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勇者「今日より旅立ちか」勇者(……それにしても腹が減ったな)
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/02/28(日) 01:29:42 ID:6YXw5BZo
東の国 グリーンレイク
勇者(遥か西の果て。魔王の国が人間に対して宣戦布告をはじめて早10年)
勇者(魔王軍との戦いは多国籍軍との戦いがメインとなっている)
勇者(その隙に募集、または推薦などで勇者と称される者達が、秘密裏に魔王の元へと肉薄する)
勇者(という計画が以前続いているものの、未だに成果はあげられず)
勇者(そして、そこそこ腕がある自分にも遂に声がかかってしまった……)
706
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:42:02 ID:oCqhwEHc
勇者「竜……竜? ドラゴンじゃないのか……」
勇者「しかしそういう伝説、というか伝承ってあるもんなんだな。物語の中だけだと思ってた」
勇者「とは言え強い魔物が多い地域。とてもじゃないが行く気にはなれないな」
勇者「卸す商品もこれといってめぼしい当てもないしなぁ。今回はあまり収穫がなさそうだな」
勇者「うーん、昼食は我慢してここで取ればよかったかなぁ」
勇者「中途半端な時間に腹が空いてきてしまったぞ」
707
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:43:03 ID:oCqhwEHc
勇者「軽くなんか食べられる……喫茶店、なんてないよなぁ」
勇者「料理屋……よく分からない店があるが今は休業中か。昼と夜だけかな」
勇者「お、パン屋もあるのか。町の大きさの割りに充実しているじゃないか」
勇者「暖かい物を腹に入れたいが贅沢は言えないな。よし、ここらで小腹に詰めておこう」カランコロン
勇者(へえ、ケーキなんかも扱っているのか。パンと洋菓子店って感じか。この寒い中よくやるもんだ)
勇者(しかしこうなってくると迷うな)
勇者(惣菜パン、と思っていたけども菓子パンやケーキが魅力的に見えてくる)
708
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:44:08 ID:oCqhwEHc
勇者(とは言え流石に小さな町の普通のお店。メニューは定番どころって感じだな)
勇者(うん? なんだこれ? シュトレン? フルーツのパウンドケーキかなにかか?)
勇者(この辺りではそう呼ぶのかな)
勇者(うーん、ちょっと気になるな)
勇者(よし、物の試しにシュトレンなるものに挑戦してみようかな)
シュトレン(二切れ) 65G
カマボコ状のパンで様々なフルーツが入っている。
中央にはまん丸の黄色系の具が見える。
表面は砂糖で真っ白にコーティングされていて、見るからに甘そうだ。
ココア 5G
パンなどを購入した人には5Gというありがたいサービス。
普通のココアとビターココアがあり、ビターを選択。
勇者(勢いで買ってしまったけども、二切れで65Gは高いな)
709
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:45:01 ID:oCqhwEHc
勇者(真ん中の丸いのはなんだろう。栗かな? 珍しい)パク
勇者「むぐうっ」
勇者(なんだこれ、めちゃくちゃ甘いぞ)モグモグ
勇者(表面の白いの、粉砂糖をまぶしているのかと思ったけども)ゴクン
勇者(まぶすなんてとんでもない。砂糖のメッキじゃないか)パク
勇者(甘い。恐ろしく甘い)モグモグ
勇者(今、雪深くなる山で自分の血糖値はマグマのように滾っているぞ!)ゴクン
710
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:46:01 ID:oCqhwEHc
勇者(しかしビターココアの選択は、天下分け目の戦いを収めた軍師の名采配だ)ズズ
勇者(甘い物にとってもよく合うしこの暖かさ、身に沁みるなぁ)
勇者(それにしても栗かと思ったけどもなんか餡っぽいな)パク
勇者(まあ栗でなくても珍しいか)モグモグ
勇者(一体なにで出来ているんだろう)ゴクン
勇者(しかし、これはついつい食べ続けてしまう美味しさだ)パク
勇者(間違いなく、食べすぎはダイレクトに体にきそうだけども)モグモグ
711
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:47:02 ID:oCqhwEHc
勇者「ふう、中々の満足感だ」
