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ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです
1
:
名も無きAAのようです
:2015/10/10(土) 05:03:05 ID:cQB6.m2k0
,、,,..._
ノ ・ ヽ
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
,i :::::: `ー-、
| :::: i
! :::::.. ノ
`ー――――― '"
353
:
名も無きAAのようです
:2015/12/03(木) 21:50:43 ID:Ip8umvoQ0
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
,、,,..._
ノ ・ ヽ と思うバターサンドであった また次回
/ ::::: i
/ ::::: ゙、 fateであった 二次創作であった
,i :::::: `ー-、
| :::: i
! :::::.. ノ
`ー――――― '"
354
:
名も無きAAのようです
:2015/12/03(木) 22:09:24 ID:OU1/Ee9A0
紛うことなきfateだった
乙
355
:
名も無きAAのようです
:2015/12/03(木) 22:12:03 ID:YRuf3wrg0
乙
fateわからないです
356
:
名も無きAAのようです
:2015/12/03(木) 22:12:24 ID:otxL.ejQ0
ふぇいと分からないから普通にかっこいいと思いましたまる
357
:
名も無きAAのようです
:2015/12/03(木) 22:35:32 ID:Zhqd36nQ0
fate見てみようと思いましたまる
358
:
名も無きAAのようです
:2015/12/03(木) 23:19:59 ID:KWY6xELs0
MHXでもやってんのかと心配したわ
359
:
名も無きAAのようです
:2015/12/03(木) 23:43:07 ID:41zDWU/M0
乙
fateかな?とおもったらfateだった
サブレかな?とおもったらひよこだった
しかし面白い
360
:
名も無きAAのようです
:2015/12/04(金) 00:57:17 ID:p90Irzew0
フェイトは文学でしたっけはてな
361
:
名も無きAAのようです
:2015/12/04(金) 02:29:11 ID:qUbTkf4U0
>>356
おまおれ
362
:
名も無きAAのようです
:2015/12/04(金) 02:48:16 ID:VKzDDJgoO
ブーンはリタイアか…
乙
363
:
名も無きAAのようです
:2015/12/04(金) 08:25:23 ID:AgiHtwRI0
fate分からんがくっっっそかっけえ
364
:
名も無きAAのようです
:2015/12/04(金) 09:50:26 ID:LMAfkviI0
fateわからない方が楽しめると思う
365
:
名も無きAAのようです
:2015/12/04(金) 19:50:29 ID:cF/cwxvU0
どうみてもfateだがもともとfateがおもろいから関係なし
366
:
名も無きAAのようです
:2015/12/05(土) 12:54:21 ID:X2o5JwaA0
おい作者とりあえず約束の年末だぞ
367
:
名も無きAAのようです
:2015/12/05(土) 15:32:44 ID:dSE5Wsdk0
年始がまだある
落ち着くんだ
368
:
◆9mGdTa8gSo
:2015/12/26(土) 00:29:20 ID:Hzh2RXDs0
【prologue:二週目、冬の夜】
――冷えきった夜を歩く小さな足音。
ξ;゚⊿゚)ξ「あ゙ーさぶ。はよ帰って寝よ……」 テクテクテクテクテクテクテクテクテクテク
赤マフラーを巻いた少女・魔王城ツンは暇に堪えかねて散歩に出掛けていた。
冬の夜中は人気もなく、灯りも街路灯が点々とあるばかりだ。
そんな中を歩いて数分。
コンビニで買った肉まんも食べ終え、ツンは身を震わせながら自宅に帰っていく。
徒歩の擬音がしつこいくらい多いのも全ては冬の寒さが原因だった。
ξ゚⊿゚)ξ「……」
しかしふと、彼女は足を止めて遠くに目を凝らした。
ζ(゚ー゚*ζ
いくつか先の街路灯の下には返り血を浴びた女性。
そして、彼女の足元には満身創痍の男が一人。
( ・□・)くそお やられるもんか!
その男は、世界観が違った。
.
369
:
名も無きAAのようです
:2015/12/26(土) 00:30:06 ID:Hzh2RXDs0
ξ゚⊿゚)ξ「……なんだか分かんないけど」
ξ゚⊿゚)ξ「見過ごしてたら魔王の恥よね」
ツンはマフラーを緩め、穏やかな呼吸を繰り返した。
白い吐息が風になびいて夜にとけていく。
そして、彼女の周囲に不自然な風が流れ始めた。
Σζ(゚ー゚;*ζ「――ッ!」ビクッ!!
魔王城ツンの変容に気付いた女は、咄嗟に振り返ってツンを凝視した。
そうして目に映ったのは、魔力が彩る真紅の気配(オーラ)。
ζ(゚ー゚;*ζ「……やらかした」
魔王の血筋にある少女――魔王城ツンの圧倒的な存在感が、一瞬にして女を釘付けにする。
ξ゚⊿゚)ξ「……仕事は分かるわね」
(::::::::::::)「…………無論ダ」
ツンの言葉を受け止めた『それ』は、闇の中から静かに滲み出てきてそう言った。
『それ』は実体を持たず、地面から少し浮いてツンの傍らに佇む。
.
370
:
名も無きAAのようです
:2015/12/26(土) 00:30:48 ID:Hzh2RXDs0
ζ(゚ー゚;*ζ「まったく、変なのに気を取られたせいでッ……!」
( ・□・)なんだあれ!?わからない!
ξ-⊿-)ξ「今度のはずいぶん目立つ刺客ね。
いよいよ勇者も手駒が尽きてきたかしら」
小さい頃から魔王としての強さを自覚していた彼女は、
自滅しかねない程の膨大な魔力に形を与えて出力する術を身に着けていた。
習得には多大な時間を要したが、今度のツンにはその為の時間が十分にあった。
『一週目から引き継いだ強さ』は、確かに『今のツン』に備わっていた。
ξ゚⊿゚)ξ「さっさと倒して帰るわよ、“ゼノグラシア”」
(::::::::⊿)「……」
光のもとに現れてなお全身を影に覆われた『それ』の名はゼノグラシア。
彼の鋭い一瞥が、闇に光る。
( ・□・)すげー!
.
371
:
名も無きAAのようです
:2015/12/26(土) 00:31:30 ID:Hzh2RXDs0
こうして――――
前回と今回をつなぐ説明は後の展開に丸投げされ――
ツンちゃん夜を往くは、二週目の世界に突入するのであった――
.
372
:
名も無きAAのようです
:2015/12/26(土) 00:32:10 ID:Hzh2RXDs0
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
,、,,..._
ノ ・ ヽ と思うサンタクロースであった また来年
/ ::::: i
/ ::::: ゙、 クリスマスのせいで説明をすべて省きましたが、
,i :::::: `ー-、 このスレはラスボスを倒すまで強くてニューゲームを繰り返します
| :::: i 省いた部分はその辺りの説明をしてましたという説明でした
! :::::.. ノ
`ー――――― '"
373
:
名も無きAAのようです
:2015/12/26(土) 00:33:27 ID:Hzh2RXDs0
☆ステータス更新☆
≪ ξ゚⊿゚)ξ / 能力無し→“ゼノグラシア” ≫
【本体名】 魔王城ツン
【タイプ】 アホ→やる時はやるアホ(アホ)
【基本能力】 ※二週目開始時の能力
[破壊力:A] [スピード:A] [射程距離:B]
[持続力:A] [精密動作性:A] [成長性:A]
【概要】
一週目の最後の戦い(全カット)において魔王の力を解放したツンちゃん。
その強さを引き継いだ結果、彼女はスタンド能力らしきスタンド能力を得た。
戦闘能力は魔王の名に相応しいほど凄い。
“ゼノグラシア”に実体はなく、常に影のようなアレになっている。
ツンちゃんの赤マフラーとオーラでやんわり繋がっている。
ツンちゃんが本気になると実体を得る。その時はツンちゃんっぽい見た目になる。
374
:
名も無きAAのようです
:2015/12/26(土) 00:34:22 ID:Hzh2RXDs0
☆ボスキャラ一覧☆
≪爪'ー`) / ??? ≫
【本体名】 フォックス
【傾向と対策】
『Aルート・王座の九人編』のラスボス。ブーンが自滅覚悟でようやく互角に戦える相手。
序盤に出てくるため、本気ブーン以外にはまったく対処できない。
今のままだと毎回確実にブーンが死ぬので何とかしよう。ロマネスクをぶつけると死ぬ。
≪??? / ??? ≫
【本体名】 ???
