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提督「ヤンデレっていいな〜」艦娘「!」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/02/15(日) 01:37:38 ID:E0nw.ECw
ヤンデレな艦これSSがみたいです
32
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/04(土) 02:56:01 ID:erFY/3JY
-北上,大井の部屋-
ガチャ バタン
北上「大井っちただいまー」
北上「いやーさっき提督と会っちゃってさ」
北上「やっぱ提督って格好いいねー。あの声とか本当しびれるねぇー」
北上「……って聞こえるわけないか」
そう言って北上は床を見る
そこには目隠しと猿ぐつわ、そして手と足がそれぞれ縛られた大井が横たわっていた
彼女の頭にはヘッドホンが付けられている
大井「んーーーっ!ンゥゥーーー!」
北上「……大井っちもしぶといね」
大井「フーー!んヒィ!」
北上「まーもうちょっとしたら提督の声がすんなり入ってくるようになるよ」
北上「そしたら二人一緒に愛してもらおうねー♪」
北上「それじゃもう少ししたら昼食にするねー。今日はカレーだよー?」
33
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/04(土) 02:58:07 ID:erFY/3JY
(北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
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北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
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北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
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北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん
北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん提督)
34
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/05(日) 20:54:45 ID:ZWknqWfU
-執務室前-
提督「何とかここまで来た訳だが……」
提督「なんだこれは……」
扉には様々な機能があるが執務室の様な重要な箇所については外敵の侵入を阻むためにある程度の耐久性が求められる
当然この部屋の扉も軍が定めた規格をクリアした物を使用している
だが今、提督の目の前にある執務室の扉は金具とわずかな部分を残してその原型を失っていた
提督(まるで漫画か何かを見ているみたいだ)
提督(だが、いつまでもこうしている訳にはいかない)
提督「……よし」
提督は、ゆっくりと扉だったものに手を掛ける
35
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/05(日) 21:23:06 ID:ZWknqWfU
??「来ないでください」
提督「!!」
??「扉を開けたら撃ちます。開けなくても撃ちます」
提督(………なんで?どういうこと?)
??「今すぐ後ろを向いて、ここから立ち去れば撃ちません」
扉だったものの隙間から血まみれの姿でこちらに砲塔を向けた艦娘の姿が見える
見た感じ秘書官の榛名だろうか
提督(まさか……クーデターか?俺の指揮に問題があったのか……)
榛名「早くしてください。榛名は本気です」
提督「わ、分かった。とりあえず今はここから離れる。だが後――」
榛名「その声……もしかして提督ですか」
提督「あ、あぁ……そうだ」
榛名「……」
提督「……」
36
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/05(日) 21:30:10 ID:ZWknqWfU
榛名「本当に提督でしたら私の質問に答えられるはずです」
提督「……え?」
榛名「質問に全て答えられたら提督として認めます。外したら……」
提督「……は、外したら?」
榛名「撃ちます」
提督「」
榛名「では参ります。一問目」
提督(どんな問題が出るんだ……?俺が知っている軍の機密情報とかか?)
榛名「榛名の好きな食べ物はなんですか」
提督「は?」
榛名「……」
提督「えっ?」
37
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/05(日) 21:34:34 ID:ZWknqWfU
榛名「……」
提督(どういうことだ?機密情報とかじゃないのか?)
提督(と言うか自分の好きな食べ物とか質問になっていないだろ……)
榛名「早く答えてください。でないと撃ちますよ」
提督「あ、あぁ……ちょっと待ってくれ」
提督(榛名が好きな物……好きな物……)ウーン
提督(あ、そういえば)
38
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/05(日) 21:57:00 ID:ZWknqWfU
―
―――
―――――
榛名『提督、何食べていらっしゃるんですか?』
提督『ん?これはさくらんぼだ』モグモグ
榛名『さくらんぼ……ですか?』
提督『あぁ、この前実家から送られてきたんだ』モグモグ
榛名『名前は聞いたことありますけど……美味しいんですか?』
提督『俺は好きだな。榛名も食ってみろ』
榛名『い、いえ!榛名にはもったいないです!』
提督『いいからいいから。ほら』ズイ
榛名『で、では頂きます』パクッ
榛名『〜〜〜!』
提督『ど、どうした!?』
榛名『いえ、なんか噛んだ瞬間甘酸っぱいものが押し寄せてきて。でもおいしいです!』
39
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/05(日) 22:03:12 ID:ZWknqWfU
提督『そっかそっか。でもお気に召したようでよかったよ』ニコニコ
榛名『あの、もう一個頂いてもよろしいですか?』
提督『良いぞ良いぞ。実は大量に送られすぎてさ、後でみんなに配る予定だったんだよ』
榛名『と言うことは、榛名が一番ですか?』
提督『まぁそうなるな』
榛名『! 榛名、提督のさくらんぼ大好きです!』
提督『俺が作ったものじゃないんだけどな』アハハ
榛名『それでも!榛名は大好きです!』ズイ
提督『お、おう……だったら俺も持ってきた甲斐があったよ』ニコ
榛名『〜〜♪』パクッ
40
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/05(日) 22:07:10 ID:ZWknqWfU
―――――
―――
―
提督(なんてことがあったな)
提督「さくらんぼだ。あってるか?」
榛名「……正解です」
提督「よしじゃあ中に―――」
榛名「二問目です」
提督「」
41
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/05(日) 22:15:48 ID:ZWknqWfU
―――――
―――
―
提督(結局十問ぐらいやった。それも全部自分に関係するものだった)
提督(榛名の目的が何なのか分からなくなってきた……)
榛名「これが最後の問題です」
提督「おう、もう何でも来い」
榛名「榛名の好きな人を答えてください」
提督「えっ」
榛名「……」
42
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/05(日) 22:49:57 ID:ZWknqWfU
とりあえずこれまで通り頭の中で関係しそうなエピソードを探すことにした
……がそんなものは見つからなかった
正直好きなアイドルとか、気になる人とか、そんなの聞いたことないし。忘れてるだけかもしれないけど
提督(ダメ元で誰か言うしかないか……)
提督「分かった。金剛―――」
榛名「……主砲」
提督「すまん。冗談だ」
榛名「……」
どうやら違うみたいだ
となるともう分からないぞ
榛名「……質問を変えます。提督は榛名のことが好きですか?」
提督「えっ」
43
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/05(日) 23:53:32 ID:ZWknqWfU
好きか嫌いかと聞かれたら……うん好きだ
今までの働きぶりを見たら嫌いになる理由が見当たらない
提督「あぁ……好きだ」
榛名「……もう一度言ってください」
提督「……好きだ」
榛名「もう一度」
提督「………好きだ」
榛名「もっと」
提督「………す、好きだ」
榛名「提督」
提督「す……うおう?」
榛名「入ってきて良いですよ」
提督「あ、はい、失礼します……」
ギイ
榛名のことは好きだ
秘書官として
44
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 00:10:38 ID:9eihAdCA
バタン
提督「ふう……これでやっと休める……」
そんなわけはない
これからこの事態について調べ、そして可能な限り早く収めないといけない
そう思っても呟かずにはいられなかった
ムギュ
提督「は、榛名どうした!」
榛名「提督、本当になんですね?」
提督「あ、あぁ、そうだ」
榛名「提督!提督!」
提督(榛名ってこんな直情な娘だったっけ……)ギュ
榛名「あっ」
提督「……」
榛名「♪」ギュー
??「……」パシャッ
45
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 00:25:39 ID:9eihAdCA
提督「落ち着いたか?」
榛名「……はい、提督、ありがとうございます」
提督「そういや傷だらけじゃないか。ドックに行かなくて大丈夫か?」
榛名「はい、榛名は大丈夫です!」
提督「なら良かった。それじゃ、今からやることがあるからもし気分が悪くなったら言ってくれ」スッ
榛名「あっ…はい……」
提督(とりあえずは原因の特定だな。どうして艦娘、雷や千歳がこんなことをしたのかを調べないと)
提督「榛名、申し訳ないがそっちの机からここ数日中に書いた資料を全部くれ」
榛名「は、はい!」
サワサワ……スッ サワサワ……スッ……
ん?榛名は何で壁に沿って歩いているんだ?
