰汁取りが終わったら茹で汁は捨て、冷水を流して粗熱をとる。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8781.jpg
そしたら一口大ほどにカット。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8782.jpg
脂肪っぽいのは全部ゼラチン。この時はまだまだ弾力のある筋という感じ。
564
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:44:32 ID:S6NtbNc2
再度、水を張って沸騰させたら切ったスジ肉投下。
一時間程は煮込むので水は多めに。これでも少なかったぐらい。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8777.jpg
スジ肉を投下したら弱火にして、じっくりコトコト。
初めは少し灰汁が出たりもするんでそれを取り除く。
浮いてこなくなったら蓋をして、後はひたすら煮込む。
時間がかかるので何かをする。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8778.jpg
コラーゲンたっぷりのお肉だし、いっぱいプチ肉食べて気分を盛り上げるもよし。
565
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:45:31 ID:S6NtbNc2
一時間後。と言ってもお肉が固ければ更に。
逆に一時間未満で柔らかくなればその時点で、火を止めても問題なし。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8779.jpg
めっちゃ白いけど、この茹で汁にもゼラチンが大量に含まれてるわけで、小分けに冷凍して使うのも手。
後はお好みで料理するだけ。
自分はここで更に細かく切ったのだけども、ゼラチンが包丁に張り付いて、お湯でないと落とせない惨事に。
あれあれこうしてクリスマス料理完成。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8780.jpg
※ 残りのお肉はスタッフが美味しくハヤシライスでいただきました
566
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 01:41:55 ID:sghGMYrI
乙
ついに家借りちゃったのかよ勇者…
567
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 01:45:50 ID:2jcH7hJ2
飯テロ乙
568
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 02:08:29 ID:KecPv7Mk
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
今回も良い飯テロ乙乙
569
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 10:25:29 ID:sk8kx3FI
拠点できたから、商売も食べ歩きもより充実しそうだなw
恒例テロリズム乙!
570
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/11(水) 11:48:57 ID:7l2iRVcs
>>1
はお兄ちゃんでもあったのか…
571
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/12(木) 15:05:02 ID:Vl/6E/kc
なんで上がったんだろうと思ったら新作来てたのかww
572
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/22(日) 22:04:50 ID:Dne0Ryj.
>>562
個人のアジア旅行記みたいな本にバング・ラッシーってあったけど確か大麻入りで気持ちよくなるそうだなw
573
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 11:49:31 ID:QE08UcEE
ウォーターサーフェス
勇者「へえ、こりゃ良さそうな魚だ」
勇者「しかしあの魔法倉庫、入れて出すだけで1万Gか……」
勇者「そう考えると普段の取引程度じゃ活用するには、よほど高価な物でないといけないなぁ」
勇者「うーん、中々思いつかないなぁ」
勇者「それこそ大型の生き物の肉とかだろうか……」
勇者「それだって小出しで売ったら意味がないし」
勇者「ちょっと無計画だったかな」
574
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 11:51:52 ID:QE08UcEE
勇者「宝石類の保管という意味ではいいか?」
勇者「でも石や金属の目利きが出来るわけじゃないからなぁ」
勇者「本当に運用を考えないと宝の持ち腐れだな」
勇者「うーん……考えても仕方がないか」
勇者「一先ず仕入れる物も仕入れたし、納品しに行くとしようかな」
ヴォルケイノ領 老舗旅館
板前「達者そうだな」
勇者「ええ、色々とありますが何とか」
板前「正直に聞くが……各国のお触れ、君だろ?」
勇者「」
575
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 11:54:11 ID:QE08UcEE
勇者「各国ですかー……」
板前「まあ、やっていた事がやっていた事だからな。でもまさか、本当に魔王国まで行って商売していたとは」
勇者「やっぱり自分だって分かっちゃいます?」
板前「俺の知る限り、単身で旅をして魔王国まで行ってしまいそうなのは君だけだからな」
板前「ただ、出回っている情報を見る限り、皆デマばかり流しているようだけどな」
勇者「え……?」
板前「心当たりがある人間は皆、君がいなくなると困る人ばかりというわけだ」
板前「無論、私もね」
勇者(取引しながら旅して本当によかったなぁ……いやそれを主軸にした為の、現状な訳だけど)
576
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 11:57:18 ID:QE08UcEE
勇者「で、こちらがご注文の品と」
勇者「良い魚が入ったんで仕入れてみたんですが、こちらはどうでしょうか?」
板前「ほう、あまり見ない魚だな」
勇者「割と足が早いそうで、少し内陸に持っていくだけでも、酢漬けにしたりしてしまうそうです」
板前「ふうむ……うーん、流石に使い辛いかな。因みにいくらだろうか」
勇者「1尾60Gですね」
板前「2尾貰おうか。今晩のおかずと賄いにしてみようかな」
勇者(残りは1尾か。自分で食べてしまおうかなぁ)
577
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 11:58:52 ID:QE08UcEE
板前「そうだ、この後は空いているだろうか?」
勇者「大丈夫ですが、どうかされましたか?」
板前「昼は?」
勇者「まだですね」