勇者「シュトレン……侮っていた」
勇者「むしろ都市部辺りなら女性に人気が出そうだな」
勇者「思いがけない収穫だ」
勇者「遠くの伝承より身近な食べ物だな」
勇者「少し調べておくか。これ、城下町で企画できたら美味しそうだ」
712
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:48:01 ID:oCqhwEHc
魔王領城下町
勇者「ふう……すっかりクリスマスシーズンだ」
勇者「卸しも上々。シュトレンも町で大人気。まさかこんなに懐が暖かくなるだなんて」
勇者「装飾師さんへの納品も終わったし、今日はもうゆっくりしていこうかな」
勇者「しかし、この辺りはあまり通らなかったとは言え、だいぶ店が変わっている気がする」
勇者「意外と世知辛い時代なのかなぁ」
713
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:49:01 ID:oCqhwEHc
勇者「お、ここは大々的に開店を謳っているな。料理屋っぽいけど、どんなメニューなんだろ」
勇者「あれ、こっちは裏か。表、表……」
勇者「うわぁ、すごい行列だ」
勇者「うーんそれだけ注目の高い店なんだろうけども、この寒空の下これに並ぶのはなぁ」
勇者「どんな店かも分からないし、もうちょっと手堅く入れる店がいいけども……」
A「うん? お、久しぶりだな。早速聞きつけてきたのか?」
B「よう、久しぶりだな! って毎回言っている気がするな」
C「相変わらず息災なようでなによりだ」
勇者「どうも、お久しぶりです」
714
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:50:02 ID:oCqhwEHc
勇者「あれ? 今日は三人なんですか?」
A「二人は別の仕事でしばらくここを離れているんだよ」
勇者「なんだかいつも五人で行動していたので、ちょっと不思議な感じですね」
B「いや、配置とかは結構変わっているんだよ。ただ時間が合えば一緒に飯食ったりしてるのさ」
C「これから並ぶのか? 良かったら一緒にどうだ?」
勇者「え……それは流石に他の人達に悪い気が」
A「おーい皆! こいつ、噂の人間商人だけど入れてやってもいいかー?」
「え? その人が?」
「あ、だから魔力が違うのか」
「へええ、その人が。案外普通だな」
「おー初めて見た。いいよいいよ」
B「な?」
勇者「有り難いですが、ここまで噂されているとは……」
715
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:51:02 ID:oCqhwEHc
勇者「そういえばここ、何の店なんですか?」
A「知らずに来たのか……」
勇者「通りがかったら行列があったのでどうしようかと」
B「まあ、お前あたりは喜びそうなところだから安心しろよ」カランコロン
勇者(へえ、中は随分とオシャレだなぁ。けどこの人達がいるって事はそれなりの量も出るのだろうし)
勇者(これは僥倖かもしれないな)
C「スペシャルランチ四つで」
勇者「えっ」
A「まあまあ、絶対に気に入るから今日のところはまずそれを食べてみろって」
716
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:52:00 ID:oCqhwEHc
勇者(うーん、メニューすら開けなかった……こういうのはちょっと、あれだなぁ)
B「そういえばシュトレン、だっけ。あんな菓子、一体どこから見つけてきたんだ?」
勇者「北の山のほうですね」
C「あんなところにも足を運んでいるのか。なんだ? 探し物でもあるのか?」
勇者「え?」
A「なんだ、ドラゴン伝説の話は関係ないのか。それであそこまで足を運ぶなんて相変わらず物好きだな」
勇者「それ、どちらも町の人にも言われましたね。不死の竜ですよね」
B「不死? この辺りじゃ北の山に棲むドラゴンは人の言葉を理解し、全てを知るモノという云われがあるんだ」
C「探し物や未来予知、そうした願いを叶えてくれるって伝説だな」
勇者「へえ、町では血が不老不死の力を持つって話でしたが、別の形で伝わっているんですね」
717
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:53:01 ID:oCqhwEHc
勇者「実際にいるんですか?」
A「さあなぁ。遥か過去に何度か魔王様の命で捜索隊が編成されたそうだが、一度も成功しなかったって話だ」
C「強い魔物もいるらしいしな」
B「お、来たな。話もそのくらいにして食おうじゃねえか」
クリームシチュー 90G
真っ白なシチュー。
