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安価でカオスSS作る
60
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/16(火) 18:36:50 ID:TWtpAuZw
TDN
61
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/16(火) 18:57:29 ID:yTPfu2E6
池田ァ!
62
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/16(火) 19:08:47 ID:9lp7mSXY
ダーウィン4078及びダーウィン4081(スーパーリアルダーウィン)の自機みたいな奴を登場させてほしい
63
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/16(火) 19:18:27 ID:v90U2H0w
ジャッジメントですの!
64
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/16(火) 21:21:27 ID:hOIzIq2I
百合
濃厚な百合
65
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/16(火) 21:42:18 ID:DLeMDITo
ソボレフ空間
66
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/16(火) 21:53:50 ID:pa6LG0AE
究極なる闇の力
67
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/16(火) 22:20:39 ID:v90U2H0w
え?なんだって?
68
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 00:16:38 ID:PcQpswkI
ヨツンヴァィンになれよ
69
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 00:26:32 ID:rNFQACMc
生まれ変わっても僕でいいよ。
そのときもまた二人にとって宝物が僕でありますように。
70
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 00:42:25 ID:BG3obOGk
や ら な い か
71
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 00:47:50 ID:dpLOgBL.
激オコスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム
72
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 00:55:05 ID:fcd3L2D6
鞭以外の道具でスパンキング
73
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 01:11:35 ID:rNFQACMc
これはまさにカオス
>>1
の技術力に少しwktk
74
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 03:33:17 ID:qLQ.i4O2
股間のスタンド
75
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 06:46:13 ID:XIC6Lhe2
ルシファーズハンマー
76
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 17:40:12 ID:2od/E4SY
スケェェェェイス!
77
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 17:47:04 ID:54mfqRAk
シャイニング・プラネット
78
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 18:27:22 ID:Mx7QcFIk
俺は本当のことが知りたいんだ!
79
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 19:53:51 ID:GklbIjz.
「ドランゴンボールは3.14個しかないんだとよ」
80
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 21:25:09 ID:8Dv4ASP2
ジョイメカファイトのスカポン登場
81
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/17(水) 22:20:24 ID:PcQpswkI
>>1
と阿部さんの濃厚なラブストーリー
82
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 05:41:47 ID:CfUK96yw
ゆっくりしていってね!
83
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 06:42:01 ID:iKGyYIX.
綿あめ
84
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 07:00:55 ID:iKGyYIX.
邪神ケイオス
85
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 07:51:16 ID:O9Avc6cs
管理局の白い悪魔
86
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 09:56:12 ID:TfFqzcKE
チロルチョコ 最後の聖戦
87
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 16:01:12 ID:h1kUWHEM
レン「んんっ、やめてくださいマスター!!」
男「駄目だよレン君? おちんちんの皮を剥かないと歌声に艶が出ないぞ?」
ヌコヌコヌコヌコ
レン「ぃやぁっ、ひぅっ、ぁ、あ゙あっ、ふんん!!」プルプル
88
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 18:09:30 ID:e8wckRxQ
何だ
始まったのか!?
それとも要望か?
89
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 18:49:05 ID:tKPfsKnw
兄弟子によるかわいがり
90
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 19:09:57 ID:Q0.g6VkA
多分要望だろ
91
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 19:13:10 ID:z9wlHI1k
ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか。完成度たっけぇーなオイ
92
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 19:15:31 ID:/fMFVjMI
100間近だな
もはやただの願望スレだが、この調子で1000まで行ってしまうのだろうか
93
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 19:59:09 ID:Q0.g6VkA
一体どんなSSができるんだwktk
94
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 19:59:24 ID:tKPfsKnw
ランバ・ラル、特攻!
95
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 20:26:17 ID:.FTEwDIg
なんでお前ら安価も出てないのに願望書きまくってるの?
96
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 20:48:37 ID:tKPfsKnw
爆撃
97
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 20:53:49 ID:/fMFVjMI
このスレで出たネタをいくつか抜粋してそれを題材にしたスレでも立てれば案外面白くなるんでね?
つまりここを
>>1
のみ書くスレみたいなネタ提供スレにしたらいいんでないかなーと
ただの思いつきだけど
98
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 21:16:14 ID:tKPfsKnw
なるほど
俺はそれ賛成
99
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 21:19:33 ID:CfUK96yw
あくしろよ
100
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 21:21:49 ID:tKPfsKnw
もう100だ
101
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 22:08:40 ID:URZQXnZs
プレコンパクト
102
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 23:36:42 ID:9Q.9Nvwg
「俺、この戦いが終わったらオナニーするんだ…」
103
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/18(木) 23:54:46 ID:Y29St7EM
「俺、授業が終わったら部活行くんだ……」
104
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 00:40:39 ID:pZrxPbik
これ死亡フラグになんのか?
