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勇者「今日より旅立ちか」勇者(……それにしても腹が減ったな)
455
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/20(月) 10:55:29 ID:ceBJY.Ps
いい人(魔族)たちだなあ、どうにか戦争回避したいもの
寒い地方の温かい汁物って美味しいよね……
乙
456
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:26:03 ID:WzYnEYBs
一ヵ月後
勇者「おお……あれが魔王城」
勇者「かなり立派なもんじゃないか」
勇者「それに城下町も栄えているようだ」
勇者「しかし……」
勇者「この姿で街に入るのは勇気がいるなぁ」プゥーン
勇者「近くに水辺はないし、あったとしてもこの季節に水浴びは自殺行為だしなぁ」
勇者「何より、こっち側の貨幣を持っていない」
457
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:28:21 ID:WzYnEYBs
魔王軍野営地
E「うん?」
B「どうした?」
E「あの人間から連絡が来た」
A「へえ、まだ生きているんだな」
E「……」
C「ど、どうした?」
E「……」スッ
件名『助けてほしい』
458
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:30:29 ID:WzYnEYBs
勇者「お」
勇者「ふむふむ……南東に大きな池か」
勇者「……寒いがそこで体とか洗ってから行こう」
勇者「うー寒い寒い……」
勇者「早く魔王城に行って温まりたいなぁ」
勇者「あれ? また連絡が来てる」
伝達魔石『今日の門番、知り合い誰も勤務していないから力になれない。頑張れ』
勇者「うーん、出たとこ勝負か。まあ仕方がない」
459
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:32:11 ID:WzYnEYBs
勇者「ここの小道を行けば、比較的誰にも会わずに魔王城に……」
勇者「お、門が見えてきた」
門番A「何者だ」
門番B「……ちょっと待て。お前、人間か?」
勇者「はい、勇者と申します」
門番A「人、間……」
門番B「……」ザワッ
460
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:34:27 ID:WzYnEYBs
勇者「本日は」
門番A「……」ゴクリ
門番B「……」ジリ
勇者「こちらにいらっしゃいます、装飾師様へ商品の納品に伺いました」
門番AB「えっ」
勇者「こちらがその時のやり取りです」スッ
門番AB「えっ」
461
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:36:15 ID:WzYnEYBs
門番A「……本物っぽいぞ」
門番B「確認をしてくる。ここで待機してもらうぞ」
勇者「……分かりました」
勇者(寒いから中に入れてほしいんだけどなぁ)
門番A「お前……魔王様を暗殺とか企んでいないだろうな」
勇者「考えておりませんよ。むしろ今は……」
勇者「早く暖をとりたいです……」ガタガタ
門番A「……すまないが、もうしばらく待っていてくれ」
462
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:38:26 ID:WzYnEYBs
門番B「確認は取れたが」
兵士「監視として同行させてもらうぞ」
勇者「はい、どうぞ。というか早く中に入れてください」ブルブル
門番B「……この人間、なんでこんなに震えているんだ?」コソ
門番A「……寒いらしいが、そこまでじゃないんだけどな。人間側の領土は温暖な土地なのかもな」
勇者(若干濡れているからです)フルフル
463
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:40:45 ID:WzYnEYBs
魔王城内部
勇者(へえ……随分と装飾が)
勇者(やっぱり種族が違うとは言え、魔族も"ヒト"なんだな)
兵士「あまりきょろきょろとするな」
兵士「一挙手一投足を見張られていると思え」
勇者「はあ、そうですか」
勇者(言われても城内なんて今日の商談以外は観光気分だし)
勇者(和平……和平……うん、無理だな)
464
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:42:35 ID:WzYnEYBs
装飾師「ほ、本当に人間でしたか」
勇者「すみませんね、騙すような形で。ですが、商品は確かに」
装飾師「ふんふん、ええ、物は申し分なしです。本当にありがとうございます」
装飾師「御代はこちらの2000Gです」
勇者(こちら側はギルで、向こうはゴールド。材質はあまり違いはないみたいだけど、流石に絵柄は違うか)ジャラジャラ
勇者(こういうところ、昔は普通に交流があった感があるなぁ)ジャラ
勇者「はい、2000G、確かに受け取りました」
465
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:44:28 ID:WzYnEYBs
装飾師「それにしても、よくこんな所まで来る気になりましたね……」
勇者「稼ぎ時だと思いまして」
勇者「転移魔法が使えますので、今後はこちら側へも用意に来れます」
勇者「あちら側の物等、ご相談頂ければすぐに対応致しますよ」
装飾師「それはありがたいですが……て、転移魔法か」
勇者「人間側の転移魔法は定員が数人程度、基本的に魔方陣はその都度描く」
勇者「また、一日一回でこういった町など建物がないところへは転移できません」
装飾師「制約が多いのですか……まあ、安心しました」
勇者「ええ、要らぬ誤解で争いなんて、私も望んでいません」
466
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:46:36 ID:WzYnEYBs
装飾師「うん? もしかして、こちら側の転移魔法をご存知なのですか?」
勇者「かなり便利なものだとは。何度か命の危機に、こちらの方々に助けて頂いた時に聞きました」
装飾師「それはそれでどうなんでしょうか……まあ、私は軍属ではないし、貴方も似たようなものですし……」
装飾師「まあ、また何かありましたらよろしくお願いしますよ」
勇者「ええ、こちらこそ」
勇者「あ……」
装飾師「どうしました?」
勇者「城内で食事を出来るところってありますか?」
装飾師「ええ、食堂がありますよ」