【傾向と対策】
未登場。しかしフォックスを無事倒したところで登場はしない。
ツンちゃん達がフォックスを連れて魔界に帰ると 『Bルート・未完の勇者編』 に突入し、このボスが登場する。
その際には素直四天王が輝く。ボス初登場までにブーンを強くしておくと、とてもよい。
≪??? / ??? ≫
【本体名】 ???
【傾向と対策】
未登場その2。『ツンちゃん夜を往く』における最大のラスボスであり、倒すと完結。
『未完の勇者編』の山場でツンちゃんが間違いを犯すと、『Cルート・夜明けの鎮魂歌(レクイエム)編』に突入する。
突入までに王座の九人を一人でも殺しているとバッドエンドが確定する。
375
:
名も無きAAのようです
:2015/12/26(土) 00:35:30 ID:Hzh2RXDs0
,、,,..._
ノ ・ ヽ おやすみプンプンです
/ ::::: i
/ ::::: ゙、 今後の展開はこういう事になりました
,i :::::: `ー-、 マルチエンディングなので、いつか確実に逃亡します
| :::: i Cルート完結まで書ければ上等ですが、逃亡の際はお知らせします
! :::::.. ノ
`ー――――― '" また次回 おそらく2月になります
376
:
名も無きAAのようです
:2015/12/26(土) 00:36:18 ID:JlJ7AX9.0
まさかの周回ゲーだった
377
:
名も無きAAのようです
:2015/12/26(土) 00:36:59 ID:JlJ7AX9.0
乙
378
:
名も無きAAのようです
:2015/12/26(土) 00:39:55 ID:leEVBYhk0
なん・・・だと・・・
379
:
名も無きAAのようです
:2015/12/26(土) 10:43:28 ID:RyTRjhwk0
この設定を年内に畳んで完結させるつもりだったというのか…!
380
:
名も無きAAのようです
:2015/12/27(日) 02:00:15 ID:IEOkrYNM0
ただのコメディと思ってたけど予想以上にすごい展開になってきた
381
:
名も無きAAのようです
:2015/12/28(月) 01:24:14 ID:p6vMnKhY0
難しくなってきたからもうついていけん
382
:
名も無きAAのようです
:2015/12/29(火) 11:36:30 ID:GKyPyh6g0
いや、これは絶対に読み切りたい
頑張ってくださいお願いします
383
:
名も無きAAのようです
:2015/12/29(火) 14:01:19 ID:I/g/lKYE0
これでついていけないってのは流石に……
384
:
名も無きAAのようです
:2016/01/02(土) 08:19:05 ID:JbvaJml60
まさかの展開に期待が膨れ上がってる
逃亡とか悲しくなるだろ…支援支援
385
:
名も無きAAのようです
:2016/01/18(月) 22:50:28 ID:YZ/lsgRM0
熱過ぎるだろ、続きが見たい。
386
:
名も無きAAのようです
:2016/03/01(火) 15:01:17 ID:KhAdyT1E0
,、,,..._
ノ ・ ヽ 信玄餅です
/ ::::: i 2月30日がない事に昨日気付きました
/ ::::: ゙、 週末には投下するNE(^ω^)
387
:
名も無きAAのようです
:2016/03/01(火) 15:09:08 ID:hBjciW3.0
やったぜ
388
:
名も無きAAのようです
:2016/03/01(火) 15:09:40 ID:.GMprELI0
成し遂げたぜ
389
:
◆9mGdTa8gSo
:2016/03/05(土) 07:03:41 ID:/Ny0Anw.0
【interlude:1】
――――血潮は正義の名の下に。
みたいな、そんな感じのカッコイイやつ――――
ξ´⊿`)ξ ングォーー
ああ、なんか、すごいカッコイイ夢を見てる――
なのにめっちゃ眠い――うわすごい眠い――――――
【interlude:out】
390
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:06:42 ID:/Ny0Anw.0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
⊂( ^ω^)「ツーーーーーーン!」ダダダダダ!!
三 ( と)
三/ >
( ^ω^)「朝だおーーーー起きてーーーカンカンカン!」
ξ-⊿-)ξ「ぐぅ、ぐぅ……」
( ^ω^)「起きてーーーーーー」
ξ-⊿-)ξ「すや……」
( ^ω^)「起きてってばーーーーーーうわーーーーー」
ξ-⊿-)ξ
ξ#-⊿-)ξ ブチッ
.
391
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:07:31 ID:/Ny0Anw.0
大小なりに事件はあるが、とにかく世界は平和だった。
知らない所でなにかは起こっているけれど、私の周りはすごく平和。
いちおう魔王城家の娘という立場がある以上、少しは慌しいけれど……。
('A`)「うぃーす。朝から元気だな」
(#)^ω^)「おっおっ。今日はほっぺた叩かれたお」
ξ#゚⊿゚)ξ「この起こし方続けるなら、いつか絶対チンコ蹴る」
(^ω^)「わーおうふふ」
私は今日も学校に行く。
市立VIP高校で、すごく平和な日常を送るために――
.
392
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:08:11 ID:/Ny0Anw.0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです
王座の九人編
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
393
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:09:39 ID:/Ny0Anw.0
他愛ない会話が大体二十分くらい続くと、私達はVIP高校に到着していた。
部活動やらなんやらがどうこうしているのを横目に、私達はさっさと校舎内に足を踏み入れる。
下駄箱の前で靴を履き替えていると、ドクオが改まって話し始めた。
('A`)「そういやツン、お前また襲撃されたんだってな」
ξ゚⊿゚)ξ「昨日のこと? べつに大丈夫だったわよ」
('A`)「まあそうだろうけどさ、とりあえず貞子さんには見てもらっとけよな。
盗聴器とかはお前じゃ見落とすだろ」
ξ゚⊿゚)ξ「それも昨日の内にやった。心配しすぎよ」
( ^ω^)「ツンはアホだから仕方ないお!」
('A`)「お前がつえーのは分かるが、油断してたらバッサリやられんだからな……」
ドクオは鬱々とした表情と口振りで、嫌味ったらしく呟く。
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ、アンタまだ護衛外されたの気にしてるの?」
( 'A`)「……そんなんじゃねえよ」
私とドクオの出会いは小学生の頃だった。
最初は主人とその護衛という関係だったが、私は成長と共にどんどん強くなってしまい、
中学に入る頃にはドクオは特に必要のない存在になってしまったのだ。
本当ならその時点でドクオはお役御免。
魔界に帰らされる筈だったが、そこは私の発言力でなんとかしている――という話は、彼には秘密だ。
しかし、そのせいでドクオの性格がちょっと暗くなってしまったのは少し罪悪感がある。
ξ゚⊿゚)ξ(まあ元々暗いから、ぜんぜん罪悪感ないけどね!)