板前「なら、午後にちょっと頼まれごとをしてくれないだろうか。その代わり、昼はご馳走しよう」
勇者(買うのか作るのか……むしろ作る方がありがたいなぁ。何させられるか分からないけども)
勇者(この人なら信頼できる美味しい話でしかないよなぁ)
勇者「はは、それでしたら遠慮なく頂かせてもらいます」
板前「おお、良かった良かった。食べる者もどうしようかと思っててな」
勇者「へ?」
578
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:03:14 ID:QE08UcEE
板前「ちょっとした肉をお裾分けしてもらったんだが、家内は嫌がってな」
勇者「特殊なものなんですか?」
板前「ジビエ肉」
勇者「あーなるほど」
勇者「因みにどんなのですか?」
板前「レッドボアだ。フレイムアナコンダの所為で、奴らもだいぶ降りてきているみたいでな」
勇者「まだ落ち着かないんですか……」
板前「アナコンダの方はだいぶ上に行ったみたいだが、猪はまだうろついている、といったところだ」
579
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:05:07 ID:QE08UcEE
勇者「けれども猪肉なら、そこまで抵抗のあるものでもないと思うのですが」
板前「まあ、家内は商業都市の出だからな。ちょっと特殊な肉は中々抵抗があるみたいだ」
勇者「そうだったんですか。確かに、あそこでジビエ肉と言うと、物好きしか寄らない雰囲気ではありますもんね」
板前「何でも揃うとは言え、何でも受け入れられるという訳ではないからなぁ」
板前「おっと無駄話が過ぎたな。ちょっと早いが昼の準備をしてしまってもいいだろうか?」
勇者「はい、よろしくお願いします」
580
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:07:12 ID:QE08UcEE
豪華? 猪尽くしセット
猪カツ
かなりボコボコとしたカツ。薄切りの肉を重ねて揚げた物。
カラっと輝く小麦色のカツは職人ならでは。
猪の生姜焼き
生姜多目。これだけで見ると豚肉に見えなくもない。
ミニぼたん鍋
根菜やキノコ、里芋がたっぷり入ったぼたん鍋。
飽くまで二人前なので鍋は小振り。
勇者(ほほう、これは中々豪勢だ)
勇者(しかもこの人が作ったとあれば外れなんかないだろうし)
勇者(うんうん、もう口の中が涎でいっぱいだぞ)
581
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:08:05 ID:QE08UcEE
勇者「いただきます」
板前「いただきます」
勇者(さて、ここは生姜焼きから……)ガブ
勇者(へえ、意外と臭くない。これは臭みが消えているのか、元からそんなでもないのか?)モッギュモッギュ
勇者(それにしても、肉の厚みの割に中々の硬さだ)
板前「……」モグモグ
板前「随分と硬い肉だな」
勇者「ですね。しかし脂は良い感じですし美味しいですね」
板前「そこは間違いないな」
582
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:11:05 ID:QE08UcEE
勇者(さて、次はこの見た目が凄いカツからだ。このボリューム、中々お目にかかれないぞ)ザクリュ
勇者(うん? これは)モッギュモッギュ
勇者(薄い肉? 重ねた物を揚げているのか)モッギュモッギュ
勇者(しかしこれは……)モッギュモッギュ
板前「……」モグモグモグ
板前「カツは失敗だったな」
勇者「……」モッギュモッギュ ゴックン
勇者「硬さが際立ちますね。薄切りの肉なのに」
板前「切られた物を貰った訳だが、これは塊で渡されなくて正解だったかもしれないな」
583
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:13:28 ID:QE08UcEE
板前「熱すれば熱するほど柔らかくなると聞いたのだがな」
勇者「ではぼたん鍋は期待できますね」
板前「だといいが」パク
勇者「……」パク
板前「……」モギュモギュ
勇者「……」モギュモギュ
板勇(硬い)
584
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:15:56 ID:QE08UcEE
勇者(美味しいんだけど、これはちょっと顎にくる肉だなぁ)
勇者(しかし食べ応えは抜群だ)
勇者(割といい肉なんじゃないか?)
板前「家畜ではないから個体差が激しいのかもしれないな」
板前「昔食べたぼたん鍋はもっと、柔らかかったと記憶しているが……難しいものだな」
勇者(とは言え、カツは美味しいのだけども何個も食べるには体力がいるなぁ)
板前「ふむ……残りのカツは君が食べるか?」
勇者「えっ」
585
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:16:40 ID:QE08UcEE
午後
板前「個人的な事でな。他の者に任すのも忍びないし、午後から忙しい事もあってな」ポン
勇者「木箱……でしょうか。しかし穴があったり不思議な作りですね」
勇者「運べばいいんでしょうか?」
板前「いや、これは燻製器でな。燻すから番をしていてほしい」
勇者「へえ。旅館で出されるんですか?」
板前「満足のいく出来が難しくてな。まだまだ個人的な使用の範囲だ」
板前「お陰で家内からはあまり良い目をされんよ」ハハハ
586
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:18:51 ID:QE08UcEE
板前「そうは燃える事などないが、万が一火災を起こそうものなら洒落にならんからな」
勇者「ですよね」
板前「そんな訳だから、一時間ほど見ていてくれないか?」
板前「今回燻すのはベーコン。一ブロック分けるから頼む」
勇者「そんなそんな。こちらは既にご馳走になっていますし、お安い御用ですよ」
板前「いやあ助かるよ。すぐに準備するから待っていてくれ」
587
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:21:05 ID:QE08UcEE
勇者「とはいったものの」
木箱「」モォ
勇者「隙間から昇る煙を見るだけって言うのも苦痛だなぁ」
勇者「魔王領で何かないかな」
文字伝達魔石「」ポゥ
勇者「これ、意外といい暇つぶしだなぁ」スッスッ
588
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:23:28 ID:QE08UcEE
しばらく後
勇者「うん……?」
勇者「煙が止まった? もうチップが燃えきったのかな」
勇者「これ、どうするのかな。伝えに行ったほうがいいのかな」
板前「調子はどうだ?」
勇者「あ、丁度いいところに。煙が出ていないのですが」
板前「頃合だろうと思ってきてみたが、正解だったな」
板前「どれどれ」ガチャガチャ
板前「うむ、見た目は良い感じだな」
589
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:25:11 ID:QE08UcEE
板前「どうだ? 試食していかないか?」
勇者「いいんですか? では遠慮なく」
