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安価でカオスSS作る
160
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/24(水) 23:29:18 ID:BEZcFcOE
池田「……記憶の復活に役立つかもなぁ」
阿部「ミトナンドリアとイントロピーがですか?」
池田「高校の連中ならそのナントカドリアとミントロピーを知ってるかもしれない」
TDN「ミトコンドリアにエントロピー。阿部ちゃんもごっちゃになっちゃってるわヨ」
阿部「ところで高校って何ですか?」
池田「高等学校。勉強をしたい奴が通う研究施設だな」
阿部「勉強!それは素敵ですね!」
池田「……素敵、か?」
阿部「学ぶのは素敵なことですよ!」
池田「……高校は生粋の変態だらけだから、阿部さんの想像してるのとは大分違うと思うが」
TDN「でもすごい食いつきようだから、いい影響あるんじゃないかしら?」
池田「ああ、確かにな。晩飯を食い終わったら行ってみるか」
阿部「楽しみです!早く夕飯にしましょう!」
TDN「夜行くのはあまり感心しないわネェ……」
池田「阿部さんと外出するなら、人目の多い昼間より夜だ。視界の広い道も選んで行くつもりだし……問題ないだろ」
161
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 00:27:25 ID:Rh3qN4FY
ワケ
∧_∧
( ・∀・)
⊂ ⊂ )
< < < ワカ
(_(_) ∧_∧
( ・∀・)
( U つ
メ♪ ) ) )
))^) (_)_)
(( (
)) )
(( (
)) )
162
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 01:02:07 ID:AhWHu/Ek
結構消化してきたよなぁ。凄い人だよ
>>108
さんは
163
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 01:17:58 ID:UDBBrpJg
――――
「校内見学ですか?」
池田「はい。学ぶなら高校が一番と聞いたもので」
「ええ!ええ!そりゃぁもう!高校以外の研究施設なんて全てゴミクズですからな!ハハッ!」
池田「是非とも素晴らしい教師陣の高尚な授業を受けたいと思いまして」
「結構!高校は全ての若人に学問の扉を開いております!」
「申し遅れました。わたくし、高等学校一年教師陣オリュンポスの一柱、ゼウスと申します」
池田「…………………池田です。よろしくお願いします」
ゼウス「池田さん!実に賢そうな名前だ!それで……そちらのサングラスとマスクを付けておいでの……」
阿部「はじめまして、阿部です」
ゼウス「阿部さん。大変申し訳無いのですが……当校でのセキュリティ面の問題がありましてねぇ」
ゼウス「基本的に素顔が見えない服装はお断りしてまして、はい」
阿部「あ、えと……」
池田「ゼウスさん、彼が顔を隠しているのはちょっと事情がありまして」
ゼウス「事情……と申しますと?」
164
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 01:31:35 ID:UDBBrpJg
池田「幼い頃の事故で顔にヤケドを負ってまして」
ゼウス「それは気の毒に」
池田「皮膚がその……見るに耐えないと言いますか」
ゼウス「そ、そうですか……」
阿部「…………」
池田「彼があの格好をしているのは、むしろ相手への配慮なのです」
ゼウス「な、なるほど……」
池田「しかし、決まりということであれば仕方ないですね」
ゼウス「う、うーん……」
池田「その代わり、その、夢に出て来ても私は保証しかねますが……」
ゼウス「そっ、そんなにっ……!?」
池田「それじゃ阿部さん、サングラスとマスクを――」
ゼウス「あー!結構!結構です!サングラスやマスクなんてファッションの内ですから!」
池田「そうですか。取らないでいいそうだ阿部さん」
阿部「…………」
165
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 01:47:18 ID:UDBBrpJg
――――
池田「何がオリュンポスだ。聞いたか?」
阿部「見るに耐えないって……」
池田「二年と三年はアースガルズにヴァナヘイムだぞ?クソちゃんぽんにも程があるだろ」
阿部「ひどいです……」
池田「学園の主任でもない癖にゼウスとか――」
グイッ
阿部「ムーーッ……」グイグイ
池田「……悪かったよ。あの場はああ切り抜けるしかなかったんだ」
阿部「分かってるんですけど……」
池田「ま、おかげで気味悪がって案内役投げてくれたから……こっちとしては動きやすいがな」
阿部「そうですね。ゼウスさんと話してる池田さん気持ち悪いですし」
池田「気持ち悪いってお前なぁ……」
阿部「池田さんの丁寧な言葉遣い聞いてると背中がムズムズします」
池田「……悪かったな。似合ってなくて」
166
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 01:55:35 ID:UDBBrpJg
阿部「でも、これってゲスト用のIDキーですよ?そんなに校内は周れないような……」
池田「こっちのIDがあるからどこでも行けるだろ」ピッ
阿部「教員用の……IDですか?」
池田「ああ、落ちてたから拾った。帰りに返そう」
阿部「…………」
池田「……すまん。さっきのゼウスから借りた」
阿部「……無断で?」
池田「返すからいいだろ。ともかくこれで校内施設が自由に使える」
阿部「…………」
池田「監視カメラには丸写りでも、IDがあれば言い訳できるしな」
阿部「……池田さん悪い人ですね」
池田「……賢いって言ってくれよ。ホラ行くぞ」
阿部「……もう」
テクテク…
167
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 01:59:30 ID:UDBBrpJg
――――
レン『んんっ、やめてくださいマスター!!』
男『駄目だよレン君? おちんちんの皮を剥かないと歌声に艶が出ないぞ?』
『ヌコヌコヌコヌコ』
レン『ぃやぁっ、ひぅっ、ぁ、あ゙あっ、ふんん!!』プルプル
「ハァハァ……レンたん萌え……」シコシコ
「ハァハァ……っうっ……ふぅ」フキフキ
阿部「」
池田「……教室覗いてないで、行くぞ」
阿部「あ、あのあのっ、今のって。な、ナニを、その……」
池田「……ここにいる学生はデータベースにアクセスできる権限を皆持ってる」
池田「いくつかセキュリティブロックを突破すると『旧史』の閲覧エリアまで辿り着ける訳だ」
池田「そこには旧時代のエンターテイメントもデータとして格納されてる」
池田「そいつを引っ張りだして生徒みんなで仲良く鑑賞オナニーってとこだろうな」
168
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 02:11:54 ID:UDBBrpJg
池田「各自役を決めて音声を直付けして臨場感アップってところか」
池田「……やれやれ、高校はやることがハンパないねぇ」
阿部「……池田さん詳しいですね」
池田「データ収集は俺の趣味だからな。……あいつらと一緒にするなよ」
阿部「は、はい……」
池田「…………」
明らかに距離が取られている訳だが。
……説明するんじゃなかった。
阿部「あ、ここですかね?」
池田「……みたいだな」
黄ばんだ紙にほとんど消えかけている『図書室』の文字が確認できる。
監視カメラの台数も少ない。高校の施設の中では重要度が低いようだ。
池田「……ま、こっちにとっちゃ好都合だが」
池田「んしょっと」
ガラララッ
169
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 09:15:28 ID:3WJS6JBk
とんでもねー学校www
さて、図書館からは何か得られるかな?
170
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 19:49:17 ID:UDBBrpJg
――――
池田「……図書室、ねぇ」
天井まで届く高さの本棚という本棚はすべて空っぽだった。
略奪されたのか。あるいは冬の暖を取る為に燃やされたのか。
どちらにせよ、書籍と思わしき物体は一つも無い。
見つけられたのは薄っすらと積もった埃と鼠の糞のみ。
池田「……お、あったあった」
加えて埃をかぶったPC。
池田「……故障……中……?」
訂正。『故障中』の紙が貼られたPC。
池田「簡単な故障なら何とか……って……」
故障云々の問題以前にキーボードがない。
マウスもない。つまりインターフェースがない。
どこで調達するか頭を悩ましていると、阿部さんが俺の肩の上からにょっきりと顔を出した。
阿部「あ、PCあったんですね。早く起動しましょうよ」
171
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 20:06:10 ID:UDBBrpJg
池田「……見ての通り、肝心なモノが足りないから動かしようがない」
阿部「肝心なモノ?」
池田「キーボードやマウス」
阿部「何ですかそれ?」
池田「……そうか。えっとな、PCを動かすのに必要なもんで――」
阿部「とりあえず起動〜♪なにはさておき起動〜♪」
池田「……は?」
阿部さんは謎の歌を呟きながら、両手で机を撫で始めた。
積もった埃が阿部さんの手にまとわりつき、あっという間に真っ黒になる。
池田「…………」
阿部「〜♪」
――恐らく阿部さんはPCに対する正しい記憶を失ってしまったのだろう。
笑顔で埃をワイプしている姿を見て、俺は目頭を軽く押さえる。
……やめさせよう。そしてさっさとキーボードを調達してこよう。
そう思って阿部さんの肩に手を置いた――その刹那。
172
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 20:17:37 ID:9prHe42A
な、何が……ゴクリ
173
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 22:34:29 ID:UDBBrpJg
机に大きく光の亀裂が走った。
池田「……え?」
短い間隔で明滅を繰り返しながら、濃緑色の光が四方八方縦横無尽に広がっていく。
机の端まで達すると、その光は何もない宙空にすら軌跡を描き始めた。
PCのディスプレイは以前沈黙したままで、空間に溢れる光の背景と化している。
阿部さんは笑顔で頷くと、宙空の光をタイミング良くタップして再び歌い始めた。
阿部「認証〜認証〜♪マスター権限は何じゃろな〜♪」
よく見れば彼女の左右の両手はピアノを弾くようにせわしなく動いている。
それがタイピングに見えなかったのは、己のタイプスピードの遅さ故か。
空間に表示された見慣れたアルファベットを確認して、ようやくコレがPCだと思い至った。
阿部「上手にできましたー♪」
ッターン!