( 'A`)「おら、二人ともどうせ宿題やってねえんだろ。
写したいんなら急ごうぜ。時間ねえぞ」
(; ^ω^)「おッ!? 宿題!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あったの!?」
(;'A`)「そっからかよ……」
.
394
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:13:34 ID:/Ny0Anw.0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今日の分の宿題を書き写し終える頃には、既にホームルームが始まる寸前であった。
( ´∀`)「おはようモナ〜〜〜〜」ガラガラ
ふにゃけた挨拶と同時に教室の扉が開く。
モナー先生は早速教壇に立つと、教室内をぐるっと見回してから言った。
( ´∀`)「欠席ゼロ。いいことだモナ」
( ´∀`)「今日はなんと転校生が来てるモナ! しかも4人!」
( ´∀`)「四人とも、入ってきてほしいモナ!」
ξ*゚⊿゚)ξ「エミリオ・カスティーヨ来るかしら!?」
('A`)「来ないと思う」
( ^ω^)「来ないお」
ξ゚⊿゚)ξ
私は机に突っ伏して寝た。このまま下校まで起きない所存だった。
.
395
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:14:14 ID:/Ny0Anw.0
川 ゚ -゚)「第一刺客ノ高校から来ました。素直クールです」
ノパ⊿゚)「第二刺客ノ高校から来ました。素直ヒートです」
lw´‐ _‐ノv「第三刺客ノ高校から来ました。素直シュールです」
o川*゚ー゚)o「第四刺客ノ高校から来ました。素直キュートです」
( ^ω^)「ドクオ」
('A`)「うーん明らかに刺客だなあ」
( ^ω^)「どうするお」
('A`)「放置で。ミセリさんに言っとけば始末してくれんだろ」
( ^ω^)b 「オッケーだお」
川 ゚ -゚)(ククク……予想通り、あいつらは我々の正体に気付いていない……)
川 ゚ -゚)(まさかこんな堂々と刺客が来る訳がない。その裏を突いたのさ……)
('A`)(さっさとミセリさんにメールしとくか)
川 ゚ -゚)(フハハ、今夜は焼肉だぞ妹達よ)
この作戦が裏どころか表すら突けてないアホ作戦だと彼女達が気付くのは、もう少し後のことだった。
.
396
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:16:16 ID:/Ny0Anw.0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
――放課後。
ξ´⊿`)ξ スピーピュルルルピー
('A`)「おいツン、起きろ。おい」
( ^ω^)「カァーッ! これだからドクオは! まったく!
僕に任せるお! ツン起こしはこうやるんだお!」
⊂( ^ω^)「起きてーーーーツーーーーーン!」ダダダダダ!!
三 ( と)
三/ >
( ^ω^)「ツンツツンツーーーーンうわーーーーーー」
( ^ω^)「ツンちゃ♪ ツンちゃ♪ ツンちゃ♪」
( ^ω^)「ねぇ起きてよーーーーーーーー」
( ^ω^)「はやく起きッ」 ゴチュッ
ξ#-⊿-)ξ「……一日に二度もやるな」
( ゚ω゚)
私の拳は、この怒りに導かれてブーンの股間を強打していた。
柔らかい感触が手に触れ、そしてぐにゃあと変形する。
男にはこれが痛い。私は手を引き、大きく背伸びをして見せた。
397
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:17:04 ID:/Ny0Anw.0
ξ´⊿`)ξ「〜〜〜〜っと。あーよく寝た。いま何時?」
('A`)「六時だ。もう帰ろうぜ」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ私、昨日のことでハインさんに呼ばれてるの。
だからブーンの家に寄っていくけど、ドクオも来る?」
( 'A`)「……いや、俺は聞く必要がないしな。遠慮しとく」
ξ゚⊿゚)ξ「別にいいのに。ねえブーン?」
( ^ω^)「金タマめっちゃ痛いNE!」
('A`)「……それじゃあ先に帰るわ。また明日な」
ドクオはさっさと荷物を片付け、私達を置いて教室を出て行ってしまった。
彼はやはり、護衛を外された時から私と距離を置いているような気がする。
必要以上の馴れ合いを拒んでいるような……少なくとも、友人という立場は居心地が悪そうだった。
彼はあくまで護衛という仕事上の付き合いを求めているのだ。
なのにこうして友人らしく振舞っているのは、ドクオの優しさかただの義務感か……。
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「金タマめっちゃ痛いお!」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、私達も行きましょうか」
( ^ω^)「よっしゃ帰るお!」
私達は学校を出て、ブーンの家に向かった。
.
398
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:18:54 ID:/Ny0Anw.0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ブーンの家はそこそこ大きい屋敷だ。
私の家を基準にすると三倍くらいある。
庭が広い。小さい池もある。かつて池に乾燥シイタケを入れて怒られた事がある。
( ^ω^)「じっちゃーーん!! ただいまだお!!」
从 ゚∀从「おうおかえり。ツンちゃんも一緒かい」
ξ゚⊿゚)ξ「ウィス。お邪魔します」
ブーンの義理の祖父・ハインさんは異様に若々しく、そしてイケメンだった。
今でも60人くらいは愛人が居そうな雰囲気がある。
彼の名前はハインリッヒ=リヴァイヴネイカー。
ハインリッヒ以降の部分は嘘だがすごく似合う。本当はハインリッヒ高岡という名前である。
性別は男。ブーンとは比べものにならないほど、男らしいフェロモンめいたものが漂っている。
从 ゚∀从「とりあえずあがんな。茶も用意したからよ」
ξ゚⊿゚)ξ「ウィス」
私達はハインさんの後に続き、彼の私室に移動した。
.
399
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:19:34 ID:/Ny0Anw.0
从 ゚∀从「よっ、こらせっと」
ハインさんは座布団に腰を下ろし、私とブーンにお茶を出してくれた。
私がそれに口をつけようとすると、ハインさんは早速昨日の一件について話し始めた。
从 ゚∀从「始末はつけた。案の定、勇者軍の残党だったぜ。
まだ尋問が終わってねえから別室に居るが、明日には魔界送りだ」
ξ゚⊿゚)ξ「……尋問って、別に聞くことなくない?」
从;゚∀从「いやいや。ツンちゃんよ、あるだろうが」
ξ゚⊿゚)ξ「分かんない」
从;゚∀从「あの女、デレって名前なんだが……。
あいつが狙ってた男。そいつの情報だよ」
ξ゚⊿゚)ξ「……そんなん居たっけ」
从 ゚∀从「助けた相手くらい覚えといてやれ。
しゃーねえ、ちっと呼んで来るから待ってろ」
( ^ω^)「お菓子の追加も頼むお!」サクサクサクサクサクサク
从;゚∀从「おめえは食いすぎだ! お菓子はそれで最後!」
( ^ω^)「市政の圧迫を感じるお」
.
400
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:20:27 ID:/Ny0Anw.0
从 ゚∀从「というわけで連れてきた」
( ・□・)おっす
(; ゚ω゚)「おととととお父さん!?」
( ・□・)久し振りだな 息子よ!