105
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 00:45:19 ID:eH0HX3IE
もう誰でもいいから好きなワードをチョイスしてスレ勃てたらいいんじゃね?
106
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 01:25:23 ID:Q5AuhQV6
>>1
来ないならやってもいい?
107
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 02:01:09 ID:rRhRxTRc
>>106
やって、どうぞ。
108
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 02:09:41 ID:Q5AuhQV6
>>107
ほい
じゃぁここまでで安価募集〆
まとめてきます
109
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 02:38:24 ID:1HZtkGP.
マジか?凄い人も居たもんだ
ありがとう
110
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 02:40:40 ID:Q5AuhQV6
――――
ガドドドドドドッ
池田「…………」
ガドドドドドドッ
「――!―――ッ!!」
池田「?」
ガコン プシュー…
「池田ァ!てめぇさっきから何度呼んでると思ってるんだこの野郎!」
池田「すいません。掘削機がうるさくて――」
―バシッ!
池田「…………」
「言い訳するんじゃねぇ!俺が来る気配を呼んだら即エンジン止めて!聞く準備しろや!分かったかこのグズが!」
池田「すみませんでした」
「顔がいいから調子に乗りやがって……」ブツブツ
池田「……それで何の用件でしょうか」
111
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 02:50:34 ID:Q5AuhQV6
「……用件だぁ?時計見ろや時計。もうとっくに撤収時間なんだよ」
池田「……すいませんアニキ。腕時計持ってなくて……」
アニキ「だったら洞窟内のメディカルセンターのところにデケぇ電波時計があるだろうがよ!」
池田「そこへ行くと掘削の効率が……」
―バシィッ!
アニキ「言い訳すんなって言ったよなァ?俺言ったよなぁ?」
ボグッ
池田「ぐっ……!」
アニキ「お前がチンタラやってると俺の評価にもヒビが入っちまうんだ、よっ!」バキッ
池田「がはっ!」ドサッ
アニキ「おい間違っても今日の仕事の報告書には書くんじゃねぇぞぉ?」バキッ
池田「うげっ……」
アニキ「これは『教育』だ。至らない後輩をかわいがってるだけなんだ」バキッ
池田「ぐむ……オエッ、エレレレレレッ!!」ビシャー
アニキ「おわぁ!汚ねぇな!吐くなら吐くって言ってから吐けよな。おら吐け!」ドガッ ドガッ
112
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 02:56:14 ID:C7KTOyAA
まさかやる勇者がいるとは
支援する
113
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 03:07:36 ID:Q5AuhQV6
――――
池田「掘削ノルマ完了しました」
ロシア兵「ハイ、ゴクローサン。認識番号ト氏名ヲオ願イシマス」
池田「認識番号
>>1
。池田。名前はありません」
ロシア兵「Ok。把握。ソレジャオ楽シミノ給料タイム!!」
ロシア兵「トイキタイトコロダガ……掘削中ノ現場監督ヘノ暴力沙汰ハヨクナイナBoy」
池田「…………」
ロシア兵「ヨッテ給料ハ、『ハイチュウ』2粒ダ」
池田「……せめて……せめて1ケースになりませんか」
ロシア兵「……コレハペナゥティーダ。ドウシヨウモデキナイ」
池田「……そう……ですか……」
ロシア兵「……デモ個人的ナプレゼントナラ、問題ナイヨナBoy」
池田「……!これは!」
ロシア兵「シーーーーッ!ホンノ5粒ダ気ニスルナ。黙ッテ持ッテイキナBoy」パチッ
池田「Хорошо!」
114
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 03:29:22 ID:pZrxPbik
日当ハイチュウかよwww
115
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 03:33:16 ID:Q5AuhQV6
――――
ハイチュウを口に頬張りながら、俺は道端の糞を踏まないように歩いていた。
仕事場からの帰り道が俺にとっての唯一の癒しであり、オアシスだ。
職場に行けば兄弟子にあたるアニキに食い物にされ、サンドバッグにされる。
宿舎に帰れば自分の肛門を守りながら、浅い眠りで仮眠を何回かに分けてハンモックで取る。
疲れも取れるはずもなく、翌日の仕事でどうでもいいミスをして……あぁ無限ループって怖いよなぁ。
ともかく、誰にも邪魔されず、誰にも会うこともないこの帰り道があるから、俺は正気を保っていられるわけだ。
頭ん中でハイチュウうめぇなぁとか、さっきのやっぱり踏んじまったよなぁとか思ってるうちに、自然と足は目的の場所に着いていた。
高熱でひしゃげたスベリ台。ココが俺の特等席だ。早速てっぺんに駆け登って腰掛け、懐から緑色のノートを取り出した。
貴重な紙を使った学習帳かなんからしいが、見つけたことは誰にも言ってない。