ベーコンステーキ
自家製ベーコンを惜しみなく豪快に焼いたもの。
特に味付けはなし。
勇者(この香り……)ゴクリ
勇者(なんてこった、さっき昼食をとったばかりなのに、どんどん腹が減っていくぞ)
勇者(しかもこの大きさ、多分1ブロックを断ったから、焼いてくれたんだろうな)
590
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:27:22 ID:QE08UcEE
勇者(いざ……)モグ
勇者「おぉぅっ」
勇者(美味い! そこらの高級なベーコンと、引けをとらないぐらい美味い!)モグモグ
勇者(これで旅館に出さないって、どんなレベルを求めているのか)パク
勇者(やっぱりある程度、ちゃんと準備ができるだけでここまで本格的な燻製が作れるんだな)モグモグ
勇者(ヴェノムドラゴンの時の燻製とは大違いだっ! 豚、竜に勝ってるぞっ)パク
板前「……」モグモグ
板前「これは……随分と上出来だ。正直驚きだな」
板前「これが安定して、作れるようになればいいんだがなぁ」
591
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:29:50 ID:QE08UcEE
勇者「ご馳走様でした」
勇者(ああ、美味しかった。こんなに美味しいベーコン、そうは食えないぞ)
板前「今日はつき合わせてしまってすまなかったな」
勇者「いえいえ、むしろ役得ですよ」
板前「そう言ってもらえると助かるよ。また頼むよ」
勇者「火の番ですか?」
板前「はは、発注の方だよ。だが、上手くできる様になったら、良い豚肉なんかも注文するかもしれないな」
勇者「その時の為に、今からリストアップしておきますね」
板前「ああ、よろしく頼むよ」
592
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:34:30 ID:QE08UcEE
勇者「ふう……今日はなんて充実した一日なんだろう」
勇者「燻製かぁ……」
勇者「ちょっと自分もやってみようかな」
勇者「せっかく家も借りているんだし、挑戦してみるのも楽しそうだな」
勇者「よし、次に家に帰る時はちょっと考えてみようかな」
勇者「それにしても良いベーコンだった。豚肉調査、早めにしておこうかな」
593
:
雑談
:2017/02/13(月) 12:38:06 ID:QE08UcEE
一日早いメリーメリーバレンタイン(チョコの話題があるとは言っていない)
あと谷口ジローさんの追悼も兼ねて
言う割にゴロー成分薄めの話なってしまったけども
>>570
1.安定版→カオスシェイプで始めるも操作になれずゴミ箱
2.ゴミ箱から出して同データで再開するも、配達護衛+雷雨+初エーテルの風のコンボでゴミ箱
3.安定版DLし直して、再度カオスシェイプ、農場始めて妖精さんと旅し始めたらなんか満足して終了
4.3データで遺伝子残してOOプレイ、ペットに本腰入れ始め+信仰リレー中になんか満足して止まっている
なお兄ちゃんでおじゃる
でも妹はまだペットにした事がないでおじゃる
>>572
バング・ラッシー、マジかよ、と思って調べたらマジだった
バングはガンジャの事で乾燥大麻(マリファナ)なんだとか
インドじゃ宗教と密接にかかわりがあって、瞑想に使われたりもするそうな
インドの州によっては合法なところもあるんだとか
すげえなと思ったけど、薬の捉え方は人や国によって様々だしね
日本だって弱体覚せい剤みたいな成分が、誰でもドラッグストアで買える訳だし
594
:
明日役立たない雑学
:2017/02/13(月) 12:41:37 ID:QE08UcEE
ジビエ
最近よく聞くジビエ。狩猟によって得られた野生動物の肉を指し、猪等に限らず鳥類なんかも含まれる。
語源はフランス語で、狩猟できるような領地をもった上流階級の貴族しか味わえないものだったとか。
その為、フランス料理界隈では今でも高級食材として扱われている。
イノシシ
もとはアジアやヨーロッパに生息し、家畜化したものが豚。
で、この豚を輸入し再度野生化したものがアメリカやオーストラリアにいるイノシシなんだとか。
縄文時代からシカと共に大切なタンパク源として重宝。
山梨県の遺跡からは幼いイノシシの骨が大量に出土しており、飼育されていたと考えられているんだとか。
多産でもある事から豊穣の象徴とされていたそうな。
獣肉食を避けた名残もあり、肉の硬さから山鯨という別称もある。
ぼたん鍋
日本の猪料理の代表例。
牡丹の花のように猪肉を盛り付けるのが特徴的な鍋。
野菜や根菜、きのこ、芋にコンニャクや豆腐などを入れるのが一般的で、昆布や鰹節の出汁に、味噌や醤油っていうのがスタンダード。
十年ほど前に郷土料理百選にも選定されたり、観光資源化が進んでいる。
ベーコン
豚肉を塩漬けにして燻製にしたもので、ゲルマン語とかからきた英語なんだとか。
本来のベーコンは背中やわき腹の肉で、ヨーロッパはその傾向。反面、北アメリカではばら肉で、日本もその影響を受けている。
自家製ベーコンは難しくないものの、一週間の漬け込みや半日ずつ塩抜き水抜きしたり、燻製で1,2時間と時間の手間が大きい。
595
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:42:29 ID:QE08UcEE
と、言うわけで、自家製ベーコンを作ってみよう(だいぶ昔)の会
材料
豚のばら肉
各種調味料
今回は塩、ローズマリー、オレガノ
お好みでなんか野菜も
今回は薄切りにした玉ねぎを適量
予めフォークで何回か刺しておくと、味がしっかり染み渡るとか何とか
よおくまぶしたらジップロックとかに入れて冷蔵庫へ
ハーブ類なんか使った事なかったからドバドバかけた真性のバカです
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8793.jpg
596
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:44:26 ID:QE08UcEE
燻製するタイミングもあって、5日ぐらい漬けて塩抜き
始めの塩の量と、この水抜きの時間で塩加減を調整
不安なら途中でちょこっと切って焼いて食べてみてもいい
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8794.jpg
やり方は忘れたけどネットで調べた結び方を見てベーコンをタコ糸で縛る
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8795.jpg
これを適当に吊るしてしばらく乾燥させる
自分は時間がなくて、ある程度表面が乾いてきたら燻製し始めた
597
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:46:21 ID:QE08UcEE
でダンボール燻製器へ
ほどよいダンボールに、フックがかけられるように施工
針金を巻きつけた割り箸を、設置位置の割り箸両端付近の天井に穴
穴から針金の端を出して、適当な木の枝に巻きつけて、割り箸が落ちないように固定
箸に巻いてある針金にS字フックをかけて、ベーコンをセット
下には石材を置いてチップを燃す場所を確保