从 ゚∀从「勇者軍に捕まってたが逃げてきたらしい。
やったなブーン。これで隠し事はなくなるぜ」
( ;ω;)「やったおーん! 嬉しいおーん!」
ξ゚⊿゚)ξ「なるほどスピーディな展開ね」
〜〜
('(゚∀゚∩「解説のなおるよだよ!」
('(゚∀゚∩「冒頭でデレちゃんが殺そうとしてたのは実はブーンちゃんのパパだったんだね!」
('(゚∀゚∩「でもツンちゃんが強くなっていたのでブーンパパは生存!
これで一週目にあったようなブーン達の行動はなくなったよ! やったね!」
('(゚∀゚∩「今後も大きな変化があったらちょくちょく解説していくんだよ!」
〜〜
.
401
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:21:09 ID:/Ny0Anw.0
( ;ω;)「おおおお〜〜ん!」
( ・□・)おお息子よ、大きくなって 下ネタじゃないけど
ξ゚⊿゚)ξ「……で、このアホっぽい人は何なの?」
从 ゚∀从「先代勇者だ。ブーンの親父さんでもある」
ξ;゚⊿゚)ξ「……勇者? いや、でも勇者は……」
この世界でかつて起きた正義と悪の大戦争(
>>13-14
)――その一時代前。
本物の勇者と、最後の魔王が命をかけて戦った最終決戦。
その戦いで魔王に致命傷を負わせ、あまつさえ魔王に「真の勇者」とまで言わしめた男。
( ・□・)
それがこの男、らしい。
既に死んだものとされていたが、どっこい目の前で生きている。
ξ;゚⊿゚)ξ「どどどどーいうこっちゃ!?」
从 ゚∀从「……ま、事情ありだ。ブーン、たっぷり甘えとけよ」
.
402
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:22:01 ID:/Ny0Anw.0
( ;ω;)「おぉ〜ん! 会いたかったお〜」ギュウウ
( ・□・)パパもだよ でもごめんな もう時間切れみたいだ
自分に抱きつくブーンを優しくなだめるブーンパパ。
だがそれも束の間、ブーンパパの体は徐々に透け始めていった。
从 ゚∀从「……本人は未だ敵の本陣。その体は複製されたものだそうだ。
内藤さんが首尾良く脱出させたはいいが、それも限界……」
( ;ω;)「おっおっ……嫌だお〜……」
( ・□・)ブーン、学校は楽しいかい
( ;ω;)「楽しいお……今日は金玉殴られたお……」
( ・□・)金玉はともかく、それはよかった 友達を大事にするんだぞ
( ・□・)ハインリッヒに聞いたぞ 随分無茶をしているようだが、それも止めなさい
( ・□・)勇者軍、そしてその後ろに控える組織は手強い
信じられる仲間と一緒でなければ、お前は確実に人として壊れてしまう
( ;ω;)「おーん……おーん……」
父親の胸ですすり泣くブーン。泣きながらも、父の言葉の一つ一つに深く頷く。
人として壊れる・・・ブーンの戦いは、それすら覚悟したものだったのだろう。
ξ;゚⊿゚)ξ
私もさすがに沈黙し、彼らのやり取りをじっと見つめていた。
するとふと、ブーンパパの目が私の方を向いた。
.
403
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:22:41 ID:/Ny0Anw.0
( ・□・)そうか、君が魔王スカルチノフの孫娘か
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ・□・)・・・まだまだ伸び白があるようだ 頑張るんだよ
( ・□・)ブーンの事もよろしく頼む
意地っ張りで無茶をする子だから、君が止めてやってくれ
( ・□・)
( ・□・)ところで二人はもうセック
そこでブーンパパは完全に消え去ってしまった。
ありがとうブーンパパ・・・さようなら・・・
( ;ω;)「ぐす……また今度だお、お父さん……」
从 ゚∀从「……内藤さんから敵の事情は聞いておいた。
それとデレから聞き出した分も合わせて色々話がある。
ブーン、ツンちゃん。しばらく忙しくなるぜ」
ξ゚⊿゚)ξ「……なにか分かったの?」
ハインさんは思わせぶりな言葉の後、表情を改め、はっきりと言い放った。
从 ゚∀从「勇者軍のアジトが分かった。
そう遠くない内に、こっちから攻め込む事になるだろうな」
.
404
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:23:45 ID:/Ny0Anw.0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
九つの席が用意された円卓。
そこに集まったのは七人。空席は二つ。
暗闇の中、唯一照らされたその場所で、『王座の九人』は沈黙を保っていた。
( ・∀・)「モルモットが逃げ出したそうだな、アサピー」
円卓に肘を突き、さも不機嫌そうな顔で沈黙を破った男。
モララーはその一言を、研究開発局の局長・アサピーに向けていた。
(;-@∀@)「ぐぬ、ぐぬぬぬ……」
( ・∀・)「抹殺に差し向けた部下も失った。優秀な人材だったのにな、あー残念だ」
(;-@∀@)「う、うるせー! ここの誰かが行ってりゃ問題無かったんだよ!
なのにお前ら俺からの連絡無視しやがって!」
(;-@∀@)「お前らそんなに俺がキライか!?」
( ・∀・)「嫌いだ」
(,,゚Д゚)「大嫌い」
J( 'ー`)し「死んでちょうだい」
( ´_ゝ`)「ドロースタンまで」
(´<_` )「通します」
(-@∀@)「グゲゲーーーーー(血反吐を吐いて死亡)」
.
405
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:24:25 ID:/Ny0Anw.0
爪'ー`)「ふふ、仲睦まじくてなによりだ」
王座の九人筆頭――フォックスは、円卓を一望して微笑む。
( ・∀・)「そう言っている場合か?
敵にハインリッヒが居るならこちらの情報は全部抜き取られるぞ」
(;-@∀@)「お、おれは悪くねえからな!!」
爪'ー`)「心配するな。なにも問題ない。
ここがバレたなら、それなりの対応をするまでさ」
フォックスは膝で手を組み、その余裕ぶりを過剰に演出して見せた。
爪'ー`)「魔神ロマネスク、その娘・魔王城ツン。
ひいては魔界を統べる数万の魔王軍軍勢……」
爪'ー`)「……その全てをこちらから出向いて倒すのは、正直しんどい。
故に、今回のことは都合が良いとさえ言えるよ」
爪'ー`)「もし向こうから攻めて来たなら、その時はこちらの陣地での戦闘。
用意周到に彼らを出迎える事ができる」
爪'ー`)「それに元より敗残兵の負け戦、いまさら不利が増えたところで他愛ないさ……」
.
406
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:27:28 ID:/Ny0Anw.0
(,,゚Д゚)「……ま、大将様に言われたんじゃ焦ってもしゃあねえ」
(,,゚Д゚)「それにもう次の手は打ってあんだよな?
一手ずつ、確実に詰めていこうぜ」
( ・∀・)「次の手? ……聞いてないぞ、アサピー」
(;-@∀@)「んだよォ! いちいちお前に報告する義務なんかねーよバーカ!!」
爪'ー`)「さっき魔王城ツンのもとに歯車王を向かわせたそうだ。
なんでも今度のバージョンは自信作らしくてな、期待しようじゃないか」
(; ・∀・)「いや……。どう考えても無理だと思うが」
モララーからの冷ややかな反論。
しかしそれを見越していたのか、アサピーがマッドサイエンティストっぽい笑い声を張り上げた。
(#-@∀@)「オブボフヘアアア!?(笑い声) ブァァァカめ!」
(#-@∀@)「ぅ我が勇者軍の科学力は常に! あ、常にィ〜〜〜??