阿部さんが天高く上げた右手を振り下ろすと同時に、
<< システム キドウ >>
無機質な電子音声が図書室に響き渡った。
174
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 22:47:07 ID:6s1c9FMg
何だこれカッケー
しかし何故図書室にこんなものが
175
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 23:08:00 ID:UDBBrpJg
>>173
修正
左右の両手→左右の腕
流石に4本腕はない
あと
>>6
,10,11
みたいな安価は削ってます
悪しからず
176
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/25(木) 23:52:05 ID:UDBBrpJg
池田「……スゲェ」
阿部「何がですか?」
池田「何がって……コレ!コレ全部だよ!」
阿部「?」
池田「こんなスゲェ機械があったのも驚いたがよ……」
阿部「すごい機械?」
池田「何よりお前がスゲェ!」
阿部「わ、私すごいんですか?」
池田「科学者じゃなくてプログラマーだったんだな!」
阿部「さぁ……?」
池田「さ、さぁって思い出したからコイツを動かせたんじゃ――」
阿部「こんなの誰でもできるじゃないですか」
池田「誰でもできるって……」
阿部「世代がかなり前の型とOSなので色々使い勝手は悪そうですけど」
池田「かなり前って……コイツが!?」
177
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/26(金) 02:54:04 ID:2FAl/YYk
阿部「……ま、まぁ褒められるのは悪い気しないですね///」
池田「……お前」
阿部「はい?」
池田「本当に……どこから来たんだ?」
阿部「……思い出せません。それは、まだ……」
池田「……焦っても仕方ない、か」
阿部「…………」
池田「やる事やってさっさと退散しよう、な?」
阿部「……はい。何から調べましょうか」
池田「ミトコンドリアとエントロピー、だったか。それに関するデータと……一応書籍も」
阿部「はい」スッ
<< キョカ シマス >>
阿部「……そこら辺は自由に閲覧できるみたいです」
池田「よし。何か気になった言葉があったら、それもどんどん調べろよ」
池田「芋づる式に記憶も出てくるかもしれないしな」
178
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/26(金) 03:27:14 ID:2FAl/YYk
――――
阿部「共生起源、分子進化の中立、利己的遺伝子……ミトコンドリア・イヴ?」
池田「…………」カキカキ
阿部「閉鎖系のエントロピーの増大、粗視化によって時間反転対称性を失う、エントロピー一方的な増加法則」
池田「…………」カキカキ
阿部「量子デコヒーレンス的解釈、ユニタリ作用素――ユニタリ的時間発展の特徴、エントロピーは変化しない」
池田「……なぁ」
阿部「無限部分集合が必ずどこかに集積してしまう……あ、はい?何でしょう?」
池田「本当はお前、記憶全部戻ってるんだろ?」
阿部「それはまったく」フルフル
池田「……そうか」
阿部「記憶を失う前の私が、この分野に非常に強い興味を抱いていたのは確かのようですが」
池田「あ?ひょっとして今まで読みあげたもの全部理解して――」
阿部「あぁプレコンパクトでしたね!でもこれはそんなにピンと来ないから違うかぁ」
池田「はぁ……」カキカキ
179
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/26(金) 09:07:22 ID:L60Jnu8g
どんだけ天才なのー
と、一応突っ込んでおく
180
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/27(土) 04:21:42 ID:sUDQCpU.
――――
阿部「池田さん池田さん」
池田「んぁ?」
阿部「私、大体自分が気になってた事を把握できました」
池田「来たかいあったな」
阿部「そして池田さんの言ってた芋づるも発見しました」
池田「何か思い出したのか!」
阿部「はい。これです」
ブォン
池田「……これは……地図?」
阿部「拡大します。……この場所です」
池田「俺の勤め先の、隣か?」
阿部「はい。ここを見た瞬間ビリッと来ました」
池田「確かシェルターだったような気がするが」
阿部「記憶を失う前の私は、何らかの理由でここを目指していた……そんな気がするんです」
181
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/27(土) 04:31:09 ID:sUDQCpU.
池田「決定的な何かがありそうだな……。しかし参ったぞ」
阿部「地理的な問題でも?」
池田「通称『開かずの間』って言われててな。壁が硬すぎて表面すら削れないんだ」
阿部「そんなに頑丈なんですか……」
池田「シェルターだろ?食料があるのは間違いないから挑戦者はたくさんいたんだが……」
阿部「成功者0、ですか?」
池田「ああ。今じゃ挑戦する奴は物笑いの種ってとこだ」
阿部「……そう、ですか……」
池田「気を落とすなよ」
阿部「え?」
池田「俺はやらねぇとも、できねぇとも言ってねぇ」
池田「何か方法はあるはずさ。TDNんとこに戻ったら策を考えよう」
阿部「……はい!」
―ガタタッ
阿部・池田「!!」
182
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/27(土) 04:44:40 ID:sUDQCpU.
――――
「っしょっと」ガララッ
「相変わらず建て付けが悪いでぶひねぇ」
「拙者のか細い筋肉には荷が重すぎますぞ」
「言えてるぶひ。そもそも幅が狭くてウェスト通らないぶひ」
「学長がバリアフリーを理解してるか怪しいところでござるな」
「さてさて今日もアニメ鑑賞会を始めめるでぶひー」
「フフフ、今日は拙者とっておきのアニメの最終回を用意したので負ける気がしないでござる」
「……しかし授業も出てないのにアニメとは、我々相当のワルでぶひねぇ」
「クククッ、拙者は授業が終わったら部活に行くのでワルではござらん」
「授業終わったらって授業出てないのにぶひかぁ?それ結局やる気ないぶひ!」
「流石よく見破りましたな。その通りやる気など最初からないのでござるよ」
「…………」
「ぶひひひひひっ!」
「クックックックッ!」
池田・阿部(…………)
183
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/27(土) 04:54:40 ID:sUDQCpU.
カツーン…カツーン…
「! まずいでぶひ!」
「巡回のスケジュールが変わっていたとは!これはまずいでござる!」
「急いで片付けて脱出するでぶひ!」
ガタンッ バッタン ガララッ タッタッタッタッ…
池田「……行ったか。阿部さん出てきていいぞ」
阿部「……はい///」
池田「スケジュールが変わったとか言ってたな。帰りは気をつけ……ってどうした阿部さん?」
阿部「いえ、あの、隠れている時に、ずっと池田さんの肘が胸にめり込んでたので、その……///」
池田「わっ、悪い!き、気付かなかった!いや気づく程のボリュームはあったけど!違う!ごめん!」
阿部「い、いえいえ、私そんなに気にしてませんし……あと、阿部さんだったらいいかな、って……」ゴニョゴニョ
池田「しまった俺の株をまた不必要に下げちまっ……え?なんだって?阿部さん」
阿部「だっ、だからっ!阿部さんだったら!ぃぃヵなって私……」
池田「え?何?罵倒されてるであろう肝心な部分が聞こえないんだけど」
阿部「だから……もういいです!///」フンッ
184
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/27(土) 05:07:38 ID:sUDQCpU.
池田「また怒らせてしまった……」
阿部「…………」プンプン!
池田「……えーと、あ、そうだ!さっきの学生がアニメとか言ってたし」
池田「趣味のアニメ鑑賞とかできたら嬉しいなぁ、なんて」チラッ
阿部「……」ピクッ
池田「あー、でもおれのぎじゅつりょくでは、とてもじゃないがみつけられないなー」
池田「こまったなー、こういうときとくいなひとがいれば、たすかるのになー?」チラチラッ
阿部「……しょ、しょうがないですねぇ池田さんはぁ、私がやらないと何も出来ないんですからぁ」
池田「それじゃ阿部さん、アニメ作品の閲覧をお願いしたいんですけど……どうでしょう?」
阿部「いいですよ!私に任してください!」
タカタカタカ ッターン! タカタカタカ ッターン!
<<コノ ライブラリー ヲ エツラン スルコトハデキ…>>
タカタカタカ ッターン! タカタカタカ ッターン!
<<コノ ライブラリー ヲ エツラン…>>
タカタカタカ ッターン! タカタカタカ ッターン!
<<コノ ライブラリー…>>
ッターン!