どうせ金にもならねぇし、なったとしてもアニキに没収されるだけだ。だったらココで紙本来の使い方を俺が個人的に楽しむのが正解のはずだ。
「えーっと今日は何を書こうかな……日記はこの前やったし、小説はめげたしなぁ……」
「……そうだ!」
俺は名案を思いついて黒炭でグシグシと学習帳の『学習』の部分を潰し始めた。
そして『学習』と名があった部分の真上になるべく殺伐とした感じで『復讐』と記す。
116
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 03:46:18 ID:Q5AuhQV6
「よし、これで完成だ。名付けてジャポニカ復讐帳!」
「元が学習だから何か悪いことしたみたいで楽しいなぁ……」ヒククッ
「早速書くか……アニキに復讐をしたい。あの貧弱ゴリマッチョがぎゃふんと言うような……」カキカキ
「…………」
「……虚しい。非生産的だし。結果的にアニキをたくさん思い浮かべて不愉快だし……」
「今日は日記にしよう。ロシア兵がいい人だったんだよなぁ。そういうの書いていこう」
「…………」
「……そのまま書いてもあれだし、ちょっと壮大にしてみちゃったりして――」
――――
――
―
117
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 03:48:48 ID:rRhRxTRc
期待してる
118
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 04:15:53 ID:Q5AuhQV6
――――
遥か未来。人類は存亡の危機にあった。女性が男性化してしてしまうという謎の奇病が感染拡大。地球全土を覆った。
対処できるワクチンの類は一切なく、人類は滅亡を避ける為にプロジェクト『シャイニング・プラネット』を立ち上げる事になった。
『優れた惑星』と銘打たれたそのプロジェクトは、地球全体を巨大な外郭大地で覆い、内と外の世界を作るという壮大な計画だった。
当時は太陽から地球へ飛んでくる様々な宇宙線が主な原因だと思われていた為、正常な人間を内部へ。既に感染しているなら外部へ。
と振り分けが決まり、僅か数年で外郭が完成し、『内』と『外』での人類の生活はスタートした。
――それから何百年。『内』からの連絡などとうに途絶え、『外』はまさに世紀末と化していた。
「『内』の人間は平和になったからもう病原体だらけの俺たちのところへくるはずがない」
とは、二代目外郭大統領ランバ・ラルの言葉だ。
彼はこの言葉を残した後、ありったけのダイナイマイトを積んだMTローダーに乗って『内』のゲートへと突っ込み爆散。
もちろんゲートには傷一つつかなかった。
そんな世界に俺はクローンとして生まれ落ちた。当然だ。もう外郭には女なんかとっくの昔に消えちまってる。
池田ってのが何年前だか何百年前だか知らないが、それが俺の父であり母であり俺だ。
そんな俺がクソみたいな毎日を送りながら、クソを避けつつ、岩盤を掘り終わり、帰りの給料を貰おうとした時だ。
俺は一人のロシア人に出会っ
119
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 08:53:02 ID:G5hQFpuM
た?
120
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 09:19:15 ID:exshfCiE
ヤバい。吹いたwww
121
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 13:31:31 ID:saJAvlmg
>>108
さんマジパっす!
しかし、こんな厳しそうな世界には生まれたくねーなぁ
122
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 14:16:32 ID:swkz7mwA
こういう切れ方してると「ん?こんな時間に誰か来たみたいだな」な状況にでもなったのか?と思っちゃうな
123
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 15:28:34 ID:Q5AuhQV6
「…………」
そこまで書いて筆が、いや黒炭が止まった。
一応俺が知ってる限りの地球の歴史を冒頭から並べて、それなりに壮大にしてみたつもりなのだが。
……何というか恐ろしく陳腐だ。簡単に言うとクソだ。
自分がこっそり集めてる旧時代のSF小説やファンタジー小説の冒頭は、読んでるだけでページをめくる手が止められなくなる。
事実は小説よりも奇なり、だったか。確かに言えてるな。悪い意味でだが。
これが小説なら『シャイニング・プラネット』って単語が出てきただけで、俺は読むのをやめる。で、よくほぐしてケツ拭く紙にでも使う。
……救いようがないのは小説じゃなくて、実際の歴史ってところだ。
外郭で歴史なんか気にしてる奴は俺とカルト教団の連中くらいしかいない。
だから俺は変態扱いされるし、まともな人の扱いもされないのだろう。
別に変態でも俺は構わないし、孤立したってどうでもいいが……だったらケツの穴も狙うのもやめて欲しいものだ。
……どんどん気分が滅入ってきたな。何のために日記を書くのに切り替えたんだか。
書く気もないのに作家の真似事したってしょーもない。小説はもう懲りた。
『日当をロシア兵がおまけしてくれた。クソありがたかった。いつか恩を返そう』
「……これでいいだろ」
124
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 15:34:24 ID:1HZtkGP.