チップだと跳ねて、ダンボールに火が移る可能性があるので、スモークウッドというブロック型の木を購入
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8796.jpg
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8797.jpg
チップ類はベーコンの直下に置くと脂が落ちて、非常に不味い煙となるので注意
598
:
キョウハココマデ
:2017/02/13(月) 12:47:55 ID:QE08UcEE
あとは時間つぶし
のんびり荒川作品を読んで腹を減らすもよし
筋トレして腹を減らすもよし
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8798.jpg
量が多かったのか、スモークウッドが燃え尽きるまで約3時間してこんな感じ
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8799.jpg
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8800.jpg
燻製室とかでやっている訳でもないので中は生
食べる時は加熱絶対
と、この程度でお高いベーコンを彷彿とさせる味
味とのコスパで手間と思うかどうかといったところ
599
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 14:04:05 ID:ScEAXGV2
乙乙
昼食べてなければ即死だった……ベーコン食いてぇ
600
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 14:49:38 ID:SFQzxvU2
相変わらずの勇者節とメシテロ乙
って銀の匙w
あー昔、親戚が作ってた燻製もらったの思い出した
自家製って美味いよなぁ
ジローさん訃報びっくりした
孤独のグルメはやっぱりあの画があってこそだったなあ……合掌
601
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 16:10:02 ID:peHGdpHA
乙
手作りベーコン旨そう!
602
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/14(火) 00:23:20 ID:rng1LPg.
ちきしょー!夜に読んでしまった
今度燻製チャレンジしてみようかな
603
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/15(水) 14:34:01 ID:VOF.Va5o
前助けた兵士とかとの絡みをまた見たいな
604
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/03/22(水) 19:29:38 ID:lMd9F1NE
サキュバスさん直飲m…何でもない支援
605
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/04/25(火) 12:45:47 ID:Rf4w0r3Y
勇者はまだか…
606
:
人妻
:2017/04/26(水) 10:11:22 ID:9k8sAJ72
エッチに興味深々な女性達と欲望のままにセックスできます。
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607
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/05/26(金) 09:23:28 ID:mJrH.cVM
終わってしまったのか…
608
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/05/26(金) 19:07:28 ID:.Rj2hqiI
忘れた頃に更新来るから大丈夫大丈夫
609
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:41:56 ID:QXY/WUk.
服屋「これはいい生地ですね。やはり、貴方にお願いしてよかった」
勇者「こちらこそ、ご満足頂けたようで何よりです」
服屋「装飾師君の紹介だから間違いはないだろうと思ったが、いやはや人間の見る目を侮っていたよ」
服屋「ではこれが代金の1万ギルだ。必要な物があったらまたお願いするよ」
勇者「分かりました。こちらが連絡先となっていますので」
服屋「うん、ありがとう」
610
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:44:09 ID:QXY/WUk.
服屋「そういえば君は色んな商売を手がけているって話だね」
勇者「殆ど仕入れて売るだけですが、種類で言えば一般的な商人とは違いますかね」
服屋「ここの土地は無数の川が流れているのは知っているだろう?」
勇者「ええ、見ました。中々凄いですね。迷ったら海まで出ないと分からなさそうですよ」
服屋「地元の者でも隅々まで知っている人はいないぐらいだからね」
服屋「あのあたりは薬草も多く生えている。土地の所有者もいませんから、乱獲でなければ採っていって大丈夫だよ」
服屋「話じゃ薬も調合しているのだろう?」
勇者「まあ、そこそこに程度ですがね」
服屋「ボートは貸し出しをしているんで気が向いたらどうぞ」
611
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:46:14 ID:QXY/WUk.
勇者「流石、魔王城勤め。あの人、ほんと人脈多いなぁ」
勇者「思いがけず大きなおこぼれだ。うーん、魔王国目指したの、やっぱり間違いじゃなかった」
勇者「それにしても薬草か」
勇者「うん、試しに行ってみるか」
「ボート? ああ、一時間100ギルですよ」
勇者「それじゃあ……」
「ああ、戻って来た時に払っていただきますので。こちらに貸し出し書を書いて下さい」
612
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:48:34 ID:QXY/WUk.
一時間後
勇者「ふう……だいぶ来たな」
勇者「それにしても随分と流れがゆっくりだ。これは楽でいいなぁ」
勇者「だけど、あまりいい薬草は見つからないな」キョロキョロ
勇者「もう少し登って……お、あれはヒールリーフ。まあ、悪くないか」
勇者「ええとこうやって繋いで留めれば……うん、これでいいか」
勇者「お、よく見たらハイヒールリーフも自生しているじゃないか。これは当たりだぞ」
勇者「うん? あれ? これって確か……」
勇者「間違いない! 竜治草だ! 竜による傷を瞬く間に治すとも、瀕死の竜を瞬く間に回復させるとも言われる……」
勇者「凄い、初めて見た! 採るとどんどん薬効が消えていく、超高価な薬草……これは異次元収納魔法で収めないと」
勇者「う、うーん、根も欲しいけどそれはそれで惜しいな」
勇者「ここは葉だけにしておこう」
613
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:50:35 ID:QXY/WUk.