<<コノ ライブラリー ハ スベテ エツラン ガ カノウデス>>
185
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/27(土) 06:58:35 ID:QP2ENe/6
殆ど見れないwww
186
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/27(土) 13:44:32 ID:GGHKis96
いま安価どこまでいった?
187
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/28(日) 04:47:56 ID:IOlsISFk
安価とはっきり分かるものが86個。内、ここまでに使用した安価は34個。
安価は絶対。頑張る。
188
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/28(日) 14:29:35 ID:/w7C2eG.
ありがたやありがたや。
189
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/30(火) 23:56:47 ID:zn04UHZg
阿部「ここのライブラリーは生きてますね」
池田「ってことは……」
阿部「と言ってもファイルが破損してて一部分しか見れませんが」
池田「見れるだけ御の字だ!ど、どんなアニメがあるんだ!?」
阿部「これがリストです。ア行は、駄目ですね。ほぼ壊滅状態です」
池田「じゃぁ次だ。カ行はどうだ?」
阿部「見れるファイル……ありました!クレヨン……しんちゃん?」
池田「クレヨンしんちゃんッ!?」
阿部「知っている作品なんですか?」
池田「マンガはな。アニメをまさかお目にかかれるとは……」
阿部「ファイル名は、『クレヨンしんちゃん・電撃!ブタのヒヅメ大作戦』とあります」
池田「なんてこった!そいつは劇場版だ!クレしんは劇場版が最高にクールだったって話を聞いたことがある!」
阿部「……後半部分から再生になってしまいますけど、いいんですか?」
池田「見れるだけマシだ!早よ!早よ!」
阿部「分かりました。ポチッとな」
190
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/30(火) 23:59:03 ID:zn04UHZg
ザーッ
フォン
池田「ぶりぶりざえもん!」
阿部「このブタさんの名前ですか?」
池田「ああ!救いのヒーローでクズなブタなんだよ!最高だろ?」
――――
ぶりぶりざえもん「…………」
ぶりぶりざえもん「……ソル、ワダシヴァ、クョルヴドシヴァイシャ。セカイジュルドディンゲンドボガワダシドバエディビィリヴズ……」
しんのすけ「ディガルヨ、ムディムディザエボン。オバエヴァオラドドゥボダディディ、『ズグイ』ドビィードーナンダヨ」
マウス「ダバッデドガクッ!」
ぶりぶりざえもん「『ズグイ』ドビィードー……」
ぶりぶりざえもん「……ソドヴァナシ、ボルズコシクカセデグリ」
――――
池田「」
阿部「?」
191
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/01(水) 00:02:15 ID:UOWg.tH2
ブッファハハハハハハハwwwwwこれはガックリ感異常だろうなwww
192
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/01(水) 00:14:37 ID:IMksVugE
オンドゥル語ワロタwww
193
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/01(水) 00:21:58 ID:B.KnHTuo
――――
ぶりぶりざえもん「ソルカ…コリカラヴァ、ビィドゥダズケヲシヨルドゥオボッダドディ…ボル、ダベラシイ」
ぶりぶりざえもん「オデノカラダハボドボドダ!」
博士「……イダヴィヴァア゙ドゥカ?」
ぶりぶりざえもん「イャ、ダイジョルムダ」
博士「……ソルカ……ズバナイ」
ぶりぶりざえもん「イイッデコドゥヨ、コリボビィドゥダズケダ」
ぶりぶりざえもん「…………」
ぶりぶりざえもん「……バダ……コンナナガベ、ヴィラリドゥカナ?」
博士「ボディドンジャヨ!……オバエヴァ、ココバディ、ジムンドア゙シディドボッデコリダジャナイカ!」
ぶりぶりざえもん「……シンドズケ」
ぶりぶりざえもん「……ボンドゥルヴァ、ワダシドディンディンドボルガオオクカッダヨナ?」
しんのすけ「…………」フルフル
ぶりぶりざえもん「バカ!……コルイルドゥクヴァ、ルソディボ『ルン』ッデイルボンダ!」
ぶりぶりざえもん「……ジャア゙ナ……!」スーッ…
194
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/01(水) 00:30:02 ID:IMksVugE
誰かオンドゥル語の翻訳をしてくれ
195
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/01(水) 01:30:52 ID:B.KnHTuo
プツッ ザーッ…
阿部「あ、映像ここまでですね」
池田「」
阿部「どこの国の言葉なんでしょうかね。独特な発音が――」
池田「ウゾダドンドコドーン!」ズシャァッ
阿部「わあっ!?」
池田「そんな……あんまりだよ、こんなのってないよ……」
阿部「い、池田さん?」
池田「他の!他のアニメを出すんだ!」
阿部「は、はい!」
――――
リュウセイ「オレァイディヴンイディビョル、ソシデコドシュンカンディボセイディョルシデイドゥ!」
リュウセイ「ダカラコソイエドゥッ!イバドオレァクドルドオリヨディ、ボッドゥボッドゥボッドゥ!ヅヨイ!!」
――――
池田「これもかよ!次だ次ィッ!」
196
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/01(水) 01:41:27 ID:B.KnHTuo
――――
♪イーザズーズーベーャークッディーン
♪ベッザズーヴァージャーガーイボー
――――
池田「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」バンバンッ
池田「OPテーマまで侵食されてるのかよッ!」
阿部「ど、どれも同じ言語みたいですね」
池田「違うんだ……きっとこれは……カ行が死んでるだけで、他は、他はもっと……」ブツブツ
阿部「じゃぁ隣のサ行フォルダを――」
池田「駄目だ。隣もこうなってる可能性がある。一気に……そうだなマ行あたりまで飛んでくれ」
阿部「マ行ですね。ここもデータがほとんど死んで……あ!」
池田「どうだ?見れそうなのあるか?」
阿部「ギリギリいけそうなのが……ええっとも、もの、のけ、ホ、モ……?」
池田「……もののけ姫じゃないのか?」
阿部「ああっ!もののけ姫です!文字化けがひどくて。こちらもご存知なんですか?」
197
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/01(水) 01:58:46 ID:B.KnHTuo
池田「ジブリっていう伝説のアニメスタジオが制作した作品だ」
阿部「伝説のアニメスタジオ……」
池田「何でもアニメ映画を世に出す度に、目が赤くなったり青くなったり、閃光で失明したりしたらしい」
阿部「うわぁ、流石伝説。凄まじいの一言ですね。でも何故目なんでしょうか……」
池田「もののけ姫はスタジオジブリとしては10作目に当たる作品だ」
池田「賛否両論あるが、共生をテーマとして扱ったアニメ映画としては非常に出来がいいそうだ」
阿部「……池田さん、詳しいですね」
池田「……見れないとなると、予備知識ばかりが膨らむもんなんだ」
阿部「じゃぁ、再生しますよ」
池田「頼む。お願いだからまともな声を……」
フォン
阿部「わ!すっごい綺麗です!後ろのって『森』ですか!?」
池田「美しい……」
阿部「大きいワンちゃんがいますよ!すっごいモフモフしてます!」
池田「……この妙なフードをかぶった男がアシタカで、あの少女がサンか」
198
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/01(水) 02:37:29 ID:B.KnHTuo
阿部「ああっ!?でもワンちゃんケガしてます!血が出てます!」
池田「アシタカがサンに気付かれた!」
池田「――ッ」
池田「…………」チラッ
――――
バッ
アシタカ「ワガナヴァア゙シダカ。ビィガシドヴァデヨディコドディベクダ」
アシタカ「ソナダダディヴァシシガヴィドボディディズヴドゥクグヴドゥイカヴィカッ!」
サン「…………」
サン「……ザァリ」
――――
プツッ ザーッ…
阿部「あー、終わっちゃいましたねぇ」
池田「…………」
199
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/01(水) 04:14:45 ID:B.KnHTuo
阿部「でも私は今のアニメが一番良かったですよ」
阿部「あのカブトムシみたいなのを激しく前後させるアニメより、こっちが好きです」
阿部「モフモフの白くて大きいワンちゃんもいますし……って池田さん?」
池田「違うんだよ……声が……一体どうして……」
阿部「違うって言語がですよね?」
池田「……ありゃぁ全部日本語なんだよ」
阿部「えっ!?あのボドボドとか言ってるアレがですか!?」
池田「……特撮モノの一つに仮面ライダー剣ってのがあってな」
池田「俳優の滑舌の悪さが一時期ニュースにも取り上げられる程、ひどかったんだ」
池田「『本当に裏切ったんですか!』ってセリフが『オンドゥルルラギッタンディスカー!!』こう聞こえるところから――」
池田「通称、オンドゥル語」
阿部「オンドゥル……」
阿部「! ってことはさっきのアニメでも池田さん聞き取れてたんですか!?」
池田「……大体な。アニメは見れなくても、特撮は腐る程見れたからな」
池田「特に剣が好きだったから……オンドゥル語は誤解を恐れずに言うなら、俺はマスターの域にまで達していると思う」
200
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/01(水) 07:22:42 ID:HzpFBVl6
池田も大概パないなw
ってか何だよこの壮大なMAD動画はww絶対バグじゃねぇだろこれwww
201
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/01(水) 23:24:42 ID:SO6xDCgw
きっとオンドゥルボイスパッチとかそんなソフトが作られてたんだろうぜw
202
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/02(木) 18:04:05 ID:/.TY/pnM
とりあえず、あんな大変面倒臭い言語で書ききってくれた事に激しく感謝!