ごろごろとしたジャガイモやニンジン、ブロッコリーが見え中々ボリューミー。
大きな鶏肉が入っているのもポイントが高い。
パンとサラダがついていて、パンはおかわり自由。
勇者(ほほう……これは中々)
718
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:54:02 ID:oCqhwEHc
勇者(この大きな具の頼もしさ。贅沢じゃないか)パク
勇者(うんうん、このまろやかな甘さ。実にシチューって感じだ)モグモグ
勇者(パンも香ばしくって実によく合う。非常にいいぞ)パク
勇者(これ、パンじゃなくて白米とかで食べられないのかな。絶対にご飯でも美味しいはずだ)モグモグ
勇者(鶏肉のこの大きさにしてこの柔らかさ。結構いい肉使っているんじゃないか?)パク
勇者(ふー、体が暖まってきた。この時期にこのシチューは反則的美味さだ)モグモグ
719
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:55:06 ID:oCqhwEHc
勇者(サラダも)ムシャ
勇者(うん、シャキシャキしててとっても新鮮だ)モグモグ
勇者(少し控え目の味のドレッシングも丁度いい)ムシャ
勇者(勝手に注文された時はどうかと思ったが、この店を知るメニューとしては素晴らしい)モグモグ
勇者(いやはや、止められない美味しさだ)パク
勇者(シチュー専門店なのかな。だとしてもこのレベルは中々お目にかかれない)モグモグ
勇者(是非とも繁盛してほしいものだ)パク
A(相変わらずもくもくと食うなこいつ)
B(あ、やっぱりパンをおかわりしたな)
C(おかわり二回に100G)
720
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:56:01 ID:oCqhwEHc
勇者「ふうー満腹だ」
A「パン三回おかわりにシチューもおかわり……」
B「久々に化け物っぷりを見た気がする」
C「まあお気に召したようでなによりだ」
勇者「こちらこそありがとうございました」
A「じゃあ俺らは午後の仕事があるからな」
721
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:57:00 ID:oCqhwEHc
春先 山の中
勇者「……」
勇者「参ったなぁ。少し軽率だったなこりゃ」
勇者「完全に遭難だ。しかもとても危険地帯……」
勇者「うーん、この辺りはどうなんだろ。転移魔法を準備する余裕はあるかな」
茂み「」ガサ
勇者(逃げよう!)ダッ
勇者(それにしても困ったぞ、これ助からないんじゃないか?)ダダダ
722
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:58:10 ID:oCqhwEHc
数時間前
勇者「多分、あの山が例のドラゴンがいる場所かな」
勇者「流石に深くまでは行けないけども、周辺の地図だけでも作っておけば」
勇者「目指す人の拠点作りに役立つかもしれない」
勇者「過去の捜索隊も昔なんだし、変わっている部分も多いだろうし」
勇者「情報に価値はあるはずだ」
勇者「まあ、この辺りの生息する薬草類の調査も兼ねてだし、小遣いになればいいかな」
723
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:00:01 ID:oCqhwEHc
勇者「意外と開けたところが多い。この辺りはまだまだ安全なのかな」
勇者「山も緩やかでどちらかといえば林って感じだ」
勇者「しかしその分、見通しがいいからちょっと怖いな」
勇者「んー……それらしい大きさの魔物の足跡も痕跡もない」
勇者「もうちょっと奥までいけそうだな」
勇者「? ここら辺は折れた枝が多いな。嵐でもあったのかな」
724
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:01:00 ID:oCqhwEHc
勇者「……へえ、結構薬草が豊富だな。これは珍しいのもあるかもしれないな」
「ルルル」
勇者「!」バッガササ
勇者(何の声だ。どこにいる? 見つかった?)
「ルルルルル」
勇者(木の上?!)
ホッピングドラゴン「ルルルルルル!」
勇者「ま、まずい!」ダッ
725
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:02:31 ID:oCqhwEHc
勇者(は、初めて見た! 木から木へと飛び移り移動するホッピングドラゴン!)
勇者(ここらの落ちてる枝は彼らが当たって折れたものだったのか!)
ザシッ ザシッ ザシッ
勇者(せ、迫ってくる音が後頭部の方から聞こえる恐怖!)