勇者「ここまでの地図を記しておいてよかった……しかも、これぐらいの距離なら見失わずに来れる、はず」
勇者「それにしても竜治草がこんなところに生えているなんてなぁ。知られたら乱獲間違いない」
勇者「こりゃあ絶対に知られないようにしないと」
勇者「お、毒食み草……ここは本当に豊かだなぁ」
勇者「あまりここでばかり採る訳にはいかないか」
勇者「よし、少し移動してみるか」
614
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:52:06 ID:QXY/WUk.
……夕暮れ
勇者「うーん、とっぷり暮れてしまった」
勇者「このまま帰ろうとしても迷子ちゃんだな」
勇者「仕方がない。今日はここで野宿するか」
勇者「ご飯持ってこなかったのは痛かったなぁ」
勇者「早く寝ちゃって、早朝に帰ってご飯を食べよう……」
615
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:54:11 ID:QXY/WUk.
翌朝
勇者「やっと帰ってこれた……にしても、あのまま帰ろうとしなくて本当に正解だ」
勇者「日の出前から動いてみたけど、かなり危なかったぞ……」グー
勇者「あー帰ってきたのいいけども、食べるところなんてないよなぁ」
勇者「空腹は最高の調味料とは言うけども、それで食べるのが携帯食料ってのも味気ないな」
「おや、今お帰りですか」
勇者「ええ、日が傾いてしまったので、無理せず野宿してきたんです」
「それはお疲れ様です。おまけして1200ギルでいいですよ」
勇者「う……いえ、ありがとうございます」グー
「ははは、あそこにある喫茶店、朝からやっているんで行ってみるといいですよ」
616
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:56:58 ID:QXY/WUk.
喫茶店
勇者「ここかぁ。本当にやっているんだ」グー
勇者「うん、もう腹の虫が大暴れ。悩み必要なし、ここにしようっ」カランコロン
「いらっしゃい、今コーヒーを淹れますね」
勇者「え?」
『朝食サービス。コーヒー一杯目は無料!!』
勇者「へえ、ありがとうございます」
617
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:59:07 ID:QXY/WUk.
勇者(朝食メニュー、トーストとサンドイッチか)
勇者(トースト、よく分からないものが多いな)
勇者(カヤ? マスコバド?)
勇者(うーん、特に説明もない。けど朝食メニューって事は、この辺りじゃ普通のメニューなのかも)
勇者(とは言え物が分からないし、保険もかけようかな)
カヤトースト 15G
カヤジャムという緑色のジャムが塗られている。
ジャムではあるけども、イチゴジャムのような物に比べて随分と水気が少ない。
マスコバドトースト 15G
黒蜜がかけられたトースト。完全にスイーツ系トースト。
三角柱の立てるタイプのメニュー案内に、マスコバドブラックハニートーストと書かれているのに後で気づく。
ハムチーズトースト 20G
炙った大きいハムとチーズの乗ったトースト。
かなりのボリュームでいい香り。シンプルながら食欲をそそる。
勇者(うーん、これは予想外だ)
618
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:00:42 ID:QXY/WUk.
勇者(このカヤジャムってなんだろう。淡い緑色だ、初めて見る)
勇者(なんかちょっと舌触りが白餡子っぽい感じもするなぁ)サクッ
勇者(ほほう、甘い)モグモグ
勇者(なんだろう、ミルクと蜂蜜かな)サクッ
勇者(これは新しいな。素朴な甘みだ。素朴だけど、中々飽きないぞ)モグモグ
勇者(にしても、マスコバドブラックハニー、まさかの黒蜜とは)
勇者(マスコバドっていう何かで作った黒蜜? 砂糖の種類なのかな、マスコバド)サクッ
勇者(うん、美味しい。美味しいけど、普通に黒蜜だな、これは)モグモグ
勇者(流石にこの甘さ、朝から食べる物でもないような。ここらじゃ珍しくないのかな)サクッ
619
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:02:51 ID:QXY/WUk.
勇者(この甘さ、最後に食べたら相当残っていたな)
勇者(順番はおかしいけども、悪くない判断だ)
勇者(さてさて、このハムとチーズの香りが堪らない方を)サクッ
勇者(うん! いいぞ! シンプルでこんなに美味しいトースト、久々だ)モグモグ
勇者(これはいいハムだ。噛む度に肉の旨みが溢れるのに、全くくどくない)サクッ
勇者(このチーズもハムに負けない味だ。実に完成度が高いぞ)モグモグ
勇者(最高の調味料に最高のトースト。頑張った甲斐があったなぁ)サクッ
620
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:06:25 ID:QXY/WUk.
……
勇者「ああ、美味しかった。他のトースト、今度試してみようかな」
勇者「けどカヤジャム。何処かで売れなくもないな。メモしておこう」
勇者「それはいいけども……」
勇者(竜治草。どうしようかな)
勇者(タイミングが合えば、あれだけで3,40万はするぞ)
勇者(問題はそのタイミングかぁ、何よりやんごとなきお方でないと早々……)
勇者(まあなるようになるか。竜治草の使い方、調べておこうかな)
621
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:09:16 ID:QXY/WUk.
田園風景
勇者「はー……こりゃあ長閑でいいや」
勇者「板前さんに美味い米を見つけたら欲しいって言われていたから寄ってみたけど、中々いいところじゃないか」
勇者「水も綺麗でちょっとした山も多い。息抜きで来るには贅沢な土地だぞ、ここ」
勇者「急ぎの注文もないし、久々に仕事とか忘れて骨休めでもするかなぁ」
勇者「釣竿とか作ってみようかなぁ。ふふ、なんだか少年時代を思い出してきて、わくわくしてきちゃうな」
622
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:10:55 ID:QXY/WUk.
勇者「この水田、色んな生き物がいるな。無農薬農法かな」
勇者「無農薬を神格化するつもりはないけども、それはそれで美味しいからなぁ。食事が楽しみだなぁ」
勇者「山とか入っていいのかなぁ。山菜とかいっぱいありそうだなぁ。山菜鍋、いいなぁ」
勇者「あけびとかもありそうだ。久々に食べたいなぁ。秋になったら来てみようかな」
勇者「あれは……米蔵かな? ちょっと見にいってみようかな」
623
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:12:30 ID:QXY/WUk.