203
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 00:32:48 ID:XeNA2xqo
ペポン!
池田「ん?何だ?」
阿部「エラーですね。とりあえず閉じ――」
ペポン! ペポン!
ペポポポポポポポポポポポポ――
池田「お、おい……何か、様子が」
フッ
言いかける内に突然照明が真っ暗になった。
ディスプレイの光源が俺と阿部さんの二人を青白く照らす。
PCの電源は落ちてない。元気にエラー音をまだ響かせている。
……ということはブレーカーの類のトラブルじゃないらしい。
阿部「あの、池田さん……」
池田「ああ、嫌な予感がするな」
壁の警告灯が室内を赤く照らし始めた。
冷たい汗が背中を伝う。
204
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 00:52:38 ID:XeNA2xqo
まさか、そんな。
タイミングが悪かっただけで、俺たちはこの消灯と無関係かもしれない。
ただアニメを見ていただけだからきっと大丈夫なはず。
……そんな甘い考えは電子音声で砕け散った。
<< 不明ナユニットガ接続サレマシタ >>
<< システムニ深刻ナ障害ガ発生シテイマス >>
<< 直チニ使用ヲ停止シテクダサイ >>
池田「あ、阿部さん……?」
カタカタッ
阿部「! 私たちが鑑賞していたアニメのライブラリーから無数にファイルが拡散されてます!原因はここです!」
池田「嘘だろ!?俺たちただアニメを見てただけで……」
池田「…………」
阿部「池田さん?」
池田「阿部さん、ライブラリーにさ、ロックとかそういうの、かかってなかった?」
阿部「パスワードとかのセキュリティってことですよね?かかってましたよ」
205
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 01:07:50 ID:XeNA2xqo
池田「……それを」
阿部「あんなの赤子の手を捻るようなもんですよ!やたら厳重でしたが私の敵ではありません!」
池田「だよなぁ……じゃなきゃ見れないもんなぁ……やっちまったなぁ……」
<< 第一カラ第二マデノ障壁ノ汚染、破壊ヲ確認 >>
<< 再生プロトコルニ従イ、再起動.......失敗 >>
<< 増殖パターンカラ 第一種警戒レベル『オンドゥルウィルス』ト判明 >>
<< 感染シタスベテノファイルデータヲ オンドゥル暗号化スル悪質ナウィルス >>
池田「本当に悪質だな!」
<< ウィルス対策アップデート通信開始.......失敗 >>
<< 企業ハオフラインノ模様 >>
池田「企業なんか300年も前に潰れてるに決まってるだろ!」
<< 高等学校スベテノPC及ビサーバーヲ スタンドアローン化ニ移行 >>
<< 完了 感染拡大ヲ回避 コレヨリリリリ...... >>
阿部「リリリ?」
ピポンッ
<< (0w0) >>
206
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 01:18:05 ID:NVuaWajY
ウエッ!?
207
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 01:24:42 ID:XeNA2xqo
池田「…………」
阿部「…………」
<< (0w0) >>
<< (#0w0)ウェェェェェェェェェェェェェェェイ!! >>
半ばヤケクソな電子音声が吠えると、次々と窓にシャッターが降り始めた。
対爆用の分厚い奴だ。まったくもって今使う必要はどこにもない。
オンドゥルウィルスにメインサーバーがやられ、暴走してしまったのだろう。
悠長に思慮していたら今度は扉付近のシャッターも降り始めた。
火災用だ。あれが閉じてしまうと図書室に閉じ込められてしまう。
池田「阿部さん、逃げるぞ」
阿部「りょ、了解です……」
自由帳を懐に入れて廊下を全速力で走りだす。
各教室でも軽くパニックに陥っているようで、教師が事態の収拾に当たっている。
玄関を目指していると聞き覚えのある声が階段の上から聞こえてきた。
「ありえないでぶひぃぃぃ!!」
208
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 01:33:59 ID:XeNA2xqo
「ボキの黒子たんはこんな事言わないぶひぃ!」
――――
黒子「ジャッジベンドゥディスド!」
――――
「ジャッジメントですの!って言ってくれないでぶひぃ!」
「ボキが特別に編集した電撃で気持よくなるシーン集も全滅してるぶひぃ!」
池田「あー……ラップトップ型だろうがなんだろうが接触すりゃアウトか」
阿部「一つ増えるごとに自分の一部分を変更しながら増殖するので……」
池田「ワクチンが間に合わないのか。……道理で厳重にロックされてた訳だよ……」
池田「あ!ゼウス先生!」
ゼウス「あぁ!ご無事でしたか!監視カメラも突然死んでしまってまったく校内の状況を把握できず――」
池田「私さっき隔壁に挟まれそうになって死にかけたんですよ!」
ゼウス「も、申し訳ございません!恐らくこの高校を妬む他の教育機関がサイバーテロを仕掛けてきたので――」
池田「説明はいい!とにかくこんな恐ろしいところにいられないんだ!帰らせてもらいます!」
209
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 01:40:18 ID:XeNA2xqo
ゼウス「申し訳ありません!本校の不徳の致すところでして――」
池田「あそこに書いてある校訓は嘘なんですか!」
ゼウス「こ、校訓ですか?ええっと――」
池田「あなたの真後ろです!」
ゼウス「失礼しました!」クルッ
池田「…………」
サッ シュッ
池田「『安全』を大切に、とありますがね」
ゼウス「申し訳ございません!!」
池田「もういいです。ではさようなら、行きましょう阿部さん」
阿部「…………」コクリ
――――
池田「ここまで来りゃ見えないか。やれやれ、怒るふりをするのも疲れるねぇ」コキコキ
阿部「ど、どうしましょう……」
池田「どうもこうもないよ。解き放っちまったもんはしょうがないだろ……」
210
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 01:48:37 ID:4zEs502.
なんつー迷惑な存在なのだ!
211
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 19:11:09 ID:XeNA2xqo
阿部「折角高校に入れたのに、ごめんなさい……」
池田「阿部さんが謝る必要はないだろ。むしろ原因は俺だ」
阿部「池田さんは純粋にアニメを見たかっただけじゃないですか」
池田「今日の目的はアニメ鑑賞じゃない。あくまで阿部さんの記憶を回復する為の情報収集だろ?」
池田「だったら余計な事言った俺が悪い。気にするな」ポフッ
阿部「あっ……///」
池田「っとすまん!何だか無意識に手がだな……!」
阿部「……いえ、なんだか胸がポカポカしますから……続けてください」
池田「そ、そうか。じゃぁ……」ナデナデ
阿部「えへへ///」
池田「お、終わり!さぁ帰ろうぜ!」サッ
阿部「もう終わりですか!?もっと撫でてください!」ムーッ
――――
TDN「あらァ、お帰り。デート楽しかった?」
池田「デートじゃない!校内見学だ!」
212
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 19:18:14 ID:Wb5taUjg
こんな形でオンドゥルが出て来るとはwww
213
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 19:19:56 ID:XeNA2xqo
TDN「恥ずかしがる池田ちゃんステキだわァ。下半身にグッとクるものがあるわネェ」
池田「っせぇ!」
TDN「あ、そうそう二人共聞いてよォ」
池田「嫌だね」
阿部「何でしょう?」
TDN「あたしのPCさっきから突然オカシクなっちゃってさァ」
池田「…………」
阿部「…………」
TDN「設定も何もしてないのにOSの言語変わっちゃったみたいでねェ」
池田「そ、そうか。そりゃ大変だな」
阿部「それってもしかしてオンドむーっ!」モゴモゴ
TDN「あら嫌だ。いきなりソフトSM羞恥プレイとか池田ちゃんコアね」
池田「ちっ、ちがわい!」
TDN「初体験は思い出に残る方が後々いいわよ。まぁあたしはどっちでもいいけど」
TDN「ほらコレよコレ。まったくもって意味不明でしょォ?」
214
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 19:31:47 ID:XeNA2xqo
<< (#0w0)オレハイマ!ウシロニハラガタッテイル! >>
<< (#0M0)オレノジャマヲスルナラカタイップロポッポデロ!! >>
<< (0H0)…フロート >>
<< (;0w0)!? ダリナンダアンダイッタイ!?>>
池田「……い、意味不明だな……ふ、くっ」ブフッ
阿部「あ、あのー……」
TDN「何かしら阿部ちゃん」
阿部「私、これ何とかしてみましょうか?」
TDN「あらァ、阿部ちゃんそんなことできるの?」
池田「……高校へ行った一番の成果がそれなんだドク」
池田「俺が動かし方すら分からないPCをあっさり起動させた上――」
池田「認証やパスワードをあっさり突破するスキルを、阿部さんは持っている」
TDN「それでいてなおかつ科学に関する知識が豊富、ねェ」
池田「阿部さんはここらのスラムみたいなエリアの出身じゃない」
池田「それだけの教養とスキルが身に付けられる場所で育ったはずだ」
215
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 23:13:49 ID:XeNA2xqo
TDN「なるほどねェ。でもそんな場所聞いたことないわよ?」
池田「そのヒントがあるとするなら……ここだ」スッ
TDN「……シェルター?」
阿部「はい。その地図の詳細を覚えているんです。何故か分からないんですけど――」
阿部「私は、そこに行かなきゃって強く感じるんです」
