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ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです
872
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 22:40:04 ID:BRHqwzuo0
――で、
>>15
の現実に戻る。
ξ゚⊿゚)ξ
全部に飽き飽きした人のためにAAも出す。
ξ゚⊿゚)ξ(……ちょっくら出掛けるかい)
迷ったが、私はトラウマ払拭を兼ねて決心した。
日本中が秋になろうとしているこの季節、私は渾身の赤マフラーを巻いて外に出た。
目的はコンビニの肉まんである。あれは値段以上に青春の味がするから不思議だ。
あんなものでしか青春を感じられない不感症で本当に親に申し訳ないと思う。
.
873
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 22:40:50 ID:BRHqwzuo0
さりとて私は歩き出した。
夜風が生脚をなぞり、体温をごっそり奪っていく。(ツンはスカートをはいているぞ)
しかし私は寒さに負けず勇猛に歩いた。
テクテクよりザッザッという擬音が合う歩き方をした。
顔付きは自然と険しくなっていった。
そう、この時点で私はなんとなく分かっていたのだ。
同じことをすれば、同じ場所で同じことが起きると。
……そして、現実は私の思ったとおりに、
ξ::⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ(……もう一人の、私?)
――思ったとおりには、ならなかった。
.
874
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 22:43:09 ID:BRHqwzuo0
ξ:::⊿゚)ξ
いくつか先の街路灯の下に、私とまったく同じ見た目の誰かが立っていた。
しかし『あれ』と私は根本的に違う。そういう確信が私の胸を貫いていた。
生きている世界が違う、力の差がありすぎる、お話にならない。
視界に入れてしまった時点でおしまいだった。
もう、なにかを考えることすら無意味な気がしてしまう。
ξ;゚⊿゚)ξ(……ヤバい) ジリッ
……全身に魔力を通し、ゼノグラシアを十割の力で即時呼び出す。
私の魔力、赤いオーラが夜に迸る。
(;メ._⊿)「……なんなのだ、あれは」
程なく兎めいた実体を得たゼノグラシアが私の傍らに立ち、私と同じ動揺を見せる。
なにせ相手は自分自身。更には正体不明で自分より強そうときている。
そんな意味不明な存在、全力を出したところで対処に困るのは必然だった。
――詰んだ、詰んだ、詰んだ、詰んだ。
ただその一言だけが思考を埋め尽くす。
……だとしても、『戦わない』だけはありえない。
それだけは魔王城ツンの意思が許さなかった。
ξ;゚⊿゚)ξ「何がなんだか分からないから呼んだのよ。
とにかくやるわよ。あとは生きて逃げ延びて、みんなと合流……!」
(;メ._⊿)「……心得た」
ξ;゚⊿゚)ξ「戦わない。逃げる、逃げ切る……!」
私達は一歩ずつ、確実に『あれ』から遠ざかっていった。
全力ゼノグラシアの能力は『可能性の同時実行』。
万全の状態で発動したこの能力が真正面から破られる事は絶対に、無い、はずだ。
ゲームで言えば『逃げる』と『戦う』を同時選択できるようなブッ壊れ能力。
たとえ無限の選択肢があろうと、その全てを同時選択できる『全選択』の能力。
だから、私のゼノグラシアは絶対に無敵なのだ。
たとえ相手が自分だろうと、なんだろうと、絶対に大丈夫だから――
.
875
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 22:47:13 ID:BRHqwzuo0
「――笑わせる。まったくもって『ノン・パーフェクト』だ」
ξ;゚⊿゚)ξ「――誰ッ!?」 バッ!!