おお、お帰りになられたのか
125
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 15:59:29 ID:Q5AuhQV6
―ガサッ
復讐帳と黒炭を懐へ収めて俺は足元の鉄パイプを手に取った。
公園の入口を視界の端で確認しながら物音のした方角を窺う。
野生化したトウモロコシの群生地。実が一切ならないのもあって静かに風に揺らいでいる。
――野犬か。野盗か。教団員か。食われるか、身ぐるみ剥がされるか、生贄にされるか。
こんな夜更けに、それも人気のない郊外となればメジャーどころははその三つだ。……強姦も付け加えて四つだな。
タイマンなら返り討ちにして手土産にしたいが……集団だったら逃げの一手しかない。
「あ……うぅ……」
池田「?」
うめき声?それもかなり若い人物のようだ。俺より先に被害にあった奴がいたのか?
……あるいは罠か。なけなしの善意で助けようとしたら後ろから棒でポカリ。ありうる話だ。
注意深く周囲を警戒しながら俺はトウモロコシの林に歩を進めていく。
池田「……誰かいるのか?」
とりあえず声をかけて、同時に鉄パイプを正眼に構えて膝を少し緩ませる。
何もないのに威嚇している俺の姿は見た目には滑稽だが、死ぬよりはマシだ。ずっとずっとマシだ。
126
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 16:08:26 ID:I6j5w952
本当世紀末してるなこの世界は(汗
127
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 19:18:52 ID:Q5AuhQV6
「あ……」
トウモロコシの根本から手がにゅっと突き出てきた。
反射的に伏せる。が、謎の手の先には銃器らしきものはない。
トウモロコシから突き出た腕と、鉄パイプを持って地面に伏せる男。絵になら……ねぇな。やはり滑稽だ。
軽く砂埃をはたいてから鉄パイプを左右に軽く振る。乾燥しきっていたトウモロコシはいとも簡単に倒れた。
池田「……あー」
最初の雑感通り、俺より先に餌食になった奴がそこに倒れ伏していた。
野犬でも野盗でもカルト教団でもなかった。……多分これは四つ目だ。
うつ伏せで表情は分からないが、かなり小柄な体つきだ。
上着は原型が分からない程にビリビリに裂け、黒いタイツが膝下まで引き下げられている。
真っ白な薄い背中と、形のいい臀部が微かな月明かりでも確認できた。
下着はない。そこら辺に散らばる布切れのどれかがそれだろう。
ただそれよりも目を引いたのは、やたらと黒く長い髪だ。ふと図鑑で見たカブトムシの艶を思い出した。
そして暴漢が襲った理由も、この美しい髪が決定打になったに違いない。
ま、どう見ても合意の上の行為ではなさそうだ。……変態でなければ、だが。
128
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 19:36:21 ID:Q5AuhQV6
池田「おい、あんた」チョン
一応用心して鉄パイプで黒髪をつつく。
「うぅ……」
池田「生きてるか?」
「だ、誰……?」
池田「俺は池田。掘削作業員。あんたは?」
「わ、私は……ええっと……」
「阿部……だと思う……」
池田「だと思う?頭でも殴られたか?」
阿部「殴られ……?そういえば何で真っ暗なんだろう……」
池田「そりゃ阿部さんとやら。うつ伏せのままだからだよ」
ムクリ
阿部「本当だ。通りで息苦しいと……」
池田「おまっ……!」
阿部「?どうしたの池田さん?」
129
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 20:02:43 ID:Q5AuhQV6
池田「そ、そのむ、胸ッ!」
阿部「胸?」
池田「なっ、何でそんなに膨らんで……」
阿部「……あれ?上着がないわ」
池田「……待てよ待てよ待てよ。何かの冗談か、それとも俺の幻覚かよ!?」
――俺が孤立し、変態扱いされる大きな理由。
男性が好きではない。恋愛対象として見れない。性的興奮もしない。
それだけでも充分だが、一番問題なのは……
『女性』が好きって部分だった。
だから俺はあの胸を知っている。知らないはずがない。
旧時代のデータを漁って漁って集めまくり――
幾度となく抜いて抜いて抜きまくった俺が見間違うはずもない。
あれは……あれは……ッ!
池田「おっぱいじゃねぇぇぇぇぇかぁぁぁぁぁ!」
130
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 20:07:14 ID:kZH6N01.