提督「榛名……本当に大丈夫か?気分が悪かったら遠慮しないで言って良いんだぞ」4
榛名「い、いえ……榛名は大丈夫です!」
46
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 00:33:27 ID:9eihAdCA
提督「……」チラ
榛名「……」ガサゴソ
提督(榛名は資料を探している、ように見える……が)
ドサー
榛名「ヒッ!」ビクッ
提督(あれは絶対……)
提督「榛名」
榛名「っはい!」キョロキョロ
提督「……今俺は指を何本出しているか言ってみろ」
榛名「っ!?」
提督(俺の予想があっていれば……)
榛名「4本……4本です!」
提督「0本だ。そもそも指なんて出していない」
榛名「!」
47
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 00:47:01 ID:9eihAdCA
提督(やっぱりな)
榛名は目が見えていなかった
これならあの時穴だらけの扉の前で対峙したのに俺を提督を視認できなかったのも納得できる
提督「どうして言ってくれなかったんだ」
榛名「え、いや……その」
提督「まぁいい、ここは良いからお風呂入ってこい。今回はバケツも使っていいからな」
榛名「提督は……提督はその間どうするんですか?」
提督「その間は一人で何とかするさ」アハハ
榛名「っ!」
トトッ ガン! ドサッ…… キョロキョロ
榛名「提督は!提督はどこですか!」キョロキョロ ブンブン
提督「お、おい榛名……俺はここにいる」ポン
榛名「提督!」ギュウウウウウウ
提督「ぐえええ……」
48
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 00:58:54 ID:9eihAdCA
榛名「嫌です!榛名はっ……榛名は離れたくありません!」ギュウウウウウウウウウウウ
提督「は、榛名……クルシイ……」
榛名「榛名は大丈夫ですから!榛名は大丈夫ですからあ!」ギュウウウウウウウウ
提督「ハナシテ……ハナシテ……」
榛名「はっ……ご、ごめんなさい」ギュ
提督(やっと緩んだ……でも離さないんだな)
榛名「……」ギュ
提督「榛名……君はドックに行った方が良い。と言うより行かないとまずい」
榛名「……」ギュウ
提督「この調子だと俺も榛名も仕事ができない。それに目が見えないと日常生活もままならないだろ」
榛名「……」ギュウウ
提督「だから、俺もドックに行く。それで大丈夫だろ?」
榛名「!」
提督「良く考えたら目が見えないのに自分で行けってのも酷な話だしな。早く行って早く帰るぞ」
榛名「はい!」
49
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 01:07:31 ID:9eihAdCA
提督「よし、肩に捕まれ」
榛名「は、はい」ギュ
提督「しかし、よくここまで扉ボロボロにしたな……その割には部屋は割ときれいだけど」
榛名「はい、全部受け止めましたから!」
提督「……」
なにを?と聞きたかったが、
今の榛名を見る限りそういう事なんだろうな……
提督「……すまん」
榛名「何がですか?」
提督「なんでもない。行くぞ」
榛名「はい!」
ギイ バタン
50
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 13:36:56 ID:V1RxYcRs
榛名…
51
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 20:20:22 ID:cZ9eBEBc
-船渠-
提督「よし、着いたぞ」
榛名「はい……」ヨタヨタ
提督「後はここの妖精さんに任せるからな。俺は外で待ってる」
榛名「え……提督も一緒に入らないんですか?」
提督「それは流石にまずいだろ……」
提督(もし一緒に入っているのを見られるなんてことがあったら俺の提督人生が終わるし……)
提督「とにかく早く行って来い。バケツ使っていいんだから一瞬だろ」
榛名「うぅ……絶対待っていてください!」
提督「分かったから」
榛名「絶対、絶対ですよ!」
提督「はいはい、行ってらっしゃい。それじゃ妖精さん、よろしく頼みます」ペコリ
妖精「……」コク
ガララ ピシャ
52
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 20:42:23 ID:cZ9eBEBc
提督「ふう……これで一安心だ」
響「やぁ司令官、こんなところにいたのか」
提督「ん、響もお風呂に入りにきたのか?」
響「そうじゃないが……でも目的は半分達成されたかな」
提督「? そうかそれは良かったな」
響「そんなことより酷いじゃないか司令官」
提督「ん?」
響「一緒にボルシチを食べる約束をしていたのに居なくなるなんて」
提督「……そういやそんな話もあったな。すまん」
響「ふふ……まぁいいさ。さっき作ったのは冷えてしまったけど、替わりのはある。さぁ行こう」クイ
提督「ちょ、待て。俺は今榛名を待っているんだ。悪いけど今すぐには行けない」
響「……司令官は榛名を待っているのかい?」
提督「あぁ、そうだ」
響「……それじゃ私も待つことにするよ。戻ってきたらみんなで食べよう」
提督「お、そうか。榛名にはバケツを使わせたからもうすぐ戻ってくるはずだ」
53
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 21:10:50 ID:cZ9eBEBc
ガラッ!