勇者(背に腹は……火炎の魔石!)ゴァァァァ
ホッピングドラゴン「ロロロオオオ!!」
勇者(よし、今のうちにって斜面がっ!)
726
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:03:17 ID:oCqhwEHc
……
勇者「うーん、上に戻ろうにもどんどん離れていくぞ……」
勇者「とにかく帰還する事だけを考えなくちゃ」
勇者「うん……? この香り……」
勇者「無毒化したヴェノムドラゴンの毒か……あんなのまでいるとは」
勇者「流れ毒で死にそうだ」グニ
横たわったヴェノムドラゴン「」
勇者「うわあ踏んだぁ!」
勇者「って死んでるか……」ハアア
727
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:04:16 ID:oCqhwEHc
勇者「? すごい損傷だな。なにと争っていたんだろ」
勇者「よく見たら他に死体があるな……」
勇者「しかしヴェノムドラゴンの毒も効かない魔物……遭遇したら終わりだ」
勇者「うーん、風もあるし不確かだけども、残り香のない方へ進むしかないかな」
勇者「……」
勇者(あそこ洞窟がありそうだな)
勇者(怖いが、もしも争っていたものがいないのなら、今この辺りは比較的安全地帯)
勇者(転移魔法の準備をしようかな)
728
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:05:07 ID:oCqhwEHc
巨大な金色のドラゴン「……」
勇者「」
勇者(終わった……多分、これがヴェノムドラゴンをなぎ払った奴だ)
金ドラ「……人間とは珍しい」
勇者「喋っ!?」
金ドラ「ほう? 私を目当てに来たのではないのか。更に珍しき事よ」
勇者「え? あ、あー……」
勇者(割と絶体絶命の状態だったからすっかり存在を忘れていたなぁ)
729
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:06:00 ID:oCqhwEHc
金ドラ「なにをしにここまで来た」
勇者「えっと、薬草採取と地図作り、ですかね」
金ドラ「ふん、我が身を欲した者達の為、か」
勇者「ええまあ、地図は稼ぎになればいいな、と」
金ドラ「カカカ、正直な奴だ」
金ドラ「だが、止めておけ。仮に成功したとて逆恨みを受けよう」
勇者「自分も生きているのが不思議なぐらいですからね」
金ドラ「いや、もうじきこの命も終わる」
勇者「えっ」
730
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:07:02 ID:oCqhwEHc
金ドラ「見たであろう。毒竜の死体の山を」
金ドラ「あれだけの毒、我が身を以ってしても耐えれるものではない」
勇者「……不老不死の血を持つのに、ですか?」
金ドラ「そんなもの世迷い事よ。確かに人の身ならば永き命も得られようが、永久などありはせん」
金ドラ「それに私も年だ。元より老いたる血にどれほどの効果があるか……」
勇者(うーん、毒食み草はあるけども、解毒には向かないしなぁ)
勇者(ヴェノムドラゴンの毒に効くものって他にないよなぁ。そもそも人間だとほぼ即死だし)
731
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:07:59 ID:oCqhwEHc
金ドラ「……この洞窟は山の南西に通じている。ここを抜ければ生きても帰れよう」
金ドラ「次はその強運、望めはせんぞ」
勇者「あ、はい……」
勇者「……」
勇者「あ、そうだ。どうせだし、とある薬草を食べてみる気はありませんか?」
金ドラ「既に全身を侵された今、効きなどせんだろう……」
金ドラ「しかし折角だ。戯れに道案内の礼として受け取ろう」
732
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:09:01 ID:oCqhwEHc
……
金ドラ「……これほど力が漲るとは。己の身で解毒もできた」
金ドラ「心から礼を言うぞ、人間よ」
勇者「いえ、助かってなによりです」
金ドラ「しかし……竜治草など本当によかったのか? 千年以上生きてきた私とて二度しか目にした事がないぞ」
勇者「どの道取り扱いが難しいですからね」
金ドラ「このような老いぼれ如きに、かたじけない」
金ドラ「私からも礼がしたい。可能なものならば血でもなんでも望みを叶えよう」
733
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:10:02 ID:oCqhwEHc
勇者(血……確かに話を聞く限り、竜治草クラスの薬にもなりそうだけども)
勇者(これも周囲の目って意味の取り扱いが大変そうだしなぁ)
勇者(かといって知りたい事も別にないし)
勇者(うーん、困ったな。メニューが決められない時よりも困ったぞ)
勇者(……)
勇者(……そういえば、腹が減ったな)
734
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:11:03 ID:oCqhwEHc