兵士「……案内しよう」
勇者「よろしくお願いします」
467
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:49:16 ID:WzYnEYBs
食堂
「あれ……? 人間?」ザワザワ
「え? うそ」ザワ
「まさか、いやいやまさか……」ザワザワ
兵士「ここが食堂だ。こちらにある札を持って、あそこでお会計すればそのまま注文となる」
勇者「へえ、そういう仕組みですか」
勇者(しかし、結構メニューは変わらないもんだなぁ)
勇者(ミートサンド……魔王の国の肉って何を使っているんだろう)
勇者(豚肉野菜炒め定食もそそるなぁ)
勇者(カツ丼もあるのか。魔王の国ってパンと米が両方普及しているのかな。珍しいなぁ)
勇者(ふーん、アジの開き定食、魚料理もか。幅広いメニュー、流石は王城)
468
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:50:39 ID:WzYnEYBs
勇者(それにしても迷うなぁ。ご飯ものはあっちじゃそう多くはないし、ここは定食物でもいってみるか)
勇者(ほうほう、ラーメンにうどんにそばと麺類も豊富か、これは侮れない)
勇者(うん? ちゃんぽん? なんだこれ、初めて見るな)
勇者(うーん、列的には麺類か。ちょっと気になるな)
勇者(へえ、鶏の唐揚げ。単品もあるのか)
勇者(豚の角煮か。これもそそるなぁ)
勇者(困ったぞ……まるで袋小路だ)
兵士(凄い悩んでる……)
469
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:52:28 ID:WzYnEYBs
勇者(うーん、米……捨てがたいが)
勇者(ちゃんぽん。ここで聞くのは野暮な気もする)
勇者(ご飯物ってだけなら、これから先こっちを旅していればいくらでも食べられそうか……)
勇者(折角の魔王城での食事だ、ここは一つ冒険してみるか)カタ
ちゃんぽん 50G
野菜とエビやイカ等がたっぷりのった麺物。
白めの濁ったスープだが、味はあっさり。
豚の角煮 35G
ぶ厚めに切られた3切れの豚の角煮。
付け合せなのか、ほうれん草が添えられている。
カツカレー 60G
兵士の人が頼んだ料理。
かなり恐ろしくぶ厚いカツがのったカレーで、ニンジンはジャガイモもごろっと入っている。
グリーンドラゴンの肉らしい。
470
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:55:01 ID:WzYnEYBs
勇者「いただきます」
兵士「いただきます」
勇者(カツカレー、予想以上の大きさだ。早くも青い芝生に見えるぞ)
勇者(とは言え、このちゃんぽんも中々なものだぞ)
勇者(この野菜の量に負けないエビにイカ。これはアサリか。それに豚肉まで)
勇者(やっぱりごちゃ混ぜって意味合いのちゃんぽんなのかな)フーフー
勇者(! なんだ、この味。予想以上にさっぱりだ)ズゾゾゾ
勇者(もっと大味かと思ったけども。しかし、これは中々、いやとっても美味いぞ)モグモグ
471
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:56:36 ID:WzYnEYBs
勇者(何ていうか、野菜にもよく合う味だ。いい、これとってもいいぞ)パクパク
勇者(シーフードかと言えば、そうでもないし、本当に不思議な美味しさだ)モグモグ
勇者(ちゃんぽん、かなりやるじゃないか)
勇者(おっと、角煮を疎かにはできないな)パク
勇者(ほほう、うんうん、とっても柔らかくて美味しい)モグモグ
勇者(しっかり味が染み渡っている。これはいい角煮だ)
勇者(となると、このほうれん草も期待しちゃうぞ)パク
勇者(ほうほう、そう来ましたか。豚と一緒に煮込んでいるんだな)モグモグ
勇者(豚の旨みをすっかり吸ってらっしゃる。このほうれん草も強敵だ)パク
472
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:58:12 ID:WzYnEYBs
勇者(これはどれも箸が止まらないぞ。なんならほうれん草だけでもいいぐらいだ)パク
勇者(魔王国、侮れないぞ)モグモグ
勇者(ああ、美味しいな。ここが魔王城で本来敵国だなんて、どうでもよくなってしまう)パク
勇者(ふふ、食事中にそんな野暮な事考えちゃ、料理に失礼だな)モグモグ
兵士「……」モグモグ
兵士(この人、敵地のど真ん中だってのに、すっげえ美味しそうに食べるなぁ)
兵士(うーん、今日はちゃんぽんにしておけば良かったなぁ)
473
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 21:00:32 ID:WzYnEYBs
勇者「ふう……美味しかった」
兵士「この後はどうするつもりだ?」
勇者「そうですね……こちらの貨幣も得られましたし、少し城下町で面白い物がないか見て行こうかと思います」
兵士「あ、いや、そんな直近の話でなく……」
勇者「地図が手に入れば、少し近隣を観光していこうかと」
兵士(観光って言い切っちゃったよ、この人)
勇者「面白い土産物や特産が売っている町とか知りませんかね?」
474
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 21:02:15 ID:WzYnEYBs
……
勇者「お世話になりました」
兵士「あ、ああ……」
勇者「また機会がありましたらよろしくお願いしますね」
門番A「行った、か」
門番B「様子はどうだったんだ?」
兵士「商人、かな……」
門番A「え……マジか」
門番B「何だったんだ、本当に」
475
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 21:04:16 ID:WzYnEYBs
勇者「それにしても2000G……予想以上の高値で取引されたな」
勇者「うん、やっていけそうだな。魔王の国」
勇者「それにしても魔王の国の物かぁ。出来るだけ、バレないものを探さないとなぁ」
勇者「まあ、何とでもなるだろう」
勇者「それよりも、少しこちらの国の料理について学んでおきたいな」
勇者「ふふ、食った傍からもう次の料理が楽しみになってきている」
勇者「魔王の国、満喫できそうだ」
476
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 21:08:30 ID:WzYnEYBs
戦乱の世を一人旅する勇者がいたという。
その者は戦乱を止める役を与えられていたものの、終ぞ直接的に貢献する事はなかったという。
ただ、分け隔てる事無く敵国の者にも接し、更には自らその地に赴いては自らの目的を果たす。