こういう場所で阿部っつーと、ホモネタしか出てこないボキャブラリーの低さ
131
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 20:08:19 ID:p5U7QZ52
確かに
132
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 20:09:35 ID:UkEzv.dc
おっぱいね。良いね。ごく自然だね
133
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/19(金) 22:44:24 ID:Q5AuhQV6
阿部「?おっぱいだけど?」
池田「だけどって……」
阿部「……あ」サッ
池田「隠すの遅いしよ……」
阿部「あんまり見ないで欲しい」
池田「あ、ああ悪い。珍しくてな、つい……」
阿部「珍しい?」
池田「……いや、おっぱいなんて肉眼で拝めるもんじゃなくてな」
阿部「……服着てるからね」
池田「そういう意味じゃない。男で胸をデカくしようなんて酔狂な輩はそうはいないだろ」
阿部「男?私は――」
シュルッ
ストン
阿部「あっ」
池田「……えっ!?」
134
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/20(土) 00:05:13 ID:XL/dLd5E
立ち上がったせいで繊維が耐え切れなくなったのか。
阿部さんの履いていたスカートがあっけなく落下した。
――ない。
下着が、ではない。
いや確かに下着はないが。ない。それ以上に大切なモノが。
男性なら、必ず股間にあるモノ。時と場合によってそびえ立つモノ。……それがない。
おぺにぺに。
股間のスタンド。
――つまり男性器が、ない。
肌が泡立つ。
ついでに股間もいきり立つ。
つまり、そう。
目の前の阿部さんとやらは――
――女だったのだ。
135
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/20(土) 01:48:57 ID:XL/dLd5E
――――
池田「汗臭いかもしれないが我慢してくれ」
阿部「そう?私はいい匂いだと思うけど」スンスン
池田「……鼻がどうかしてるんじゃないのか」
あのままだと目の毒なので俺の作業着を貸した。
……作業着を着た女性ってのも結構乙なものだな。
阿部「あなたがくれたコレもすっごい美味しい」モグモグ
池田「それは正しい。ハイチュウは美味い」
阿部「ハイチュウっていうのか。ッ……もう一個ちょうだい」
池田「最後飲み込んだな!?もっと味わって食えよ!」
池田「…………」
池田「……で、思い出したか?」
阿部「それがまったく」
池田「……参ったな」
136
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/20(土) 02:13:23 ID:XL/dLd5E
面倒なことに阿部さんは記憶を失っていた。
所属も。住んでるエリアも。仕事も。認識番号さえも。
覚えているのは阿部という自分の名前と性別のみ。
物の名前や日常会話に支障がないことから鑑みるに一時的な記憶喪失かもしれない。
……PTSD。心的外傷後ストレス障害。原因はわりとすぐに思い当たった。
池田「……参ったな」
それを踏まえた上でどうするのか、自分への確認を込めてもう一度呟いた。
――これ以上阿部さんを抱え込むメリットは何か。
既に日当の1/5を大したありがたみもなく食われた上に、作業着を貸している。
貸しを返してもらおうにも阿部さんの家が分からない。しかも文無しで記憶喪失。
……これは間違いなく手助けをすればするほど利益が目減りしていくケース。
経験則から言うなら、すぐに作業着をひん剥いてこの場を離れるべきだ。……が。
阿部「う〜〜〜ん……」
――彼女、阿部さんの顔を眺めていると、損得の思考が鈍るのだ。
そればかりか今の状況のままでいいんじゃないかとさえ思えてくる。
137
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/20(土) 04:10:45 ID:8/mj1mgw
ww????WWWwwwW??WWWW
138
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/20(土) 20:13:31 ID:0NsiONq2
”自分の女”って、惹かれるよな?そういう事だよ池田君
139
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/20(土) 20:14:09 ID:8DcUvM7o
>>137
笑うなよ…彼は歩こうとしたんだ…どんなにカオスでも彼が勇者だということに変わりはないのだよ…
ついでに支援
140
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/21(日) 22:07:09 ID:hatSVKDg
まだ〜?