勇者「これまた立派だなぁ」
「うん? あんた、他所もんかい。珍しいなぁ、こんなとこまで」
勇者「どうも。ここは米蔵ですか?」
「おうよ。こいつは去年の米入れてんのさ。なんだ兄ちゃん、興味があるのか?」
勇者「行商の真似事をしてまして。ある板前の方より、美味しいお米を見つけて欲しいと言われているんですよ」
「そりゃあいい。後でそこらで飯食ってけよ。村の米はうめえぞ!」
勇者「はは、そうさせてもらいます」
624
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:14:23 ID:QXY/WUk.
勇者「いやあ、あの様子だと二つ返事で卸してくれそうだなぁ」
勇者「他所への出荷ってあんまりしていないのかな」
勇者「まあ何にせよ、食べてみてからだな」
勇者「小腹が空いた程度だけど、少し食べてみようかなぁ」
勇者「そこらって言っていたけど、何軒もあるのだろうか」
勇者「うーん、規模からして二軒はないか……」
625
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:16:25 ID:QXY/WUk.
勇者「ここ、かな」ガララ
「いらっしゃい、適当に座って」
勇者(うーん、村と同じく静かで落ち着いたところだ。きっと料理も期待できるぞ)
勇者(メニューは……やはりご飯物が多いな)
勇者(お? ドジョウ鍋? あの水田にもいそうだし、飼育もしているのかも)
勇者(聞いた事はあるけども食べた事ないんだよなぁ)
勇者(うん、ご飯もついてくるみたいだし、頼んでみようかな)
626
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:18:30 ID:QXY/WUk.
ドジョウ鍋 50G
開いておらずドジョウが丸々入った鍋。ご飯と漬物がセット。
ニラと卵、ネギが入っており、醤油ベースの割り下で煮込まれている。
視覚的にかなりの破壊力を持つ。
勇者(これは……中々衝撃的だ)
勇者(開いたものだと聞いていたけど、それは別の料理なのかな)
勇者(う、ううん……これはちょっとやらかしたぞ)
627
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:20:26 ID:QXY/WUk.
勇者(しかしここで食わねば罰当たり。食って供養だ、全力で味わうほかない)パク
勇者(う、ん、凄いヌルヌルだ……味はあまり……小魚感だなぁ)モグ モグ
勇者(ちょっと苦味があるのは内臓かな……何ていうか、別にそんなに美味しいとも……)パク
勇者(昔の貴重なタンパク源としての、歴史ある郷土料理って感じかなぁ)モグ モグ
勇者(豊かになって色んな食材が手に入る今となっては、好んで食べる人は相当稀だろうなぁ)パク
628
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:22:15 ID:QXY/WUk.
勇者(ご飯は……)パク
勇者(うん、美味しい!)モグモグ
勇者(これ、新米なのかな? うんうん、焚き方も絶妙だ)パク
勇者(これどうなのかな。試供って事でちょっと買って板前さんに見てもらうか)モグモグ
勇者(さてさて、この漬物は……)パリ
勇者(うんうん、これもいい漬かり具合だ。これとご飯だけで十分じゃないか)モグモグ
ドジョウ鍋「」ゴゴゴ
勇者(……思いがけないラスボスを頼んでしまったなぁ)
629
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:24:10 ID:QXY/WUk.
……
勇者「ふう……腹がはち切れそうだ……」
勇者「……ドジョウ鍋はともかく、ここのお米は逸品だったなぁ」
勇者「うん、板前さんのお土産にしよう」
勇者「しかし……」
勇者「ドジョウ鍋はもう、食べる事はないかなぁ……」
630
:
雑談
:2017/06/05(月) 21:27:33 ID:QXY/WUk.
正直に白状しよう
前回の話を投下した後にぼたん鍋を食べてみたけど、驚くほどに柔らかかった
煮れば煮るほどで柔らかくなるとは聞いたけども、ああも違うものなのかぁ
柔らかいのに確かな弾力で恐ろしく美味なりぼたん鍋
カツと生姜焼きは固かった
弾力のある美味い固さだったけど顎が疲れた
尚、ドジョウ鍋はダーウィンが来た、でドジョウ特集の後に機会があって頼んだけど、激しく後悔した模様
にしてもなろうであれこれやってる内に、深夜の過疎化が凄い加速している感じ?
結構驚いた
631
:
明日役立たない雑学
:2017/06/05(月) 21:29:58 ID:QXY/WUk.
マスコバド
フィリピンなどで栽培されている。
黒砂糖。
カヤジャム
単にカヤと呼ばれる事もある、ペースト状で淡い緑色のスプレット。
ココナッツミルクや卵、更に甘くする為に砂糖や蜂蜜なんかも入れる場合がある。
マレーシアやシンガポール等、ココナッツミルクの産地でよく食べられる。
カヤトーストは朝食の定番なんだとか。
ドジョウ
日本などの東アジアに分布し、食用魚として養殖もされている。
雑食性でユスリカなどの幼虫を食べる。
体を覆う粘膜は粘膜自体に空気を取り込み、皮膚呼吸の助けをしている。
水田時期以外の田んぼの土の中では、大量のドジョウが玉となり粘液の塊の中で(ドジョウにとっての)乾季を凌ぐ。凄い生態だ。
老舗的だとどぜう鍋、とか言うけれども、 旧かなづかいでは「どじよう」「どじやう」と呼ばれるが、
四文字は縁起が悪いとどぜうになったそうな。
ドジョウ鍋
ドジョウを使った鍋の総称。
生きたドジョウを使い、甘辛い割下で煮込み大量のネギや山椒などで頂く丸鍋。
背開きしたドジョウとゴボウと一緒に煮込むぬき鍋。
開いたドジョウをゴボウと一緒に卵とじした柳川鍋。
等があるらしいけども、柳川鍋しか知らなかった。
632
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:46:25 ID:2fwbH.72
乙!