どこかから声だけが聞こえた。
私の狼狽を嘲笑うような口振りに気を取られ、思わず私は『あれ』から目を離してしまった。
ξ:::⊿゚)ξ「『Xenoglossia』」
瞬間、『あれ』は私と同じ能力名を口にした。
しかしやっぱり何かが違う。
気配は僅かに似ているけれど、『あれ』には何かが混ざって――
ξ;゚⊿゚)ξ「――ゼノグラシア!!」
(;メ._⊿)「分かっている!!」 ダッ
急げ、思考を巡らせている余裕は無い。
ゼノグラシアは私の言葉を待たずに動き出しており、『あれ』が動く前に決着をつけにいった。
『可能性の同時実行』とは『無限』そのものを相手に押し付けるような行為。
私達が行動に移った時点で発生する無限の分岐――その全てを一瞬に凝縮して攻撃する規格外。
それは同時に私の逃走経路すらも試行し、『絶対に生き残るためのルート選択』を完璧な形で実行する。
この能力を破る方法なんてありはしない。
もしそんなものがあるとすれば、それは――
.
876
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 22:48:34 ID:BRHqwzuo0
――――カクン、と力が抜けた。
ξ゚⊿゚)ξ
私は抗う間もなく膝から崩れ落ちる。
私は咄嗟に眼下を一瞥する。
視線の先には血飛沫にまみれた地面。
しかし、なにか、おかしい。
.
877
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 22:49:36 ID:BRHqwzuo0
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ「……ここ、は……?」
私は周囲を見渡し、言葉を失った。
今、なぜか私は立体駐車場に居た。
たぶん
>>573
辺りのイオンだと思う。
ξ;゚⊿゚)ξ「なに、何が起こって……!」
空の模様は夕方頃。
さっきまで夜だったはずだ。
住宅街に居たはずだ。
なのに、時間と場所が噛み合わない。
それはもう、私の世界そのものを取っ替えられたような――
.
878
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 22:51:01 ID:BRHqwzuo0
ξ;゚⊿゚)ξ「……これは……」
さっき、私の膝をなにかが貫いた。
激痛はそれを自覚した直後にやってきた。
ξ; ⊿<)ξ「――い゙ッ!!」
すっかり気が抜けていた、甘かった。
本気で私を仕留めるつもりなら、敵が一人で来る訳がないのに――
ξ; ⊿゚)ξ(……完全に油断した……ッ!)
――違う、これは私の思考ではない。
少なくとも『今の私』はこんな事を考えていない。
ξ; ⊿ )ξ
なにかされている。私は『あれ』の攻撃を受けている。
さっきまでギコと戦っていた気がするけど絶対に違う。
そこまでは分かる。なのに、なのに――
ξ; ⊿ )ξ(この『攻撃』がなんなのか、少しも理解できない……!)
理解を遠ざけられている。
私を置いて世界が展開する。
白紙が広がり続けている。
(´・_ゝ・`)「お前が思ってる以上にこの世はオープンワールドなのよ」
誰だ今の。
.
879
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 22:51:44 ID:BRHqwzuo0
ξ; ⊿゚)ξ「……」
(メ._⊿)「……大丈夫か?」
咄嗟にゼノグラシア・ウサたんモードを召喚し、私はぺたんと座り込んで体勢を維持した。
もはや傷を見返す必要もない。私は三月兎の背後に隠れ、彼に命令を下した。
ξ;゚⊿゚)ξ「……私達は今、どこで何と戦ってる?」
(メ._⊿)「……王座の九人、ギコとの戦いを終えた。
そして今は闇討ちを仕掛けられ、キミは足を撃ち抜かれた」
この一瞬、どの判断が遅れても私は確実に命を落としていた。
最悪の敵――そうだ、これが敵なのだ。
これに比べればギコとの戦いはまさに王道だった。
ξ;゚⊿゚)ξ(……いや、そんな奴だから囮にされたのね……)
ξ; ⊿゚)ξ
――という、私ではない私の思考が脳を埋める。
気持ち悪い感覚だった。乖離している、私自身のなにかが乖離している。
私は今、私自身がどこで何をしているのか理解できなかった。
これはどこのシーンで、どこの描写で、どこのルートの物語なのか?
私は思い出せなかった。それこそが物語の終末だった。
.
880
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 22:52:33 ID:BRHqwzuo0
「確か、こんな名前だったな」
またしても、声が聞こえた。余裕をブッこいている男の声。
間違いなくこの声が敵だ。
ξ;゚⊿゚)ξ「……来る」
今度は声だけではない、足音も聞こえてくる。
私はその足音の方を見て、そして――
( ^ω^)
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ、……?」
――そこに、内藤ホライゾンの姿を見つけてしまった。
.