利する事もなければ、害する事もなく。
恐れはすれど臆することはなく。
闘争こそはないものの、別の形の勇気ある者として、永く永く語り継がれたという。
勇者「へえ、このパン屋、外からも見えるようにPOPを書いているのか」
勇者「『当店オススメ、カヌレ・ド・ボルドー』……このカップケーキ、みたいのかな」
勇者「……」
勇者「うん、食後の甘い物はまだだし、食べてみるか」カランコロン
477
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 21:13:13 ID:WzYnEYBs
ちゃんぽん
ちゃんぽんと言えば長崎ちゃんぽん。
語源は色々と諸説があり、中国の福建語の挨拶やそこの言語での混ぜるという意味合い。
はたまた、沖縄のチャンプルーやマレー語・インドネシア語のチャンプルとか。
福建省の料理をベースにしているらしく、明治時代中期に清国人留学生向けに考案されたらしいが、
異説として明治初年に支那饂飩をちゃんぽんの名で売り出していたともいう。
カヌレ・ド・ボルドー
フランスのボルドー女子修道院で古くから作られているお菓子で、カヌレという名で親しまれている。
蜜蝋を入れる事とカヌレ型と呼ばれる小さな型で焼く事が特徴。
カヌレは溝のついたという意味で、底の形は違うけどプリンの容器が円柱状になっていると思えばイメージし易い。
ボルドーではワインの澱を取り除くのに、鶏卵の卵白を使うため卵黄が大量に余る。
その利用法がこれという話だとか。
卵白卵黄使い道繋がりで。
日本のOTC医薬品でよく使う抗炎症や去痰の効果のある塩化リゾチーム。
これは卵白から作られていて、マヨネーズ工場で余る卵白を利用しているとか。
カヌレの逆バージョン。
478
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 22:58:47 ID:tt55uHoo
乙
479
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/27(月) 01:34:30 ID:/ITKdSGI
完結?
まだまだ勇者の食べ歩きを見ていたいんだが…
480
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/28(火) 05:00:24 ID:hmWKXTLU
魔王城の日本感w
この勇者にあるのは勇気というか食い気と商売っ気だな
続き期待
481
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/28(火) 11:10:03 ID:Vkp2.qnY
完結した感あるけどもしかして終わり?
482
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/28(火) 20:44:30 ID:s6cY3DPE
保存技術が進歩してるからシーフードもあるのか
483
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/01(金) 17:53:10 ID:py4zIGVM
魔王城行ったから終わりなのかな
もうちょっと見たかった
484
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:40:03 ID:TVrLzWiw
二年後 魔王城下町
勇者「60万ゴールドに23万ギル……随分と稼いだもんだなぁ」
勇者「しばらくのんびりしてもいいぐらいだけど、動ける内に稼ぎたいしなぁ」
勇者「さて、納品を済ませてどっかで食事でも取るか」
勇者「それにしても」
勇者「随分と賑やかだな。お祭りでもあるのかな」
485
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:41:36 ID:TVrLzWiw
装飾師「おお、これが一角兎の皮……まるで宝石のような輝きですね」
勇者「いやぁ、中々大変でしたよ」
勇者「でもまあ、二ヶ月で獲れたのは運がいい方でしょうね」
装飾師「そんなにですか……」
勇者「あ、いえ、自分の能力での話です。狩人の方とかでしたら1,2週間も篭れば大抵は済むらしいですよ」
装飾師「なるほど。しかし何にせよ貴重な物、本当にありがとうございます」
装飾師「こちらが御代の5000Gです」
486
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:42:55 ID:TVrLzWiw
勇者「それにしても、今日は何かあるんですか?」
装飾師「え? ご存知ではないのですか?」
装飾師「今日は、こちらと人間側との和平が結ばれる日ですよ」
勇者「えっ!」
勇者「全然知らなかった……」
装飾師「人間側では話題になっていないのですか?」
勇者「ここ最近は一角兎の情報集めたりだったんですよ。基本的に辺境の町や村ばかりなので」
装飾師「あーそうでしたか」
487
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:44:40 ID:TVrLzWiw
装飾師「ここ魔王城で人間側の国々の王が集まるんですよ」
勇者「へー」
勇者「……」
勇者「あ、あの、それって聞いたりする事はできますか?」
装飾師「まあ、秘匿する内容ではないですので、ある程度の権限を持つ者なら傍聴できますが」
勇者「出来れば王達に気づかれないところで」
装飾師「あー……」
装飾師「うーん、それでしたら」
488
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:45:56 ID:TVrLzWiw
会場隣の部屋
魔王軍騎士「装飾師さん? どうなさったんですか?」
装飾師「ええ、彼が聞きたいそうなので」
勇者「どうも」
騎士「特に面白い話題はないと思いますよ?」
勇者「……いえ、ちょっと気がかりがありまして」
装飾師「というのは?」
勇者「え、ええと、立場的に、とか?」
装飾師「?」
489
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:47:34 ID:TVrLzWiw
魔王「では、これらの条件の下に和平を結ぶという事で相違はないだろうか」
剣「問題ない」
丘「ああ」
火「相違ない」
商「ええ」
魔王「ではこれにて、人間側七ヶ国並びに魔王国の和平を取り結ぶとする」
魔王「……」
剣丘火商「……」
魔剣丘火商(ふー……)
490
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:48:35 ID:TVrLzWiw