この時代の最先端をォ、バッサリ切り開いていくものであァァアアァァッる!!」
(,,゚Д゚)「うっせ」
J( 'ー`)し「殺していいかしらぁ」
.
407
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:28:16 ID:/Ny0Anw.0
(#-@∀@)「せいぜいそこでふんぞり返っていろモララー!
その一席ィ……いずれ誕生する歯車王二号機の為に温めておくんだなぁぁぁ〜〜ッ!?」
( ´_ゝ`)「これ終わったらカラオケ行く?」
(´<_` )「いいな。美川憲一の採点やろうぜ」
爪'ー`)「やはりカラオケか……私も同行しよう」
( ・∀・)「帰って寝るか〜〜〜〜」
(#-@∀@)「フフフハ、ハーーッハッハッハ! ワハハハーーーー!!」
――各々、テンションの差が酷い王座の九人だった。
408
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:29:47 ID:/Ny0Anw.0
【interlude:2】
「……それが、魔王の孫娘か」
その言葉と共に扉が開き、白い鎧の女が教室に入ってきた。
女は黒い長髪をひるがえし、堂々と教壇に立って瞑目する。
川 - )「――素直四天王が筆頭、素直クール。
魔王城ツン。すまないが、お前にはここで死んでもらう」
女、素直クールは腰の鞘から剣を引き抜き、それを空中で一振りした。
戦闘シーンを全カットされ、次回開始時には負けているとも知らずに――
川 ゚ -゚)「……」
川;゚ -゚)「って、ちょっ、あれ? 誰も居なッ……」
放課後の教室、いざ襲撃だ!と意気込んで教室に入ってきた素直クール。
ところが教室内はもぬけの殻。夕日が差し込む、物悲しい風景があるだけだった。
川;゚ -゚)「……フッ。わ、私の実力を知って逃げ出したか」
川;゚ -゚)「魔王城ツン。その命、今週いっぱい預けておくぞ……!」
クールは誰も居ない、誰も居ない、本当に一人ぼっちの教室で照れ隠しを呟いた。
.
409
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:31:30 ID:/Ny0Anw.0
照れ隠しも言い終わって、あーもう帰ろうと剣をおさめる素直クール。
そうしているとふと教室の扉が開いて、見知った顔がひょっこり中を覗いてきた。
o川;゚ー゚)o「……あー。やっぱり」
川;゚ -゚)「む、キュート」
素直四天王・素直キュートは、参ったなこりゃという困り顔で教室に入ってきた。
o川;゚ー゚)o「……お姉ちゃん、ここ来る前に下駄箱見た?
魔王城の靴、なかったよ?」
川;゚ -゚)「いや、その……これは予行演習というかな、気合有り余ってというやつでな……」
o川*゚ー゚)o「……はいはい、分かったから。ありがとお姉ちゃん。
とりあえず今日はもう帰ろう? 特売終わっちゃうよ」
Σ川;゚ -゚)「特売ッ!? こうしてはおられんッ!」
キュートの一言に発破を掛けられた素直クールはすぐさま武装を解除し、
然るべき女子高生の格好に戻って一目散に駆け出した。
o川*゚ー゚)o「いけいけお姉ちゃん! よっ! 四天王最速ッ!」
三┏川;゚ -゚)┛「キュートも急いで帰ってくるんだぞ! 今日は焼肉だからな!」ダッ!
.
410
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:32:10 ID:/Ny0Anw.0
.
411
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:34:43 ID:/Ny0Anw.0
o川*゚ー゚)o「……さて」
と、一人残されて一息ついた素直キュート。
o川*゚ー゚)o「そこのロボット、もう出てきていいよ」
彼女は教室の隅に目を向け、得意気に腰に手を当てて言った。
しかし彼女が見つめる先には誰も居ない。
窓があり、風になびくカーテンがあり、机椅子がある程度。
それでもなお、彼女は誰も居ない空間に向かって言葉を投げかける。
o川*゚ー゚)o「……なんだっけ、光学迷彩?
凄いね。人間じゃないから本当に気配が無い。
違和感そのものに気付かなかったら、多分魔王城でも分からないよ」
くすり、と素直キュートが微笑む。
その直後、不気味な重低音が教室内に響き始めた。
それは敵の光学迷彩が解除されていく音――徐々に姿を見せていくそれを、素直キュートはじっと見つめる。
.
412
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:35:26 ID:/Ny0Anw.0
β ←ここからミサイルが出る
┌─┴┐
∪ |::━◎┥∪ ウィーン ガッシャン
V| |V
|:日 日:| ウィーン ガガガガ
└┬┬┘
亠亠
o川;゚ー゚)o「……思ったより、見た目はレトロだね」
|::━◎┥「――目標、確認デキズ。目撃者、一名」
|::━◎┥「機密保持ノ為、殺害ヲ実行シマス」
|::━◎┥「教室内ニ結界ヲ展開。逃走ハ、不可能――」
地の文にすると数行必要なことを一言で済ませてくれた歯車王。
彼はそれだけを宣告し、その姿を再び光学迷彩の中に消していく。
.
413
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:36:33 ID:/Ny0Anw.0
o川*゚-゚)o「……なにそれ、めんどくさ」
o川*゚-゚)o「運悪くブッキングしただけじゃん。
狙いは魔王城なんでしょ? 別に殺すとかよくない?」
「武装展開、完了――」
無機質な音声と、銃火器の起動音が四方八方から素直キュートを捕捉する。
最大火力による絨毯爆撃はもう間もなく――だが、彼女は顔色を変えない。
o川*゚-゚)o「……チッ」
唾棄するような舌打ちが一つ。
歯車王の攻撃が始まったのは、まさにその直後だった。
414
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 07:38:06 ID:/Ny0Anw.0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
――結界が解けると、戦闘の形跡は綺麗サッパリなくなっていた。
外はすっかり夜に沈んでいた。夕飯時なのか、どこかから良い匂いが漂ってくる。
o川*゚-゚)o「……」
静まり返った戦場を惜しむように、彼女はしばし、その場に佇む。
だがそこに達成感も満足感もありはしない。この戦いで彼女が得たものは、耐え難い空腹感だけだった。
もちろん単純にお腹も空いているが、彼女にはそれだけではない“飢え”があった。
そして、その“飢え”が満たされた事は、これまで一度として無かった。
o川*゚-゚)o「……つまんない」
素直キュートは、足元の鉄屑をコツンと蹴り飛ばした。
切り刻まれ、叩き潰された歯車王の残骸は、もうその一片しかこの世に残っていない。
o川*゚-゚)o「つまんない、つまんない、つまんな〜〜〜い……」
リズミカルに、同じ言葉を繰り返す。
彼女は最後に溜め息をつくと、鞄を持って教室を出て行った。
何事もなかったかのように振る舞い、いつもの面倒臭がりな自分に戻る。
o川*゚ー゚)o(……そういや焼肉だっけ、急ごっと♪)
姉同様、戦闘シーンを全カットされたとも知らず――
【interlude:out】
.
415
:
◆gFPbblEHlQ
:2016/03/05(土) 07:41:52 ID:/Ny0Anw.0
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
,、,,..._
ノ ・ ヽ と思うやわもちきなこであった
/ ::::: i
/ ::::: ゙、 ブン動会に出るので次回遅れるのであった
,i :::::: `ー-、
| :::: i あとトリップもこっちに統一するのであった
! :::::.. ノ
`ー――――― '" また次回
416
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 08:26:23 ID:T8osC5VE0
相変わらずバッサリ切るなぁ
乙
417
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 08:29:54 ID:kfijDeJg0
乙なのであった
前出てきた時はそこまで強そうじゃなかったけどそんなことないのか素直シスターズ
418
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 08:49:05 ID:SKj37rc.0
おつおつー!