TDN「開かずのシェルターに女の子の阿部ちゃん。……謎は深まるばかりねェホント」
TDN「……そうだ!阿部ちゃん!お外出かけてきて埃っぽいでしょう?」
阿部「あ、はい。走ったりもしたんで、汗も多少」
TDN「ボイラー点けて来て頂戴。それでお風呂にも入っちゃいなさいな」
阿部「分かりました。ありがとうございます」
タッ
池田「……で?」
TDN「個人まではまだ特定できてないけど……阿部ちゃんを襲った犯人、ある程度目星はついたわ」
TDN「あなたが憩いの場にしている公園の近くで、立て続けに強姦事件が起きていたみたいなの」
池田「……そうか」
216
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/03(金) 23:21:12 ID:XeNA2xqo
TDN「被害者の1人から犯人の特徴を聞くことができたわ」
TDN「身長は約170。中肉中背。体臭はきつめで、黒いパーカーに黒のジャージ」
池田「顔はどうなんだ?」
TDN「……黒のニット製の目出し帽」
池田「……それじゃ話にならないな」
TDN「いえ、次が決定的よ」
TDN「――右手の甲に『C』の焼印」
池田「!」
TDN「間違いなく教団のうちの誰か、ってことね」
池田「……確かにそれならかなり犯人を絞れるな」
TDN「まだ人を使って調査を継続させてるから……じきに分かるはずよ。ただ……」
池田「ただ、なんだ?」
TDN「もし教団だとして池田ちゃん、どうするつもりなの?」
池田「…………」
TDN「ナチュラルに狂ってる連中よ。手を出したら最悪――いえ確実に報復されるわ」
217
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 00:06:01 ID:Z0oVWbvs
池田「要はやったのが俺だってバレなきゃいいんだろ?」
TDN「……池田ちゃん相手を甘く見るのは――」
池田「許せないんだ」
TDN「え?」
池田「許せないんだよ、俺は」
TDN「…………」
池田「最初はな、食料を得るのに丁度いい口実だと思ってたさ」
池田「リスクも高くないし、大義名分もある」
池田「だけどな、今はリスクだとか……そんなのはどうでもいいんだ」
池田「阿部さんを襲った奴が平気なツラして歩いてるのが、ただ許せない」
TDN「池田ちゃん……」
池田「なんだろうな。らしくない……ってのは分かってるんだけどよ」ポリ
TDN「それはね、『恋』ってヤツよ池田ちゃん」
池田「こ、恋?」
TDN「池田ちゃんが阿部ちゃんに惚れてるってこと。愛する人を傷つけられたことが許せないのねェ」
218
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 00:11:14 ID:Z0oVWbvs
池田「惚れてるってのはつまり、俺が阿部さんを――」
阿部「呼びましたか?」
池田「どわぁっ!?」
阿部「?」
池田「な、何でもない!それより明日、明日の話だ」
阿部「明日ですか?」
池田「明日シェルターに行こう。仕事は早退けして迎えに来る」
阿部「昼間外に出ていいんですか!」
池田「だから目立つ格好はするなよ。ただでさえ阿部さんは人目を引くんだからな」
阿部「私、そんなに変ですかね……」
池田「変じゃなくて美人だから危ないって……あ」
阿部「///」
池田「と、とにかく地味な格好しろ!分かったか!」
阿部「……はい///」
池田「……えーと、俺は帰るッ!」
TDN「いいわネェ……若いって。ごちそうさまヨ」
219
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 01:20:02 ID:Z0oVWbvs
――――
ガドドドドドドッ
池田「…………」ソワソワ
ガドドドドドドッ
池田「…………」チラッ
池田「!」
ガコン プシュー…
「お、どうした池田。昼飯にはまだ早ぇぞ」
池田「悪いな。今日は早退けなんだ」
「あぁ!?……皆勤賞貰えそうなのになんて勿体ねぇ」
池田「そんなもんより重要なことがあるんだよ」
「ははーん……腕時計もつけてるし、朝からそわそわしてたし、さてはお前――」
池田「なっ、なんだよ」
「男ができたな?お前もようやく変態卒業って訳だ」ニヤリ
池田「……じゃぁな」
220
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 02:08:55 ID:Z0oVWbvs
――――
池田「遅れて悪い!」
阿部「…………」プクーッ
池田「思ったより長引いてさ、出来るだけ早く帰ってきたんだけど……」
阿部「……おこです」
池田「……はい?」
阿部「激おこぷんぷん丸です!」
池田「激お……何?」
阿部「激オコスティックファイナリアリティぷんぷんドリームです!」ゴゴゴゴゴ
池田「お、おう……」
阿部「おうじゃないです!2時間も待ってたんですよ!」
池田「お、怒ってるって意味なの……か?」
阿部「怒ってますよ!だから怒るの最上級、激オコスティックファイナリアリティぷんぷんドリームなんです!」
池田「……おい、ドク」
TDN「阿部さんが20世紀の文化に興味があるって言ってたから、試しにギャル語を教えたのヨ♪」
221
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 02:21:04 ID:Z0oVWbvs
阿部「1時間だったらカム着火インフェルノォォォオオオウ!で済みましたけど、連絡もなく2時間ですよ!」プンプン
池田「すまん、その、仕事を終えた後、コレを探してたら時間かかっちまってな……」スッ
阿部「……これは……」
池田「髪留めだ。女モノは骨董屋ぐらいにしかなくてな。駆けずり回ってたらこんな時間に……」
阿部「……綺麗です」
池田「髪長いのが時折鬱陶しそうだったから、なんだ……後ろで髪をくくるのに丁度いいと、思ってな」
阿部「…………」
池田「その、どうだ?」
阿部「嬉しい、です///」
池田「そ、そうか。なら……良かった」ポリポリ
阿部「……だから、『おこ』だけにしときます」
池田「ええっと……なんとかそれもまけて貰えないかな?」
阿部「……ナデナデ」
池田「へ?」
阿部「ナデナデしてくれたら、それもなしにします///」モジモジ
222
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 02:28:03 ID:Z0oVWbvs
池田「こ、こうか……?」ナデリ
阿部「あぅ……」
ナデナデ
池田「んーと、もういいか?」ナデナデ
阿部「ダメです。もうちょっとお願いします……」ホニャァ
池田「……おう」ナデナデ
――――
阿部「んふー!満足しました!」テカテカ
池田「…………///」
阿部「出かける前に髪留めつけてきますから、ちょっと待っててくださいね」
池田「……ああ」
阿部「ふーんふふーん♪」タッ
TDN「…………」
池田「……なんだよ」
TDN「阿部ちゃんがうちに来てから新しい発見ばかりだわァ」
223
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 02:47:45 ID:Z0oVWbvs
池田「なっ、別にいいだろうが俺が何したって――」
TDN「あたし、池田ちゃん『の』とは一言も言ってないんだけどォ」クネリ
池田「ックソっ!勝手にしろ畜生!」
阿部「おまたせしましたー♪」
池田「早く行くぞ。このクソ医者が――」
池田「…………」
阿部「? どうかしましたか池田さん?」
阿部さんの髪は元々美しかった。
闇を溶かしたかのような黒髪は陽光を受けて妖しく煌めき、弱々しい月明かりですら輪郭をその艶で浮かび上がらせる。
阿部さんが振り返れば、ドレスのように毛先が綺麗に翻り、跳ねる。
跳ねた髪は乱れることなく元の位置にゆるりと収まる。まるで動いた事実などなかったかのように。
それだけで美しかった。何かを加える必要も、何かを足す必要もないと俺は思って『いた』。
今の彼女の髪の『美』の方向性は以前とはまったく違う。
髪留めで後頭部の髪を高く結い上げ、角度を高めに集め、先端は重力に任せて垂らす。
ポニーテール。さながら馬の尾のように見えることから名付けられた髪型の名前。
224
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 03:06:57 ID:Z0oVWbvs
だがこれを『馬の尾』と呼んで良いものか、俺は真面目に思案していた。
それ程までに彼女のポニーテールは美しく、神がかっていたのだ。
清楚で天然なイメージがある彼女に活発そうな健康さが加味され、雰囲気が明るくまとまっている。
かつ、うなじが露出することによって首から肩、あるいは首から鎖骨のラインが露わになり、以前より更に色気が増した。
髪を結わえる場所が高くなった為に、阿部さんの僅かな動きで反応する『尾』も愛らしい。
俺は二つの事を強烈に思い知らされていた。
一つは、このあざとい髪型をした阿部さんが本当に美人であること。
もう一つは、俺にポニーテール属性があったということだ。……それも重度の。
阿部「えへへ。どうですこの髪型?」クルリ
池田「…………」
阿部「私の髪の長さなら丁度いいし、これなら作業する時とか、走る時にも――池田さん?」
池田「へっ!?」
阿部「ちゃんと聞いてました?」プクーッ
池田「あ、あぁっ、聞いてたとも、そりゃな///」
阿部「本当ですかー?何か上の空でしたけど……」
225
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 03:17:03 ID:Z0oVWbvs
◆
池田「に、似合ってるぜ。……その、すごく」ポリポリ
阿部「そ、そうですか……なら、別にいいんですけど///」モジモジ
TDN「今日一日出かけないならそこでイチャコラしててもいいけどさァ」
TDN「あんたたち、シェルターに出かけなきゃいけないんじゃないのォ?」
池田「そ、そうだな!じゃぁ、行こうか阿部さん」
阿部「……はい」
TDN「二回目のデートなんだからもっと肩の力抜きなさいヨ」
池田「だからデートじゃねぇ!」
阿部「……おこです」ムーッ
池田「ええっ!?」