榛名「提督、お待たせしました!」
提督「お、終わったか」
響「やあ、随分と早かったね」
榛名「! 何で……」
提督「さっきここで会ったんだ。これからボルシチを振る舞ってくれるってさ」
響「あぁ、最初は提督だけに振る舞うつもりだったけど、折角だから榛名にもごちそうしたくてさ」
榛名「そうですか……」
響「さあそれじゃ執務室へ行こうか。みんな、でね」クイ
提督「お、おい。そんなに引っ張るな」ヨタ
榛名「! ……その手を放してください」
響「……どうしてだい?酷いじゃないか」フフ
提督「そうだぞ榛名。ちょっと神経質すぎるぞ」
榛名「提督、どうしてその娘の肩を持つんですか?」
提督「いや、別にひいきしているわけじゃ―――」
54
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 21:22:49 ID:cZ9eBEBc
榛名「あー……榛名が居ない隙にその娘に何か吹き込まれたんですね」チャカ
提督「お、おい!どうして響に主砲を向けるんだ!?」
榛名「提督……大丈夫です。榛名にお任せください」
響「……」チャカ
提督「響!二人とも止めろ!」
榛名「……」
響「……」
提督(ダメだ……二人とも砲を降ろさない。このままじゃ同士討ちになってしまう)
榛名「……勝手は、榛名が!許しませんっ!」ギリ
響「……信頼の名は伊達じゃないよ」フフ
55
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 22:14:36 ID:cZ9eBEBc
??「そこまでです」
提督「!」
榛名「!」
響「!」
3人同時に声がした方を向く
声の主は加賀だった
彼女は艤装を装備し、俺たち3人と対峙していた。
提督「……加賀!」
加賀「艦載機に撃たれたくなければ武器を降ろしてください」
榛名「そんな勝手、榛名は許しません!」
加賀「勝手どうこうじゃないの。ここで撃ちあったら建物が壊れるわ。それに提督が近くに居るのに流れ弾が飛ばないとでも思っているの?」
榛名「! ……」
響「……」
加賀「とにかく、撃ちあうなら他の場所でして。この鎮守府や……提督に迷惑をかけるのは許さないわ」
56
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 22:19:18 ID:GsGVYM2o
漸くまともそうな奴が来たか
57
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 22:23:36 ID:cZ9eBEBc
榛名「……」
響「……」
提督「……と、とにかく二人とも執務室に行こう、な?」
榛名「……はい」
響「……了解した」
スッ
提督「……加賀、助かった。ありがとう」ペコリ
加賀「いえ、これくらい造作もありません。それで、提督」
提督「ん?」
加賀「後で話がありますので部屋に来てください」ヒソヒソ
提督「部屋に……?重要な話なのか?」ヒソヒソ
加賀「恐らく榛名や響がおかしくなったことに関係することだと思います」ヒソヒソ
提督「! 分かった。後で行く」ヒソヒソ
加賀「お待ちしています」ヒソヒソ
58
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 22:29:03 ID:cZ9eBEBc
提督「そういやこれからボルシチを食べるんだが、加賀もどうだ?」
加賀「いえ、私は遠慮します」
提督「そうか、じゃあまた」
加賀「ええ」
提督「……それじゃ二人とも行こうか」
響「司令官、私はボルシチを部屋から持ってくるからここで別れるよ」
提督「そうか、じゃあ後で執務室に持ってきてくれ」
響「了解した」
スタスタ
提督「……俺たちも行こうか」
榛名「……はい」
執務室への帰り道は行きの時よりも長く感じた
59
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 22:56:13 ID:cZ9eBEBc
-執務室-
コンコン
響「提督、ボルシチを持ってきたよ」
提督「おう、入って良いぞ」
榛名「……」
響「なんだいこの扉は。もはや外した方が良いんじゃないか?」
提督「ははは……後で考えるよ」
響「フフ……それじゃ、これが提督のボルシチだ」
俺の前に出されたボルシチ
見た感じ具はタマネギ、ニンジン、キャベツ、ソーセージ、それとズッキーニが入った割とオーソドックスな物だ
上に乗ったサワークリームの白となんかの葉の緑、それとボルシチの赤が良い色を演出している
見た目だけ言えばレストランの物と大差ない
提督「おぉ……旨そうだな」
響「ボルシチは私の得意料理だからね。後ピロシキも用意した。好きなだけ食べると良いさ」
提督「気が利くな。ありがとう」
60
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 23:06:25 ID:cZ9eBEBc
響「ふふ、そしてこれが榛名の分だよ」
榛名のボルシチ
大なべか何かで作った作ったからかほとんどの具は俺のと同じだ
だが、俺のに加えて粗挽きにミンチされた肉団子が入ってる
提督「おー、榛名のも旨そうだな。それに肉団子も入っているじゃないか」
響「それは榛名の為に今作ってきたものだよ。さっきあんなことがあったから仲直りの印にね」
提督「そっか。榛名もそうつんけんしないで今まで通り仲良くやっていこうよ、ね?」
榛名「……はい」
響「ふふふ、そう言ってくれるとわざわざ作った甲斐があるさ」
提督「よしじゃあ早速、頂きます」
響「いただきます」
榛名「……いただきます」
61
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 23:09:53 ID:cZ9eBEBc
二個上で響が「司令官」じゃなくて「提督」と言ってしまったので脳内変換をお願いします
すいませんでした
62
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 23:15:42 ID:cZ9eBEBc
提督「それにしてもその肉団子おいしそうだな。俺にも一個くれないか?」モグモグ
響「司令官、それはダメだ」
提督「え?なんで?」ゴックン
響「司令官には司令官用に作っているし榛名には榛名用に作っているんだ。だから司令官が榛名のを食べるのもその逆も私は許さない」
提督「そ、そうか……ということは俺のボルシチには榛名のに入っていない何かが入っているのか?」
響「ふふ、その通りだよ、司令官」
提督「そっか……でも今度作ってくるときは俺のにも肉団子を入れてほしいかな」
響「そうだね。考えておくさ」
榛名「……」モグモグ
63
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 23:22:10 ID:cZ9eBEBc
提督「ふう……ごちそうさま」ゲフ
響「司令官、美味しかったかい?」
提督「あぁ、ボルシチもピロシキもどっちも旨かったよ」
響「それは良かった。榛名はどうだい?」
榛名「……美味しかったです」
響「ふふふ……それじゃ片づけるから私は行くよ」
提督「あぁ、それじゃまた」
響「あぁ、до свидания(また会おう)」
ガチャ バタン
64
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/06(月) 23:32:53 ID:cZ9eBEBc
提督「さて……それじゃ再開するか」
提督(そういえばさっき加賀に話があると言われたな……)チラ
榛名「……」モクモク
提督(榛名には悪いが……事態を収めるためには……)
提督「あー……榛名。ちょっと出かけてくる」
榛名「……どうしてですか?」
提督「正直、今の鎮守府はおかしいと思っている。原因も俺には分からない。だが、その原因を知っているかもしれない娘が居るんだ」
榛名「……そんな理由で榛名から離れるんですか?」
提督「大丈夫だ、すぐ戻ってくる」
榛名「そんなこと言って!榛名を見捨てないでください!?」
提督「何を言っているんだ?俺が大事な娘を見捨てる訳ないだろ!」
榛名「! ……」
提督「……すまん。とにかく行ってくる。加賀のところだから心配なら後で来ればいい」
ガチャ バタン
??「……」ジー
65
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/07(火) 00:34:16 ID:Ao1GRmGk
ほんのちょびっとグロ表現
66
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/07(火) 00:35:11 ID:Ao1GRmGk
-暁型の部屋-
響「ただいま」
響「ボルシチ、提督は……あと榛名も喜んでくれたよ。」
響「今回のボルシチは私だけじゃできなかった。Спасибо(ありがとう)、雷」
そう言って響は雷の方を見る
彼女は壁に居た。両手両足は大の字に張りつけられている。顔は下を向いているためその表情はうかがえない
お腹は大きくえぐられ、その傷口からは暖かい血が途絶えることなく流れている
また張りつけられるとき、お腹をえぐられた時に暴れたのだろう。彼女の周りにはまるで桜の花びらのように血が飛び散っている
雷は響が居たのに気付いたみたいで、体をよじらせ、威嚇する
響「無駄だよ。それくらいじゃ外れない」
雷「フーッ……フーッ……」ギロ
サワ
雷「―――っ!!」
響「痛いかい?でも私も痛かったんだよ」
響「雷が司令官を監禁したと聞いた時の私の痛みはこんなものじゃない」
67
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/07(火) 00:52:39 ID:Ao1GRmGk
ドス
雷「ぁぁああアアあぉぉおおおあああ!!!」
響「……でも司令官にボルシチを振る舞えたのは結果オーライだね」
雷「あぁぁ……ぁぁ……」ポロポロ
響「それに榛名も肉団子おいしいって言ってくれたよ。良かったね、雷」
響「……それじゃ洗い物をしなきゃね。もう少しの辛抱だよ」
雷「…………司令官」ボソ
響「あぁそういえば」
雷「」ビクッ
響「司令官も肉団子が食べたいって言ってたっけ」
響「今度は血だけじゃなくてちゃんと作らないといけないかな。ちょっと痛いだろうけど、やるさ」
68
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/07(火) 21:48:00 ID:Ao1GRmGk
- 一航戦の部屋-
コンコン
提督「提督だ。入るぞ」
加賀「どうぞ」
ガチャ バタン
提督「さて、来て早々なんだが……」
加賀「はい、先ほどお話した事ですね」
提督「あぁ……」
加賀「その前にお茶をどうぞ」コトッ
提督「……」
加賀「提督、こちらを見てください」スッ
提督「これは……青葉が出している新聞か」
加賀「はい、鎮守府内のことを赤裸々に語っていることもあってここの艦娘の間では人気の読み物です」
69
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 00:00:18 ID:B7y2r/tU
提督「それについてはある程度聞いているが……これがどうしたんだ?」
加賀「この記事を見てください」
提督「なになに……『司令官の好みの女性のタイプを青葉、聞いちゃいました!』だと……!?」
加賀「……」
スクープ!! ついに司令官の好みの女性のタイプについて聞き出すことに成功!