勇者「あの、尾とか再生するものなんですか?」
金ドラ「おお、今のこの身ならば長さにもよるが一月とかかるまい」
金ドラ「竜鱗か? 尾のものなどとは随分と謙虚な事を言う」
勇者「あ、いえ、尾の先のほうの肉を頂けないかと思いまして」
金ドラ「む?」
735
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:12:19 ID:oCqhwEHc
勇者(流石に血抜き不十分はきついけども、時間的に仕方がない)
勇者(水でしっかりと洗い軽く茹でる)
勇者(お湯を捨て肉を洗い、臭みとりの薬草と共にもう一度煮込む)
勇者(これも捨てて、調味料の薬草と一緒に煮込む)
勇者(プレッシャーポット、とか言う超高温化できるらしい鍋を買ってみたけども)
勇者(本来長時間煮込むところを短縮できるこの鍋、いい買い物をした)
勇者(煮込んだら氷魔法の魔石で冷まし、脂を取り除いて再び火にかけて暖め、塩コショウで味を調えたら)
ドラゴンのテールスープ
尾の先とは言え尾肉を贅沢に使った一品。
ただし下拵え不十分で、その真価は発揮されないだろう。
736
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:13:03 ID:oCqhwEHc
勇者(うんうん、香りはよし)パク
勇者(肉、硬し。流石に時間が足らなさ過ぎたか)モグモグ
勇者(少し血生臭いけども、食べられない事はないな)ズズ
勇者(スープもちょっと血生臭いけども、それなりに美味しいな)パク
勇者(これ、ちゃんと料理するだけで絶品だろうなぁ)モグモグ
勇者(まあ、余ったお肉は魔法倉庫に入れてあるし、家でチャレンジするのも悪くない)パク
金ドラ「よもや我が肉を食べたいと言われようとは夢にも思わなかったぞ……」
737
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:14:03 ID:oCqhwEHc
勇者「ご馳走様でした」
金ドラ「少々複雑な気持ちではあるが、喜んでもらえたのならば結構だ」
金ドラ「それにこの程度の事ならばいつでも引き受けようぞ」
勇者「え? また頂いてもいいんですか?」
金ドラ「あの薬草のお陰だ。数百年は若返ったようなものよ。この程度、安いものだ」
金ドラ「しかし……謙虚かと思ったが遠慮を知らぬな」
738
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:15:01 ID:oCqhwEHc
金ドラ「道中、気をつけるのだぞ」
勇者「いえ、出た先で魔物がいても困りますので、ここから転移魔法で帰ります」
金ドラ「ほう、使えるのか。優秀ではないか」
勇者「能力的に誇れるのはこれぐらいなんですけどもね」
金ドラ「面白い人間だ。またいつでも来るがいい」
勇者「ちょっと大変な場所ですがいずれまた」
勇者(場所的においそれと来れないし、町がないから転移魔法の標も作れないからなぁ)
739
:
明日役立たない雑学1
:2018/12/22(土) 21:17:51 ID:oCqhwEHc
シュトレン
ドイツの菓子パンでオランダでも食べられる。シュトレンはドイツ語で坑道を意味し、オランダではストルという。
最古の記録では14世紀のナウムブルクにて、当時の市況へのクリスマスの贈り物であるそうな。
トンネルのようなカマボコ状の形をしている。
レーズンやレモンピールやナッツが練りこまれており、焼いた後に表面を大量の粉砂糖でまぶす。
ドイツではクリスマスを待つ四週間のアドヴェント(待降節)という期間の間、少しずつスライスして食べる習慣がある。
日ごとにフルーツの風味がパンへ移り、美味しくなるシュトレンにクリスマスを待ち遠しくなるそうな。
ナッツを中心に練りこんだり、チーズを練りこんだりとバリエーションは幅広いらしい。
本編中の餡のようなのはマルチパンで、オランダではマルジパンシュトレンと呼ばれるこれが殆どらしい。
マルチパン
マジパンとも。でもシュトレンだとマルジパン。まあどっちでもいいか。
スペインのトレドやドイツのリューベック。シチリアなんかでも名物とされる洋菓子。
アーモンドと砂糖を挽いて練り合わせて作られる。
中世にアーモンドと砂糖が入手しやすくなった中東で開発されたり、飢饉の時に編み出されたりしたらしい。
詰め物の具に使ったり、フルーツ状や人形にかたどって売られたりしている。
祝い事で食べたり、特定の形のものを食べる、贈るなど様々な文化を持つ。
740
:
明日役立たない雑学2
:2018/12/22(土) 21:18:56 ID:oCqhwEHc
クリームシチュー
ホワイトシチューとも呼ばれる。
牛乳や生クリームをベースにカレー系材料で煮込むのがスタンダードか。
個人的にマッシュルームやブロッコリーカリフラワーが入っていると、ぐっと本格感が増す気がする。
牛乳を使ったシチューは世界中でもあるが、小麦粉などでとろみをつけたものを珍しいらしい。
外国だとシチュースープって感じだろうか。
名前自体日本での造語なので、クリームシチューは和製洋食として海外では紹介されるんだとか。
テールスープ