魔王「しかし、お前達も解せんものだな」
魔王「斥候なのか何なのか知らんが、送り込むだけ送り込んでアクションなし」
魔王「こっちはずっと警戒をしっ放しだったぞ」
丘「なに?」
剣「は?」
火「ほほう、うん?」
勇者「」ゾォッ
装飾師「あ、そういう……」
491
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:49:57 ID:TVrLzWiw
商「それは一体どういう事でしょうか?」
魔王「勇者という職位の者を送り込んでいるのだろう」
火「ええ、確かに。だが、誰一人として魔王城はおろか、魔王の領土を越えたという話は聞いていないぞ」
魔王「なに? ああ、飽くまで代表としてだからか。この場に出席できなかった三ヶ国の人間という事か」
火「いや、多少なりとも勇者についての情報は交換し合っている」
火「それだけの事を成した者がいるのならば、周知されているはずだ」
魔王「……どういう事だ?」
剣「こちらが聞きたい」
492
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:51:38 ID:TVrLzWiw
丘「捕らえたりはしていないのですか?」
魔王「現状の法では、その者を捕らえる事が出来ん」
魔王「ごく普通に違法性のない物を取引していくだけだからな」
商「……? 勇者? 商人の間違いでは?」
魔王「いや、勇者であると報告を受けている。此処でそのような嘘を言うメリットはなかろう」
剣「確かに……では一体何者が? しかも何の報告もなしに……商売をしていただけだと?」
商「微妙なラインですね。今こそ和平を結んだとは言え、当時は敵国へのルートを得た訳ですから」
火「それを隠していたとなると、最悪は反逆罪となってもおかしくないな」
493
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:53:15 ID:TVrLzWiw
勇者「……」
装飾師「……」
勇者「ここから遥か西の土地についてお伺いしてもいいでしょうか?」
勇者「出来れば、長期的な滞在、あるいは移住を受け入れている町とか」
装飾師「ええと……はい。すぐに調べさせます」
勇者「うーん、人間側で商売出来るのは何年後かなぁ」
装飾師「え? そこなんですか?」
勇者「元々孤児なんで、故郷らしい故郷もないんですよ」
494
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:54:36 ID:TVrLzWiw
装飾師「1,2時間ぐらい時間を頂く事になるかと思います」
勇者「分かりました」
勇者「その間、城下町にいますね」
装飾師「大丈夫でしょうか?」
勇者「まだ人相は割れていませんからね」
装飾師「なるほど、分かりました。ごゆっくりしてきて下さい」
勇者「はい、よろしくお願いします」
495
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:55:59 ID:TVrLzWiw
城下町
勇者「しかし本格的に和平が結ばれるとなると、これから先、競争相手も出てくるだろうなぁ」
勇者「少し考えなくちゃいけないな」
勇者「まあ今は生活の基盤が先になるのかな」
勇者「何にせよ情報待ちか……」
勇者「さあて、何を食べようか」
496
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:57:23 ID:TVrLzWiw
勇者「うん?」
看板「本日、海産物仕入れ!」
勇者「普通の料理屋に見えるが……海産物か」
勇者「ここまで大々的にするって事は普通の魚とかじゃないのかな」
勇者「どんな料理なんだろう」
勇者「ここ最近はずっと山だったし……よし、ここにしてみるか」
497
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:58:55 ID:TVrLzWiw
「いらっしゃい」カランカラン
勇者「あの、外の看板って」
「入荷したのはタカベ、きびなご、あとタコだね」
勇者「へえ、タコってあのデビルフィッシュですか?」
「ああ、そうだよ。そんな事を聞くなんて……あんたまさか人間か?」
「人間側はタコを食わないって聞いた事があるが、本当なんだな」
勇者「ええ、まあ……あの、タカベも聞いた事がないんですが、どういったメニューなんですか?」
498
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:01:21 ID:6bSLoIw2
「タカベは小さめの魚でな。塩焼きで出している」
「きびなごは天ぷらだな。海よりの地域なら刺身で食うのも中々イケるんだがな」
「タコは刺身と水軍鍋だな」
勇者「……それじゃあ」
水軍鍋 90G
白身魚にしいたけ、白菜や水菜と里芋にエビ。
何と言っても丸々と入っているデビルフィッシュが凄い。
勇者「ほほう……これがデビルフィッシュ。何という存在感だ」
499
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:02:56 ID:6bSLoIw2
勇者(まずは汁から……)ススゥ
勇者(うん、美味いっ。思いの外、味はあっさり目なんだな)
勇者(魔王の国の鍋物って味噌が多いイメージだけど、これはしょうゆか)パク
勇者(うんうん、いいぞ。この白菜、実にいい)モグモグ
勇者(それにこの抜かりないしいたけの量)パク
勇者(やっぱり鍋と言ったら欠かせないな)モグモグ
勇者(この魚は何だろう?)パク
勇者(うーん、何の魚かは分からないが上等上等)モグモグ
500
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:04:29 ID:6bSLoIw2
勇者(しかし、勢いで頼んだとは言え)
勇者(このデビルフィッシュの量は想定外だった)ツンツン
勇者(あ、足が一本ずつ切ってあるのか……それにしてもでかい)
勇者(ええい、ままよっ)ガブ
勇者(……)モギュモギュモギュモギュ
勇者(ほう、ほう……デビルフィッシュ、面白い食材だ)モギュモギュモギュ
勇者(デビルフィッシュの味は分からないけど、これは多分食感を楽しむ食材なのかも)モギュモギュ
勇者(しかし、足一本。食べ辛いな)モギュモギュ
501
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:06:01 ID:6bSLoIw2
勇者(うん、でも悪くないな、デビルフィッシュ)ゴクン
勇者(魔王の国の海辺の町ならもっと、デビルフィッシュを使った料理があるんだろうか?)