TDN「ほらほらァ、こっちは医者の仕事があるんだからさっさと出てった出てった」
阿部「はい。じゃぁいってきますTDNさん」スタスタ
TDN「はい、いってらっしゃい阿部ちゃん」
池田「なぁちょっと、待って……何で今怒って……」
TDN「池田ちゃんもファイトよォ!……ハァ、あたしもイイ人欲しくなって来ちゃったわァ……」
226
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 03:17:59 ID:Z0oVWbvs
>>225
◆削除
227
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 03:24:00 ID:Z0oVWbvs
――――
阿部「あれ?シェルターに行くならこっちの道の方が近いですよ池田さん」
池田「いや、こっちでいいんだ。お互い昼飯まだだろ?」
阿部「そういえば……」
池田「俺うまい店知ってるからさ、そこで食おう」
阿部「本当ですか!何かそういうの私、すごく嬉しいです!」
池田「……まぁ口に合うかは分からないが」
阿部「違うんです。池田さんと一緒に食べるから嬉しいんですよ」
池田「……そうか。うん、そうだよな」
阿部「ですよね?わぁー楽しみだなぁ……」ジュルリ
池田「阿部さんよだれよだれ」
――――
池田「おぅ親父、元気でやってるか?」
店主「おぅ!池田じゃねぇか!昼間にここへ来るたぁ珍しいな」
池田「まぁな。偶には俺だって休暇ぐらい取るさ」
228
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 03:33:33 ID:Z0oVWbvs
池田「いつものやつ二つ頼むわ」
店主「二つ?あぁ隣の兄ちゃんの分だな。後輩か何かかい?」
池田「……まぁそんなもんだ。お代はチロルチョコでいいか?」
店主「単なるミルクチョコだと今レート低めだが……」
池田「……塩バニラにきなこもち」スッ
店主「こいつぁ参った!それなら全然問題ないぜ池田!よぉしちょっと待ってろよ」
池田「阿部さん、こっち来て」
阿部「はい。あ、席は取っておかなくていいんでしょうか……」
池田「空いてるから問題ないさ。それより出来立てを受け取る方がずっと大事だ」
阿部「出来立て?」
店主「へいお待ち!偽551まんだよぉ!熱くて美味しいうちにどうぞ!」
池田「おぅ来た来た!阿部さん相当熱いから気をつけて持てよ」
阿部「は、はい!」
池田「相変わらずウマそうだぜ……」ホカホカ
阿部「ふわふわしてて、とってもあったかいです……」ホカホカ
229
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 03:46:34 ID:Z0oVWbvs
阿部「これ、どうやって食べればいいんですか?」
池田「両手でこう持って、一気に……かぶりつく!」ガブッ
池田「ハッハフッ!熱いから、ホッ!ひゅ、ひゅういひへふへよ!」モムモム
阿部「…………」ゴクリ
アムッ
阿部「!」
池田「……どうだ?」
阿部「お、美味しいです!ふわっとした生地の内側から熱々の肉汁とその、とにかく美味しいです!」アムアム
池田「気に入ってもらえたみたいで何よりだ……ハフッ!」
阿部「……でも」
池田「ん?」
阿部「何でこんなに美味しいのに『偽』とか名前につけるんでしょう……」
池田「ああ、それか。店内カウンターの奥見てみな」
阿部「あれは……生体用の培養槽ですか?」
池田「あそこにさ、入ってるんだよ。オリジナルの551の豚まんがな」
230
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 03:54:57 ID:Z0oVWbvs
阿部「オリジナル……豚?」
池田「元々551の豚まんは今から何百年も前に売ってたのさ」
池田「そしてここの店主が第……何代だったか忘れたが末裔なんだよ」
池田「そして跡継ぎだけが、あの豚まんを齧ることを許される」
阿部「何百年も前の食べ物をですか!?」
池田「よくわからない保存用の液体に漬けられてるから腐らない。まだあと300年くらいは余裕で保つんじゃないか?」
池田「まぁ今じゃ豚なんてどこにもいねぇし、材料の野菜だって手に入らない」
池田「ここの店主が野草や他の常備食品をうまく加工することで、この味を作ってるってことなのさ」
店主「またよぅく知ってるな池田よ!」
池田「常連だぜ?それに俺の耳がタコになる位親父が自慢してりゃぁ嫌でも覚える」
池田「ま、とにかくこの551まんは最高にウマい551の豚まんを模して作られた」
池田「だから『偽』ってついてる。本人曰く、それが日本人の慎ましさだとかなんとか」
店主「おうよ!豚も使ってねぇのに豚まんなんて言って売り出したらご先祖さまに申し訳が立たねぇ!」
池田「……だそうだ。まぁ偽だろうがなんだろうが、ウマいんだからさ。美味しい内に……ハムッ」モムモム
阿部「そうですね……ハフハフッ!」アムアム
231
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 06:38:03 ID:MjkdOpAI
う〜ん。腹が減る
232
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 17:19:46 ID:Z0oVWbvs
ザワザワ…
阿部「……あの人だかりは何でしょう?」
池田「……教団だよ。ありがたい説教を毎日毎日、広場でやってるのさ」
阿部「教団?」
ルシファーズハンマー
池田「教団『堕天使の槌』。邪神ケイオスとやらを崇める、イカれた連中だよ……」
――――
ピーピーガガガ
司教『悩める民よ!罪深き民よ!』
司教『私が改めて問うまでもなくこの世は怨嗟に満ち満ちている!』
司教『何故か!何故憎しみによる連鎖は絶えず、我々は苦しみ続けなければならないのか!』
司教『先祖が犯した過ちや罪を何故我々が背負わなければならないのか!』
司教『諸君は常々疑問に思ってきたはずだ!』
司教『しかし違う!それは大きな誤解である!』
司教『これは試練!神が我々に課した試練なのだ!』
司教『実に927年前、この地球上に原因不明の男体化の病の嵐が吹き荒れた!』
233
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 17:28:20 ID:Z0oVWbvs
司教『生殖は最早不可能とされ、病に対抗する為に人類は神の園、この外郭を作り上げたのだ!』
司教『だが男体化止めることなど出来なかった!地の底からも連絡は途絶え、人類は終焉を迎えたかに思われた!』
司教『だが見よ!我々は生きている!生殖などすることなく実に1000年近くも文化を繁栄させてきたのだ!』
司教『聡明な者は既に気付いただろう!そう、男体化は病などではない!』
司教『神はこの世に男しか必要ないと審判を下したのだ!』
司教『そして我々は試されているのだ!この男たちだけの園で楽園が築けるか否かを!』
司教『憎しみ、いがみ合う我々は大いなる一つ意思の元に集い、団結し創造する義務があるのだ!』
司教『例え誰もが許さぬ罪人であろうと、我々は赦す。そして神も必ず赦してくださる!』
司教『神を!邪神ケイオスを愛するのだ!何故なら神は罪人を愛するのだから!』
司教『罪人を!罪人を愛するのだ!何故なら罪人は諸君自身に他ならない!』
司教『聖域を!クローン施設を愛するのだ!何故なら聖域こそ我々の愛する息子たちの胎内なのだから!』
司教『おお神よ!男を除いて生まれながらに自由な存在などないと、行動で示した神よ!』
司教『負の力を!究極なる闇の力をもって我々を導く神よ!』
司教『我々は聖と邪を区別することなく施しを与えます!どうかこの者達に闇の祝福を!』
ピーピーガガガ
234
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 17:32:19 ID:Z0oVWbvs
――――
阿部「…………」
池田「で、最後に配給だ。教団に入る事と引き換えに、食料を何の対価も無しに手に入れられる」
池田「だから入団してる連中はべらぼうに多い。神なんか信じてなくたって食料手に入るしな」
池田「……だが入ったが最後泥沼だ。狭い部屋に閉じ込められて、ありがたい教典を延々と聞かされ続ける」
池田「一月もすりゃ狂信者の出来上がり。利口な連中はうまくかわせるが、そうでない奴らは終わりだ」
阿部「…………」
池田「……ここに来る時間考えりゃ良かったな。気味悪いもん聞かせて悪い」
阿部「……いえ、偽551まん美味しかったですし。それに……」
池田「ん?」
阿部「いえ、何でもないです」
池田「じゃぁ、そろそろ行くか。腹ごなしがてら丁度いいしな」
阿部「はい」
池田「前も言ったけどな、教団には気をつけろ。近づくな、そして関わるな」
阿部「……心配、してくれてるんですか?」
235
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 19:48:26 ID:Z0oVWbvs
池田「あー……親父、今日は夜まで店開いてるのか?」
阿部「あ!ちょっと池田さん!」
店主「おうよ。腰の調子もいいしな。客が引くまでは開いてると思うぜ」
阿部「はぐらかさないでくださいよ!」
池田「後でまた来る。行くぞ阿部さん」
阿部「今心配してくれてたんですよね――ってちょっと置いてかないでくださいよー!」
――――
俺が勤める現場の西側。
外殻大地に半ば埋もれる形で建っている半球状の建築物がある。
様々な国の言葉で、入り口の思われる部分に『シェルター』と刻印されているその巨大な鉄塊。
当然シェルターなのだから、俺たちにとって喉から手が出る程欲しい水と食料が詰まっている。
なのにこのシェルターは長い間放置され続けてきた。
理由は至って単純。要は硬すぎたのである。
爆発物を仕掛けても吹き飛ぶどころか焦げ一つ付かず、ドリルで削ろうとすれば先端があっという間に摩耗する。
堅牢な外殻を削れる掘削機でさえ小一時間奮闘しても傷すら付かない。
236
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 19:56:40 ID:mFLJuT56
そんなものをどう開け、中には何があるのか?