141
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/21(日) 22:12:46 ID:UcpgTKyA
/ ̄ ̄ ̄~ ̄\
/ ヽ
/ ッ〜ー〜zッノ〜-ィ|
|| ソ ||
||=== ==||
f Y f旬ヽ /f旬‖
|(|  ̄/ |ミ ̄‖
ヽ_ | |
|| ^ー′ /
ハ|ヽ -==ァ /
/ | \ 二 /
/ /| ヽ \__/|\
142
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/23(火) 01:25:36 ID:dxx2Xn8I
……いかんいかん。
一時の性欲なんかに身を任せてたら命がいくつあっても足りない。
第一貸し借りの話抜きにしたってずいぶんと不気味な話じゃないか。
とっくに絶滅したはずの女性。記憶喪失。ハイチュウを知らない。……陰謀の匂いがプンプンだ。
知恵と権力があれば阿部さんを利用してうまい汁でも吸えるのかもしれない。
が、俺はただの作業員。不自由はあるが、それなりに人生を楽しんでる。
掘削作業もそんなに嫌いじゃないし、趣味のデータ集めも好きだ。
――君子危うきに近寄らず。
……決まりだ。この阿部さんとはさっさとおさらばしよう。『じゃぁ元気でな』と声をかければそれで終わり。
作業服は胸と+アルファが見れた駄賃代に置いていこう。そう思って俺は声をかけた。
池田「あんた、今夜これからどうするつもりだ?」
阿部「……へ?」
池田「…………」
阿部さんは呆気に取られた表情をしている。まぁこっちは虚をつかれたってだけの話だ。
問題は俺だ。俺が、俺自身の言葉に一番驚いていた。
143
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/23(火) 01:45:28 ID:dxx2Xn8I
池田「その分じゃぁ泊まる場所もないんだろ?」
さっき心の中で決めたことをあっさり無視して――
池田「まぁ……風呂にも入りたいだろうし」
胸の内を突き上げてくる訳の分からない感情に押されて――
池田「とりあえず安全な場所なら紹介できるぞ」
次から次へと言葉がぽんぽん飛び出す。
池田「……どうする?」
一体俺はどうしてしまったのだろうか。
心拍数は上がっているし、鼓膜に謎の圧がかかって変な耳鳴りがしている。
強烈に、らしくない。
少なくとも平静ではない。
きっとろくなことにならない。やめろ。冷静になれよ俺。だって――
阿部「……ありがとう」ペコリ
――だって……なんだっけか。
阿部さんの笑顔は、すべてがどうでも良くなる程……強烈だった。
144
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/23(火) 02:05:12 ID:dxx2Xn8I
――――
池田「ここだ」
阿部「……何ていうか、すごいですね」
そこにはゴミ屋敷と廃墟を足して2で割らない建築物が、奇跡的なバランスで建っていた。
入り口付近と思わしき場所には、今にも剥がれて落ちそうな看板がこれまたギリギリのバランスでぶら下がっている。
『天才ドクター・ナカマツの☆愛の診療所♪ 診療時間0:00〜0:00 年中無休♪ お代は体でも可♪』
池田「…………」
俺たちはこのエリアで唯一の診療所まで来ていた。
記憶喪失の訳有り人物、しかも女性とイレギュラー尽くしの彼女を匿ってもらえそうなのはココぐらいだったからだ。
……本当はここの『ドクター』が苦手で、気が進まなかったのだが……背に腹は変えられまい。
池田「ドク。ドク、いるか?」
阿部「……寝てしまっているのでは?」
池田「そりゃぁない。ドクは寝ないからな。……ドク!ドーークッ!」
ァァン……ットォ…ット…
池田「ん?奥か。邪魔するよ」
145
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/23(火) 02:15:24 ID:idULxK/.
/ ̄ ̄ ̄~ ̄\
/ ヽ
/ ッ〜ー〜zッノ〜-ィ|
|| ソ ||
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f Y f旬ヽ /f旬‖
|(|  ̄/ |ミ ̄‖
ヽ_ | |
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ハ|ヽ -==ァ /
/ | \ 二 /
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146
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/23(火) 23:20:37 ID:3/iK2o7U
――――
池田「ドク、ちょっと頼みたいことが」
パァン
「あァん!イイわァ!サイッコーよサイッコー!」
「悦んでんじゃねぇ!この豚が!」
池田「」
阿部「え……と?」
目の前には理解し難い光景が広がっていた。
異様に目が血走った男がベルトを鞭代わりに振るい、
ブラジャーとショーツを着け、ミミズ腫れだらけの尻を突き出した筋骨隆々の男が喘いでいる。
どうやらお楽しみ中だったらしい。
「ってあらァ?池田ちゃんじゃない!」
池田「……おう」
筋骨隆々の男は俺の姿を確認すると、ベッドの端にかかっていた白衣を軽く羽織ってこっちへ近づいてきた。
……ケツを左右に振りながら。
147
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/23(火) 23:45:35 ID:3/iK2o7U
