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( ^ω^)達は今が楽しければなんでもいいようです
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ある日、クーはほんの遊び心のつもりで、切り分けた林檎の皮をウサギの形に切り、ドクオに渡した。
「……うんめぇ」
ドクオはそれを大層気に入った。
味など変わるはずもないのに、薄汚れた彼には、人がわざわざ"自分のため"に手をかけたものを分けてくれることが、嬉しかったのだ。
やがてクーの親は二人が密かに落ち合っていたことを知る。
ものを分け合う二人の慎ましげな姿を気に入り、それからドクオはしばしばクーの家に厄介になるようになった。
彼女がVIPに入学してから初めた暗殺稼業は、世話になったクーの両親に見せられるようなものではない。
後ろめたく思ったドクオはそれきり、彼女とも彼女の家とも疎遠になっていった。
('A`)「懐かしいな」
几帳面に、きっちり左右対称で耳を伸ばしたウサギ型の林檎が、紙皿の上に並べられる。
ドクオはその一つを手に取り、尻から頬張った。
自分で食い扶持を稼げるようになり、好きなものを食べられるようになった。
林檎は、特別好きな食べ物ではなかった。
クーがくれた林檎だから、クーが剥いてくれた林檎だからーー
('A`)「……うんめぇ」
九郎丸の手入れ用の布で、汁がついたナイフの刃を綺麗に拭き取り、ドクオに返す。
川 ゚ -゚)「変わらないな」
窓から射し込んだ日の光が、クーの顔を照らした。
ほんの少しだけ微笑んでいた。
少なくともドクオには、そのように見えた。
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