237
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/04(土) 23:35:40 ID:Z0oVWbvs
開きもしない宝箱に価値はないように。
このシェルターに対する興味は徐々に失われていった訳だ。
池田「……さて、開かずの扉に着いたはいいが」
鈍色に輝くシェルターの壁面を眺めつつ軽く息を吐く。
鼻息荒く阿部さんを連れてきたものの、中に入る手立てはない。
池田「阿部さん、思い当たる節って地図以外に……あれ?」
先ほどまで隣にいた彼女の姿がない。
一瞬嫌な考えが頭の中を巡り、手の平に汗が滲む。
慌てて辺りを見回すと、いつの間に移動したのか。件の扉の前で阿部さんが屈んでいた。
池田「……頼むから一言俺に言うなりして――」
―ォォン…
池田「!」
異音。
正面の扉と自分の踏みしめる地面から同時にソレは聞こえた。
遠雷にも似た奇怪な音は一度では止まず、鳴り続ける。
238
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/05(日) 00:11:08 ID:xEECuef.
選ばれし者的な開き方か
その前に教団とやらに絡まれなくて良かったな
女だなんて知られたら、とんでもない事になっていただろうし
239
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/05(日) 01:44:12 ID:3I/K.Wqc
間を置いて、外壁部分から次々と湯気のように塵と埃が吹き出し始めた。
金属の合板の継ぎ目に濃緑色の光が走り、それが血管を流れる血液の如く半球の表面に広がる。
まるでシェルターそのものが血管を剥き出しにした巨大なバケモノで、気味の悪い唸り声を上げているようにも見える。
ゴゴゴゴ…
地鳴り。最早シェルターが何かに反応して動き始めているのはもう認めざるを得ない。
だが俺は困惑していた。
俺の想像していたシェルターはもっと簡易で慎ましいなものだった。
ここまで高度な電子制御、かつ絶対防御のシェルター……あまりに未来的過ぎて思考が追いつかない。
そもそもここまでハイテクなものが何故ここにあるのか。
昨日の高校のPCにしたってそうだ。俺たちが作ることのできない機械や建築物が何故――
ガッ ゴォォォ…
今までで一際大きい音が響き渡った。
正面の扉が長年の風雨で固まった砂や錆を吹き飛ばしながら、ゆっくりとした速度で左右に開いてく。
壁面は淡く明滅を繰り返し、時折遠雷に似た音を響かせながら。
そして砂埃の霧が立ち込める中、ついにシェルターはぽっかりと漆黒の口を開けた。
240
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/05(日) 07:15:19 ID:Kz9oOqy.
遂にお披露目か
ロマンだよなぁこういうの。まぁ何が待ってるのかにもよるけど
241
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/05(日) 11:47:02 ID:bR6PqX5E
描写上手いから光景を容易に想像できてありがたいな
242
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/05(日) 18:02:22 ID:3bkL4zNY
こんなwktkするSSになるとは思わなかった
243
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/06(月) 17:46:55 ID:gwwCP7sg
てんさい
244
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/07(火) 04:37:45 ID:hIamXv0E
シェルターが開ききった音でようやく我に返り、阿部さんの元へ急いで駆け寄る。
池田「阿部さんッ!」
阿部「はい?」
状況にそぐわぬのんびりした返事で、膝が抜けそうになる。
こっちは動き出したシェルターで軽くパニックに陥っていたというのに……阿部さんは焦るどころかどこか楽しげな様子だ。
池田「いや、ケガとかなければ、それでいいんだが……」
池田「…………」
ここで先ほど頭の隅でもたげた疑問が再び浮かび上がる。
この開かずの扉は当然の事ながら、開かないから開かずの扉なのだ。
それがどうだろう。道具も何も使わずに、開いてしまったのだ。
何故?何故今開いてしまったのか。
……恐らく目の前で砂をほじ繰り返している人物が、それをよく知っているはずだ。
池田「阿部さん、ひょっとして扉を――」
阿部「開けましたよー!」
……案の定というか、何というか……やっぱりそうだった。
245
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/07(火) 04:44:44 ID:hIamXv0E
阿部「網膜認証と静脈認証の部分が、ほら、ここに埋まっちゃってて」ザックザック
阿部「さっきは無理矢理通しちゃったんで、帰りはスムーズにできるようにしときますね、よいしょ」ザクザク
池田「……つまりなにか」
池田「普通に認証すれば誰でも入れたってことか?」
阿部「だと思いますよ?シェルターですし」
池田「…………」
過去の挑戦者たちよ。
優秀なドリルなど必要ではなかった。
必要だったのは優秀な頭脳だったのだ。
とりあえず削るという脳ミソ筋肉な答えじゃどうしようもなかったのだ。
優秀な助手を手に入れた俺は、ありがたく中身の食料をいただいていく。
後で墓に備えてやるから化けて出るなよ。
阿部「早く行きましょうよ池田さん!」
池田「……警戒しながら行かないと危ないからな、ゆっくり行くぞ」
阿部「らじゃーです!」
246
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/07(火) 05:22:11 ID:hIamXv0E
乾いた陽光が降り注ぐ地面から、シェルター内へ一歩踏み出すと、あまりの暗さに視界が白い残像で一杯になった。
なんなとく手探りで隣の阿部さんの腕を手繰り寄せ、手を繋ぐ。
今度こそ彼女が勝手に消えないようにと繋いだのだが……どうやら勘違いされたらしく、頬を染め、俯いている。
……理由を説明するとまた激おこぷんぷん丸とか言いかねない。そのままにしておこう。沈黙は金だ。
少し時間が経つと、内部の暗さにも目が慣れてきた。
照明らしい光源は何もないが、代わりに天井、壁面、床すべてが淡く濃緑色に発光しており、最低限の光度を維持している。
時折強い光が継ぎ目に沿って走っていくのも外壁と同じだが、ここでは進行方向と思わしき方向に一定の感覚で流れているようだ。
淀んだ空気など微塵もなく、埃っぽい外気より遥かに透き通った空気が肺を満たす。
湿度も温度も申し分ない。ちゃんと空調も生きているようだ。……何百年も経っているのにも関わらず。
扉からおよそ30歩ほど進み、ゲートらしきものを抜けると突然視界が開けた。
シェルターの中心は何もなく宙空。ドーム状の天井と壁には、朧げではあるが大量のカプセルベッド。
そして俺の足元から下には、深くて巨大な人工クレーターがシェルターの端まで広がっていた。
クレーターの表面のパネルに数字とアルファベットが割り当てられてるのを見る限り、
恐らくあの区画ごとに住んだりするのだろうが……なるべくならあまりお世話になりたくないところだ。
247
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/07(火) 07:51:01 ID:UkpEP2qA
直接何かがある訳じゃなかったのか
248
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/07(火) 15:34:58 ID:kJkD6W6g
だれか使われた安価まとめてくれ
249
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/07(火) 20:33:40 ID:yOpBFXxE
とりあえず二人共……羨ましいから祝ってやる!