今回のルート、ドクオが不安要素だなぁ……
ブン動会応援してる
419
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 09:12:25 ID:H3q5Qwlg0
乙乙
このざっくり感が癖になる
420
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 10:19:13 ID:Ab3kDPCI0
乙!
前のルートであれだけ過酷だったブーンが幸せそうで良かった
421
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 10:24:31 ID:e4hg474g0
>>417
モナーの首を落とすシーンのクーもシューも強そうだっただろ!!
422
:
名も無きAAのようです
:2016/03/05(土) 15:22:05 ID:NuQZi8sw0
この人の戦闘描写好きだから戦闘もみたい
423
:
名も無きAAのようです
:2016/03/07(月) 12:36:09 ID:c4azjSGc0
キュート強すぎワロタ
こいつらただの人間じゃなかったっけ
424
:
◆gFPbblEHlQ
:2016/04/01(金) 01:56:28 ID:GnBXv.tI0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです
4月バカ編
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
425
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 01:57:12 ID:GnBXv.tI0
ポワンポワン(テレポートめいた演出)
ξ;゚⊿゚)ξ !? ここは一体?・・・
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『――フハハハトサブレ』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
限りなく広がる純白の世界。
そこはサブレ時空――ツンちゃんを司る神の領域だった。
ξ;゚⊿゚)ξ ま、まさかエイプリルフールだからって・・
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『そうだ』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
ξ゚⊿゚)ξ なるほど
ツンちゃんは怒り狂った。
426
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 01:58:25 ID:GnBXv.tI0
,、,,..._
ノ ・ ヽ 5月です
/ ::::: i
/ ::::: ゙、 馬鹿なので今日から三日間に及ぶながら投下をします
,i :::::: `ー-、 三日で収まらない可能性は十分あるので三日で終わるかは分かりません
| :::: i 計画はなにもないです 頑張ります
| :::: i あと今回の血迷った行為は本編とは無関係の混沌になります
| :::: i なのでご注文があれば最大限反映します 頑張ります
| :::: i
| :::: i
| :::: i まずは寝ます
! :::::.. ノ 起きたら頑張ります
`ー┬――┬― '"
| |
とつ” とつ” †X† ブン動会逃亡作者より贖罪の意を込めて †X†
427
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:03:21 ID:GnBXv.tI0
少女の目覚めはそれはもうスッキリ爽やかであった。
昨夜の就寝時間は22時。現在時刻はそこから8時間後の午前6時。
(*゚ー゚)(早寝早起きにも慣れたかな)
少女は得意気に思いながら時計のアラームを解除する。
その後すみやかにベッドをおりて寝室を出て、顔を洗ったり歯を磨いたり。
およそ起床後にするであろう大体のあれこれを済ませると、少女はテレビのリモコンを持ってテーブルについた。
テレビを点けると彼女は迷わずニュース番組にチャンネルを合わせた。
バラエティとの住み分けを忘れたニュースキャスター達が、駆け足に世間のニュースを読み上げていく。
誰彼が法を犯した、選挙がどうだ、噂のスイーツだなんだと、良し悪し入り混じった話がざっと20分は続く。
(*゚ー゚)(……今日は、無いかな)
テレビを見ながら摘んでいた卓上のお菓子もいよいよ尽きるぞという寸前。
少女の安堵を裏切るように、突然、テレビに緊迫した様子のニュースキャスターが映し出された。
彼は数枚の原稿用紙をざっと一瞥すると、ゆっくりとその口を開き、語り始める。
『たった今、入ったニュースです』
『昨年から始まった連続殺人に、あたらな犠牲者です』
少女は目を見張り、テレビの音量をぐんと上げた。
.
428
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:11:58 ID:GnBXv.tI0
『被害者は十代前半の少女。遺体の損傷は激しく、身元判明には時間を要すると――』
『――警察は今回の事件も同一犯の犯行であると断定。
特別捜査本部の調査対象となる模様です』
そこでまたも画面が変わり、一分間まったく無意味な街頭インタビューが流れた。
こうなるともう具体的な話はない。適当にしめて、ニュースはいつもの平和を語り始める。
『一刻も早い事件解決が、望まれています。では――』
(*゚ー゚)(……都内はもう、駄目かもしれない)
少女はテレビを消してテーブルにうな垂れた。
静まり返った室内に、小さく溜め息をつく。
(*゚ー゚)(もう連絡が取れない子の方が多い。
残った子もいずれ狙われる。早めに行動を起こさなきゃ……)
(* ー )(……魔法少女が狩られていく。こんなの、正気の沙汰じゃないよ……)
少女はわずかに身震いする。
影のような存在に、少しずつ、少しずつ追い詰められていく感覚。
魔法少女になった時は、そんなものを味わうなんて全く思っていなかったのに……。
.
429
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:16:11 ID:GnBXv.tI0
湧き上がる恐怖にぎゅっと目を閉じてしまった少女。
すると、その少女の肩にフワフワとした綿のようなものがとまった。
( ∵) ≪……しぃ、元気を出して≫
綿には三つの点があり、それが顔の役割を果たしていた。
綿から聞こえてきた声は直接少女の脳内に。励ます声は、とても優しい。
(*゚ー゚)「……ねえ、ビコーズ。私達の戦いって、終わったんだよね」
( ∵) ≪もちろんだよ。僕らの敵、怪人商会なら二年前に倒したじゃないか!≫
(*゚ー゚)「……なら、いま私達を狙ってるのは誰なの?
どうして殺されるの? なんで……」
( ∵)
(*゚ー゚)「……あなたはこの質問にだけ、答えてくれないのね」
( ∵) ≪……ごめんね。とにかく、今は安全第一だよ。
本当は外出もしない方がいいんだけど……≫
(*゚ー゚)
(*゚ー゚)「……そうだね。学校、あるもんね」
しぃは儚げな笑みをビコーズに見せると、顔を上げて思いっきり背を伸ばした。
.
430
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:21:22 ID:GnBXv.tI0
(*゚ー゚)「らしくない! らしくないぞ、わたし!」
(*゚ー゚)「きっとみんな生きてる! 捕まってるだけ!」
(*゚ー゚)「それを私が見つけ出して助ける! それだけ!」
( ∵)
( ∵) ≪そうだそうだ! いいぞしぃちゃん!≫
しぃは勇んで立ち上がり、父親が寝ている部屋に駆け込んでいった。
(*゚ー゚)「おとーさんっ!! 朝だよーーーー!!」バッ
(;,,゚Д゚)「のわッ!?」
布団を引っぺがすと、しぃの父は飛び起きるように目を覚ました。
一瞬の狼狽。やがてしぃと目を合わせると、父親は幸せそうに頬を弛ませた。
.
431
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:27:43 ID:GnBXv.tI0
(*,,゚Д゚)「この悪い子め〜〜〜やりやがったな〜〜〜」
(*゚ー゚)「ねぼすけのお父さんが悪いんだも〜〜ん!」シャッ!