日本におけるテールスープは仙台牛タンと深い繋がりがあるそうで。
考案された牛タン焼きと共にテールスープが開発。
その後、牛タン定食として食べられるようになったりなんだり。
そういえば向こうで食べると必ずつくね、テールスープ。
741
:
キョウハココマデ
:2018/12/22(土) 21:20:36 ID:oCqhwEHc
ちょっと早いがメリーシングルベル
雑学が長くなって二つに分けることになるとは
まあいいかとココア項捨てたのに
742
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 22:16:29 ID:p9ThzrJs
おかえりー
テールは、ストーブの上で時間かけて作るな
743
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/23(日) 02:16:33 ID:xXG2/A8Q
あなたの肉をくださいって言って、目の前で調理して食べるとか怖いw
勇者軽くサイコパスよな
744
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/26(水) 02:09:13 ID:Lde4bJKM
いつの間に再開してたのか
また常駐スレが増えた
745
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/28(金) 15:09:51 ID:joRimDMM
なんでいつも腹減ってるときにかぎって読んでしまうのか……
魔物に化け物と呼ばれ、竜を呆れさせる、相変わらずの勇者っぷりw
乙乙
746
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/12(土) 02:31:52 ID:uIl3zmOs
おおおお、更新乙
目の前で食べたのかwww
747
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/02(土) 20:31:18 ID:T8uURAsk
更新乙です
てか、血抜き不十分で食ったって事は無自覚に竜の血を肉ごと食ってるから寿命が伸びたり肉体強化されてね……?
748
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/25(土) 18:14:16 ID:tvXyt0Ls
更新じゃねえのかよ、と言われそうだけど
ねんがんの タカベをてにいれたぞ!
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up9056.jpg
ていうかもう少し小さい魚だと思ってた
しかも予約がいっぱいで三枚に卸してもらえなかった
749
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/25(土) 18:19:30 ID:tvXyt0Ls
三枚に卸して
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up9057.jpg
普通に塩焼き
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up9058.jpg
味そのものは淡白だが、やはりというべきか皮近くの脂が非常に美味
中落部分は……どうなんだろう
いっそムニエルとか、塩焼き以外のほうがよかった気がしなくもない
750
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/26(日) 02:19:30 ID:Xmp/XV6.
飯テロパワーは健在か…
751
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/31(金) 08:26:23 ID:NKZFaiBw
美味そうね
752
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 16:09:20 ID:K.9XuzuA
生きてたのか
>>1
753
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2022/11/27(日) 09:15:13 ID:kylNF/Sc
>>1
おかえり!前作?続き?のSS好きでご飯食べながらよく読んでたよ!w
754
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2024/09/18(水) 14:49:05 ID:f83WKUCo
まだ来ることを祈って
755
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2024/11/07(木) 06:48:16 ID:0X6IcL0g
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196
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