昨晩、執務室で一人で晩酌している司令官に直撃取材を行った
気分が良かったのだろうか、ほろ酔い状態の司令官は、
いつもはスルーするような質問でもすんなり答えてくれた
その中でもスクープは「司令官の女性のタイプ」!
司令官Loveな艦娘が多いこの鎮守府において誰が司令官をハートを射止めるかはある意味死活問題だろう
結果からお伝えするとずばり「ヤンデレな娘」でした!
司令官を好きなあなた!今こそ邪魔なあの娘を押しのけて司令官の愛を独り占めするチャンス!かも?
青葉記者
提督「な……ななな………」ワナワナ
加賀「提督、落ち着いてください」
70
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 00:21:13 ID:B7y2r/tU
提督「確かに昨日の夜は飲みすぎて記憶がほとんどないが……まさかこんなことがあったなんて」ガクッ
加賀「この新聞は今日の早朝に艦娘のみんなに配られたものです」
提督「今朝の記事か……そりゃそうだよな、昨日のネタだし……ハハ……」
加賀「そして確証がないですが、皆がおかしくなったのはこの新聞が配られた後でした」
提督「!」
提督(そういえば、俺が雷に縛られたのもマルキュウマルマル辺りだ……)
加賀「……」
提督「つまりこの記事がこの状態の原因なのかもしれないんだな」
加賀「はい、そういうことです」
提督「……」ウーン
加賀「……」
71
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 00:42:14 ID:B7y2r/tU
酔っているとは言え、軽率なことをしてしまった
しかしこの状態をどう収めればいいのか
今俺が何か言ったところで噴き出した彼女たちの気持ちが収まるわけじゃないし、
仮に収まったとしてもこれから先ギクシャクするかもしれない
かといって全員を受け入れるのは……無理だろ常識的に考えて
加賀「提督?」
提督「……ん?あぁすまん。少し考えていた」
加賀「一人で考え事をしても何も解決しません。力不足かもしれませんが、私も協力します」
提督「……すまんな、加賀」
加賀「いえ、問題ありません」
提督「でも、大丈夫だ。ヤンデレと言うことはターゲットは俺だけのはずだ。何とかして一人ずつ説得するよ」ニコ
加賀「そうですか」
提督「だから、加賀は心配しなくて良い。あ、でもピンチの時は助けてほしいかな」アハハ
加賀「ところで提督」
提督「どうした?」
加賀「私たちの式はいつにしますか?」
72
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 00:56:56 ID:B7y2r/tU
提督「……は?」
加賀「?」
提督「式って……何?観艦式?」
加賀「何って……結婚式ですが」
提督「」
加賀「提督の方からプロポーズしていただいたのにあれから音沙汰が無いとは……流石に頭にきます」
提督「プロ、プロポーズ!?」
加賀「はい、あの時の提督の言葉は今でも一言一句記憶しています」ポッ
提督「まさか……まさかまた酔った勢いで変なことをしてしまったのか……?」
加賀「いえ、あの時の提督は酔ってなんかいません。極めて真面目に告白してくれました」
提督「そんな……」
加賀「それに、あの時は既に私たちの間に子供も居ました」
提督「子供!?」
73
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 01:15:54 ID:B7y2r/tU
加賀「はい、私たちに似て可愛い娘です」
提督「」ボーゼン
加賀「そういえば提督はしばらく会っていませんね。ちょっと待っていてください」ガサゴソ
加賀「ほら提督。能登ですよ」ヨシヨシ
彼女が持ってきたものは赤ちゃん、なわけがなく熊のぬいぐるみだった
それは俺が昔、可愛いものが好きだと言う加賀にプレゼントしたものだった
提督「加賀……お前……」
加賀「名前は私が付けました。お気に召しましたか?」
提督「いや、そうじゃなくて……」ガクガク
加賀「能登はどちらかと言うと提督似ですね。きっと提督と同じく、聡明な子に育つと思います」
提督「加賀……お前も青葉の記事でおかしくなったのか?そうなのか?」
加賀「? 言っている意味が分かりません。私は今も昔も私です。あの娘達となんか一緒にしないで」
提督「しかし……そもそも俺は加賀にプロポーズなんかしていないし子供を作った記憶もないぞ」
加賀「……もしかして提督は忘れてしまわれたのですか?」
提督「……」
74
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 01:49:12 ID:B7y2r/tU
加賀「提督は私に、『その澄んだ瞳が好き』だと言いました」
提督「……」ガクガク
加賀「私の胸を荒々しく揉みしだき、そして中に熱いものを注いでくれました」
提督「……」ガクガク
加賀「その時、『お前は俺のものだ』と言いましたよね?あの時今までになく気分が高揚したのを覚えています」
加賀「だから、提督が榛名さんや他の娘たちとべたべたしていても我慢することができました」
加賀「それを忘れた、ですか」
提督「……」ガクガク
加賀はおかしい
それも榛名や千歳以上だ
加賀が言っていることはまったくの事実無根だ
しかし今の彼女を怒らせるとどうなるか分かったものじゃない
提督「ああ……俺が間違っていた……全部思い出したよ」ガクガク
加賀「……」
加賀「そう、良かったわ」ニコ
提督「」ガクガク
75
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 02:25:39 ID:B7y2r/tU
提督「それじゃ……俺は戻るよ」
加賀「はい。あの、式はどうしますか」
提督「……すまん、今はヤンデレの問題を解決しないといけないからまた後で話すよ」
加賀「……分かりました。終わったらきちんと話しあいましょう」
提督「……」
加賀の言動はおそらく妄想だ
彼女にとっては妄想が真実で、俺がそれに反論しても聞き入れてくれることはない
だから時間が解決することを期待して、今は逃げよう
加賀「部屋の外まで見送ります」
提督「……ああ」
76
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 02:34:50 ID:B7y2r/tU
ガチャ バタン
加賀「では、今度こそ私たちの将来のこと忘れないでくださいね」
提督「……ああ」
??「提督?」
提督「!」ビク
加賀「……」ピク
千歳「こちらにいらしたんですね。やっぱり足があると逃げてしまって面倒ですね」ユラリ
提督「千歳……」
千歳「大丈夫、足が無くても手が無くても提督は提督ですから」ニコ
提督「あ……あぁ……」
ユラリユラリ
スッ
加賀が提督と千歳の前に立ちふさがる
77