しぃはカーテンに手を掛け、追い討ちと言わんばかりに勢いよくカーテンを開け放った。
燦然と注ぎ込まれる日光。父はグワー! と叫んでのた打ち回り、一人娘のイタズラに翻弄される。
(*゚ー゚)「へへっ! 朝ごはん作るから、ちゃんと起きるんだよっ!」
(*,,゚Д゚)「分かった分かった。ったく、余計なとこばっか母さんに似やがって……」
(*゚ー゚)「あ! お母さんの悪口禁止! 罰として朝ごはん減らっ」
窓ガラスが割れ、少女の言葉が不自然に途切れる。
(,,゚Д゚)「……ん?」
「第一目標沈黙。目撃者一名、狙撃続行を進言する」
それを理解する間など、目撃者にすら与えない。
狙撃手はこの家屋から2km離れた先のビル屋上に構えていた。
故に彼らに認識される事はないが、生存者に警察に駆け込まれては厄介だ。
リスクは最小限に抑えなければならない。
「……了解。狙撃する」
返答は簡潔。
その直後、引き金に掛けた狙撃手の指が静かに動いた。
.
432
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:28:40 ID:GnBXv.tI0
――――そこは現代。20XX年の日本。
.
433
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:30:11 ID:GnBXv.tI0
(//‰ ゚)「……クリア。撤退する。始末は任せたぞ」
――――幾多の魔法少女が実在し、ささやかな非現実が許された世界。
.
434
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:31:42 ID:GnBXv.tI0
――――20XX年、4月1日。
この日、東京都内最後の魔法少女が死亡。
遺体解剖の結果、少女の死因は銃器による長距離射撃であると推測される。
以前同様、使用された銃器はチェイ・タック社のライフルである可能性が濃厚。
少女の実家は何者かに放火され、近隣家屋に延焼するほどの大火災に発展。
警察は事後処理、事実隠蔽などを優先した。
『半人半機』に関する情報収集には、まだ時間を要するとのこと――――
.
435
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:33:48 ID:GnBXv.tI0
(//‰ ゚)(……右腕の関節部に違和感)ギッ
(//‰ ゚)「…………」
そこは現実。血肉が尽きれば死ぬ世界。
現実に生きる少女達は、どうしようもなく、現実の一部でしかなかった――――
.
436
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:34:28 ID:GnBXv.tI0
半人半機の魔法少女 Wizard of half cyborg
.
437
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:35:56 ID:GnBXv.tI0
.
438
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:37:56 ID:GnBXv.tI0
(-@∀@)「横掘、依頼が来てるぜ」
隠れ家に入った途端、アサピーはホットミルクと一緒に紙切れを差し出してきた。
私はホットミルクだけを受け取り、フリースペースのソファに腰を下ろす。
体勢を安定させ、ボディをスリープモードに移行。
視界にメンテナンスメニューを表示し、私は右腕の可動域チェックを実行した。
私の意思とは関係なく、右腕の内部機構が動き始める。そこに私の感覚はない。
(-@∀@)「どこか不具合か?」
(//‰ ゚)「あるかどうかを確かめている。依頼を読み上げてくれ」
口も目も今は動かない。初見には、私という死体から声が出ているようにしか見えないだろう。
今の声も、私の声から作り上げた合成音声でしかない。
(-@∀@)「……ふむ。分かった読み上げてやる」
(-@∀@)「依頼は前回と一緒。民間の軍事組織からだ。
へんてこな格好の少女が、魔法のようなもので攻撃してくるんだとさ」
(-@∀@)「場所は××国の紛争地帯。
どうする、受けるか? ××国にひとっ飛びする事になるが」
(//‰ ゚)「……また捕虜の少女が魔法少女になったか。連中には格好の的だな」
(-@∀@)「そう言うな。この御時勢、力が欲しいのは誰だって同じさ」
.
439
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:42:33 ID:GnBXv.tI0
(//‰ ゚)「……都内のは一通り片付けた。
ここらで資金調達に行くのも悪くない案だな」
右腕内部の駆動音が静寂する。
今度は関節部が動き出し、肘から先が滑らかに上下する。
その後、視界にコンプリートの文字列が表示された。
ここでチェックを終わってもよかったが、一応五指までしっかりやることにした。
アサピーの話もまだ続きそうだ。
小指の関節をひとつずつ畳み、その動作を親指に向かって順番にやっていく。
(-@∀@)「本気か? これ罠だぞ」
(//‰ ゚)「だろうな。前回もそうだった」
……メンテナンスに熱が入ってきた。
私は右腕のみならず、左腕でも同じ工程を繰り返す。
.
440
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:49:20 ID:GnBXv.tI0
(//‰ ゚)「しかし、もう終わった事だ。マザーブレインは私を殺さない。
私が魔法少女にとっての『必要悪』である限り、あれは私を殺せない」
(-@∀@)「……これもマザーブレインの思惑通りだと?
お前が魔法少女を殺し続け、今後も生き続けるっていう」
(//‰ ゚)「あれは限界まで自身を増大する能力は持っているが、その中には確実に無駄な部分がある。
それを削除し、容量に隙間を作ってやるのが私の役割なんだろう」
(-@∀@)「……効率の為の必要悪ね。インテリだ、魔法少女」
(//‰ ゚)「つまり今回、向こうとしてはなるべく早急に片付けたい問題児が居るという事だろうな……」
(-@∀@)「前と同じくな。いや、あん時は参った……」
(//‰ ゚)「……思い出させるな」
スリープモードを解除。
肉体の支配権を得た私は立ち上がり、壁に向かって左腕を突き出す。
(-@∀@)「あ、気をつけろよ」
(//‰ ゚)「分かっている」
そう答えると同時、私の左腕前腕部が上下に開き、骨格に備え付けたバレルを走って一本の杭が射出された。
(//‰ ゚)「――ッ」
その反動に肉体が一瞬震える。手応えは十分。
程なくして杭は自動で引っ込み、左腕は元の形状に戻った。
直径15cm、太さ3cmの杭。
杭打ち機を模したこの武器は、並の魔法少女の防御魔法を容易く貫通する。
暗殺・狙撃が不可能な場合の中距離戦闘ではこれが活躍する場面も少なくない。
もっとも、それ以上に人間相手での使用率が飛びぬけているが……。
.
441
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:50:21 ID:GnBXv.tI0
(//‰ ゚)「アサピー、紛争地帯の情報収集は済んでいるか?」
(-@∀@)「お、行くのか。出来てるぜ。
向こう用のリュックサックも作っておいた。すぐにでも出発できる」
(//‰ ゚)「なら行ってくる。こっちの情報収集、サボらずにな」
――私は脳内で唱える。機械とは別の、人間としての私の部分で。
それに応じてポンッ! と現れたのは綿のような姿の妖精。
マザーブレインから分裂し、少女に取りつく生きた端末機器、ビコーズ。
( ∵) ≪――変身かい?≫
(//‰ ゚)「ああ。海を渡る為に飛行魔法が欲しい」
(;∵) ≪……そりゃまた大変だ。君なら大丈夫だろうけどさ≫
ビコーズが空中でくるんと一回転して見せる。
途端、私の手中に細長い光が現れた。
私がその光を掴み取ると、光は弾けるように消滅し、光の中から傷だらけのステッキが姿を現した。
.
442
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:51:25 ID:GnBXv.tI0
( ∵) ≪決め台詞とか、決めポーズはいいの?≫
(//‰ ゚)「無駄だ。早く済ませろ」
( ∵) ≪はいはい。って、君の場合、これでもう終わりなんだよね≫
またも空中で一回転。
それによって現れた物は、一枚の赤いスカーフだけだった。
スカーフはシュルリと私の首に巻き、そして普通の布切れになった。
( ∵) ≪……いい加減、衣装変えてもいいんだよ?