勇者(少し興味が湧いてきたぞ)パク
勇者(新たな発見だ。凄いぞ水軍鍋)モグモグ
勇者(しかしあと七本の足か。一人だと中々腹にくるなぁ)
勇者(けど残すのなんて勿体ないな。ここは勇者の見せ所だな)グッ
502
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:07:17 ID:6bSLoIw2
……
勇者「うう……腹がはち切れそうだ」
勇者「しかし、中々だったな。恐るべし水軍」
勇者「さて……宿屋を取っておくか。食休みしたら魔王城に行って」
勇者「大まかでもこれからの事、考えないとだなぁ」
しかし、彼の事が風の噂でなく、実在した者として広く伝わったのは、
和平が結ばれてから数年たった後であったという。
勇者「今日より旅立ちか」勇者(……それにしても腹が減ったな) 終
503
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:08:41 ID:XNR/DBJI
ああ……終わった……終わってしまった
乙乙
504
:
明日役立たない雑学
:2016/07/03(日) 00:10:57 ID:6bSLoIw2
きびなご
西日本でよく食べられる魚。
小魚で痛みやすく、遠方への流通は少なめ。
薩摩料理において、きびなごの刺身を酢味噌で食べるのが有名。
タカベ
ベントウやベットウとも呼ばれる魚。
名前の由来は、漁師用語で岩礁を意味するたかに、魚を意味する接頭辞のべを付けたと考えられている。
背部の中心から尾鰭全体にかけて特徴的な黄色をしており、中々目立つ魚で岩礁に近くに群生する。
日本固有種の夏の魚で、茨城あたりから西の太平洋に生息。
市場では高値がつく為、高級魚の扱いを受けている。関東圏内に卸される物は大抵伊豆産。
脂が多く塩焼きが絶品らしい。
観光激戦区、伊豆の中木でもよく見る。
スキンダイビング中に見かけては、よく喉を鳴らしている。
食べてみたい。今年の目標である。
海軍鍋
広島の郷土料理の一つ。
室町から戦国にかけて因島を拠点とした村上水軍が、必勝祈願に食べたと言われる。
瀬戸内海の魚介類と海草をふんだんにいれ、八方の敵を食らうという意味でタコを丸々入れるのが特徴。
昆布で出汁をとり、醤油などで味を調える。
505
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:28:18 ID:cgfDZ9QU
蛸料理といい勇者がデビルフィッシュ呼びすることといい…魔王は第六天魔王的な人なんかい?
そして完結おめでとう&お疲れ様でした!楽しかった
506
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 01:35:11 ID:6bSLoIw2
あああああああ!
ああああああああああ!!
タコ!
普通にタコって知ってるじゃん!マルミタコォォォ!
しかもタコを普通に食材として認識してるじゃんんうううう!!
507
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 01:40:14 ID:yezu6Z0c
最後まで抜かりなく旨そうだった
また新しい地へ旅立つんだ勇者
508
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 08:48:53 ID:vQb6cams
乙といいたいけど
ここから勇者が世界を代表する商人になるまでの話は?
509
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 10:43:35 ID:mQPn6ApM
鱗のない魚が聖書で罵られてるから、デビルフィッシュなんだっけか
この勇者のブレなさ、ほんと好き
タコ初見でも普通に食材と思いそうだしw
毎度のメシテロありがとう、面白かったよ乙!
510
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 11:11:42 ID:68wAbImY
URL教えてくれよぉ…消えたサイトにたどり着けねぇよぉ…(号泣
511
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 21:43:00 ID:If28.oUk
終わってしまったか面白かった
乙
512
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/06(水) 10:19:47 ID:liYyOQn.
乙
513
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/06(水) 20:28:14 ID:bTFfVqZo
>>510
すまんね、前に晒したら色々と面倒があったから、直接的にはちょっとね
あと、調べたら何故か検索に引っかからなかった。ほんとすまん
今はちゃんとロボット検索に拾われるけど
ってだけだと、申し訳ないから
使ってた鯖の公式はまだ存在していて、最後の方に更新された情報の中に
ちゃっかりサイトの名前が入っている
移転先も同じ名前だからそれで見つけてくれ
514
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/06(水) 22:20:25 ID:8Vpm2fcw
>>513
上から順番にググって見つけました
砂漠の砂の中から一粒だけ違う砂を見つけるくらい大変だった…(号泣
515
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/14(水) 15:58:31 ID:NKxp1ZmI
>>513
乙
自分のブクマ漁ったらdから始まる方のが残ってて驚いたわー
516
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:06:07 ID:HyVW2UOQ
二ヶ月程前 魔王領北部 山岳地帯
勇者「ふー寒い寒い……」ハー
勇者「この町を越えたらしばらくは山篭りか」
勇者「一角兎、捕まえられるといいなぁ」
勇者「出発は明日にするとして……今日はもう必要な物だけ買って休んでしまうか」
勇者「うひゃあ」ビャァァァ
勇者「うーこの風、堪えるなぁ」
517
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:08:03 ID:HyVW2UOQ
道具屋
勇者「これとこれと……あとこれも買っておこうかな」
「お客さん、山にでも入るんかい?」
勇者「ええ、一角兎を捕まえに来ました」
「普通に卸されるんじゃダメかい?」
勇者「中々、毛皮までしっかりしているのは珍しいですからねぇ」
「あーそうだな。どっちかつーと角の方がメインだからな」