今回も勇者が勇者してない飯テロでした。
確かに昔に比べたら過疎化進んだねー。
それでも書いてる人いるし楽しみに読むけど
633
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 22:36:02 ID:qKb.AJWo
乙乙待ってた!!……腹減った…
634
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/06(火) 01:28:34 ID:rYFDs7pg
乙
勇者の商売が順調でなによりw
635
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/06(火) 03:54:24 ID:aSmeTlj.
乙
ずっと来ないもんだからてっきりアジアのどこかでバング・ラッシー探しの旅に出てたと思ったぞww
636
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/06(火) 12:52:10 ID:emkiwS4g
待ってた
637
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/06(火) 13:18:32 ID:HRkKiqJ6
うあああ……また空腹のときに読んでしまった……
相変わらずの勇者節w
やっぱ人がいるとこに流れるよね
でもSS形式は掲示板ならではだと思うし、少なくても続いて欲しいもんだ
乙
638
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:47:03 ID:JoL8RVXg
ヴォルケイノ領
勇者「ふー、あっついなぁ」
勇者「けども……うんうん、今日も野菜がいい感じだな」
勇者「ここの夏野菜って結構イイと思うんだけど、他所だと飽くまで暴れ軍鶏のイメージ強いからなぁ」
勇者「まあ、野菜の種類自体は珍しいわけじゃないし、仕方がないのか」
勇者「さて、板前さんの納品も終わったしどうしようかなぁ」
勇者「何か面白い商品とか開拓できないかな」
639
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:48:04 ID:JoL8RVXg
勇者「うん? なんだろう、これ」
勇者「湯の花か……ううん、なんで今まで忘れていたんだろう」
勇者「しかし、金属とか腐食するんだよなぁ。ちょっと使い道が難しそう……」
勇者「でもここの温泉を味わえるとなると、中々良さそうに思えてくる」
勇者「卸し先……卸し先かぁ。装飾師さんの伝手でも当てにしてみようかなぁ」
勇者「城内でも美容を気にする人っているだろうし、かと言って忙しくて満足にスキンケア出来ない人もいるだろうし」
勇者「試供って事でちょっと買っていってみるか」
640
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:50:51 ID:JoL8RVXg
勇者「そうか……各地の温泉の湯の花買って、詰め合わせってていう手もあるのか」
勇者「お風呂が好きだけど、中々温泉に入れない人もいるだろうし……」
勇者「なんだか面白くなってきたぞ。魔王城での反応を見て試してみようかな」
勇者「そうとなったら早めに寄ろう」グゥゥ
勇者「おっと、お腹が減ってきたな」
勇者「このぐらいにして、何か食べようかな」
641
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:52:16 ID:JoL8RVXg
勇者「どこか、まだ行った事ない店がいいなぁ」
勇者「……この香り、カレーかな」スンスン
勇者「ヴォルケイノ領でのカレーかぁ。きっと夏野菜たっぷりなんだろうな」
勇者「うんうん、夏野菜カレー。決まりだな」
勇者「そうと決まれば、お店は何処にあるのかな」
勇者「近いところにあるんだけども……」キョロキョロ
勇者「お、あそこかな。近づくとより一層いい香りだ」
勇者「これは期待しちゃうなぁ」
642
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:54:17 ID:JoL8RVXg
「いらっしゃい」
勇者(なんていうか、喫茶店っぽい雰囲気だ。香り以外)
勇者(お、やっぱり夏野菜カレーがあるな。よーし、今日はもう迷わずいっちゃうぞ)
勇者「すみませーん」
夏野菜カレー 55G
チキンカレーに夏野菜を盛り込んだ感じのカレー。
一般的な具にトマトやナス、かぼちゃが具沢山。
643
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:56:12 ID:JoL8RVXg
勇者(よっ、待ってました)
勇者(流石は全て地元産。この量でこの価格はお目にかかれないぞ)パク
勇者「おっふっ!」ホフホフ
勇者(熱っ、旨っ、辛っ、辛旨っ!)モグモグ
勇者(思った以上に辛い! けど旨い!)パク
勇者(それでいて、何処か甘いっ! トマトとかぼちゃのハーモニーかな?)モグモグ
勇者(止まらない。これはスプーンが止まらないぞっ)パク
644
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:58:11 ID:JoL8RVXg
勇者(うひゃー汗が吹き出てくるぞぉ)モグモグ
勇者(しかしこれは凄いぞ。こんなの食べてしまったら)パク
勇者(そんじょそこらの夏野菜カレーが食べられなくなってしまう!)モグモグ
勇者(ひー、水がいくらあっても足りないんじゃないか)グビグビ
勇者「っぷはぁ」
勇者(けどもスプーンが止められない、魔性のカレーだ!)パク
645
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:00:19 ID:JoL8RVXg
勇者「ふぅ……」
勇者(美味しかったなぁ。ここのお店、大正解だ)
勇者(今度は他のメニューも頼んでみようかな)
勇者(うん? マンゴーゼリー? へえ、美味しそうなデザートがあるじゃないの)
勇者(頭がカレーでいっぱいで、危うく見落とすところだった。これは是非とも食べないと)
マンゴーゼリー 35G
完熟マンゴーを使った大きなゼリー。
惜しみなく入れられてる果肉を果汁入りゼリーで包んでいる。
646
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:02:20 ID:JoL8RVXg
勇者(ふんふん)パク
勇者(普通にマンゴーだ。普通にマンゴーだけど旨い)モグモグ