「ヤダァ、来るなら来るって言ってよネ。こんなところ見られちゃって……恥ずかしいわもう///」
この2m近くある巨体をクネらせながら空中に『の』の字を書く男が――
天才外科医、Dr.ナガマツその人である。
池田「……その、なんだ。出直すわ」
「駄目よ!池田ちゃん滅多に来ないんだから。そーゆー訳であんたはお払い箱よっ」
「ええ!?先生そりゃないぜ!これからが盛り上がるって時に――」
「――続きはまた今度。ネ?」
「……つ、続きがあるなら……」
「次も刺激的なプレイを期待してるわネ♪」
「へっへっへ。もちろんでさぁ!じゃぁ先生また今度!」
バタンッ
池田「…………」
「さて池田ちゃん。まずは後ろにいるカワイコちゃんの紹介をして欲しいわネ」
池田「ああ。こいつは――」
阿部「私、阿部って言います。それ以外は忘れちゃったので、すいません」
148
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/24(水) 00:03:52 ID:BEZcFcOE
「あらァ、記憶喪失?大変ねぇ。あたしは天才ドクター・ナカマツ、TDNって呼んでネ♪」バチコォンッ
阿部「……TDN?」
TDN「『T』ensai 『D』octor 『N』akamatsu。だからTDN。どう?カッコカワイイでショ?」
池田「……毎回言ってるがよ。日本語と英語混ぜるなよややこしい」
TDN「そうかしら?漢字とカナ文字が入り混じってるのって、とっても日本人らしいと思うのだけれど」
池田「まぁそれは別にどうでもいい。ドク、頼みがあるんだ」
TDN「オッケェイ♪」
池田「内容聞かないのかよ」
TDN「そりゃぁ池田ちゃんの頼みですもの。それでお代は?別に貸しでもいいけど」
池田「……情報」
TDN「あらァ?エリア一の事情通に情報で取引?池田ちゃん大きく出たわねェ」
池田「で?」
TDN「いいわ。で、内容は?」
池田「こいつだ」グイッ
阿部「わっとっと……」
149
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/24(水) 02:55:00 ID:BEZcFcOE
TDN「どゆこと?阿部ちゃんが情報?」
池田「聞くよか早い。とりあえず触診してみろ」
TDN「ますます分からないわねェ。それじゃちょっと服を失礼して――」
フヨン
TDN「…………」
阿部「…………」
バッ
TDN「何コレ……豊胸……違う!ホルモン異常?」フニフニ
阿部「あ、く、くすぐったいです」
TDN「違うわ。そういうんじゃなくて……もっともっと根本的な……」
池田「下」
TDN「……嘘でしょ。まさか……!」サワッ
阿部「あっ、そっちもくすぐったいですからちょっと……」
TDN「……ない。ないってコトはつまりこのコは……」
池田「女だ。……こいつをしばらく預かって欲しい。それが頼みだ」
150
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/24(水) 03:20:50 ID:BEZcFcOE
――――
TDN「頭を中心に診たけど、目立った外傷はないわ」
池田「……そうか」
ケガをしてないなら喜ぶべき知らせだが、素直に喜べない。
TDN「記憶喪失の原因は強姦未遂による精神的ショックの線が濃厚ねェ……」
池田「そうなるよな……ん?未遂?」
TDN「未遂よ未遂。なによ、池田ちゃん気付かなかったの?」
池田「いや、服が破り捨てられてたもんだからてっきり……」
TDN「軽い肩の捻挫と膝の擦り傷以外どうもなってないわ。女性器や肛門にも傷一つなかったし」
池田「服だけ破ってそれで終わりって……でも、そうか。あいつ無事だったのか」
TDN「……池田ちゃん、女の子が好きって本当だったのね」
池田「あァ!?何でんな事ドクが知ってるんだよ!」
TDN「色々と知ってるのよ私は」
池田「……っせぇな。人の勝手だろうが。ってか今の話のどこで確認できたんだよ」
TDN「顔に出てるわ。心底ホッとしたって感じでネ」
151
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/24(水) 03:41:22 ID:BEZcFcOE
池田「……マジか?」
TDN「大マジよ」
池田「…………」
TDN「あーあー。池田ちゃんに襲ってもらおうと思ってたのに真性の変態だったとはねェ」
池田「お前が言うな。あと仮に俺が男が好きでも、あんたは天地神明に誓って襲わない」
TDN「ひっどォい!何それ!いくらあたしでも傷付くわよ!」
池田「だが信頼はしてる。阿部さんのこと、よろしく頼む」
TDN「……ずるいわァ。落として上げるとかもう……」
池田「後それとは別件で依頼したい事がある。こっちは後払いになっちまうが」
TDN「何かしら?」
池田「阿部さんを襲った奴の情報が欲しい」
TDN「……目的は?」
池田「因果応報……ってのを建前にして食料を根こそぎ奪い取る」
TDN「後払いってのはそーゆーことネ。いいわ、任せて。あたしイメージプレイは好きだけど、合意がない性行為大っ嫌いだから」
池田「重ね重ねすまん。恩に着るぜ」
152
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/24(水) 03:52:28 ID:BEZcFcOE
――――
池田「よ」
阿部「あ、池田さん」
池田「良かったじゃないか。個室なんてこの辺じゃありえない話だぜ」
阿部「えへへ、TDNさんがすごくいい方で良かったです」