「しっかしあんたに捕まえられるんかね」
勇者「まあ、生態などは調べてきましたので」
「ほー。まあ遭難や凍死しない程度に頑張んなさいな」
518
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:10:34 ID:HyVW2UOQ
勇者「ふー……凍死か。本当に気をつけないとだなぁ」ビュウウウ
勇者「うーきついなぁ」
勇者「どっかで食べて休んでしまわないと。明日からは長丁場だ」
勇者「何処か食べられるお店はないかなぁ」ザッザッ
勇者「うん? なんだろう、このお店」
勇者「酒場って雰囲気でもないけど、普通の食事できる店とも違う……」
勇者「魔王領にある居酒屋ってやつかなぁ」
勇者「うーん、ちょっと入るのは躊躇うが……良い匂いだ」ゴクリ
勇者「うん、きっと美味しい料理もあるはずだ。勇気を出してみるか」ガララ
519
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:12:41 ID:HyVW2UOQ
「いらっしゃい」
勇者「ここ、食事出来ますか?」
「旅人さんかい。暖かいおでんがあるよ。食べてきな」
勇者「おでん?」
「なんだ、おでんを知らんのか。鍋物料理だよ」
勇者「へえ……それじゃあそれを」
「はいよ。うちのは新鮮じゃない大根を使ってんだ。よーく味わいな」
勇者「えっ?」
520
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:14:41 ID:HyVW2UOQ
おでん 60G
暖か〜いおでんで、種はお任せで注文。
入っていたのは大根、ゆで卵、ちくわ、昆布、巾着、じゃがいも、がんもどき。
味は昆布を出汁にした薄い醤油味。大根の色が茶色い。
勇者(ほほう、これがおでんか)
勇者(随分とそそる匂いじゃないか)
勇者(それにこの大根の色の濃さ。なるほど、確かに新鮮じゃない。
勇者(新鮮じゃないがとっても美味しそうじゃないか)
521
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:18:03 ID:HyVW2UOQ
勇者(それにしてもこの油揚げっぽい袋はなんだろう……始めてみる食べ物だ)
勇者(よし、まずはこいつだな)パク
勇者(うん? おお)ミョーン
勇者(中にお餅が入っているのか。面白いなぁこれ)モグモグ
勇者(うんうん、このおでんの汁、結構好きな味だ)ススゥ
勇者(ますます大根が楽しみになるが、これはメインディッシュだな)
522
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:20:32 ID:HyVW2UOQ
勇者(こういう風に昆布を食材として使うのって結構珍しいなぁ)パク
勇者(うん、美味しいけど普通に昆布だな)モグモグ
勇者(しかし、この量で丸々一個のゆで卵はちょっとくどい気がするが)パク
勇者(この値段でこの量は文句なんて言っちゃあいけないな)モグモグ
勇者(これは……がんもどきって言うんだっけか。食べるのは初めてだな)パク
勇者(ほほう、これもおでんの汁を吸っていっていい感じじゃないか)モグモグ
523
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:22:27 ID:HyVW2UOQ
勇者(ちくわも)パク
勇者(うんうん。それにしてもおでん、変わっているな)モグモグ
勇者(汁を吸う種ばかりじゃないし、何ていうか、このお任せ種の種類が原因かもしれないけど)パク
勇者(重たい物が多いんだな)モグモグ
勇者(じゃがいもも大き目のが半分か。中々腹に来るなぁ)パク
勇者(んん? ほうほう、このじゃがいも甘いぞ)モグモグ
勇者(これはおでんの汁と馴染んでいていいじゃないか)
勇者(そういう品種なのかな。とんでもないダークホースだ)
524
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:24:21 ID:HyVW2UOQ
勇者(さて、最後に大根だ)パク
勇者(ほほぉ、これは。うん、美味い美味い。噛む度に染み渡った汁が口の中に広がる)モグモグ
勇者(これだけ味の染みた大根って中々食べられないぞ)パク
勇者(ただのおでん味と思わせておいて、奥深い味だ。きっと他の具の味も染みているんだろうな)モグモグ
勇者(うーん、これは大根だけでも何切れか欲しくなるが、流石に追加するにはきついな)サスサス
勇者(一角兎を獲った帰りにまた寄るかなぁ)
勇者(おでんか。ふふ、いい料理を知ったぞ)
525
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:26:32 ID:HyVW2UOQ
「まいど。また来いよ」
勇者「ああ、満腹だ」カララ
勇者「体もぽっかぽか。本当に魔王領も美味しい物が多くて良い所だなぁ」
勇者「魔王領も色んなところを回ってみたいな」
勇者「だいぶお金も貯まったし、しばらくのんびり旅をするのもいいなぁ」
勇者「兎にも角にもまずは一角兎だ」
勇者「よーし、明日から頑張るとするかなぁ」
526
:
明日役立たない雑学
:2016/09/16(金) 22:28:56 ID:HyVW2UOQ
おでん
漢字で書くと御田で、煮物・鍋料理に分類され、様々な種を長時間煮込む。
おでんは元々、田楽を意味する女房言葉で、室町時代では串刺しにして焼いた焼き田楽、種を茹でた煮込み田楽とがあった。
江戸時代になってからはおでんは煮込み田楽を指すようになったそうな。
種や味付けは地域によって差があり、特に静岡おでんなんかは有名どころ。
色んな変り種があるけども、ご当地おでんが出てくるようになって、色々と出てきた感じなのかなぁ。
昔はじゃがいもも変り種の扱いだったそうな。
思いついたらまたなんか書くー
527
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:31:17 ID:QC2BUZuA
ッヒョー再開とは嬉しい
乙
528
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/17(土) 01:48:18 ID:GCl64l1E
え?完結したと思ったら時期に合わせた料理で再開だって!?
最高かよ!!
529
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/17(土) 20:00:06 ID:g6pOnD7w
なんで上がってるんだと思ったら再開か!
530
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/20(火) 18:11:08 ID:NlaQtd6U
つ、続いた!?
やった!!