250
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/08(水) 02:09:14 ID:rBsHUVEg
向こう側が透けて見える案内板に近付こうとした瞬間、右腕が思いっきり引っ張られた。
阿部「池田さん池田さん!ロボです!ロボがいますよ!」
池田「……ロ、ロボ?」
確認する間もなく、ぐいぐいと引きずられていく。
阿部さんの意外な力強さに驚いてる内に、ゲートを抜けてすぐ横のスペースまで来てしまった。
池田「……ロボ……か、これ?」
阿部さんがロボと主張する物体は、縦長のガラスの円柱ケースの中に収まっていた。
表面を見る限り、確かに金属で出来ているのは間違いない。
が、俺のイメージするロボットのそれとはあまりにデザインがかけ離れていた。
大きめの楕円形の球体が1つ。
突起がついた楕円形の球体が2つ。
赤いボタンがついた球体が1つ。
小さめの楕円形の球体が2つ。
計6つの球体がケースの中でふよふよと浮いている。
しかも塗装は全部ピンク色だ。
251
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/08(水) 02:15:22 ID:rBsHUVEg
阿部「カワイイですねー、このロボ」
池田「いや、ロボじゃないだろこれ。展示用のオブジェか何かだろ」
阿部「ロボですよ!」
池田「違う。ロボットってのはもっとカッコ良くてだな――」
阿部「カワイイロボです!」
池田「カワイイとしてもロボじゃない!じゃぁどれが腕でどれが頭でどれが足だ!」
阿部「これが頭で、これが腕で、これが胴体で、これが足ですよ」
池田「……適当に言ってるだろ」
阿部「適当じゃないですよ!」
池田「いやオブジェだ。ほら、ここのプレートにもきっと意味不明の題名が――」
<< ナビ ロボ ( タイプ:オワライ ) >>
池田「…………」
阿部「…………」
池田「マジでロボなのかよこれ……」
阿部「やっぱりロボじゃないですかー」プクーッ
252
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/08(水) 02:27:30 ID:rBsHUVEg
池田「しかもナビ!?こいつが案内するのか!?」
阿部「じゃぁボタン押してみますね」
池田「いや後で――」
阿部「ポチッとな」
カチッ
♪テーテレテー テテテテー
阿部「音楽が鳴りましたよ!」
池田「……また随分とチープな音だな」
プシッと圧縮空気の抜ける音がして、ケースが静かに上へスライドする。
ドライアイスの雲を押しのけながらそいつは姿を現した。
『……ア、アーアーアー』
池田「…………」
頭らしき部分がくるくる回り、目らしき部分がしぱしぱと瞬き、頭らしき部分から声らしき音がする。
くるくる回転していた頭が阿部さんの前でぴたりと止まった。
あの点のような目で見ているのだろうか。そもそもあんな目で見えているのだろうか。
253
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/08(水) 02:40:37 ID:rBsHUVEg
『アー。ドウモヒサシブリデスネ』
阿部「……私?」
『エエ。会ワナイウチニ、グット、綺麗ニナリマシタネ』
阿部「……そもそも私とあなた、初対面のはずだけど」
『エエー!?本当デスカ!?コリャ失敬』プペー
『昨日会ッタ人ト、勘違イシテマシタ』
池田「昨日っていつだそりゃ?」
『昨日ッテイウノハ、ワタシガ、起動シテイル時間カラ、デスカラ、エエット、ムウーーーン』
『昨日……イヤ319年ト6ヶ月前、イヤイヤ154年前ノ……』
池田(……なぁこいつアテにして大丈夫か?)ヒソヒソ
阿部(大丈夫ですよ。カワイイですし)ヒソヒソ
阿部「とりあえず、あなたのお名前は何て言うの?」
『ワタシデスカ?ワタシ、《スカポン》ト申シマス。コンゴトモヨロシク』プペー
阿部「私は阿部っていいます。よろしくね」
池田「……俺は池田。よろしく」
254
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/08(水) 04:07:16 ID:rBsHUVEg
スカポン「トコロデ、オ2人ハ恋人デスカ?」
池田「おまっ!」
阿部「……見えますか?」
スカポン「オ似合イデスヨ、トテモ」
池田「…………///」ポリポリ
阿部「…………///」ホニャァ…
スカポン「サテ、ナビノ仕事シナイトマタ飛バサレチャウノデ」
スカポン「ナニヲオ探シデスカ?」
池田「食料と水」
阿部「私は……重要そうなものがあれば、それを見たいです」
スカポン「イケタサンノリクエスト。食料ト水、スグニゴ案内デキマス」
スカポン「デモアブサンノリクエスト。抽象的デ分カリニクイデス。ゴ案内デキマセン」プペー
阿部「…………」
阿部「……スカポンさん、セキュリティレベルが高い場所へ連れてってもらえますか?」
スカポン「オオ!アブサンノリクエスト単純明快!ゴ案内デキマスヨ!デハ、順番ニ行キマショウ!」プピーン
255
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/08(水) 08:30:49 ID:Hzw9FXzc
スカポンktkr!w
あのコミカルな動きが脳内再現されるw
しかし、戦闘用じゃなく、ちゃんとお笑いロボやれて良かったな。ナビではあるみたいだけど
つかアブサンだと、父ちゃんから聞いた野球漫画の、バットに酒を吹き掛ける人物の話を思い出すなぁ
256
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/08(水) 20:26:49 ID:c64iSRk2
飛ばされるって言うけど……誰に?
257
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/08(水) 23:23:15 ID:rBsHUVEg
――――
池田「……なぁ、スカポン」
スカポン「何デショウイケタサン」
池田「『いけた』じゃなくて『いけだ』、な」
スカポン「失礼シマシタ。イケタサンデスネ」
池田「……まぁいいや。お前さんの入ってたケースにオワライって書いてあったよな?」
スカポン「ハイ。ワタシコウ見エテモ本職ハ『オワライロボット』ナノデスヨ」
池田「オワライロボット?」
スカポン「ハイ。人、アルイハ ロボットヲワラワセル、尊イシゴトデス」
スカポン「以前ハワライノ本場『カンサイ』デ修行ヲ積ンデイタノデスガ……」
池田「カンサイ?そりゃどこだ?」
スカポン「エエー!?カンサイヲ、ゴ存知ナイノデスカ!?」プペー
スカポン「『カンサイト』言エバ『オワライ』!『オワライ』ト言エバ『カンサイ』デス!」プピーン
池田「お、おう……」
スカポン「……マァ、今ハ ナビロボットデスケド」
258
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/08(水) 23:31:34 ID:rBsHUVEg
池田「じゃぁ何でオワライ辞めたんだ?」
スカポン「ヤメテマセンヨ。『カンサイ』ガ無クナッタカラ修行ガ中止ニナッタダケデス」
阿部「……無くなった?」
スカポン「残念デス。本物ノ芸人トノ切磋琢磨ヲモットシタカッタノニ……」
池田「待てスカポン。無くなったってどういう事だ?」
スカポン「『カンサイ』エリアハプポープピーピポピーン」
池田「……ふざけないで真面目に答えてくれ」
スカポン「アレレ?フザケテイルツモリデハ……『カンサイ』エリアハプピープピープポーン」
スカポン「ア、コレ駄目デスネ。ワタシノ発言ニ『ロック』ガカカッテマス」プペー
阿部「…………」
池田「つまり、その情報をお前じゃ喋れないってことか?」
スカポン「ソウデス。エエット形式バッテ言ウナラ……第一条ト第二条ニヨリ、貴方タチニ情報ヲ公開デキマセン」
池田「……第一条と第二条って何だよ」
阿部「……ロボット工学三原則」
池田「……阿部さん?」
259
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/05/08(水) 23:46:43 ID:rBsHUVEg
阿部「第一条。ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって人間に危害を及ぼしてはならない」
阿部「第二条。ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が第一条に反する場合は、この限りでない」
池田「…………」
スカポン「オオ!ソノ通リデスアブサン!オ詳シイデスネ!」
スカポン「ソノ2ツノ原則ニ反シテイルノデ、無理ナノデス」
池田「うーん……だったら俺たちは人間だぞ?『教えてくれ』っていう命令は聞いてくれないのか?」
阿部「恐らく私たちが知ることによって『危害』が加わってしまう事と、私たちより前の『人間』が命令した事を遂行しようとしてるんじゃないでしょうか?」
スカポン「素晴ラシイ!ワタシガ言イタイコト、全テアブサンガ言ッテクレマシタ!」プピーン
スカポン「アァー!?デモソレッテ『ナビ』ノ仕事ヲ丸投ゲシタコトニ!?折角ココノ仕事ニモ慣レテキタノニ!」プペー
阿部「大丈夫だよスカポンさん。私たちを案内してくれるだけでナビを立派にこなしてるもの」
スカポン「何ト オ優シイ オ言葉!今日ト言ウコノ日ヲ記念スベキ『アブサン記念日』トシテ メモリニ焼キ付ツケテオキマショウ!」
プピーン
池田「……なぁ阿部さん。今のも知識だけか?」
阿部「……残念ながら。情報はするすると出てくるんですけど……」
池田「……そうか」
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