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 02:42:32 ID:B7y2r/tU
千歳「……なんですかあなたは?どいてください」
加賀「ここは譲れません」
提督「加賀!」
加賀「提督、ここは私に任せて早く行ってください」
提督「だが……」
加賀「大丈夫、私は負けません」
提督「……すまん」
タタタタ
千歳「! 艦載機のみなさん!」
千歳が艦載機を放つ
が、加賀の艦載機が千歳の艦載機を撃ち落とした
加賀「あなたの相手は私です」
千歳「……」ギリ
78
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 03:14:28 ID:B7y2r/tU
-執務室-
ガチャ バタン
榛名「! 提督!」
提督「はぁ…はぁ……榛名」
榛名「っ!はい!」
提督「榛名は今朝の青葉新聞を見たのか?」
榛名「! ……はい、見ました」
提督「そうか……だからお前はヤンデレ化したのか」
榛名「……榛名は自分がヤンデレだとは思っていません」
提督「……」
榛名「でもあの記事を見た時、他の娘に取られてしまうのだったら榛名が提督のそばにと思いました」
提督「……榛名」
榛名「榛名は提督のことが好きです。今まで提督の一番近くに居た榛名を。これからもずっとそばに置いてください!」
提督「榛名……俺は―――」
響「そこまでだよ、二人とも」
79
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 03:35:11 ID:B7y2r/tU
提督「……響!?」
榛名「!」
響「司令官、今度はヨージキを作ってきたんだ。 さっき食べたばかりだし、まだおやつには早いけど食べてくれるかな」
榛名「響……」ギリ
響「……残念ながら今回は榛名の分は作ってないんだ。これは提督のなんだ」
提督「響……すまん、今はそんなことをしている場合じゃないんだ」
響「どうしてだい?さっき肉団子を食べたいと言ったからわざわざ作ってきたのに。ほら」チラ
そう言って響は服をまくった
提督「!」
榛名「!」
響の脇腹はえぐれていた
80
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 03:44:57 ID:B7y2r/tU
提督「響……お前……うおおぅええええ」ビチャビチャ
榛名「」
響「榛名のと同じ材料で作るわけにはいかないからね。痛かったけど問題ないさ」
榛名「私の……?」
響「あぁ、榛名のは雷で作ったんだよ」
榛名「っ!」
響「彼女の肉を提督の中には入れる訳にはいかない。だから榛名の分にしたんだよ」
榛名「」
響「その分提督には私の血を入れた。ボルシチも赤色だから多めに入れても目立たなくてよかったよ」
提督「!」
響「今回はちゃんと私の肉で作ったから、提督が食べても大丈夫だ」
提督「……うあああああああああ」
ジャキン
81
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 03:50:14 ID:B7y2r/tU
榛名が響に砲塔を向ける
響「……どうして私に向けるんだ?」
榛名「……」ギリギリ
響「ふふ……さっきの仲直りは無しだね」
榛名「……許しません!」
響「……やりますか」チャカ
こうして榛名と響の戦いの火ぶたが切って落とされた
今度は加賀は居ない
82
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 04:01:07 ID:B7y2r/tU
- 一航戦の部屋前廊下-
加賀「はぁ……はぁ……」
千歳「うぅ……てい……と、く……」
ドサ
空母同士の戦いは加賀が制した
加賀「やりました……」
これで提督を迎えられる
そうしたら私は提督の秘書官になる
提督は私と能登だけを見て、私は提督と能登だけを見る
なんて幸せな生活なのだろう
加賀「ふふ」
自然と笑みがこぼれる
83
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 04:06:38 ID:B7y2r/tU
ズドン
加賀「な……!?」
加賀の胸元を一発の砲弾が突き抜ける
ドサ
加賀「が……一体、何が?」
??「いやー良いものを見せていただきました!」
加賀「あおば……!」
青葉「ども、恐縮です、青葉です!一言お願いします!」
加賀「これは……どういうこと……?」
青葉「一言がそれですか?それじゃ記事にはなりませんねー」
加賀「……」
青葉「……まー良いです。青葉にはどうでも良いことですから」
加賀「! まさか……!」
84
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 04:07:16 ID:B7y2r/tU
ズドン
85
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 04:13:58 ID:B7y2r/tU
-執務室-
執務室内では榛名と響の戦いが続いていた
榛名は大口径の砲塔で響の周囲ごと吹き飛ばす
響は小口ながらも小さい体と早いステップで榛名を翻弄する
両者は互角の戦いを見せていた
響「っ!」ズキ
響(流石に痛み止めだけじゃえぐった部分は騙しきれないか)
しかし、自分で自分を気づ付けた分、榛名に分があった
榛名「そこっ!」
響「しまっ」
ドゴン
86
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 04:21:37 ID:B7y2r/tU
パラパラ
響「うぅ……ここまで……か」ドサ
榛名「……響、どうしてあなたは自分の体を傷つけたのですか?」
響「……」
榛名「その傷が無かったら私が負けていたかもしれません」
響「……ふふ」
榛名「?」
響「……ただ司令官とずっと居たかっただけさ」
榛名「……どういうことですか?」
響「私の血肉が司令官の中に入ることでそれがまた提督の血肉になる。そうすれば私は司令官とずっと居られるのさ」
響「例え、私が死んだとしてもね」
榛名「……」
響「出来ることなら生きて、司令官と共に居たかったけどね」フフフ
榛名「……」
87
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 04:23:28 ID:B7y2r/tU
響「До свидания」
ズドン
88
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 04:27:22 ID:B7y2r/tU
榛名「……これで終わった、のでしょうか」
響は自分の一部を相手に入れることで提督と居ようとした
それは確かに異常だ
だが形はともかく、私も提督から離れたくなかったのは事実だ
私は響と同じ様に狂っているのだろうか
榛名「……提と―――」
ズドン
.