しかし早速のメシテロリズムが空腹に辛い生唾やばい……なんかあったけ
531
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:07:43 ID:QHunbiOs
和平後しばらく後 ソードフォレスト
勇者(うーん、この辺りはまだ情報が出回っていないみたいだな)
サキュバス「や、久しぶり」
勇者「ああ、どうも」
勇者「あのー出来れば今後しばらくは呼び出しとかは……」
サキュバス「あーその件で連絡したのよ」
勇者「と、言いますと?」
サキュバス「まあ、立ち話もなんだし」
532
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:10:19 ID:QHunbiOs
喫茶店
勇者「ここも久しぶりだなぁ……」
サキュバス「ソードフォレストの南側でね、ちょっとした作物作っていて」
サキュバス「最近、供給されるようになったのよ」
サキュバス「おじさん、例のアレを二つとコーヒーもね」
「あいよ」
勇者「えーと、とりあえず話のほうを」
サキュバス「ああ、うん。とりあえずあんたの情報をね、各国が調べまわってんのよ」
勇者「」
533
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:13:21 ID:QHunbiOs
勇者「……」ダラダラダラ
サキュバス「だから売っといた」
勇者「はいぃっ!?」
サキュバス「そー驚かないの。ちゃんと偽の情報よ」
サキュバス「聞けば結構手広く商売していたみたいじゃない」
サキュバス「あたし達はサキュバスだからねー、夢を通じて色々と動いたのよ」
サキュバス「かなり偽情報が出回っていて、各国混乱しているみたいよ」
勇者「あ、ありがとうございます」
サキュバス「こちらとしては、今後も利用したいからね」
サキュバス「あんたも助かる。あたしも助かる。他のお客も助かる。ついでにその人から精液貰える。ウィンウィンね」
勇者「あぁ……なんか納得したというか」
534
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:17:09 ID:QHunbiOs
勇者「それでも、あまり足繁く戻ってくるのは控えた方がいいんでしょうね」
サキュバス「まあねぇ……真実流す人もいるし、どうやっても偽情報で隠蔽し切るのは無理があるわね」
サキュバス「もしかしたら一部じゃ、気づいているかもだし」
勇者(超怖い)
サキュバス「まあ、色々と融通してくれるって事なら、行き先の状況を調べてあげるわよ」
勇者「融通、とは?」
サキュバス「割引とかサンプルとか何か色々欲しいわねー」チラッチラッ
勇者「まあ、その程度ならご期待に沿えるかは分かりませんが、勉強させてもらいますよ」
535
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:19:24 ID:QHunbiOs
「はい、お待たせ」
サキュバス「お、きたきた」
コーヒー 10G
相変わらず普通のコーヒー。
紫芋のタルト 35G
タルトにモンブランのような紫芋のクリームと栗。
中にはカスタードと生クリーム、更に小さく切られた栗が入っている。
勇者「紫芋……聞いた事はあるが、見るのは初めてだなぁ」
サキュバス「もっと熱い地域の作物らしいしねぇ」
536
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:21:06 ID:QHunbiOs
勇者(……どれどれ)パク
勇者(ほうほう……何と言うか、独特の甘みだ。しかしそれでいてくどくない)モグモグ
勇者(中にも栗が入っているのか。中々贅沢じゃないか)パク
勇者(うんうん、クリームとカスタード……油分の甘みが加わってより一層、紫芋の甘みが引き立っているぞ)モグモグ
勇者(これは中々クセになる甘みだ。油断ならないな、紫芋)パク
サキュバス「〜〜でね〜〜〜なのよって聞いてんの?」
勇者(熱い地域か……ヴォルケイノ領に産地があったはず。これは是非とも広めたい味だな)モグモグ
サキュバス「こ、この男は……」
537
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:23:08 ID:QHunbiOs
……
「まいどー」
勇者「ああ、美味しかった。今日は美味しい物を紹介して下さってありがとうございます」
サキュバス「目的が挿げ替えられてるっ」
サキュバス「まー……あんたがそれでいいんなら、こっちも構わないけども」
サキュバス「何にせよ、協力はするけど気をつけなさいな」
サキュバス「と言っても聞く感じ、あんまり心配する必要なさそうだけどもね」
勇者「いえいえ、そんなそんな」
サキュバス「ま、一応は元気でね」
勇者「ええ、そちらこそ」
538
:
明日役立たない無駄知識
:2016/10/19(水) 23:26:27 ID:QHunbiOs
紫芋
文字通り紫色をした芋。紫色のアントシアニンを多く含む。
サツマイモ属の紫芋の一種でアヤムラサキが、一般的に流通している紫芋と言える、と思う。
他にもヤマノイモ属のダイジョと呼ばれる種類の芋がある。
これは品種によって白いものもあり、紫色をしたものをベニヤマイモ(紅山芋)やベニイモ(紅芋)と呼ぶ。
当然ながらサツマイモとは近縁ではない。
熱帯地域で栽培され、沖縄で広く栽培されていて、九州なんかでも栽培しているところがあるとか。
沖縄の御菓子御殿の紅いもタルトなんかは特に有名。
539
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:28:48 ID:QHunbiOs
訴訟される事も辞さない覚悟
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8718.jpg
540
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/20(木) 00:09:32 ID:tbhygaz2
夜中になんつー飯テロだ訴訟
乙
541
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/20(木) 04:52:37 ID:zyPJpkgw
栗と芋の美味い季節よなぁ
しかし相変わらず花より団子な勇者だね
542
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/21(金) 13:28:28 ID:rU/8/A/k
勇者さん安定の食い気w
……画像は、画像は卑怯だろうがぁ!?