池田「…………」ドキッ
阿部さんの笑顔を見るだけで動悸が激しくなる。
何なのだこれは。まただ。また興奮とは違う何かが胸の内に溜まっていく。
池田「……俺は仕事終わったら、ここに立ち寄るからさ」
また変な事を言い出さない内に退散することにした。
池田「……なるべく、外出とか避けてくれよ。また襲われでもしたら――」
阿部「池田さんは、何で私によくしてくれるんですか?」
池田「……は?」
阿部「初めて会った時から、その……」
池田「…………」
153
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/24(水) 04:01:49 ID:BEZcFcOE
池田「……ハイチュウ」
阿部「……はい?」
池田「ハイチュウだよハイチュウ!」
阿部「ハ、ハイチュウ……ですか?」
池田「阿部さん2個食っただろ?その2個はあげたんじゃなくて『貸し』だ」
阿部「ええー!?そうだったんですかー!」
池田「それをあんたから返して貰うまでは……いいツラ見せとくさ」
阿部「え……」
池田「ヘタに強気に迫って逃げられるよかマシだからな」
阿部「…………」
池田「だから逃げんなよ?」
阿部「……逃げませんよ」ムスッ
池田「……ならいい。じゃぁな」ガチャッ
阿部「はい!さよならです!」バタンッ
池田「……ッはぁ……」
154
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/24(水) 06:53:20 ID:TdHLQV3Q
凄ぇなぁ
あんなネタの数々で恋愛ドラマ然とした文章が書けるんだから
155
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/24(水) 19:51:35 ID:BEZcFcOE
――――
ガドドドドドドッ
池田「こんなもんか」
ガコン プシュー…
池田「……今日はやけに捗ったな」
「あ?池田もうノルマ終わったのか?」
池田「おう。何故かもう終わっちまった」
「……今日はアニキのいびりがなかったからじゃねぇのか」
池田「だな。てかアニキはどうしたんだ。朝から見かけないが」
「体調不良とかで休みらしいぜ。どっかで性病でも貰ったんじゃね?」
池田「ハハッ……だったら最高なんだがな。んじゃお先」
「うーい」
ガドドドドドドッ…
156
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/24(水) 19:56:06 ID:BEZcFcOE
――――
池田「掘削ノルマ完了しました」
兵士「……あ?はいはい認識番号と氏名」
池田「認識番号
>>1
。池田。名前はありません」
兵士「池田……池田と。ほい、それじゃ給料な。今日は袋入りの綿あめ……らしい」
池田「あの……ロシア兵の方はいらっしゃいますか?」
兵士「ロシア?あー俺の前任な。クビになった」
池田「……え」
兵士「何でも特定の作業員に給料割増してたんだと」
池田「…………」
兵士「バカだねぇ。折角楽な仕事にありつけたってのにさぁ」
池田「…………」グッ
兵士「ま、そのおかげで俺は働けるからロシア兵様様だな」
兵士「で、そのロシア兵がどうしたよ?」
池田「……いえ。別に何でもありません」
157
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/24(水) 20:21:24 ID:tgFPOsyI
ロシア兵さん……クソっ!良い人が虐げられる世の中なんて
158
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/24(水) 22:55:45 ID:BEZcFcOE
――――
池田「……よう」
阿部「あっ!池田さんっ……なんか知らないです私」フン
TDN「お疲れ様池田ちゃん。今日は随分早いのねェ」
池田「ノルマ終わったからさっさと上がってきた」
TDN「……情報ならまだないわよ」
池田「……そうか。阿部さんに何か変化は?」
TDN「……記憶が一部分は蘇ったみたいなんだけど」
池田「おお、進展あったのか」
阿部「……ミトコンドリア」
池田「ミト……何?」
阿部「……エントロピー」
池田「インポロピー?」
TDN「ミトコンドリアにエントロピーよ池田ちゃん」
池田「何だそりゃ……地名か?それにしたって聞いたこともないが」
159
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2013/04/24(水) 23:13:22 ID:BEZcFcOE
阿部「ミトコンドリアはこの地球上に存在する生物の細胞に含まれている細胞内構造物」
阿部「エントロピーは熱力学においては物体や熱の混合度合いを示し――」
阿部「情報学においては情報量のことを示す言葉です」
池田「…………」
TDN「阿部ちゃんてば博識!」
池田「スゲぇな。阿部さんは学者さんか何かだったのか」
阿部「さぁ……?」
池田「さ、さぁ?」
TDN「一部分ってそーゆーことなのよ。何で知ってるのかとかはもうぜーんぜんダメ」
池田「進展なしか……」
阿部「でも、すごく大事なことだった気がします」
池田「そのミト、ミトナントカとインポロピーがか?」
阿部「ミトコンドリアとエンポロピーです」
池田「ふぅん……それって科学とかの知識だよな」
阿部「ええ。私が学者だったかどうかはまるで確証は持てませんが」
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