89
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 04:37:56 ID:B7y2r/tU
榛名「っ!」
ドサッ
榛名には何が起こったのか分からなかった
彼女が分かることは、死ぬということだけだった
??「んふふー」
榛名「あなたは……青葉」
青葉「ども、青葉です!」
榛名「これは……いったい?」
青葉「あーそれさっき加賀さんにも聞かれたんですよねー」
榛名「加賀……さん?」
青葉「まあ彼女には教えなかったんですけどねー」アハハ
榛名「……」
90
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 04:51:49 ID:B7y2r/tU
青葉「……でも、これでやりたいことは達成しましたし特別に話しましょう!」
榛名「……」
青葉「まず最初に、あの記事のことからですかね」
青葉「記事に書いたことは本当のことです。司令官は確かにヤンデレがいいと言っていました」
青葉「それ記事にした理由は艦娘たちの司令官への恋心と独占欲を出すためです」
青葉「もともと割と多くの娘たちは司令官へのゆがんだ愛情を持ってましたからねー。榛名さんもそうですよね?」
榛名「私は……」
青葉「ヤンデレ化した娘たちは、同じく司令官を狙う他の娘たちを排除しようとしました」
青葉「だって、自分以外の娘が居たらそれだけ司令官と居れる時間が減りますから」
青葉「自分から戦わない娘達には私から発破を掛けましたよ。いやーこれが大変で大変で」アハハ
青葉「それで、戦いの中で残った娘が私と榛名さん、そして加賀さんだったのです!」
青葉「あ、北上さんと大井さんも居ましたね。まあ彼女たちは無視して大丈夫みたいでしたけどねー」
青葉「加賀さんは先ほど殺しました」
青葉「そして次は榛名さんの番です!」
榛名「……」
91
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 04:57:25 ID:B7y2r/tU
青葉「大丈夫です!頭に一発ドカーンと撃つだけですから痛くありません!」
榛名「……」
最初からこれを狙っていたのか
青葉の計画、それはなるべく自分の手を汚さず提督の近くに居座る事だったのだ
なぜそれに気付かなかったのか
榛名はは、響は、そしてみんなはただ提督のことが好きだっただけなのに
悔しい……悔しい、悔しい!
榛名「ああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
青葉「じゃあねー」
ズドン
.
92
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 05:03:47 ID:B7y2r/tU
青葉「……さて」チラ
提督「あぁ……っぁ……」
青葉「司令官!青葉頑張っちゃいました!」ニッ
青葉「これからは他の娘のことを考えなくても良いんですよ?」
青葉「よーし!これからどうしちゃいましょうか!」
青葉「秘書艦!……はもうしなくて良いしー、出撃は……もう他の娘が行ってるんだっけ?」
青葉「……彼女たちを迎え撃つために罠を張らないとまずいかな?」
青葉「まーまだ良いですよねー今は提督といちゃいちゃしましょう!」ギュー
提督「……」
93
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 05:04:39 ID:B7y2r/tU
ターン
ターン ターン ターン ターン
カチャ
ターン
94
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 05:11:47 ID:B7y2r/tU
ズル……ズル……
提督「……」ヨロヨロ
もう何も考えられない
考えたくない
北上「あっ、提督!たすけっ」ドタドタ
ズドン
北上「うあっ!」ドサ
大井「ふふふ……北上さーん?」
北上「大井っちぃ……もうやめよ?ね?ほら、提督がいるよー?」ガクガク
大井「もー提督なんてどうでもいいでしょ?ほら、行きましょう?」
北上「いやっ……提督!提督!」
大井「……そんなに提督が良いんですか?私より……」
北上「うあっ……!でも!」
大井「……もういいです」
95
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 05:13:41 ID:B7y2r/tU
ズドン
提督「……」
大井「……北上さんは渡しませんから」
大井「何時までも一緒ですよ。北上さん」
ズドン
ドサッ
提督「……」
提督「……」ヨタヨタ
96
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 05:19:27 ID:B7y2r/tU
-波止場-
アーッアーッ ザザー
提督「……」
提督「……もう生きたくない」
カチャ
??「提督、なにしているんだい?」
提督「……」
??「自分に銃を向けるなんて危ないじゃないか」
提督「……時雨」
時雨「第一艦隊、時雨。帰投したよ」
提督「……他の艦娘たちはどうした」
時雨「……作戦中に轟沈したよ。第一艦隊で生き残ったのは僕だけだよ」
提督「そうか、すまない」
時雨「どうして提督が謝るんだい?むしろ謝るのは僕の方さ」
97
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 05:22:57 ID:B7y2r/tU
時雨「それよりも提督、一体どうなっているんだ?」
時雨「建物はぼろぼろだし、艦娘があちこちで倒れている」
時雨「僕たちが出撃する前と大違いだ」
提督「……実は」
―
―――
―――――
98
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 05:28:10 ID:B7y2r/tU
―――――
―――
―
時雨「青葉さんが……」
提督「……俺は軍の物である艦娘を殺した。それにどのみちこのありさまじゃ軍法会議は免れない」
時雨「だから死のうとしたんだね」
提督「……ああ」
時雨「それじゃ提督、僕と一緒に逃げない?」
提督「逃げる……?」
時雨「僕は提督には死んでほしくない。こう見えて提督の人柄は分かっているつもりさ」
提督「でもどこへ逃げると言うんだ」
時雨「どこでもいいさ、きっとどこかに静かに暮らせる場所があるはずさ」
提督「……時雨」
提督「行こうか」
時雨「うん」
99
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 05:33:16 ID:B7y2r/tU
-執務室-
PC「」
結果報告書
作戦ハ成功
本作戦ニヨリ深海棲艦ニ大打撃ヲ与エル事ニ成功シタ
ソチラノ鎮守府カラ派遣サレタ艦隊ノ損害ハゼロデアル
帰投後十分ニ養生サセルベシ
XXXX/XX/XX
大本営
100
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 05:33:53 ID:B7y2r/tU
おわり
お粗末様でした
101
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 05:37:18 ID:B7y2r/tU
ヤンデレ成分が無いような気がしたので
需要があったら個別ルートも書きます
もしリクエスト(本編に出てない艦娘でもOK)がありましたらお願いします
102
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 08:07:48 ID:ci/yXdKc
乙
自分はあきつ丸エンドを見てみたいであります
103
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 10:50:47 ID:rZ1AFcrI
乙
ばっちり洗脳された大井っちが見たいです
104
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 10:59:46 ID:VQkgrzw2
島風見たい
105
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 17:10:25 ID:oRx6iXfY
那珂ちゃん
106
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 19:12:39 ID:Dn.Fuqew
いろいろと面倒なので個別ルートは本編のパラレルワールドてす
また、本編で出た艦娘で○○はこんな性格じゃないとかありましたら遠慮なくどうぞ
何もなかったら本編のキャラで書きます
それではあきつ丸から再開します
107
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 19:14:09 ID:Dn.Fuqew
>>102
あきつ丸
あきつ丸『出向……でありますか?』
『そうだ。我々陸軍は君たち艦娘に対する知識が乏しい。悔しいが海軍のほうが艦娘に関しては我々より2歩3歩進んでいるのだ』
あきつ丸『……』
『それゆえに君たちは海軍に出向してもらい、艦娘に関するノウハウを手に入れてほしい』
『もちろんこれは期限付きだ。帰任後は我々の元で働いてもらう』
『よろしく頼むぞ、まるゆ、あきつ丸』
『はい!』
あきつ丸『はっ!』
108
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 19:14:47 ID:Dn.Fuqew
―――――
―――
―
チュンチュン
ムクリ
あきつ丸「……朝でありますか」
109
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 19:15:36 ID:Dn.Fuqew
-食堂-
あきつ丸「……」モグモグ
オハヨ-! オハヨウゴザイマス チーッス!