乙
543
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:12:29 ID:S6NtbNc2
魔王領の町
「ではこちらがご契約の物件となります」
勇者「ありがとうございます」
「ご契約は一年。以降は更新という形となりますので、契約終了は契約日一ヶ月前までにお知らせ下さい」
勇者「分かりました」
「それでは失礼致します。貴方が良き暮らしをお送りできるよう祈っております」
勇者「中々いい家じゃないか。凄くいい物件だぞ、これは」
勇者「さて……色々と片してしまおうか」
544
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:13:49 ID:S6NtbNc2
勇者「大金叩いたこの魔石」
勇者「一定の空間を生成し、そこへ通じる穴を開けていない間は時間が止まっているという」
勇者「幅600、奥行き450、高さ1100で40万ゴールド……開ける為にも魔石が必要で10回分で5万ゴールド」
勇者「うーん、高いな。家も含めて、残金は10万ゴールドに7万ギルか」
勇者「まあ、これからまた貯めていけばいいか」
勇者「とりあえず、初回だけ使用者の登録でタダで空けられるっていうし」
勇者「鮮度のある商品は全部しまってしまおうかな」
545
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:14:51 ID:S6NtbNc2
……
勇者「後は荷物をちょちょいと整理して……」ドサドサ
勇者「こんなものか。しかし、普段は外にいる事を考えると」
勇者「貸し倉庫でもよかったかもしれないな。賃貸住宅、失敗だったかな」
勇者「まあ、たまにはちゃんと帰る場所を作っておくのもいいか」
勇者「ん〜〜〜」ググー
勇者「一仕事終わったし、昼食がてら町を見て回るか」
勇者「思いがけず大きめの町な訳だし、しっかりと満喫しなくちゃ勿体ないな」
546
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:15:52 ID:S6NtbNc2
勇者「道具屋、結構充実しているなぁ」
勇者「しかし道具屋か。中々、こちらから卸せる物がないな」
勇者「ちょっとした個人商店は充実しているし、関連のある物をピックアップしておこうかな」
勇者「おや……」スン
勇者「カレーかな。良い香りだ」グー
勇者「どうやら腹将軍様も仕事始めのようだし、今日はこれに決まりだな」
547
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:17:02 ID:S6NtbNc2
カレー専門店
勇者「へえ……カレー専門店。人間側の領土じゃ結構珍しいよなぁ」
勇者「さてさて、どんなものだろうか」キィ
「いらっしゃ……あんた、人間か」
「そういえば、今日やってくるって役場で言っていたな」
勇者「噂されてましたか」
「そりゃ珍しいからな」
勇者「……意外と敵視されないものですね」
「まあ、このあたりは魔王城から見たら地方だからなぁ」
「戦争していたって言っても、遠い土地での話みたいなもんよ」
548
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:18:55 ID:S6NtbNc2
「うちは種族差別をしないんでね。思う存分食ってってくれ」
勇者「ええ、そうさせて頂きます」
勇者(どれどれ……ほほう、結構種類あるんだな)
勇者(へえ、ライスかナンか選べるのか。こりゃ見た目以上に本格的だな)
勇者(ランチはサラダや飲み物セットか。飲み物にラッシーまであるのか。いいじゃないか、この店)
勇者(となると、俄然辛い物が食べたくなるな)
勇者(辛さも指数がついていて親切だ。細かい配慮、嬉しいじゃない)
勇者(牛か豚か鶏か、はたまた野菜か。お、スパイシーチキンカレー?)
勇者(このスパイシーってだけで、美味しそうな感じは卑怯だな。全くもってけしからん)
549
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:19:56 ID:S6NtbNc2
スパイシーチキンカレー 55G
野菜のないカレールーに大きな骨付きの鶏肉が二つ。
ライスを選択。
サラダ
ごくごく普通のサラダ。ドレッシングが甘め。
ラッシー
ヨーグルトとミルクを混ぜた飲み物。
魔法道具のミキサーで混ぜてあるのか少し泡立っている。
勇者(これは予想外だ)
勇者(スパイシーチキン、まさかの骨付き。しかも大きい。どうやって食べればいいんだろう)
勇者(しかもあるのはスプーンとフォーク。ますます食べ方が分からないぞ)
550
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:21:57 ID:S6NtbNc2
勇者(とは言え、この香りは食欲をそそる)パク
勇者(うんうん、美味いぞ。辛さも程よい。ご飯がすすむ)モグモグ
勇者(サラダは……ほうほう、こうきたか。意外と甘め。全体的に辛いカレーが多いからか?)パク
勇者(更にカレーを一口)パック
勇者(からのラッシー)グビ
勇者(このラッシーもいい甘さだ。しかもさらさらタイプ。飲みやすくいい)
勇者(さて……)
勇者(チキンをどうするか)
551
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:24:24 ID:S6NtbNc2
勇者(ルーがついているのに手掴みというのも気が引ける。本場のカレーは手ですくって食べるとは聞くが)チラ
勇者(誰もしていない中、やるのは勇気がいるな)サスッ
勇者(とりあえずフォークで刺して持ち上げてみたが……やはり齧りつくしかないのか)バク
勇者(うん、チキンもいい感じだ。カレーの辛さに押されてスパイシーさがあまり感じられないけども)モグモグ
勇者(しかしこれは、骨の置き方も悩むな)カブ
勇者(スパイシーチキンカレー。美味しいが中々向け玄人向けだな)モグモグ
552
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:26:05 ID:S6NtbNc2
勇者「ふう……」
勇者(結構、量があったな……)
勇者(しかしまだ入るな)ペラ
勇者(デザートは……オーソドックスにアイスか)
勇者(うん? キール? なんだろう、カクテル……な訳ないよな)
勇者(ミルク粥……へえ、面白そうじゃないか)
勇者「すみませーん。このキールを一つ」
553
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:27:55 ID:S6NtbNc2
キール 30G
お米をミルクで甘く煮たお粥。
かなり粒が粗めでどろりとしている。干したココナッツを細かくしたものも入っている。
勇者(これまた予想を超えてきたな)
勇者(ちょっと抵抗があるけども……)パク
勇者(焚いたお米って訳じゃないしこれはなんとも)モグモグ
勇者(ちょっと粒々しているのが、人によってはダメそうだけど)パク
勇者(これはいいデザートだ。どろりともったりしているが、ガンガンいけちゃうぞ)パクパクパク
勇者(ちょっと粒が大きいけどもなんだろう。ナタデココとも違うし……うーん、面白美味しいな)パクパク
554
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:29:20 ID:S6NtbNc2
「まいど。また何時でもきなよ」
勇者「ふー食べた食べた」
勇者「今度は豚あたりを攻めてみるか」
勇者「ここでの暮らし、先は長いんだ。のんびりやっていこう」
勇者「それにしても……」
パン屋「」
ステーキ屋「」
喫茶店兼バー「」
勇者「充実しているなぁ……これはますます、帰るのが楽しみになってくるな」
勇者「さて、しっかり稼いで美味しい物を食べないといけないな」
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