君の衣装は、もうあの時に消し飛んじゃったんだし≫
(//‰ ゚)「用済みだから消えろ。昔の話はするな」
(-@∀@)「ホルマリンに漬けないだけありがたく思え。消えろ」
私とアサピーは揃ってビコーズを睨みつけた。
お互い、過去にはなるべく触れないようにしているのだ。
目には決して見えないが、私達は同じ場所に違う傷を持っている。
( ∵) ≪……はいはい。それじゃ、また変身する時は呼んでね〜≫
呆れた声色で捨て台詞を残し、ビコーズはスポン!と音を鳴らして姿を消した。
(//‰ ゚)「……リュックサックの中身を見ておきたい」
(-@∀@)「おう。こっちだ」
私は残りのホットミルクを飲みきってから、アサピーの後についていった。
.
443
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 10:55:30 ID:GnBXv.tI0
,、,,..._
ノ ・ ヽ カレーを作ってきます
444
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 11:05:28 ID:wzhlr78c0
カレーパーティーだ
ハヤシライス味にしてくれ
445
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 11:14:03 ID:UUjq6O560
ハヤシライスを食え
446
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 13:59:31 ID:GnBXv.tI0
―― ××国 市街地のホテル ――
ホテルの受付に、一人の少女が近付いてきた。
見た目は確かに十代。
しかしその立ち振る舞いは毅然としていて、このホテルに見合うだけの風格はあった。
ホテルマンは彼女に対する見下してる感じの思いを胸の奥にしまい、笑顔で彼女を迎えた。
('、`*川 「こんにちは。予約した部屋はちゃんと空いてるかしら」
「いらっしゃいませ。失礼ですが、ご予約のお名前は……」
('、`*川 「ジャン=ピエール・ペニサス。国籍はイタリア」
「少々お待ちください」
ホテルマンは片手でパソコンを操作し、目の前の彼女と予約時の顔写真を見比べた。
問題なく、同一人物だった。
.
447
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 14:20:51 ID:GnBXv.tI0
「……はい、確認いたしました。ご案内いたします」
('、`*川 「テロがあると手間が増えて大変ね。
客としては、変なのが入ってこなくて安心だけど」
「いえいえ、当然の事です」
「それに市街地はまだ警察が機能していますから、十分観光を楽しめますよ」
ホテルマンはカウンターを出て、少女の前に立った。
だが、その手にはハンディタイプの金属探知機が握られていた。
どんな相手であろうと、信用とは疑いを晴らす所から始まるものだ。
このホテルマンは、しっかりとそれを弁えていた。
「失礼ですが、お持ちの金属類は一度検めさせていただきます」
∩('、`*川 「ええ。でも多いから、命が幾つあっても足りないわね」 スッ・・・
「……はい?」
少女はふと片手を上げて言った。
それと同時、ホテルマンの全身に十個の赤い点が浮かび上がる。
レーザーポインターは人体の急所にそれぞれ的を絞り、次の指示を待つ。
448
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 14:31:39 ID:GnBXv.tI0
∩('、`*川 「こういうのってさ、結局形だけなのよね」
∩('、`*川 「善人の不安を解消する為の行為なんて、悪人への対策にも予防にもならない。
確固たる“決行”の前に、あらゆる怠慢は打ち砕かれる」
「――だッ! 誰か、警察を呼べ!!」
('、`*川 「さようなら。このホテル、ちょっと借りるわね」
ペニサスは歩き出し、静かにその手を下ろした。
直後、『ドツッ』という音が数秒間連続し、少女の背後でホテルマンが死に絶える。
タイミングよく、彼女が乗ろうとしていたエレベーターが一階に降りてきた。
客が降りてくる前に、ペニサスは懐からサブマシンガンを取り出す。
('、`*川 「行くぞ、まずは皆殺しだ。作業スペースを作る」 ジャキッ
その命令は、彼女の左耳のインカムから本隊50名の志願兵に向けて通達されていた。
本隊からの返事は待たない。ここから先は、血の雨が降る。
「……じゅう?」
ドアが開き、いざ降りようと一歩踏み出してきたスーツ姿の男性客。
彼はサブマシンガンの銃口を見た瞬間、ピタリと身動きを止めた。
('、`*川 「ハロージーザス。道をあけな」
ペニサスはエレベーターの客に愉快な笑みを送ってから、ありったけの銃声で彼らを出迎えた。
449
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 14:45:22 ID:GnBXv.tI0
('、`*川 「〜〜♪」
神は生きている。神は居る。神はすぐそこに居る。
なぜ見ようとしないのか。なぜ事実を受け入れないのか。
('、`*川 「二階制圧。三階どうだ」
『――……三階制圧。十階まで滞りなく順調。』
貴方はなぜ神ではなく悪魔を信じるのか。
神を信じなさい。神は常に傍に居る。神を受け入れなさい。
('、`*川 「オーライ。お客様全員にしっかり朝刊を配ってやれ。
仲間外れはナシだ。ジーザスジーザス」
『了解。作戦に戻ります。』
('、`*川 「……ンッン〜〜♪」
.
450
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 14:51:33 ID:GnBXv.tI0
――――20XX年、4月3日。
××国、有名ホテルがテロリストによって占拠される。
組織名は不明。犠牲者は従業員と宿泊客の全員。
目的は不明。彼らは今もなおホテル内に立てこもっている。
国境付近での紛争がいよいよ市街地にも伸びてきた。
市民は家屋に引きこもるか、国外逃亡を余儀なくされている――――
451
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 15:46:14 ID:GnBXv.tI0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ξ⊿´`)ξ「んんんん・・・・ んっちゅ」スヤスヤ
ちゃんツンはねむっちまったんだなあこれが
つまり ブン投げたんだなあ
「――おきてお」
ξ-⊿-)ξ「……ん」
すっかりスヤスヤ寝ていたツンを起こそうとする声。
ツンはしばし布団の中で身もだえしてから、ようやくその声に応えた。
ξ-⊿-)ξ「まったく……誰よこんな自衛隊のガヤにかき消されそうな起こし方をするのは・・・」
452
:
名も無きAAのようです
:2016/04/01(金) 15:47:37 ID:GnBXv.tI0
,..ィソリ///ミYレ/彡三三三ミミ
ィリソリ〃〃レ'三三三三ミミミミミミュ
/テ孑''´ ``''' ====ミ三三ミミミ
l//' `ヾ川ミミミ!
|l!' :.}!リリ||!lミ
| .:.:リ川ミミ}}
| .;;.从川||
l,;;iiii=z;;;,,,_ ,.r=====;;;;,.. ソソレ⌒ ;
. | rェ;ェ._ ; l;:.. ,ィァ ァ,._ リ /
. l .;:'. ; l;;: . `´ l! ./
l .; ;: ;,. ィ ノ
l ;' ;:,. 、 /
l ー- ‐ ' ;.:. ,;'
! ,: ' ; : ; ハ
', .r‐ -- -一 ィ .:.;,/ ヘ
_,,.. - ''´ . ‐--‐ .:,.ィ }`'' - ,,,__
ヘ .::. .;:.. ,.ィ リ
ヽ .____,,. '
デデデデエェエェェェエェッェツェェェェェエェエーン!!
( ^ω^)「なに言ってるお? 早く学校に行くお!」
ξ-⊿-)ξ「うーんまだ寝惚けてるみたい・・・ちょっと下で待ってて」
⊂( ^ω^)⊃「おk!」
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