あきつ丸「……」チラ
木曽「おはよう、まるゆ」
まるゆ「あ、木曽さんに球磨さん!おはようございます!」ペコリ
球磨「おはようだクマー」
多摩「多摩もいるにゃ!」ニョイン
ヤイノヤイノ
あきつ丸「……」モグモグ
110
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 19:16:20 ID:Dn.Fuqew
トン
提督「おはよう、あきつ丸!」
あきつ丸「あ……提督殿、おはようであります」
提督「朝飯一緒して良いかな?」
あきつ丸「はい。あ、でも自分はもう食べ終わるのであります」
提督「ははっそうか。それじゃあきつ丸に負けないように食べるかな」アハハ
ガツガツ
あきつ丸「……ふふ」
111
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 19:17:03 ID:Dn.Fuqew
-執務室-
提督「今日は秘書をやってもらう」
あきつ丸「はっ!」
提督「といってもいきなりは無理だから、今日は加賀がサポートに入ってもらうね」
あきつ丸「は、はぁ……」
加賀「あきつ丸、それなりに期待しているわ。今日はよろしくお願いします」
あきつ丸「こ、こちらこそ!ご指導ご鞭撻をよろしくお願いするであります!」
112
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 19:17:35 ID:Dn.Fuqew
加賀「あきつ丸、この書類のここですが間違っています。早急に修正してください」
あきつ丸「! 申し訳ないであります!」
加賀「あきつ丸、遠征管理ですがあんな出鱈目に組んだらみんなに迷惑が掛かります。修正してください」
あきつ丸「はっ!」
加賀「あきつ丸」
あきつ丸「はっ!」
加賀「あきつ丸」
あきつ丸「今やるのであります!」
加賀「あきつ丸」
加賀「あきつ丸」
加賀「あきつ丸」
113
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 19:18:24 ID:Dn.Fuqew
―――――
―――
―
あきつ丸「つ、疲れたであります……」
提督「今日は一日お疲れ。はい、お茶」コトッ
あきつ丸「提督殿自らお茶入れなど……申し訳ない、のであります!」
提督「良いよ良いよ。今日一日頑張ってくれたからね。せめてものお礼だよ」
あきつ丸「いえ……あの、提督殿」
提督「ん?」ズズ
あきつ丸「自分は……その、上手くやれているのでありますでしょうか」
提督「……」
あきつ丸「今日一日、提督殿の秘書官としてやってきました。ですが加賀殿に怒られてばかりでまともに役目を果たせませんでした」
提督「……ふむ」
あきつ丸「それに自分は陸軍の艦娘です。やはり陸の者が海の仕事をするというのは合わないのでしょうか……」
114
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 19:18:59 ID:Dn.Fuqew
提督「……あきつ丸、お前は良くやっている」
提督「確かに今日の加賀はちょっと厳しかったね。いつもはもっと緩いんだけど、今日はあきつ丸の教育も兼ねてたから張り切りすぎていたかも
しれない」
提督「それに、加賀から注意された後、同じミスを犯さなかったじゃないか。それができれば十分だよ」
あきつ丸「提督殿……」
提督「仮にもし赴任したばかりの俺が居たら、あきつ丸の比じゃないくらい怒られたかもしれないな」アハハ
あきつ丸「そうなのでありますか?」
提督「ああ、多分あの加賀が鬼か何かになってただろうね」アハハ
あきつ丸「……ぷっ」
提督「……」ニヤニヤ
あきつ丸「はっ……上官を笑ってしまい申し訳ないのであります」ペコ
提督「はははは。よし、それじゃ飯にでも行くか!今日は特別に奢ってやるぞ!」
あきつ丸「え、それは……」
提督「気にするなって、じゃあ行くぞー!」グイ
あきつ丸「あわわ……引っ張らないでください、であります!」
115
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 19:36:47 ID:Dn.Fuqew
あきつ丸『陸軍より出向してきましたあきつ丸、とまるゆであります。本日より将校殿の鎮守府でお世話になります』
『よろしくおねがいします!』ペコリ
??『ああ、二人が陸軍所属の艦娘か。俺はこの鎮守府を束ねている提督だ。この鎮守府を代表して貴艦らを歓迎する』
提督『着任したばかりで申し訳ないが、上からせっつかれているから明日より指導を始める。今日中に身の回りのことを済ませてほしい』
提督『幸いなことにここの鎮守府は規模が大きい。分からないことがあったら遠慮なく他の娘に聞いてくれ』
あきつ丸『はっ!』
『はい!』
提督『……ろくに歓迎できなくて申し訳ない』フカブカ
116
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 19:37:34 ID:Dn.Fuqew
提督『まるゆは潜水して物資を輸送するのが目標だな。それについては水雷戦隊や潜水艦の娘たちに一任しているから彼女たちのところへ行くと良い』
『はい!』
提督『あきつ丸は揚陸と対潜哨戒、それと秘書能力だな』
あきつ丸『はっ!その通りであります!』
提督『揚陸と対潜はまるゆへの訓練が終わり次第行うことにする。よって最初は秘書業の教育から入る』
提督『いきなり実践は無理だから、最初は座学で知識を入れてもらうが大丈夫か?』
あきつ丸『はっ!将校殿のご命令とあらば断る理由はないのであります!』
提督『ははは……後、俺のことはどっちかと言うと提督と呼んでくれた方が良いかな。一応ここは海軍だし』
あきつ丸『はっ!提督殿!』
117
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 19:45:41 ID:Dn.Fuqew
提督『二人とも、ここの生活には慣れたか?』
『はい!特に水雷戦隊の方が良くしてくれます!』
提督『そうか、あきつ丸は?』
あきつ丸『まずまず、であります』
提督『そ、そうか……二人とももうこの鎮守府の仲間だからな。是非皆と仲良くしてやってくれ』
『はい!』
あきつ丸『はい、であります』
118
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 19:47:39 ID:Dn.Fuqew
―――――
―――
―
チュンチュン チチチ
ムクリ
あきつ丸「……今日も良い朝であります」
119
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 20:55:29 ID:Dn.Fuqew
-食堂-
提督「おはよう、あきつ丸。よっこいしょっと」スッ
あきつ丸「提督殿、おはようであります」モグモグ
提督「あきつ丸の最近の成長ぶりはすごいな。加賀も褒めてたぞ」
あきつ丸「そんなことないのであります。自分はまだ提督殿より学ぶことが多いのであります」モグモグ
提督「ははは、これ以上頑張られるとあきつ丸抜きじゃ仕事にならなくなりそうだ」
あきつ丸「それは……ちょっと嬉しいのであります」ニヘラ
提督「……ふふ」ナデナデ
あきつ丸「っ!提督殿!?」ビクッ
提督「あっ、すまん。つい……」
あきつ丸「いえ、自分は……大丈夫、であります……」モグ
あきつ丸「……っ」ポッ
あきつ丸「! ……」モグモグモグモグモグ
120
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 20:56:13 ID:Dn.Fuqew
あきつ丸「……」シュバババ
提督「……すごいな」
加賀「……ええ。ここ数日でよくここまで成長しました」
提督「正直陸軍に返すのが惜しいくらいだよ」
あきつ丸「っ」ピクッ