勇者(そういえば、マンゴーってまだあんまり流通しているイメージないなぁ)パク
勇者(収穫量低いのかな。まだ栽培が軌道にのっていないのかな)モグモグ
勇者(とは言え、マンゴーとなると自分が流通させるには、乾物とかにしないとかな。二日で一往復だし)パク
勇者(むしろ情報を売って、行商とか商人ギルドに流通させた方がいいかも)モグモグ
勇者(この手の物だと、数日とか毎日仕入れたいとかあるからなぁ……自分じゃ手が回らないや)
647
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:04:13 ID:JoL8RVXg
勇者「ああ、美味しかった」サスサス
勇者「思いがけず面白い物も見つかったし、いいタイミングで注文があったなぁ」
勇者「とりあえず、今のところ急ぎの依頼もないし」
勇者「よし、次は魔王城だな」
勇者「これで新規顧客が出来たら嬉しいな」
勇者「商品開拓にも繋がるし、他にも何か掘り下げられそうだ」
勇者「はは、流石にこれは取らぬ狸の皮算用かな」
648
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:06:05 ID:JoL8RVXg
魔王城
装飾師「あー……」
勇者「え、何ですかその反応……」
装飾師「湯の花ですかぁ」
勇者「イケると思ったんですけど……」
装飾師「というよりも、警備の仕事ってそれなりに入れ替わりがあるんですよ」
勇者「へえ?」
装飾師「やっぱり地元に帰りたいとか、都会で暮らしたいとかありますんで」
勇者「なるほど。しかしそれとこれとの関係は……?」
649
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:08:23 ID:JoL8RVXg
装飾師「結構、温泉地が多い……いえ、人間側の領土はどうか分かりませんが、あるんですよ」
装飾師「まあそんな所なんで、警備任務地としては人気でして。基本的にそこの生まれでもなければ」
装飾師「結構な頻度で交代があるんですよ。仕事兼休暇みたいな扱いでして」
勇者「……まさか」
装飾師「その度に湯の花を持って帰ってくるもんで、温泉好きの王城勤めの人でも大満足な環境がですね……」
勇者「ああぁぁぁ……」
装飾師「ただ、温泉の種類という意味ではまだまだ開拓の余地があると思いますよ?」
勇者「問題はその人達が温泉に何を求めているかですよね……ただ温泉がいいだけならあんまり余地が……」
装飾師「そ、それは私も分かりませんねぇ」
650
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:10:10 ID:JoL8RVXg
装飾師「まあ、ちょっと知人に聞いてはみておきますよ」
勇者「お願いします。助かります」
装飾師「その分、今度の仕入れはちょっと多めに見てもらいたいですねー?」ニコニコ
勇者「いやいやそんなそんな。だいぶ助けて頂いておりますので、それはもう期待して下さい」
装飾師「……君は本当にサービス精神旺盛だね。ここまで良心的な価格なのに」
勇者「富を築き上げたいわけではないですからね。これでも十分な利益なんですよ」
装飾師「ふふ、それならこれからもご贔屓しようじゃないか」
勇者「ええ、これからもご贔屓致します」
装飾師「御主も悪よのぅ」ニヤニヤ
勇者「いやいやお代官様もぉ」ニタニタ
651
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:12:59 ID:JoL8RVXg
装飾師「まあ、何にせよまた連絡しますね。湯の花の件もありますし」
勇者「分かりました。それでは私はこれで」
勇者「うーん、あまり当たりが期待できそうにないなぁ」
勇者「まあ、そんな事もあるかな」
勇者「今日のところは飯を食べたら休んでしまおうかな」
勇者「魔王城城下町、まだまだ知らないお店がいっぱいだし、今から腹の音が止まらなくなりそうだなぁ」
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:14:48 ID:JoL8RVXg
小道
勇者「うーん、ここら辺は料理屋はないのかな……」
勇者「しかしどこもしっかりしていて、町を歩くだけでも気持ちがいい」
勇者「建物の作りにしてもこの小道にしてもいい雰囲気だ……おや、良い香りもしてきたなぁ」スン
勇者「しかし商店すらもない小道……これはもしや穴場かもしれない」
勇者「さあてどこかな」ワクワク
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:16:07 ID:JoL8RVXg
勇者「ここかな。なんか普通に家っぽい。看板や香りがなければ絶対にスルーしてるぞ」
勇者「しかし何の店だろう。ちょっと勇気がいるなぁ」
勇者「……」
勇者「えい、物の試しだ。入ってしまえ」ガチャ
カランコラン
魔王軍兵士達「」ワイワイ
勇者(うーん、兵士の人が多い。ちょっと気まずいというか肩身が狭いなぁ)
A「うん? おっ! お前、生きてたか!」
B「よー久しぶりじゃないか!」
C「相変わらずな食道楽って聞くが本当か? まあヴェノムドラゴンを食うぐらいだし変わらないか」カラカラ
D「お前、ちょっとした時の人だからな」
E「噂凄いぜ、聞いた事ないのか?」
勇者「お久しぶりです。噂ってどんなですか?」
E「まあ、とんでもない行商って話だ。鎧も着てるし人間だし、まあバリバリ目立つよな」
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:18:10 ID:JoL8RVXg
勇者「そういえば、まだ人間との商売って始まっていないんですかね? 全く見かけないんで不思議なんですよ」
A「自国の事でもあるだろ……」
B「相当荒れてるらしいぞ。国家間や商人達で意見が割れてるって話だ」
勇者「へえ?」
C「どの国が何を輸出するのかとか、あとそっちの商人の協会かなんかだっけか?」
D「そもそも魔王国との取引なんてって話もなぁ」
勇者「あーなるほど」
E「向こうには行っていないの?」
勇者「行ってるんですけども、そういう話を聞いて回ってるわけでもないので」
A「おい商人、それでいいのか」
勇者「勇者なんです、これでも」
B「自国の事に無関心な英雄……」
C「それはそれでアウトだな」
勇者「あ、こちらだと勇者ってそういう英雄扱いなんですね。実際は粗末にされてましたけど」
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