881
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 22:54:45 ID:BRHqwzuo0
( ^ω^)「シン、ゼノグラシア、ガルシオンレクイエム」
( ^ω^)「いつかのバッドエンドに偶発した力。
そして、お前がいつか至る筈だった極致の断片」
( ^ω^)「攻略には随分と手こずったが……」
敵は、内藤ホライゾンの顔をひどく歪めて笑顔を作った。
( ^ω^)「……『補完』すればこのとおり、『パーフェクト』だ」
ξ;゚⊿゚)ξ(……違う。ブーンと同じ見た目だけど、あれは絶対に中身が違う……!)
もう頭がグチャグチャになりそうだった。
ブーンみたいなヤツの隣には私と同じ姿の『あれ』も居る。
シンゼノグラシア、ガル…ガルなんとか。
とにかく私のゼノなんとかの色違いっぽいのも後ろに控えている。
ξ; ⊿゚)ξ「……ぁ……」
胸が締めつけられる感覚、自分の詰みを読み切ってしまった感覚。
手遅れ、手遅れ、手遅れ……『これ』とは戦いようがない。
絶望的な言葉が私を埋め尽くしていく。また、なにかされたようだ。
.
882
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 22:55:44 ID:BRHqwzuo0
ξ;゚⊿゚)ξ
ξ; ⊿゚)ξ
ξ: ⊿ )ξ「…………」
.
883
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 22:58:59 ID:BRHqwzuo0
ξ; ⊿ )ξ「……もう、いい」
(;メ._⊿)「なッ――」
……私は、魔力を絶ってゼノグラシアを消した。
私にはもう『可能性』が無い。戦ったとして勝てるわけがない。
永遠に放置された物語のように、私にはもう、前進する為の力が湧いてこなかった。
もう続けることができない。
ただそれだけの絶対的な、そして無責任な感覚が、私をちょっと楽にする。
( ^ω^)「……これも、真実には到達していないか」
( ^ω^)「あとはパーフェクトにやっておけ、パーフェクト・魔王城ツン」
ξ:::⊿゚)ξ
音も、衝撃も、なにもなく。
私はただ無に還るように、次の瞬間、すべてを失っていた。
【IntervEnd:out】
.
884
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 23:02:41 ID:BRHqwzuo0
× × × ◯ - - - -
.
885
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 23:03:21 ID:BRHqwzuo0
【リザルト:?周目】
.
886
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 23:04:32 ID:BRHqwzuo0
<<業務連絡:完璧な世界が創造されています。>>
.
887
:
名も無きAAのようです
:2020/10/04(日) 23:10:34 ID:BRHqwzuo0
以上です
続きはファイナル板でやります
1周目
>>2-26
>>39-61
>>74-87
>>101-135
>>176-213
>>223-229
>>280-295
>>368-374
2周目
>>389-414
>>519-553
>>559-592
>>622-648
>>651-654
>>669-681
>>718
3周目
>>728-733
>>742-761
>>768-803
>>819-856
>>857-886
(今回)
関連スレ:ξ゚⊿゚)ξパーフェクトAAが生まれるようです
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/21864/1503381514/l50
888
:
名も無きAAのようです
:2020/10/05(月) 20:51:40 ID:KlwUPZUs0
乙
889
:
名も無きAAのようです
:2020/10/06(火) 00:29:44 ID:rbW//64Y0
今゛気゛付゛い゛た゛乙゛
890
:
名も無きAAのようです
:2020/10/06(火) 09:25:42 ID:9DkRP7vI0
来てたあああああああ
891
:
名も無きAAのようです
:2020/10/06(火) 22:11:46 ID:1XatfL1k0
なんかもうよくわからんけどがんば
892
:
名も無きAAのようです
:2020/10/14(水) 20:16:20 ID:x8gwT5/c0
次スレ
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1602664126/
893
:
名も無きAAのようです
:2020/10/28(水) 11:37:31 ID:lZxRXz/.0
き、きてただと...
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