加賀「提督は私より彼女の方が良いとでも?」ギロ
提督「いや、そうじゃなくて……」
あきつ丸「……」チラ
ヤイヤイ
あきつ丸「…………」
あきつ丸「はっ!」
あきつ丸「……」モクモク
121
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 21:01:40 ID:Dn.Fuqew
提督「ふー今日も終わったー!」
あきつ丸「提督殿、お茶になります」コトッ
提督「お、ありがとう」ズズズ
あきつ丸「……」ズズ
提督「あきつ丸」
あきつ丸「はっ、なんでありますか?」
提督「お前は最初から比べると見違えるほど仕事ができるようになった」
提督「正直この短期間でここまで成長するとは思ってなかった」
あきつ丸「いえ、自分はまだまだであります」
提督「謙遜するな。これならきっとどこへ行っても立派に秘書をこなすことができる。俺が保障する」
提督「だから」
提督「今日で秘書の指導を終了する」
122
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 21:07:50 ID:Dn.Fuqew
あきつ丸「……! それは……」
提督「ちょっと早いがこれからは担当の艦娘に従って対潜、揚陸訓練に移ってくれ」
あきつ丸「提督殿……なぜでありますか!」
提督「なぜって……もともとそういう目標でこっちに着任しているわけだからな。途中で陸軍に戻すことは海軍のメンツに掛かる」
あきつ丸「……」
提督「まだまるゆは指導を終えていないが……なんとかするさ」
あきつ丸「……」
提督「とりあえず明日からできるようにしたから、明日は訓練場の方に向かってくれ」
あきつ丸「……失礼するであります」
ガチャ バタン
123
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 21:18:54 ID:Dn.Fuqew
『陸軍に女だってよ』
『マジか、女が何をするんだ?』
『海から物資や人員を揚陸するときに全体を指揮するんだとさ』
『うわ、ひょっとして女が上官になるのかよ……ないわ』
『陸軍足るものやっぱり脚を生かした電撃戦が最高だよな』
『だよな!海とか遠くからドンパチして勝った―なんて糞だよな!』
アハハハハハ
あきつ丸『…………』
―――――
―――
―
あきつ丸「……はっ!」
ガバッ
あきつ丸「……嫌な夢なのであります」
124
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 21:36:30 ID:Dn.Fuqew
-訓練場-
五十鈴「訓練を取りまとめます軽巡洋艦の五十鈴よ。よろしくね!」
あきつ丸「はっ!ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします!」
五十鈴「良い返事ね。訓練の内容は対潜と揚陸よ。だけど今のあなたじゃ、対潜はできないみたいね」
あきつ丸「! そうなのでありますか!?」
五十鈴「ええ、だから改装ができるまでは揚陸メインでやるつもりよ」
五十鈴「いい?提督はあなたに期待しているわ。その期待を裏切らないよう頑張りなさい」
あきつ丸「っ! はっ!」
五十鈴「ふふっ。じゃあ早速始めるわ」
……
五十鈴「今日の訓練はここまでよ。お疲れ様!」
あきつ丸「はぁ……はぁ……お疲れ様……で、あります……」
125
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 21:44:17 ID:Dn.Fuqew
提督「お、終わったのか?」
あきつ丸「!」
五十鈴「ええ、今終わったところよ。この娘、筋が良いわ。さすが陸軍肝いりの艦娘ね」
提督「おーそっか。秘書業も完璧だし、将来は立派な指揮艦になるな」ウンウン
あきつ丸「い、いえ……自分はまだまだであります……」ワタワタ
五十鈴「あら?提督は海軍より陸軍が良いんですか?」
提督「おいおい、冗談でもやめてくれよ。折角ここまでたどり着いたんだから今更動けるわけないだろ」アハハ
五十鈴「そうよね!」アハハ
提督「さて、折角だし三人で飯に行くぞー!」
五十鈴「賛成!」
あきつ丸「……」
提督「……? あきつ丸?」
あきつ丸「はっ……あ、いえ、お供するであります!」
126
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 21:55:09 ID:Dn.Fuqew
………
-工廠-
あきつ丸「これが、私でありますか……!?」キラキラ
提督「おー将校服か。似合ってるぞ、あきつ丸」
あきつ丸「あ、ありがとうであります……」
五十鈴「これで対戦装備ができるわね。早速明日からやるわよ!」
あきつ丸「は、はっ!よろしくであります」
まるゆ「あ、あきつ丸さん!」タタタタ
木曽「ん?あれは……陸軍の奴か?」
球磨「格好いいクマー!木曽のマントといい勝負クマ!」
木曽「お、おいおい……」
まるゆ「すごーい!まるゆは相変わらずで……」ショボン
ン?アレハダレデス? アキツマルサンデス
ウソ!? マジ? カッコウイイデース!
ヤイノヤイノ
127
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 21:56:39 ID:Dn.Fuqew
あきつ丸「あはは……」チラ
提督「――」
五十鈴「―――……」
ゴニョゴニョ
あきつ丸「……」
128
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 22:10:17 ID:Dn.Fuqew
『―――』
『―――!』
『――!』
あきつ丸『……やめるであります』
『―――やっぱりあいつは海の連中だ』
『陸軍に女は要らないんだよ!!』
あきつ丸「っ止めろ!!」
ガバッ
あきつ丸「……はぁ……はぁ」
あきつ丸「……」
提督『正直陸軍に返すのが惜しいくらいだよ』
あきつ丸「……」
提督『将来は立派な指揮艦になるな』
あきつ丸「……自分は要らなくなんかないのであります」ギリ
129
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 22:16:21 ID:Dn.Fuqew
-執務室-
PC
提督「……」カタカタ
提督「……!」
提督「……」カタカタカタカタ
提督「ふう……」
提督「……」
130
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 22:43:10 ID:Dn.Fuqew
-執務室-
あきつ丸「……」
まるゆ「すみませーん!遅れました!」
提督「大丈夫、時間ぴったりだよ」ニコ
提督「さて、昨晩陸軍より知らせがあった」
あきつ丸「……陸軍からでありますか?」
提督「あぁ……内容は貴艦らの帰任についてだ」
あきつ丸「!」
まるゆ「!」
提督「現在陸軍が進めている、深海棲艦の協力者に対する作戦に貴艦らを参加させたいとの事だそうだ」
あきつ丸「しかし、本来はまだもう少しこちらで訓練するはずでありますが」
提督「事情が変わったのだろうな。お前たちの所属が陸軍である以上俺は何も言えない」
あきつ丸「そんな……」
131
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/08(水) 22:47:03 ID:Dn.Fuqew
提督「しかし、貴艦たちは私たちの予想を超えて成長した。もう陸軍に戻っても十分に働けるはずだ」
あきつ丸「……」
提督「陸軍の迎えが来るのは2日後だ。ささやかではあるが送別会の用意もしている」
提督「名残惜しいが……二人とも、元気でな。今までありがとう」フカブカ
まるゆ「いえ!こちらこそ!」ペコリ
あきつ丸「……」
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